(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2収容体は、前記第2収容体の内部に収容される前記2次側コイルと、前記第2収容体の外部に設置される前記負荷と、を接続する電力線が防水可能な状態で挿通される挿通孔を有する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の受電装置。
前記第1収容体は、前記第1収容体の内部に収容される前記1次側コイルと、前記第1収容体の外部に設置される前記外部電源と、を接続する第1電力線が防水可能な状態で挿通される第1挿通孔を有し、
前記第2収容体は、前記第2収容体の内部に収容される前記2次側コイルと、前記第2収容体の外部に設置される前記負荷と、を接続する第2電力線が防水可能な状態で挿通される第2挿通孔を有する
ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の給電システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
===給電システムの設置例===
図1は、本実施形態に係る給電システムが電柱に設置された一例を示す図である。
図2は、本実施形態に係る給電システムを構成する送電装置の一例を示す斜視図である。具体的には、
図2(A)は、交流電源としての電力線を挿通するための挿通孔が見える方向から送電装置の一例を見た場合の斜視図であり、
図2(B)は、電柱に固定される金属ベルトを挿通するための挿通孔が見える方向から送電装置の一例を見た場合の斜視図である。
図3は、本実施形態に係る給電システムを構成する受電装置の一例を示す斜視図である。具体的には、
図3(A)は、負荷電源としての電力線を挿通するための挿通孔が見える方向から受電装置の一例を見た場合の斜視図であり、
図3(B)は、電柱に固定される金属ベルトを挿通するための挿通孔が見える方向から受電装置の一例を見た場合の斜視図である。尚、本実施形態において、負荷は電柱に設置される外灯であることとする。
【0012】
以下、
図1乃至
図3を参照しつつ、本実施形態に係る給電システムについて説明する。
【0013】
給電システム1は、送電装置2、受電装置3、照明器具4を含んで構成されている。
【0014】
送電装置2は、電柱DTに架設された架空電線に発生している電力を例えば柱上変圧器で降圧して得られる電力が交流電源ACとして供給され、交流電源ACから供給される電力に応じた電力を非接触で出力する装置である。送電装置2は、交流電源ACから供給される電力に応じた電力を非接触で出力する手段として、例えば1次側コイル2Aを有している。送電装置2は、交流電源ACから供給される電力に応じた電力を非接触で出力する動作を許可又は禁止の状態に設定する手段として、自動点滅器2Bを有している。自動点滅器2Bとしては、例えば、周囲の明るさや時間に応じて、交流電源ACと1次側コイル2Aとの間に介在する電力線を接続又は遮断の何れかの状態に設定可能なものを採用すればよい。送電装置2は、1次側コイル2A及び自動点滅器2Bを密閉された状態で収容する収容体2Cを有している。収容体2Cは、絶縁性材料(例えば樹脂)を用いて形成され、電柱DTの外周面に安定して設置されるように、実質的には直方体形状を呈している。具体的には、電柱DTの外周面に対向する収容体2Cの面2Dの一部は、収容体2Cが電柱DTの外周面に隙間なく設置されるように、電柱DTの外周面の曲率に沿って湾曲した凹面形状を呈している。収容体2Cの面2Dのうち凹面形状を呈する一部には、電柱DTの外周面に巻き付けて固定される長尺形状を呈する金属ベルト5を挿通するための挿通孔2Eが設けられている。少なくとも1次側コイル2Aは、面2Dのうち凹面形状ではなく平面形状を呈する側の収容体2Cの内部領域に収容されている。そして、金属ベルト5を挿通孔2Eに挿通しつつ電柱DTに巻き付けて固定することによって、送電装置2は電柱DTに設置されることとなる。一方、収容体2Cは、面2Dとは反対側の面2Fにおいて、柱上変圧器の出力側に接続された電力線を収容体2C内に挿通するための挿通孔2Gを有している。柱上変圧器の出力側に接続された電力線を挿通孔2Gに挿通した後、挿通孔2Gに対して周知の防水部品2H(螺子止め機構やシール等)を装着することによって、収容体2Cの防水性能は確保されることとなる。
