特許第6078761号(P6078761)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6078761
(24)【登録日】2017年1月27日
(45)【発行日】2017年2月15日
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01H 9/18 20060101AFI20170206BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20170206BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20170206BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20170206BHJP
【FI】
   H01H9/18 B
   B60R11/02 C
   G06F3/02 310G
   G06F3/041 350A
【請求項の数】17
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-284409(P2012-284409)
(22)【出願日】2012年12月27日
(65)【公開番号】特開2014-127396(P2014-127396A)
(43)【公開日】2014年7月7日
【審査請求日】2015年10月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(74)【代理人】
【識別番号】100104514
【弁理士】
【氏名又は名称】森 泰比古
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 浩二
【審査官】 澤崎 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−267897(JP,A)
【文献】 特開2012−079425(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/16 − 9/18
H01H 13/00 − 13/88
G06F 3/02
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の前面に表示画面と、当該表示画面の外側に位置する操作部とを備え、(1)前記操作部には、その操作可能範囲の中心よりも外側寄りに透光部を形成すると共に、当該透光部の背面側から正面側に向かって光を照射する様に光源を設置しており
前記操作部の前記操作可能範囲の内側を前記表示画面の外側の回路収納部の少なくとも一部に重なる様に設置していること
を特徴とする電子機器。
【請求項2】
(2)前記回路収納部の外側直近に位置する様に前記光源を設置していること、を特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
(3)前記透光部として、前記回路収納部の外側に沿って並ぶ様に文字又は記号を表したこと、を特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
(4)前記回路収納部の反対側の表示画面外側にも反対側光源を設置すると共に、当該反対側の表示画面外側に沿って並ぶ様に文字又は記号を表した透光部を有するダイレクト操作用の操作部を、当該透光部が前記反対側光源の正面に重なる様に設置したこと、を特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
(5)前記回路収納部の反対側の表示画面外側に設置される操作部は、前記回路収納部の外側に設置される操作部と、前記表示画面の中心に対して対称となる位置に設置されていること、を特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
(6)前記透光部として、前記表示画面の画面中心側を下辺とする横書き表記の文字を備えていること、を特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の電子機器。
【請求項7】
(7)前記表示画面が液晶表示パネルであって、当該液晶表示パネルを設置した表示基板の前面に前記光源として前記透光部の背面に位置する様にLEDを設置すると共に、前記筐体を、前記表示基板を背面側から位置決め装着するフロントケースと、当該フロントケースと一体化されて筐体の側面及び上下面を構成する筒状のメインボディと、当該メインボディの後端を塞ぐ裏蓋とから構成したこと、を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子機器。
【請求項8】
(8)前記フロントケースには、前記LEDを正面に向かって露出させる開口又は切り欠きが形成されていること、を特徴とする請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
(9)前記フロントケースは、前記メインボディの前端縁よりも所定量後方に控えた位置において当該メインボディから内側に突設する様に一体形成され、当該フロントケースの前面にタッチパネルが前記メインボディの内側に収まる様に設置されていること、を特徴とする請求項7又は8に記載の電子機器。
【請求項10】
(10)前記操作部が前記タッチパネルの所定領域として構成されるタッチ式操作部であり、前記回路収納部側に設置されるタッチ式操作部は、前記所定領域の外側縁寄りに前記透光部を備え、前記所定領域の内側縁を前記回路収納部に重なる様に設置されていること、を特徴とする請求項9に記載の電子機器。
【請求項11】
(11)前記裏蓋は、前記メインボディの後端縁の内側に嵌り込む様に装着される構成とされていること、を特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の電子機器。
【請求項12】
(12)前記裏蓋は、その最外面が前記メインボディの後端縁と面一となる様に装着される構成とされていること、を特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の電子機器。
【請求項13】
