特許第6079861号(P6079861)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6079861共振負荷用電力変換装置および共振負荷用電力変換装置の時分割運転方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6079861
(24)【登録日】2017年1月27日
(45)【発行日】2017年2月15日
(54)【発明の名称】共振負荷用電力変換装置および共振負荷用電力変換装置の時分割運転方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20170206BHJP
【FI】
   H02M7/48 A
【請求項の数】6
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2015-245400(P2015-245400)
(22)【出願日】2015年12月16日
【審査請求日】2016年11月25日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(72)【発明者】
【氏名】近藤 泰裕
【審査官】 小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭55−8278(JP,A)
【文献】 特開昭58−75481(JP,A)
【文献】 特開平05−83947(JP,A)
【文献】 特開平10−243660(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流入力側が直流電圧源に、出力側が共振負荷に各々接続され、共振周波数で矩形波電圧を出力する単相インバータを備えた共振負荷用電力変換装置であって、
前記単相インバータの一方の相の上、下アームおよび他方の相の上、下アームに各々接続され、M個(Mは2以上の整数)のスイッチング素子の直列体をN個(Nは2以上の整数)並列にそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成されたスイッチ群回路と、
前記単相インバータの前記スイッチ群回路の各スイッチング素子を1/(M×N)に時分割でスイッチング制御する制御部とを備え、
前記単相インバータの一方の相の上アームのスイッチ群回路は、U11およびU12の2個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体とU21およびU22の2個のスイッチング素子が直列接続された第2の直列体とU31およびU32の2個のスイッチング素子が直列接続された第3の直列体とを有し、前記第1の直列体から第3の直列体までの3個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記単相インバータの一方の相の下アームのスイッチ群回路は、X11およびX12の2個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体とX21およびX22の2個のスイッチング素子が直列接続された第2の直列体とX31およびX32の2個のスイッチング素子が直列接続された第3の直列体とを有し、前記第1の直列体から第3の直列体までの3個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記単相インバータの他方の相の上アームのスイッチ群回路は、V11およびV12の2個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体とV21およびV22の2個のスイッチング素子が直列接続された第2の直列体とV31およびV32の2個のスイッチング素子が直列接続された第3の直列体とを有し、前記第1の直列体から第3の直列体までの3個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記単相インバータの他方の相の下アームのスイッチ群回路は、Y11およびY12の2個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体とY21およびY22の2個のスイッチング素子が直列接続された第2の直列体とY31およびY32の2個のスイッチング素子が直列接続された第3の直列体とを有し、前記第1の直列体から第3の直列体までの3個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記制御部は、
前記単相インバータの出力電圧指令のON、OFFをトリガとするクロックと、
2×2(=直列数M)×3(=並列数N)クロックを1周期とし、2×3(=並列数N)×1(=直列数M−1)+1クロックの期間ON信号を出力し、{2×2(=直列数M)×3(=並列数N)}−{2×3(=並列数N)×1(=直列数M−1)+1}クロックの期間OFF信号を出力するスイッチング素子U11、Y11用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子U11、Y11用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X11、V11用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子X11、V11用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U21、Y21用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子U21、Y21用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X21、V21用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子X21、V21用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U31、Y31用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子U31、Y31用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X31、V31用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子X31、V31用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U12、Y12用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子U12、Y12用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X12、V12用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子X12、V12用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U22、Y22用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子U22、Y22用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X22、V22用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子X22、V22用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U32、Y32用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子U32、Y32用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X32、V32用ゲート指令信号と、
を作成するゲート指令作成部を備え、
前記作成された各ゲート指令信号によって前記各スイッチング素子をON、OFF制御する共振負荷用電力変換装置。
【請求項2】
直流入力側が直流電圧源に、出力側が共振負荷に各々接続され、共振周波数で矩形波電圧を出力する単相インバータを備えた共振負荷用電力変換装置であって、
前記単相インバータの一方の相の上、下アームおよび他方の相の上、下アームに各々接続され、M個(Mは2以上の整数)のスイッチング素子の直列体をN個(Nは2以上の整数)並列にそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成されたスイッチ群回路と、
前記単相インバータの前記スイッチ群回路の各スイッチング素子を1/(M×N)に時分割でスイッチング制御する制御部とを備え、
前記各スイッチ群回路のN個の直列体は各々モジュールで構成され、各直列体のM個のスイッチング素子同士はモジュール内部で接続されている共振負荷用電力変換装置。
【請求項3】
直流入力側が直流電圧源に、出力側が共振負荷に各々接続され、共振周波数で矩形波電圧を出力する単相インバータを備えた共振負荷用電力変換装置であって、
前記単相インバータの一方の相の上、下アームおよび他方の相の上、下アームに各々接続され、m個(mは2以上の整数)のスイッチング素子の直列体をn個(nは2以上の整数)並列にそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成されたスイッチ群回路と、
前記単相インバータの前記スイッチ群回路の各スイッチング素子を1/(m×n)に時分割でスイッチング制御する制御部とを備え、
前記単相インバータの一方の相の上アームのスイッチ群回路は、U11〜U1mのm個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体と、…Un1〜Unmのm個のスイッチング素子が直列接続された第nの直列体とを有し、前記第1の直列体から第nの直列体までのn個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記単相インバータの一方の相の下アームのスイッチ群回路は、X11〜X1mのm個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体と、…Xn1〜Xnmのm個のスイッチング素子が直列接続された第nの直列体とを有し、前記第1の直列体から第nの直列体までのn個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記単相インバータの他方の相の上アームのスイッチ群回路は、V11〜V1mのm個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体と、…Vn1〜Vnmのm個のスイッチング素子が直列接続された第nの直列体とを有し、前記第1の直列体から第nの直列体までのn個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記単相インバータの他方の相の下アームのスイッチ群回路は、Y11〜Y1mのm個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体と、…Yn1〜Ynmのm個のスイッチング素子が直列接続された第nの直列体とを有し、前記第1の直列体から第nの直列体までのn個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記制御部は、
前記単相インバータの出力電圧指令のON、OFFをトリガとするクロックと、
2×直列数M×並列数Nクロック(M、Nは2以上の整数)を1周期とし、2×並列数N×(直列数M−1)+1クロックの期間ON信号を出力し、{2×直列数M×並列数N}−{2×並列数N×(直列数M−1)+1}クロックの期間OFF信号を出力するスイッチング素子U11、Y11用ゲート指令信号U11_gate/Y11_gateと、
前記ゲート指令信号U11_gate/Y11_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X11,V11用ゲート指令信号X11_gate/V11_gateと、
前記ゲート指令信号X11_gate/V11_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U21,Y21用ゲート指令信号U21_gate/Y21_gateと、
前記ゲート指令信号U21_gate/Y21_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X21,V21用ゲート指令信号X21_gate/V21_gateと、



ゲート指令信号X(n−1)1_gate/V(n−1)1_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Un1,Yn1用ゲート指令信号Un1_gate/Yn1_gateと、
前記ゲート指令信号Un1_gate/Yn1_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Xn1,Vn1用ゲート指令信号Xn1_gate/Vn1_gateと、
前記ゲート指令信号Xn1_gate/Vn1_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U12,Y12用ゲート指令信号U12_gate/Y12_gateと、
前記ゲート指令信号U12_gate/Y12_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X12,V12用ゲート指令信号X12_gate/V12_gateと、
前記ゲート指令信号X12_gate/V12_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U22,Y22用ゲート指令信号U22_gate/Y22_gateと、
前記ゲート指令信号U22_gate/Y22_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X22,V22用ゲート指令信号X22_gate/V22_gateと、



ゲート指令信号X(n−1)2_gate/V(n−1)2_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Un2,Yn2用ゲート指令信号Un2_gate/Yn2_gateと、
前記ゲート指令信号Un2_gate/Yn2_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Xn2,Vn2用ゲート指令信号Xn2_gate/Vn2_gateと、



