特許第6080165号(P6080165)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6080165
(24)【登録日】2017年1月27日
(45)【発行日】2017年2月15日
(54)【発明の名称】ピラゾールカルボン酸誘導体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 231/20 20060101AFI20170206BHJP
   C07D 413/06 20060101ALI20170206BHJP
   C07C 241/02 20060101ALI20170206BHJP
   C07C 243/16 20060101ALI20170206BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20170206BHJP
【FI】
   C07D231/20 ZCSP
   C07D413/06
   C07C241/02
   C07C243/16
   !C07B61/00 300
【請求項の数】45
【全頁数】98
(21)【出願番号】特願2013-504775(P2013-504775)
(86)(22)【出願日】2012年3月15日
(86)【国際出願番号】JP2012056763
(87)【国際公開番号】WO2012124781
(87)【国際公開日】20120920
【審査請求日】2015年1月6日
(31)【優先権主張番号】特願2011-58817(P2011-58817)
(32)【優先日】2011年3月17日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001926
【氏名又は名称】塩野義製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108970
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 秀晃
(74)【代理人】
【識別番号】100113789
【弁理士】
【氏名又は名称】杉田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100103230
【弁理士】
【氏名又は名称】高山 裕貢
(72)【発明者】
【氏名】上仲 正朗
(72)【発明者】
【氏名】米澤 秀爾
(72)【発明者】
【氏名】飯田 聖
(72)【発明者】
【氏名】高木 睦実
(72)【発明者】
【氏名】小川 知行
(72)【発明者】
【氏名】合田 哲史
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 佳克
(72)【発明者】
【氏名】福田 知広
【審査官】 榎本 佳予子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/058346(WO,A1)
【文献】 特表2008−545768(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/142986(WO,A1)
【文献】 特表2007−513196(JP,A)
【文献】 特開平10−195068(JP,A)
【文献】 芹澤一英,医薬品の多形現象と晶析の化学,2002年,p.273,278,305-17
【文献】 社団法人日本化学会,第4版 実験化学講座22 有機合成IV−酸・アミノ酸・ペプチド−,丸善株式会社,1992年11月30日,p.115-123,137-146
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
C07C
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(VI):
【化1】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物と、
式(VII):R−CN
(式中、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物をハロゲン化剤の存在下で反応させる、
式(VIII):
【化2】

(式中、R、R、R、RおよびRは前記と同意義であり、Xはハロゲンである。)で示される化合物またはその塩の製造方法。
【請求項2】
ハロゲン化剤がN−ハロゲノスクシンイミド、N−ハロゲノアセトアミド、またはハロゲン分子である、請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
ハロゲン化剤がN−ブロモスクシンイミド、N−ブロモアセトアミド、N−クロロスクシンイミドまたはIである、請求項2記載の製造方法。
【請求項4】
ルイス酸の存在下で反応させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
【請求項5】
ルイス酸が三フッ化ホウ素・エーテル錯塩または金属ハロゲン化物である、請求項4記載の製造方法。
【請求項6】
ルイス酸が三フッ化ホウ素・n−ブチルエーテル錯塩、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯塩またはSnClである、請求項5記載の製造方法。
【請求項7】
式(VIII):
【化3】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Xはハロゲンである。)で示される化合物と、塩基を反応させる、
式(IX):
【化4】

(式中、R、R、R、RおよびRは前記と同意義)で示される化合物またはその塩の製造方法。
【請求項8】
塩基が有機塩基である、請求項7記載の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法を包含する、請求項7記載の式(IX)で示される化合物またはその塩の製造方法。
【請求項10】
式(IX):
【化5】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物と、塩基を反応させる、
式(X):
【化6】

(式中、R、R、R、RおよびRは前記と同意義)で示される化合物またはその塩の製造方法。
【請求項11】
塩基が金属アルコキシドである、請求項10記載の製造方法。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法を包含する、請求項10記載の式(X)で示される化合物またはその塩の製造方法。
【請求項13】
式(X):
【化7】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびR同一の置換もしくは非置換のアルキルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物を加水分解する、
式(XI):
【化8】

(式中、R、R、RおよびRは前記と同意義)で示される化合物またはその塩の製造方法。
【請求項14】
式(VI):
【化9】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、RおよびRは同一の基ではない。)で示される化合物を加水分解する、
式(XV):
【化10】

(式中、R、RおよびRは前記と同意義)で示される化合物またはその塩の製造方法。
【請求項15】
式(XV):
【化11】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物を
式(XVII):R−OH(式中、RはRと同一の基である。)で示される化合物と反応させる、
式(VI):
【化12】

(式中、R、R、RおよびRは前記と同意義である。)で示される化合物またはその塩の製造方法。
【請求項16】
式(XV):
【化13】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物に、ハロゲン化剤を反応させ、
式(XVI):
【化14】

(式中、R、RおよびRは前記と同意義であり、Xはハロゲンである。)で示される化合物またはその塩を得、
式(XVII):R−OH(式中、RはRと同一の基である。)で示される化合物と反応させる、式(VI):
【化12】

(式中、R、R、RおよびRは前記と同意義である。)で示される化合物またはその塩の製造方法。
【請求項17】
ハロゲン化剤が、オキシハロゲン化リン、五ハロゲン化リン、オキザリルハライド、ハロゲン化チオニルから選択されるものである、請求項16記載の製造方法。
【請求項18】
請求項14記載の製造方法を包含する、請求項15記載の式(VI)で示される化合物またはその塩の製造方法。
【請求項19】
請求項1〜12および14〜18のいずれかに記載の製造方法を包含する、請求項13記載の式(XI)で示される化合物またはその塩の製造方法。
【請求項20】
式(I):
【化15】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)
で示される化合物に、
式(II):
【化16】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Xは脱離基である。)で示される化合物を反応させる、
式(III):
【化17】

(式中、R、R、RおよびRは前記と同意義)で示される化合物またはその塩の製造方法。
【請求項21】
式(III):
【化18】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物と、塩基を反応させる、
式(IV):
【化19】

(式中、R、RおよびRは前記と同意義)で示される化合物またはその塩の製造方法。
【請求項22】
請求項20記載の製造方法を包含する、請求項21記載の式(IV)で示される化合物またはその塩の製造方法。
【請求項23】
式(IV):
【化20】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物と、
式(V):R−X
(式中、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Xは脱離基である。)で示される化合物を塩基の存在下で反応させる、
式(VI):
【化21】

(式中、R、R、RおよびRは前記と同意義)で示される化合物またはその塩の製造方法。
【請求項24】
請求項20〜22のいずれかに記載の製造方法を包含する、請求項23記載の式(VI)で示される化合物またはその塩の製造方法。
【請求項25】
請求項24記載の製造方法を包含する、請求項19記載の製造方法。
【請求項26】
およびRが置換もしくは非置換のアルキルである、請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
【請求項27】
が置換もしくは非置換のアルキルである、請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
【請求項28】
およびRが同一の置換もしくは非置換のアルキルである、請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
【請求項29】
請求項1〜28のいずれかに記載の方法を含む、式(XIII):
【化22】

(式中、R、R、RおよびRは請求項13と同意義であり、Rは式:−OR(式中、Rは水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される基、式:−(CR10)m−NR11−R12(式中、R12は置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイルまたは置換もしくは非置換のスルファモイルであり、R11は水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rはそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはハロゲンであり、R10はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはハロゲンであり、mは0〜3の整数である。)で示される基、または
式:−(CR10)m−O−C(O)−NR13−R14(式中、R13およびR14はそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、R、R10およびmは前記と同意義である。)で示される基である。)で示される化合物またはその塩の製造方法。
【請求項30】
請求項1〜28のいずれかに記載の方法を含む製造方法により
式(XI):
【化23】

(式中、R、R、RおよびRは請求項13と同意義)で示される化合物を得、
得られた式(XI)で示される化合物を
式(XII):
【化24】

(式中、Rは、式:−OR(式中、Rは水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される基、式:−(CR10)m−NR11−R12(式中、R12は置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイルまたは置換もしくは非置換のスルファモイルであり、R11は水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rはそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはハロゲンであり、R10はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはハロゲンであり、mは0〜3の整数である。)で示される基、または
式:−(CR10)m−O−C(O)−NR13−R14(式中、R13およびR14はそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、R、R10およびmは前記と同意義である。)で示される基である。)で示される化合物と反応させる、
式(XIII):
【化25】

(式中、R、R、R、RおよびRは前記と同意義)で示される化合物またはその塩の製造方法。
【請求項31】
縮合剤の存在下で反応させることを特徴とする、請求項30記載の製造方法。
【請求項32】
縮合剤が、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミドおよび1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩から選択される1以上のものである、請求項31記載の製造方法。
【請求項33】
1−ヒドロキシベンゾトリアゾールおよびN−ヒドロキシスクシンイミドから選択される1以上の添加剤の存在下で反応させることを特徴とする、請求項31または32記載の製造方法。
【請求項34】
式(XI):
【化26】

