(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
入射した読み出し光を、反射画素電極と共通電極との間に配置された液晶を透過させて前記反射画素電極で反射させた後、再び前記液晶を透過させて読み出し、前記反射画素電極と前記共通電極とに与えられて前記液晶の両端に印加される電圧の差に応じて、読み出し光を光変調する画素部を備え、
前記画素部は、画素信号に応じた画素駆動電圧を前記反射画素電極に供給する画素駆動回路を備え、
前記画素駆動回路は、縦方向ならびに横方向に行列状に配置され、
前記反射画素電極は、前記行列状に配置された前記画素駆動回路に対して垂直な上下方向に、配線層を介して前記画素駆動回路と接続され、前記画素駆動回路が形成される領域と同じ大きさの領域に形成され、
前記画素駆動回路の縦方向の配置行数または横方向の配置列数と、前記各画素駆動回路に対応した前記反射画素電極の縦方向の配置行数または横方向の配置列数とは異なる
ことを特徴とする反射型光空間変調装置。
前記画素駆動回路は、縦方向にm(m:正の整数)行に配置され、横方向にn(n:2以上の正の整数)列に配置され、m×n個の前記画素駆動回路に対応したm×n個の反射画素電極は、縦方向にmn行×1列に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の反射型光空間変調装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を用いて本発明を実施するための実施形態を説明する。
【0015】
(第1実施形態)
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る反射型光空間変調装置の構成を説明する。
【0016】
図1は反射型光空間変調装置の構成を示す図であり、同図(a)は装置の回路構成を示す図であり、同図(b)は反射画素電極の平面方向の配列を示す図である。
【0017】
図1において、反射型光空間変調装置は、画素部11を備える。画素部11は、入射した読み出し光を反射する反射画素電極12a(12a−1〜12a−9)と、画素信号に応じた画素駆動電圧を反射画素電極12aに供給する画素駆動回路13(13−1〜13−9)を備える。画素部11は、入射した読み出し光を、共通電極と反射画素電極12aとの間に配置された液晶を透過させて反射画素電極12aで反射させた後、再び液晶を透過させて読み出す。画素部11は、共通電極と反射画素電極12aに与えられて液晶の両端に印加される電圧の差に応じて、読み出し光を光変調する。
【0018】
画素駆動回路13は、縦方向(
図1(a)ではY軸方向)に配列された行走査線Gと横方向(同図(a)ではX軸方向)に配列された列画素信号線Dとの各交差部にマトリックス状(行列状)に複数配置されている。
図1では、紙面の横方向をX軸方向とし、紙面の縦方向をY軸方向としているが、X軸方向とY軸方向とが逆であってもかまわない。なお、
図1では、一例として9個の画素部11が行列状に配置された構成を示しているが、画素部11は、縦方向の配列の行数と横方向の配列の列数とはそれぞれ個別に独立して任意に設定することができる。
【0019】
画素駆動回路13は、画素信号に応じた画素駆動電圧を反射画素電極12aに供給する。画素駆動回路13は、スイッチング素子14と容量部15を備える。スイッチング素子14は、例えばMOSFET等のトランジスタで構成される。スイッチング素子14をMOSFETで構成した場合に、ゲート端子は行走査線Gに接続され、ソース端子が列画素信号線Dに接続され、ドレイン端子が容量部15に接続されている。
【0020】
容量部15は、後述する画素駆動回路容量部15−1と液晶容量部15−2とで構成される。画素駆動回路容量部15−1と液晶容量部15−2とは並列に接続され、一方の並列接続点が反射画素電極12aに接続され、他方の並列接続点が共通電極に接続されている。
【0021】
反射型光空間変調装置は、垂直アドレス回路16と画素信号供給回路17を備える。
【0022】
垂直アドレス回路16は、行走査線Gに接続され、行走査線Gに与える行走査信号に基づいて横方向に配列された1行分の画素駆動回路13を一括して選択する。垂直アドレス回路16は、上記1行分の画素駆動回路13を一括して選択する動作を、順次縦方向に択一的に行う。
【0023】
画素信号供給回路17は、列画素信号線Dに接続され、垂直アドレス回路16で一括して選択されたそれぞれの画素駆動回路13に対応した画素信号を、順次画素駆動回路13に供給制御する。画素信号供給回路17は、水平アドレス回路17−1と書き込みスイッチ17−2とを備える。
【0024】
水平アドレス回路17−1は、書き込みスイッチ17−2を導通制御する書き込み制御信号を順次書き込みスイッチ17−2に供給する。水平アドレス回路17−1は、書き込み制御信号に基づいて書き込みスイッチ17−2を順次択一的に導通状態とする。
【0025】
書き込みスイッチ17−2は、列画素信号線Dに対応して設けられ、例えばMOSFET等のトランジスタで構成される。書き込みスイッチ17−2は、例えばMOSFETで構成された場合には、ゲート端子は水平アドレス回路17−1に接続されて書き込み制御信号が与えられる。書き込みスイッチ17−2は、画素信号が与えられる画素信号供給線Sと列画素信号線Dとの間に挿入され、書き込み制御信号により導通状態になると画素信号を列画素信号線Dに与える。
【0026】
9個の画素部11に対応した9個の画素駆動回路13(13−1〜13−9)は、
図1(a)に示すように、3行×3列の行列状に配列されている。画素駆動回路13−1〜13−9は、
図1(b)において、破線で囲まれた領域13−1R〜13−9R内に形成されている。領域13−1R〜13−9Rは、縦方向の寸法と横方向の寸法とが概ね同等で等間隔に配置された領域である。
【0027】