ゲート指令信号X(n−1)m_gate/V(n−1)m_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Unm,Ynm用ゲート指令信号Unm_gate/Ynm_gateと、
前記ゲート指令信号Unm_gate/Ynm_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Xnm,Vnm用ゲート指令信号Xnm_gate/Vnm_gateと、
を作成するゲート指令作成部を備え、
前記作成された各ゲート指令信号によって前記各スイッチング素子をON、OFF制御する共振負荷用電力変換装置。
【請求項4】
直流入力側が直流電圧源に、出力側が共振負荷に各々接続され、共振周波数で矩形波電圧を出力する単相インバータを備えた共振負荷用電力変換装置の時分割運転方法であって、
前記単相インバータの一方の相の上、下アームおよび他方の相の上、下アームに各々接続され、M個(Mは2以上の整数)のスイッチング素子の直列体をN個(Nは2以上の整数)並列にそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成されたスイッチ群回路と、
前記単相インバータの前記スイッチ群回路の各スイッチング素子を1/(M×N)に時分割でスイッチング制御する制御部とを備え、
前記単相インバータの一方の相の上アームのスイッチ群回路は、U11およびU12の2個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体とU21およびU22の2個のスイッチング素子が直列接続された第2の直列体とU31およびU32の2個のスイッチング素子が直列接続された第3の直列体とを有し、前記第1の直列体から第3の直列体までの3個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記単相インバータの一方の相の下アームのスイッチ群回路は、X11およびX12の2個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体とX21およびX22の2個のスイッチング素子が直列接続された第2の直列体とX31およびX32の2個のスイッチング素子が直列接続された第3の直列体とを有し、前記第1の直列体から第3の直列体までの3個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記単相インバータの他方の相の上アームのスイッチ群回路は、V11およびV12の2個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体とV21およびV22の2個のスイッチング素子が直列接続された第2の直列体とV31およびV32の2個のスイッチング素子が直列接続された第3の直列体とを有し、前記第1の直列体から第3の直列体までの3個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記単相インバータの他方の相の下アームのスイッチ群回路は、Y11およびY12の2個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体とY21およびY22の2個のスイッチング素子が直列接続された第2の直列体とY31およびY32の2個のスイッチング素子が直列接続された第3の直列体とを有し、前記第1の直列体から第3の直列体までの3個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成されており、
前記制御部が、
前記単相インバータの出力電圧指令のON、OFFをトリガとするクロックと、
2×2(=直列数M)×3(=並列数N)クロックを1周期とし、2×3(=並列数N)×1(=直列数M−1)+1クロックの期間ON信号を出力し、{2×2(=直列数M)×3(=並列数N)}−{2×3(=並列数N)×1(=直列数M−1)+1}クロックの期間OFF信号を出力するスイッチング素子U11、Y11用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子U11、Y11用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X11、V11用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子X11、V11用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U21、Y21用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子U21、Y21用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X21、V21用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子X21、V21用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U31、Y31用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子U31、Y31用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X31、V31用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子X31、V31用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U12、Y12用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子U12、Y12用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X12、V12用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子X12、V12用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U22、Y22用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子U22、Y22用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X22、V22用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子X22、V22用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U32、Y32用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子U32、Y32用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X32、V32用ゲート指令信号と、
を作成するゲート指令作成ステップを備え、
前記作成された各ゲート指令信号によって前記各スイッチング素子をON、OFF制御する共振負荷用電力変換装置の時分割運転方法。
【請求項5】
直流入力側が直流電圧源に、出力側が共振負荷に各々接続され、共振周波数で矩形波電圧を出力する単相インバータを備え、前記単相インバータの一方の相の上、下アームおよび他方の相の上、下アームに各々接続され、M個(Mは2以上の整数)のスイッチング素子の直列体をN個(Nは2以上の整数)並列にそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成されたスイッチ群回路を備えた共振負荷用電力変換装置の時分割運転方法であって、
前記各スイッチ群回路のN個の直列体は各々モジュールで構成され、各直列体のM個のスイッチング素子同士はモジュール内部で接続されており、
制御部が、前記単相インバータの前記スイッチ群回路の各スイッチング素子を1/(M×N)に時分割でスイッチング制御する制御ステップを備えた共振負荷用電力変換装置の時分割運転方法。
【請求項6】
直流入力側が直流電圧源に、出力側が共振負荷に各々接続され、共振周波数で矩形波電圧を出力する単相インバータを備え、前記単相インバータの一方の相の上、下アームおよび他方の相の上、下アームに各々接続され、m個(mは2以上の整数)のスイッチング素子の直列体をn個(nは2以上の整数)並列にそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成されたスイッチ群回路を備えた共振負荷用電力変換装置の時分割運転方法であって、
制御部が、前記単相インバータの前記スイッチ群回路の各スイッチング素子を1/(m×n)に時分割でスイッチング制御する制御ステップを備え
前記単相インバータの一方の相の上アームのスイッチ群回路は、U11〜U1mのm個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体と、…Un1〜Unmのm個のスイッチング素子が直列接続された第nの直列体とを有し、前記第1の直列体から第nの直列体までのn個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記単相インバータの一方の相の下アームのスイッチ群回路は、X11〜X1mのm個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体と、…Xn1〜Xnmのm個のスイッチング素子が直列接続された第nの直列体とを有し、前記第1の直列体から第nの直列体までのn個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記単相インバータの他方の相の上アームのスイッチ群回路は、V11〜V1mのm個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体と、…Vn1〜Vnmのm個のスイッチング素子が直列接続された第nの直列体とを有し、前記第1の直列体から第nの直列体までのn個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記単相インバータの他方の相の下アームのスイッチ群回路は、Y11〜Y1mのm個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体と、…Yn1〜Ynmのm個のスイッチング素子が直列接続された第nの直列体とを有し、前記第1の直列体から第nの直列体までのn個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記制御ステップは、
ゲート指令作成部が、前記単相インバータの出力電圧指令のON、OFFをトリガとするクロックと、
2×直列数M×並列数Nクロック(M、Nは2以上の整数)を1周期とし、2×並列数N×(直列数M−1)+1クロックの期間ON信号を出力し、{2×直列数M×並列数N}−{2×並列数N×(直列数M−1)+1}クロックの期間OFF信号を出力するスイッチング素子U11、Y11用ゲート指令信号U11_gate/Y11_gateと、
前記ゲート指令信号U11_gate/Y11_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X11,V11用ゲート指令信号X11_gate/V11_gateと、
前記ゲート指令信号X11_gate/V11_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U21,Y21用ゲート指令信号U21_gate/Y21_gateと、
前記ゲート指令信号U21_gate/Y21_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X21,V21用ゲート指令信号X21_gate/V21_gateと、



ゲート指令信号X(n−1)1_gate/V(n−1)1_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Un1,Yn1用ゲート指令信号Un1_gate/Yn1_gateと、
前記ゲート指令信号Un1_gate/Yn1_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Xn1,Vn1用ゲート指令信号Xn1_gate/Vn1_gateと、
前記ゲート指令信号Xn1_gate/Vn1_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U12,Y12用ゲート指令信号U12_gate/Y12_gateと、
前記ゲート指令信号U12_gate/Y12_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X12,V12用ゲート指令信号X12_gate/V12_gateと、
前記ゲート指令信号X12_gate/V12_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U22,Y22用ゲート指令信号U22_gate/Y22_gateと、
前記ゲート指令信号U22_gate/Y22_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X22,V22用ゲート指令信号X22_gate/V22_gateと、



ゲート指令信号X(n−1)2_gate/V(n−1)2_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Un2,Yn2用ゲート指令信号Un2_gate/Yn2_gateと、
前記ゲート指令信号Un2_gate/Yn2_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Xn2,Vn2用ゲート指令信号Xn2_gate/Vn2_gateと、