(13)前記表示基板には記憶媒体受入部材が側方から記憶媒体を挿脱可能に設置されると共に、前記メインボディの側面に、当該記憶媒体を挿脱するための長孔が形成されていること、を特徴とする請求項7〜12のいずれかに記載の電子機器。
【請求項14】
(14)前記メインボディと前記裏蓋の間に、スペーサを介して前記表示基板との間に所定間隔を保持する様に第2の基板が設置されていること、を特徴とする請求項7〜13のいずれかに記載の電子機器。
【請求項15】
(15)前記第2の基板には、裏面側にパッチアンテナが設置されると共に、当該パッチアンテナの受信信号に基づいて所定の情報処理を実行するレーダーモジュールが設置され、前記表示画面には、当該レーダーモジュールから入力される信号に対応する表示がなされる様に構成されていること、を特徴とする請求項14に記載の電子機器。
【請求項16】
(16)前記第2の基板には、GPS信号を受信して所定の情報処理を実行するGPSモジュールが設置され、前記表示画面には、当該GPSモジュールから入力される信号に対応する表示がなされる様に構成されていること、を特徴とする請求項14又は15に記載の電子機器。
【請求項17】
(17)L型プラグ付きのコネクタを介して電源を供給する構造とし、前記裏蓋には前記コネクタを横挿しで挿入するコネクタ挿入口を開口させると共に、前記第2の基板には横挿しでコネクタを嵌合させる様にレセプタクルを後方に向けて設置し、前記コネクタとして、L型プラグのL字面に対して平行となる方向にコネクタ部を形成したものを用いること、を特徴とする請求項14〜16のいずれかに記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面の外側に操作部を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の機器においてはデザイン性の向上等を目的として、表示画面のサイドにタッチ式のダイレクト操作用ボタンを設置する提案がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−267897
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、液晶表示画面のサイドに設置するインジケータパネルの側面に配置したLEDの光を斜面で反射拡散させて「VOL」「CH」等の文字や「アップ/ダウン」等の記号の視認性を高め、これら文字や記号の表示されたインジケータパネルの表面に貼り付けたタッチパネル(感圧シート)の所定エリアを指先で操作することで機能を発揮させることを提案するものである。
【0005】
この特許文献1の機器は、背面からの光で操作部の文字が見易いという利点があるが、構造が複雑になると共に、液晶画面のサイドに広いインジケータ領域を備える必用があり、機器の小型化にはさらなる工夫が必要である。
【0006】
そこで、本発明は、表示画面の外側に操作部を備えた電子機器において、外観デザインを向上させつつ機器のコンパクト化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の電子機器は、筐体の前面に表示画面と、当該表示画面の外側に位置する操作部とを備え、「(1)前記操作部には、その操作可能範囲の中心よりも外側寄りに透光部を形成すると共に、当該透光部の背面側から正面側に向かって光を照射する様に光源を設置したこと」を特徴とする。
【0008】
本発明の電子機器によれば、光源からの光により透光部が照射されるから、夜間等においても操作部の位置を容易に認識することができる。この結果、操作部の視認性・操作性が向上する。そして、この透光部が操作可能範囲の中心よりも外側寄りに形成されるから、光源を筐体の前面の端に位置する様に設置することができるから、操作部の操作可能範囲の中心に透光部を形成する場合に比べて、操作部を内側寄りに設置することが容易になり、筐体を小型化することが可能になる。操作部を前面の左(右)側に備える場合は幅を小さくすることができ、前面の上(下)側に備える場合は高さを小さくすることができる。なお、操作部は、後述する様なタッチパネル方式ではなく、例えば押しボタンやドーム式操作部等の接点を有するものであっても構わない。また、例えばタッチ式のものとする場合、例えば抵抗膜式のように押圧を検知してタッチを検出するものとしてもよいし、静電容量式のように押圧ではなく接触を検知してタッチを検出するものとしてもよい。透光部を操作可能範囲の中心よりも外側にずらしたことで、例えば、操作部に設けた透光部の背面側から正面側に向かって光を照射する様に光源を設置する構成として、操作部にバックライト機能を備える構成とした場合、接点は中心部に備えさせることができ、押しボタン等であっても、視認性・操作性の向上を図りつつ装置の小型化を達成し得る構成となる。
【0009】
上記の作用・効果を活かす様に、「(2)前記表示画面の外側の一部に回路収納部の少なくとも一部を備え、当該回路収納部の外側直近に位置する様に前記光源を設置すると共に、前記操作部は、前記操作可能範囲の内側が前記回路収納部の少なくとも一部に重なる様に設置されていること」という構成をも採用することができる。かかる構成を採用することにより、表示画面を邪魔しないで小型化を図り、かつ、操作部の視認性・操作性を向上するという作用・効果を一層的確に発揮させることができる。
【0010】
これら本発明の電子機器は、さらに、「(3)前記透光部として、前記回路収納部の外側に沿って並ぶ様に文字又は記号を表したこと」という構成をも採用するとよい。かかる構成を採用することにより、操作部の機能を文字、記号、又は文字及び記号を用いて表現する上で、複数個の文字等を用いていてもそれによって透光部が外側に広がらないから、装置のコンパクト化を妨げることなく、多くの情報を操作部に表示して、視認性・操作性の一層の向上を図ることができる。
【0011】
