特許第6079326号(P6079326)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6079326
(24)【登録日】2017年1月27日
(45)【発行日】2017年2月15日
(54)【発明の名称】点灯装置及び照明装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/04 20060101AFI20170206BHJP
   H02J 9/06 20060101ALI20170206BHJP
【FI】
   H02J7/04 C
   H02J9/06 150
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-51233(P2013-51233)
(22)【出願日】2013年3月14日
(65)【公開番号】特開2014-180095(P2014-180095A)
(43)【公開日】2014年9月25日
【審査請求日】2015年12月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100115543
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 康男
(72)【発明者】
【氏名】江口 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】今▲吉▼ ちづる
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 廣義
(72)【発明者】
【氏名】篠田 健吾
【審査官】 永井 啓司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−359089(JP,A)
【文献】 特開2002−078219(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J7/00−7/12
7/34−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源の電力により蓄電電源を充電する充電回路と、
前記商用電源の停電時に、前記蓄電電源を電源としてランプを点灯させる点灯回路と、
前記蓄電電源の接続を検出する接続検出手段と、
前記蓄電電源の接続を前記接続検出手段が検出したときに、その時刻を基準時刻T1として記憶する基準時刻記憶回路と、
電時間制御手段と、
を備え
前記蓄電電源を接続する作業を行う時間帯である、前記基準時刻T1を設定可能な時間帯を、特定の時間帯に限定し、前記充電時間制御手段が、前記基準時刻T1に対して待ち時間T2だけ先の充電開始時刻(T1+T2)から充電終了時刻(T1+T2+T3)までの充電時間T3だけ前記蓄電電源を充電し、前記待ち時間T2及び前記充電時間T3を、節電要請時間帯以外の時間に充電が行われるように設定する点灯装置。
【請求項2】
24時間から前記充電時間T3を差し引いた時間の自然放電により低下した前記蓄電電源の蓄電量を、前記充電時間T3の充電により回復可能である請求項1記載の点灯装置。
【請求項3】
前記蓄電電源の放電状態が、前記充電時間T3の充電により満充電にできる状態か否かを判定する放電状態判定手段を備え、
前記放電状態判定手段の判定結果が肯定的である場合には前記充電開始時刻(T1+T2)から前記充電終了時刻(T1+T2+T3)まで前記蓄電電源を充電し、前記放電状態判定手段の判定結果が否定的である場合には前記充電開始時刻(T1+T2)を待たずに前記蓄電電源の充電を開始する請求項1または2記載の点灯装置。
【請求項4】
前記充電時間T3が0.5時間〜3時間である請求項1乃至の何れか1項記載の点灯装置。
【請求項5】
前記待ち時間T2が10時間〜17時間である請求項1乃至の何れか1項記載の点灯装置。
【請求項6】
前記待ち時間T2の値を変更可能である請求項1乃至5の何れか1項記載の点灯装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項記載の点灯装置と、
前記ランプと、