(式中、R、R、RおよびRは請求項13と同意義)で示される化合物に、ハロゲン化剤を反応させ、
式(XIV):
【化27】

(式中、R、R、RおよびRは前記と同意義であり、Xはハロゲンである。)で示される化合物またはその塩を得る工程を含むものである、請求項30記載の製造方法。
【請求項35】
ハロゲン化剤が、オキシハロゲン化リン、五ハロゲン化リン、オキザリルハライドまたはハロゲン化チオニルから選択されるものである、請求項34記載の製造方法。
【請求項36】
式(III):
【化28】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物またはその塩。
【請求項37】
式(IV):
【化29】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物またはその塩。
【請求項38】
式(VI):
【化30】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物またはその塩。
【請求項39】
式(VIII):
【化31】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Xはハロゲンである。)で示される化合物またはその塩。
【請求項40】
式(IX):
【化32】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物またはその塩。
【請求項41】
式(X):
【化33】

(式中、R、RおよびRがメチルであり、Rがイソプロピルであり、Rがイソプロピルである。)で示される化合物またはその塩。
【請求項42】
式(XI):
【化34】

(式中、R、RおよびRはそれぞれメチルであり、Rはイソプロピルである。)で示される化合物またはその塩。
【請求項43】
式(XV):
【化35】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物またはその塩。
【請求項44】
式(XIII):
【化36】

(式中、RおよびRはメチルであり、Rはイソプロピルであり、Rはメチルであり、Rは式:−(CR10)m−O−C(O)−NR13−R14(式中、R13およびR14は水素であり、mは0である。)で示される基である。)で示される化合物またはその塩を、アセトンまたは1―プロパノールと水の比が3/1〜4/1である混合溶媒を用いて結晶化する、
式(XIII):
【化37】

(式中、R、R、R、RおよびRは前記と同意義である。)で示される化合物の非溶媒和物の結晶製造方法。
【請求項45】
式(XIII):
【化38】

(式中、RおよびRはメチルであり、Rはイソプロピルであり、Rはメチルであり、Rは式:−(CR10)m−O−C(O)−NR13−R14(式中、R13およびR14はそれぞれ独立して水素であり、mはである。)で示される基である。)で示される化合物のメタノール和物の結晶25%〜80%のアセトンを含有する水または20%〜75%の2−プロパノールを含有する水を用いて結晶変換する、
式(XIII):
【化39】

(式中、R、R、R、RおよびRは前記と同意義である。)で示される化合物の非溶媒和物の結晶製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピラゾールカルボン酸誘導体およびそれを用いた11βHSD−1阻害剤(I型11βヒドロキシステロイド脱水素酵素阻害剤)の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ピラゾールカルボン酸誘導体は医薬品合成原料または中間体として有用な化合物であり、例えば、式(XIII):
【化1】

で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物の合成中間体として利用可能である。式(XIII)で示される化合物は、11βHSD−1阻害活性を有し、該化合物を含有する医薬組成物はII型糖尿病治療剤として有用であることが知られている(特許文献1、特許文献2)。
特許文献1には、上記化合物のピラゾール1位の側鎖を構築する方法として、実施例30に以下の記載がある。
【化2】

特許文献1には、上記化合物23のピラゾール1位の側鎖を構築する方法として、実施例29に以下の記載がある。
【化3】

特許文献1記載の方法は、上記式(XIII)で示される化合物のピラゾール1位の側鎖を構築するまでに多段階を経る必要がある。また、側鎖構築までに3度のカラム処理および低温処理が必要であり、試薬としても爆発性の2−ヨードキシ安息香酸(IBX)や腐食性のトリフルオロ酢酸(TFA)などを用いる必要があり工業的製造法としては不向きである。
特許文献2にも同様に、上記式(XIII)で示される化合物のピラゾール1位の側鎖を構築する方法として、実施例86に以下の記載がある。
【化4】

更に特許文献1には、ピラゾール環を形成する方法として、実施例8に以下の記載がある。
【化5】

非特許文献1には、シクロヘキセンをハロアミド化する方法として、以下の記載がある。
【化6】

また、非特許文献1には、シクロヘキセンをハロアミド化した後、トリエチルアミンを反応させることによりオキサゾリン環を形成させる方法が記載されている。
しかし、いずれの文献にも本発明のピラゾールカルボン酸誘導体およびそれを用いた式(XIII)で示される化合物の製造方法は記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2007/058346号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2008/142986号パンフレット
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Journal of the American Chemical Society 2006、128、9644−9645
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、医薬品の合成原料または中間体として有用な式(XI):
【化7】

で示されるピラゾールカルボン酸誘導体の効率的な製造法を提供することである。
詳しくは、式(XIII):
【化8】

で示される化合物またはその塩を効率的に製造する上で有用な中間体であるピラゾールカルボン酸誘導体の製造方法を提供する。また、それら中間体を用いた式(XIII)で示される化合物またはその塩の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、ピラゾールカルボン酸誘導体の効率的な製造方法として、式(VI):
【化9】

で示される化合物をハロアミド化した後、塩基と反応させることにより、式(IX):
【化10】

で示される化合物を得、得られた式(IX)で示される化合物を塩基と反応させることにより、式(X):
【化11】

で示される化合物を得、更に加水分解することにより式(XI):
【化12】

で示されるピラゾールカルボン酸誘導体を効率よく製造することができることを見出した。
また、本発明者は、式(IX)で示される化合物を塩基と反応させることにより、式(X)で示される化合物を得る工程において、以下に示すとおり、式(X−1)で示される化合物が副生することを見出した。
【化13】

更に本発明者は、上記工程において、RとRを同一の基にすることで、効率よく式(XI)示される化合物を製造することができることを見出した。すなわち、RとRを同一の基にすることで、ピラゾール5位の−ORが−ORに置き換わったとしても、生成する式(X−1)で示される化合物を式(X)で示される化合物と同じ化合物にすることができる。
具体的には、式(VI):
【化14】

(式中、RおよびRは同一の基ではない。)
で示される化合物を加水分解することにより、式(XV):
【化15】

で示される化合物を得、得られた式(XV)で示される化合物を式(XVII):R−OH(式中、RはRと同一の基である。)で示される化合物と反応させることにより、式(VI):
【化16】

(式中、RとRは同一の基である。)
で示される化合物を得ることができる。その後の工程については、上記したのと同様、式(VI):
【化17】

(式中、RとRは同一の基である。)
で示される化合物をハロアミド化した後、塩基と反応させることにより、式(IX):
【化18】

(式中、RとRは同一の基である。)
で示される化合物を得、得られた式(IX)で示される化合物を塩基と反応させることにより、式(X):
【化19】

(式中、RとRは同一の基である。)
で示される化合物を得、更に加水分解することにより式(XI):
【化20】

で示される化合物を得ることができる。
本発明者は、更に式(XI):
【化21】

で示される化合物と式(XII):
【化22】

で示される化合物を反応させることにより、効率的に式(XIII):
【化23】

で示される化合物を製造することができることを見出した。
先行技術記載の方法は、式(XVIII):
【化24】

で示される化合物を製造した後に、アダマンタン骨格上の水酸基の修飾を行うものである。
このルートは、多段階を経て製造された式(XVIII)で示される化合物を原料としてさらに反応を行う必要があるので、その後の修飾反応の収率や最終目的物までのステップ数によっては、経済的ではない。
また、式(XVIII)で示される化合物は、溶解性が低く使用できる溶媒に制限がある。式(XVIII)で示される化合物を溶解させることができる溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)が挙げられるが、アダマンタン骨格上の水酸基の修飾を行うために使用するクロロスルホニルイソシアネート(CSI)がTHFと反応してポリマーを形成してしまうという問題点があることがわかった。
本発明のように先に所望の基を有するアダマンタンアミン誘導体と式(XI):
【化25】

で示される化合物を反応させることにより、式(XIII)で示される化合物を効率よく製造することができることを見出した。
なお、式(XII):
【化26】

で示される化合物は、国際公開第2011/078101号パンフレット及び国際公開第2012/020724号パンフレット記載の方法に順じて製造することができる。
【0007】
本発明者は、以下の発明を完成した。
(1)
式(VI):
【化27】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物と、
式(VII):R−CN
(式中、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物をハロゲン化剤の存在下で反応させる、
式(VIII):
【化28】

(式中、R、R、R、RおよびRは前記と同意義であり、Xはハロゲンである。)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(2)
ハロゲン化剤がN−ハロゲノスクシンイミド、N−ハロゲノアセトアミド、またはハロゲン分子である、前記(1)記載の製造方法。
(3)
ハロゲン化剤がN−ブロモスクシンイミド、N−ブロモアセトアミド、N−クロロスクシンイミドまたはIである、前記(2)記載の製造方法。
(4)
ルイス酸の存在下で反応させることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)
ルイス酸が三フッ化ホウ素・エーテル錯塩または金属ハロゲン化物である、前記(4)記載の製造方法。
(6)
ルイス酸が三フッ化ホウ素・n−ブチルエーテル錯塩、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯塩またはSnClである、前記(5)記載の製造方法。
(7)
式(VIII):
【化29】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Xはハロゲンである。)で示される化合物と、塩基を反応させる、
式(IX):
【化30】

(式中、R、R、R、RおよびRは前記と同意義)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(8)
塩基が有機塩基である、前記(7)記載の製造方法。
(9)
前記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法を包含する、前記(7)記載の式(IX)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(10)
式(IX):
【化31】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物と、塩基を反応させる、
式(X):
【化32】