すなわち、画素駆動回路13−1は、領域13−1Rに形成され、画素駆動回路13−2は、領域13−2Rに形成され、画素駆動回路13−3は、領域13−3Rに形成されている。画素駆動回路13−4は、領域13−4Rに形成され、画素駆動回路13−5は、領域13−5Rに形成され、画素駆動回路13−6は、領域13−6Rに形成されている。画素駆動回路13−7は、領域13−7Rに形成され、画素駆動回路13−8は、領域13−8Rに形成され、画素駆動回路13−9は、領域13−9Rに形成されている。
【0028】
各画素駆動回路13〜1〜13−9は、正方形状の領域13−1R〜13−9R内に形成されることで、各画素駆動回路13〜1〜13−9は、縦方向ならびに横方向に予め設定された等間隔で配列されている。
【0029】
一方、9個の画素駆動回路13(13−1〜13−9)に対応した9個の反射画素電極12a(12a−1〜12a−9)は、
図1(b)に示すように、9行×1列に配列されている。すなわち、反射画素電極12a−1は、画素駆動回路13−1に対応し、反射画素電極12a−2は、画素駆動回路13−2に対応し、反射画素電極12a−3は、画素駆動回路13−3に対応している。反射画素電極12a−4は、画素駆動回路13−4に対応し、反射画素電極12a−5は、画素駆動回路13−5に対応し、反射画素電極12a−6は、画素駆動回路13−6に対応している。反射画素電極12a−7は、画素駆動回路13−7に対応し、反射画素電極12a−8は、画素駆動回路13−8に対応し、反射画素電極12a−9は、画素駆動回路13−9に対応している。
【0030】
反射画素電極12a−1〜12a−3は、
図1(b)に示すように、画素駆動回路13−1〜13−3が形成された領域13−1R〜13−3Rを併せた領域に形成されている。同様に、反射画素電極12a−4〜12a−6は、
図1(b)に示すように、画素駆動回路13−4〜13−6が形成された領域13−4R〜13−6Rを併せた領域に形成されている。反射画素電極12a−7〜12a−9は、
図1(b)に示すように、画素駆動回路13−7〜13−9が形成された領域13−7R〜13−9Rを併せた領域に形成されている。
【0031】
したがって、画素駆動回路13は、縦横の寸法が概ね同等の正方形状の領域に形成されているのに対して、反射画素電極12aは、縦方向の寸法が横方向の寸法に比べて短い長方形状に形成されている。反射画素電極12aの縦方向の寸法は、
図1(b)に示す配列例では、画素駆動回路13が形成された領域における縦方向の寸法の概ね1/3以下に形成されている。また、反射画素電極12aの横方向の寸法は、画素駆動回路13が形成された領域における横方向の寸法の概ね3倍程度に形成されている。
【0032】
このように、この第1実施形態では、画素駆動回路13の縦方向の配置行数または横方向の配置列数と、各画素駆動回路13に対応した反射画素電極12aの縦方向の配置行数または横方向の配置列数とは異なる構成を採用している。すなわち、画素駆動回路13は、縦方向に3行、横方向に3列配列されて3行×3列に配列されているのに対して、反射画素電極12aは、縦方向に9行、横方向に1列に配列されて9行×1列に配列されている。
【0033】
このように配列された反射画素電極12aと画素駆動回路13とを備える画素部11は、
図2の断面図に示すように構成されている。
図2は、画素部11を代表して、例えば反射画素電極12a−5と画素駆動回路13−5とを備える画素部11の断面を示す図である。すなわち、
図2は
図1(b)におけるA1−A1部の断面を示す図である。他の各画素部11においても、
図2と同様に形成されている。
【0034】
図2において、画素部11を構成する画素駆動回路13−5は、半導体基板の例えばシリコン基板21に形成されている。シリコン基板21には、ゲート電極22、ソース領域23ならびにドレイン領域24が形成されている。このゲート電極22、ソース領域23ならびにドレイン領域24によりスイッチング素子14のトランジスタを構成している。ゲート電極22は、行走査線Gに接続され、ソース領域23は、配線層L1を介して列画素信号線Dに接続され、ドレイン領域24は、反射画素電極12a−5に接続されている。
【0035】
すなわち、ドレイン領域24は、配線層L2に接続され、配線層L2は配線層L3−5に接続されている。配線層L3−5は配線層L4a−5に接続され、配線層L4a−5は配線層L5a−5に接続され、配線層L5a−5は反射画素電極12a−5に接続されている。
【0036】
シリコン基板21には、スイッチング素子14に隣接して、例えばポリシリコンからなる第1容量電極25と、例えば拡散層からなる第2容量電極26とが形成されている。第1容量電極25と第2容量電極26とは、絶縁層27を介して対向して形成されている。第1容量電極25、第2容量電極26ならびに絶縁層27により画素駆動回路容量部15−1を構成している。
【0037】
第1容量電極25は、配線層L2に接続され、配線層L2を介してスイッチング素子14のドレイン領域24に接続されている。第2容量電極26は、配線層L6に接続され、配線層L6は配線層L7aに接続されている。
【0038】
配線層L1と、配線層L2,L3−5,L4a−5,L5a−5と、配線層L6,L7aとは、絶縁層27により絶縁されている。配線層L4a−5ならびに配線層L7aは、画素部11に入射した読み出し光Lが、画素駆動回路13−5側に進入するのを抑制する遮光層として機能し、例えばアルミニウムやアルミニウム合金などで形成される。
【0039】
スイッチング素子14と画素駆動回路容量部15−1とは、素子分離領域として機能するフィールド絶縁膜28により電気的に分離されている。なお、
図2において、画素駆動回路13−5は、配線層L4a−5ならびに配線層L7aよりも下層を指すものとする。
【0040】