を備える照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点灯装置及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非常灯、誘導灯などの防災灯を点灯する点灯装置では、一般に、商用電源が通電中に負荷を点灯する常用ユニットと、商用電源の停電時に蓄電池によって負荷を点灯する非常ユニットとが独立して存在し、商用電源が通電中は非常ユニットは蓄電池の充電を行っている。従来、点灯装置では、蓄電池の充電を行うための専用の電源線(一般照明のON/OFFスイッチを介さない電源線)が用意され、いつ停電が発生しても蓄電池による非常時の点灯性能が発揮できるように、24時間連続で蓄電池を充電することが一般的である。
【0003】
昨今、電力需要の多い時間帯の節電が強く求められていることから、一般照明では、消灯、調光、間引き点灯などがなされている。これに対し、防災灯は、非常時対応のため電源を切ることができず、節電できないという課題がある。
【0004】
特許文献1には、建物において複数に区分される専有部分にそれぞれ設置される電力量計から各専有部分の電力量データを収集して、消費電力量に応じて案分した電気料金を算出する情報系システムと、予測デマンドが契約レベルを超えると予測される場合に補助電源から電力供給を受ける電源切換制御を行う電力系システムと、の二つのシステムを備え、電力系システムにより電源切換制御を行ってデマンドが契約レベル内に収まるようにして基本料金を安価に維持し、かつ情報系システムにより各専有部分で消費電力量に応じた従量制の電気料金を算出する電力用供給管理システムにおいて、夜間に蓄電する電力貯蔵装置を補助電源として備え、負荷の平準化を行う発明が開示されている。
【0005】
特許文献2には、商用電源により充電される蓄電電源と、電力需要ピーク外時間帯に蓄電電源を充電し、電力需要ピーク時間帯に蓄電電源によりランプを点灯させるように切換器の切換制御を行う制御装置と、商用電源の遮断を検出する商用電源検出手段と、を備え、ランプが商用電源により点灯中に、商用電源検出手段により商用電源の遮断が検知されたとき、ランプを非常灯として蓄電電源により点灯する、非常灯機能を有する照明装置が開示されている。この装置では、午前2時から午前6時までの間、蓄電電源を充電する(特許文献2の段落0021,0022参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−158146号公報
【特許文献2】特開2002−359089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2の発明では、装置内に時計を設けるとともに、装置内の時計を正確な時刻に合わせる時計合わせを定期的に実施する必要がある。このため、多数の防災灯が設置されている施設では、時計合わせに多大な手間がかかるという問題がある。
【0008】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、時計合わせを行うことなく、節電が要求される時間帯以外に蓄電電源を充電することができる点灯装置及び照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る点灯装置は、商用電源の電力により蓄電電源を充電する充電回路と、商用電源の停電時に、蓄電電源を電源としてランプを点灯させる点灯回路と、蓄電電源の接続を検出する接続検出手段と、蓄電電源の接続を接続検出手段が検出したときに、その時刻を基準時刻T1として記憶する基準時刻記憶回路と、電時間制御手段と、を備え、蓄電電源を接続する作業を行う時間帯である、基準時刻T1を設定可能な時間帯を、特定の時間帯に限定し、充電時間制御手段が、基準時刻T1に対して待ち時間T2だけ先の充電開始時刻(T1+T2)から充電終了時刻(T1+T2+T3)までの充電時間T3だけ蓄電電源を充電し、待ち時間T2及び充電時間T3を、節電要請時間帯以外の時間に充電が行われるように設定するものである。
また、本発明に係る照明装置は、上記点灯装置と、上記ランプとを備えるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、時計合わせを行うことなく、節電が要求される時間帯以外に蓄電電源を充電することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態1の点灯装置の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態1の点灯装置が備える常用ユニットの構成を示すブロック図である。
図3】基準時刻T1、待ち時間T2および充電時間T3の設定値の第1の例を説明する図である。