(式中、R、R、R、RおよびRは前記と同意義)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(11)
塩基が金属アルコキシドである、前記(10)記載の製造方法。
(12)
前記(1)〜(9)のいずれかに記載の製造方法を包含する、前記(10)記載の式(X)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(13)
式(X):
【化33】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物を加水分解する、
式(XI):
【化34】

(式中、R、R、RおよびRは前記と同意義)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(14)
式(VI):
【化35】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、RおよびRは同一の基ではない。)で示される化合物を加水分解する、
式(XV):
【化36】

(式中、R、RおよびRは前記と同意義)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(15)
式(XV):
【化37】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物を
式(XVII):R−OH(式中、RはRと同一の基である。)で示される化合物と反応させる、
式(VI):
【化38】

(式中、R、R、RおよびRは前記と同意義である。)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(16)
式(XV):
【化39】

(式中、R、RおよびRは前記(15)と同意義)で示される化合物に、ハロゲン化剤を反応させ、
式(XVI):
【化40】

(式中、R、RおよびRは前記と同意義であり、Xはハロゲンである。)で示される化合物またはその塩を得る工程を含むものである、前記(15)記載の製造方法。
(17)
ハロゲン化剤が、オキシハロゲン化リン、五ハロゲン化リン、オキザリルハライド、ハロゲン化チオニルから選択されるものである、前記(16)記載の製造方法。
(18)
前記(14)記載の製造方法を包含する、前記(15)記載の式(VI)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(19)
前記(1)〜(18)のいずれかに記載の製造方法を包含する、前記(13)記載の式(XI)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(20)
式(I):
【化41】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)
で示される化合物に、
式(II):
【化42】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Xは脱離基である。)で示される化合物を反応させる、
式(III):
【化43】

(式中、R、R、RおよびRは前記と同意義)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(21)
式(III):
【化44】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物と、塩基を反応させる、
式(IV):
【化45】

(式中、R、RおよびRは前記と同意義)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(22)
前記(20)記載の製造方法を包含する、前記(21)記載の式(IV)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(23)
式(IV):
【化46】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物と、
式(V):R−X
(式中、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Xは脱離基である。)で示される化合物を塩基の存在下で反応させる、
式(VI):
【化47】

(式中、R、R、RおよびRは前記と同意義)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(24)
前記(20)〜(22)のいずれかに記載の製造方法を包含する、前記(23)記載の式(VI)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(25)
前記(24)記載の製造方法を包含する、前記(19)記載の製造方法。
(26)
およびRが置換もしくは非置換のアルキルである、前記(1)〜(25)のいずれかに記載の製造方法。
(27)
が置換もしくは非置換のアルキルである、前記(1)〜(19)、(23)〜(25)のいずれかに記載の製造方法。
(28)
およびRが同一の置換もしくは非置換のアルキルである、前記(1)〜(19)、(23)〜(25)のいずれかに記載の製造方法。
(29)
前記(1)〜(28)のいずれかに記載の方法を含む、式(XIII):
【化48】

(式中、R、R、RおよびRは前記(13)と同意義であり、Rは式:−OR(式中、Rは水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される基、式:−(CR10)m−NR11−R12(式中、R12は置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイルまたは置換もしくは非置換のスルファモイルであり、R11は水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rはそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはハロゲンであり、R10はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはハロゲンであり、mは0〜3の整数である。)で示される基、または
式:−(CR10)m−O−C(O)−NR13−R14(式中、R13およびR14はそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、R、R10およびmは前記と同意義である。)で示される基である。)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(30)
前記(1)〜(28)のいずれかに記載の方法を含む製造方法により
式(XI):
【化49】

(式中、R、R、RおよびRは前記(13)と同意義)で示される化合物を得、
得られた式(XI)で示される化合物を
式(XII):
【化50】

(式中、Rは、式:−OR(式中、Rは水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される基、式:−(CR10)m−NR11−R12(式中、R12は置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイルまたは置換もしくは非置換のスルファモイルであり、R11は水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rはそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはハロゲンであり、R10はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはハロゲンであり、mは0〜3の整数である。)で示される基、または
式:−(CR10)m−O−C(O)−NR13−R14(式中、R13およびR14はそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、R、R10およびmは前記と同意義である。)で示される基である。)で示される化合物と反応させる、
式(XIII):
【化51】

(式中、R、R、R、RおよびRは前記と同意義)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(31)
縮合剤の存在下で反応させることを特徴とする、前記(30)記載の製造方法。
(32)
縮合剤が、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミドおよび1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩から選択される1以上のものである、前記(31)記載の製造方法。
(33)
1−ヒドロキシベンゾトリアゾールおよびN−ヒドロキシスクシンイミドから選択される1以上の添加剤の存在下で反応させることを特徴とする、前記(31)または(32)記載の製造方法。
(34)
式(XI):
【化52】

(式中、R、R、RおよびRは前記(13)と同意義)で示される化合物に、ハロゲン化剤を反応させ、
式(XIV):
【化53】

(式中、R、R、RおよびRは前記と同意義であり、Xはハロゲンである。)で示される化合物またはその塩を得る工程を含むものである、前記(30)記載の製造方法。
(35)
ハロゲン化剤が、オキシハロゲン化リン、五ハロゲン化リン、オキザリルハライドまたはハロゲン化チオニルから選択されるものである、前記(34)記載の製造方法。
(36)
式(III):
【化54】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物またはその塩。
(36−1)
およびRがメチルであり、RおよびRがそれぞれ独立してアルキルである、前記(36)記載の化合物またはその塩。
(36−2)
およびRがエチルである、前記(36−1)記載の化合物またはその塩。
(37)
式(IV):
【化55】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物またはその塩。
(37−1)
およびRがメチルであり、Rがアルキルである、前記(37)記載の化合物またはその塩。
(37−2)
がエチルである、前記(37−1)記載の化合物またはその塩。
(37−3)
粉末X線回折の2θの値が8.2±0.2、12.4±0.2、18.3±0.2、24.5±0.2および25.6±0.2度から選択される2つ以上の2θを有する、前記(37−2)記載の化合物またはその塩の結晶。
(38)
式(VI):
【化56】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物またはその塩。
(38−1)
およびRがメチルであり、RおよびRがそれぞれ独立してアルキルである、前記(38)記載の化合物またはその塩。
(38−2)
がエチル、n−プロピル、イソプロピルまたはイソブチルである、前記(38−1)記載の化合物またはその塩。
(38−3)
がエチルである、前記(38−1)または(38−2)記載の化合物またはその塩。
(38−4)
がイソプロピルである、前記(38−1)または(38−2)記載の化合物またはその塩。
(39)
式(VIII):
【化57】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Xはハロゲンである。)で示される化合物またはその塩。
(39−1)
、RおよびRがメチルであり、RおよびRがそれぞれ独立してアルキルである、前記(39)記載の化合物またはその塩。
(39−2)
がエチル、n−プロピル、イソプロピルまたはイソブチルである、前記(39−1)記載の化合物またはその塩。
(39−3)
がエチルである、前記(39−1)または(39−2)記載の化合物またはその塩。
(39−4)
がイソプロピルである、前記(39−1)または(39−2)記載の化合物またはその塩。
(40)
式(IX):
【化58】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物またはその塩。
(40−1)
、RおよびRがメチルであり、RおよびRがそれぞれ独立してアルキルである、前記(40)記載の化合物またはその塩。
(40−2)
がエチル、n−プロピル、イソプロピルまたはイソブチルである、前記(40−1)記載の化合物またはその塩。
(40−3)
がエチルである、前記(40−1)または(40−2)記載の化合物またはその塩。
(40−4)
がイソプロピルである、前記(40−1)または(40−2)記載の化合物またはその塩。
(41)
式(X):
【化59】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。但し、Rがイソブチルである化合物を除く。)で示される化合物またはその塩。
(41−1)
、RおよびRがメチルであり、Rがイソプロピルであり、Rがアルキルである、前記(41)記載の化合物またはその塩。
(41−2)
がイソプロピルである、前記(41−1)記載の化合物またはその塩。
(41−3)
粉末X線回折の2θの値が12.7±0.2、13.9±0.2、15.2±0.2、15.5±0.2、17.2±0.2、18.2±0.2、18.6±0.2、19.9±0.2および20.2±0.2度から選択される2つ以上の2θを有する、前記(41−2)記載の化合物またはその塩の結晶。
(41−4)
がエチルである、前記(41−1)記載の化合物またはその塩。
(42)
式(XI):
【化60】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。但し、Rがイソブチルである化合物を除く。)で示される化合物またはその塩。
(42−1)
、RおよびRがメチルであり、Rがエチルである、前記(42)記載の化合物またはその塩。
(42−2)
粉末X線回折の2θの値が9.0±0.2、13.0±0.2、13.9±0.2、15.0±0.2、15.6±0.2、18.9±0.2、22.0±0.2、22.3±0.2、23.1±0.2、24.3±0.2、25.0±0.2および25.4±0.2度から選択される2つ以上の2θを有する、前記(42−1)記載の化合物またはその塩の結晶。
(42−3)
、RおよびRがメチルであり、Rがn−プロピルである、前記(42)記載の化合物またはその塩。
(42−4)
粉末X線回折の2θの値が8.5±0.2、11.4±0.2、14.2±0.2、18.1±0.2、19.4±0.2、21.1±0.2、23.9±0.2および26.4±0.2度から選択される2つ以上の2θを有する、前記(42−3)記載の化合物またはその塩の結晶。
(42−5)
、RおよびRがメチルであり、Rがイソプロピルである、前記(42)記載の化合物またはその塩。
(42−6)
粉末X線回折の2θの値が8.7±0.2、11.3±0.2、14.3±0.2、15.0±0.2、17.5±0.2、19.4±0.2、21.1±0.2、22.7±0.2、24.3±0.2、24.8±0.2および26.0±0.2度から選択される2つ以上の2θを有する、前記(42−5)記載の化合物またはその塩の結晶。
(42−7)
粉末X線回折の2θの値が12.6±0.2、13.7±0.2、15.3±0.2、17.9±0.2、20.1±0.2、20.6±0.2、21.2±0.2、23.5±0.2、25.4±0.2および31.0±0.2度から選択される2つ以上の2θを有する、前記(42−5)記載の化合物またはその塩の結晶。
(42−8)
粉末X線回折の2θの値が8.7±0.2、9.4±0.2、11.3±0.2、14.3±0.2、16.3±0.2、18.9±0.2、20.2±0.2、23.1±0.2、27.7±0.2および30.5±0.2度から選択される2つ以上の2θを有する、前記(42−5)記載の化合物またはその塩の結晶。
(42−9)
、RおよびRがメチルであり、Rがイソブチルである、前記(42)記載の化合物またはその塩。
(42−10)
粉末X線回折の2θの値が10.6±0.2、11.5±0.2、17.6±0.2、18.0±0.2、18.6±0.2、19.5±0.2、19.9±0.2、23.1±0.2、24.8±0.2、27.5±0.2および27.9±0.2度から選択される2つ以上の2θを有する、前記(42−9)記載の化合物またはその塩の結晶。
(43)
式(XV):
【化61】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物またはその塩。
(43−1)
およびRがメチルであり、Rがイソプロピルである、前記(43)記載の化合物またはその塩。
(43−2)
粉末X線回折の2θの値が12.0±0.2および20.3±0.2度の2θを有する、前記(43−1)記載の化合物またはその塩の結晶。
(44)
式(XIII):
【化62】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Rは式:−OR(式中、Rは水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される基、式:−(CR10)m−NR11−R12(式中、R12は置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイルまたは置換もしくは非置換のスルファモイルであり、R11は水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rはそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはハロゲンであり、R10はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはハロゲンであり、mは0〜3の整数である。)で示される基、または
式:−(CR10)m−O−C(O)−NR13−R14(式中、R13およびR14はそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、R、R10およびmは前記と同意義である。)で示される基である。)で示される化合物またはその塩を、メタノールを実質的に含まない溶媒を用いて結晶化する、
式(XIII):
【化63】

