特許第6078846号(P6078846)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6078846LED実装品の製造方法、LED実装品の樹脂モールド方法、およびLED製造装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6078846
(24)【登録日】2017年1月27日
(45)【発行日】2017年2月15日
(54)【発明の名称】LED実装品の製造方法、LED実装品の樹脂モールド方法、およびLED製造装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/58 20100101AFI20170206BHJP
【FI】
   H01L33/58
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-244129(P2012-244129)
(22)【出願日】2012年11月6日
(65)【公開番号】特開2014-93464(P2014-93464A)
(43)【公開日】2014年5月19日
【審査請求日】2015年8月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000144821
【氏名又は名称】アピックヤマダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077621
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100146075
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 隆志
(74)【代理人】
【識別番号】100092819
【弁理士】
【氏名又は名称】堀米 和春
(74)【代理人】
【識別番号】100141634
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 善博
(74)【代理人】
【識別番号】100141461
【弁理士】
【氏名又は名称】傳田 正彦
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 高志
【審査官】 金高 敏康
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−106479(JP,A)
【文献】 特開2010−021507(JP,A)
【文献】 特開2006−351970(JP,A)
【文献】 特開2008−244143(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 − 33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)配線層および該配線層を覆って保護する表面保護層を有する配線基板を準備する工程と、
(b)前記配線基板上に、前記表面保護層から露出する前記配線層と電気的に接続されるLEDチップを実装し、電気的に接続する工程と、
(c)リフレクタ用キャビティを有するリフレクタ成形金型で前記配線基板をクランプして、前記リフレクタ用キャビティにリフレクタ用樹脂を充填した後、加熱・硬化して前記LEDチップの周囲にリフレクタ部を成形する工程と、
(d)レンズ用キャビティを有するレンズ成形金型で前記配線基板をクランプして、前記LEDチップおよび前記リフレクタ部を収容した前記レンズ用キャビティにレンズ用樹脂を充填した後、加熱・硬化してレンズ部を成形する工程と
を含み、
前記(c)工程では、前記LEDチップを逃がす第1逃げ凹部と、前記表面保護層から露出する外部接続端子を逃がす第2逃げ凹部とを有し、平面視において前記リフレクタ用キャビティの内側にある前記第1逃げ凹部および外側にある前記第2逃げ凹部が前記リフレクタ用キャビティと連通する樹脂路とは独立している前記リフレクタ成形金型によって、前記LEDチップを前記第1逃げ凹部で収容し、前記外部接続端子を前記第2逃げ凹部で収容しながら、前記リフレクタ部を成形することを特徴とするLED実装品の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載のLED実装品の製造方法において、
前記(d)工程では、前記外部接続端子を逃がす第3逃げ凹部を有し、平面視において前記レンズ用キャビティの外側にある前記第3逃げ凹部が前記レンズ用キャビティと連通する樹脂路とは独立している前記レンズ成形金型によって、前記外部接続端子を前記第3逃げ凹部で収容しながら前記レンズ部を成形することを特徴とするLED実装品の製造方法。
【請求項3】
配線層および該配線層を覆って保護する表面保護層を有し、前記表面保護層から露出する前記配線層と電気的に接続されるLEDチップが実装された配線基板上に、リフレクタ部およびレンズ部を成形するLED実装品の樹脂モールド方法であって、
(a)リフレクタ用キャビティを有するリフレクタ成形金型で前記配線基板をクランプして、前記リフレクタ用キャビティにリフレクタ用樹脂を充填した後、加熱・硬化して前記LEDチップの周囲に前記リフレクタ部を成形する工程と、
(b)レンズ用キャビティを有するレンズ成形金型で前記配線基板をクランプして、前記LEDチップおよび前記リフレクタ部を収容した前記レンズ用キャビティにレンズ用樹脂を充填した後、加熱・硬化して前記レンズ部を成形する工程と
を含み、
