特許第6079719号(P6079719)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6079719
(24)【登録日】2017年1月27日
(45)【発行日】2017年2月15日
(54)【発明の名称】検針データ集約システム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20170206BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20170206BHJP
   G08C 25/00 20060101ALI20170206BHJP
   G08C 15/00 20060101ALI20170206BHJP
   G08C 17/00 20060101ALI20170206BHJP
   H04W 40/36 20090101ALI20170206BHJP
   H04W 4/04 20090101ALI20170206BHJP
   H04W 84/22 20090101ALI20170206BHJP
【FI】
   H04Q9/00 311J
   H04M11/00 301
   G08C25/00 E
   G08C15/00 C
   G08C17/00 Z
   H04Q9/00 311M
   H04Q9/00 311S
   H04W40/36
   H04W4/04 190
   H04W84/22
【請求項の数】1
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-158027(P2014-158027)
(22)【出願日】2014年8月1日
(65)【公開番号】特開2016-36077(P2016-36077A)
(43)【公開日】2016年3月17日
【審査請求日】2015年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】▲広▼瀬 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】安田 克彦
(72)【発明者】
【氏名】中村 佳司
(72)【発明者】
【氏名】里村 成行
(72)【発明者】
【氏名】松本 鋭
【審査官】 山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−111701(JP,A)
【文献】 特開2011−250301(JP,A)
【文献】 特開2001−076278(JP,A)
【文献】 特開2001−258079(JP,A)
【文献】 特開平09−093356(JP,A)
【文献】 特開2013−187615(JP,A)
【文献】 特開2014−064155(JP,A)
【文献】 特開2013−187849(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/087501(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 13/00−25/04
H03J 9/00− 9/06
H04B 7/24− 7/26
H04L 12/00−12/26
12/50−12/955
H04M 3/00
3/16− 3/20
3/38− 3/58
7/00− 7/16
11/00−11/10
H04Q 9/00− 9/16
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センターサーバと、
複数の集約装置と、を含み、
前記集約装置は、
需要家の計器より入力された複数の検針データを集約して記憶可能な記憶部と、
記憶された前記検針データをセンターサーバへネットワークを介して通信可能な第1通信部と、
前記計器及び他の集約装置と無線通信可能な第2通信部と、
前記計器と電力線通信可能な第3通信部と、
記記憶部が記憶する検針データを前記センターサーバに送信させる制御部と、
を備え
前記第2通信部及び第3通信部は、前記計器から検針データを受信し、前記記憶部へ入力する機能を有し、
前記制御部は、前記第1通信部が前記センターサーバと通信できない場合、前記第2通信部に周囲の接続先機器へ接続要求を送信させ、通信の接続確立した当該接続先機器に対して、前記記憶部が記憶する検針データを送信させ、
前記複数の集約装置の1つが前記センターサーバと通信できない場合、当該集約装置に隣り合う集約装置が前記接続先機器となり、
前記接続先機器となる集約装置は、前記センターサーバと通信できない集約装置の検針データを前記センターサーバへ転送し、