画素駆動回路13−5の上部には、反射画素電極12a−5が配置形成されている。反射画素電極12a−5上には、画素部11を構成する液晶29、共通電極30ならびにガラス基板31が配置形成されている。反射画素電極12a−5上には、液晶29が形成され、液晶29上には透明な共通電極30が反射画素電極12a−5に対向して形成されている。
【0041】
液晶29は、対向して配置された反射画素電極12a−5と共通電極30との間に介装されて封止されている。液晶29は、画素駆動回路13−5によって反射画素電極12a−5と共通電極30とに印加される電圧の差に応じて駆動されて、読み出し光Lを光変調する。
【0042】
反射画素電極12a−5と共通電極30、ならびに反射画素電極12a−5と共通電極30とに挟まれた液晶29とで、液晶容量部15−2が構成される。
【0043】
共通電極30は、各画素部11の液晶29に対して共通した電極として構成される。共通電極30は、反射画素電極12a−5に対向してガラス基板31に覆設されている。共通電極30は、配線層(図示せず)を介して配線層L7aに接続され、配線層L7aは配線層L6を介して画素駆動回路容量部15−1の第2容量電極26に接続されている。これにより、画素駆動回路容量部15−1と液晶容量部15−2とは、電気的に並列に接続されている。
【0044】
図3は
図1に示す各画素部11に対して、
図2に示す断面構造の反射画素電極12aと配線層L3〜L5aとの平面方向の配置を示す図である。
図3(a)は配線層L3(L3−1〜L3−9),L4a(L4a−1〜L4a−9)の配置を示す図である。
図3(b)は配線層L5a(L5a−1〜L5a−9)の配置を示す図であり、同図(c)は反射画素電極12a−1〜12a−9の配置を示す図である。なお、
図3(c)は
図1(b)と同様である。
【0045】
図3において、先の
図2に示すように、
図3(c)に示す反射画素電極12a−1〜12a−9の下層には、同図(b)に示す配線層L5a−1〜L5a−9が配置形成されている。配線層L5a−1〜L5a−9の下層には、同図(a)に示す配線層L4a−1〜L4a−9が配置形成されている。配線層L4a−1〜L4a−9の下層には、同図(a)に示す配線層L3−1〜L3−9が配置形成されている。
【0046】
図3(a)において、配線層L3−1〜L3−9は概ね正方形状に形成され、配線層L4a−1〜L4a−9は、横方向に対して縦方向の寸法が長い長方形状に形成されている。
図3(b)において、配線層L5a−1〜L5a−9は、概ね正方形状に形成されている。
【0047】
図3において、画素駆動回路13−1の反射画素電極12a−1に対応した配線層L3−1,L4a−1,L5a−1は、画素駆動回路13−1が配置形成される
図1(b)に示す領域13−1Rに配置形成される。画素駆動回路13−2の反射画素電極12a−2に対応した配線層L3−2,L4a−2,L5a−2は、画素駆動回路13−2が配置形成される
図1(b)に示す領域13−2Rに配置形成されている。画素駆動回路13−3の反射画素電極12a−3に対応した配線層L3−3,L4a−3,L5a−3は、画素駆動回路13−3が配置形成される
図1(b)に示す領域13−3Rに配置形成されている。
【0048】
画素駆動回路13−4の反射画素電極12a−4に対応した配線層L3−4,L4a−4,L5a−4は、画素駆動回路13−4が配置形成される
図1(b)に示す領域13−4Rに配置形成されている。画素駆動回路13−5の反射画素電極12a−5に対応した配線層L3−5,L4a−5,L5a−5は、画素駆動回路13−5が配置形成される
図1(b)に示す領域13−5Rに配置形成されている。画素駆動回路13−6の反射画素電極12a−6に対応した配線層L3−6,L4a−6,L5a−6は、画素駆動回路13−6が配置形成される
図1(b)に示す領域13−6Rに配置形成されている。
【0049】
画素駆動回路13−7の反射画素電極12a−7に対応した配線層L3−7,L4a−7,L5a−7は、画素駆動回路13−7が配置形成される
図1(b)に示す領域13−7Rに配置形成されている。画素駆動回路13−8の反射画素電極12a−8に対応した配線層L3−8,L4a−8,L5a−8は、画素駆動回路13−8が配置形成される
図1(b)に示す領域13−8Rに配置形成されている。画素駆動回路13−9の反射画素電極12a−9に対応した配線層L3−9,L4a−9,L5a−9は、画素駆動回路13−9が配置形成される
図1(b)に示す領域13−9Rに配置形成されている。
【0050】
図3において、同図(c)に示す9行×1列に配列された反射画素電極12aのうち、反射画素電極12a−1は、同図(b)に示す配線層L5a−1に接続されている。配線層L5a−1は、配線層L4a−1に接続され、配線層L4a−1は配線層L3−1に接続されている。反射画素電極12a−2は、同図(b)に示す配線層L5a−2に接続され、配線層L5a−2は、配線層L4a−2に接続され、配線層L4a−2は配線層L3−2に接続されている。反射画素電極12a−3は、同図(b)に示す配線層L5a−3に接続され、配線層L5a−3は、配線層L4a−3に接続され、配線層L4a−3は配線層L3−3に接続されている。
【0051】
反射画素電極12a−4は、同図(b)に示す配線層L5a−4に接続され、配線層L5a−4は、配線層L4a−4に接続され、配線層L4a−4は配線層L3−4に接続されている。反射画素電極12a−5は、同図(b)に示す配線層L5a−5に接続され、配線層L5a−5は、配線層L4a−5に接続され、配線層L4a−5は配線層L3−5に接続されている。反射画素電極12a−6は、同図(b)に示す配線層L5a−6に接続され、配線層L5a−6は、配線層L4a−6に接続され、配線層L4a−6は配線層L3−6に接続されている。
【0052】