前記(a)工程では、前記LEDチップを逃がす第1逃げ凹部と、前記表面保護層から露出する外部接続端子を逃がす第2逃げ凹部とを有し、平面視において前記リフレクタ用キャビティの内側にある前記第1逃げ凹部および外側にある前記第2逃げ凹部が前記リフレクタ用キャビティと連通する樹脂路とは独立した前記リフレクタ成形金型によって、前記LEDチップを前記第1逃げ凹部で収容し、前記外部接続端子を前記第2逃げ凹部で収容しながら、前記リフレクタ部を成形することを特徴とするLED実装品の樹脂モールド方法。
【請求項4】
請求項3記載のLED実装品の樹脂モールド方法において、
前記(b)工程では、前記外部接続端子を逃がす第3逃げ凹部を有し、平面視において前記レンズ用キャビティの外側にある前記第3逃げ凹部が前記レンズ用キャビティと連通する樹脂路とは独立した前記レンズ成形金型によって、前記外部接続端子を前記第3逃げ凹部で収容しながら前記レンズ部を成形することを特徴とするLED実装品の樹脂モールド方法。
【請求項5】
配線層および該配線層を覆って保護する表面保護層を有し、前記表面保護層から露出する前記配線層と電気的に接続されるLEDチップが実装された配線基板上に、リフレクタ部およびレンズ部が成形されたLED実装品を製造するLED製造装置であって、
リフレクタ用キャビティと、前記LEDチップを逃がす第1逃げ凹部と、前記表面保護層から露出する外部接続端子を逃がす第2逃げ凹部とを有し、平面視において前記リフレクタ用キャビティの内側にある前記第1逃げ凹部および外側にある前記第2逃げ凹部が前記リフレクタ用キャビティと連通する樹脂路とは独立しているリフレクタ成形金型を備えことを特徴とするLED製造装置。
【請求項6】
請求項記載のLED製造装置において、
レンズ用キャビティと、前記外部接続端子を逃がす第3逃げ凹部とを有し、平面視において前記レンズ用キャビティの外側にある前記第3逃げ凹部が前記レンズ用キャビティと連通する樹脂路とは独立しているレンズ成形金型を備えことを特徴とするLED製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED(Light Emitting Diode)実装品の製造方法、LED実装品の樹脂モールド方法、およびLED製造装置に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2009−206370号公報(特許文献1)には、リードフレームに成形されたリフレクタ部および実装されたLEDチップ(発光チップ)と、これらを覆って成形されたレンズ部とで構成されたLEDパッケージが、プリント基板に実装される技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−206370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
LEDパッケージの製造工程の一例について概略する。まず、LEDチップが実装されるダイパッドや、リードを有するリードフレームや樹脂基板に、リフレクタ用樹脂(一次成形樹脂)によってリフレクタ部をトランスファ成形する。次いで、ダイパッドにLEDチップをダイボンディングして、リードと電気的に接続(例えば、ワイヤボンディング)する。次いで、LEDチップをモールドするレンズ用樹脂(二次成形樹脂)によってレンズ部をトランスファ成形する。次いで、リードフレームなどを、例えば、ブレード切断、レーザ切断、またはプレス切断などのダイシングによって個片化することで、LEDパッケージが略完成する。なお、その後は、LEDパッケージが、例えば、PCB(Printed Circuit Board)基板などの配線基板に実装されて、LED実装品が略完成する。
【0005】
ここで、リフレクタ用樹脂やレンズ用樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂やシリコーン系樹脂が用いられるが、これは一般的な半導体チップをモールドする樹脂よりも粘性が低い。このため、リードフレームをクランプしたモールド金型では、リードフレームとモールド金型との隙間や、リードフレーム自体に形成された隙間から樹脂が流れ出し(樹脂漏れ)、モールド金型のパーティング面や、リードフレームの非モールド部分に樹脂バリ(フラッシュバリ)を引き起こす原因となる。このような樹脂バリは、LEDパッケージやLED実装品の製造歩留まりや信頼性に影響を与えるため除去する必要がある。このため、リフレクタ成形やレンズ成形後には、薬液を用いて樹脂バリを除去し、洗浄する工程が追加されるが、生産性の低下を招いてしまう。
【0006】
本発明の目的は、製造歩留まりや信頼性の高いLED実装品を提供することにある。また、本発明の他の目的は、LED実装品の生産性を向上することのできる技術を提供することにある。本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0008】