【0015】
受電装置3は、送電装置2の1次側コイル2Aから出力される電力を非接触で受電し、受電電力に応じた電力を照明器具4に供給する装置である。受電装置3は、送電装置2の1次側コイル2Aから出力される電力を非接触で受電する手段として、例えば2次側コイル3Aを有している。受電装置3は、2次側コイル3Aを密閉された状態で収容する収容体3Bを有している。収容体3Bは、絶縁性材料(例えば樹脂)を用いて形成され、電柱DTの外周面に安定して設置されるように、実質的には直方体形状を呈している。具体的には、電柱DTの外周面に対向する収容体3Bの面3Cの一部は、収容体3Bが電柱DTの外周面に隙間なく設置されるように、電柱DTの外周面の曲率に沿って湾曲した凹面形状を呈している。収容体3Bの面3Cのうち凹面形状を呈する一部には、電柱DTの外周面に巻き付けて固定される長尺形状を呈する金属ベルト6を挿通するための挿通孔3Dが設けられている。少なくとも2次側コイル3Aは、面3Cのうち凹面形状ではなく平面形状を呈する側の収容体3Bの内部領域に収容されている。そして、金属ベルト6を挿通孔3Dに挿通しつつ電柱DTに巻き付けて固定することによって、受電装置3は電柱DTに設置されることとなる。一方、収容体3Bは、面3Cとは反対側の面3Eにおいて、照明器具4の電力線を収容体3B内に挿通するための挿通孔3Fを有している。照明器具4の電力線を挿通孔3Fに挿通した後、挿通孔3Fに対して周知の防水部品3G(螺子止め機構やシール等)を装着することによって、収容体3Bの防水性能は確保されることとなる。
【0016】
照明器具4は、地上から一定の高さ位置において点灯すべき方向を向くように、取付金具4Aを用いて、受電装置3の面3Eに突設された取付板3Hに取り付けられている。
【0017】
このようにして、給電システム1は、収容体2Cの面2Dのうち平面形状を呈する領域と、収容体3Bの面3Cのうち平面形状を呈する領域と、が直接対向するように、電柱DTに設置されることとなる。
===給電システムの回路構成例===
図4は、本実施形態に係る給電システムを示す回路ブロック図である。
図5は、本実施形態に係る給電システムにおいて、共鳴周波数と伝送電力との関係を示す特性図である。
図6は、本実施形態に係る給電システムにおいて、伝送距離Dと負荷電流との関係を示す特性図である。
【0018】
以下、
図4を参照しつつ、給電システム1、送電装置2、受電装置3の回路構成の一例について説明する。
<給電システム>
給電システム1は、電磁界の共鳴現象を用いて送電装置2と受電装置3との間において電力を非接触で伝送するシステムである。送電装置2は、受電装置3に対して所定の距離だけ離れた状態で配置され、受電装置3に対して電力を非接触で送電する装置である。受電装置3は、照明器具4に電力が供給されるように、送電装置2から供給される電力を非接触で受電する装置である。本実施形態において、送電装置2を構成する収容体2Cは、金属ベルト5を用いて電柱DTに設置され、受電装置3を構成する収容体3Bは、金属ベルト6を用いて電柱DTに設置され、収容体2C及び収容体3Bは、1次側コイル2A及び2次側コイル3Aが電柱DTを挟んで対向するように設置されていることとする。
【0019】
<送電装置>
送電装置2は、交流電源AC、1次側コイル2A、自動点滅器2B、可変コンデンサ2J、電流検出装置2K、制御装置2L、サーボモータ2Mを有し、これらの要素を収容体2C内に適切に配置して構成されている。
【0020】
交流電源ACの両端は、自動点滅器2B、可変コンデンサ2J、1次側コイル2Aからなる直列体の両端に接続されている。電流検出装置2Kは、交流電源ACの一端と1次側コイル2Aの一端との間に接続されている。このようにして、送電装置2には、磁気共鳴によって交流電力を非接触で送電するための回路が形成される。
【0021】