反射画素電極12a−7は、同図(b)に示す配線層L5a−7に接続され、配線層L5a−7は、配線層L4a−7に接続され、配線層L4a−7は配線層L3−7に接続されている。反射画素電極12a−8は、同図(b)に示す配線層L5a−8に接続され、配線層L5a−8は、配線層L4a−8に接続され、配線層L4a−8は配線層L3−8に接続されている。反射画素電極12a−9は、同図(b)に示す配線層L5a−9に接続され、配線層L5a−9は、配線層L4a−9に接続され、配線層L4a−9は配線層L3−9に接続されている。
【0053】
図4は
図3(c)の一部断面を示す図であり、
図4(a)は
図3(c)におけるB1−B1部の断面を示す図であり、
図4(b)は
図3(c)におけるC1−C1部の断面を示す図である。
【0054】
図4(a)では、反射画素電極12a−5と、配線層L3−4,L3−5,L3−6、配線層L4a−4,L4a−5,L4a−6、配線層L5a−5の断面を示している。
図4(a)において、
図2に示したと同様に、反射画素電極12a−5は、横方向の概ね中央部で配線層L5a−5と接続されている。配線層L5a−5は配線層L4a−5に接続され、配線層L4a−5は配線層L3−5に接続されている。
【0055】
反射画素電極12a−5と配線層L5a−5とが接続された箇所に対して、紙面の左側に反射画素電極12a−4に対応した配線層L3−4と配線層L4a−4とが配置形成されている。一方、反射画素電極12a−5と配線層L5a−5とが接続された箇所に対して、紙面の右側に反射画素電極12a−6に対応した配線層L3−6と配線層L4a−6とが配置形成されている。
【0056】
図4(b)では、反射画素電極12a−1〜12a−9と配線層L3−2,L3−5,L3−8、配線層L4a−2,L4a−5,L4a−8、配線層L5a−2,L5a−5,L5a−8の断面を示している。
図4(b)において、反射画素電極12a−1〜12a−9は、紙面の左右方向(
図1(c)、
図3(c)では縦方向)に等間隔に配列されている。
【0057】
反射画素電極12a−2は配線層L5a−2に接続され、配線層L5a−2は配線層L4a−2に接続され、配線層L4a−2は配線層L3−2に接続されている。反射画素電極12a−5は配線層L5a−5に接続され、配線層L5a−5は配線層L4a−5に接続され、配線層L4a−5は配線層L3−5に接続されている。反射画素電極12a−8は配線層L5a−8に接続され、配線層L5a−8は配線層L4a−8に接続され、配線層L4a−8は配線層L3−8に接続されている。
【0058】
次に、
図1ならびに
図2を参照して、上記構成の装置の動作を説明する。
【0059】
先ず、垂直アドレス回路16は、水平同期信号に同期して走査信号を行走査線Gに順次出力する。走査信号が出力された行走査線Gにゲート端子が接続されたスイッチング素子14は導通状態となる。
【0060】
このような状態において、水平アドレス回路17−1は画素信号の時系列的な出力タイミングに同期して書き込み制御信号を書き込みスイッチ17−2に順次出力する。これにより、書き込みスイッチ17−2は、順次非導通状態→導通状態→非導通状態となる。その結果、走査信号が出力された行走査線Gに接続されて導通状態のスイッチング素子14を介して反射画素電極12aに画素信号に対応する電圧が印加される。
【0061】
一方、共通電極30には、すべての画素部11に共通して予め設定された共通電極電圧が印加される。これにより、画素駆動回路容量部15−1と液晶容量部15−2とには、反射画素電極12aに印加された電圧に対応した電荷が蓄積される。この蓄積された電荷は、次の画素信号に対応する電圧が反射画素電極12aに印加されるまで保持される。
【0062】
画素信号に対応する電圧が反射画素電極12aに印加されると、反射画素電極12aと共通電極30とに印加された電圧の差に応じた電界が液晶29の両端に生じる。この電界により、反射画素電極12aと共通電極30とに挟まれた液晶29は、光透過率を変化させる。すなわち、液晶29は、反射画素電極12aに印加された電圧に対応して光透過率が変化する。
【0063】
ガラス基板31ならびに共通電極30を介して液晶29に入射して液晶29を透過し、反射画素電極12aで反射した後再び液晶29を透過して出射する読み出し光Lは、液晶29の光透過率に応じて変調される。これにより、それぞれの画素部11毎にそれぞれの画素部11に与えられた画素信号に応じて変調された読み出し光Lが得られる。
【0064】
次に、
図5〜
図8を参照して、反射画素電極12bが概ね正方形状に形成された反射型光空間変調装置について、上記
図1〜
図4に示す反射画素電極12aが長方形状に形成された装置と対比させて説明する。なお、
図5は先の
図1、
図6は先の
図2、
図7は先の
図3、
図8は先の
図4にそれぞれ対応する。
【0065】
図5は反射画素電極12bが概ね正方形状に形成された反射型光空間変調装置の構成を示す図であり、同図(a)は装置の回路構成を示す図であり、同図(b)は反射画素電極12bの平面の配列を示す図である。
【0066】
図5に示す装置は、反射画素電極12bが正方形状に形成された点が先の
図1に示す装置と異なり、回路の構成など他は
図1に示す装置と同様である。したがって、
図5(a)は先の
図1(a)と同様であり
図1(a)と同符号のものは同一物であるので、その説明は省略する。
【0067】
図5(b)は先の
図1(b)に対応する図である。
図5(b)において、反射画素電極12b(12b−1〜12b−9)は、上述したように縦横の寸法が概ね同等の正方形状に形成されている。
【0068】
先の9個の画素駆動回路13(13−1〜13−9)に対応した9個の反射画素電極12b(12b−1〜12b−9)は、
図5(b)に示すように、縦横ともに概ね等間隔に3行×3列の行列状に配置されている。
【0069】