前記接続先機器となる集約装置は、前記センターサーバと通信できない集約装置の検針データを前記第2通信部を介して前記記憶部へ保存し、前記接続先機器となる集約装置自体が集約して前記記憶部に記憶する検針データと区別して、前記センターサーバへ送信する、検針データ集約システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気、ガス、水道等の需要家から通信を介して検針値のデータ(検針データ)を収集する集約装置及び検針データ集約システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電力の需要家から無線通信を介して検針値を収集するための電力検針方法、及び電力検針システムに関し、特に無線通信の通信圏を効率良く拡大することができるとともに、無線通信を介して閑散地等に存在する需要家からも検針値を収集できるようにするための技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−105010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のように、集約装置は、計器から受信した検針データを、ネットワークを介してセンタサーバに送信する。センタサーバに送信する通信部が故障した場合、センタサーバで保存する検針データベースに検針値の欠落が発生する。検針データベースに検針値の欠落を保管するため、携帯端末を用いて検針員が需要家を1件づつ回り、検針員は、集約装置の復旧まで検針作業をする必要がある。これを避けるには、センタサーバに送信する通信部を冗長化して複数有するようにすればよいが、集約装置のコストアップに繋がる。センタサーバに送信する通信部を冗長化しても、ネットワークまでの通信回線に不具合があった場合には、集約装置は、計器から受信した検針データを、ネットワークを介してセンタサーバに送信することができない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、センタサーバと通信できない場合でも、通信部の冗長化を低減し、かつセンターサーバの検針データベースに検針値の欠落が発生することを抑制する集約装置及び検針データ集約システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の集約装置は、需要家の計器より入力された複数の検針データを集約して記憶可能な記憶部と、記憶された前記検針データをセンターサーバへネットワークを介して通信可能な第1通信部と、無線通信可能な第2通信部と、前記第1通信部が前記センターサーバと通信できない場合、前記第2通信部に周囲の接続先機器へ接続要求を送信させ、通信の接続確立した当該接続先機器に対して、前記記憶部が記憶する検針データを送信させる制御部と、を備えている。
【0007】
センターサーバと第1通信部とが通信できない場合、接続先機器との通信の確立した第2通信部が集約した検針データを送信することができる。このため、接続先機器を介して、検針データをセンターサーバへ送ることができ、センターサーバの検針データベースは検針値の欠落が抑制される。検針データの欠落が低減することにより、顧客満足度を保つことができる。
【0008】
本発明の望ましい態様として、前記第2通信部は、前記計器から検針データを受信し、前記記憶部へ入力することが好ましい。これにより、第2通信部は、第1通信部の冗長化だけでなく、電力の需要家から無線通信を介して検針値を収集することができる。
【0009】
本発明の望ましい態様として、前記計器と電力線通信可能な第3通信部をさらに備え、前記第3通信部は、前記計器から検針データを受信し、前記記憶部へ入力する。これにより、集約装置は、計器から検針データを受信する経路として、電力線通信及び無線通信のどちらにも対応することができる。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、本発明の検針データ集約システムは、センターサーバと、複数の上述した集約装置と、を含み、複数の前記集約装置の1つが前記センターサーバと通信できない場合、当該集約装置に隣り合う集約装置が前記接続先機器となる。これにより、センターサーバと第1通信部とが通信できないため、検針データの欠落を補完する必要があるが、携帯端末を用いて検針員が需要家を1件づつ回り、検針員は、集約装置の復旧まで検針作業をする必要性は低減する。また、センターサーバと通信できない集約装置を修理する時間を確保することができる。その結果、集約装置のメンテナンス計画を容易に立案することができる。
【0011】
