特許第6079984号(P6079984)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ベルゴニュークレールの特許一覧

<>
  • 特許6079984-保護及び使い捨て介在覆い形テント 図000002
  • 特許6079984-保護及び使い捨て介在覆い形テント 図000003
  • 特許6079984-保護及び使い捨て介在覆い形テント 図000004
  • 特許6079984-保護及び使い捨て介在覆い形テント 図000005
  • 特許6079984-保護及び使い捨て介在覆い形テント 図000006
  • 特許6079984-保護及び使い捨て介在覆い形テント 図000007
  • 特許6079984-保護及び使い捨て介在覆い形テント 図000008
  • 特許6079984-保護及び使い捨て介在覆い形テント 図000009
  • 特許6079984-保護及び使い捨て介在覆い形テント 図000010
  • 特許6079984-保護及び使い捨て介在覆い形テント 図000011
  • 特許6079984-保護及び使い捨て介在覆い形テント 図000012
  • 特許6079984-保護及び使い捨て介在覆い形テント 図000013
  • 特許6079984-保護及び使い捨て介在覆い形テント 図000014
  • 特許6079984-保護及び使い捨て介在覆い形テント 図000015
  • 特許6079984-保護及び使い捨て介在覆い形テント 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6079984
(24)【登録日】2017年1月27日
(45)【発行日】2017年2月15日
(54)【発明の名称】保護及び使い捨て介在覆い形テント
(51)【国際特許分類】
   G21F 7/00 20060101AFI20170206BHJP
   G21F 9/36 20060101ALI20170206BHJP
   G21F 9/30 20060101ALI20170206BHJP
   B25J 21/02 20060101ALI20170206BHJP
   G01M 3/20 20060101ALI20170206BHJP
【FI】
   G21F7/00 K
   G21F9/36 F
   G21F9/30 531E
   B25J21/02
   G01M3/20 K
   G01M3/20 L
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-108886(P2012-108886)
(22)【出願日】2012年4月19日
(65)【公開番号】特開2014-98556(P2014-98556A)
(43)【公開日】2014年5月29日
【審査請求日】2015年4月15日
(31)【優先権主張番号】EP11163094.3
(32)【優先日】2011年4月19日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512121705
【氏名又は名称】ベルゴニュークレール
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−マリー キュシェ
(72)【発明者】
【氏名】アシル デ バッケル
【審査官】 青木 洋平
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−072389(JP,A)
【文献】 米国特許第04914793(US,A)
【文献】 特開2011−038275(JP,A)
【文献】 特開2003−200148(JP,A)
【文献】 実開平04−039255(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3018145(JP,U)
【文献】 特開2010−230524(JP,A)
【文献】 実開平01−077998(JP,U)
【文献】 特開平08−152497(JP,A)
【文献】 実開平03−042599(JP,U)
【文献】 特開平05−080198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F 7/00
B25J 21/02
G21F 9/30
G21F 9/36
E04H 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に汚染物体に対して介在するための保護及び使い捨て介在覆い形テント(3)であって、前記テントは、漏れ止めであり、
少なくとも第1の軟質の扁平なシート(20)と、
少なくとも第2の軟質の扁平なシート(21)と、
前記第1の軟質のシート(20)に取り付けられた第1の部分(23)及び前記第2の軟質のシート(21)に取り付けられた第2の部分(24)を備えた少なくとも1つの第1の機械的に耐性のあるロージャ部材(22)と、し、
少なくとも1つの第1のクロージャ部材(22)は、前記第1の軟質シート(20)と前記第2の軟質シート(21)を互いに取り付けたり取り外したりするように構成され
前記テントは、少なくとも1つの第2の漏れ止めロージャ部材(25,26)をし、前記第2のクロージャ部材は、
前記第1の軟質の扁平なシート(20)に漏れ止め状態で連結された第1のフラップ(25)と、
前記第2の軟質の扁平なシート(21)に漏れ止め状態で連結された第2のフラップ(26)と、を含み、
前記第1のフラップ(25)と前記第2のフラップ(26)は、漏れ止めシールによって互いに漏れ止め状態で取り付けられるように構成され、
前記第1及び第2のフラップ(25、26)は、前記少なくとも1つの第1の機械的クロージャ部材(22)と前記少なくとも1つの第2の漏れ止めクロージャ部材(25)が互いに実質的に平行に延びることにより、前記第1及び第2のフラップ(25、26)及び前記第1及び第2の軟質の扁平なシート(21、22)がそれぞれ互いに取り付けられると、前記少なくとも1つの第2のクロージャ部材(25、26)が前記少なくとも1つの第1の機械的クロージャ部材(22)とオーバーラップし、
前記第1の機械的クロージャ部材(22)及び前記第2の漏れ止めクロージャ部材(25、26)は再使用可能であり、
前記第1及び第2のフラップ(25、26)は、前記第1及び第2のフラップ(25、26)が夫々取り付けられている軟質の扁平なシート(20、21)の表面を越えて延びている、保護及び使い捨て介在覆い形テント。
【請求項2】
前記テントが取り付け状態にあるとき、前記少なくとも1つの第1及び第2のクロージャ部材(22、25、26)は、実質的に水平な方向に延びる、請求項1記載の保護及び使い捨て介在覆い形テント。
【請求項3】
前記テントが取り付け状態にあるとき、前記少なくとも1つの第1及び第2のクロージャ部材(22、25、26)は、実質的に鉛直な方向に延びる、請求項1記載の保護及び使い捨て介在覆い形テント。
【請求項4】
前記第1の機械的に耐性のあるクロージャ部材(22)の前記第1及び第2の部分(23、24)は、記第1及び第2の軟質の扁平なシート(20、21)それぞれの側方境界部のところに取り付けられている、請求項1記載の保護及び使い捨て介在覆い形テント
【請求項5】
少なくとも第3の軟質の扁平なシートを更に有し、
少なくとも1つの他の第1のクロージャ部材は、
前記第1及び前記第2の軟質の扁平なシートの一方の横方向縁取り付けられた第3の部分
前記第3の軟質の扁平なシートの横方向縁に取り付けられた第4の部分と、を有し、
前記第3及び第4の部分は、記第1及び第2の軟質の扁平なシートの1を前記第3の軟質の扁平なシートに取り付けたり取り外したりするように構成され
少なくとも1つの他の第2のクロージャ部材は、
前記第3の軟質の扁平なシート漏れ止め状態で連結された第3のフラップと、
前記第1及び第2の軟質の扁平なシートの一方に漏れ止め状態で連結された第4のフラップと、を有し、