すなわち、反射画素電極12b−1は、画素駆動回路13−1に対応し、反射画素電極12b−2は、画素駆動回路13−2に対応し、反射画素電極12b−3は、画素駆動回路13−3に対応している。反射画素電極12b−4は、画素駆動回路13−4に対応し、反射画素電極12b−5は、画素駆動回路13−5に対応し、反射画素電極12b−6は、画素駆動回路13b−6に対応している。反射画素電極12b−7は、画素駆動回路13−7に対応し、反射画素電極12b−8は、画素駆動回路13−8に対応し、反射画素電極12b−9は、画素駆動回路13−9に対応している。
【0070】
反射画素電極12b−1は、
図5(b)に示すように、画素駆動回路13−1が形成された領域13−1Rに形成されている。同様に、反射画素電極12b−2は、画素駆動回路13−2が形成された領域13−2Rに形成されている。反射画素電極12b−3は、画素駆動回路13−3が形成された領域13−3Rに形成されている。
【0071】
反射画素電極12b−4は、画素駆動回路13−4が形成された領域13−4Rに形成されている。反射画素電極12b−5は、画素駆動回路13−5が形成された領域13−5Rに形成されている。反射画素電極12b−6は、画素駆動回路13−6が形成された領域13−6Rに形成されている。
【0072】
反射画素電極12b−7は、画素駆動回路13−7が形成された領域13−7Rに形成されている。反射画素電極12b−8は、画素駆動回路13−8が形成された領域13−8Rに形成されている。反射画素電極12b−9は、画素駆動回路13−9が形成された領域13−9Rに形成されている。
【0073】
これにより、各反射画素電極12b−1〜12b−9は、各画素駆動回路13−1〜13−9が形成された領域13−1R〜13−9Rと概ね同じ寸法の正方形状に形成されている。したがって、反射画素電極12bと画素駆動回路13とは、縦方向の配置行数が同じで、横方向の配置列数が同じとなる。すなわち、この第1実施形態の配列例では、反射画素電極12bと画素駆動回路13とは、ともに縦方向に3行、横方向に3列に配列されて3行×3列の行列状に配列されている。
【0074】
このように配列された反射画素電極12bと画素駆動回路13とを備える画素部11は、
図6の断面図に示すように構成されている。
図6は、画素部11を代表して、反射画素電極12b−5と画素駆動回路13−5とを備える画素部11の断面を示す図である。すなわち、
図6は
図5(b)におけるA2−A2部の断面を示す図である。他の各画素部11においても、
図6と同様に形成されている。
【0075】
なお、
図6において、
図2と同符号のものは
図6と同様であり、その説明は省略する。
【0076】
図6において、
図2と異なる点は、反射画素電極12b−5の形状が反射画素電極12a−5の形状と変わったことにより、配線層L4b−5、配線層L5b−5が異なることである。また、配線層L4b−5の形状が配線層L4a−5の形状と変わったことにより、配線層L7bが異なることである。一方、他の画素駆動回路13、配線層L2,L3、液晶29ならびに共通電極30などは
図2と同様である。
【0077】
図6において、スイッチング素子14を構成するドレイン領域24は、反射画素電極12b−5に接続されている。すなわち、ドレイン領域24は、配線層L2に接続され、配線層L2は配線層L3−5に接続されている。配線層L3−5は配線層L4b−5に接続され、配線層L4b−5は配線層L5b−5に接続されている。配線層L5b−5は反射画素電極12b−5に接続されている。
【0078】
配線層7bは、配線層L6に接続され、かつ図示しない配線層を介して共通電極30に接続されている。配線層L4bならびに配線層L7bは、先の配線層L4aならびに配線層L7aと同様に遮光層として機能する。
【0079】
図7は
図5に示す各画素部11に対して、
図6に示す断面構造の反射画素電極12bと配線層L3、L4b、L5bとの平面方向の配置を示す図であり、先の
図3に対応した図である。
図7(a)は配線層L3(L3−1〜L3−9),L4b(L4b−1〜L4b−9)の配置を示す図である。
図7(b)は配線層L5b(L5b−1〜L5b−9)の配置を示す図であり、同図(c)は反射画素電極12b−1〜12b−9の配置を示す図である。なお、
図7(c)は
図5(b)と同様である。
【0080】
図7において、先の
図6に示すように、
図7(c)に示す反射画素電極12b−1〜12b−9の下層に同図(b)に示す配線層L5b−1〜L5b−9が配置形成されている。また、配線層L5b−1〜L5b−9の下層に
図7(a)に示す配線層L4b−1〜L4b−9が配置形成され、配線層L4b−1〜L4b−9の下層に同図(a)に示す配線層L3−1〜L3−9が配置形成されている。
【0081】
図7(a)において、配線層L3−1〜L3−9は、先の
図3(a)に示すと同様に形成されている。配線層L4b−1〜L4b−9は、配線層L3−1〜L3−9に比べて若干大きな正方形状に形成されている。
図7(b)において、配線層L5b−1〜L5b−9は、配線層L3−1〜L3−9と概ね同等の寸法で正方形状に形成されている。なお、配線層L5b−2と先の
図3に示す配線層L5a−2とは、符号は異なるものの寸法ならびに配置は同様である。また、配線層L5b−5と先の
図3に示す配線層L5a−5とは、符号は異なるものの寸法ならびに配置は同様であり、配線層L5b−8と先の
図3に示す配線層L5a−8とは、符号は異なるものの寸法ならびに配置は同様である。
【0082】
図7において、画素駆動回路13−1の反射画素電極12b−1に対応した配線層L3−1、L4b−1、L5b−1は、画素駆動回路13−1が配置形成される
図5(b)に示す領域13−1Rに配置形成されている。配線層L3−1、配線層L4b−1ならびに配線層L5b−1は、それぞれの中央部が概ね同一となるように上下方向に配置されている。
【0083】
画素駆動回路13−2の反射画素電極12b−2に対応した配線層L3−2、L4b−2、L5b−2は、画素駆動回路13−2が配置形成される