本発明の一実施形態におけるLED実装品の製造方法は、(a)配線層および該配線層を覆って保護する表面保護層を有する配線基板を準備する工程と、(b)前記配線基板上に、前記表面保護層から露出する前記配線層と電気的に接続されるLEDチップを実装し、電気的に接続する工程と、(c)リフレクタ用キャビティを有するリフレクタ成形金型で前記配線基板をクランプして、前記リフレクタ用キャビティにリフレクタ用樹脂を充填した後、加熱・硬化して前記LEDチップの周囲にリフレクタ部を成形する工程と、(d)レンズ用キャビティを有するレンズ成形金型で前記配線基板をクランプして、前記LEDチップおよび前記リフレクタ部を収容した前記レンズ用キャビティにレンズ用樹脂を充填した後、加熱・硬化してレンズ部を成形する工程とを含み、前記(c)工程では、前記LEDチップを逃がす第1逃げ凹部と、前記表面保護層から露出する外部接続端子を逃がす第2逃げ凹部とを有し、平面視において前記リフレクタ用キャビティの内側にある前記第1逃げ凹部および外側にある前記第2逃げ凹部が前記リフレクタ用キャビティと連通する樹脂路とは独立している前記リフレクタ成形金型によって、前記LEDチップを前記第1逃げ凹部で収容し、前記外部接続端子を前記第2逃げ凹部で収容しながら、前記リフレクタ部を成形することを特徴とする。
【0009】
これによれば、LEDチップが実装された配線基板(例えば、PCB基板)上に、直接に成形されたリフレクタ部およびレンズ部を備えたLED実装品を製造することができる。このため、配線基板の表面保護層とリフレクタ部とが密着することとなり、樹脂バリの発生を防止することができる。したがって、製造歩留まりや信頼性の高いLED実装品を提供することができる。
【0010】
また、リードフレームを用いずに、配線基板上に直接、LEDチップが実装され、リフレクタ部およびレンズ部が成形されたLED実装品を製造できるので、LED実装品の小型化、薄型化、さらには部品点数を低減できて製品コストを低減することができる。また、LED実装品の製造工程を大幅に簡略化でき、LED実装品の生産性を向上することができる。
【0011】
また、逃げ凹部によって、LEDチップへのリフレクタ用樹脂の付着を防止して、製造歩留まりや信頼性の高いLED実装品を提供することができる。また、LEDチップを保護しながら、任意のレイアウトにリフレクタ部を成形することができ、LED実装品の生産性を向上することができる。
【0012】
本発明の他の実施形態におけるLED実装品の製造方法において、前記(d)工程では、前記外部接続端子を逃がす第3逃げ凹部を有し、平面視において前記レンズ用キャビティの外側にある前記第3逃げ凹部が前記レンズ用キャビティと連通する樹脂路とは独立している前記レンズ成形金型によって、前記外部接続端子を前記第3逃げ凹部で収容しながら前記レンズ部を成形することを特徴とする。
【0013】
本発明の一実施形態におけるLED実装品の樹脂モールド方法は、配線層および該配線層を覆って保護する表面保護層を有し、前記表面保護層から露出する前記配線層と電気的に接続されるLEDチップが実装された配線基板上に、リフレクタ部およびレンズ部を成形するLED実装品の樹脂モールド方法であって、(a)リフレクタ用キャビティを有するリフレクタ成形金型で前記配線基板をクランプして、前記リフレクタ用キャビティにリフレクタ用樹脂を充填した後、加熱・硬化して前記LEDチップの周囲に前記リフレクタ部を成形する工程と、(b)レンズ用キャビティを有するレンズ成形金型で前記配線基板をクランプして、前記LEDチップおよび前記リフレクタ部を収容した前記レンズ用キャビティにレンズ用樹脂を充填した後、加熱・硬化して前記レンズ部を成形する工程とを含み、前記(a)工程では、前記LEDチップを逃がす第1逃げ凹部と、前記表面保護層から露出する外部接続端子を逃がす第2逃げ凹部とを有し、平面視において前記リフレクタ用キャビティの内側にある前記第1逃げ凹部および外側にある前記第2逃げ凹部が前記リフレクタ用キャビティと連通する樹脂路とは独立した前記リフレクタ成形金型によって、前記LEDチップを前記第1逃げ凹部で収容し、前記外部接続端子を前記第2逃げ凹部で収容しながら、前記リフレクタ部を成形することを特徴とする。
【0014】
本発明の他の実施形態におけるLED実装品の樹脂モールド方法において、前記(b)工程では、前記外部接続端子を逃がす第3逃げ凹部を有し、平面視において前記レンズ用キャビティの外側にある前記第3逃げ凹部が前記レンズ用キャビティと連通する樹脂路とは独立した前記レンズ成形金型によって、前記外部接続端子を前記第3逃げ凹部で収容しながら前記レンズ部を成形することを特徴とする。
【0015】
本発明の一実施形態におけるLED製造装置は、配線層および該配線層を覆って保護する表面保護層を有し、前記表面保護層から露出する前記配線層と電気的に接続されるLEDチップが実装された配線基板上に、リフレクタ部およびレンズ部が成形されたLED実装品を製造するLED製造装置であって、リフレクタ用キャビティと、前記LEDチップを逃がす第1逃げ凹部と、前記表面保護層から露出する外部接続端子を逃がす第2逃げ凹部とを有し、平面視において前記リフレクタ用キャビティの内側にある前記第1逃げ凹部および外側にある前記第2逃げ凹部が前記リフレクタ用キャビティと連通する樹脂路とは独立しているリフレクタ成形金型を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の他の実施形態におけるLED製造装置において、レンズ用キャビティと、前記外部接続端子を逃がす第3逃げ凹部とを有し、平面視において前記レンズ用キャビティの外側にある前記第3逃げ凹部が前記レンズ用キャビティと連通する樹脂路とは独立しているレンズ成形金型を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。本発明の一実施形態によれば、製造歩留まりや信頼性の高いLED実装品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態におけるLED実装品の平面図である。