この場合、「(4)前記回路収納部の反対側の表示画面外側にも反対側光源を設置すると共に、当該反対側の表示画面外側に沿って並ぶ様に文字又は記号を表した透光部を有するダイレクト操作用の操作部を、当該透光部が前記反対側光源の正面に重なる様に設置したこと」という構成をも採用することができる。表示画面のための回路収納部は、例えば、表示画面外枠の左右一方側等に設けられるが、反対側にも操作部を設置することで、表示画面を中心にしてより多くの操作部を備えさせることができ、デザイン上もバランスがよく、また、振り分けて操作部を設置することで、例えば筐体の前面形状をコーナーRを有するものとし、操作部を前面に備えたことによって若干の寸法増加があったとしても、コンパクトな印象を与えるものとすることができる。また、各操作部における文字や記号の並び方が統一されていることもコンパクトな印象、バランスの取れた印象を与えるものとなる。特に、「(5)前記回路収納部の反対側の表示画面外側に設置される操作部は、前記回路収納部の外側に設置される操作部と、前記表示画面の中心に対して対称となる位置に設置されていること」という構成をも採用すると、コンパクトな印象、バランスの取れた印象をより高めることができる。
【0012】
また、「(6)前記透光部として、前記表示画面の画面中心側を下辺とする横書き表記の文字を備えていること」という構成を採用するとよい。操作部を表示画面の左右に備える場合、表示画面の左右外側に沿った縦書きも可能であるが、「VOL」「MUTE」などの英語表記の場合、横書きにした方が見た目も自然で読みやすいからである。
【0013】
ここで、本発明の電子機器は、さらに、「(7)前記表示画面が液晶表示パネルであって、当該液晶表示パネルを設置した表示基板の前面に前記光源として前記透光部の背面に位置する様にLEDを設置すると共に、前記筐体を、前記表示基板を背面側から位置決め装着するフロントケースと、当該フロントケースと一体化されて筐体の側面及び上下面を構成する筒状のメインボディと、当該メインボディの後端を塞ぐ裏蓋とから構成したこと」という構成を採用するとよい。
【0014】
かかる構成を採用することにより、筐体の側面は合わせ目のない構造となり、周囲がすっきりした印象となる。この結果、多方向スライド金型を用いることによって、後述する実施例1の様な凹面を用いたり、実施例5〜7の様な携帯電話、タイヤ、キーホルダーとお揃いの側面デザインも可能になり、この種の電子機器におけるデザインの自由度が大幅に増大する。かかるデザインの自由度増大は、(1)等の構成を採用したことによるコンパクト化と相俟って、電子機器のデザイン性を向上させる効果を発揮する。なお、フロントケースは、メインボディとは別体として、裏蓋をネジ等で固定する際に裏蓋と共にメインボディを挟み付ける様に組み立てられるもの、メインボディと一体形成されたもののいずれであっても構わない。
【0015】
かかる筐体を採用した場合、さらに、「(8)前記フロントケースには、前記LEDを正面に向かって露出させる開口又は切り欠きが形成されていること」という構成をも採用するとよい。LEDは、フロントケースの厚さの開口又は切り欠きによって光が横方向に広がってしまわない様に指向性を与えられることとなり、操作部の透光部を的確かつ明るく照らすことができるからである。
【0016】
また、これら筐体の特徴を有する電子機器においては、さらに、「(9)前記フロントケースは、前記メインボディの前端縁よりも所定量後方に控えた位置において当該メインボディから内側に突設する様に一体形成され、当該フロントケースの前面に前記タッチパネルが前記メインボディの内側に収まる様に設置されていること」という構成をも採用するとよい。かかる構成を採用することにより、タッチパネルを表示画面の前面に装着して表示画面上をタッチ操作することで所定の処理を実行させることができると共に、タッチパネルの取り付けがしっかりとしたものとなり、コンパクト化の目的を阻害することがないからである。この場合、「(9−1)フロントケースに備えるべき位置決め部材等は、メインボディの軸と平行に伸びる突起、縁、孔等によって形成する」という構成をも採用すれば、射出成形によって一体成形することが容易となる。
【0017】
さらに、タッチパネルを備える電子機器においては、「(10)前記操作部が前記タッチパネルの所定領域として構成されるタッチ式操作部であり、前記回路収納部側に設置されるタッチ式操作部は、前記所定領域の外側縁寄りに前記透光部を備え、前記所定領域の内側縁を前記回路収納部に重なる様に設置されていること」という構成をも採用するとよい。かかる構成とすることで、(1)の構成をタッチパネルを利用したタッチ式操作部によって実現することができ、視認性・操作性共に良好で、機器のコンパクト化に資するものとなる。ここで、タッチパネルの所定領域を押下すれば、ダイレクト操作用のタッチ式操作部としての機能が発揮される訳であるが、操作部の意味を示す文字や記号が外側縁よりに備わっていることから、利用者は、無意識にこれら文字や記号の付近を操作しようとし、誤って表示画面上のタッチ領域に触れることが起こり難い。従って、タッチパネルに形成したダイレクト操作用のタッチ式操作部を備える場合、本発明の構成は、操作性向上の点において特に優れた効果を発揮するものとなる。また、このタッチ操作において、利用者に、単純に正面から操作する以外に、人差し指等を筐体の側面又は背面に添えて親指で透光部を操作する様な操作を促す効果もある。この結果、機器に対して回転モーメントを起こし難いダイレクト操作が促されることとなり、両面テープ等の粘着性能を弱めたりすることがなくなるという副次的効果も期待できる。このとき、側面に合わせ目がないから、側面に人差し指等を添えたときの感触が良く、背面に人差し指等を添える場合はメインボディによるしっかりとした筐体構造が、利用者に安心してダイレクト操作を行えるというイメージを与えるものにもなる。また、側面に人差し指等を添える場合、上述した様に、側面にタイヤのトレッドパターン等の装飾を施すことで、指に触れる感触自体を楽しませることもできる。
【0018】
これら特有の構造からなる筐体を備えた電子機器は、「(11)前記裏蓋は、前記メインボディの後端縁の内側に嵌り込む様に装着される構成とされていること」という構成を採用することができる。かかる構成を採用する場合、側面に一切合わせ目が見えないこととなり、上述した様なメインボディ側面の装飾による立体感が高まり、すっきりした印象がより一層高まる。なお、本発明の電子機器においては、(11)に代えて、「(12)前記裏蓋は、その最外面が前記メインボディの後端縁と面一となる様に装着される構成とされていること」という構成を採用しても構わない。