交流電源ACは、電柱DTに架設された架空電線に発生している電力を例えば柱上変圧器で降圧することによって得られる。1次側コイル2Aは、受電装置3の2次側コイル3Aに対して交流電力を非接触で供給する送電コイルである。自動点滅器2Bは、例えば照度センサを有し、照度センサの検知結果が一定値以下になると、交流電源ACと可変コンデンサ2Jとの間の電力線を接続する。これによって、1次側コイル2Aは、電力を出力することが可能になる。可変コンデンサ2Jは、送電装置2を形成する回路に流れる電流が最大となるように容量値を変更可能なコンデンサである。本実施形態において、例えば、可変コンデンサ2Jの容量値を変更するための回動ツマミ(不図示)を備え、回動ツマミの回転量に応じて可変コンデンサ2Jの容量値を連続的に変化させることとする。電流検出装置2Kは、送電装置2を形成する回路に流れる交流電流を直流電流に変換し、直流電流の大きさを検出する。電流検出装置2Kは、例えば、送電装置2を形成する回路の電力線を流れる電流を、当該電力線に対して電気的に絶縁された状態で測定するクランプ式の電流計であることとする。電流検出装置2Kとしてクランプ式の電流計を採用することによって、送電装置2に対して電気的な影響を与えずに電流を確実に検出することが可能になる。サーボモータ2Mは、可変コンデンサ2Jの容量値を変更する際に、回動ツマミに対して回動力を与える。制御装置2Lは、電流検出装置2Kの検出結果に従って、送電装置2を形成する回路を流れる電流が最大となるように、サーボモータ2Mの回動方向及び回動量の情報を含む制御信号をサーボモータ2Mに供給する。サーボモータ2Mは、制御信号に含まれる情報に従って、所定の回動方向に所定の回動量だけ回動する。これによって、可変コンデンサ2Jの容量値を変更することが可能になる。
【0022】
<受電装置>
受電装置3は、2次側コイル3A、コンデンサ3H、整流回路3J、定電流回路3Kを有し、これらの要素を収容体3B内に適切に配置して構成されている。
【0023】
2次側コイル3Aは、1次側コイル2Aから供給される交流電力を非接触で受電可能な距離だけ離れた位置において、1次側コイル2Aと対向するように配置される。コンデンサ3Hは、2次側コイル3Aの両端に並列に接続されている。整流回路3Jは、2次側コイル3A及びコンデンサ3Hの両端に並列に接続されている。照明器具4は、2次側コイル3A、コンデンサ3H、整流回路3Jに対して並列に接続されている。定電流回路3Kは、整流回路3Jの出力側と照明器具4との間に接続されている。このようにして、受電装置3には、照明器具4に直流電力が供給されるように、送電装置2から供給される交流電力を非接触で受電する受電回路が形成される。
【0024】
2次側コイル3Aは、1次側コイル2Aから供給される交流電力を非接触で受電する受電コイルであって、受電装置3における共鳴周波数を定めるための一要素である。コンデンサ3Hは、容量値が固定されており、受電装置3における共鳴周波数を定めるための他の一要素である。整流回路3Jは、2次側コイル3Aで受電される交流電力を直流電力に変換する。定電流回路3Kは、整流回路3Jから供給される直流電流の値が予め定められた値を超えている場合、直流電流の値を一定の値に制限する回路である。
【0025】
以下、
図5及び
図6を参照しつつ、送電装置2及び受電装置3の共鳴周波数について説明する。
【0026】
<共鳴周波数>
図5は、1次側コイル2Aから2次側コイル3Aへ伝送される電力が共鳴周波数f
1において最大になることを示している。又、
図6は、伝送距離Dが共鳴周波数f
1に対応する距離から離れるにつれて負荷電流が小さくなることを示している。
【0027】
照明器具4を負荷として流れる負荷電流の値は、受電装置3の共鳴周波数に基づいて定まる。換言すると、負荷電流の値は、1次側コイル2Aと2次側コイル3Aとの間の伝送距離D、受電装置3のインピーダンス等に基づいて定まる。
【0028】
送電装置2に形成される送電回路の固有共振周波数f
0は、式(1)で表される。
【0030】
但し、L
1は送電回路のインダクタンス値、C
1は送電回路の容量値を示している。
【0031】