(式中、R、R、R、RおよびRは前記と同意義である。)で示される化合物の非溶媒和物の結晶または当該化合物の塩の非溶媒和物の結晶の製造方法。
(45)
式(XIII):
【化64】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Rは式:−OR(式中、Rは水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される基、式:−(CR10)m−NR11−R12(式中、R12は置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイルまたは置換もしくは非置換のスルファモイルであり、R11は水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rはそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはハロゲンであり、R10はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはハロゲンであり、mは0〜3の整数である。)で示される基、または
式:−(CR10)m−O−C(O)−NR13−R14(式中、R13およびR14はそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、R、R10およびmは前記と同意義である。)で示される基である。)で示される化合物のメタノール和物の結晶または当該化合物の塩のメタノール和物の結晶を、30%(V/V)以上のメタノールを含まない溶媒を用いて結晶変換する、
式(XIII):
【化65】

(式中、R、R、R、RおよびRは前記と同意義である。)で示される化合物の非溶媒和物の結晶または当該化合物の塩の非溶媒和物の結晶の製造方法。

更に本発明者は、以下の発明を完成した。
(1A)
式(I):
【化66】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)
で示される化合物に、
式(II):
【化67】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Xは脱離基である。)で示される化合物を反応させる、
式(III):
【化68】

(式中、R、R、RおよびRは前記と同意義)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(2A)
式(III):
【化69】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物と、塩基を反応させる、
式(IV):
【化70】

(式中、R、RおよびRは前記と同意義)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(3A)
式(IV):
【化71】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物と、
式(V):R−X
(式中、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Xは脱離基である。)で示される化合物を塩基の存在下で反応させる、
式(VI):
【化72】

(式中、R、R、RおよびRは前記と同意義)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(4A)
式(VI):
【化73】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物と、
式(VII):R−CN
(式中、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物をハロゲン化剤の存在下で反応させる、
式(VIII):
【化74】

(式中、R、R、R、RおよびRは前記と同意義であり、Xはハロゲンである。)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(5A)
ハロゲン化剤がN−ハロゲノスクシンイミド、N−ハロゲノアセトアミド、またはハロゲン分子である、前記(4A)記載の製造方法。
(6A)
ハロゲン化剤がN−ブロモスクシンイミド、N−ブロモアセトアミド、N−クロロスクシンイミドまたはIである、前記(5A)記載の製造方法。
(7A)
ルイス酸の存在下で反応させることを特徴とする前記(4A)〜(6A)のいずれかに記載の製造方法。
(8A)
ルイス酸が三フッ化ホウ素・エーテル錯塩または金属ハロゲン化物である、前記(7A)記載の製造方法。
(9A)
ルイス酸が三フッ化ホウ素・n−ブチルエーテル錯塩、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯塩またはSnClである、前記(8A)記載の製造方法。
(10A)
式(VIII):
【化75】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Xはハロゲンである。)で示される化合物と、塩基を反応させる、
式(IX):
【化76】

(式中、R、R、R、RおよびRは前記と同意義)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(11A)
塩基が有機塩基である、前記(10A)記載の製造方法。
(12A)
式(IX):
【化77】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物と、塩基を反応させる、
式(X):
【化78】

(式中、R、R、R、RおよびRは前記と同意義)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(13A)
塩基が金属アルコキシドである、前記(12A)記載の製造方法。
(14A)
式(X):
【化79】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物を加水分解する、
式(XI):
【化80】

(式中、R、R、RおよびRは前記と同意義)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(15A)
およびRが置換もしくは非置換のアルキルである、前記(1A)〜(14A)のいずれかに記載の製造方法。
(16A)
が置換もしくは非置換のアルキルである、前記(3A)〜(15A)のいずれかに記載の製造方法。
(17A)
およびRが同一の置換もしくは非置換のアルキルである、前記(3A)〜(16A)のいずれかに記載の製造方法。
(18A)
式(VI):
【化81】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、RおよびRは同一の基ではない。)で示される化合物を加水分解する、
式(XV):
【化82】

(式中、R、RおよびRは前記と同意義)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(19A)
式(XV):
【化83】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物を
式(XVII):R−OH(式中、RはRと同一の基である。)で示される化合物と反応させる、
式(VI):
【化84】

(式中、R、R、RおよびRは前記と同意義である。)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(20A)
式(XV):
【化85】

(式中、R、RおよびRは前記(19A)と同意義)で示される化合物に、ハロゲン化剤を反応させ、
式(XVI):
【化86】

(式中、R、RおよびRは前記と同意義であり、Xはハロゲンである。)で示される化合物またはその塩を得る工程を含むものである、前記(19A)記載の製造方法。
(21A)
ハロゲン化剤が、オキシハロゲン化リン、五ハロゲン化リン、オキザリルハライド、ハロゲン化チオニルから選択されるものである、前記(20A)記載の製造方法。
(22A)
前記(1A)〜(21A)のいずれかに記載の方法を含む、式(XIII):
【化87】

(式中、R、R、RおよびRは前記(14A)と同意義であり、Rは式:−OR(式中、Rは水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される基、式:−(CR10)m−NR11−R12(式中、R12は置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイルまたは置換もしくは非置換のスルファモイルであり、R11は水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびR10はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはハロゲンであり、mは0〜3の整数である。)で示される基、または
式:−(CR10)m−O−C(O)−NR13−R14(式中、R13およびR14はそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、R、R10およびmは前記と同意義である。)で示される基である。)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(23A)
前記(1A)〜(21A)のいずれかに記載の方法を含む製造方法により
式(XI):
【化88】

(式中、R、R、RおよびRは前記(14A)と同意義)で示される化合物を得、
得られた式(XI)で示される化合物を
式(XII):
【化89】

(式中、Rは、式:−OR(式中、Rは水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される基、式:−(CR10)m−NR11−R12(式中、R12は置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイルまたは置換もしくは非置換のスルファモイルであり、R11は水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびR10はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはハロゲンであり、mは0〜3の整数である。)で示される基、または
式:−(CR10)m−O−C(O)−NR13−R14(式中、R13およびR14はそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、R、R10およびmは前記と同意義である。)で示される基である。)で示される化合物と反応させる、
式(XIII):
【化90】