記第3のフラップ及び前記第4のフラップは、れ止めシールによって互いに漏れ止め状態で取り付けられるよう構成され、
前記第1第2及び第3の軟質の扁平なシートが互いに隣接して位置決めされると、前記テントが取り付け状態にあるとき、少なくとも1つの実質的に水平に延びる第1及び第2のクロージャ部材と少なくとも1つの実質的に鉛直に延びる第1及び第2のクロージャ部材の組み合わせを有す、請求項1〜4のうち何れか一に記載の保護及び使い捨て介在覆い形テント。
【請求項6】
前記漏れ止めシールは、前記フラップに施された溶接物によって形成されている、請求項1〜5のうちいずれか一に記載の保護及び使い捨て介在覆い形テント。
【請求項7】
軟質の扁平なシートは、前記シートの互いに反対側に位置した少なくとも第1及び第2のシート縁を有し、前記第1の機械的クロージャ部材の前記第1の部分は、前記第1のシートの前記第1のシート縁に沿って取り付けられ、前記第1の機械的クロージャ部材の前記第2の部分は、前記第2のシート縁に沿って取り付けられ、前記第1の部分と前記第2の部分は、前記シートのうちの一方の前記第1の機械的クロージャ部材の前記第1の部分が前記一方の軟質の扁平なシートに隣接して位置するシートの前記第1の機械的クロージャ部材の前記第2の部分と取り付け取り外し可能な連絡部を形成するよう互いに相補している、請求項1〜のうちいずれか一に記載の保護及び使い捨て介在覆い形テント。
【請求項8】
前記第1のクロージャ部材は、ジッパ及び面ファスナー取り付け部材の1つによって形成されている、請求項1〜7のうちいずれか一に記載の保護及び使い捨て介在覆い形テント。
【請求項9】
前記テントは、複数個の第3の機械的に耐性のある且つ再使用可能なクロージャ部材を更に有し、各第3のクロージャ部材は、前記第1の軟質の扁平なシートに連結された第1のクロージャ要素及び前記第2の軟質の扁平なシートに連結された第2のクロージャ要素を含み、前記第1のクロージャ要素と前記第2のクロージャ要素は、閉鎖状態にあるときに前記第1及び前記第2の軟質の扁平なシートの追加の取り付け部を形成すると共に前記少なくとも1つの第1の機械的クロージャ部材が閉鎖状態にあるとき、前記少なくとも1つの第1の機械的クロージャ部材を橋渡しするよう互いに相補している、請求項1〜8のうちいずれか一に記載の保護及び使い捨て介在覆い形テント。
【請求項10】
前記第3のクロージャ部材は、前記軟質の扁平なシートの縁に沿って互いに一定距離を置いたところに設けられたバックルによって形成されている、請求項9記載の保護及び使い捨て介在覆い形テント。
【請求項11】
用の金属製支持体を更に有する、請求項1〜10のうちいずれか一に記載の保護及び使い捨て介在覆い形テント。
【請求項12】
請求項1〜11のうちいずれか一に記載の保護及び使い捨て介在覆い形テントの漏れ止め性を試験する方法であって、
a)前記クロージャ部材を用いることによって前記介在覆い形テントを閉じるステップと、
b)外側使い捨てエンクロージャを前記覆いの周りに設けるステップと、
c)前記外側使い捨てエンクロージャと前記覆い形テントとの間に所定の濃度のトレーサーガスを提供するステップと、
d)前記覆い形テント中への前記トレーサーガスの漏れを測定するステップとを有する、方法。
【請求項13】
前記覆いの漏れは、前記外側使い捨てエンクロージャ、及び覆いのうちの1つ空気流量及び前記トレーサーガスの濃度のうちの少なくとも1つを測定することによって評価される、請求項12載の方法。
【請求項14】
前記トレーサーガス、CO2、SF6又は冷媒ガスから選択される、請求項12又は13記載の方法。
【請求項15】
請求項1〜11のうちいずれか一に記載の保護及び使い捨て介在覆い形テントを貯蔵する方法であって、前記覆いを空気圧送装置に連結し、前記覆いは、前記覆い内の空気が前記圧送装置によって送り出されている間に折り畳まれ、その後、前記折り畳み状態の覆いを巻いて巻き状態の覆いを形成し、しかる後、前記覆いを前記圧送装置から切り離し、しかる後、一次管の内部でシフトさせ、前記一次管を封止し、しかる後、二次管及びドラムのうちの1つの中に貯蔵する、方法。
【請求項16】
前記テントは、巻かれる前に、前記フラップの一部分を切除することにより前記シートを分離することによってテントセグメントに分割される、請求項15記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に汚染物体に対して介在する(intervention)ための保護及び使い捨て介在覆い(intervention envelope)形テントであって、このテントが漏れ止めであり、少なくとも第1の軟質の扁平なシート及び第2の軟質の扁平なシートを有する保護及び使い捨て介在覆い形テントに関する。特に、本発明は、汚染状態の物体、例えば核放射線を受けた物体又は細菌若しくはウイルスで汚染された物体に対して介在するのに適した保護テントに関する。本発明は又、核エンクロージャの漏れ止め性を試験する方法及び保護テントをそのライフサイクル後に貯蔵する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力施設、例えば混合酸化物(“MOX”)及び他のプルトニウム含有燃料棒製造ラインを分解する場合、主要な問題のうちの1つは、内部が放射性物質で汚染状態になっているエンクロージャを、この放射性汚染物質を放出しないで、分解するという問題である。放射能汚染されたエンクロージャを分解する幾つかの方法が提案された。この場合、例えばグローブボックスが用いられている。というのは、この種のエンクロージャは、最も普及しているが、当然のことながら、他形式の核エンクロージャをこの目的のために用いることができるからである。
【0003】
まず最初に、グローブボックスをこれが稼働状態にある建物内で分解されるべきかどうか又はグローブボックスをどこか他の場所に移すかどうかを考慮しなければならない。後者の場合、グローブボックスは、包装されて運搬される。この運搬は、グローブボックスの梱包の際、荷積みの際、輸送の際及び荷降ろしの際に汚染物質の放出の恐れを有する。さらに、非常に大きな寸法を備えたグローブボックスの運搬は、困難な場合があり、それどころか不可能な場合がある。
【0004】
これら運搬上の欠点により、グローブボックスをその稼働建物の外部で分解することが、通常グローブボックスを処理するのに適した既存のホットセルが既に利用可能である場合にのみ考慮されている。
【0005】
しかしながら、核エンクロージャ又はグローブボックスをこれが稼働している施設内で分解すべき場合、これが同一建物内の同一の部屋に位置しているにせよ又は別の部屋に位置しているにせよいずれにせよ、3種類の互いに異なる方法が提案され、即ち、グローブボックスをアルファ止めセル、切断ボックス又は保護テント内で分解する。
【0006】
第1の方法では、グローブボックスを稼働施設内に設置された分解用アルファ止めセルまで運搬する。アルファ止めセルは、外部環境に向かって必要な分解作業を漏れ止め下で実施するのに必要な全ての切断機器を収容している。分解用ツールの作動は、アルファ止めセル内に立っているオペレータによって実施される。かかるオペレータは、自分達が漏れ止め部屋の内部環境内で働くことができるようにする専用の漏れ止め衣服及び呼吸装置を装備する。オペレータの出入りは、適当なエアロックを介して行われることが予想される。切断作業に起因して生じた廃棄物片の除去は、アルファ止めセルに連結された廃棄物ドラムを用いることによって実現される。
【0007】