送電装置2に形成される送電回路の共鳴周波数f
1は、式(2)で表される。
【0033】
但し、kは1次側コイル2Aと2次側コイル3Aとの間の結合係数を示している。
【0034】
受電装置3に形成される受電回路の共鳴周波数f
2は、式(3)で表される。
【0036】
但し、L
2は受電回路のインダクタンス値、C
2は受電回路の容量値を示している。
【0037】
送電回路において、結合係数kは伝送距離Dに応じて変化し、固有共振周波数f
0は送電回路の容量値に応じて変化する。換言すると、共鳴周波数f
1は伝送距離D及び可変コンデンサ2Jの容量値に応じて変化する。一方、受電回路において、コンデンサ3Hが2次側コイル3Aに並列に接続されているため、共鳴周波数f
2は受電回路のインダクタンス値及び容量値に関わらず一定である。従って、伝送距離Dが変化した場合、送電回路を形成する可変コンデンサ2Aの容量値を調整することによって、共鳴周波数f
1を一定の値に維持することが可能になる。
【0038】
<送電装置及び受電装置の設定>
例えば、1次側コイル2A及び2次側コイル3Aが対向するように、収容体2C,3Bが電柱DTに設置されているときの(
図1参照)、1次側コイル2A及び2次側コイル3Aの間の伝送距離D11に対応する負荷電流A11が最大になるように、換言すると、伝送距離D11において共鳴周波数f
1で交流電力が伝送されるように、送電回路の可変コンデンサ2Aの容量値は調整されていることとする。
【0039】
<負荷電流の値の維持>
例えば、電柱DTに対する金属ベルト5,6の取り付けの緩みに起因して、収容体2C,3Bの間の距離が変化し、これに伴って、伝送距離DがD11からD12(>D11)に変化すると、共鳴周波数f
1の変化に伴って、負荷電流はA11からA12(<A11)に変化する。この場合、可変コンデンサ2Jの容量値を調整することによって、伝送距離DがD11であるときの共鳴周波数f
1の値に戻し、負荷電流をA11に維持することが可能になる。
【0040】
<制御装置>
図7は、本実施形態に係る給電システムにおいて、送電装置を構成する制御装置のハードウエアの一例を示すブロック図である。
図8は、本実施形態に係る給電システムにおいて、送電装置を構成する制御装置の機能の一例を示すブロック図である。
図9は、本実施形態に係る給電システムにおいて、送電装置を構成する制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図10は、本実施形態に係る給電システムにおいて、可変コンデンサの容量値と送電回路を流れる電流との関係の一例を示す図である。尚、
図9の制御動作を実行する主体は、制御装置2Lの機能を実現する容量判定部、電流比較部、制御部である。
【0041】
以下、
図7及び
図8を参照しつつ、制御装置2Lの構成について説明する。
【0042】
制御装置2Lは、ハードウエアとして、CPU201、記憶装置202、入力装置203、表示装置204、通信装置205を含んで構成されている。CPU201は、記憶装置202に予め記憶されているプログラムデータの解読結果に従って、入力装置203、表示装置204、通信装置205のための制御動作を実行する。記憶装置202には、CPU201が制御動作を実行するためのプログラムデータ、CPU201が制御動作を実行する際に必要となる各種情報等が予め記憶されている。入力装置203は、CPU201が制御動作を実行するために必要となる情報を操作者が入力するための装置(キーボード、マウス等)である。表示装置204は、CPU201の動作状況、入力装置203の入力情報等を視覚的に表示する装置(ディスプレイ)である。通信装置205は、電流検出装置2Kとサーボモータ2Mとの間で通信を行う装置であって、電流検出装置2Kで検出される電流の情報を受信し、当該電流の値に応じて算出されるサーボモータ2Mの回動方向及び回動量の情報を含む制御信号を送信する。
【0043】