図2図1に示すA−A線におけるLED実装品の断面図である。
図3図1に示すLED実装品の製造工程のフローチャートである。
図4図1に示すLED実装品の製造工程中の断面図である。
図5図4に続くLED実装品の製造工程中の断面図である。
図6図5に続くLED実装品の製造工程中の断面図である。
図7図6に示す製造工程に対応した樹脂モールド装置のリフレクタ成形後の型開きした下型平面図である。
図8図7に示すB−B線における樹脂モールド装置のクランプ時の断面図である。
図9図7に示すC−C線における樹脂モールド装置の断面図である。
図10図1に示す製造工程に対応した樹脂モールド装置のリフレクタ成形後の型開きした下型平面図である。
図11図10に示すB−B線における樹脂モールド装置の断面図である。
図12図10に示すC−C線における樹脂モールド装置の断面図である。
図13】本発明の他の実施形態におけるLED実装品の平面図である。
図14図13に示すLED実装品の製造工程に対応した樹脂モールド装置の要部平面図である。
図15】本発明の他の実施形態におけるLED実装品の平面図である。
図16】本発明の他の実施形態におけるLED実装品の平面図である。
図17】本発明の他の実施形態におけるLED実装品の平面図である。
図18】本発明の他の実施形態におけるLED実装品の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の本発明に係る実施形態では、必要な場合に複数のセクションなどに分けて説明するが、原則、それらはお互いに無関係ではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細などの関係にある。このため、全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0020】
また、構成要素の数(個数、数値、量、範囲などを含む)については、特に明示した場合や原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。また、構成要素などの形状に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合などを除き、実質的にその形状などに近似または類似するものなどを含むものとする。
【0021】
[実施形態1]
まず、本発明の実施形態におけるLED実装品10について主に図1図2を参照して説明する。図1は、LED実装品10の平面図であり、図2は、図1のA−A線におけるLED実装品10の断面図である。このLED実装品10は、配線基板11とLEDチップ12とを備えており、配線基板11上にLEDチップ12が実装されている。また、LED実装品10は、LEDチップ12に加わる過渡電圧を抑止するTVS(Transient Voltage Suppressor)ダイオード25(電子部品)を備えており、配線基板11上にTVSダイオード25が実装されている。
【0022】
配線基板11は、コア基板13(基材)と、コア基板13上に絶縁層14(層間絶縁層)を介して設けられた配線層15と、配線層15を覆って保護する表面保護層16と、外部接続端子17とを備えて構成されたものである。コア基板13としては、例えば、アルミニウム(Al)基板、セラミック(Al)基板、ガラスエポキシ基板(FR−4)などを用いることができる。また、絶縁層14としては、例えば、樹脂層(エポキシ系樹脂層など)を用いることができる。また、配線層15としては、例えば、メッキ層(Cu層など)を用いることができる。絶縁層14および配線層15は、例えば、ビルドアップ技術を用いて形成することができる。なお、配線層15および絶縁層14としては、図2では単層の場合を示すが、多層の場合であってもよい。
【0023】
表面保護層16としては、例えば、スクリーン印刷によってエポキシ系樹脂、変性エポキシ系樹脂、あるいはアクリレート系樹脂にシリカや光重合開始剤などを含有させた材料から構成されるソルダレジスト層を用いることができる。ソルダレジスト層は、絶縁性を有しており、ハンダ付けの熱温度(例えば、260℃程度)に耐え、熱、湿度などの環境から配線基板11を保護する性能が、内層の絶縁層14より優れている。
【0024】
配線基板11では、LEDチップ12が実装される領域として、表面保護層16から露出する配線層15A(15)がダイパッド20として構成されている。この配線層15Aは、パターニングされて外部接続端子17Aと電気的に接続されている。また、配線基板11では、LEDチップ12の接続端子とワイヤボンディングされる領域として、表面保護層16から露出する配線層15B(15)が接続パッド21として構成されている。この配線層15Bは、パターニングされて外部接続端子17Bと電気的に接続されている。なお、配線層15Aと配線層15Bとは電気的に分離されている。
【0025】
外部接続端子17としては、例えば、プリソルダ(ハンダ)を用いることができる。この外部接続端子17は、配線基板11の端で表面保護層16から露出して設けられている。この外部接続端子17を介して外部からLED実装品10に電圧を供給することができる。
【0026】
配線基板11に実装されるLEDチップ12は、表面側にアノード電極(正極)および裏面側にカソード電極(負極)の一対の電極を備え、これらの電極の間に順バイアスの所定電圧を印加することにより光が放出される(発光される)素子である。このLEDチップ12は、裏面側でダイボンディングされてカソード電極が配線基板11のダイパッド20と電気的に接続され、表面側でワイヤボンディングされてアノード電極がボンディングワイヤ22(例えば、金ワイヤ)を介して配線基板11の接続パッド21と電気的に接続されている。