グローブボックスを稼働施設内に配置された切断ボックス内で分解しようとする場合、まず最初に、グローブボックスを切断ボックスまで運搬する。切断ボックスは、外部環境から隔離されたままの状態で分解作業を実現する切断機器を収容した専用グローブボックスである。グローブボックスと同様、切断ボックスは、グローブポート及び窓を備え、切断ボックスは、それ自体の換気システムにより減圧状態に維持される。切断ツールの作動は、切断ボックスの外部に立っているオペレータによって実施される。かかるオペレータは、グローブボックスについて作業する際に装備している機器及びモニタ装置と同様な機器及びモニタ装置を装備する。分解されるべきグローブボックスが収納された切断ボックスに入ることは、従来型バッグイン(bag-in)技術を用いて実施されるが、極めて大型のバッグが用いられる。このバッグイン技術により、エンクロージャの封じ込め状態を維持する一方で、機器又は他の物体を導入することができる。この目的のため、機器又は物体は、バッグ内に入れられ、このバッグの開放側にはOリングが設けられている。次に、Oリングをエンクロージャの接近ポートの周囲に設けられた溝の中に固定し、それにより、接近ポートに既に存在している別のバッグとオーバーラップさせ、この別のバッグを閉じる。機器又は物体を導入するため、機器又は物体をバッグがエンクロージャ内に位置した状態で引く。機器又は物体がいったん内部に位置すると、機器又は物体が収納されているバッグによって接近ポートを閉鎖する。
【0008】
切断作業に起因して生じる廃棄物片の除去は、切断ボックスに結合された廃棄物ドラムによって保証される。オプションとして、作業範囲を拡張すると共に放射線へのオペレータの被曝を減少させるために切断ボックスに軽量マスタ‐スレーブアーム及びトングを用いるのが良い。汚染状態のプロセスエンクロージャに対する大規模な保守を実施する際に同じような安全及び封じ込め上の問題に出会う。
【0009】
ホットセル、アルファ止めセル及び切断ボックスの欠点に取り組むために、保護テントの技術が独国特許出願公開第4030186号明細書又はアール・バウマン(R. BAUMANN),ピー・ファーバー(P. FABER),「ディスマントリング・テクニクス・フォア・プロトニウム‐コンタミネイテッド・グローブボックス:エクスペリエンス・フロム・ファースト・イヤー・オブ・デコミッショニング(Dismantling Techniques for Plutonium-Contaminated Glove-boxes: Experience from First Year of Decommissioning)」,第6回インターナショナル・シンポジウム・オブ・ラジオアクティブ・アンド・デコミッショニング・ウェイスツ(6th International Symposium of Radioactive & Decommissioning Wastes),コンテック(Kontec)2003,ベルリン,ドイツ,2003年3月、エー・ヴァンダーグヘインスト(A. VANDERGHEYNST),ジェーエム・キュシェ(JM. CUCHET),「ストラテジー・フォア・デコミッショニング・オブ・グローブボックスィズ・イン・ザ・ベルゴニュークリア・デッセル・モックス・フュエル・ファブリケーション・プラント(Strategy for Decommissioning of Glove-Boxes in the Belgonucleaire Dessel Mox Fuel Fabrication Plant)」,第11回インターナショナル・カンファレンス・オン・エンバイロメンタル・リメディエイション・アンド・ラジオアクティブ・ウェイスト・マネジメントICEM’07(11th International Conference on Environmental Remediation and Radioactive Waste Management, ICEM’07)ブリュージュ,ベルギー,2007年9月2〜6日、及びエー・ヴァンダーグヘインスト(A. VANDERGHEYNST),ジェーエム・キュシェ(JM. CUCHET),スフェン(SFEN),「アン・エボリューショナリー・アプローチ・フォア・ザ・デコミッショニング・オブ・ザ・グローブ・ボックスィズ・イン・ザ・ベルゴニュークリア・デッセル・プラント(An evolutionary Approach for the Decommissioning of the Glove Boxes in the Belgonucleaire Dessel Plant)」,インターナショナル・カンファレンス「デコミッショニング・チャレンジズ:アン・インダストリアル・リアリティ(International Conference “Decommissioning Challenges: an Industrial Reality”),アヴィニョン,フランス,2008年9月28日〜10月2日に提案されている。
【0010】
この技術によれば、グローブボックスをグローブボックス稼働施設内に設置されている保護テントまで運搬し又は保護テントを現場でグローブボックスの周りに立設する。保護テントは、使い捨てであり、この保護テントは、分解されるべきグローブボックスの寸法形状に合わせて製作されると共に加圧下にあるときに潰れるのを阻止するための外側金属製支持体に取り付けられた柔軟性の漏れ止め覆い(envelope)を有する。グローブボックスと同様、保護テント組立体は、グローブ及び窓を備えるのが良く、そしてそれ自体の換気システムによって真空に維持されるのが良い。本発明との関連において「減圧状態」という用語で理解される内容は、周囲雰囲気の圧力よりも著しく低い圧力である。テントは、外部環境から隔離された状態で分解作業を行うための切断機器(ソー、打抜き切断工具・・・)を収容することができる。分解ツールの作動は、分解用テントの外部に立っているオペレータによって実施される。これらオペレータは、プロセスグローブボックスを作動させている間に用いられるツール及びモニタ装置と同様なツール及びモニタ装置を装備するのが良い。切断作業に起因して生じた廃棄物は、従来型バッグアウト(bag-out)技術により接近ポートを介して又は漏れ止め状態で保護テントに結合された廃棄物ドラムに排出される。しかしながら、バッグアウト技術は、バッグイン技術に類似しているが、相違点は、この場合物体がグローブボックスに持ち込まれるのではなく、グローブボックスから持ち出されるということにある。
【0011】
分解後、保護テントを二次的廃棄物として処分する。二次的廃棄物の量を制限するため、覆いは、構造的耐性及び漏れ止め性を提供するよう互いに溶接された薄肉耐性平板状シートで作られる。使用後、この覆いを破棄し、従って、この覆いを巻いて更に裁断してこれを小片にするのが良く又は後の段階で状態調整するためのドラム内に詰め込むのが良い。グローブ又はグローブポート、窓及び他の機械的及び電気的ツールを漏れ止め状態で覆いに取り付ける。分解された部品又は分解用のツールによる覆いに対する機械的損傷の場合に偶発的な汚染物質の放出を阻止するため、覆いは、通常の相当な減圧状態(100〜200Pa)に維持される。覆いの耐性を試験し(例えば、動作圧力の2倍まで)、換気を適当な流量(例えば60m3/h)で実施して相当な機械的損傷の場合であっても減圧状態を維持する。
【0012】
この方式を実施する際、安全目的のため、覆いの隣り合うシート相互間の脆弱な又は欠陥のある溶接部を生じさせないようにすることが最も重要である。良好な品質の溶接部の実現を達成するため、テントが、品質管理プログラムに従ってあらかじめ製作され、プロセス制御装置を備えた大型溶接機械が専用製作所で用いられる。全体的気密度及び偶発的減圧状態に対する耐性は、分解プラントへの送り出し前に最終製品について試験される。
【0013】
分解用グローブボックスとの関連において、「漏れ止め」として理解される内容は、絶対的気密度ではなく、達成可能なダスト及びエーロゾル封じ込めである。ただし、エンクロージャが周囲圧力に対して100〜200Paの減圧状態に維持され、気密度が1時間当たり0.1体積%のオーダであることを条件とする。
【0014】
しかしながら、グローブボックスを分解作業の際に覆い内に導入することができるようにするため、覆いは、最初に開かれ、次に閉じられなければならず、この場合も又いったん汚染状態のグローブボックスが内部に位置すると漏れ止め性を測定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】独国特許出願公開第4030186号明細書