制御装置2Lは、機能として、容量判定部206、電流比較部207、制御部208を含んで構成されている。容量判定部206は、可変コンデンサ2Jの容量値が上限値又は下限値の何れか一方であるか否かを判定する。例えば、容量判定部206は、回動ツマミの回動位置を示す情報を取得し、可変コンデンサ2Jの容量値が上限値、下限値、上限値及び下限値の間の値の何れの値であるかを判定する。尚、可変コンデンサ2Jの上限値及び下限値は、可変コンデンサ2Jの仕様に応じて予め定められる値であって、入力装置203から入力されて記憶装置202に記憶される。そして、可変コンデンサ2Jの容量値は、制御信号に従って上限値及び下限値の範囲内の何れかの値に調整される。電流比較部207は、第1時刻において電流検出装置2Kで検出されている送電回路の交流電流に相当する直流電流の値と、第1時刻の直前の第2時刻において電流検出装置2Kで検出されている送電回路の交流電流に相当する直流電流の値と、を比較する。制御部208は、容量判定部206の判定結果と、電流比較部207の比較結果と、に基づいて、サーボモータ2Mの回動方向及び回動量を制御し、送電回路を流れる交流電流の値が最大となるように可変コンデンサ2Jの容量値を調整する。
【0044】
以下、
図9を参照しつつ、制御装置2Lの動作の一例について説明する。
【0045】
初期状態として、収容体2C,3Bが電柱DTに設置された状態において、1次側コイル2A及び2次側コイル3Aの間の伝送距離DはD11に設定されている。又、説明の便宜上、送電装置2と受電装置3との間の伝送距離DがD11からD12(>D11)へ変化した場合の制御装置2Lの動作の一例について説明する。
【0046】
制御装置2Lは、例えば、電流検出装置2Kで検出される直流電流の変化を伝送距離Dの変化と見なしてこの変化を契機として、可変コンデンサ2Jの容量値を調整するための制御動作を開始する。又、制御装置2Lは、入力装置203に対する制御動作開始信号の入力を契機として、可変コンデンサ2Jの容量値を調整するための制御動作を開始してもよい。又、制御装置2Lは、所定時間(数ms)を経過する度に、可変コンデンサ2Jの容量値を調整するための制御動作を開始してもよい。
【0047】
先ず、制御部208は、制御動作の開始に伴って、電流検出装置2Kで検出されている最新の直流電流の値を、第2時刻の直流電流の値I
n−1として取得する(ステップS11)。
【0048】
次に、容量判定部206は、例えば回動ツマミの回動位置を示す情報を取得し、可変コンデンサ2Jの容量値が上限値であるか否かを判定する(ステップS12)。そして、可変コンデンサ2Jの容量値が上限値ではない場合(ステップS12:NO)、制御部208は、可変コンデンサ2Jの容量値を所定の容量値であるΔCだけ増加させるための制御信号を発生する。サーボモータ2Mは、制御信号に含まれる情報に従って、可変コンデンサ2Jの容量値がΔCだけ増加するように、回動ツマミを指定された回動方向に指定された回動量だけ回動させる。尚、変数n+1は、可変コンデンサ2Jの容量値をΔCだけ増加させることを示している(ステップS13)。
【0049】
次に、制御部208は、電流検出装置2Kで検出された最新の直流電流の値を、第1時刻の直流電流の値I
nとして取得する。このようにして、制御部208は、最新(第1時刻)の直流電流の値I
nと直前(第2時刻)の直流電流の値I
n−1とを取得した状態になる(ステップS14)。
【0050】
次に、電流比較部207は、最新の直流電流の値I
nと直前の直流電流の値I
n−1とを比較する(ステップS15)。最新の直流電流の値I
nが直前の直流電流の値I
n−1より大きい場合(ステップS15:YES)、最新の直流電流の値I
nが最大値であるか否かをその時点では判断できないため、最新の直流電流の値I
nが直前の直流電流の値I
n−1より小さくなるまで、上記のステップS12〜S15を繰り返し実行する。
【0051】
一方、可変コンデンサ2Jの容量値が上限値であるか(ステップS12:YES)、又は、最新の直流電流の値I
nが直前の直流電流の値I