(式中、R、R、R、RおよびRは前記と同意義)で示される化合物またはその塩の製造方法。
(24A)
縮合剤の存在下で反応させることを特徴とする、前記(23A)記載の製造方法。
(25A)
縮合剤が、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミドおよび1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩から選択される1以上のものである、前記(24A)記載の製造方法。
(26A)
1−ヒドロキシベンゾトリアゾールおよびN−ヒドロキシスクシンイミドから選択される1以上の添加剤の存在下で反応させることを特徴とする、前記(24A)または(25A)記載の製造方法。
(27A)
式(XI):
【化91】

(式中、R、R、RおよびRは前記(14A)と同意義)で示される化合物に、ハロゲン化剤を反応させ、
式(XIV):
【化92】

(式中、R、R、RおよびRは前記と同意義であり、Xはハロゲンである。)で示される化合物またはその塩を得る工程を含むものである、前記(23A)記載の製造方法。
(28A)
ハロゲン化剤が、オキシハロゲン化リン、五ハロゲン化リン、オキザリルハライドまたはハロゲン化チオニルから選択されるものである、前記(27A)記載の製造方法。
(29A)
式(III):
【化93】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物またはその塩。
(29A−1)
およびRがメチルであり、RおよびRがそれぞれ独立してアルキルである、前記(29A)記載の化合物またはその塩。
(29A−2)
およびRがエチルである、前記(29A−1)記載の化合物またはその塩。
(30A)
式(IV):
【化94】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物またはその塩。
(30A−1)
およびRがメチルであり、Rがアルキルである、前記(30A)記載の化合物またはその塩。
(30A−2)
がエチルである、前記(30A−1)記載の化合物またはその塩。
(30A−3)
粉末X線回折の2θの値が8.2±0.2、12.4±0.2、18.3±0.2、24.5±0.2および25.6±0.2度から選択される2つ以上の2θを有する、前記(30A−2)記載の化合物またはその塩の結晶。
(31A)
式(VI):
【化95】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物またはその塩。
(31A−1)
およびRがメチルであり、RおよびRがそれぞれ独立してアルキルである、前記(31A)記載の化合物またはその塩。
(31A−2)
がエチル、n−プロピル、イソプロピルまたはイソブチルである、前記(31A−1)記載の化合物またはその塩。
(31A−3)
がエチルである、前記(31A−1)または(31A−2)記載の化合物またはその塩。
(31A−4)
がイソプロピルである、前記(31A−1)または(31A−2)記載の化合物またはその塩。
(32A)
式(VIII):
【化96】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Xはハロゲンである。)で示される化合物またはその塩。
(32A−1)
、RおよびRがメチルであり、RおよびRがそれぞれ独立してアルキルである、前記(32A)記載の化合物またはその塩。
(32A−2)
がエチル、n−プロピル、イソプロピルまたはイソブチルである、前記(32A−1)記載の化合物またはその塩。
(32A−3)
がエチルである、前記(32A−1)または(32A−2)記載の化合物またはその塩。
(32A−4)
がイソプロピルである、前記(32A−1)または(32A−2)記載の化合物またはその塩。
(33A)
式(IX):
【化97】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物またはその塩。
(33A−1)
、RおよびRがメチルであり、RおよびRがそれぞれ独立してアルキルである、前記(33A)記載の化合物またはその塩。
(33A−2)
がエチル、n−プロピル、イソプロピルまたはイソブチルである、前記(33A−1)記載の化合物またはその塩。
(33A−3)
がエチルである、前記(33A−1)または(33A−2)記載の化合物またはその塩。
(33A−4)
がイソプロピルである、前記(33A−1)または(33A−2)記載の化合物またはその塩。
(34A)
式(X):
【化98】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、RおよびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。但し、Rがイソブチルである化合物を除く。)で示される化合物またはその塩。
(34A−1)
、RおよびRがメチルであり、Rがイソプロピルであり、Rがアルキルである、前記(34A)記載の化合物またはその塩。
(34A−2)
がイソプロピルである、前記(34A−1)記載の化合物またはその塩。
(34A−3)
粉末X線回折の2θの値が12.7±0.2、13.9±0.2、15.2±0.2、15.5±0.2、17.2±0.2、18.2±0.2、18.6±0.2、19.9±0.2および20.2±0.2度から選択される2つ以上の2θを有する、前記(34A−2)記載の化合物またはその塩の結晶。
(35A)
式(XI):
【化99】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。但し、Rがイソブチルである化合物を除く。)で示される化合物またはその塩。
(35A−1)
、RおよびRがメチルであり、Rがエチルである、前記(35A)記載の化合物またはその塩。
(35A−2)
粉末X線回折の2θの値が9.0±0.2、13.0±0.2、13.9±0.2、15.0±0.2、15.6±0.2、18.9±0.2、22.0±0.2、22.3±0.2、23.1±0.2、24.3±0.2、25.0±0.2および25.4±0.2度から選択される2つ以上の2θを有する、前記(35A−1)記載の化合物またはその塩の結晶。
(35A−3)
、RおよびRがメチルであり、Rがn−プロピルである、前記(35A)記載の化合物またはその塩。
(35A−4)
粉末X線回折の2θの値が8.5±0.2、11.4±0.2、14.2±0.2、18.1±0.2、19.4±0.2、21.1±0.2、23.9±0.2および26.4±0.2度から選択される2つ以上の2θを有する、前記(35A−3)記載の化合物またはその塩の結晶。
(35A−5)
、RおよびRがメチルであり、Rがイソプロピルである、前記(35A)記載の化合物またはその塩。
(35A−6)
粉末X線回折の2θの値が8.7±0.2、11.3±0.2、14.3±0.2、15.0±0.2、17.5±0.2、19.4±0.2、21.1±0.2、22.7±0.2、24.3±0.2、24.8±0.2および26.0±0.2度から選択される2つ以上の2θを有する、前記(35A−5)記載の化合物またはその塩の結晶。
(35A−7)
、RおよびRがメチルであり、Rがイソブチルである、前記(35A)記載の化合物またはその塩。
(35A−8)
粉末X線回折の2θの値が10.6±0.2、11.5±0.2、17.6±0.2、18.0±0.2、18.6±0.2、19.5±0.2、19.9±0.2、23.1±0.2、24.8±0.2、27.5±0.2および27.9±0.2度から選択される2つ以上の2θを有する、前記(35A−7)記載の化合物またはその塩の結晶。
(36A)
式(XV):
【化100】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される化合物またはその塩。
(36A−1)
およびRがメチルであり、Rがイソプロピルである、前記(36A)記載の化合物またはその塩。
(36A−2)
粉末X線回折の2θの値が12.0±0.2および20.3±0.2度の2θを有する、前記(36A−1)記載の化合物またはその塩の結晶。