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】アール・バウマン(R. BAUMANN),ピー・ファーバー(P. FABER),「ディスマントリング・テクニクス・フォア・プロトニウム‐コンタミネイテッド・グローブボックス:エクスペリエンス・フロム・ファースト・イヤー・オブ・デコミッショニング(Dismantling Techniques for Plutonium-Contaminated Glove-boxes: Experience from First Year of Decommissioning)」,第6回インターナショナル・シンポジウム・オブ・ラジオアクティブ・アンド・デコミッショニング・ウェイスツ(6th International Symposium of Radioactive & Decommissioning Wastes),コンテック(Kontec)2003,ベルリン,ドイツ,2003年3月
【非特許文献2】エー・ヴァンダーグヘインスト(A. VANDERGHEYNST),ジェーエム・キュシェ(JM. CUCHET),「ストラテジー・フォア・デコミッショニング・オブ・グローブボックスィズ・イン・ザ・ベルゴニュークリア・デッセル・モックス・フュエル・ファブリケーション・プラント(Strategy for Decommissioning of Glove-Boxes in the Belgonucleaire Dessel Mox Fuel Fabrication Plant)」,第11回インターナショナル・カンファレンス・オン・エンバイロメンタル・リメディエイション・アンド・ラジオアクティブ・ウェイスト・マネジメントICEM’07(11th International Conference on Environmental Remediation and Radioactive Waste Management, ICEM’07)ブリュージュ,ベルギー,2007年9月2〜6日
【非特許文献3】エー・ヴァンダーグヘインスト(A. VANDERGHEYNST),ジェーエム・キュシェ(JM. CUCHET),スフェン(SFEN),「アン・エボリューショナリー・アプローチ・フォア・ザ・デコミッショニング・オブ・ザ・グローブ・ボックスィズ・イン・ザ・ベルゴニュークリア・デッセル・プラント(An evolutionary Approach for the Decommissioning of the Glove Boxes in the Belgonucleaire Dessel Plant)」,インターナショナル・カンファレンス「デコミッショニング・チャレンジズ:アン・インダストリアル・リアリティ(International Conference “Decommissioning Challenges: an Industrial Reality”),アヴィニョン,フランス,2008年9月28日〜10月2日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
グローブボックスが複雑な形状のものである場合、複雑な形状を漏れ止め覆いにも与え、従って、隣り合う軟質シートを交差角度で接合する一方でこれらの漏れ止め性を保証することが必要である。さらに、グローブボックスが大きな寸法を有している場合、漏れ止め覆いを非汚染状態での製造及び運搬の目的で且つこの覆いの内部がいったん非可逆的に汚染されると最終的な処分の目的のために種々の部分で特別に製作することが必要である。
【0018】
本発明の目的は、汚染されない限り再使用可能であり且つ取り付け取り外しが容易な保護及び使い捨て介在覆い形テントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この目的のため、本発明の保護及び使い捨て介在覆い形テントは、テントが第1及び第2の部分を有する少なくとも1つの第1の機械的に耐性のある且つ再使用可能なクロージャ部材を更に有し、第1の部分が第1のシートに取り付けられ、第2の部分が第2のシートに取り付けられ、第1のクロージャ部材が第1の軟質シートと第2の軟質シートを互いに取り付けたり取り外したりするよう設けられ、テントが少なくとも1つの第2の漏れ止めであり且つ再使用可能なクロージャ部材を更に有し、第2のクロージャ部材が第1のシートに漏れ止め状態で連結された第1のフラップ及び第2のシートに漏れ止め状態で連結された第2のフラップを含み、第1のフラップと第2のフラップは、漏れ止めシールによって互いに漏れ止め状態で取り付けられると共に第1のクロージャ部材と第2のクロージャ部材が互いに実質的に平行に延びていて、第1のフラップと第2のフラップ及び第1のシートと第2のシートがそれぞれ互いに取り付けられると、第1の機械的クロージャ部材とオーバーラップするように構成されていることを特徴とする。このテントを軟質の扁平なシートで構成すると、その取り付けは、互いに異なる軟質の扁平なシートを互いに組み立てることによって実現される。この目的のため、第1の機械的クロージャ部材が用いられ、この第1及び第2の部分は、例えばシートを互いに取り付けるよう互いに取り付けられる。シートに漏れ止め状態で取り付けられたフラップが設けられていることにより、シートの相互の漏れ止め状態での取り付けが可能になる。というのは、フラップは、互いに漏れ止め状態で取り付けられるからである。さらに、フラップが第1の機械的クロージャ部材とオーバーラップしているので、第1のクロージャ部材を通り過ぎた漏れは、フラップによって保持され、それにより確実な漏れ止めテントが提供される。
【0020】
保護及び使い捨て介在覆い形テントの第1の好ましい実施形態は、テントが取り付け状態にあるとき、第1のクロージャ部材及び第2のクロージャ部材が実質的に平行な方向に延びることを特徴とする。これは、例えば、テントが水平に延びる第1及び第2のクロージャ部材によって互いに連結されたベース構造体及びフード構造体によって形成される場合である。
【0021】
保護及び使い捨て介在覆い形テントの第2の好ましい実施形態は、第1のクロージャ部材の第1の部分及び第2の部分がそれぞれ第1のシート及び第2のシートの側方境界部のところに取り付けられ、テントが少なくとも第3の軟質の扁平なシートを更に有し、第1のクロージャ部材が第1又は第2のシートの横方向縁及び第3のシートの横方向縁にそれぞれ取り付けられた第3の部分及び第4の部分を更に有し、第3の部分及び第4の部分が第3の部分及び第4の部分によって第1の軟質シートか第2の軟質シートかのいずれかを第3のシートに取り付けたり取り外したりするよう設けられ、第2のクロージャ部材が第3のシートの横方向縁及び第1又は第2のシートにそれぞれ漏れ止め状態で連結された第3のフラップ及び第4のフラップを有し、第1のフラップ、第2のフラップ、第3のフラップ及び第4のフラップが第1のフラップ、第2のフラップ、第3のフラップ及び第4のフラップに取り付けられた漏れ止めシールによって互いに漏れ止め状態で取り付けられるよう構成され、第1のシート、第2のシート及び第3のシートがいつでも、テントが取り付け状態にあるとき、少なくとも1つの実質的に水平に延びる第1のクロージャ部材と少なくとも1つの実質的に垂直に延びる第2のクロージャ部材の組み合わせを有するよう互いに隣接して位置決めされることを特徴とする。これにより、より複雑な幾何学的形状のテントを構築することができる。というのは、第1及び第2のクロージャ部材を用いることにより互いに組み立てられた垂直及び水平に並置して設けられた複数枚のシートを用いることができるからである。
【0022】
保護及び使い捨て介在覆い形テントの第3の好ましい実施形態は、フラップが、このフラップが取り付けられているそれぞれのシートの広がりの下に位置する表面を越えて延びることを特徴とする。このような仕方で、第1のクロージャ部材のT又は他の形状の並置状態の第1、第2、第3及び第4の部分を用いることができる。確かに、フラップは、これらのそれぞれのシートの表面を越えて延びているので、隣り合うシートの表面を越えてオーバーラップ状態を生じさせることも可能であり、それにより、テントの漏れ止め性が向上する。