図4】基準時刻T1、待ち時間T2および充電時間T3の設定値の第2の例を説明する図である。
図5】本発明の実施の形態2の点灯装置の構成を示すブロック図である。
図6】本発明の実施の形態3の点灯装置の構成を示すブロック図である。
図7】本発明の実施の形態4の点灯装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0013】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の点灯装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態1の点灯装置1は、常用ユニット2と、ランプ3と、非常ユニット4と、バッテリ5(蓄電電源)と、切換器6とを備えている。ランプ3は、誘導灯、非常灯などの防災灯の照明として用いられる。なお、点灯装置1が備える構成のうち、照明器具、点検スイッチなど、本発明の特徴に直接関係の無い構成については、図示および説明を省略する。
【0014】
非常ユニット4内には、商用電源100の電力によりバッテリ5を充電するための充電回路9と、バッテリ5の接続の有無を検出するバッテリ検出回路8(接続検出手段)と、時間をカウントする計時カウンタ7(充電時間制御手段)と、バッテリ検出回路8がバッテリ5の接続を検出したときにその時刻を記憶する基準時刻記憶回路11(基準時刻設定手段)と、バッテリ5が放電しているかどうかをチェックする放電チェック回路10(放電状態判定手段)とが内蔵されている。非常ユニット4は、更に、非常時の点灯回路、電源回路、制御回路などを備えているが、これらの回路は、本発明の特徴に直接関係が無いため、図示および説明を省略する。
【0015】
商用電源100が通電している場合には、商用電源100からAC100Vが常用ユニット2に通電される。この場合には、常用ユニット2が、切換器6を介して、ランプ3を点灯することができる。
【0016】
商用電源100が停電した場合には、非常ユニット4内の点灯回路(図示省略)が、バッテリ5の電荷を利用して、切換器6を介して、ランプ3を点灯する。なお、切換器6は、図1では判り易くするために単体で記載してあるが、通常は非常ユニット4に内蔵される。
【0017】
図2は、常用ユニット2の構成を示すブロック図である。図2に示すように、常用ユニット2は、ノイズフィルタ2aと、全波整流回路2bと、PFC(Power Factor Correction)回路2cと、蛍光灯点灯回路2dと、電圧検出回路2eとを内蔵している。
【0018】
本実施の形態1の点灯装置1を建物に設置する作業が行われた際、あるいは、バッテリ5を定期的に交換する作業が行われた際に、点灯装置1にバッテリ5が接続されると、バッテリ検出回路8がこれを検出し、基準時刻記憶回路11に信号を送る。基準時刻記憶回路11は、この信号を受けて、その時刻を基準時刻T1として記憶する。このようにして、バッテリ5の接続タイミングにより、基準時刻T1が設定される。基準時刻記憶回路11は、毎日、基準時刻T1に計時カウンタ7をスタートさせる。計時カウンタ7は、スタート後、予め記憶された一定の待ち時間T2だけ先の時刻(T1+T2)から、充電回路9にバッテリ5の充電を開始させる。このようにしてバッテリ5の充電が開始する時刻を、以下、充電開始時刻(T1+T2)と称する。計時カウンタ7は、予め記憶された一定の充電時間T3が経過した後、充電回路9にバッテリ5の充電を終了させる。このようにしてバッテリ5の充電が終了する時刻を、以下、充電終了時刻(T1+T2+T3)と称する。
【0019】
このようにして、本実施の形態1の点灯装置1では、原則として、毎日、決まった時間(充電開始時刻(T1+T2)から充電終了時刻(T1+T2+T3)までの間)にのみ、バッテリ5の充電を行い、その他の時間帯にはバッテリ5を充電しない。充電されていない間、バッテリ5の蓄電量は、自然放電(自己放電)により低下する。非常ユニット4は、24時間から充電時間T3を差し引いた時間の間に自然放電により低下したバッテリ5の蓄電量を、充電時間T3の充電により、回復させることができるよう構成されている。例えば、充電時間T3を1時間とすると、バッテリ5が満充電状態から23時間の自然放電により蓄電量が低下した後、バッテリ5を1時間充電することにより、バッテリ5を満充電状態に戻すことができる。また、バッテリ5は、充電開始時刻(T1+T2)の直前の状態でも、所定の点灯性能を発揮できるような容量を有している。すなわち、バッテリ5は、24時間から充電時間T3を差し引いた時間の自然放電の後でも、所定の点灯性能を発揮できるような容量を有している。