【0027】
このLEDチップ12からの発光の効率を向上させるため、LED実装品10は、リフレクタ部23と、レンズ部24とを備えている。リフレクタ部23は、LEDチップ12の周囲の配線基板11上に形成され、リフレクタ用樹脂から構成される。また、レンズ部24は、LEDチップ12およびリフレクタ部23を覆うように配線基板11上に形成され、レンズ用樹脂から構成される。
【0028】
リフレクタ部23のリフレクタ用樹脂としては、エポキシ系樹脂が用いられる。フィラーとしては、例えば、光の反射および放熱のために窒化アルミニウム(AlN)を主成分としたものが用いられる。窒化アルミニウムのフィラーが含有されているため、全体として色が白色であるため、反射性を有する。すなわち、LEDチップ12からの光が効果的に反射される。また、この樹脂は、熱伝導性が高いため、LEDチップ12によって発せられた熱を効率的に外部に伝導して放熱することが可能となる。
【0029】
なお、リフレクタ用樹脂としては、このようなエポキシ系樹脂に限定されるものではなく、シリコーン系樹脂や、その他の熱硬化性樹脂を用いることもできる。また、フィラーとしては、このような窒化アルミニウムに限定されるものではなく、リフレクタ用樹脂には、酸化チタン、シリカ、TiO、SiO等の他のフィラーを含有させてもよい。また、リフレクタ用樹脂の色は、白色に限定されるものではなく、他の色であってもよい。
【0030】
レンズ部24のレンズ用樹脂としては、透光性および熱硬化性を有するシリコーン系樹脂が用いられる。シリコーン系樹脂は、例えばエポキシ系樹脂よりも紫外線や熱によって透光性が低下し難い性質を有するため、LEDチップ12をモールドするには好適である。なお、レンズ用樹脂は、透明色のものに限定されるものではなく、透光性を有する樹脂であれば、黄色等の着色がなされた樹脂を用いることもできる。
【0031】
このように構成されるLED実装品10において、外部接続端子17Aを負極、外部接続端子17Bを正極として、LEDチップ12に順バイアスを印加すると、LEDチップ12が発光する。LEDチップ12から放出された光は、主に、レンズ部24を通って外部へ直接放出される。他方、LEDチップ12から放出された光の一部は、リフレクタ部23へ向かって放出され、リフレクタ部23で反射して、レンズ部24を通って外部へ放出される。
【0032】
ところで、このLED実装品10は、特許文献1に記載されたもの(リードフレームを備えたLEDパッケージをプリント基板に実装したもの)と比較して、リードフレームを用いずに構成したものである。すなわち、LED実装品10は、配線基板11(例えば、PCB基板)上に直接LEDチップ12、リフレクタ部23、レンズ部24を設ける構成としている。このため、多数のLEDを1つの基板に搭載した投光ユニットなどアセンブリ化しやすいメリットがある。
【0033】
また、表面保護層16およびリフレクタ部23が、例えば、エポキシ系樹脂などの、同じ主成分の樹脂材料から構成されることで、表面保護層16とリフレクタ部23との密着性をより向上させることができる。
【0034】
また、LED実装品10では、配線基板11上にリフレクタ部23を設けることにより、LEDチップ12の発光効率を向上させることができる。また、例えば、白色のフィラーを含有したエポキシ系樹脂でリフレクタ部23を成形したことにより、LEDチップ12の発光効率をさらに向上させることができる。
【0035】
次に、LED実装品10の製造方法について主に図3図6を参照して説明する。図3は、LED実装品10の製造工程のフローチャートである。図4図6は、製造工程中のLED実装品10の断面図であり、図1のA−A線における断面図である。図3に示すように、LED実装品10の製造方法は、ステップS10〜ステップS50までの製造工程を含んでいる。なお、本実施形態では、一枚の配線基板11から一つのLED実装品10を取得する場合で説明する。
【0036】
まず、図4に示すように、配線層15および配線層15を覆って保護する表面保護層16を有する平板状の配線基板11を準備する(図3のステップS10)。具体的には、この配線基板11には、例えば、ビルドアップ技術を用いて、絶縁層14を介してコア基板13上に配線層15(例えば、銅層)が形成される。また、この配線層15を覆うように、例えば、スクリーン印刷を用いて表面保護層16が形成される。また、配線基板11には、ダイパッド20、接続パッド21を形成するために、例えば、エッチング技術を用いて箇所の表面保護層16を除去して配線層15が露出される。
【0037】
続いて、図5に示すように、配線基板11上に、表面保護層16から露出する配線層15(ダイパッド20、接続パッド21)と電気的に接続されるLEDチップ12を実装する(図3のステップS20)。具体的には、LEDチップ12は、その裏面側でダイパッド20と導電材(例えば、ハンダ)を介して接合(実装)される。また、ダイパッド20に接合されたLEDチップ12は、その表面側の接続端子が接続パッド21とボンディングワイヤ22を介してワイヤボンディングされる。
【0038】
続いて、図6に示すように、配線基板11上のLEDチップ12の周囲にリフレクタ部23を成形する(図3のステップS30)。具体的には、LED製造装置として樹脂モールド装置を用いて、図5に示す状態のものをワークとして、配線基板11上にリフレクタ部23をトランスファ成形する。