【0023】
保護及び使い捨て介在覆い形テントの第4の好ましい実施形態は、テントが複数個の第3の機械的に耐性のある且つ再使用可能なクロージャ部材を更に有し、各第3のクロージャ部材が第1のシートに連結された第1のクロージャ要素及び第2のシートに連結された第2のクロージャ要素を含み、第1のクロージャ要素と第2のクロージャ要素は、閉鎖状態にあるときに第1及び第2の軟質シートの追加の取り付け部を形成すると共に少なくとも1つの第1の機械的クロージャ部材が閉鎖状態にあるとき、少なくとも1つの第1の機械的クロージャ部材を橋渡しするよう互いに相補することを特徴とする。第3のクロージャ部材を用いることにより、シートの相互の取り付け具合を向上させることができる。第3のクロージャ部材が第1のクロージャ部材を橋渡ししているので、第3のクロージャ部材によって第1のクロージャ部材のありうる欠陥が補償される。
【0024】
今、添付の図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】分解されるべきグローブボックスを覆っている保護及び使い捨て介在覆い形テントを示す図である。
図2】分解されるべきグローブボックスを覆っている保護及び使い捨て介在覆い形テントのII‐II′線矢視断面図である。
図3】第1、第2及び第3のクロージャ部材の細部を示す図である。
図4a】保護及び使い捨て介在覆い形テントの一部分の細部を示す図であり、垂直及び水平に取り付けられた第1、第2及び第3のクロージャ部材を示す図である。
図4b】保護及び使い捨て介在覆い形テントの一部分の細部を示す図であり、垂直及び水平に取り付けられた第1、第2及び第3のクロージャ部材を示す図である。
図5a】第1、第2及び第3のクロージャ部材の細部の断面図である。
図5b】第1、第2及び第3のクロージャ部材の細部の断面図である。
図5c】第1、第2及び第3のクロージャ部材の細部の断面図である。
図6a】直方体という幾何学的形状の保護テントを示す図である。
図6b】多数の直方体からなる幾何学的形状の保護テントを示す図である。
図7】保護テントの漏れ止め性を試験する方法を示す図である。
図8】テントの分解及び貯蔵の仕方を示す図である。
図9】テントの分解及び貯蔵の仕方を示す図である。
図10】細断されるべきテントを貯蔵するための二次的管を示す図である。
図11】テントを分解後にどのようにドラム内に貯蔵するかを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面は、概略的であるに過ぎない。図中、要素のうちの幾つかの寸法は、誇張されている場合があり、例示目的だけで縮尺通りには描かれていない。さらに、同一の参照符号は、同一又は類似の要素を示している。
【0027】
図1は、分解されるべきグローブボックス2(点線で示されている)を覆っている本発明の保護及び使い捨て介在覆い形テント1を示している。分かりやすくするために、本発明をグローブボックスの分解のための保護テントとしての実施例に関して説明する。しかしながら、本発明は、この実施例には限定されず、テントをあらゆる種類の汚染状態の物体に対する介在のために使用できることが明らかであろう。保護テント1は、汚染の恐れがグローブボックス内部での介在中に最小限に抑えられるので必要な漏れ止め環境を作るための漏れ止め覆い3を有している。保護テントの漏れ止め性は、漏れ止めクロージャ部材の使用によって保証され、かかる漏れ止めクロージャ部材は、覆い形テントを形成する互いに異なるシート20,21相互間に漏れ止めシールをもたらす。
【0028】
覆いは、外側金属製フレームを形成する金属製支持体6に取り付けられたストラップ5によって保持される。支持体は、構造的な多目的バックボーンをテントに提供する。汚染状態の覆いを破棄した後支持体6を再使用することができる。
【0029】
保護テント1は、覆い形テントの漏れ止め性を損なうことなく物体を覆い形テント内に運び込むと共に/或いはこれから運び出すことができる漏れ止めポート7、例えばエアロックを有している。また、取扱中、支援のために必要な装置(図示せず)、例えば、機材、ツール、電力引出口、モニタ装置、非常時消火機器、例えば遠隔制御操作のためのロボットアーム、換気管等を漏れ止めテント内に漏れ止め状態で持ち込むことができる。分解ツールの作動は、保護テントの外側に立っているオペレータによって実施される。かかるオペレータは、プロセスグローブボックスを稼働させている間に用いられるツール及びモニタ装置と同様なツール及びモニタ装置を装備するのが良い。さらに、例えば分解作業の結果として生じる廃棄物等の排出のために廃棄物容器8を漏れ止めテントに漏れ止め状態で結合する。
【0030】
保護テント1は、好ましくは、光がテント内に入り込むことができるようにすると共にテントの内部を見ることができるようにする少なくとも1つの漏れ止め窓9を更に有する。保護テントは、テントの構成材料に設けられた少なくとも1つのグローブポート11を更に有する。例えば、1つ又は2つ以上のグローブ、例えば1つ又は2つ以上の対をなすグローブが漏れ止め状態でグローブポートに取り付けられていて、覆い内での手動行為を可能にするようになっている。
【0031】
保護テント1は、好ましくは、覆い3の内部を換気したり覆い3内部に真空を生じさせたりすることができるようにする換気システム(図示せず)に連結された図8に示されている少なくとも1つの換気配管50を更に有する。本発明との関連において「真空」は、周囲雰囲気の圧力よりも特に100〜200Pa低い圧力であると理解されたい。換気は、一般的に、相当な機械的損傷が生じた場合であっても核汚染物質の放出を最小限に押さえるよう適当な流量、例えば60m3/hで実施される。テントは、代表的には、例えば分解された部品又は分解用機器により引き起こされるテント3の機械的損傷の場合に偶発的な汚染物質の放出を一段と阻止するよう真空(100〜200Pa)下に維持される。グローブボックスを分解する前に、覆いの耐性が、好ましくは、高い真空、例えば作業真空の2倍を加えることによって試験される。「耐性」という用語は、テントの構造的耐性並びに構成要素としての軟質シート相互間の溶接部又はシーム、真空に起因した技術的労力及びテントを金属製支持体6に取り付けた後、オペレータが部品を取り扱ったりツールを作動させたりすることに由来する他の作業上の技術的労力の構造的耐性であると理解されたい。
【0032】
覆いは、典型的には、軟質又は柔軟性の帆布(キャンバス)材料、例えば織又は不織ポリマー軟質シート、例えば織ポリエーテルスルフォン(PES)箔で作られる。軟質シートは、一方の面又は両面が例えばポリ塩化ビニル(PVC)で被覆されるのが良く、かかるPVCは、構造的耐性をもたらすと共に覆いの製造中、シートの溶接及び/又は接着を容易にする。
【0033】
図2は、図1のテントの断面図である。覆いは、互いに取り付けられた第1の軟質の扁平なシート20及び第2の軟質の扁平なシート21を有する。分かりやすくするために、2枚のシートしか備えていないテントが示されているが、本発明は、覆いが2枚のシートだけで作られたテントには限定されず、テントを形成するために複数枚のシートを用いることができることは明らかである。図示の実施例では、第1のシートは、テントの下側部分を形成し、第2のシートは、テントの上側部分を形成する。
【0034】
覆いを形成する異なるシートの取り付けを可能にするため、少なくとも1つの第1の機械的に耐性のある且つ再使用可能なクロージャ部材22が設けられている。本明細書において機械的に耐性のあるという表現は、少なくとも50Nの力に耐えるクロージャ部材を意味している。本明細書において再使用可能という表現は、一般に、クロージャ部材が第1及び第2のシートの複数回の取り付け及び取り外しを可能にしなければならないということを意味している。