n−1より小さくなった場合(ステップS15:NO)、可変コンデンサ2Jの容量値が最大値を介して上昇から下降へ転じ、容量判定部206は、可変コンデンサ2Jの容量値が下限値であるか否かを判定する(ステップS16)。そして、可変コンデンサ2Jの容量値が下限値ではない場合(ステップS16:NO)、制御部208は、可変コンデンサ2Jの容量値を所定の容量値であるΔCだけ減少させるための制御信号を発生する。サーボモータ2Mは、制御信号に含まれる情報に従って、可変コンデンサ2Jの容量値がΔCだけ減少するように、回動ツマミを指定された回動方向に指定された回動量だけ回動させる。尚、変数n−1は、可変コンデンサ2Jの容量値をΔCだけ減少させることを示している(ステップS17)。
【0052】
次に、制御部208は、電流検出装置2Kで検出された最新の直流電流の値を、第1時刻の直流電流の値I
nとして取得する。このようにして、制御部208は、最新(第1時刻)の直流電流の値I
nと直前(第2時刻)の直流電流の値I
n−1とを取得した状態になる(ステップS18)。
【0053】
次に、電流比較部207は、最新の直流電流の値I
nと直前の直流電流の値I
n−1とを比較する(ステップS19)。最新の直流電流の値I
nが直前の直流電流の値I
n−1より大きい場合(ステップS19:YES)、最新の直流電流の値I
nが最大値であるか否かをその時点では判断できないため、最新の直流電流の値I
nが直前の直流電流の値I
n−1より小さくなるまで、上記のステップS16〜S19を繰り返し実行する。そして、最新の直流電流の値I
nが直前の直流電流の値I
n−1より小さくなった場合(ステップS19:NO)、制御部208は、可変コンデンサ2Jの容量値を所定の容量値であるΔCだけ増加させるための制御信号を発生する。サーボモータ2Mは、制御信号に含まれる情報に従って、可変コンデンサ2Jの容量値がΔCだけ増加するように、回動ツマミを指定された回動方向に指定された回動量だけ回動させる(ステップS20)。そして、容量判定部206、電流比較部207、制御部208は制御動作を終了する。
【0054】
一方、可変コンデンサ2Jの容量値が下限値である場合も(ステップS16:YES)、容量判定部206、電流比較部207、制御部208は制御動作を終了する。
【0055】
以上より、可変コンデンサ2Jの容量値は、電流検出装置2Kで検出される直流電流の値が最大値D
maxとなる共鳴条件を満足する値に調整されることとなる。
【0056】
以下、
図10を参照しつつ、
図9に示す制御装置2Lの動作を更に説明する。尚、説明の便宜上、可変コンデンサ2Jの容量値のうち下限値及び上限値をそれぞれC
min,C
maxとし、制御装置2Lが制御動作を開始したときの可変コンデンサ2Jの容量値をC1とし、送電回路を流れる直流電流が最大値D
maxとなるときの可変コンデンサ2Jの容量値をC4とし、可変コンデンサ2Jの容量値を上限値C
maxに向かってC1→C2→C3→C4→C5の順にΔCずつ増加させ、その後、可変コンデンサ2Jの容量値を下限値C
minに向かってC5→C4→C3の順にΔCずつ減少させ、その後、可変コンデンサ2Jの容量値を上限値C
maxに向かってC3→C4の順にΔCだけ増加させることとする。
【0057】
図9のステップS11〜S15を実行すると、可変コンデンサ2Jの容量値はC1からC5まで段階的に増加し、電流検出装置2Kで検出される直流電流は、P11からP14まで段階的に増加した後、P14からP15まで減少する。つまり、可変コンデンサ2Jの容量値がC4であるとき、電流検出装置2Kで検出される直流電流が最大値D
max(=P14)になることが分かる。次に、
図9のステップS16〜S19を実行すると、可変コンデンサ2Jの容量値はC5からC3まで段階的に減少し、電流検出装置2Kで検出される直流電流は、P15からP14まで増加した後、P14からP13まで減少する。つまり、つまり、可変コンデンサ2Jの容量値がC4であるとき、電流検出装置2Kで検出される直流電流が最大値D
max(=P14)になることを再確認できる。そこで、
図9のステップS20を実行すると、可変コンデンサ2Jの容量値はC3からC4まで増加し、電流検出装置2Kで検出される直流電流はP13からP14まで増加する。このようにして、電流検出装置2Kで検出される直流電流は最大値D