なお、本明細書中、化合物を化合物と反応させることには、化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物を化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物と反応させることを包含する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の式(XI)で示される化合物の新規製造方法は高収率かつ安全な方法として工業的製造に利用可能である。
また、式(XI)で示される化合物は医薬品等の合成原料または中間体として有用な化合物である。式(XI)で示される化合物を用いることにより、効率的に、式(XIII)で示される化合物を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】化合物(IV−1−1)の粉末X線回折データである。
図2】化合物(XI−1−1)の粉末X線回折データである。
図3】化合物(XI−1−2)の粉末X線回折データである。
図4】化合物(XI−1−3)のI型結晶の粉末X線回折データである。
図5】化合物(XI−1−4)の粉末X線回折データである。
図6】化合物(XV−1−1)の粉末X線回折データである。
図7】化合物(X−1−3’)の粉末X線回折データである。
図8】化合物(XIII−1−1)のI型結晶の粉末X線回折データである。
図9】化合物(XI−1−3)のII型結晶の粉末X線回折データである。
図10】化合物(XI−1−3)のIII型結晶の粉末X線回折データである。
図11】化合物(XIII−1−1)のメタノール和物の粉末X線回折データである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本明細書中で使用する各用語を説明する。なお、本明細書中、各用語は単独で使用されている場合も、または他の用語と一緒になって使用されている場合も、同一の意義を有する。
【0011】
「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられる。
【0012】
「アルキル」とは、炭素数1〜10個の直鎖状又は分枝状のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ぺンチル、イソぺンチル、ネオぺンチル、n-ヘキシル、イソヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル等が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜6または1〜4個のアルキルであり、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ぺンチル、イソぺンチル、ネオぺンチル、n-ヘキシル、イソヘキシルが挙げられる。
【0013】
「アルケニル」とは、上記「アルキル」に1個又はそれ以上の二重結合を有する炭素数2〜8個の直鎖状又は分枝状のアルケニルを意味し、例えば、ビニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1,3-ブタジエニル、3-メチル-2-ブテニル等が挙げられる。
【0014】
「アルキニル」とは、上記「アルキル」に1個又はそれ以上の三重結合を有する炭素数2〜8個の直鎖状又は分枝状のアルキニルを意味し、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル等が挙げられる。さらに二重結合を有してもよい。
【0015】
「シクロアルキル」とは、炭素数3〜15の環状飽和炭化水素基を意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、橋かけ環式炭化水素基、スピロ炭化水素基などが挙げられる。好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、橋かけ環式炭化水素基が挙げられる。
【0016】
「橋かけ環式炭化水素基」とは、2つ以上の環が2個またはそれ以上の原子を共有している炭素数5〜8の脂肪族環から水素を1つ除いてできる基を包含する。具体的にはビシクロ[2.1.0]ペンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチルおよびビシクロ[3.2.1]オクチル、トリシクロ[2.2.1.0]ヘプチルなどが挙げられる。
【0017】
「スピロ炭化水素基」とは、2つの炭化水素環が1個の炭素原子を共有して構成されている環から水素を1つ除いてできる基を包含する。具体的にはスピロ[3.4]オクチルなどが挙げられる。
【0018】
「シクロアルケニル」とは、炭素数3〜10の環状の不飽和脂肪族炭化水素基を意味し、例えば、シクロプロペニル(例えば、1-シクロプロペニル)、シクロブテニル(例えば、1-シクロブテニル)、シクロペンテニル(例えば、1-シクロペンテン-1-イル、2-シクロペンテン-1-イル、3-シクロペンテン-1-イル)、シクロヘキセニル(例えば、1-シクロヘキセン-1-イル、2-シクロヘキセン-1-イル、3-シクロヘキセン-1-イル)、シクロヘプテニル(例えば、1-シクロヘプテニル)、シクロオクテニル(例えば、1-シクロオクテニル)等が挙げられる。好ましくはシクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルである。シクロアルケニルには、環中に不飽和結合を有する橋かけ環式炭化水素基およびスピロ炭化水素基も含む。
【0019】
「アリール」とは、単環芳香族炭化水素基(例:フェニル)及び多環芳香族炭化水素基(例: 1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリル、9−フェナントリル等)を意味する。好ましくは、フェニル又はナフチル(1−ナフチル、2−ナフチル)が挙げられる。
【0020】
「ヘテロアリール」とは、単環芳香族複素環式基及び縮合芳香族複素環式基を意味する。
「単環芳香族複素環式基」とは、酸素原子、硫黄原子および窒素原子から任意に選択される同一または異なるヘテロ原子を環内に1以上有する5〜8員の芳香環から誘導される、置換可能な任意の位置に結合手を有していてもよい基を意味する。
「縮合芳香族複素環式基」は、酸素原子、硫黄原子および窒素原子から任意に選択される同一または異なるヘテロ原子を環内に1以上有する5〜8員の芳香環が、1〜4個の5〜8員の芳香族炭素環もしくは他の5〜8員の芳香族ヘテロ環と縮合している、置換可能な任意の位置に結合手を有していてもよい基を意味する。
【0021】
「ヘテロアリール」としては、例えば、フリル(例: 2−フリル、3−フリル)、チエニル(例: 2−チエニル、3−チエニル)、ピロリル(例: 1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル)、イミダゾリル(例: 1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル)、ピラゾリル(例: 1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、トリアゾリル(例: 1,2,4−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,4−トリアゾール−4−イル)、テトラゾリル(例:1−テトラゾリル、2−テトラゾリル、5−テトラゾリル)、オキサゾリル(例:2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、イソキサゾリル(例:3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル、5−イソキサゾリル)、チアゾリル(例:2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、チアジアゾリル、イソチアゾリル(例:3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル)、ピリジル(例:2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピリダジニル(例:3−ピリダジニル、4−ピリダジニル)、ピリミジニル(例:2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル)、フラザニル(例:3−フラザニル)、ピラジニル(例:2−ピラジニル)、オキサジアゾリル(例:1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)、ベンゾフリル(例:2−ベンゾ[b]フリル、3−ベンゾ[b]フリル、4−ベンゾ[b]フリル、5−ベンゾ[b]フリル、6−ベンゾ[b]フリル、7−ベンゾ[b]フリル)、ベンゾチエニル(例:2−ベンゾ[b]チエニル、3−ベンゾ[b]チエニル、4−ベンゾ[b]チエニル、5−ベンゾ[b]チエニル、6−ベンゾ[b]チエニル、7−ベンゾ[b]チエニル)、ベンゾイミダゾリル(例:1−ベンゾイミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、4−ベンゾイミダゾリル、5−ベンゾイミダゾリル)、ジベンゾフリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、キノキサリル(例:2−キノキサリニル、5−キノキサリニル、6−キノキサリニル)、シンノリニル(例:3−シンノリニル、4−シンノリニル、5−シンノリニル、6−シンノリニル、7−シンノリニル、8−シンノリニル)、キナゾリル(例:2−キナゾリニル、4−キナゾリニル、5−キナゾリニル、6−キナゾリニル、7−キナゾリニル、8−キナゾリニル)、キノリル(例:2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、6−キノリル、7−キノリル、8−キノリル)、フタラジニル(例:1−フタラジニル、5−フタラジニル、6−フタラジニル)、イソキノリル(例:1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル、6−イソキノリル、7−イソキノリル、8−イソキノリル)、プリル、プテリジニル(例:2−プテリジニル、4−プテリジニル、6−プテリジニル、7−プテリジニル)、カルバゾリル、フェナントリジニル、アクリジニル(例:1−アクリジニル、2−アクリジニル、3−アクリジニル、4−アクリジニル、9−アクリジニル)、インドリル(例:1−インドリル、2−インドリル、3−インドリル、4−インドリル、5−インドリル、6−インドリル、7−インドリル)、イソインドリル、ファナジニル(例:1−フェナジニル、2−フェナジニル)又はフェノチアジニル(例:1−フェノチアジニル、2−フェノチアジニル、3−フェノチアジニル、4−フェノチアジニル)等が挙げられる。
【0022】
「ヘテロサイクリル」とは、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を少なくとも1以上環内に有する環、または、そのような環にシクロアルカン(5〜6員が好ましい)、ベンゼン環および/または窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を少なくとも1以上環内に有する環が縮合した環に、置換可能な任意の位置に結合手を有していてもよい非芳香族複素環式基を意味する。なお、「非芳香族複素環式基」は、非芳香族であれば、飽和でも不飽和でもよい。好ましくは5〜8員環である。例えば、1-ピロリニル、2-ピロリニル、3-ピロリニル、1-ピロリジニル、2-ピロリジニル、3-ピロリジニル、1-イミダゾリニル、2-イミダゾリニル、4-イミダゾリニル、1-イミダゾリジニル、2-イミダゾリジニル、4-イミダゾリジニル、1-ピラゾリニル、3-ピラゾリニル、4-ピラゾリニル、1-ピラゾリジニル、3-ピラゾリジニル、4-ピラゾリジニル、ピペリジノ、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-ピペリジニル、1-ピペラジニル、2-ピペラジニル、2-モルホリニル、3-モルホリニル、モルホリノ、テトラヒドロピラニル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-5-イル等が挙げられる。
さらに、「ヘテロサイクリル」は、以下のように架橋している基、またはスピロ環を形成する基も包含する。
【化101】
【0023】
「アシル」とは、ホルミル、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のシクロアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のシクロアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアリールカルボニル、置換もしくは非置換のヘテロアリールカルボニル、置換もしくは非置換のヘテロサイクリルカルボニルを意味する。
【0024】
「アルキルカルボニル」、「アルケニルカルボニル」、「シクロアルキルカルボニル」、「シクロアルケニルカルボニル」、「アリールカルボニル」、「ヘテロアリールカルボニル」、「ヘテロサイクリルカルボニル」の「アルキル」部分、「アルケニル」部分、「シクロアルキル」部分、「シクロアルケニル」部分、「アリール」部分、「ヘテロアリール」部分、「ヘテロサイクリル」部分は、それぞれ、上記「アルキル」、「アルケニル」、「シクロアルキル」、「シクロアルケニル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「ヘテロサイクリル」を意味する。
【0025】
「アルキルスルホニル」および「アルキルオキシカルボニル」のアルキル部分は、上記「アルキル」を意味する。
【0026】
「置換アルキル」、「置換アルケニル」、「置換アルキニル」、「置換シクロアルキル」、「置換シクロアルケニル」、「置換アリール」、「置換ヘテロアリール」、「置換ヘテロサイクリル」、「置換アシル」、「置換アルキルスルホニル」、「置換アルキルオキシカルボニル」、「置換カルバモイル」または「置換スルファモイル」における置換基としては、例えば、
ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、
置換もしくは非置換のアルキル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。例:メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、CF、ベンジル。)、
置換もしくは非置換のアルケニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。例:ビニル。)、
置換もしくは非置換のアルキニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。例:エチニル。)、
置換もしくは非置換のアリール(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。例:フェニル、ナフチル。)、
置換もしくは非置換のシクロアルキル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。例:シクロプロピル、シクロブチル。)、
置換もしくは非置換のシクロアルケニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。例:シクロプロペニル。)、
置換もしくは非置換のヘテロアリール(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。例:テトラゾリル、インドリル、ピラゾリル。)、
置換もしくは非置換のヘテロサイクリル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。例:ピロリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジル。)、
置換もしくは非置換のアルキルオキシ(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。例:メトキシ、エトキシ、プロポキシ、OCF、ブトキシ。)、
置換もしくは非置換のアリールオキシ(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。例:フェニルオキシ。)、
置換もしくは非置換のシリルオキシ、
置換もしくは非置換のアミノ(例:アルキルアミノ(例:メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ)、アシルアミノ(例:アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、アリールアルキルアミノ(例:ベンジルアミノ、トリチルアミノ)、ヒドロキシアミノ、アルキルオキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、カルバモイルアミノ。)、
置換もしくは非置換のカルバモイル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。例:アルキルカルバモイル(例:メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、イソプロピルカルバモイル)。)、
置換もしくは非置換のカルバモイルオキシ(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のアシル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。例:アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロサイクリルカルボニル、ホルミル、アセチル。)、
置換もしくは非置換のアルキルスルホニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。例:メタンスルホニル、エタンスルホニル。)、
置換もしくは非置換のアリールスルホニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のヘテロアリールスルホニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のシクロアルキルスルホニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のヘテロサイクリルスルホニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のスルファモイル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。例:メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル。)、
置換もしくは非置換のアリールオキシカルボニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のヘテロアリールオキシカルボニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のヘテロサイクリルオキシカルボニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
アルキルスルフィニル、シクロアルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロサイクリルスルフィニル、
ニトロソ、
アルケニルオキシ(例:ビニルオキシ、アリルオキシ)、
アリールアルキルオキシ(例:ベンジルオキシ)、
アジド、
イソシアノ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、メルカプト、
アルキルチオ(例:メチルチオ)、
ホルミルオキシ、ハロホルミル、オキザロ、チオホルミル、チオカルボキシ、ジチオカルボキシ、チオカルバモイル、スルフィノ、スルホ、スルホアミノ、ヒドラジノ、ウレイド、アミジノ、グアニジノ、フタルイミド、オキソ等からなる群から選択される基があげられる。1〜4個の当該置換基で置換されていてもよい。
【0027】
「置換カルバモイル」または「置換スルファモイル」の置換基としては、好ましくは、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、
置換もしくは非置換のアルキル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のアルケニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のアルキニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のアリール(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のヘテロアリール(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のシクロアルキル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のシクロアルケニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のヘテロサイクリル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のアシル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のアリールオキシカルボニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のヘテロアリールオキシカルボニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のヘテロサイクリルオキシカルボニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のアルキルスルホニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のアリールスルホニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のヘテロアリールスルホニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のシクロアルキルスルホニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のヘテロサイクリルスルホニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のアリールスルフィニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のヘテロアリールスルフィニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のシクロアルキルスルフィニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のヘテロサイクリルスルフィニル(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)、
置換もしくは非置換のアミノ(置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロサイクリル。)などが挙げられる。
【0028】
「アルキルオキシ」、「アルキルアミノ」、「アリールアルキルアミノ」、「アルキルオキシカルボニルアミノ」、「アルキルスルホニルアミノ」、「アルキルカルバモイル」、「アルキルスルフィニル」、「アリールアルキルオキシ」および「アルキルチオ」のアルキル部分は、上記「アルキル」を意味する。
「アルケニルオキシ」のアルケニル部分は、上記「アルケニル」を意味する。
「アリールアルキルアミノ」、「アリールオキシカルボニルアミノ」、「アリールスルホニルアミノ」、「アリールアミノ」、「アリールスルホニル」、「アリールオキシカルボニル」、「アリールスルフィニル」および「アリールアルキルオキシ」のアリール部分は、上記「アリール」を意味する。
「ヘテロアリールオキシカルボニルアミノ」、「ヘテロアリールスルホニルアミノ」、「ヘテロアリールアミノ」、「ヘテロアリールスルホニル」、「ヘテロアリールオキシカルボニル」および「ヘテロアリールスルフィニル」のヘテロアリール部分は、上記「ヘテロアリール」を意味する。
「シクロアルキルスルホニル」および「シクロアルキルスルフィニル」のシクロアルキル部分は、上記「シクロアルキル」を意味する。
「ヘテロサイクリルスルホニル」、「ヘテロサイクリルオキシカルボニル」および「ヘテロサイクリルスルフィニル」のヘテロサイクリル部分は、上記「ヘテロサイクリル」を意味する。
【0029】
本発明化合物のうち、以下の態様の化合物が好ましい。
およびRはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。
好ましくはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキルである。
【0030】
およびRはそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルである。好ましくはそれぞれ独立して置換もしくは非置換のアルキルである。
【0031】
はハロゲンである。好ましくは、臭素である。
【0032】
はハロゲンである。好ましくは、塩素である。
【0033】
は脱離基である。脱離基としては、例えば、置換もしくは非置換のアルキルスルホニルオキシ(例えば、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシなど)、置換もしくは非置換のベンゼンスルホニルオキシ(例えば、パラトルエンスルホニルオキシ、オルトニトロベンゼンスルホニルオキシなど)、ハロゲン(ヨウ素、臭素、塩素)などが挙げられる。好ましくは、ハロゲンである。更に好ましくは、臭素である。
「アルキルスルホニルオキシ」のアルキル部分は、上記「アルキル」を意味する。
【0034】
は脱離基である。脱離基としては、例えば、置換もしくは非置換のアルキルスルホニルオキシ(例えば、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシなど)、置換もしくは非置換のベンゼンスルホニルオキシ(例えば、パラトルエンスルホニルオキシ、オルトニトロベンゼンスルホニルオキシなど)、ハロゲン(ヨウ素、臭素、塩素)などが挙げられる。好ましくは、ハロゲンである。更に好ましくは、臭素である。
【0035】
はハロゲンである。好ましくは、塩素である。
【0036】
Xは脱離基である。好ましくはハロゲンであり、さらに好ましくは塩素または臭素である。
【0037】
は置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。
好ましくは置換もしくは非置換のアルキルである。
【0038】
は置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。
好ましくは置換もしくは非置換のアルキルである。
【0039】
は式:−OR(式中、Rは水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される基、式:−(CR10)m−NR11−R12(式中、R12は置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイルまたは置換もしくは非置換のスルファモイルであり、R11は水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、Rはそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはハロゲンであり、R10はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはハロゲンであり、mは0〜3の整数である。)で示される基、または
式:−(CR10)m−O−C(O)−NR13−R14(式中、R13およびR14はそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、R、R10およびmは前記と同意義である。)で示される基である。
好ましくは式:−OR(式中、Rは前記と同意義である。)で示される基、または式:−(CR10)m−O−C(O)−NR13−R14(式中、R13、R14、R、R10およびmは前記と同意義である。)で示される基である。
さらに好ましくは、式:−(CR10)m−O−C(O)−NR13−R14(式中、R13、R14、R、R10およびmは前記と同意義である。)で示される基である。
【0040】
は水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。
好ましくは水素または置換もしくは非置換のアルキルである。さらに好ましくは、水素である。
【0041】
12は置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイルまたは置換もしくは非置換のスルファモイルである。
好ましくは、置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニルまたは置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニルである。
【0042】
11は水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、好ましくは水素である。
【0043】
はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはハロゲンであり、好ましくは水素である。
【0044】
10はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはハロゲンであり、好ましくは水素である。
【0045】
mは0〜3の整数であり、好ましくは0または1である。さらに好ましくは、0である。
【0046】
13およびR14はそれぞれ独立して水素または置換もしくは非置換のアルキルであり、好ましくは水素である。
【0047】
本発明化合物の一つ以上の水素、炭素および/または他の原子は、それぞれ水素、炭素および/または他の原子の同位体で置換され得る。そのような同位体の例としては、それぞれH、H、11C、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、123Iおよび36Clのように、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、ヨウ素および塩素が包含される。本発明化合物は、そのような同位体で置換された化合物も包含する。該同位体で置換された化合物は、医薬品としても有用であり、本発明化合物のすべての放射性標識体を包含する。また該「放射性標識体」を製造するための「放射性標識化方法」も本発明に包含され、代謝薬物動態研究、結合アッセイにおける研究および/または診断のツールとして有用である。
本発明化合物の放射性標識体は、当該技術分野で周知の方法で調製できる。例えば、トリチウム標識化合物は、例えば、トリチウムを用いた触媒的脱ハロゲン化反応によって、本発明の特定の化合物にトリチウムを導入することで調製できる。この方法は、適切な触媒、例えばPd/Cの存在下、塩基の存在下または非存在下で、本発明化合物が適切にハロゲン置換された前駆体とトリチウムガスとを反応させることを包含する。他のトリチウム標識化合物を調製するための適切な方法としては、文書Isotopes in the Physical and Biomedical Sciences,Vol.1,Labeled Compounds (Part A),Chapter 6 (1987年)を参照にできる。14C−標識化合物は、14C炭素を有する原料を用いることによって調製できる。
【0048】
本発明化合物の製薬上許容される塩としては、例えば、本発明化合物と、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、バリウム等)、マグネシウム、遷移金属(例えば、亜鉛、鉄等)、アンモニア、有機塩基(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メグルミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、ピリジン、ピコリン、キノリン等)およびアミノ酸との塩、または無機酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、臭化水素酸、リン酸、ヨウ化水素酸等)、および有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、マンデル酸、グルタル酸、リンゴ酸、安息香酸、フタル酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等)との塩が挙げられる。特に塩酸、硫酸、リン酸、酒石酸、メタンスルホン酸との塩等が挙げられる。これらの塩は、通常行われる方法によって形成させることができる。
【0049】
本発明化合物またはその製薬上許容される塩は、溶媒和物(例えば、アルコール和物や水和物等)および/または結晶多形を形成する場合があり、本発明はそのような各種の溶媒和物および結晶多形も包含する。「溶媒和物」は、本発明化合物に対し、任意の数の溶媒分子(例えば、水分子等)と配位していてもよい。本発明化合物またはその製薬上許容される塩を、大気中に放置することにより、水分を吸収し、吸着水が付着する場合や、水和物を形成する場合がある。また、本発明化合物またはその製薬上許容される塩を、再結晶することでそれらの結晶多形を形成する場合がある。
【0050】
本発明化合物またはその製薬上許容される塩は、プロドラッグを形成する場合があり、本発明はそのような各種のプロドラッグも包含する。プロドラッグは、化学的又は代謝的に分解できる基を有する本発明化合物の誘導体であり、加溶媒分解により又は生理学的条件下でインビボにおいて薬学的に活性な本発明化合物となる化合物である。プロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素的に酸化、還元、加水分解などを受けて本発明化合物に変換される化合物、胃酸などにより加水分解されて本発明化合物に変換される化合物等を包含する。適当なプロドラッグ誘導体を選択する方法および製造する方法は、例えばDesign of Prodrugs, Elsevier, Amsterdam 1985に記載されている。プロドラッグは、それ自身が活性を有する場合がある。
【0051】
本発明化合物またはその製薬上許容される塩がヒドロキシル基を有する場合は、例えばヒドロキシル基を有する化合物と適当なアシルハライド、適当な酸無水物、適当なスルホニルクロライド、適当なスルホニルアンハイドライド及びミックスドアンハイドライドとを反応させることにより或いは縮合剤を用いて反応させることにより製造されるアシルオキシ誘導体やスルホニルオキシ誘導体のようなプロドラッグが例示される。例えばCHCOO−、CCOO−、t−BuCOO−、C1531COO−、PhCOO−、(m−NaOOCPh)COO−、NaOOCCHCHCOO−、CHCH(NH)COO−、CHN(CHCOO−、CHSO−、CHCHSO−、CFSO−、CHFSO−、CFCHSO−、p-CH-O-PhSO−、PhSO−、p-CHPhSO−が挙げられる。
【0052】
「阻害」なる用語は、本発明化合物が、11βHSD−1の働きを抑制することを意味する。
「製薬上許容される」なる用語は、予防上又は治療上有害ではないことを意味する。
【0053】
本発明化合物の一般的製造法を以下に例示する。また、抽出、精製などは、通常の有機化学の実験で行う処理を行えばよい。
【0054】
式(IV)で示される化合物は、以下のように合成することができる。
【化102】