図5(b)に示す領域13−2Rに配置形成されている。配線層L3−2、配線層L4b−2ならびに配線層L5b−2は、それぞれの中央部が概ね同一となるように上下方向に配置されている。
【0084】
画素駆動回路13−3の反射画素電極12b−3に対応した配線層L3−3、L4b−3、L5b−3は、画素駆動回路13−3が配置形成される
図5(b)に示す領域13−3Rに配置形成されている。配線層L3−3、配線層L4b−3ならびに配線層L5b−3は、それぞれの中央部が概ね同一となるように上下方向に配置されている。
【0085】
画素駆動回路13−4の反射画素電極12b−4に対応した配線層L3−4、L4b−4、L5b−4は、画素駆動回路13−4が配置形成される
図5(b)に示す領域13−4Rに配置形成されている。配線層L3−4、配線層L4b−4ならびに配線層L5b−4は、それぞれの中央部が概ね同一となるように上下方向に配置されている。
【0086】
画素駆動回路13−5の反射画素電極12b−5に対応した配線層L3−5、L4b−5、L5b−5は、画素駆動回路13−5が配置形成される
図5(b)に示す領域13−5Rに配置形成されている。配線層L3−5、配線層L4b−5ならびに配線層L5b−5は、それぞれの中央部が概ね同一となるように上下方向に配置されている。
【0087】
画素駆動回路13−6の反射画素電極12b−6に対応した配線層L3−6、L4b−6、L5b−6は、画素駆動回路13−6が配置形成される
図5(b)に示す領域13−6Rに配置形成されている。配線層L3−6、配線層L4b−6ならびに配線層L5b−6は、それぞれの中央部が概ね同一となるように上下方向に配置されている。
【0088】
画素駆動回路13−7の反射画素電極12b−7に対応した配線層L3−7、L4b−7、L5b−7は、画素駆動回路13−7が配置形成される
図5(b)に示す領域13−7Rに配置形成されている。配線層L3−7、配線層L4b−7ならびに配線層L5b−7は、それぞれの中央部が概ね同一となるように上下方向に配置されている。
【0089】
画素駆動回路13−8の反射画素電極12b−8に対応した配線層L3−8、L4b−8、L5b−8は、画素駆動回路13−8が配置形成される
図5(b)に示す領域13−8Rに配置形成されている。配線層L3−8、配線層L4b−8ならびに配線層L5b−8は、それぞれの中央部が概ね同一となるように上下方向に配置されている。
【0090】
画素駆動回路13−9の反射画素電極12b−9に対応した配線層L3−9、L4b−9、L5b−9は、画素駆動回路13−9が配置形成される
図5(b)に示す領域13−9Rに配置形成されている。配線層L3−9、配線層L4b−9ならびに配線層L5b−9は、それぞれの中央部が概ね同一となるように上下方向に配置されている。
【0091】
図7において、同図(c)に示す3行×3列に配列された反射画素電極12b−1〜12b−9のうち、反射画素電極12b−1は、同図(b)に示す配線層L5b−1に接続されている。配線層L5b−1は、
図7(a)に示す配線層L4b−1に接続され、配線層L4b−1は配線層L3−1に接続されている。
【0092】
反射画素電極12b−2は、
図7(b)に示す配線層L5b−2に接続され、配線層L5b−2は、
図7(a)に示す配線層L4b−2に接続され、配線層L4b−2は配線層L3−2に接続されている。反射画素電極12b−3は、
図7(b)に示す配線層L5b−3に接続され、配線層L5b−3は、
図7(a)に示す配線層L4b−3に接続され、配線層L4b−3は配線層L3−3に接続されている。
【0093】
反射画素電極12b−4は、
図7(b)に示す配線層L5b−4に接続され、配線層L5b−4は、
図7(a)に示す配線層L4b−4に接続され、配線層L4b−4は配線層L3−4に接続されている。反射画素電極12b−5は、
図7(b)に示す配線層L5b−5に接続され、配線層L5b−5は、
図7(a)に示す配線層L4b−5に接続され、配線層L4b−5は配線層L3−5に接続されている。反射画素電極12b−6は、
図7(b)に示す配線層L5b−6に接続され、配線層L5b−6は、
図7(a)に示す配線層L4b−6に接続され、配線層L4b−6は配線層L3−6に接続されている。
【0094】
反射画素電極12b−7は、
図7(b)に示す配線層L5b−7に接続され、配線層L5b−7は、
図7(a)に示す配線層L4b−7に接続され、配線層L4b−7は配線層L3−7に接続されている。反射画素電極12b−8は、
図7(b)に示す配線層L5b−8に接続され、配線層L5b−8は、
図7(a)に示す配線層L4b−8に接続され、配線層L4b−8は配線層L3−8に接続されている。反射画素電極12b−9は、
図7(b)に示す配線層L5b−9に接続され、配線層L5b−9は、
図7(a)に示す配線層L4b−9に接続され、配線層L4b−9は配線層L3−9に接続されている。
【0095】
図8は
図7(c)の一部断面を示す図であり、
図8(a)は
図7(c)におけるB2−B2部の断面を示す図であり、
図8(b)は
図7(c)におけるC2−C2部の断面を示す図である。
【0096】
図8(a)では、反射画素電極12b−4〜12b−6、ならびに配線層L3−4〜LL3−6、配線層L4b−4〜L4b−6、配線層L5b−4〜L5b−6の断面を示している。他の反射画素電極12b−1〜12b−3,12b−7〜12b−9、ならびにこれらの反射画素電極に接続される配線層の断面も同様である。
【0097】
図8(a)において、
図6に示したと同様に、反射画素電極12b−4は、概ね中央部で配線層L5b−4に接続されている。配線層L5b−4は配線層L4b−4に接続され、配線層L4b−4は配線層L3−4に接続されている。反射画素電極12b−5は、概ね中央部で配線層L5b−5に接続され、配線層L5b−5は配線層L4b−5に接続され、配線層L4b−5は配線層L3−5に接続されている。反射画素電極12b−6は、概ね中央部で配線層L5b−6に接続され、配線層L5b−6は配線層L4b−6に接続され、配線層L4b−6は配線層L3−6に接続されている。