ゲート指令信号X(n−1)m_gate/V(n−1)m_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Unm,Ynm用ゲート指令信号Unm_gate/Ynm_gateと、
前記ゲート指令信号Unm_gate/Ynm_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Xnm,Vnm用ゲート指令信号Xnm_gate/Vnm_gateと、
を作成するゲート指令作成ステップを備え、
前記作成された各ゲート指令信号によって前記各スイッチング素子をON、OFF制御する共振負荷用電力変換装置の時分割運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば誘導加熱回路などの共振負荷に矩形波電圧を供給する負荷共振電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図7は、共振負荷に接続された負荷共振電力変換装置(交直変換装置)の回路構成を示している。図7において、交直変換装置10は、入力側が直流電圧源11に接続され、出力側が誘導加熱回路などの共振負荷12に接続された単相インバータを備えている。この単相インバータの各スイッチング素子をON,OFF制御することにより、共振周波数で矩形波電圧を共振負荷12に出力する。
【0003】
この交直変換装置10は、共振負荷12が誘導加熱回路である場合は、誘導加熱用負荷共振交直変換装置(誘導加熱用共振型インバータ)として構成される。
【0004】
この誘導加熱用負荷共振交直変換装置は、単相インバータの各スイッチング素子をON、OFF制御して生成した交流を、コイルとキャパシタによるLC共振回路に流し、それによって生成される交番磁界を被加熱体(電気伝導体)に与えて渦電流を流し、これによって発生するジュール熱によって内部から加熱させる方式となっている。
【0005】
負荷共振電力変換装置(例えば図7の交直変換装置10)の出力側に接続される共振負荷としての誘導加熱回路は、周波数が高いほど、電流浸透深さが減少する性質が従来から知られている。
【0006】
電縫管接合(継目を電気抵抗溶接で接合し、管を形成する)においては、表面焼き入れによって行われるため、誘導加熱に用いる負荷共振交直変換装置には、周波数が高い電圧を出力できることが要求される。
【0007】
一方で、誘導加熱に用いる負荷共振交直変換装置のスイッチング素子には、駆動周波数に上限があるため、スイッチング素子の駆動周波数よりも高い電圧周波数に対応ができないことが問題となる。
【0008】
この問題を解決する先行技術としては、例えば特許文献1に記載の共振負荷インバータシステムが提案されている。この特許文献1の図3および明細書の段落番号「0007」〜「0009」に記載のとおり、単相インバータをnセクションに分割(単相インバータをN並列接続)することで、スイッチング素子は1/Nの周期で駆動できるようになる。したがって、所望する共振周波数に対して、スイッチング素子の駆動周波数を並列数に反比例した周波数まで下げることができる。
【0009】
また、特許文献1の共振負荷インバータシステムの変形例として、例えば図8に示すように単相インバータの1アームあたりのスイッチング素子(例えばIGBT)をN並列に構成することが考えられる。
【0010】
図8は、負荷共振交直変換装置、例えば図7の交直変換装置10に用いられる装置を表し、直流リンク電圧入力部Vdcと、矩形波電圧出力部Voutと、1アームあたりN並列(ここでは3並列)のスイッチング素子(U11,U21,U31とV11,V21,V31とX11,X21,X31とY11,Y21,Y31)を接続した単相インバータとを備えている。
【0011】
図8のように、1アームあたりのスイッチング素子の並列数Nを増やすことにより、特許文献1の共振負荷インバータシステムと同様に1スイッチング素子あたりのスイッチング周波数を減らすことができる。
【0012】
図8の各スイッチング素子は、図9のゲート指令信号生成パターンに沿ってON,OFF制御される。
【0013】
図9のゲート指令信号生成パターンは、
単相インバータの出力電圧指令(Vout_ref)のON,OFFをトリガとするクロックと、
6クロックを1周期とし、1クロックはON信号を出力し、5クロックはOFF信号を出力するスイッチング素子U11,Y11用ゲート指令信号U11_gate/Y11_gateと、前記ゲート指令信号U11_gate/Y11_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X11,V11用ゲート指令信号X11_gate/V11_gateと、前記ゲート指令信号X11_gate/V11_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U21,Y21用ゲート指令信号U21_gate/Y21_gateと、前記ゲート指令信号U21_gate/Y21_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X21,V21用ゲート指令信号X21_gate/V21_gateと、前記ゲート指令信号X21_gate/V21_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U31,Y31用ゲート指令信号U31_gate/Y31_gateと、前記ゲート指令信号U31_gate/Y31_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X31,V31用ゲート指令信号X31_gate/V31_gateとから構成される。
【0014】
図8の各スイッチング素子は、前記作成された各ゲート指令信号U11_gate/Y11_gate…X31_gate/V31_gateによって図10(a)から(f)に示されるパターン(1)〜(6)の繰り返しによりON,OFF制御される。
【0015】
図9のゲート指令信号生成パターンで図8の各スイッチング素子を駆動したときの出力電流の関係を図10に示す。
【0016】
図10(a)〜(f)は図9のパターン(1)〜(6)に各々対応しており、ゲート指令のON信号によってON制御されたスイッチング素子には「ON」を図示し、当該ON制御されたスイッチング素子および負荷を介して流れる出力電流Ioutの経路を矢印で示している。
【0017】
図9図10によれば、(1)〜(6)のパターンで順次スイッチングすることで、1素子あたりのスイッチング周波数(駆動周波数)の周波数指令が1/3(1/N)となることがわかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特表2004−510400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
上記のように、特許文献1のシステムおよび図10に示す回路構成では、スイッチング周期を1/Nとすることができる。しかし、図9のゲート指令信号生成パターンに示すように各ゲート指令信号U11_gate/Y11_gate…X31_gate/V31_gateのパルス幅は1クロック分のため、スイッチング素子のターンオン上昇時間やターンオフ下降時間による素子特性に基づく最小のパルス幅によって、出力周波数の上限が決まってしまう。
【0020】
また、特許文献1のシステムに示す回路構成では単相インバータ間のスイッチング素子を接続する主回路導体が、この他に図10に示す回路構成では単相インバータ内のスイッチング素子間を接続する主回路導体が、それぞれ並列数Nに比例して必要となる。さらに、特許文献1および図10に示す回路構成では、スイッチング素子数と同数の主回路導体が直流リンク電圧入力部Vdcと上、下アームそれぞれのスイッチング素子の直流入力側端子との間、および矩形波電圧出力部Voutと上、下アームそれぞれのスイッチング素子の出力側端子との間に各々必要(並列数N×4アーム分=4N個の主回路導体が必要)となり、並列数Nに比例した主回路導体の費用が掛かることや主回路導体の設置スペースが大きくなってしまうという課題を有する。
【0021】
また、スイッチング素子数に比例してスイッチング素子の配置が拡大し、主回路導体の経路長の差が大きくなることで主回路導体の経路長によるインピーダンスのばらつきも大きくなる。その結果、主回路導体を流れる電流のゼロクロス点の位置ずれが生じて、各スイッチング素子に接続される図示省略のスナバ回路に流れる電流が増えて損失が増大することや、スナバ電流の増大でスイッチング素子の破壊が起こるという課題があった。
【0022】
また、1つのスイッチング素子あたりのスイッチング周波数の更なる低減が望まれている。
【0023】
本発明は上記課題を解決するものであり、その目的は、各スイッチング素子のスイッチング周波数を下げ、直流リンク電圧入力部Vdcと上、下アームそれぞれのスイッチング素子の直流入力側端子との間、および矩形波電圧出力部Voutと上、下アームそれぞれのスイッチング素子の出力側端子との間の主回路導体の数を低減することができる共振負荷用電力変換装置およびその時分割運転方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記課題を解決するための請求項1に記載の共振負荷用電力変換装置は、直流入力側が直流電圧源に、出力側が共振負荷に各々接続され、共振周波数で矩形波電圧を出力する単相インバータを備えた共振負荷用電力変換装置であって、
前記単相インバータの一方の相の上、下アームおよび他方の相の上、下アームに各々接続され、M個(Mは2以上の整数)のスイッチング素子の直列体をN個(Nは2以上の整数)並列にそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成されたスイッチ群回路と、
前記単相インバータの前記スイッチ群回路の各スイッチング素子を1/(M×N)に時分割でスイッチング制御する制御部とを備え、
前記単相インバータの一方の相の上アームのスイッチ群回路は、U11およびU12の2個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体とU21およびU22の2個のスイッチング素子が直列接続された第2の直列体とU31およびU32の2個のスイッチング素子が直列接続された第3の直列体とを有し、前記第1の直列体から第3の直列体までの3個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記単相インバータの一方の相の下アームのスイッチ群回路は、X11およびX12の2個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体とX21およびX22の2個のスイッチング素子が直列接続された第2の直列体とX31およびX32の2個のスイッチング素子が直列接続された第3の直列体とを有し、前記第1の直列体から第3の直列体までの3個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記単相インバータの他方の相の上アームのスイッチ群回路は、V11およびV12の2個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体とV21およびV22の2個のスイッチング素子が直列接続された第2の直列体とV31およびV32の2個のスイッチング素子が直列接続された第3の直列体とを有し、前記第1の直列体から第3の直列体までの3個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記単相インバータの他方の相の下アームのスイッチ群回路は、Y11およびY12の2個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体とY21およびY22の2個のスイッチング素子が直列接続された第2の直列体とY31およびY32の2個のスイッチング素子が直列接続された第3の直列体とを有し、前記第1の直列体から第3の直列体までの3個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記制御部は、
前記単相インバータの出力電圧指令のON、OFFをトリガとするクロックと、
2×2(=直列数M)×3(=並列数N)クロックを1周期とし、2×3(=並列数N)×1(=直列数M−1)+1クロックの期間ON信号を出力し、{2×2(=直列数M)×3(=並列数N)}−{2×3(=並列数N)×1(=直列数M−1)+1}クロックの期間OFF信号を出力するスイッチング素子U11、Y11用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子U11、Y11用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X11、V11用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子X11、V11用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U21、Y21用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子U21、Y21用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X21、V21用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子X21、V21用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U31、Y31用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子U31、Y31用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X31、V31用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子X31、V31用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U12、Y12用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子U12、Y12用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X12、V12用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子X12、V12用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U22、Y22用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子U22、Y22用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X22、V22用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子X22、V22用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U32、Y32用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子U32、Y32用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X32、V32用ゲート指令信号と、