【0020】
本実施の形態1の点灯装置1では、上述したように、バッテリ5の自然放電分の蓄電量の低下を、毎日、決まった時間に行われる充電時間T3の充電により補うことができる。このため、バッテリ5を、所定の点灯性能を発揮できる状態に維持することができる。ただし、実際に停電が発生した後など、バッテリ5が放電している場合には、充電時間T3の充電では不足する。そこで、本実施の形態1の点灯装置1では、放電チェック回路10により、バッテリ5の放電状態を判定する。すなわち、放電チェック回路10は、バッテリ5の放電状態が、充電時間T3の充電により満充電にできる状態か否かを判定し、その判定結果の信号を充電回路9に送る。充電回路9は、バッテリ5の放電状態が、充電時間T3の充電により満充電にできる状態であると判定された場合、換言すれば、バッテリ5の蓄電量の低下が自然放電分以内であると判定された場合には、原則通りに、充電開始時刻(T1+T2)の到来を待って、充電時間T3の充電を行う。これに対し、バッテリ5の放電状態が、充電時間T3の充電により満充電にできる状態ではないと判定された場合、換言すれば、バッテリ5の蓄電量の低下が自然放電分を超えると判定された場合には、充電回路9は、充電開始時刻(T1+T2)の到来を待たずに、充電時間T3の充電(急速充電)を開始する。これにより、本実施の形態1では、停電の発生などによってバッテリ5が放電した場合に、商用電源100が停電から復帰した後、バッテリ5を迅速に満充電状態に戻すことができる。このため、停電が再度発生した場合にも、所定の点灯性能を確保することができる。なお、放電チェック回路10によるバッテリ5の放電状態の判定は、周囲温度、および、一定電流の充電状態での電圧を元に判定することが望ましい。また、商用電源100が停電から復帰した直後は、充電の需要が増加するため、停電中等に放電したバッテリ5を充電する際には、例えば15分から1時間程度の短時間の待ち時間の経過後に充電を開始することが望ましい。これにより、停電復帰直後における電力需給の逼迫の抑制に寄与することができる。
【0021】
本実施の形態1の点灯装置1では、バッテリ5の充電を行う充電開始時刻(T1+T2)から充電終了時刻(T1+T2+T3)までの時間帯が、電力需要が多い時間帯(節電要請時間帯)以外の時間帯に入るように、基準時刻T1、待ち時間T2および充電時間T3を設定することにより、電力需要が多い時間帯(節電要請時間帯)におけるバッテリ5の充電を回避することができ、節電要請に協力することができる。また、本実施の形態1では、バッテリ5の接続タイミングによって基準時刻T1を設定することができるので、点灯装置1の設置時に時計合わせを行う必要がない。このため、多数の防災灯が設置される場合であっても、時計合わせの手間が多大になることもない。また、バッテリ5が定期交換される毎に、基準時刻T1が再設定されるので、点灯装置1の設置後に、定期的に時計合わせを行う必要もない。
【0022】
以下、基準時刻T1、待ち時間T2および充電時間T3の設定値の例について説明するが、時刻を24時間制で表記する。図3は、基準時刻T1、待ち時間T2および充電時間T3の設定値の第1の例を説明する図である。第1の例では、基準時刻T1を8時から18時までの何れかの時刻に設定する。すなわち、第1の例では、バッテリ5を接続する作業を行う時間帯を、8時から18時までの間に限定する。8時から18時までの範囲は、一般的な就業時間をカバーする。このため、一般的な就業時間内であればいつでも、バッテリ5を接続する作業を行うことができる。また、第1の例では、待ち時間T2を13時間とし、充電時間T3を1時間とする。また、節電要請時間帯を8時から21時とする。図3に示すように、バッテリ5が8時に接続された場合、すなわち基準時刻T1が8時に設定された場合には、充電開始時刻(T1+T2)は、21時になる。この場合、充電終了時刻(T1+T2+T3)は、22時になる。よって、21時から22時の間だけ、バッテリ5が充電される。一方、バッテリ5が18時に接続された場合、すなわち基準時刻T1が18時に設定された場合には、充電開始時刻(T1+T2)は、31時=7時になる。この場合、充電終了時刻(T1+T2+T3)は、8時になる。よって、7時から8時の間だけ、バッテリ5が充電される。このように、第1の例では、8時から18時までの間にバッテリ5を接続することにより、バッテリ5が充電される時間帯を21時から翌朝8時までの間に入れることができる。すなわち、8時から18時までの間であれば、どの時刻にバッテリ5を接続した場合であっても、バッテリ5が充電される時間帯を、節電要請時間帯(8時〜21時)の外にすることができ、節電要請に協力することができる。