【0098】
図8(b)では、反射画素電極12b−2,12b−5,12b−8、配線層L3−2,L3−5,L3−8、配線層L4b−2,L4b−5,L4b−8、配線層L5b−2,L5b−5,L5b−8の断面を示している。他の反射画素電極12b−1,12b−3〜12b−4,12b−6〜12b−7,12b−9、ならびにこれらの反射画素電極に接続される配線層の断面も同様である。
【0099】
図8(b)において、
図6に示したと同様に、反射画素電極12b−2は、概ね中央部で配線層L5b−2に接続されている。配線層L5b−2は配線層L4b−2に接続され、配線層L4b−2は配線層L3−2に接続されている。反射画素電極12b−5は、概ね中央部で配線層L5b−5に接続され、配線層L5b−5は配線層L4b−5に接続され、配線層L4b−5は配線層L3−5に接続されている。反射画素電極12b−8は、概ね中央部で配線層L5b−8に接続され、配線層L5b−8は配線層L4b−8に接続され、配線層L4b−8は配線層L3−8に接続されている。
【0100】
すなわち、
図8から分かるように、それぞれ対応する反射画素電極12b−1〜12b−9と配線層L3−1〜L3−9、L4b−1〜L4b−9、L5b−1〜L5b−9とは、同様に接続配置されている。
【0101】
次に、
図9を参照して、画素信号に基づいて読み出し光が変調され、液晶29の表示状態が縦方向にのみ変化する階調(グラデーション)表示について説明する。
図9(a)は反射画素電極12aが長方形状に形成された
図1〜
図4に示す装置の縦方向における階調表示状態の一例を示す図である。
図9(b)は反射画素電極12bが正方形状に形成された
図5〜
図8に示す装置の縦方向における階調表示状態の一例を示す図である。
【0102】
なお、
図9において、反射画素電極12a,12b内に記載されている数値は、例えば8ビットの階調データとなる画素信号により256通りの階調表示(「0」〜「255」階調)が可能な場合の階調の度合いを示している。したがって、「0」階調では白色が表示され、「255」階調では黒色が表示され、中間の例えば「128」階調ではグレー色が表示される。
【0103】
図9(a)に示す縦方向の階調表示例では、例えば「0」階調に対応した画素信号が反射画素電極12a−1に対応した画素駆動回路13−1に書き込まれる。これにより、反射画素電極12a−1に対応した液晶29では、読み出し光は「0」階調の画素信号に対応して変調され、「0」階調に対応した階調表示状態となる。
【0104】
同様に、例えば「32」階調に対応した画素信号は、反射画素電極12a−2に対応した画素駆動回路13−2に書き込まれる。これにより、反射画素電極12a−2に対応した液晶29では、読み出し光は「32」階調の画素信号に対応して変調され、「32」階調に対応した階調表示状態となる。
【0105】
例えば「64」階調に対応した画素信号は、反射画素電極12a−3に対応した画素駆動回路13−3に書き込まれる。これにより、反射画素電極12a−3に対応した液晶29では、読み出し光は「64」階調の画素信号に対応して変調され、「64」階調に対応した階調表示状態となる。
【0106】
例えば「96」階調に対応した画素信号は、反射画素電極12a−4に対応した画素駆動回路13−4に書き込まれる。これにより、反射画素電極12a−4に対応した液晶29では、読み出し光は「96」階調の画素信号に対応して変調され、「96」階調に対応した階調表示状態となる。
【0107】
例えば「128」階調に対応した画素信号は、反射画素電極12a−5に対応した画素駆動回路13−5に書き込まれる。これにより、反射画素電極12a−5に対応した液晶29では、読み出し光は「128」階調の画素信号に対応して変調され、「128」階調に対応した階調表示状態となる。
【0108】
例えば「160」階調に対応した画素信号は、反射画素電極12a−6に対応した画素駆動回路13−6に書き込まれる。これにより、反射画素電極12a−6に対応した液晶29では、読み出し光は「160」階調の画素信号に対応して変調され、「160」階調に対応した階調表示状態となる。
【0109】
例えば「192」階調に対応した画素信号は、反射画素電極12a−7に対応した画素駆動回路13−7に書き込まれる。これにより、反射画素電極12a−7に対応した液晶29では、読み出し光は「192」階調の画素信号に対応して変調され、「192」階調に対応した階調表示状態となる。
【0110】
例えば「224」階調に対応した画素信号は、反射画素電極12a−8に対応した画素駆動回路13−8に書き込まれる。これにより、反射画素電極12a−8に対応した液晶29では、読み出し光は「224」階調の画素信号に対応して変調され、「224」階調に対応した階調表示状態となる。
【0111】
例えば「255」階調に対応した画素信号は、反射画素電極12a−9に対応した画素駆動回路13−9に書き込まれる。これにより、反射画素電極12a−9に対応した液晶29では、読み出し光は「255」階調の画素信号に対応して変調され、「255」階調に対応した階調表示状態となる。
【0112】
一方、
図9(b)に示す階調表示例では、例えば「0」階調に対応した画素信号が同行の反射画素電極12b−1〜12b−3に対応した画素駆動回路13−1〜13−3に書き込まれる。これにより、反射画素電極12b−1〜12b−3に対応した液晶29では、読み出し光は「0」階調の画素信号に対応して変調され、「0」階調に対応した階調表示状態となる。
【0113】
同様に、例えば「128」階調に対応した画素信号は、同行の反射画素電極12b−4〜12b−6に対応した画素駆動回路13−4〜13−6に書き込まれる。これにより、反射画素電極12b−4〜12b−6に対応した液晶29では、読み出し光は「128」階調の画素信号に対応して変調され、「128」階調に対応した階調表示状態となる。