本発明の望ましい態様として、前記接続先機器となる集約装置は、前記センターサーバと通信できない集約装置の検針データを前記第2通信部を介して前記記憶部へ保存し、前記接続先機器となる集約装置自体が集約して前記記憶部に記憶する検針データと区別して、前記センターサーバへ送信することが好ましい。これにより、センターサーバと通信できない集約装置の検針データは、一括して接続先機器となる集約装置に記憶され、センターサーバへ送信される。このため、センタサーバに送信する通信回線に不具合があった場合でも、接続先機器となる集約装置は、センターサーバと通信できない集約装置の検針データを、別ルートでネットワークを介してセンタサーバに送信することができるようになる。
【0012】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、本発明の検針データ集約システムは、センターサーバと、複数の上述した集約装置と、携帯端末と、を含み、前記携帯端末が前記無線通信可能な通信圏内に移動してきた場合、当該携帯端末が前記接続先機器になる。これにより、センターサーバと通信できない集約装置に隣接する集約装置へ検針データを転送できない場合であっても、携帯端末が接続先機器となり、一括して検針データを受信できる。このため、検針員は、携帯端末を用いて検針員が需要家を1件づつ回り、集約装置の復旧まで検針作業をしなくても、センターサーバへ送信できなかった分の検針データを容易に取得し、センターサーバーの検針データベースへ保存できる。その結果、センターサーバの検針データベースは検針値の欠落が抑制される。検針データの欠落が低減することにより、顧客満足度を保つことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、センタサーバと通信できない場合でも、通信部の冗長化を低減し、かつセンターサーバの検針データベースに検針値の欠落が発生することを抑制する集約装置及び検針データ集約システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本実施形態に係る検針データ集約システムを示す説明図である。
図2図2は、本実施形態に係る検針データ集約システムの動作を示す説明図である。
図3図3は、本実施形態に係る検針データ収集方法を示すフローチャートである。
図4図4は、本実施形態に係る集約装置が送信する検針データに付与する付加情報の一例を示す説明図である。
図5図5は、本実施形態に係る他の検針データ収集方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0016】
図1は、本実施形態に係る検針データ集約システムを示す説明図である。図1に示す検針データ集約システム100は、電気、ガス、水道などの需要家に取り付けられ、電気、ガス、水道などの使用量を計量する複数(n個)の通信機能付き計器HA1、〜、通信機能付き計器HAnと、電柱などの複数(N個)の装置設置領域D1、〜、装置設置領域DNにそれぞれ設置された複数(N個)の集約装置CD1、〜、集約装置CDNと、ネットワークNWと、センターサーバMDSとを含む。なお、n個、N個は、いずも1より大きい自然数である。
【0017】
集約装置CD1、〜、集約装置CDNは、通信機能付き計器HA1、〜、通信機能付き計器HAnが計量した検針値を予め定める時間毎(定時検針)又は予め定める事象(停電等)の発生時点ごとに記憶した検針値を、無線通信、有線通信などにより伝送され、受信する。そして、集約装置CD1、〜、集約装置CDNは、通信機能付き計器HA1、〜、通信機能付き計器HAnが計量した検針値を収拾し、検針データとして記憶することができる。そして、集約装置CD1、〜、集約装置CDNは、それぞれ、ネットワークNWを介して、記憶した検針データをセンターサーバMDSへ送信(伝送)する。
【0018】
このように、集約装置CD1、〜、集約装置CDNは、容易に検針データをセンターサーバMDS(ホスト装置)へ送信できる。集約装置CD1、〜、集約装置CDNは、通信機能付き計器HA1、〜、通信機能付き計器HAnが需要家に設置される毎に増え続ける。
【0019】
[集約装置]