(式中、各記号は前記と同意義であり、式(I)で示される化合物は公知の化合物を用いてもよく、公知の化合物から常法により誘導された化合物を用いてもよい。)
【0055】
第1工程
式(I)で示される化合物と、式(II)で示される化合物とを反応させ、式(III)で示される化合物を製造する工程である。
反応溶媒としては、非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド)、ジメチルスルホキシド、芳香族炭化水素類(例、トルエン、ベンゼン、キシレンなど)、飽和炭化水素類(例、シクロヘキサン、ヘキサンなど)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなど)、エーテル類(例、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなど)、エステル類(例、酢酸メチル、酢酸エチルなど)、ケトン類(例、アセトン、メチルエチルケトンなど)、ニトリル類(例、アセトニトリルなど)、アルコール類(例、メタノール、エタノール、t−ブタノールなど)、水およびそれらの混合溶媒等が挙げられる。
好ましくは、非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド)、ジメチルスルホキシド、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなど)、エーテル類(例、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなど)、エステル類(例、酢酸メチル、酢酸エチルなど)、ケトン類(例、アセトン、メチルエチルケトンなど)、ニトリル類(例、アセトニトリルなど)、アルコール類(例、メタノール、エタノール、t−ブタノールなど)、水およびそれらの混合溶媒を用いればよい。特に非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド)が好ましい。
塩基としては、例えば金属水素化物(例、水素化ナトリウムなど)、金属水酸化物(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウムなど)、金属炭酸塩(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウムなど)、金属アルコキシド(例、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドなど)、炭酸水素ナトリウム、金属ナトリウム、金属アミド、有機アミン(例、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU、ピリジン、2,6−ルチジンなど)、アルキルリチウム(n−BuLi、sec−BuLi、tert−BuLi)等が挙げられる。
好ましくは、金属水素化物(例、水素化ナトリウムなど)、金属炭酸塩(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウムなど)、金属アルコキシド(例、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドなど)、炭酸水素ナトリウム、金属アミド、有機アミン(例、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU、ピリジン、2,6−ルチジンなど)を用いればよい。特に有機アミン(例、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU、ピリジン、2,6−ルチジンなど)が好ましい。
反応温度としては、−40℃〜使用する溶媒が還流する温度、好ましくは−10℃〜25℃で、0.5〜48時間反応させればよい。
式(II)で示される化合物としては、たとえば、臭化プレニルなどが挙げられる。
【0056】
第2工程
式(III)で示される化合物から式(IV)で示される化合物を製造する工程である。
溶媒としては、第1工程に記載の溶媒を用いることができる。好ましくは、非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド)、ジメチルスルホキシド、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなど)、エーテル類(例、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなど)、エステル類(例、酢酸メチル、酢酸エチルなど)、ケトン類(例、アセトン、メチルエチルケトンなど)、ニトリル類(例、アセトニトリルなど)、アルコール類(例、メタノール、エタノール、t−ブタノールなど)、水およびそれらの混合溶媒を用いればよい。特に非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド)が好ましい。
塩基としては、第1工程に記載の塩基を用いることができる。好ましくは、金属水素化物(例、水素化ナトリウムなど)、金属炭酸塩(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウムなど)、金属アルコキシド(例、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドなど)、炭酸水素ナトリウム、金属アミド、有機アミン(例、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU、ピリジン、2,6−ルチジンなど)を用いればよい。特に金属炭酸塩(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウムなど)が好ましい。
−40℃〜使用する溶媒が還流する温度、好ましくは40℃〜70℃で0.5〜24時間反応させればよい。
【0057】
式(XI)で示される化合物は、以下のように合成することができる。
【化103】