を作成するゲート指令作成部を備え、
前記作成された各ゲート指令信号によって前記各スイッチング素子をON、OFF制御することを特徴としている。
【0025】
また、請求項4に記載の共振負荷用電力変換装置の時分割運転方法は、直流入力側が直流電圧源に、出力側が共振負荷に各々接続され、共振周波数で矩形波電圧を出力する単相インバータを備えた共振負荷用電力変換装置の時分割運転方法であって、
前記単相インバータの一方の相の上、下アームおよび他方の相の上、下アームに各々接続され、M個(Mは2以上の整数)のスイッチング素子の直列体をN個(Nは2以上の整数)並列にそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成されたスイッチ群回路と、
前記単相インバータの前記スイッチ群回路の各スイッチング素子を1/(M×N)に時分割でスイッチング制御する制御部とを備え、
前記単相インバータの一方の相の上アームのスイッチ群回路は、U11およびU12の2個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体とU21およびU22の2個のスイッチング素子が直列接続された第2の直列体とU31およびU32の2個のスイッチング素子が直列接続された第3の直列体とを有し、前記第1の直列体から第3の直列体までの3個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記単相インバータの一方の相の下アームのスイッチ群回路は、X11およびX12の2個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体とX21およびX22の2個のスイッチング素子が直列接続された第2の直列体とX31およびX32の2個のスイッチング素子が直列接続された第3の直列体とを有し、前記第1の直列体から第3の直列体までの3個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記単相インバータの他方の相の上アームのスイッチ群回路は、V11およびV12の2個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体とV21およびV22の2個のスイッチング素子が直列接続された第2の直列体とV31およびV32の2個のスイッチング素子が直列接続された第3の直列体とを有し、前記第1の直列体から第3の直列体までの3個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記単相インバータの他方の相の下アームのスイッチ群回路は、Y11およびY12の2個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体とY21およびY22の2個のスイッチング素子が直列接続された第2の直列体とY31およびY32の2個のスイッチング素子が直列接続された第3の直列体とを有し、前記第1の直列体から第3の直列体までの3個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成されており、
前記制御部が、
前記単相インバータの出力電圧指令のON、OFFをトリガとするクロックと、
2×2(=直列数M)×3(=並列数N)クロックを1周期とし、2×3(=並列数N)×1(=直列数M−1)+1クロックの期間ON信号を出力し、{2×2(=直列数M)×3(=並列数N)}−{2×3(=並列数N)×1(=直列数M−1)+1}クロックの期間OFF信号を出力するスイッチング素子U11、Y11用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子U11、Y11用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X11、V11用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子X11、V11用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U21、Y21用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子U21、Y21用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X21、V21用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子X21、V21用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U31、Y31用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子U31、Y31用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X31、V31用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子X31、V31用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U12、Y12用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子U12、Y12用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X12、V12用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子X12、V12用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U22、Y22用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子U22、Y22用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X22、V22用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子X22、V22用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U32、Y32用ゲート指令信号と、
前記スイッチング素子U32、Y32用ゲート指令信号に対して1クロック遅延し、当該ゲート指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X32、V32用ゲート指令信号と、
を作成するゲート指令作成ステップを備え、
前記作成された各ゲート指令信号によって前記各スイッチング素子をON、OFF制御することを特徴としている。
【0026】
また、請求項2に記載の共振負荷用電力変換装置は、直流入力側が直流電圧源に、出力側が共振負荷に各々接続され、共振周波数で矩形波電圧を出力する単相インバータを備えた共振負荷用電力変換装置であって、
前記単相インバータの一方の相の上、下アームおよび他方の相の上、下アームに各々接続され、M個(Mは2以上の整数)のスイッチング素子の直列体をN個(Nは2以上の整数)並列にそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成されたスイッチ群回路と、
前記単相インバータの前記スイッチ群回路の各スイッチング素子を1/(M×N)に時分割でスイッチング制御する制御部とを備え、
前記各スイッチ群回路のN個の直列体は各々モジュールで構成され、各直列体のM個のスイッチング素子同士はモジュール内部で接続されていることを特徴としている。
【0027】
また、請求項5に記載の共振負荷用電力変換装置の時分割運転方法は、直流入力側が直流電圧源に、出力側が共振負荷に各々接続され、共振周波数で矩形波電圧を出力する単相インバータを備え、前記単相インバータの一方の相の上、下アームおよび他方の相の上、下アームに各々接続され、M個(Mは2以上の整数)のスイッチング素子の直列体をN個(Nは2以上の整数)並列にそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成されたスイッチ群回路を備えた共振負荷用電力変換装置の時分割運転方法であって、
前記各スイッチ群回路のN個の直列体は各々モジュールで構成され、各直列体のM個のスイッチング素子同士はモジュール内部で接続されており、
制御部が、前記単相インバータの前記スイッチ群回路の各スイッチング素子を1/(M×N)に時分割でスイッチング制御する制御ステップを備えたことを特徴としている。
【0028】
また、請求項3に記載の共振負荷用電力変換装置は、直流入力側が直流電圧源に、出力側が共振負荷に各々接続され、共振周波数で矩形波電圧を出力する単相インバータを備えた共振負荷用電力変換装置であって、
前記単相インバータの一方の相の上、下アームおよび他方の相の上、下アームに各々接続され、m個(mは2以上の整数)のスイッチング素子の直列体をn個(nは2以上の整数)並列にそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成されたスイッチ群回路と、
前記単相インバータの前記スイッチ群回路の各スイッチング素子を1/(m×n)に時分割でスイッチング制御する制御部とを備え、
前記単相インバータの一方の相の上アームのスイッチ群回路は、U11〜U1mのm個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体と、…Un1〜Unmのm個のスイッチング素子が直列接続された第nの直列体とを有し、前記第1の直列体から第nの直列体までのn個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記単相インバータの一方の相の下アームのスイッチ群回路は、X11〜X1mのm個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体と、…Xn1〜Xnmのm個のスイッチング素子が直列接続された第nの直列体とを有し、前記第1の直列体から第nの直列体までのn個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記単相インバータの他方の相の上アームのスイッチ群回路は、V11〜V1mのm個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体と、…Vn1〜Vnmのm個のスイッチング素子が直列接続された第nの直列体とを有し、前記第1の直列体から第nの直列体までのn個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記単相インバータの他方の相の下アームのスイッチ群回路は、Y11〜Y1mのm個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体と、…Yn1〜Ynmのm個のスイッチング素子が直列接続された第nの直列体とを有し、前記第1の直列体から第nの直列体までのn個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記制御部は、
前記単相インバータの出力電圧指令のON、OFFをトリガとするクロックと、
2×直列数M×並列数Nクロック(M、Nは2以上の整数)を1周期とし、2×並列数N×(直列数M−1)+1クロックの期間ON信号を出力し、{2×直列数M×並列数N}−{2×並列数N×(直列数M−1)+1}クロックの期間OFF信号を出力するスイッチング素子U11、Y11用ゲート指令信号U11_gate/Y11_gateと、
前記ゲート指令信号U11_gate/Y11_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X11,V11用ゲート指令信号X11_gate/V11_gateと、
前記ゲート指令信号X11_gate/V11_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U21,Y21用ゲート指令信号U21_gate/Y21_gateと、
前記ゲート指令信号U21_gate/Y21_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X21,V21用ゲート指令信号X21_gate/V21_gateと、