集約装置CDNは、新たに設置される場合、足場の悪い柱上などの装置設置領域DNに設置されることが多い。集約装置CDNは、柱上など足場の悪い設置領域を考慮し可搬性を考慮した、いわゆる、ポケットコンピュータ、携帯型のパーソナルコンピュータ、ワークステーションである。集約装置CDNは、演算手段として中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)及びメモリを備えている制御部11と、第1通信部12、第2通信部13、第3通信部14及び記憶部15を備えている。記憶部15は、コンピュータプログラム(以下、プログラムという。)、後述する初期設定情報及び通信機能付き計器HA1、〜、通信機能付き計器HAnが計量した検針値を検針データとして記憶する、例えば、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等である。制御部11のCPUは、記憶部15に記憶されているプログラムをメモリに読み出して又は書き出して実行することにより、演算手段として、各種の機能を実現する。
【0020】
第1通信部12は、ネットワークNWに接続するための通信部であり、有線通信又は無線通信を可能にする。通信インタフェースは、例えば、通信回路K1、〜、通信回路KNを介してネットワークNWに接続するためのネットワークアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム等である。
【0021】
第2通信部13は、小電力無線(例えば、920MHz帯の周波数、無線出力10mW以下の無線システム)、無線LAN(Local Area Network)等の通信基板(インフラストラクチャ)を用いて、通信機能付き計器HA1、〜、通信機能付き計器HAnとの無線通信網を構築している。
【0022】
第3通信部14は、通信機能付き計器HA1、〜、通信機能付き計器HAnの少なくとも1つと有線PCで接続され、電力線通信(PLC(Power Line Communication))、専用線(電力系統制御用情報伝送システム(CDT:Cyclic Digital data Transmission equipment)、メタル線、光ファイバ等)等の通信基盤(インフラストラクチャ)を用いて、無線通信できない通信機能付き計器HA1、〜、通信機能付き計器HAnとの有線通信網を構築している。第3通信部14は、通信機能付き計器HA1、〜、通信機能付き計器HAnの少なくとも1つと有線PCで接続されていない場合、なくてもよい。
【0023】
[サーバ]
ネットワークNWは、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、電力線通信(PLC(Power Line Communication))、専用線(電力系統制御用情報伝送システム(CDT:Cyclic Digital data Transmission equipment)、メタル線、光ファイバ等)等の通信基盤(インフラストラクチャ)である。
【0024】
センターサーバMDSは、コンピュータシステムである。センターサーバMDSは、それぞれ、入出力表示端末C1に、ローカルエリアネットワークLNWを介して接続されている。入出力表示端末C1は、センターサーバMDSに対して、ユーザから操作入力を受け付けるユーザインタフェースであり、ユーザに視覚的な情報を提供するユーザインタフェースである。
【0025】
センターサーバMDSは、CPU(Central Processing Unit)21と、ROM(Read Only Memory)23と、RAM(Random Access Memory)22と、記憶装置25と、センター通信部24と、を含んでいる。CPU(Central Processing Unit)21と、ROM(Read Only Memory)23と、RAM(Random Access Memory)22と、記憶装置25と、センター通信部24とは、内部バスで接続されている。
【0026】
ROM23には、BIOS(Basic Input Output System)等のプログラムが記憶されている。記憶装置25は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等であり、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム及び本実施形態に係る検針データの集約装置自動設定のプログラムを記憶している。CPU21は、演算手段であり、RAM22をワークエリアとして使用しながらROM23や記憶装置25に記憶されているプログラムを実行することにより、種々の機能を実現する。
【0027】
センター通信部24は、ネットワークNWに接続するための通信インタフェースであり、有線通信又は無線通信を可能にする。通信インタフェースは、例えば、通信回路KMを介してネットワークNWに接続するためのネットワークアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム等である。
【0028】