maxとなって送電回路の共鳴条件を満足することとなる。
【0058】
従って、電柱DTに対する収容体2C,3Bの設置状態に関わらず、1次側コイル2Aから2次側コイル3Aへ常に最大電流を供給することが可能になる。
===まとめ===
以上説明したように、本実施形態に係る受電装置3は、負荷としての照明器具4に負荷電流が供給されるように、収容体2Cに密閉された状態で収容されている1次側コイル2Aから出力される電力を無線によって受電する2次側コイル3Aと、2次側コイル3Aが密閉された状態で収容される収容体3Bと、を備えている。そして、本実施形態によれば、照明器具4の点検や交換を行う際の安全性及び作業性を向上させることが可能になる。
【0059】
又、本実施形態に係る受電装置3において、2次側コイル3Aは、1次側コイル2Aから出力される電力を磁気共鳴によって受電することとする。
【0060】
又、本実施形態に係る受電装置3において、収容体3Bは、収容体3Bの内部に収容される2次側コイル3Aと、収容体3Bの外部に設置される照明器具4と、を接続する電力線が防水可能な状態で挿通される挿通孔3Fを有している。そして、本実施形態によれば、受電装置3が、接触不良を生じたり、雨天時に漏電を生じたり、作業者が照明器具4の点検や交換を行う際に感電したりする問題を解消することが可能になる。更に、作業者が照明器具4の点検や交換を行う際の作業性の悪さや、照明器具4の外観上の見栄えの悪さの問題を解消することも可能になる。
【0061】
又、収容体3Bは、絶縁性材料(例えば樹脂)を用いて形成されている。
【0062】
又、収容体3Bは、2次側コイル3Aが1次側コイル2Aから出力される電力を受電できるように、収容体2Cとともに電柱DTに設置されている。
【0063】
本実施形態に係る給電システム1は、交流電源ACから供給される電力を出力する1次側コイル2Aと、1次側コイル2Aが密閉された状態で収容される収容体2Cと、を有する送電装置2と、照明器具4に負荷電流が供給されるように、1次側コイル2Aから出力される電力を無線によって受電する2次側コイル3Aと、2次側コイル3Aが密閉された状態で収容される収容体3Bと、を有する受電装置3と、を備えている。そして、本実施形態によれば、照明器具4の点検や交換を行う際の安全性及び作業性を向上させることが可能になる。
【0064】
又、本実施形態に係る給電システム1において、2次側コイル3Aは、1次側コイル2Aから出力される電力を磁気共鳴によって受電することとする。
【0065】
又、本実施形態に係る給電システム1において、収容体2Cは、収容体2Cの内部に収容される1次側コイル2Aと、収容体2Cの外部に設置される交流電源ACと、を接続する電力線が防水可能な状態で挿通される挿通孔2Gを有し、収容体3Bは、収容体3Bの内部に収容される2次側コイル3Aと、収容体3Bの外部に設置される照明器具4と、を接続する電力線が防水可能な状態で挿通される挿通孔3Fを有している。そして、本実施形態によれば、給電システム1が、接触不良を生じたり、雨天時に漏電を生じたり、作業者が照明器具4の点検や交換を行う際に感電したりする問題を解消することが可能になる。更に、作業者が照明器具4の点検や交換を行う際の作業性の悪さや、照明器具4の外観上の見栄えの悪さの問題を解消することも可能になる。
【0066】
又、本実施形態に係る給電システム1において、収容体2Cは、電柱DTに設置され、収容体3Bは、2次側コイル3Aが1次側コイル2Aから出力される電力を受電可能な距離の範囲内で、収容体2Cから離れて電柱DTに設置されている。
【0067】
尚、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。例えば、負荷としての対象は外灯に限定されず、非接触で電力を受電可能な負荷であれば、如何なる負荷であっても本発明の対象になり得る。
【解決手段】受電装置であって、負荷に負荷電流が供給されるように、第1収容体に密閉された状態で収容されている1次側コイルから出力される電力を無線によって受電する2次側コイルと、前記2次側コイルが密閉された状態で収容される第2収容体と、を備える。