【0039】
ここで、リフレクタ部23をトランスファ成形するための樹脂モールド方法について、主に図7図9を参照して説明する。図7は、LED実装品10の製造工程中における樹脂モールド装置60の要部(プレス部)であり、リフレクタ成形後の型開きした下型平面図、図8は、図7に示す状態のB−B線に対応する断面図で、図9は、図7に示す状態のC−C線に対応する断面図である。なお、図7では、リフレクタ成形金型70(モールド金型)の上型71と配線基板11が接する領域をハッチングで示している。
【0040】
樹脂モールド装置60は、図示しない供給部と収納部との間に、少なくとも一つのプレス部を備えて構成される。供給部は、ローダ(搬送装置)を用いてワークや樹脂をプレス部に供給する公知の機構で構成される。また、収納部は、プレス部からアンローダ(搬送装置)を用いてトランスファ成形されたワークを取り出し、収納する公知の機構で構成される。
【0041】
リフレクタ部23をトランスファ成形するため、樹脂モールド装置60は、リフレクタ部23用のプレス部を備えている。このリフレクタ用プレス部は、図9に示すように、リフレクタ成形金型70として対をなす上型71(一方の金型)および下型72(他方の金型)と、リフレクタ用樹脂23aが供給される筒状のポット62と、ポット62に摺動可能(上下方向に進退動可能)に収容されたプランジャ61とを備えている。なお、下型72の中央部では金型面で開口するポット62が設けられ、下型72の端部では配線基板11をセットするセット部73が設けられている。
【0042】
上型71は、パーティング面から凹んで形成された、リフレクタ用キャビティ74と、カル75と、ランナ・ゲート76と、チップ用逃げ凹部77と、端子用逃げ凹部78と、エアベント79とを備えている。リフレクタ部23が成形されるリフレクタ用キャビティ74は、上型71のパーティング面から周溝状に凹んでおり、平面視で環状(図7参照)、断面視で対向する台形状(図8図9参照)となっている。リフレクタ成形金型70の樹脂路を形成するにあたり、ポット62に対向する位置に設けられたカル75からリフレクタ用キャビティ74へ、ランナ・ゲート76が狭まるように連通して設けられている。エアベント79は、リフレクタ用キャビティ74のランナ・ゲート76側と反対側にリフレクタ用キャビティ74と連通して設けられている。
【0043】
チップ用逃げ凹部77は、配線基板11をリフレクタ成形金型70の上型71でクランプしてリフレクタ用キャビティ74へリフレクタ用樹脂23aを充填する際に、リフレクタ成形金型70の上型71からLEDチップ12やTVSダイオード25を逃がす(接触させない)ように収容するためのものである。また、端子用逃げ凹部78も同様に、クランプ時のリフレクタ成形金型70から外部接続端子17を逃がすように収容するためのものである。なお、これらチップ用逃げ凹部77および端子用逃げ凹部78は、リフレクタ成形金型70の樹脂路とは独立しており、樹脂の流入はない。
【0044】
このようなリフレクタ成形金型70を備えた樹脂モールド装置60において、リフレクタ成形金型70で配線基板11をクランプして、ポット62内でプランジャ61を上方向へ押動することにより、成形温度に加熱されたリフレクタ成形金型70によって溶融したリフレクタ用樹脂23aが圧送される。このとき、リフレクタ用キャビティ74内では、リフレクタ用樹脂23aが表面保護層16(例えば、エポキシ系樹脂)と接して流れることとなる。
【0045】
次いで、リフレクタ用キャビティ74にリフレクタ用樹脂23aを充填した後、所定条件(保圧、温度、時間)で加熱・硬化してLEDチップ12の周囲にリフレクタ部23を成形する。
【0046】
LEDチップ12へのリフレクタ用樹脂23aの付着を防止することで、製造歩留まりや信頼性の高いLED実装品10を提供することが可能となる。また、LEDチップ12を保護しながら、任意のレイアウトにリフレクタ部23を成形することができ、LED実装品10の生産性を向上することも可能となる。
【0047】
続いて、図1に示すように、配線基板11上にレンズ部24を成形する(図3のステップS40)。具体的には、LED製造装置として樹脂モールド装置を用いて、図6に示す状態のものをワークとして、LEDチップ12およびリフレクタ部23などを覆うように配線基板11上にレンズ部24をトランスファ成形する。
【0048】
ここで、レンズ部24を成形するための樹脂モールド方法について、図10図12を参照して説明する。図10は、LED実装品10の製造工程中における樹脂モールド装置60の要部(プレス部)であり、リフレクタ成形後の型開きした下型平面図、図11は、図10に示す状態のB−B線に対応する断面図で、図12は、図10に示す状態のC−C線に対応する断面図である。なお、図10では、レンズ成形金型80(モールド金型)の上型81と配線基板11が接する領域をハッチングで示している。
【0049】
レンズ部24をトランスファ成形するため、樹脂モールド装置60は、レンズ部24用のプレス部を備えている。このレンズ用プレス部は、図12に示すように、レンズ成形金型80として対をなす上型81(一方の金型)および下型82(他方の金型)と、レンズ用樹脂24aが供給される筒状のポット62と、ポット62に摺動可能(上下方向に進退動可能)に収容されたプランジャ61とを備えている。なお、下型82の中央部では金型面で開口するポット62が設けられ、下型82の端部では配線基板11をセットするセット部83が設けられている。