【0035】
図3に示されているように、第1のクロージャ部材22は、第1の部分23及び第2の部分24を有する。第1の部分23は、第1のシート20に取り付けられ、第2の部分は、第2のシート21に取り付けられている。図3に示されている実施例では、第1のクロージャ部材は、好ましくはシートに縫い付けられたジッパによって形成されている。変形例として、面ファスナー取り付け部材、例えばベルクロ(Velcro(登録商標))を用いても良い。第1のクロージャ部材をシートに縫い付ける代わりに、それぞれのシートへの第1及び第2の部分の接着を行っても良い。第1のクロージャ部材の第1の部分と第2の部分は、第1のシート20と第2のシート21の相互取り付けを可能にするよう互いに相補している。したがって、第1のクロージャ部材をジッパで形成した場合、第1のシートと第2のシートを互いに取り付けるためにはジッパを閉じるだけで十分であろう。第1のクロージャ部材は、好ましくは、シートの側方境界部及び/又は横方向境界部に沿って取り付けられる。
【0036】
しかしながら、第1のクロージャ部材は、第1のシートと第2のシートを互いに取り付ける機械的耐性のある且つ再使用可能なクロージャ部材を提供するのに過ぎない。第1のクロージャ部材は、再使用可能である。というのは、例えばジッパ又は面ファスナー取り付け部材を取り扱うことにより第1のクロージャ部材を数回開閉できるからである。
覆いを形成するシート相互間の取り付けに漏れ止め性を提供するため、少なくとも1つの第2の漏れ止め性の且つ再使用可能なクロージャ部材が設けられる。このクロージャ部材は、第1のシート20に漏れ止め状態で連結された第1のフラップ25及び第2のシート21に漏れ止め状態で連結された第2のフラップ26を有している。フラップをシートに漏れ止め状態で連結することは、例えば、フラップをこれらのそれぞれに対応したシートに溶接し又は接着することによって実現される。フラップをシートに取り付けるため、フラップの縁27,28は、第1のクロージャ部材23,24が取り付けられているシートの部分からオフセットした状態で溶接され又は接着される。好ましくは、フラップは、第1のクロージャ部材に且つ互いに実質的に平行に延びる。第1のフラップ25と第2のフラップ26は、更に、好ましくはこれらの別の縁29,30に沿って取り付けられた漏れ止めシールによって互いに漏れ止め状態で取り付けられるよう設けられている。
【0037】
したがって、第1のクロージャ部材22の第1の部分と第2の部分をいったん互いに取り付けると、第1のフラップ25と第2のフラップ26は、第1のクロージャ部材とオーバーラップするよう互いに結合される。しかる後、フラップは、好ましくはこれらの縁29,30に沿って互いに溶接され又は接着される。フラップは、好ましくは、ポリ塩化ビニルで作られる。このようにして、第1のシートと第2のシートとの間の漏れ止めクロージャが得られる。
【0038】
図3に更に示されているように、覆いは、機械的に耐性のある且つ再使用可能な複数個の第3のクロージャ部材31を更に備えている。第3のクロージャ部材31は各々、第1のシート20に連結された第1のクロージャ要素31‐1及び第2のシート21に連結された第2のクロージャ要素31‐2を有している。第1のクロージャ要素と第2のクロージャ要素は、閉じ状態にあるときに第1の軟質シートと第2の軟質シートの追加の取り付け部を形成するよう互いに相補している。第3のクロージャ部材は、両方が閉じ状態にあるとき、いつでも第1の機械的クロージャ部材22を橋渡しする。第3のクロージャ部材は、例えば、バックルで形成され、バックルの要素は、互いにクリップ止めされる。第3のクロージャ部材は、漏れ止め性に悪影響を及ぼさないよう第2のクロージャ部材によって覆われた空間内に設けられる。第1及び第2のクロージャ要素は、好ましくは、これらクロージャ要素が取り付けられるシートに縫い付けられている。第3のクロージャ部材が設けられていることにより、第1のシートと第2のシートとの間の機械的取り付け具合が向上する。第1のクロージャ部材の第1の部分と第2の部分をいったん互いに取り付けると、第3のクロージャ部材は、これらの閉じ状態になり、従って、第2のクロージャ部材は、これらの閉じ状態になる。
【0039】
図4a及び図4bは、3つ及び4つの異なるシートがクロージャ部材によって互いにどのように取り付けられるかを示している。図4aの実施形態では、第3のシート32が第1のシート20及び第2のシート21に取り付けられている。第1のシート20及び第3のシート32と第2のシート21の取り付けのため、第1のクロージャ部材22、第1のフラップ25、第2のフラップ26及び第3のクロージャ部材31は、実質的に水平方向に延び、これに対し、第1のシート20と第3のシート32の取り付けのため、クロージャ部材は、実質的に垂直方向に延びている。
【0040】
図4bで理解できるように、第1のクロージャ部材22の第1の部分23及び第2の部分24は、全てのシートの側方境界部に取り付けられ、そして実質的に水平方向に延びている。第1のシート20と第3のシート32の相互取り付け及び第4のシート33と第5のシート34の相互取り付けを可能にするため、第1のクロージャ部材は、第1のシート20及び第3のシート32の横方向境界部及び第4のシート33及び第5のシート34の横方向境界部にそれぞれ取り付けられた第3の部分35及び第4の部分36を更に有している。第1のクロージャ部材の第1及び第2の部分と同様、第3の部分35及び第4の部分36は、第1及び第3のシート並びに第4及び第5のシートを横方向に互いに取り付けたり取り外したりするよう設けられている。第1のクロージャ部材の第3の部分及び第4の部分は、第1の部分及び第2の部分と同様、好ましくは、これらのそれぞれ対応したシートに縫い付けられるか接着されるかのいずれかが行われ、かかる第3及び第4の部分は、ジッパ又は面ファスナー取り付け部材によって形成されている。
【0041】
第2のクロージャ部材は、第1のシート20及び第4のシート33に漏れ止め状態で連結された第3のフラップ37及び第3のシート32及び第5のシート34に漏れ止め状態で連結された第4のフラップ38を更に有している。フラップは、これらフラップが取り付けられているシートの横方向縁に沿って延びている。好ましくは、フラップは、これらフラップが取り付けられているそれぞれのシートの広がりの下に位置する表面を越えて延びる。以下において説明するように、これにより、テントを形成するために互いに取り付けられた異なるシートのコーナー部片上における漏れ止め取り付けが可能になる。
【0042】
第3のフラップ37及び第4のフラップ38は、第1のフラップ及び第2のフラップとちょうど同じように、漏れ止めシールによって互いに漏れ止め状態で取り付けられるよう設けられている。図3図4a及び図4bに更に示されているように、第3のシート、第4のシート及び第5のシートは、好ましくは、第3のクロージャ部材31を更に備え、これら第3のクロージャ部材は、実質的に水平方向及び垂直方向に延びている。
【0043】
第1のシート20、第2のシート21及び第3のシート32を図4aに示されているように組み立てるため、第1のシートと第2のシートを、例えば、第1のシートに取り付けられている第1のクロージャ部材の第1の部分23と第2のシート21に取り付けられている第1のクロージャ部材の第2の部分24を互いに引き寄せることによって互いに取り付ける。次に、第1のクロージャ部材の第1の部分と第2の部分を互いに取り付け、それにより第1のシートと第2のシートを互いに取り付ける。しかる後、第3のシート32を第1及び第2のシートの隣りに配置して第3のシートに取り付けられている第1のクロージャ部材の第1の部分23が第2のシート21に取り付けられている第1のクロージャ部材の第2の部分24の隣りに延びるようにする。しかる後、例えばジッパを用いて第1の部分と第2の部分を図5aに示されているように互いに取り付ける。第3のシートを第2のシートに取り付けることにより、第1のクロージャ部材の第3の部分と第4の部分36が互いに隣接して延び、それによりこれら部分を互いに取り付けることができ、その結果、第3のシート32と第1のシート20は、今や、互いに取り付けられるようになる。しかる後、第3のクロージャ部材31(もし設けられていれば)を閉じて第1のシートと第2のシートと第3のシートとの間の取り付け具合を図5bに示すように向上させる。