ゲート指令信号X(n−1)1_gate/V(n−1)1_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Un1,Yn1用ゲート指令信号Un1_gate/Yn1_gateと、
前記ゲート指令信号Un1_gate/Yn1_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Xn1,Vn1用ゲート指令信号Xn1_gate/Vn1_gateと、
前記ゲート指令信号Xn1_gate/Vn1_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U12,Y12用ゲート指令信号U12_gate/Y12_gateと、
前記ゲート指令信号U12_gate/Y12_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X12,V12用ゲート指令信号X12_gate/V12_gateと、
前記ゲート指令信号X12_gate/V12_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U22,Y22用ゲート指令信号U22_gate/Y22_gateと、
前記ゲート指令信号U22_gate/Y22_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X22,V22用ゲート指令信号X22_gate/V22_gateと、



ゲート指令信号X(n−1)2_gate/V(n−1)2_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Un2,Yn2用ゲート指令信号Un2_gate/Yn2_gateと、
前記ゲート指令信号Un2_gate/Yn2_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Xn2,Vn2用ゲート指令信号Xn2_gate/Vn2_gateと、



ゲート指令信号X(n−1)m_gate/V(n−1)m_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Unm,Ynm用ゲート指令信号Unm_gate/Ynm_gateと、
前記ゲート指令信号Unm_gate/Ynm_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Xnm,Vnm用ゲート指令信号Xnm_gate/Vnm_gateと、
を作成するゲート指令作成部を備え、
前記作成された各ゲート指令信号によって前記各スイッチング素子をON、OFF制御することを特徴としている。
【0029】
また、請求項6に記載の共振負荷用電力変換装置の時分割運転方法は、直流入力側が直流電圧源に、出力側が共振負荷に各々接続され、共振周波数で矩形波電圧を出力する単相インバータを備え、前記単相インバータの一方の相の上、下アームおよび他方の相の上、下アームに各々接続され、m個(mは2以上の整数)のスイッチング素子の直列体をn個(nは2以上の整数)並列にそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成されたスイッチ群回路を備えた共振負荷用電力変換装置の時分割運転方法であって、
制御部が、前記単相インバータの前記スイッチ群回路の各スイッチング素子を1/(m×n)に時分割でスイッチング制御する制御ステップを備え
前記単相インバータの一方の相の上アームのスイッチ群回路は、U11〜U1mのm個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体と、…Un1〜Unmのm個のスイッチング素子が直列接続された第nの直列体とを有し、前記第1の直列体から第nの直列体までのn個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記単相インバータの一方の相の下アームのスイッチ群回路は、X11〜X1mのm個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体と、…Xn1〜Xnmのm個のスイッチング素子が直列接続された第nの直列体とを有し、前記第1の直列体から第nの直列体までのn個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記単相インバータの他方の相の上アームのスイッチ群回路は、V11〜V1mのm個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体と、…Vn1〜Vnmのm個のスイッチング素子が直列接続された第nの直列体とを有し、前記第1の直列体から第nの直列体までのn個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記単相インバータの他方の相の下アームのスイッチ群回路は、Y11〜Y1mのm個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体と、…Yn1〜Ynmのm個のスイッチング素子が直列接続された第nの直列体とを有し、前記第1の直列体から第nの直列体までのn個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成され、
前記制御ステップは、
ゲート指令作成部が、前記単相インバータの出力電圧指令のON、OFFをトリガとするクロックと、
2×直列数M×並列数Nクロック(M、Nは2以上の整数)を1周期とし、2×並列数N×(直列数M−1)+1クロックの期間ON信号を出力し、{2×直列数M×並列数N}−{2×並列数N×(直列数M−1)+1}クロックの期間OFF信号を出力するスイッチング素子U11、Y11用ゲート指令信号U11_gate/Y11_gateと、
前記ゲート指令信号U11_gate/Y11_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X11,V11用ゲート指令信号X11_gate/V11_gateと、
前記ゲート指令信号X11_gate/V11_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U21,Y21用ゲート指令信号U21_gate/Y21_gateと、
前記ゲート指令信号U21_gate/Y21_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X21,V21用ゲート指令信号X21_gate/V21_gateと、



ゲート指令信号X(n−1)1_gate/V(n−1)1_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Un1,Yn1用ゲート指令信号Un1_gate/Yn1_gateと、
前記ゲート指令信号Un1_gate/Yn1_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Xn1,Vn1用ゲート指令信号Xn1_gate/Vn1_gateと、
前記ゲート指令信号Xn1_gate/Vn1_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U12,Y12用ゲート指令信号U12_gate/Y12_gateと、
前記ゲート指令信号U12_gate/Y12_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X12,V12用ゲート指令信号X12_gate/V12_gateと、
前記ゲート指令信号X12_gate/V12_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U22,Y22用ゲート指令信号U22_gate/Y22_gateと、
前記ゲート指令信号U22_gate/Y22_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X22,V22用ゲート指令信号X22_gate/V22_gateと、



ゲート指令信号X(n−1)2_gate/V(n−1)2_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Un2,Yn2用ゲート指令信号Un2_gate/Yn2_gateと、
前記ゲート指令信号Un2_gate/Yn2_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Xn2,Vn2用ゲート指令信号Xn2_gate/Vn2_gateと、