【0023】
図4は、基準時刻T1、待ち時間T2および充電時間T3の設定値の第2の例を説明する図である。第2の例では、基準時刻T1を9時から16時までの何れかの時刻に設定する。すなわち、第2の例では、バッテリ5を接続する作業を行う時間帯を、9時から16時までの間に限定する。9時から16時までの範囲は、一般的な就業時間の大半をカバーするので、このように限定しても、問題はない。また、第2の例では、待ち時間T2を14時間とし、充電時間T3を1時間とする。図4に示すように、バッテリ5が9時に接続された場合、すなわち基準時刻T1が9時に設定された場合には、充電開始時刻(T1+T2)は、23時になる。この場合、充電終了時刻(T1+T2+T3)は、24時(0時)になる。よって、23時から24時の間だけ、バッテリ5が充電される。一方、バッテリ5が16時に接続された場合、すなわち基準時刻T1が16時に設定された場合には、充電開始時刻(T1+T2)は、30時=6時になる。この場合、充電終了時刻(T1+T2+T3)は、7時になる。よって、6時から7時の間だけ、バッテリ5が充電される。このように、第2の例では、9時から16時までの間にバッテリ5を接続することにより、バッテリ5が充電される時間帯を、23時から翌朝7時までの間に入れることができる。すなわち、9時から16時までの間であれば、どの時刻にバッテリ5を接続した場合であっても、バッテリ5が充電される時間帯を、23時から翌朝7時までの時間帯内にすることができる。23時から翌朝7時までの時間帯は、電力会社と時間帯別電灯の契約をすることにより、電気料金単価を安価にすることができる場合がある。第2の例によれば、節電要請に協力できるだけでなく、電気料金単価が安価となる時間帯にバッテリ5を充電することができるので、電気代を節約することができる。
【0024】
次に、基準時刻T1、待ち時間T2および充電時間T3の設定値の第3の例について説明するが、図は省略する。第3の例では、基準時刻T1を8時から12時までの何れかの時刻に設定する。すなわち、第3の例では、バッテリ5を接続する作業を行う時間帯を、8時から12時までの間に限定する。したがって、バッテリ5を接続する作業を、午前中に行うようにすれば良い。また、第3の例では、待ち時間T2を17時間とし、充電時間T3を1時間とする。バッテリ5が8時に接続された場合、すなわち基準時刻T1が8時に設定された場合には、充電開始時刻(T1+T2)は、25時=1時になる。この場合、充電終了時刻(T1+T2+T3)は、2時になる。よって、1時から2時の間だけ、バッテリ5が充電される。一方、バッテリ5が12時に接続された場合、すなわち基準時刻T1が12時に設定された場合には、充電開始時刻(T1+T2)は、29時=5時になる。この場合、充電終了時刻(T1+T2+T3)は、6時になる。よって、5時から6時の間だけ、バッテリ5が充電される。このように、第3の例では、8時から12時までの間にバッテリ5を接続することにより、バッテリ5が充電される時間帯を1時から6時までの間に入れることができる。すなわち、8時から12時までの間であれば、どの時刻にバッテリ5を接続した場合であっても、バッテリ5が充電される時間帯を、1時から6時までの深夜時間帯内にすることができる。1時から6時までの深夜時間帯は、電力会社と時間帯別電灯(第2深夜電力)の契約をすることにより、電気料金単価を特に安価にすることができる場合がある。第3の例によれば、節電要請に協力できるだけでなく、電気料金単価が特に安価となる時間帯にバッテリ5を充電することができるので、電気代を更に節約することができる。
【0025】