【0114】
例えば「255」階調に対応した画素信号は、同行の反射画素電極12b−7〜12b−9に対応した画素駆動回路13−7〜13−9に書き込まれる。これにより、反射画素電極12b−7〜12b−9に対応した液晶29では、読み出し光は「255」階調の画素信号に対応して変調され、「255」階調に対応した階調表示状態となる。
【0115】
このように、反射画素電極12aを縦方向に配列した装置では、
図9(a)に示すように、それぞれの反射画素電極12a−1〜12a−9に対応した画素部11毎に読み出し光の変調の度合いを変えることが可能となる。すなわち、反射画素電極12aの配列方向となる縦方向に、配列数と同数の9段階に読み出し光を変調することができる。
【0116】
これに対して、反射画素電極12bを縦方向と横方向に配列した装置では、
図9(b)に示すように、横方向に配列された反射画素電極12bに対応した画素部11における読み出し光の変調の度合いは同一となる。これにより、反射画素電極12bが
図9(b)に示す3行×3列の配列例では、読み出し光は縦方向の配列数と同数の3段階に変調される。
【0117】
上記反射画素電極12a,12bの形状、配列が異なる2つの装置を対比してみると、両者は画素駆動回路13の数、形状ならびに配列、反射画素電極12a,12bの数の点で同様の構成を採用している。一方、反射画素電極12aを縦方向に配列した装置は、反射画素電極12bを縦横方向に配列した装置に比べて、上述したように縦方向の階調表示の分解能、すなわち読み出し光の変調の分解能を格段に向上させることが可能となる。
【0118】
以上説明したように、上記両装置では、画素駆動回路の構成や配列は同一である。これにより、この第1実施形態の反射型光空間変調装置は、反射画素電極の寸法ならびに配列が異なる画素部11を製造する際に、画素駆動回路13を共通化することができる。
【0119】
したがって、反射画素電極12a,12bの寸法ならびに配列が異なる画素部11を構成する際に、画素駆動回路13などの設計を新たにやり直す必要はなくなり、半導体製造工程における露光マスクなどもすべて作成し直す必要もなくなる。すなわち、画素駆動回路13ならびに配線層L1,L2,L6を形成する際に使用する露光マスクを共通化することができる。この結果、反射型光空間変調装置において、画素駆動回路13が共通で反射画素電極の寸法ならびに配列が異なる画素部11を容易に構成することができる。
【0120】
前述した発明が解決しようとする課題の欄で説明したように、光通信の分野で用いられる波長選択スイッチでは、画素部は横方向の寸法に比べて縦方向の寸法を狭くするほど、波長選択の分解能を向上させることができる。すなわち、波長選択スイッチは、横方向に比べて縦方向の階調表示の分解能、すなわち縦方向における読み出し光の変調の分解能が高い方が望ましいことが従来から知られている。
【0121】
したがって、反射画素電極12aを縦方向に配列した
図1〜
図4に示す反射型光空間変調装置は、波長選択スイッチなどに代表されるように縦方向に読み出し光の変調の高分解能が要求されるデバイスに対して好適な構成を提供することができる。
【0122】
一方、映像などを表示する液晶表示装置は、正方形状の画素が等間隔でかつ狭い間隔で配置されているほど表示画像の解像度が高められ、画質の向上に有利となることが従来から知られている。したがって、反射画素電極12bを縦横方向に等間隔に配列した
図5〜
図8に示す反射型光空間変調装置は、液晶表示装置として好適な構成を提供することができる。
【0123】
例えば、反射画素電極12bが縦横方向に行列状に配列された液晶表示装置として好適な反射型光空間変調装置において、反射画素電極12bの形状ならびに配列を変更することで波長選択スイッチとして好適な反射型光空間変調装置を提供することができる。これとは逆に、反射画素電極12aが縦方向に配列された波長選択スイッチとして好適な反射型光空間変調装置において、反射画素電極12aの形状ならびに配列を変更することで液晶表示装置として好適な反射型光空間変調装置を提供することができる。
【0124】
したがって、画素駆動回路13を兼用することで、反射画素電極12bが縦横方向に行列状に配列された液晶表示装置から波長選択スイッチに代表される反射画素電極が縦方向に配列されたデバイスを容易に構成することができる。もしくは、画素駆動回路13を兼用することで、波長選択スイッチに代表される反射画素電極が縦方向に配列されたデバイスから反射画素電極12bが縦横方向に行列状に配列された液晶表示装置を容易に構成することができる。
【0125】
この結果、この第1実施形態の反射型光空間変調装置においては、液晶表示装置として好適な反射型光空間変調装置、もしくは波長選択スイッチなどに好適な反射画素電極が縦方向に配列された反射型光空間変調装置を容易かつ安価に提供することができる。
【0126】
なお、上記第1実施形態では、一例として画素駆動回路13は3行×3列に配列され、反射画素電極12bが正方形状に形成された装置では、反射画素電極12bが3行×3列に配列された構成を説明した。また、反射画素電極12aが長方形状に形成された装置では、反射画素電極12aが9行×1列に配列された構成を説明した。
【0127】
画素駆動回路13ならびに反射画素電極12a,12bの数ならびに配列は、これに制約されることはない。すなわち、反射画素電極12bが正方形状に形成された装置では、
画素駆動回路13ならびに反射画素電極12bはm行×n列であっても同様の効果を得ることができる。また、反射画素電極12aが長方形状に形成された装置では、画素駆動回路13はm行×n列、反射画素電極12bはmn行×1列であっても同様の効果を得ることができる。なお、mは正の整数、nは2以上の正の整数とする。