【0019】
また、特有の構造からなる筐体を備えた電子機器は、「(13)前記表示基板には記憶媒体受入部材が側方から記憶媒体を挿脱可能に設置されると共に、前記メインボディの側面に、当該記憶媒体を挿脱するための長孔が形成されていること」という構成を採用するとよい。記憶媒体受入部材を備えることによってデータの追加・更新等を容易に行うことができると共に、合わせ目のないメインボディ側面の長孔から記憶媒体を挿脱するので、この操作において合わせ目に引っかかるといった問題もなく、すっきりした印象を損なうことなく記憶媒体受入部材を備えさせる効果がある。
【0020】
さらに、この表示基板を内蔵した電子機器は、さらに、「(14)前記メインボディと前記裏蓋の間に、スペーサを介して前記表示基板との間に所定間隔を保持する様に第2の基板が設置されていること」という構成を採用することにより、コンパクトな筐体内に、第2の基板を的確な位置に設置することができる。この背面側に第2の基板を備えた電子機器は、さらに、「(15)前記第2の基板には、裏面側にパッチアンテナが設置されると共に、当該パッチアンテナの受信信号に基づいて所定の情報処理を実行するレーダーモジュールが設置され、前記表示画面には、当該レーダーモジュールから入力される信号に対応する表示がなされる様に構成されていること」という構成を採用し、速度違反取り締まりのためのレーダーの設置状況等を運転者に通知することができる車載機器としたり、「(16)前記第2の基板には、GPS信号を受信して所定の情報処理を実行するGPSモジュールが設置され、前記表示画面には、当該GPSモジュールから入力される信号に対応する表示がなされる様に構成されていること」という構成を採用して、車両の現在位置を認識した種々の表示を行うことができる電子機器とすることができる。
【0021】
また、表示基板の背面側に第2の基板を備えた電子機器は、さらに、「(17)L型プラグ付きのコネクタを介して電源を供給する構造とし、前記裏蓋には前記コネクタを横挿しで挿入するコネクタ挿入口を開口させると共に、前記第2の基板には横挿しでコネクタを嵌合させる様にレセプタクルを後方に向けて設置し、前記コネクタとして、L型プラグのL字面に対して平行となる方向にコネクタ部を形成したものを用いること」という構成を採用するとよい。この場合、さらに、「(18)前記コネクタが、8ピンミニコネクタで構成され、前記コードの先には車両のOBDコネクタに接続するOBDアダプタが取り付けられていること」という構成をも採用するとよい。こうした構成を採用することにより、例えば操作部を操作する際に電源コードに体が触れて結果的に電源コードを引っ張ってしまう状態となったとき、L型プラグには水平方向の引っ張り力が作用することとなり、コネクタ部分も水平方向に回動しようとするとしても、垂直方向に回動し難いことから、コネクタの端子同士の接触が離れてしまい難く、電源が瞬断して機器がリセットされてしまったり、OBDアダプタからのデータが瞬断して動作不良を起こしたりするといった問題を起こし難くするからである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、表示画面の外側に操作部を備えた電子機器において、外観デザインを向上させつつ機器のコンパクト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施例1の電子機器を示し、(A)は正面側から見た斜視図、(B)は背面側からみた斜視図、(C)は正面図である。
図2】実施例1の電子機器を示し、LEDと透光部の位置関係を示す正面図である。
図3】実施例1の電子機器の正面側から見た分解斜視図である。
図4】実施例1の電子機器の背面側から見た分解斜視図である。
図5】実施例1の電子機器の右側面から見た分解側面図である。
図6】実施例1の電子機器の電源部を示す背面側斜視図である。
図7】実施例2の電子機器を示し、(A)は正面、平面、左側面及び背面の四面図、(B)は正面側から見た分解斜視図である。
図8】実施例2の電子機器を示し、(A)は出荷時の同梱部品の説明図、(B)はブラケットを用いた取り付け方法の説明図、(C)は直付けの場合の取り付け方法の説明図である。
図9】実施例2の電子機器を示し、(A)は出荷時同梱のシガープラグコードを用いた電源の確保の仕方の説明図、(B)〜(D)はその他の電源確保の仕方の説明図である。
図10】実施例2の電子機器を示し、(A)はダイレクト式タッチスイッチによる操作方法の説明図、(B)はタッチパネル画面による操作方法の説明図である。
図11】他の実施例の電子機器を示し、(A)は実施例3の正面、平面、左側面及び背面の四面図、(B)は実施例4の正面、平面、左側面及び背面の四面図である。
図12】他の実施例の電子機器を示し、(A)は実施例5の正面、平面、左側面及び背面の四面図、(B)は実施例6の正面、平面、左側面及び背面の四面図、(B)は実施例7の正面、平面、左側面及び背面の四面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態として、具体的な実施例を図面に基づき詳細に説明する。
【実施例1】
【0025】
実施例1として、速度取り締まり情報の監視・表示を行うための車載電子機器1について説明する。図1に示す様に、この車載電子機器1は、筐体10の前面に、液晶表示パネル20と、この液晶表示パネル20の左右外側に位置するダイレクト操作用のタッチ式スイッチ(以下、「ダイレクトスイッチ」という)31〜35とを備えている。右側上のダイレクトスイッチ31には、操作エリア31aの外側寄りに偏らせて上から下に向かう横書きとなる様に、音量アップを意味する記号「△」と「VOL」の英文字が透光部31bとして形成されている。同じく右側中のダイレクトスイッチ32にも、操作エリア32aの外側寄りに偏らせて上から下に向かう横書きとなる様に、「VOL」の英文字と音量ダウンを意味する記号「▽」が透光部32bとして形成されている。さらにその下のダイレクトスイッチ33には、操作エリア33aの外側寄りに偏らせて上から下に向かう横書きとなる様に、「MUTE」の英文字が透光部33bとして形成されている。また、左側上のダイレクトスイッチ34には、操作エリア34aの外側寄りに偏らせて下から上に向かう横書きとなる様に、「MEMO」の英文字が透光部34bとして形成され、左側下のダイレクトスイッチ35には、操作エリア35aの外側寄りに偏らせて下から上に向かう横書きとなる様に、「VIEW」の英文字が透光部35bとして形成されている。即ち、各透光部31b〜35bは、表示画面の画面中心側を下辺とする横書き表記の文字となっている。