次に、基準時刻T1、待ち時間T2および充電時間T3の設定値の第4の例について説明するが、図は省略する。第4の例では、基準時刻T1を6時から翌日の深夜2時までの何れかの時刻に設定する。すなわち、第4の例では、バッテリ5を接続する作業を行う時刻が、2時から6時までの深夜時間帯以外であればいつでもよいので、バッテリ5を接続する作業を行う時刻に対する制約をほとんど無くすことができる。また、第4の例では、待ち時間T2を10時間とし、充電時間T3を1時間とする。バッテリ5が6時に接続された場合、すなわち基準時刻T1が6時に設定された場合には、充電開始時刻(T1+T2)は、16時になる。この場合、充電終了時刻(T1+T2+T3)は、17時になる。よって、16時から17時の間だけ、バッテリ5が充電される。一方、バッテリ5が2時に接続された場合、すなわち基準時刻T1が2時に設定された場合には、充電開始時刻(T1+T2)は、12時になる。この場合、充電終了時刻(T1+T2+T3)は、13時になる。よって、12時から13時の間だけ、バッテリ5が充電される。このように、第4の例では、6時から翌日の深夜2時までの間にバッテリ5を接続することにより、バッテリ5が充電される時間帯を、16時から翌日の13時までの間に入れることができる。すなわち、6時から翌日の深夜2時までの間であれば、どの時刻にバッテリ5を接続した場合であっても、バッテリ5が充電される時間帯を、13時から16時までの時間帯の外にすることができる。13時から16時までの時間帯は、電力需要がピークとなる時間帯であり、電力会社との契約により、電気料金単価が割高になる場合がある。第4の例によれば、このピーク時間帯を避けてバッテリ5を充電することができるので、ピーク時間帯の節電に協力するとともに、電気代を抑制することができる。
【0026】
次に、基準時刻T1、待ち時間T2および充電時間T3の設定値の第5の例について説明するが、図は省略する。第5の例では、基準時刻T1を8時から17時までの何れかの時刻に設定する。すなわち、第5の例では、バッテリ5を接続する作業を行う時間帯を、8時から17時までの間に限定する。8時から17時までの範囲は、一般的な就業時間をカバーするので、このように限定しても、問題はない。また、第5の例では、待ち時間T2を14時間とし、充電時間T3を1時間とする。図4に示すように、バッテリ5が8時に接続された場合、すなわち基準時刻T1が8時に設定された場合には、充電開始時刻(T1+T2)は、22時になる。この場合、充電終了時刻(T1+T2+T3)は、23時になる。よって、22時から23時の間だけ、バッテリ5が充電される。一方、バッテリ5が17時に接続された場合、すなわち基準時刻T1が17時に設定された場合には、充電開始時刻(T1+T2)は、31時=7時になる。この場合、充電終了時刻(T1+T2+T3)は、8時になる。よって、7時から8時の間だけ、バッテリ5が充電される。このように、第5の例では、8時から17時までの間にバッテリ5を接続することにより、バッテリ5が充電される時間帯を、22時から翌朝8時までの間に入れることができる。すなわち、8時から17時までの間であれば、どの時刻にバッテリ5を接続した場合であっても、バッテリ5が充電される時間帯を、22時から翌朝8時までの時間帯内にすることができる。22時から翌朝8時までの時間帯は、電力会社と時間帯別電灯の契約をすることにより、電気料金単価を安価にすることができる場合がある。第5の例によれば、節電要請に協力できるだけでなく、電気料金単価が安価となる時間帯にバッテリ5を充電することができるので、電気代を節約することができる。
【0027】
上述した第1乃至第5の例では、充電時間T3を1時間にしたが、本発明における充電時間T3の値は特に限定されるものではない。上述した例から分かるように、本実施の形態1では、バッテリ5を接続可能な時間帯の長さは、バッテリ5を充電可能な時間帯(バッテリ5の充電を避けなくて良い時間帯)の長さから充電時間T3を差し引いた長さになる。このため、充電時間T3が長くなるほど、バッテリ5を接続可能な時間帯の長さが短くなる。このため、充電時間T3は、0.5時間〜3時間程度であることが好ましく、1時間以下であることがより好ましい。充電時間T3の長さをこのような値にすることにより、バッテリ5を接続可能な時間帯の長さを十分に長くすることができる。
【0028】
上述した実施の形態では、バッテリ検出回路8(接続検出手段)、基準時刻記憶回路11(基準時刻設定手段)、計時カウンタ7(充電時間制御手段)、放電チェック回路10(放電状態判定手段)などを別々の回路として構成しているが、本発明では、マイクロコンピュータなどを用いた制御によりこれらの機能動作を一括して行うことも可能である。また、商用電源100の商用周波数をカウントすることで時間の経過を計測することにより、計時カウンタ7を較正するようにしても良い。これにより、長期間における時刻の変動を確実に抑制することができる。
【0029】
実施の形態2.