ゲート指令信号X(n−1)m_gate/V(n−1)m_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Unm,Ynm用ゲート指令信号Unm_gate/Ynm_gateと、
前記ゲート指令信号Unm_gate/Ynm_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Xnm,Vnm用ゲート指令信号Xnm_gate/Vnm_gateと、
を作成するゲート指令作成ステップを備え、
前記作成された各ゲート指令信号によって前記各スイッチング素子をON、OFF制御することを特徴としている。
【発明の効果】
【0030】
(1)請求項1〜6に記載の発明によれば、各スイッチング素子のスイッチング周波数をM直列×N並列の数に反比例した周波数まで下げることができる。
【0031】
また、単相インバータの直流リンク電圧入力部Vdcと上、下アームそれぞれのスイッチング素子の直流入力側端子との間、および矩形波電圧出力部Voutと上、下アームそれぞれのスイッチング素子の出力側端子との間に接続されている主回路導体の数はM×Nよりも少なくすることができる。これによって、装置の低廉化を図ることができ、また、主回路導体の設置スペースを小さくすることができる。
【0032】
スイッチ群回路は、スイッチング素子をM直列N並列接続した構成となっているため、スイッチング素子の配置は従来に比べて拡大せず、主回路導体の経路長のばらつきに基づくインピーダンスのばらつきを低減することができる。
(2)請求項1、3、4、6に記載の発明によれば、ゲート指令作成部によって作成されたゲート指令信号によって、各スイッチング素子がON又はOFFに制御される期間が複数のクロックによって連続しているため、素子特性で決まる最小のパルス幅の制限による出力周波数の制限を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の実施例1による単相インバータの構成図。
図2】本発明の実施例1によるゲート指令信号生成パターンの一例を示す信号波形図。
図3図2のゲート指令信号生成パターン(1)〜(6)における、ON制御されるスイッチング素子の様子および出力電流経路を示す説明図。
図4図2のゲート指令信号生成パターン(7)〜(12)における、ON制御されるスイッチング素子の様子および出力電流経路を示す説明図。
図5】本発明の実施例2による単相インバータの構成図。
図6】本発明の実施例2によるゲート指令信号生成パターンの一例を示す信号波形図。
図7】本発明が適用される共振負荷用電力変換装置の構成図。
図8】特許文献1の共振負荷インバータシステムの変形例となるインバータ部の回路構成図。
図9図8のインバータ部の各スイッチング素子を制御するためのゲート指令信号生成パターンの一例を示す信号波形図。
図10図9のゲート指令信号生成パターン(1)〜(6)における、ON制御されるスイッチング素子の様子および出力電流経路を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0035】
図1は本実施例1による単相インバータ部の構成を表し、例えば図7の交直変換装置10(共振負荷用電力変換装置)に適用される単相インバータを示している。
【0036】
図1の単相インバータの直流入力部は直流リンク電圧入力部Vdcに接続され、各アームはM直列N並列(M=2以上の整数、N=2以上の整数;図1の例では2直列3並列)のスイッチング素子(例えばIGBT)を備えたスイッチ群回路100U,100V,100X,100Yが各々接続され、スイッチ群回路100Uおよび100Xの共通接続点とスイッチ群回路100Vおよび100Yの共通接続点の間には、矩形波の出力電圧Voutが出力されるように構成されている。
【0037】
単相インバータの一方の相の上アームのスイッチ群回路100Uは、U11およびU12の2個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体とU21およびU22の2個のスイッチング素子が直列接続された第2の直列体とU31およびU32の2個のスイッチング素子が直列接続された第3の直列体とを有し、前記第1の直列体から第3の直列体までの3個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成されている。
【0038】
前記単相インバータの一方の相の下アームのスイッチ群回路100Xは、X11およびX12の2個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体とX21およびX22の2個のスイッチング素子が直列接続された第2の直列体とX31およびX32の2個のスイッチング素子が直列接続された第3の直列体とを有し、前記第1の直列体から第3の直列体までの3個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成されている。
【0039】
前記単相インバータの他方の相の上アームのスイッチ群回路100Vは、V11およびV12の2個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体とV21およびV22の2個のスイッチング素子が直列接続された第2の直列体とV31およびV32の2個のスイッチング素子が直列接続された第3の直列体とを有し、前記第1の直列体から第3の直列体までの3個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成されている。
【0040】
前記単相インバータの他方の相の下アームのスイッチ群回路100Yは、Y11およびY12の2個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体とY21およびY22の2個のスイッチング素子が直列接続された第2の直列体とY31およびY32の2個のスイッチング素子が直列接続された第3の直列体とを有し、前記第1の直列体から第3の直列体までの3個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成されている。
【0041】
前記の各直列体は2in1構造のモジュールで構成され、各直列体の2つのスイッチング素子同士はモジュール内部で接続されている。
【0042】
上記のように図1の単相インバータによれば、スイッチ群回路のスイッチング素子が直並列接続であるため、直流リンク電圧入力部Vdcと上、下アームそれぞれのスイッチング素子の直流入力側端子との間、および矩形波電圧出力部Voutと上、下アームそれぞれのスイッチング素子の出力側端子との間に接続される主回路導体数をスイッチング素子数(M×N)よりも少なくすることができる。そして、スイッチング素子が直並列接続であるため、スイッチング素子数(M×N)に比例して主回路導体の配設スペースが拡大されることはなく、主回路導体の経路長のばらつきに基づくインピーダンスのばらつきを低減できる。
【0043】
図1の単相インバータを制御する制御部は、図2のゲート指令信号生成パターンに示すクロックおよびゲート指令信号を作成するゲート指令作成部を備えており、該作成されたゲート指令信号によって各スイッチング素子がON,OFF制御される。
【0044】
図2のゲート指令信号生成パターンは、図1に示す直列数M=2、並列数N=3の場合に、単相インバータの出力電圧指令(Vout_ref)のON,OFFをトリガとするクロックを用い、2*M*N=12クロックで1周期とし、ON信号を2*N*(M−1)+1=7クロック、OFF信号を(2*M*N)−{2*N*(M−1)+1}=5クロックとした信号生成パターンを示している。
【0045】
したがって、図2のゲート指令信号生成パターンは、
単相インバータの出力電圧指令(Vout_ref)のON,OFFをトリガとするクロックと、
12(2×(直列数M)×(並列数N))クロックを1周期とし、7(2×(並列数N)×(直列数M−1)+1)クロックはON信号を出力し、5{2×(直列数M)×(並列数N))−((2×(並列数N)×(直列数M−1)+1)}クロックはOFF信号を出力するスイッチング素子U11,Y11用ゲート指令信号U11_gate/Y11_gateと、
前記ゲート指令信号U11_gate/Y11_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X11,V11用ゲート指令信号X11_gate/V11_gateと、
前記ゲート指令信号X11_gate/V11_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U21,Y21用ゲート指令信号U21_gate/Y21_gateと、
前記ゲート指令信号U21_gate/Y21_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X21,V21用ゲート指令信号X21_gate/V21_gateと、
前記ゲート指令信号X21_gate/V21_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U31,Y31用ゲート指令信号U31_gate/Y31_gateと、
前記ゲート指令信号U31_gate/Y31_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X31,V31用ゲート指令信号X31_gate/V31_gateと、
前記ゲート指令信号X31_gate/V31_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U12,Y12用ゲート指令信号U12_gate/Y12_gateと、
前記ゲート指令信号U12_gate/Y12_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X12,V12用ゲート指令信号X12_gate/V12_gateと、
前記ゲート指令信号X12_gate/V12_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U22,Y22用ゲート指令信号U22_gate/Y22_gateと、
前記ゲート指令信号U22_gate/Y22_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X22,V22用ゲート指令信号X22_gate/V22_gateと、
前記ゲート指令信号X22_gate/V22_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U32,Y32用ゲート指令信号U32_gate/Y32_gateと、
前記ゲート指令信号U32_gate/Y32_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X32,V32用ゲート指令信号X32_gate/V32_gateとから構成される。
【0046】
図1の各スイッチング素子は、前記作成された図2の各ゲート指令信号U11_gate/Y11_gate…X32_gate/V32_gateによって、図示パターン(1)〜(12)の繰り返しによりON,OFF制御される。
【0047】
図2のゲート指令信号生成パターンで図1におけるスイッチ群回路の各スイッチング素子をON,OFF制御したときの出力電流の関係を図3図4に示す。
【0048】
図3(a)〜(f)は図2のパターン(1)〜(6)に各々対応し、図4(a)〜(f)は図2のパターン(7)〜(12)に各々対応しており、ゲート指令のON信号によってON制御されたスイッチング素子には「ON」を図示し、当該ON制御されたスイッチング素子および負荷を介して流れる出力電流Ioutの経路を矢印で示している。
【0049】
図3図4の負荷は、誘導加熱装置などの共振負荷を示している。
【0050】
図3(a)のパターン(1)では、スイッチング素子U11,Y11,U12,Y12,X12,V12,U22,Y22,X22,V22,U32,Y32、X32,V32がON制御され、スイッチング素子X11,V11,U21,Y21,X21,V21,U31,Y31,X31,V31がOFF制御される。これによって電流は、スイッチング素子U11→U12→負荷→スイッチング素子Y11→Y12の経路で流れる。
【0051】
図3(b)のパターン(2)では、スイッチング素子U11,Y11,X11,V11,X12,V12,U22,Y22,X22,V22,U32,Y32,X32,V32がON制御され、スイッチング素子U12,Y12,U21,Y21,X21,V21,U31,Y31,X31,V31がOFF制御される。これによって電流は、スイッチング素子V11→V12→負荷→スイッチング素子X11→X12の経路で流れる。