【0026】
図2に示す様に、これらダイレクトスイッチ31〜35は、図2に示す様に、液晶表示パネル20の画面21を画面タッチエリア30aとするタッチパネル30の左右外側に形成されていて、各スイッチの透光部31b〜35bの真後ろにLED41〜45が設置されている。なお、左側上下のダイレクトスイッチ34,35の間には、ロゴ36を表記した透光部36bも形成されていて、その真後ろにもLED46が設置されている。
【0027】
右側のLED41〜43の設置位置についてさらに詳しく述べると、図2(A)に示す様に、LED41〜43は、液晶表示パネル20の画面21の右側に備えられた回路収納部22の外側直近位置に設置されている。そして、ダイレクトスイッチ31〜33は、それぞれの操作エリア31a〜33aの内側が回路収納部22に重なり、画面21には重ならない様に形成されている。また、左側のダイレクトスイッチ34,35も、それぞれの操作エリア34a,35aの内側が画面31に重ならない様に形成されている。右側上下のダイレクトスイッチ31,33と、左側上下のダイレクトスイッチ34,35とは、画面21の中心に対して左右対称となる様に形成されている。
【0028】
これらLED41等についてさらに詳しく述べる。図3図5に示す様に、これらLED41〜46は、液晶表示パネル20を設置した表示基板51の前面に設置されている。筐体10は、表示基板51を背面側から位置決め装着するフロントケース11と、フロントケース11と一体化されて筐体の側面及び上下面を構成する筒状のメインボディ12と、メインボディ12の後端を塞ぐ裏蓋13とから構成されている。
【0029】
そして、フロントケース11は、メインボディ12の前端縁12aよりも所定量後方に控えた位置においてメインボディ12の左右側面から内側に突設する様に一体形成され、その前面にタッチパネル30がメインボディ12の内側に収まる様に設置される構造となっている。そして、フロントケース11には、液晶表示パネル20の画面21を正面から視認可能とする中央窓60が形成されると共に、この中央窓60の右側縁に沿って、LED31〜33を正面に向かって露出させる切り欠き61〜63が形成されると共に、中央窓60の左側には縁から所定量外側の位置にLED44〜46を正面に向かって露出させる開口64〜66が形成されている。図4に示す様に、これら切り欠き61〜63及び開口64〜66は、後方に向かって所定長さの縁枠61a〜66aを備えていて、これら縁枠61a〜66aによって表示基板51の前面位置を位置決めする様に構成されている。フロントケース11には、この他、ネジ止め用のボス軸68a〜68dが背面からメインボディ12の軸と平行に後方に向かって突設されると共に、右側中及び右側下の切り欠き62,63の間に照度センサ47用の窓となる切り欠き67も形成されている。
【0030】
タッチパネル30は、表示基板51の裏面側に設置される電子回路70と電気的に接続され、画面11内は画面表示に重なる画面タッチエリア30aと、その左右の外側に区画されたダイレクトスイッチ31〜35用の操作エリア31a〜35aとを備えている。電子回路70は、操作エリア31aが押圧されると「音量アップ」の設定処理を行い、操作エリア31bが押圧されると「音量ダウン」の設定処理を行い、操作エリア31cが押圧されると「消音」の設定処理を行う。なお、この「消音」は、押圧された後、レーダー信号を検知しなくなるまでの間の消音であって、レーダー信号を検知しなくなったら、直前の音量設定状態に復帰する。また、電子回路70は、操作エリア34aが押圧されると「地点の登録」等の処理を行い、操作エリア35aが押圧されると「待ち受け画面の切替」を行う。一方、電子回路70は、中央の画面タッチエリア30aが押圧されたときは、そのときの画面表示と押圧位置との対応関係に従った設定処理等を実行する。
【0031】
表示基板51には、さらに、裏面側にマイクロSDカード用のカードスロット71も備えられている。そして、メインボディ12の側面に、カードスロット71に対してマイクロSDカードを挿脱するための長孔12cが形成されている。このカードスロット71は、マイクロSDカードを用いて、電子回路70の演算処理に必用な地図情報などを最新の情報に更新するためのものである。
【0032】
筐体10を構成する裏蓋13は、メインボディ12の後端縁12bの内側に嵌り込む様に装着される構成とされていて、フロントケース11から突設されたボス軸68a〜68dへとネジをねじ込むためのネジ挿通孔13a〜13d、ダッシュボード上に設置するためのブラケットを嵌め込むための凹部13e、電源コネクタを挿入するための電源コネクタ用長孔13f、及びスイッチ窓13gも形成されている。
【0033】
ここで、メインボディ12内には、フロントケース11と裏蓋13の間に、スペーサ72a〜72dを介して表示基板51の後方に所定間隔を保持する様に第2の基板52も設置される構成となっている。この第2の基板52には、裏面側にパッチアンテナ73が設置されると共に、パッチアンテナ73の受信信号に基づいて所定の情報処理を実行するレーダーモジュール74が設置されている。また、第2の基板52には、GPS信号を受信して所定の情報処理を実行するGPSモジュール75も設置されている。表示基板51と第2の基板52は、BtoBコネクタによって信号を授受する構成となっていて、電子回路70は、レーダーモジュール74から入力される信号に基づいて速度取り締まりのためのレーダーの監視を行い、速度違反取り締まりのためのレーダーの設置状況等を運転者に通知する表示や音声を出力を実行する構成となっている。また、電子回路70は、GPSモジュール75から入力される信号に基づいて車両の現在位置を認識し、画面に種々の表示を行ったり、音声出力を行ったりする。
【0034】