センターサーバMDSは、記憶装置25が検針データを記憶する検針用データベース(DB:Database)の記憶領域として機能する。このように、センターサーバMDSは、記憶装置25に記憶する検針データを管理する記憶領域管理手段である。
【0029】
[検針データ収集方法]
以下、図1から図4を用いて、本実施形態に係る検針データ集約システム100及び検針データ収集方法について説明する。図2は、本実施形態に係る検針データ集約システムの動作を示す説明図である。図3は、本実施形態に係る検針データ収集方法を示すフローチャートである。図4は、本実施形態に係る集約装置が送信する検針データに付与する付加情報の一例を示す説明図である。
【0030】
第1集約装置として集約装置CD1が検針データを記憶し、センターサーバへ送信する場合、ネットワーク監視機能により、集約装置CD1の第1通信部12がセンターサーバMDSへ通信可能かどうかを確認する。集約装置CD1の第1通信部12がセンターサーバMDSへパケット情報を送付し、センターサーバがこのパケット情報を送り返してくれば、集約装置CD1の第1通信部12がセンターサーバMDSへ通信可能である。集約装置CD1の第1通信部12がセンターサーバMDSへパケット情報を送付し、センターサーバがこのパケット情報を送り返してしてくれば、第1通信部12がセンターサーバMDSと通信できるので(ステップS11、No)、制御部11は、処理をステップS12へ進める。そして第1通信部12は、記憶部15に記憶している検針データをセンターサーバMDSへ送信する(ステップS12)。
【0031】
集約装置CD1の第1通信部12がセンターサーバMDSへパケット情報を送付し、センターサーバがこのパケット情報を送り返してしてこなければ、第1通信部12の通信不能となり、第1通信部12がセンターサーバMDSと通信できないので(ステップS11、Yes)、制御部11は、処理をステップS13へ進める。制御部11は、第1通信部12がセンターサーバMDSと通信できない場合、第2通信部13に周囲の接続先機器へ接続要求を送信させる(ステップS13)。
【0032】
図2に示す第2集約装置として集約装置CD2は、集約装置CD1と隣り合い、集約装置CD1の第2通信部13の無線通信Wを送受信でき無線通信可能な通信圏D内にある。集約装置CD2は、集約装置CD1の第2通信部13の接続要求を受信する(ステップS21)。そして、集約装置CD2の第2通信部13は、集約装置CD1の第2通信部13へ接続許可を発信する(ステップS22)。
【0033】
集約装置CD1の制御部11は、集約装置CD2の第2通信部13からの接続許可を受信して、集約装置CD2と接続を確立する(ステップS14)。そして、集約装置CD1の制御部11は、通信の接続確立した接続先機器である集約装置CD2に対して、集約装置CD1の記憶部15が記憶する検針データを送信させる(ステップS15)。
【0034】
集約装置CD2は、集約装置CD1の検針データを記憶部15に記憶する(ステップS23)。そして、集約装置CD2は、集約装置CD1の検針データをセンターサーバMDSへ送信する(ステップS24)。図4に示すように、集約装置CD2は、センターサーバMDSと通信できない集約装置CD1の検針データを集約装置CD2自体が集約して記憶部15に記憶する。例えば、データDN1は、センターサーバMDSへ送信する通勤機器番号はCD2であり、図2に示す集約エリアA1の検針値を集約した集約装置CD1の集約機器番号を付加した付加情報を検針データDD1に付与している。データDN2は、センターサーバMDSへ送信する通勤機器番号はCD2であり、図2に示す集約エリアA2の検針値を集約した集約装置CD2の集約機器番号を付加した付加情報を検針データDD2に付与している。これにより、集約装置CD2は、集約装置CD1から転送されてきた検針データDD1と、集約装置CD2自体が集約して記憶部15に記憶する検針データDD2とを区別して、センターサーバMDSへ一括データDGとして送信することができる。
【0035】
センターサーバMDSは、集約装置CD2又は集約装置CD1から送付されてきた検針データを記憶装置25の検針用データベースに記憶する(ステップS31)。
【0036】
以上説明したような検針データ収集方法を処理するプログラムがコンピュータに実行されることにより、集約装置CD1がセンターサーバと通信できない場合でも、集約装置CD2が検針データDD1をセンターサーバMDSへ送信することができる。
【0037】