【0052】
図3(c)のパターン(3)では、スイッチング素子U11,Y11,X11,V11,U21,Y21,U22,Y22,X22,V22,U32,Y32,X32,V32がON制御され、スイッチング素子U12,Y12,X12,V12,X21,V21,U31,Y31,X31,V31がOFF制御される。これによって電流は、スイッチング素子U21→U22→負荷→スイッチング素子Y21→Y22の経路で流れる。
【0053】
図3(d)のパターン(4)では、スイッチング素子U11,Y11,X11,V11,U21,Y21,X21,V21,X22,V22,U32,Y32,X32,V32がON制御され、スイッチング素子U12,Y12,X12,V12,U22,Y22,U31,Y31,X31,V31がOFF制御される。これによって電流は、スイッチング素子V21→V22→負荷→スイッチング素子X21→X22の経路で流れる。
【0054】
図3(e)のパターン(5)では、スイッチング素子U11,Y11,X11,V11,U21,Y21,X21,V21,U31,Y31,U32,Y32,X32,V32がON制御され、スイッチング素子U12,Y12,X12,V12,U22,Y22,X22,V22,X31,V31がOFF制御される。これによって電流は、スイッチング素子U31→U32→負荷→スイッチング素子Y31→Y32の経路で流れる。
【0055】
図3(f)のパターン(6)では、スイッチング素子U11,Y11,X11,V11,U21,Y21,X21,V21,U31,Y31,X31,V31,X32,V32がON制御され、スイッチング素子U12,Y12,X12,V12,U22,Y22,X22,V22,U32,Y32がOFF制御される。これによって電流は、スイッチング素子V31→V32→負荷→スイッチング素子X31→X32の経路で流れる。
【0056】
図4(a)のパターン(7)では、スイッチング素子U11,Y11,U12,Y12,X11,V11,U21,Y21,X21,V21,U31,Y31,X31,V31がON制御され、スイッチング素子X12,V12,U22,Y22,X22,V22,U32,Y32,X32,V32がOFF制御される。これによって電流は、スイッチング素子U11→U12→負荷→スイッチング素子Y11→Y12の経路で流れる。
【0057】
図4(b)のパターン(8)では、スイッチング素子U12,Y12,X11,V11,X12,V12,U21,Y21,X21,V21,U31,Y31,X31,V31がON制御され、スイッチング素子U11,Y11,U22,Y22,X22,V22,U32,Y32,X32,V32がOFF制御される。これによって電流は、スイッチング素子V11→V12→負荷→スイッチング素子X11→X12の経路で流れる。
【0058】
図4(c)のパターン(9)では、スイッチング素子U12,Y12,X12,V12,U21,Y21,U22,Y22,X21,V21,U31,Y31,X31,V31がON制御され、スイッチング素子U11,Y11,X11,V11,X22,V22,U32,Y32,X32,V32がOFF制御される。これによって電流は、スイッチング素子U21→U22→負荷→スイッチング素子Y21→Y22の経路で流れる。
【0059】
図4(d)のパターン(10)では、スイッチング素子U12,Y12,X12,V12,U22,Y22,X21,V21,X22,V22,U31,Y31,X31,V31がON制御され、スイッチング素子U11,Y11,X11,V11,U21,Y21,U32,Y32,X32,V32がOFF制御される。これによって電流は、スイッチング素子V21→V22→負荷→スイッチング素子X21→X22の経路で流れる。
【0060】
図4(e)のパターン(11)では、スイッチング素子U12,Y12,X12,V12,U22,Y22,X22,V22,U31,Y31,U32,Y32,X31,V31がON制御され、スイッチング素子U11,Y11,X11,V11,U21,Y21,X21,V21,X32,V32がOFF制御される。これによって電流は、スイッチング素子U31→U32→負荷→スイッチング素子Y31→Y32の経路で流れる。
【0061】
図4(f)のパターン(12)では、スイッチング素子U12,Y12,X12,V12,U22,Y22,X22,V22,U32,Y32,X31,V31,X32,V32がON制御され、スイッチング素子U11,Y11,X11,V11,U21,Y21,X21,V21,U31,Y31がOFF制御される。これによって電流は、スイッチング素子V31→V32→負荷→スイッチング素子X31→X32の経路で流れる。
【0062】
上記図3図4に示す(1)〜(12)のパターンで各スイッチング素子を順次スイッチング(ON,OFF制御)する(すなわち、時分割運転する)ことで、1つのスイッチング素子の駆動周波数を直並列数の積(M×N)に反比例した周波数1/(M×N)、すなわち1/6まで下げることができる。また、スイッチング素子がON又はOFFしている期間が複数のクロックによって連続しているため、素子特性で決まる最小パルス幅の制限による出力周波数の制限を回避できる(交直変換装置の出力周波数が、スイッチング素子の素子特性で制限を受けることがない)。
【0063】
また、スイッチ群回路のスイッチング素子が直並列接続であるため、直流リンク電圧入力部Vdcと上、下アームそれぞれのスイッチング素子の直流入力側端子との間、および矩形波電圧出力部Voutと上、下アームそれぞれのスイッチング素子の出力側端子との間の主回路導体数をスイッチング素子数(M×N)よりも少なくすることができる。そして、スイッチング素子が直並列接続であるため、スイッチング素子数(M×N)に比例して主回路導体の配設スペースが拡大されることはなく、主回路導体の経路長のばらつきに基づくインピーダンスのばらつきを低減できる。
【0064】
尚、単相インバータの各アームのスイッチ群回路のスイッチング素子の直列数Mは2に限らず3以上であってもよく、また並列数Nは3に限らず2又は4以上であってもよい。単相インバータのスイッチング素子の駆動周波数は、直並列数の積(M×N)に反比例してスイッチング周波数を更に減らすことができる。
【実施例2】
【0065】
図5は、本実施例2による単相インバータ部の構成を表し、例えば図7の交直変換装置10(共振負荷用電力変換装置)に適用される単相インバータを示している。
【0066】
図5の単相インバータの直流入力部は直流リンク電圧入力部Vdcに接続され、各アームはM直列N並列(M=2以上の整数、N=2以上の整数;図5の例では直列数Mが3以上、並列数Nが3以上)のスイッチング素子(例えばIGBT)を備えたスイッチ群回路200U,200V,200X,200Yが各々接続され、スイッチ群回路200Uおよび200Xの共通接続点とスイッチ群回路200Vおよび200Yの共通接続点の間には、矩形波の出力電圧Voutが出力されるように構成されている。
【0067】
単相インバータの一方の相の上アームのスイッチ群回路200Uは、U11、U12…U1mのm個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体と、U21、U22…U2mのm個のスイッチング素子が直列接続された第2の直列体と、Un1、Un2…Unmのm個のスイッチング素子が直列接続された第nの直列体とを有し、前記第1の直列体から第nの直列体までのn個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成されている。
【0068】
前記単相インバータの一方の相の下アームのスイッチ群回路200Xは、X11、X12…X1mのm個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体と、X21、X22…X2mのm個のスイッチング素子が直列接続された第2の直列体と、Xn1、Xn2…Xnmのm個のスイッチング素子が直列接続された第nの直列体とを有し、前記第1の直列体から第nの直列体までのn個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成されている。
【0069】
前記単相インバータの他方の相の上アームのスイッチ群回路200Vは、V11、V12…V1mのm個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体と、V21、V22…V2mのm個のスイッチング素子が直列接続された第2の直列体と、Vn1、Vn2…Vnmのm個のスイッチング素子が直列接続された第nの直列体とを有し、前記第1の直列体から第nの直列体までのn個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成されている。
【0070】
前記単相インバータの他方の相の下アームのスイッチ群回路200Yは、Y11、Y12…Y1mのm個のスイッチング素子が直列接続された第1の直列体と、Y21、Y22…Y2mのm個のスイッチング素子が直列接続された第2の直列体と、Yn1、Yn2…Ynmのm個のスイッチング素子が直列接続された第nの直列体とを有し、前記第1の直列体から第nの直列体までのn個の直列体を並列に、且つそれぞれの直列体間を主回路導体で接続して構成されている。
【0071】
前記の各直列体は、m個のスイッチング素子の直列体を1つのモジュールで構成したものであり、直列体のm個のスイッチング素子同士はモジュール内部で接続されている。
【0072】
上記のように図5の単相インバータによれば、スイッチ群回路のスイッチング素子が直並列接続であるため、直流リンク電圧入力部Vdcと上、下アームそれぞれのスイッチング素子の直流入力側端子との間、および矩形波電圧出力部Voutと上、下アームそれぞれのスイッチング素子の出力側端子との間に接続される主回路導体数をスイッチング素子数(M×N)よりも少なくすることができる。そして、スイッチング素子が直並列接続であるため、スイッチング素子数(M×N)に比例して主回路導体の配設スペースが拡大されることはなく、主回路導体の経路長のばらつきに基づくインピーダンスのばらつきを低減できる。
【0073】
図5の単相インバータを制御する制御部は、例えば図6のゲート指令信号生成パターンに示すクロックおよびゲート指令信号を作成するゲート指令作成部を備えており、該作成されたゲート指令信号によって各スイッチング素子がON,OFF制御される。
【0074】
図6のゲート指令信号生成パターンは、図5の単相インバータの各アームのスイッチ群回路の直列数M=3、並列数N=6の場合を想定しており、1周期を2*M*N=36クロック、ON信号を2*N*(M−1)+1=25クロック、OFF信号を(2*M*N)−{2*N*(M−1)+1}=11クロックとした信号生成パターンを示している。
【0075】
図6では、スイッチング素子U31,Y31用ゲート指令信号U31_gate/Y31_gate…スイッチング素子X(n−1)1,V(n−1)1用ゲート指令信号X(n−1)1_gate/V(n−1)1_gateと、
スイッチング素子U32,Y32用ゲート指令信号U32_gate/Y32_gate…スイッチング素子X(n−1)2,V(n−1)2用ゲート指令信号X(n−1)2_gate/V(n−1)2_gateと、
スイッチング素子U1m,Y1m用ゲート指令信号U1m_gate/Y1m_gate…スイッチング素子X(n−1)m,V(n−1)m用ゲート指令信号X(n−1)m_gate/V(n−1)m_gateとは、
図示省略している。
【0076】
したがって図6のゲート指令信号生成パターンは、
単相インバータの出力電圧指令(Vout_ref)のON,OFFをトリガとするクロックと、
36(2×(直列数M)×(並列数N))クロックを1周期とし、25(2×(並列数N)×(直列数M−1)+1)クロックはON信号を出力し、11{(2×(直列数M)×(並列数N))−(2×(並列数N)×(直列数M−1)+1)}クロックはOFF信号を出力するスイッチング素子U11,Y11用ゲート指令信号U11_gate/Y11_gateと、
前記ゲート指令信号U11_gate/Y11_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X11,V11用ゲート指令信号X11_gate/V11_gateと、
前記ゲート指令信号X11_gate/V11_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U21,Y21用ゲート指令信号U21_gate/Y21_gateと、
前記ゲート指令信号U21_gate/Y21_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X21,V21用ゲート指令信号X21_gate/V21_gateと、