【0044】
これらシートをいったん互いに機械的に取り付けると、第2のクロージャ部材のフラップを図5a〜図5cに示されているように互いに取り付ける。これは、例えば、第3のフラップ37と第4のフラップ38を互いに引き寄せてこれらのそれぞれの縁40,41が互いに接触するようにすることによって開始される。次に、例えば縁40,41に沿って溶接を施す。第3及び第4のフラップが第1及び第3のシートの横方向縁を越えて延びる場合、施された溶接部も又、これら縁を越えて延び、その結果、フラップは、これらの長さ全体にわたって溶接されるようになる。第1及び第3のシートの横方向縁を越えて延びる区分では、フラップの両方の側方縁をこれらの横方向縁に溶接してフラップの周囲全体にわたって閉じられたシールが得られるようにする。
【0045】
しかる後、第3のシート32の第1のフラップ25と第2のシート21の第2のフラップを互いに結合してこれらの縁が互いに接触するようにする。次に、溶接を第3のシートの第1のフラップ25の縁29及び第1のフラップと平行に延びる第2のシート21の第2のフラップ26の区分に沿って施す。この場合も又、その結果生じた溶接部は、関連のフラップ区分の長さ全体にわたって延びる。しかる後、第1のシート20の第1のフラップ25と第2のシートの第2のフラップ26を第3及び第2のシートのうちの一方と同様な仕方で互いに溶接する。次に、第1、第3及び第2のシートの第1のフラップ25及び第2のフラップ26上に延びる第3のフラップ37及び第4のフラップ38の区分を、例えば溶接を第3のシートの第1のフラップ25及び第4のフラップの上縁と第3のシートの第1のフラップ及び第4のフラップの下縁区分との間に施すことによって互いに溶接する。次に、別の溶接をこの下縁区分と第1及び第2のシートの第1及び第2のフラップの縁区分との間に施す。最後に、第1及び第2のフラップの横方向縁を互いに溶接する。このようにして、漏れ止めクロージャが得られる。第1のクロージャ部材を通って生じる場合のある漏れは、フラップによって画定された容積部内に捕捉されたままになる。これらフラップは、側方縁及び横方向縁にわたって溶接されるので、漏れ止めエンクロージャが得られ、それにより、外部世界に達する覆いからの漏れが回避される。
【0046】
図4bに示されている4枚のシート相互間の連結は、図4aを参照して説明した連結と類似した仕方で実現され、従って、これについて詳細には説明しない。本発明の保護テントの漏れ止めクロージャ部材は、他のクロージャ部材を更に含んでも良い。例えば、他形式の第1の機械的クロージャ部材、例えば圧力ボタンを用いても良い。これらボタンを変形例としてステープリング又はリベット止めによって取り付けても良い。
【0047】
図6a及び図6bは、運搬できない大型の又は複雑なグローブボックスを分解するために設けられた大型保護テントを示している。テント3は、複数枚の隣り合って取り付けられた軟質シートから成る。覆いの幾つかの構成部分を覆うことができるかどうかに応じて、1枚又は2枚以上の軟質シート21がテントの底部に設けられる。一例として、極めて長い覆いを2つの長さが通常の覆い部分に分割することにより、製作及び運搬、長いけれども運搬できないグローブボックス周りでの立設並びに包装と細断を連続して行うことによる最終的な処分が容易になる。
【0048】
図6aは、直方体の幾何学的形状をした保護テント1を示している。それゆえ、本発明の保護テント1は、多種多様な寸法形状で利用することができ、しかも大きな形状又は複雑な形状のグローブボックスを覆うよう複雑な形状に合わせて製作できる。これが可能である理由は、覆い3を構成する軟質シートを上述の漏れ止めクロージャ部材によって互いに漏れ止め状態で取り付けることができることにある。
【0049】
図6bは、多数の直方体から成る幾何学的形状、即ち2つ以上の直方体を配置して得られた幾何学的形状の保護テント1を示している。この場合も又、この複雑な形状のテントの漏れ止め性は、覆い3の軟質シートを漏れ止めクロージャ部材によって互いに漏れ止め状態に取り付けることができるので達成される。
【0050】
複雑な寸法形状に対処するため、クロージャ部材は、真っ直ぐな又は湾曲したセグメントの配列体を有するのが良い。1つの真っ直ぐな又は湾曲したセグメントが別の真っ直ぐな又は湾曲したセグメントの隣りに位置決めされ、それにより、最後のセグメントが最初のセグメントに当接し、それにより連続した漏れ止めクロージャが得られる。
【0051】
図7は、いったん組み立てられた覆いの漏れ止め性を試験する方法を示している。保護テントの漏れ止め性を保つことが非常に重要なので、漏れ止め性は、代表的には、好ましくは取り付け後に、そしてそのライフタイムの間で幾つかの場合に更に測定される。例えば、漏れ止め性は、グローブボックスがテント内に導入された後に測定される。グローブボックスを分解目的でテント1内に導入することができるようにするため、覆いは、最初に開放され、次に閉鎖されなければならず、汚染状態のグローブボックスが内側にいったん位置すると、漏れ止め性が再び測定される。覆い内でのグローブボックスの分解に着手する前に、空気及び他のガスを覆いからポンプで排出し、次に所定の真空に達するようにする。次に、覆いへの全ての入口を封止することによって覆いを気密封止する。しかしながら、この方法は、かかる核エンクロージャの漏れ止め性を評価するのに十分正確ではない場合がある。特にグローブボックスを分解する上でのかかるエンクロージャの許容漏れ率は、代表的には、数10-3Paのオーダである。かかる漏れ止め性試験には、幾つかの誤差源、例えば温度と圧力との関係、エンクロージャ壁の最終的な柔軟性等がある。
【0052】
また、漏れ止め性は、覆い形テントの製造後に評価される。テントの隣り合うシート相互間(1枚の折り畳みシートの異なる縁相互間か異なるシートの縁相互間かのいずれか)に高品質継ぎ目を達成するため、テントは、あらかじめ作成され―好ましくは平行六面体として―それにより、品質保証プログラムが適応される。プロセス制御装置を備えた大型溶接機械(例えば、高周波又は抵抗溶接機)が溶接をシートに取り付けられたフラップに対して施すために専用製作所で用いられる。通常の条件下における全体的漏れ止め性及び偶発的条件に対する全体的耐性は、溶接の信頼性を実証するために分解作業に送られる前に最終製品について試験される。これら試験は、空で且つ非汚染状態の覆いを通常の真空及び偶発的真空下(例えば、通常の真空の2倍)に置くことにより実施される。漏れ止め性は、圧力増大方法を用いて測定される。
【0053】
本発明の介在テントの漏れ止め性を試験する方法は、
a)テントの接近ゲートを閉鎖してグローブボックス2の周りに覆い3を立設するステップを有する。
b)テント1の周りに外側使い捨てエンクロージャ45を設けるステップを有する。好ましくは、覆い3と外側使い捨てエンクロージャとの間には或る程度の距離が残される。
c)入口46を介してトレーサーガスを所定の濃度で覆い3内に入れるステップを有する。
d)覆い3とエンクロージャ45との間の空間内へのトレーサーガスの漏れ量を測定するステップを有する。
【0054】
覆い3の漏れは、覆いから出る空気の流量か外側使い捨てエンクロージャ45内のトレーサーガスの濃度かのいずれかを測定することにより判定可能である。トレーサーガスは、例えば、CO2、SF6又は冷媒ガスから選択される。
【0055】