【0050】
上型81は、パーティング面から凹んで形成された、レンズ用キャビティ84と、カル85と、ランナ・ゲート86と、端子用逃げ凹部88と、エアベント89とを備えている。レンズ部24が成形されるレンズ用キャビティ84は、上型81のパーティング面からリフレクタ部23を収容するように凹んだ第1凹部と、その第1凹部よりさらに凹んだR面状の第2凹部とが設けられている。このため、レンズ用キャビティ84は、平面視で矩形状(図10参照)、断面視でLEDチップ12上方が半球状(図11図12参照)となっている。
【0051】
レンズ成形金型80の樹脂路を形成するにあたり、ポット62に対向する位置に設けられたカル85からレンズ用キャビティ84へ、ランナ・ゲート86が狭まるように連通して設けられている。エアベント89は、レンズ用キャビティ84のランナ・ゲート86側と反対側にレンズ用キャビティ84と連通して設けられている。
【0052】
端子用逃げ凹部88は、配線基板11をレンズ成形金型80でクランプしてレンズ用キャビティ84へレンズ用樹脂24aを充填する際に、レンズ成形金型80から外部接続端子17を逃がす(接触させない)ように収容するためのものである。なお、端子用逃げ凹部88は、レンズ成形金型80の樹脂路とは独立しており、樹脂の流入はない。
【0053】
このようなレンズ成形金型80を備えた樹脂モールド装置60では、レンズ成形金型80で配線基板11をクランプして、ポット62内でプランジャ61を上方向へ押動することにより、成形温度に加熱され溶融されたレンズ用樹脂24aが圧送される。このとき、レンズ用キャビティ84内では、レンズ用樹脂24aが表面保護層16(例えば、エポキシ系樹脂)やリフレクタ部23(リフレクタ用樹脂23a)と接して流れることとなる。
【0054】
次いで、所定条件(保圧、温度、時間)で加熱・硬化してレンズ部24を成形する。
【0055】
このようにして、LEDチップ12が実装された配線基板11上に、リフレクタ部23およびレンズ部24がトランスファ成形されたLED実装品10を製造することができる。本実施形態では、同じ樹脂モールド工程を連続して、すなわち、リフレクタ部23を成形(一次成形)した後、リフレクタ部23を含むレンズ部24を成形(二次成形、オーバーモールド)している。このため、LED実装品10の製造工程の同一工程を集中させることで、LED実装品10の製造工程全体として簡略化でき、LED実装品10の生産性を向上することができる。
【0056】
[実施形態2]
前記実施形態1では、平面視環状のリフレクタ部23の内側で一つのLEDチップ12を配線基板11上に実装したLED実装品10を示した(図1参照)。これに対して、本実施形態は、平面視環状のリフレクタ部23の内側で複数(二つ)のLEDチップ12を配線基板11A(11)上に実装したLED実装品10A(10)を示す(図13参照)。図13は、本発明の実施形態におけるLED実装品10A(10)の平面図である。
【0057】
また、前記実施形態1では、一枚の配線基板11から一つのLED実装品11を取得する場合を示した。これに対して、本実施形態は、大判の配線基板11A(11)を準備し(図14参照)、LEDチップ実装、リフレクタ成形、レンズ成形をした後、レンズ部24の周囲(図14中、破線で示す。)で、例えば、ブレード切断、レーザ切断、またはプレス切断などのダイシングをし、個片化してLED実装品10Aを複数取得する場合である。図14は、図13に示すLED実装品10Aの製造工程に対応した樹脂モールド装置60A(60)の要部平面図を示しており、リフレクタ部23を樹脂モールド装置60Aによってトランスファ成形する状態である。
【0058】
本実施形態においても、LEDチップ12が実装された配線基板11A(例えば、PCB基板)上に、直接に成形されたリフレクタ部23およびレンズ部24を備えたLED実装品10Aを製造することができる。このため、配線基板11Aの表面保護層16とリフレクタ部23とが密着することとなり、樹脂バリの発生を防止することができる。したがって、製造歩留まりや信頼性の高いLED実装品10Aを提供することができる。
【0059】
[実施形態3]
前記実施形態1では、平面視矩形状の配線基板11上に、LEDチップ12、リフレクタ部23、レンズ部24を一組として設けた場合について説明した。これに対して、本実施形態は、図15に示すLED実装品10B(10)のように、短冊状の配線基板11B(11)上に、LEDチップ12、リフレクタ部23、レンズ部24の組を複数設ける場合である。また、図16に示すLED実装品10C(10)のように、円形状の配線基板11C(11)上に、LEDチップ12、リフレクタ部23、レンズ部24の組を複数設ける場合である。また、図17に示すLED実装品10D(10)のように、矩形状の配線基板11D(11)上に、LEDチップ12、リフレクタ部23、レンズ部24の組をマトリクス状に設ける場合である。
【0060】
本実施形態においても、LEDチップ12が実装された配線基板11B、11C、11D(例えば、PCB基板)上に、直接に成形されたリフレクタ部23およびレンズ部24を備えたLED実装品10B、10C、10Dを製造することができる。このため、配線基板11B、11C、11Dの表面保護層16とリフレクタ部23とが密着することとなる。したがって、製造歩留まりや信頼性の高いLED実装品10B、10C、10Dを提供することができる。