裏蓋13に形成された電源コネクタ用長孔13fは、ミニUSBタイプのコネクタを横差しで受け入れる用に横長とされていて、この長孔13fから挿入されたミニUSBタイプのコネクタと嵌合するレセプタクル77が第2の基板12の背面側に設置されている。第2の基板12の背面側には、さらに、裏蓋13のスイッチ窓13gから露出させるスライドスイッチ78も設置されている。
【0035】
電源用のミニUSBタイプのコネクタは、図6に示す様に、L型プラグ81を備えた8ピンミニUSBタイプのコネクタ80であって、L型プラグ81のL字面81aに対して平行となる方向にコネクタ部82を形成したものを用いる構成を採用している。この8ピンミニUSBタイプのコネクタ80は、コード83の先に車両のOBD(On-board diagnostics)コネクタに接続するOBD2アダプタ84を備えたものとなっている。電子回路70は、この8ピンミニUSBタイプのコネクタ80により、車両の運転状態の情報とDC電源とを入力し、例えば、トンネル内の様なGPSモジュール74による速度計測が困難な場所であっても正確な速度情報を得ることが可能となっている。
【0036】
以上説明した実施例1の車載電子機器1によれば、ダイレクトスイッチ31〜35は、LED41〜45の光により透光部31b〜35bが照射されるから、夜間等においてもダイレクトスイッチの位置を容易に認識することができ、視認性・操作性を向上させることができる。そして、この透光部31b〜35bが各操作エリア31a〜35aの中心よりも外側寄りに形成されるから、図2に示した様に、LED41〜45を筐体10の前面の端に位置する様に設置することができる。この結果、ダイレクトスイッチ31〜33を液晶表示パネル20の回路収納部22と一部重なる様に内側寄りに設置して筐体10を小型化することが可能となっている。
【0037】
また、回路収納部22側だけでなく、反対側の表示画面外側にもLED44,45を設置すると共に、文字を横書きで表した透光部34b,35bを有するダイレクトスイッチ34,35を設置したので、表示画面を中心にしてより多くのダイレクトスイッチを備えさせることができ、デザイン上もバランスがよく、振り分けてダイレクトスイッチを設置することで、筐体の前面形状をコーナーRを有するものとし、ダイレクトスイッチ31〜35を前面に備えたことによって若干の寸法増加があったとしても、コンパクトな印象を与えるものとすることができている。また、各ダイレクトスイッチ31〜35における文字や記号の並び方が統一されていることもコンパクトな印象、バランスの取れた印象を与えるものとなっている。特に、左右のダイレクトスイッチが表示画面の中心に対して対称となる位置に設置されているので、コンパクトな印象、バランスの取れた印象をより高めることができている。
【0038】
また、透光部31b〜35bとして、回路収納部22の外側に沿って並ぶ様に文字・記号を備えたので、「△VOL」「VOL▽」「MUTE」「MEMO」「VIEW」と4文字を用いていても透光部31b等が外側に広がらないから、装置のコンパクト化を妨げることなく、多くの情報をダイレクトスイッチ31〜35に表示して、視認性・操作性の一層の向上を図ることができている。単に外側に偏らせるだけでなく横書きとすることにより、英語表記を見た目も自然で読みやすいものとしている。
【0039】
さらに、筐体10を筒状のメインボディ12の前側に表示基板51の位置決め及びタッチパネル30の嵌め込み用となるフロントケース11を一体形成し、メインボディ12の後端を裏蓋13で塞ぐ構成としたことにより、筐体10の側面は合わせ目のない構造となり、周囲がすっきりした凹面を備えるデザインとなっていて、コンパクト化と相俟って、車載電子機器のデザイン性を向上させる効果をも発揮している。
【0040】
また、フロントケース11に縁枠付きの切り欠き61〜63及び開口64〜66を形成して、ここにLED41〜46を収納した状態となる様に表示基板51を取り付ける構成を採用しているので、LEDの光が横方向に広がってしまわず前方への指向性を与えることができ、ダイレクトスイッチ31〜35及びロゴ36の透光部31b〜36bを的確かつ明るく照らすことができている。
【0041】
さらに、フロントケース11は、メインボディ12の前端縁12aよりも所定量後方に控えた位置において内側に突設する様に一体形成され、前面にタッチパネル30がメインボディ12の内側に収まる様に設置される構成を採用したから、タッチパネル30を表示画面の前面に装着して表示画面上をタッチ操作することで所定の処理を実行させることができると共に、タッチパネル30の取り付けがしっかりとしたものとなり、コンパクト化の目的を阻害することがない。なお、切り欠き61〜63、開口64〜66の縁枠61a〜66aやボス軸68a〜68dをメインボディ12の軸と平行に後方に向かって突設する構成としたので、射出成形によって容易に一体成形することができる。
【0042】
加えて、タッチパネル30の所定領域として構成されるダイレクトスイッチ31〜35を備え、操作エリア31b〜33bは内側縁を回路収納部22に重なる様に設置したので、機器のコンパクト化に資すると共に、タッチパネル30の画面タッチエリア30aとは明確に区別され、ダイレクトスイッチの意味を示す文字や記号が外側縁よりに備わっていることから、利用者は、無意識にこれら文字や記号の付近を押圧しようとし、誤って表示画面上のタッチ領域に触れることが起こり難い。従って、操作性向上の点において特に優れた効果を発揮するものとなる。また、このタッチ操作において、利用者に、単純に正面から押圧する以外に、人差し指等を筐体10の側面又は背面に添えて親指で透光部を押圧する様な操作を促す効果もある。この結果、機器に対して回転モーメントを起こし難いダイレクト操作が促されることとなり、機器をダッシュボードに貼り付ける両面テープ等の粘着性能を弱めたりすることがなくなるという副次的効果も期待できる。このとき、側面に合わせ目がないから、側面に人差し指等を添えたときの感触が良く、背面に人差し指等を添える場合はメインボディ12によるしっかりとした筐体構造が、利用者に安心してダイレクト操作を行えるというイメージを与えるものにもなっている。
【0043】