先行技術の核エンクロージャの場合と同様、この検出及び/又は測定は、テントの換気システムに連結されたトレーサーガスセンサを用いて実施されるのが良い。有利には、トレーサーガス検出精度を高めると共にエンクロージャからの放射性ブローアウトを阻止するため、エンクロージャの内部は又、外側世界に対して真空状態にある。エンクロージャの漏れ止め性は、核エンクロージャ内のガスの濃度によって測定され、かかるガスの濃度は、エンクロージャ内の通常のトレーサーガスセンサを用いて得られる直接的な測定値である。真空を加えることにより、覆いからの放射性物質の漏れが阻止される。さらに、これは、この方法の精度の一因ともなる。というのは、覆い内に漏れこむトレーサーガスは、これから再び出るのが阻止され、かくして、測定誤差が減少するからである。有利には、外側エンクロージャ45内の全ガス圧力は、外側エンクロージャの外部の全ガス圧力よりも低いのが良い。これにより、試験ガスが外側エンクロージャから逃げ出る恐れが減少し、これは、トレーサーガスが全く有害ではないと言えない場合に特に有益である。かくして、外側エンクロージャ内を真空にした状態で漏れ止め性を試験することは、安全且つ正確な実施手段である。確かに、ガス及びガスに運ばれる物質、例えば有害物質は、漏れ止め覆い内を真空にすることによりエンクロージャから出るのが阻止され、これは、より正確なガス測定に寄与する。
【0056】
汚染状態のグローブボックスをテント内に導入し、隣り合うシートに取り付けられたフラップを溶接し又は接着することによりテント覆いを再び漏れ止め状態にした後、安全目的で漏れ止め性を再びチェックする必要がある。この段階で覆いを非可逆的に汚染する恐れを回避するため、圧力増大方法が覆いに対して用いられる場合、漏れ止め性のチェックは、好ましくは、ISO10648‐2法に従って一トレーサーガス方法で実施される。ヘリウムは、この漏れ量レベルをチェックする上で高価な流体なので、他のトレーサーガス、例えばCO2、SF6及び冷媒ガス(フレオンのようなガス)が考慮される。これらガスの使用は、人体にとって有毒であり且つ環境に対して衝撃を与えるので国際的な規約による制約を受ける。好ましくは、保護テント覆いの周りに、特に、トレーサーガスの使用品質を制限するために再使用可能な継ぎ手の周りに一時的覆いが構築される。真空のカスケード(Pglove box<Ptent envelope<Ptemporary envelope<Pworkshop)が、それぞれの環境及び濾過システムにより一時的に組織化され、それにより覆いの時期尚早な汚染を回避すると共にオペレータを覆いの時期尚早な偶発的汚染を受けないよう且つ有毒トレーサーガスの吸入をしないよう保護する。テント覆いの漏れ率は、規格ISO10648‐2に与えられている決まったやり方に従って試験エンクロージャ、テント覆い及びグローブボックス内の空気流量及びトレーサーガス濃度を測定することにより評価される。
【0057】
この仮設覆いがオペレータを受け入れるほど大型であり、適当な換気及び濾過が予期されることを条件として、この仮設覆いは、分解又は保守作業の間、偶発的汚染(例えば、グローブに設けられたピンホールを介して)の場合に作業所内での汚染の広がりを制限する追加の核封じ込めシステム(「第3のバリヤ」)としても利用可能である。
【0058】
クロージャ部材を用いて異なるシートを互いに取り付けることによって本発明のテントをいったん構築すると共に漏れ止め性をいったん試験すると、テントは、汚染状態の物体に対して介在するために使用可能である。クロージャ部材は、全て再使用可能なので、テントが介在中に汚染されない限り、テントを取り外すことが可能であり、これは、テントの内部で行われる。この目的のため、例えば施された溶接部又は施されたグルーストライプを切除することによってフラップを開く。このようにすると、第1のクロージャ部材及びもし設けられていれば第3のクロージャ部材への接近が再び行われ、これらを開くことができる。フラップは、当初、テントの取り付け取り外しを含む数回の使用を可能にするために例えば50cmの十分な幅を有している。
【0059】
テントを汚染状態の物体に対して介在するために数回用いることができるが、テントは、その寿命の間における一時点において、テントが損傷し又は破れるという理由かテントの汚染度が大きすぎるという理由かのいずれかによりそのライフサイクルの終わりに達する。テントがその寿命の終わりに達すると、テントを破棄して安全な仕方で保管する必要がある。好ましくは、テントを破棄する前に、覆いの内壁をスプレーで被覆する。その目的は、汚染粒子を覆いの内壁にできるだけ多くくっつけることにある。このようにすると、二次核廃棄物又は他の汚染廃棄物が生じる。覆いの構成材料が可燃性であり、これがハロゲンを含む場合があるということに鑑みて、かかる物質は、ドラム内に保管されるのが良い。この目的のため、ドラム内での保管を可能にするよう覆いを折り畳む必要がある。覆いの寸法に応じて、覆いは、ドラム内に直接保管されるか小片に切断された後に保管されるのが良い。
【0060】
図8は、本発明に従って保護及び使い捨て介在覆い3を保管する方法の種々のステップを示している。汚染空気又はガスが外部雰囲気に達するのを回避するため、覆い3は、その出口50を介して空気ポンプ輸送装置(図示せず)に連結される。覆いは、その支持構造体から取り外され、重力により地面上に落下する。空気ポンプ輸送装置は、覆いを取り外している間及び更に覆いが地面上に落下したときでも出口50に取り付けられたままである。
【0061】
覆いは、地面への落下によって、文字通り潰れ、従って、覆いを折り畳んでまとめ、それにより束状の構造体が得られる。また、この折り畳み中、ポンプ輸送装置は、稼働状態のままである。しかる後、折り畳んだ覆いを包装して包装状態の覆いを形成し、その間、空気及びガスを覆いの内側本体からポンプで送り出し続ける。覆いをいったん包装すると、ポンプ輸送装置は、覆いから切り離され、しかる後、覆いは、一次的管53内に移される。覆いがいったん一次的管内に入れられると、一次的管の両方の端部にシール51,52を被着させることにより封止される。一次的管は、好ましくは、ポリ塩化ビニル(PVC)で作られる。
【0062】
覆い図9(この図では3つの区分で作られた覆いが示されている)に示されているように大型の構造体から成る場合、各区分は、ポンプ輸送装置に連結される。これら区分は、折り畳み前に、フラップに切れ目を入れ、第1のクロージャ部材を開くと共に必要ならば第3のクロージャ部材を開くことによって互いに分離される。このようにして、これら区分があたかも個々の覆いであるかのようにこれら区分を別々に取り扱うことができる。
【0063】
覆いが一次的管53内にいったん収納されると、覆い及びその封止一次的管53を二次的管56内に移す。二次的管56は、図10に示されているように、好ましくは、ポリウレタンで作られ、その入口開口部のところにOリング54を備えている。これにより、二次的管及びその内容物をグローブボックス入口に取り付けることができ、ここで、覆い並びに一次的及び二次的管を廃棄することができる。Oリングの使用により、グローブボックスへの二次的管の実質的に漏れのない連結が可能である。覆いをグローブボックス内にいったん破棄すると、破棄した覆いを他の汚染状態の物体に用いられるのと同様な仕方でドラム内に保管することができる。
【0064】
図11は、図10を参照して説明した方法と類似の方法を示している。図11の方法は、二次的管が用いられないという点で図10の方法とは異なっている。覆いは、一次的管内に包み込まれた状態で、直接ドラム57内で保管される。
【符号の説明】
【0065】
覆い形テント
2 グローブボックス
覆い
5 ストラップ
6 支持体
7 エアロック
9 窓
11 グローブポート
20 第1のシート
22 第2のシート
22 第1のクロージャ部材
23 第1の部分
24 第2の部分
25,26 第2のクロージャ部材(第1のフラップ及び第2のフラップ)
27,28,29,30 縁
31 第3のクロージャ部材
31‐1 第1のクロージャ要素
31‐2 第2のクロージャ要素
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図5c
図6a
図6b
図7
図8
図9
図10
図11