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。図5は、本発明の実施の形態2の点灯装置の構成を示すブロック図である。
【0030】
図5に示すように、本実施の形態2の点灯装置1Aでは、非常ユニット4にディップスイッチ12が設けられており、ディップスイッチ12の値により、計時カウンタ7の待ち時間T2の値を変更することができる。これにより、待ち時間T2を任意の値に設定することが可能となる。待ち時間T2の値を変更することにより、バッテリ5の充電を避ける時間帯をシフトすることができる。このため、電気料金単価の安い時間帯などに応じて、待ち時間T2を適宜選択することにより、バッテリ5の充電を避ける時間帯を任意に設定することができる。
【0031】
上述した実施の形態2では、ディップスイッチ12によって待ち時間T2を任意の値に設定するようにしているが、待ち時間T2の値を予め複数記憶しておき、例えば点検スイッチの連続操作などにより、その複数の値から選択して待ち時間T2を設定するようにしても良い。
【0032】
また、バッテリ5を接続するコネクタを複数設け、バッテリ5を接続する時間帯に応じて複数のコネクタの何れかを選択して接続するように定めておき、どのコネクタにバッテリ5が接続されたかを点灯装置1Aが判定し、その判定結果に応じて、予め記憶された複数の値から自動的に選択して待ち時間T2を設定するようにしても良い。例えば、午前中にバッテリ5を接続する場合に用いる第1コネクタと、午後にバッテリ5を接続する場合に用いる第2コネクタとを用意しておき、第2コネクタにバッテリ5が接続された場合には、第1コネクタにバッテリが接続された場合に比べて、待ち時間T2を短い値に設定する。これにより、バッテリ5の充電を避ける時間帯の長さを変えることなく、充電時間T3を長くしたり、バッテリ5を接続可能な時間帯の長さを長くしたりすることが可能となる。また、コネクタを複数設けることに代えて、コネクタを逆挿し可能にし、バッテリ5を接続する時間帯に応じてコネクタを何れの向きで挿入するかを定めておき、コネクタが何れの向きで挿入されたかを点灯装置1Aが判定し、その判定結果に応じて、予め記憶された複数の値から自動的に選択して待ち時間T2を設定するようにしても良い。あるいは、誘導灯など、スイッチ類を備える構成の場合には、バッテリ5の接続時に、午前中か午後かをスイッチを操作して設定するようにし、その設定に基づいて待ち時間T2を変更するようにしてもよい。これらの場合においても、上記と同様の効果が得られる。
【0033】
実施の形態3.
次に、図6を参照して、本発明の実施の形態3について説明するが、上述した実施の形態2との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。図6は、本発明の実施の形態3の点灯装置の構成を示すブロック図である。
【0034】
図6に示すように、本実施の形態3の点灯装置1Bでは、実施の形態2のディップスイッチ12に代えて、非常ユニット4に設定用キーボード13および表示パネル14が接続されており、表示パネル14の表示を見ながら設定用キーボード13を操作することにより、待ち時間T2を任意の値に設定することが可能となる。これにより、実施の形態2と同様の効果が得られるとともに、装置内部のディップスイッチ12を操作する必要のある実施の形態2に比べて、待ち時間T2の設定を更に容易に行うことができる。また、待ち時間T2の値だけでなく、基準時刻T1の値を設定用キーボード13から入力するようにしても良い。これにより、バッテリ5の接続タイミングによって基準時刻T1を設定する必要がなくなるので、バッテリ5を接続する時間帯の制約を無くすことができる。
【0035】
なお、設定用キーボード13および表示パネル14は、点灯装置1Bに内蔵しなくても良く、設定時のみ接続するようにしても良い。その場合、設定用キーボード13および表示パネル14として、通常のポータブルタイプのパーソナルコンピュータを使用可能である。
【0036】
実施の形態4.
次に、図7を参照して、本発明の実施の形態4について説明するが、上述した実施の形態3との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。図7は、本発明の実施の形態4の点灯装置の構成を示すブロック図である。
【0037】
図7に示すように、本実施の形態4の点灯装置1Cでは、実施の形態3の設定用キーボード13および表示パネル14に代えて、設定用キーボード16aおよび表示パネル16bを備えたリモコン16から発せられる光信号を受信するリモコン受光部15を非常ユニット4に設けており、リモコン16を操作することにより、待ち時間T2あるいは基準時刻T1を任意の値に設定することが可能となる。これにより、実施の形態3と同様の効果が得られる。また、本実施の形態4によれば、実施の形態3で使用するポータブルタイプのパーソナルコンピュータなどの機材が不要であるので、待ち時間T2あるいは基準時刻T1の設定を更に簡便に行うことができる。
【符号の説明】
【0038】
1,1A,1B,1C 点灯装置、2 常用ユニット、2a ノイズフィルタ、2b 全波整流回路、2c PFC回路、2d 蛍光灯点灯回路、2e 電圧検出回路、3 ランプ、4 非常ユニット、5 バッテリ、6 切換器、7 計時カウンタ、8 バッテリ検出回路、9 充電回路、10 放電チェック回路、11 基準時刻記憶回路、12 ディップスイッチ、13,16a 設定用キーボード、14,16b 表示パネル、15 リモコン受光部、16 リモコン、100 商用電源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7