以上説明したように、集約装置CD1、CD2は、記憶部15と、第1通信部12と、第2通信部13と、制御部11とを備えている。記憶部15は、需要家の通信機能付き計器HA1、〜、通信機能付き計器HAnより入力された複数の検針データを集約して記憶できる。第1通信部12は、この記憶された検針データDD1、DD2をセンターサーバMDSへネットワークNWを介して送信できる。第2通信部13は、無線通信可能であり、集約装置CD1の第1通信部12がセンターサーバMDSと通信できない場合、集約装置CD1の制御部11が集約装置CD1の第2通信部13に周囲の接続先機器へ接続要求を無線通信で送信させる。集約装置CD1の制御部11は、通信の接続確立した集約装置CD2に対して、集約装置CD1の記憶部15が記憶する検針データを送信させる。
【0038】
センターサーバMDSと集約装置CD1の第1通信部12とが通信できない場合、集約装置CD2との通信の確立した、集約装置CD1の第2通信部13が集約した検針データを送信することができる。このため、集約装置CD1は、集約装置CD2を介して、検針データDD1をセンターサーバMDSへ送ることができ、センターサーバMDSの検針データベースは検針値の欠落が抑制される。検針データの欠落が低減することにより、顧客満足度が保たれる。
【0039】
集約装置CD1、CD2の第2通信部13は、需要家の通信機能付き計器HA1、〜、通信機能付き計器HAnから検針データを受信し、記憶部15へ入力することが好ましい。これにより、第2通信部13は、第1通信部12の冗長化だけでなく、電力の需要家から無線通信を介して検針値を収集することができる。このため、第1通信部12を複数持たなくてもよく、集約装置CD1、CD2の製造コストが低減する。
【0040】
集約装置CD1、CD2は、需要家の通信機能付き計器HA1、〜、通信機能付き計器HAnと電力線通信可能な第3通信部をさらに備え、第3通信部14は、前記計器から検針データを受信し、前記記憶部へ入力する。これにより、集約装置CD1、CD2は、通信機能付き計器HA1、〜、通信機能付き計器HAnから検針データを受信する経路として、電力線通信及び無線通信のどちらにも対応することができる。
【0041】
このように、検針データ集約システム100は、センターサーバMDSと、集約装置CD1、〜、集約装置CDNとを含み、複数の集約装置の1つ、例えば集約装置CD1がセンターサーバMDSと通信できない場合、集約装置CD1に隣り合う集約装置CD2が接続先機器となる。これにより、センターサーバMDSと集約装置CD1の第1通信部12とが通信できないため、検針データの欠落を補完する必要があるが、携帯端末を用いて検針員が需要家を1件づつ回り、検針員は、集約装置CD1の復旧まで検針作業をする必要性は低減する。また、センターサーバMDSと通信できない集約装置CD1を修理する時間を確保することができる。その結果、集約装置CD1のメンテナンス計画を容易に立案することができる。
【0042】
集約装置CD2は、センターサーバと通信できない集約装置CD1の検針データを集約装置CD2の第2通信部13を介して記憶部15へ保存し、集約装置CD2自体が集約して記憶部15に記憶する検針データDD2と区別して、センターサーバMDSへ送信する。これにより、センターサーバMDSと通信できない集約装置CD1の検針データDD1は、検針データDD2と一括して集約装置CD2に記憶され、センターサーバMDSへ送信される。このため、センタサーバMDSに送信する通信回線K1に不具合があった場合でも、集約装置CD2は、センターサーバと通信できない集約装置の検針データを、別ルートの通信回線K2でネットワークを介してセンタサーバMDSに送信することができるようになる。
【0043】
図5は、本実施形態に係る他の検針データ収集方法を示すフローチャートである。図2及び図5を用いて、本実施形態に係る他の検針データ収集方法について説明する。集約装置CD1に隣り合う集約装置CD2が接続先機器となる場合について、上述したが集約装置CD1と集約装置CD2との間で不能な場合、例えば通信圏D内にない場合がある。この場合、図2に示す携帯端末HTを通信圏内D内に移動させる。携帯端末HTは、演算手段として中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)及びメモリを備えている制御部31と、記憶部32と、ターミナル通信部33とを備えている。記憶部32は、コンピュータプログラム(以下、プログラムという。)、検針データを記憶する、例えば、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等である。制御部31のCPUは、記憶部32に記憶されているプログラムをメモリに読み出して又は書き出して実行することにより、演算手段として、各種の機能を実現する。ターミナル通信部33は、小電力無線(例えば、920MHz帯の周波数、無線出力10mW以下の無線システム)、無線LAN(LAN:Local Area Network)等の通信基板(インフラストラクチャ)を用いて、集約装置CDNとの無線通信網を構築している。