また、裏蓋13が、メインボディ12の後端縁12bの内側に嵌り込む様に装着される構成とされているので、側面には一切合わせ目が見えないこととなり、上述した様なメインボディ側面の装飾による立体感が高まり、すっきりした印象がより一層高まる。さらに、データの追加・更新等を行うマイクロSDカードの挿脱も、合わせ目のないメインボディ側面の長孔から実施できるので、マイクロSDカードが合わせ目に引っかかるといった問題もなく、すっきりした印象を損なうこともない。
【0044】
さらに、図6に示した様に、L型プラグのL字面に対して平行となる方向にコネクタ部を形成したミニUSBタイプのコネクタを横差しにして電源を供給する構成となっているので、コードが引っ張られて電源が瞬断するといった問題もなく、OBD2アダプタからの車両の運転状態を診断するための信号が瞬断することもない。この結果、電源瞬断による機器のリセットや、データ瞬断による動作不良を起こしたりするといった問題も起こし難くなっている。
【実施例2】
【0045】
次に、実施例2について説明する。実施例2の車載電子機器2は、図7(B)に示す様に、機器の内部の構成は実施例1と同様であるが、表示基板31及び筐体90のデザインを異ならせている。表示基板31には、左上のLED44の内側に赤外線センサ49が設置され、フロントケース91には、この赤外線センサ49の正面に位置する切り欠き99も備えられている。メインボディ92は、図7(A)に示す様に、上下面の後縁が円弧状に前方へ入り込んだ筒状を呈し、表面は平坦面で構成されている。そして、裏蓋93は、最外面がメインボディ92の後端縁と面一となる様に装着される構成とされている。構成としては、メインボディ92に一体形成された中央窓付きのフロントケース91を備え、メインボディ92の中に表示基板51及び第2の基板52をスペーサ72a〜72dで所定距離を保って収納し、裏蓋93で蓋する構成なので、図7(A)に示す様に、マイクロSDカード用のスロット開口は合わせ目なしの長孔92cで構成され、すっきりした印象を与える。なお、メインボディ92の左右前縁に金属調に塗装した縁飾り92dを組み付けて、シャープな印象を高めている。
【0046】
この実施例2の車載電子機器2は、図8(A)に示す様に、本機101、リモコン102、ダッシュボード取付用ブラケット103、シガープラグコード104、リモコン用ボタン電池105、粘着シート106、粘着マット107、直付け用両面テープ108、取扱説明書109を同梱して提供される。上述の梱包内容を備えることで、ブラケット103を用いた取り付けとブラケット103を用いない直付けとを任意に選択することができる。
【0047】
ブラケット103を用いる場合は、図8(B)に示す様に、(1)ダッシュボード上においてなるべく平らで水平に近く、GPS電波を受信しやすい場所を取り付け面とし、ホコリや汚れがないことを確認し、(2)本機101の溝をブラケット103に合わせ取り付け、(3)保護シートを片面だけはがした粘着マット107をブラケット103に貼り付け、(4)シガープラグコード104のDCプラグを本機101に挿してパワーをONにし、(5)粘着マット107の残りの保護シートをはがし、(6)ダッシュボードの取り付け面にブラケット103を押さえ付ける様にして貼り付け、(7)Gセンサーやジャイロセンサーが正しく動作するよう、本機101の背面が車両進行方向を向くと共に画面が見やすいように角度等を調整する。
【0048】
直付けの場合は、図8(C)に示す様に、(1)ダッシュボード上においてなるべく平らで水平に近く、GPS電波を受信しやすい場所を取り付け面とし、ホコリや汚れがないことを確認し、(2)直付け用両面テープ108の保護シートを片面だけはがして、本機101の底面にしっかりと貼り付け、(3)直付け用両面テープ103の残った保護シートを剥がして本機101の背面を車両進行方向に向けて、水平な路面と平行になるように取り付ける。
【0049】
シガープラグコード104の接続方法は、図9(A)に示す様に、車両のシガーライターソケットにシガー側を2,3回ひねりながら差し込み、プラグは本機101の背面に横差しに形成したDCジャックに対してプラグの上下を示す目印を確認しつつ上下を正しく差し込む。なお、シガープラグコード104の他に、図9(B)に示す様に、既存のシガープラグコードもしくは電源直結コードにDCプラグ111→ミニプラグ変換コネクタ112を取り付けて電源を確保してもよいし、図9(C)に示す様に、ミニプラグ付きの電源直結コード113を用いて社内のアクセサリー系端子から直接電源を確保したり、図9(D)に示す様に、実施例1と同じくOBD2アダプタ114を用いることもできる。
【0050】
この車載電子機器2は、画面の右側上及び右側中にあるダイレクトスイッチ31,32にタッチすることにより、図10(A)に示す様に、音量のアップ・ダウン、マナーモードの設定・解除を行うことができる。また、オールオンモードの設定をするには、図10(B)に示す様に、待ち受け画面をタッチすることによって「設定画面」へと切り替え、「待受」「モード」…の表示の中の「モード」にタッチして「モード画面」へと切り替え、「ノーマル」「ミニマム」…の表示の中の「オールオン」にタッチして「オールオン」を点灯させた上で「EXIT」をタッチすることによって設定することができる。なお、これらの操作は、リモコン102のカーソルボタン、決定ボタン等を操作し、赤外線センサ49に信号をリモコン受信させて実行することもできる。
【0051】
こうしたスイッチ操作において、特にダイレクトスイッチ11〜15の操作は、夜間等であってもLEDによって各スイッチの透光部11b〜15bが背面側から照明されているのでスイッチを間違えることがなく、また、タッチする際の目印になる透光部11b〜15bが外側寄りに位置しているから、誤って待ち受け画面にタッチしてしまうといったこともない。
【実施例3】
【0052】
実施例3の車載電子機器3は、図11(A)に示す様に、コーナーRではなくコーナーカットの正面形状としたもので、メインボディ132の表面は平坦で上下面及び側面共に奥行き一定の筒状に形成され、裏蓋133は、最外面がメインボディ132の後端縁と面一となる様に装着される構成とされた筐体130を採用している。コーナーカットの正面形状とすることでコンパクト感を出し、側面に合わせ目の無いすっきりしたデザインとなっている。
【実施例4】
【0053】