ゲート指令信号X(n−1)1_gate/V(n−1)1_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Un1,Yn1用ゲート指令信号Un1_gate/Yn1_gateと、
前記ゲート指令信号Un1_gate/Yn1_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Xn1,Vn1用ゲート指令信号Xn1_gate/Vn1_gateと、
前記ゲート指令信号Xn1_gate/Vn1_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U12,Y12用ゲート指令信号U12_gate/Y12_gateと、
前記ゲート指令信号U12_gate/Y12_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X12,V12用ゲート指令信号X12_gate/V12_gateと、
前記ゲート指令信号X12_gate/V12_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子U22,Y22用ゲート指令信号U22_gate/Y22_gateと、
前記ゲート指令信号U22_gate/Y22_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子X22,V22用ゲート指令信号X22_gate/V22_gateと、



ゲート指令信号X(n−1)2_gate/V(n−1)2_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Un2,Yn2用ゲート指令信号Un2_gate/Yn2_gateと、
前記ゲート指令信号Un2_gate/Yn2_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Xn2,Vn2用ゲート指令信号Xn2_gate/Vn2_gateと、



ゲート指令信号X(n−1)m_gate/V(n−1)m_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Unm,Ynm用ゲート指令信号Unm_gate/Ynm_gateと、
前記ゲート指令信号Unm_gate/Ynm_gateよりも1クロック遅延し、当該指令信号のON期間およびOFF期間と同一のON期間およびOFF期間を有するスイッチング素子Xnm,Vnm用ゲート指令信号Xnm_gate/Vnm_gateと、から構成される。
【0077】
図5の単相インバータにおける各アームのスイッチ群回路の直列数Mを3、並列数Nを6とした場合の各スイッチング素子は、前記作成された図6の各ゲート指令信号U11_gate/Y11_gate…Xnm_gate/Vnm_gateによって、1周期(2*M*Nクロック)内のパターンの繰り返しによりON,OFF制御される。
【0078】
図6に示すパターンにより各スイッチング素子を順次スイッチング(ON,OFF制御)する(すなわち、時分割運転する)ことで、1つのスイッチング素子の駆動周波数を、直並列数の積(M×N)に反比例した周波数1/(M×N)、すなわち1/18まで下げることができる。
【0079】
また、スイッチング素子がON又はOFFしている期間が複数のクロックによって連続しているため、素子特性で決まる最小パルス幅の制限による出力周波数の制限を回避できる(交直変換装置の出力周波数が、スイッチング素子の素子特性で制限を受けることがない)。
【0080】
また、スイッチ群回路のスイッチング素子が直並列接続であるため、直流リンク電圧入力部Vdcと上、下アームそれぞれのスイッチング素子の直流入力側端子との間、および矩形波電圧出力部Voutと上、下アームそれぞれのスイッチング素子の出力側端子との間の主回路導体数をスイッチング素子数(M×N)よりも少なくすることができる。そして、スイッチング素子が直並列接続であるため、スイッチング素子数(M×N)に比例して主回路導体の配設スペースが拡大されることはなく、主回路導体の経路長のばらつきに基づくインピーダンスのばらつきを低減できる。
【符号の説明】
【0081】
10…交直変換装置
11…直流電圧源
12…共振負荷
100U,100V,100X,100Y,200U,200V,200X,200Y…スイッチ群回路
U11〜U1m,U21〜U2m,…Un1〜Unm,V11〜V1m,V21〜V2m,…Vn1〜Vnm,X11〜X1m,X21〜X2m,…Xn1〜Xnm,Y11〜Y1m,Y21〜Y2m,…Yn1〜Ynm…スイッチング素子
【要約】
【課題】各スイッチング素子のスイッチング周波数を下げ、主回路導体の数を低減することができる共振負荷用電力変換装置を提供する。
【解決手段】直流入力側(Vdc)が直流電圧源に、出力側(Vout)が共振負荷に各々接続され、共振周波数で矩形波電圧を出力する単相インバータを備え、単相インバータの入力側、出力側の各上、下アームに各々接続され、2個のスイッチング素子の直列体をN個(Nは2以上の整数)並列にスイッチング素子間を主回路導体で接続したスイッチ群回路100U,100X,100V,100Yと、前記スイッチ群回路100U,100X,100V,100Yの各スイッチング素子(U11〜U32,V11〜V32,X11〜X32,Y11〜Y32)を時分割でスイッチング制御する制御部と、を備えた。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10