【0061】
[実施形態4]
前記実施形態3では、配線基板11上に平面視環状のリフレクタ部23を複数成形し、それぞれのLED配置領域(凹部)にLEDチップ12を配置した場合について説明した。これに対して、本実施形態は、図18に示すLED実装品10E(10)のように、格子状にLED配置領域(凹部)を有するリフレクタ部23Aをトランスファ成形し、それぞれのLED配置領域にLEDチップ12を配置する場合である。この場合、レンズ部24A(24)は、複数のLED配置領域を一括して覆うように、複数のLEDチップ23およびリフレクタ部23Aを覆うようにトランスファ成形される。
【0062】
これによれば、複数のLEDチップ12を用いて発光強度を高めることができる。また、前記実施形態3のリフレクタ部23を互いに接続させたようなリフレクタ部23Aとなるため、LED実装品10Eでは、より小型化を図ることができる。
【0063】
また、前記実施形態1〜3では、TVSダイオード25を平面視環状のリフレクタ部23の内側または外側に設けている。これに対して、本実施形態では、図18に示すLED実装品10E(10)のように、TVSトランジスタ25をリフレクタ用キャビティ内に収容して、TVSダイオード25をリフレクタ用樹脂でモールドしている。
【0064】
これによれば、TVSダイオード25を配置する領域をリフレクタ部23Aの成形領域と重複させることができ、LED実装品10Eの小型化を図ることができる。また、任意のレイアウトにリフレクタ部23Aを成形することができ、LED実装品10Eの生産性を向上することができる。
【0065】
本実施形態においても、LEDチップ12が実装された配線基板11E(例えば、PCB基板)上に、直接に成形されたリフレクタ部23Aおよびレンズ部24Aを備えたLED実装品10Eを製造することができる。このため、配線基板11Eの表面保護層16とリフレクタ部23とが密着することとなり、樹脂バリの発生を防止することができる。したがって、製造歩留まりや信頼性の高いLED実装品10Eを提供することができる。
【0066】
以上、本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、代表的なものの新規な特徴およびこれによって得られる作用、効果を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0067】
LED実装品10は、配線層15および配線層15を覆って保護する表面保護層16を有する配線基板11と、配線基板11上に実装され、表面保護層16から露出する配線層15と電気的に接続されたLEDチップ12と、LEDチップ12の周囲の配線基板11上にリフレクタ用樹脂を用いてトランスファ成形されたリフレクタ部23と、LEDチップ12およびリフレクタ部23を覆うように配線基板11上にレンズ用樹脂を用いてトランスファ成形されたレンズ部24とを備える。
【0068】
これによれば、LEDチップ12が実装された配線基板11(例えば、PCB基板)上に、直接に成形されたリフレクタ部23およびレンズ部24を備えたLED実装品10を製造することができる。このため、配線基板11の表面保護層16とリフレクタ部23とが密着することとなり、樹脂バリの発生を防止することができる。したがって、製造歩留まりや信頼性の高いLED実装品10を提供することができる。
【0069】
さらに、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0070】
前記実施形態では、リフレクタ部23をトランスファ成形する際に、LEDチップ12をリフレクタ成形金型70の逃げ凹部77で収容しながら、配線基板11をクランプする場合について説明した。これに限らず、LEDチップがフリップチップ実装された配線基板については、逃げ凹部を設けずにリフレクタ成形金型のパーティング面にフィルムを張り付けて、そのフィルムでLEDチップの厚みを吸収して配線基板をクランプする場合であってもよい。
【0071】
前記実施形態では、リフレクタ部23およびレンズ部24をトランスファ成形する場合について説明した。これに限らず、圧縮成形を行う場合であってもよい。
【0072】
前記実施形態では、一つの樹脂モールド装置60(LED製造装置)を用いて、リフレクタ部23およびレンズ部24をトランスファ成形する場合について説明した。これに限らず、二つの樹脂モールド装置を備えたLED製造装置(製造システム)を用いて、それぞれでリフレクタ成形、レンズ成形を行う場合であってもよい。
【0073】
前記実施形態では、配線基板11として、配線層15および配線層15を覆って保護する表面保護層16を有するものを用いた場合について説明した。このようなものであれば、例えば、PCB基板などのプリント基板(有機基板)を用いる場合であってもよい。
【0074】
前記実施形態では、配線基板11上にLEDチップ12を実装する場合について説明した。これに限らず、他の半導体チップ、チップ抵抗などの電子部品をLEDチップと共に配線基板上に実装する場合であってもよい。この場合、リフレクタ成形金型やレンズ成形金型に、電子部品用の逃げ凹部を設けて、電子部品への樹脂付着を防止することができる。
【符号の説明】
【0075】
10 LED実装品
11 配線基板
12 LEDチップ
16 表面保護層
23 リフレクタ部
24 レンズ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18