【0044】
第1集約装置として集約装置CDNが検針データを記憶し、センターサーバへ送信する場合、ネットワーク監視機能により、集約装置CDNの第1通信部12がセンターサーバMDSへ通信可能かどうかを確認する。集約装置CDNの第1通信部12がセンターサーバMDSへパケット情報を送付し、センターサーバがこのパケット情報を送り返してくれば、集約装置CD1の第1通信部12がセンターサーバMDSへ通信可能である。集約装置CDNの第1通信部12がセンターサーバMDSへパケット情報を送付し、センターサーバMDSがこのパケット情報を送り返してしてくれば、第1通信部12がセンターサーバMDSと通信できるので(ステップS41、No)、制御部11は、処理をステップS42へ進める。そして第1通信部12は、記憶部15に記憶している検針データをセンターサーバMDSへ送信する(ステップS42)。
【0045】
集約装置CDNの第1通信部12がセンターサーバMDSへパケット情報を送付し、センターサーバMDSがこのパケット情報を送り返してしてこなければ、第1通信部12の通信不能となり、第1通信部12がセンターサーバMDSと通信できないので(ステップS41、Yes)、制御部11は、処理をステップS43へ進める。制御部11は、第1通信部12がセンターサーバMDSと通信できない場合、第2通信部13に周囲の接続先機器へ接続要求を送信させる(ステップS43)。
【0046】
図2に示す携帯端末(以下、ハンディターミナルという)HTは、無線通信可能な通信圏D内にある場合接続要求を受信できる。ハンディターミナルHTは、集約装置CDNの第2通信部13の接続要求を受信する(ステップS51)。そして、ハンディターミナルHTのターミナル通信部33は、集約装置CDNの第2通信部13へ接続許可を発信する(ステップS52)。
【0047】
集約装置CDNの制御部11は、接続要求の応答がない場合(ステップS44、No)、接続要求を発信しつづける(ステップS43)。集約装置CDNの制御部11は、接続要求の応答がある場合(ステップS44、Yes)、集約装置CDNの制御部11は、ターミナル通信部33からの接続許可を受信して、ハンディターミナルHTと接続を確立する(ステップS45)。そして、集約装置CDNの制御部11は、通信の接続確立した接続先機器であるハンディターミナルHTに対して、集約装置CDNの記憶部15が記憶する検針データを送信させる(ステップS46)。
【0048】
ハンディターミナルHTは、集約装置CD1の検針データを記憶部32に記憶する(ステップS53)。そして、ハンディターミナルHTは、集約装置CD1の検針データをセンターサーバMDSへ保持したままもっていき、直接接続して送信する(ステップS54)。
【0049】
センターサーバMDSは、ハンディターミナルHT又は集約装置CDNから送付されてきた検針データを記憶装置25の検針用データベースに記憶する(ステップS61)。
【0050】
以上説明したように、検針データ集約システム100は、センターサーバMDSと、集約装置Nと、ハンディターミナルHTと、を含み、ハンディターミナルHTが無線通信可能な通信圏内に移動してきた場合、ハンディターミナルHTが接続先機器になる。これにより、センターサーバMDSと通信できない集約装置CDNに隣接する集約装置へ検針データを転送できない場合であっても、ハンディターミナルHTが接続先機器となり、一括して検針データを受信できる。このため、検針員は、携帯端末を用いて検針員が需要家を1件づつ回り、集約装置CDNの復旧まで検針作業をしなくても、センターサーバMDSへ送信できなかった分の検針データを容易に取得し、センターサーバMDSの検針データベースへ保存できる。その結果、センターサーバMDSの検針データベースは検針値の欠落が抑制される。検針データの欠落が低減することにより、顧客満足度を保つことができる。
【符号の説明】
【0051】
11 制御部
12 第1通信部
13 第2通信部
14 第3通信部
15 記憶部
24 センター通信部
25 記憶装置
31 制御部
32 記憶部
33 ターミナル通信部
100 検針データ集約システム
HT ハンディターミナル
CD1、〜、CDN 集約装置
D1、〜、DN 装置設置領域
HA1、〜、HAn 計器
MDS センターサーバ
NW ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5