実施例4の車載電子機器4は、図11(B)に示す様に、裏蓋143はメインボディ142の後端縁の内側に嵌り込む様に装着される構成とされ、側面に合わせ目のないすっきりした印象をより強くした筐体140となっている。また、メインボディ142はシルバーメタリック調の塗装を施すと共に、上下面及び側面を前から後ろに向かって緩やかに湾曲して後端側を内側にテーパーさせることで、金属プレス成形品の様なイメージを出している。また、メインボディ132の奥行きを実施例3よりも大きくする変わりに、裏蓋143を平板状の奥行きの小さい外観形状とし、コンパクト感を高めている。
【実施例5】
【0054】
実施例5の車載電子機器5は、図12(A)に示す様に、メインボディ152の外面に、図に併記した携帯電話のカバーと同じ凹凸模様を施して、持ち物との一体感を出している。この車載電子機器5においても、裏蓋153がメインボディ152の後端縁の内側に嵌り込む様に装着される構成とし、側面に合わせ目のないすっきりした印象をより強くした筐体150となっている。
【実施例6】
【0055】
実施例6の車載電子機器6は、図12(B)に示す様に、メインボディ162の外面に、図に併記したタイヤのトレッドパターンと同じ凹凸模様を施して、車両に装着したタイヤとの一体感を出している。この車載電子機器6においても、裏蓋163がメインボディ162の後端縁の内側に嵌り込む様に装着される構成とし、側面に合わせ目のないすっきりした印象をより強くした筐体160となっている。
【実施例7】
【0056】
実施例7の車載電子機器7は、図12(C)に示す様に、メインボディ172の外面に、図に併記したキーホルダーケースと同じ凹凸模様を施して、キーホルダーケースとの一体感を出している。この車載電子機器7においても、裏蓋173がメインボディ162の後端縁の内側に嵌り込む様に装着される構成とし、側面に合わせ目のないすっきりした印象をより強くした筐体170となっている。
【0057】
これらいずれの実施例においても、ダイレクトスイッチには画面中を文字の下側とする横書きとなる透光部を操作エリアの外縁側に偏らせて配置し、その背面側からLEDで照明する構成を採用しているので、前面に文字・記号の表記されたダイレクトスイッチを備えながらも幅の増加を極力抑えることができている。また、後方からの照明により、夜間等においてダイレクトスイッチの視認性が良好であり、透光部を外側にずらしたことで画面上のタッチパネル面に誤って触れてしまうことなくダイレクトスイッチ操作を行うことができる。また、筐体を、筒状のメインボディの前端からタッチパネルの厚さに対応して控える様に一体形成したフロントケースを備え、後端側を裏蓋で塞ぐ構成としたので、組み立て容易であると共に側面の合わせ目をなくし、すっきりした印象を与えると共に、多方向スライド金型を用いた凹面や(実施例1参照)、持ち物等との一体感を与えることができ(実施例5〜7参照)、車載電子機器におけるデザインの自由度を大幅に増大させることができている。
【0058】
以上、発明を実施するための実施例を説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内における種々の変更が可能である。
【0059】
例えば、カーナビゲーション装置その他の車載電子機器はもちろん、車載に限らず、表示画面を備え、前面にダイレクト操作用のスイッチを備える種々の電子機器において本発明を適用することができる。スイッチはタッチ式に限らず、押しボタン式であっても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、表示画面の周囲にダイレクト操作用のスイッチを備える電子機器において利用することができる。
【符号の説明】
【0061】
1〜7・・・車載電子機器、10・・・筐体、11・・・フロントケース、12・・・メインボディ、12a・・・前端縁、12b・・・後端縁、12c・・・長孔、13・・・裏蓋、13a〜13d・・・ネジ挿通孔、13e・・・凹部、13f・・・電源コネクタ用長孔、13g・・・スイッチ窓、20・・・液晶表示パネル、21・・・画面、22・・・回路収納部、30・・・タッチパネル、30a・・・画面タッチエリア、31〜35・・・ダイレクトスイッチ、31a〜35a・・・操作エリア、31b〜35b・・・透光部、36・・・ロゴ、36b・・・透光部、41〜46・・・LED、47・・・照度センサ、49・・・赤外線センサ、51・・・表示基板、52・・・第2の基板、60・・・中央窓、61〜63・・・切り欠き、64〜66・・・開口、61a〜66a・・・縁枠、67・・・切り欠き、68a〜68d・・・ボス軸、70・・・電子回路、71・・・カードスロット、72a〜72d・・・スペーサ、73・・・パッチアンテナ、74・・・レーダーモジュール、75・・・GPSモジュール、77・・・レセプタクル、78・・・スライドスイッチ、81・・・L型プラグ、80・・・8ピンミニUSBタイプのコネクタ、81a・・・L字面、82・・・コネクタ部、83・・・コード、84・・・OBD2アダプタ、90・・・筐体、91・・・フロントケース、92・・・メインボディ、92c・・・長孔、92d・・・縁飾り、93・・・裏蓋、99・・・切り欠き、101・・・本機、102・・・リモコン、103・・・ダッシュボード取付用ブラケット、104・・・シガープラグコード、105・・・リモコン用ボタン電池、106・・・粘着シート、107・・・粘着マット、108・・・直付け用両面テープ、109・・・取扱説明書、111・・・ミニプラグ変換コネクタ、112・・・ミニプラグ付きの電源直結コード、113・・・OBD2アダプタ、130・・・筐体、132・・・メインボディ、133・・・裏蓋、140・・・筐体、142・・・メインボディ、143・・・裏蓋、150・・・筐体、152・・・メインボディ、153・・・裏蓋、160・・・筐体、162・・・メインボディ、163・・・裏蓋、170・・・筐体、172・・・メインボディ、173・・・裏蓋
図1
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図6
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図10
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図12