(式中、各記号は前記と同意義である。)
【0058】
第3工程
式(IV)で示される化合物と、式(V)で示される化合物とを反応させ、式(VI)で示される化合物を製造する工程である。
溶媒としては、第1工程に記載の溶媒を用いることができる。好ましくは、非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド)、ジメチルスルホキシド、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなど)、エーテル類(例、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなど)、エステル類(例、酢酸メチル、酢酸エチルなど)、ケトン類(例、アセトン、メチルエチルケトンなど)、ニトリル類(例、アセトニトリルなど)、水およびそれらの混合溶媒を用いればよい。特に非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド)が好ましい。
塩基としては、第1工程に記載の塩基を用いることができる。好ましくは、金属水素化物(例、水素化ナトリウムなど)、金属炭酸塩(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウムなど)、金属アルコキシド(例、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドなど)、炭酸水素ナトリウム、金属アミド、有機アミン(例、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU、ピリジン、2,6−ルチジンなど)を用いればよい。特に金属炭酸塩(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウムなど)が好ましい。
−40℃〜使用する溶媒が還流する温度、好ましくは10℃〜100℃で0.5〜24時間反応させればよい。
式(V)で示される化合物としては、たとえば、臭化エチル、臭化プロピル、臭化イソプロピルまたは臭化イソブチルなどが挙げられる。
【0059】
第4工程
式(VI)で示される化合物と、式(VII)で示される化合物とをハロゲン化剤の存在下で反応させ、式(VIII)で示される化合物を製造する工程である。
溶媒としては、第1工程に記載の溶媒を用いることができる。好ましくは、非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド)、ジメチルスルホキシド、芳香族炭化水素類(例、トルエン、ベンゼン、キシレンなど)、飽和炭化水素類(例、シクロヘキサン、ヘキサンなど)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなど)、エーテル類(例、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなど)、エステル類(例、酢酸メチル、酢酸エチルなど)、ケトン類(例、アセトン、メチルエチルケトンなど)、ニトリル類(例、アセトニトリルなど)、水およびそれらの混合溶媒を用いればよい。特に非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド)またはニトリル類(例、アセトニトリルなど)が好ましい。
ハロゲン化剤としては、N−ハロゲノスクシンイミド(例、N−ブロモスクシンイミドなど)、N−ハロゲノアセトアミド(例、N−ブロモアセトアミドなど)またはハロゲン分子(例、Iなど)などを用いることができる。特にN−ブロモスクシンイミドが好ましい。
好ましくは、ルイス酸の存在下で行えばよい。
ルイス酸としては、三フッ化ホウ素・エーテル錯塩(例:三フッ化ホウ素・n−ブチルエーテル錯塩、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯塩など)または金属ハロゲン化物(例:SnCl4、AlClなど)などを用いることができる。特に三フッ化ホウ素・n−ブチルエーテル錯塩が好ましい。
−78℃〜使用する溶媒が還流する温度、好ましくは−40℃〜室温で0.5〜12時間反応させればよい。
式(VII)で示される化合物としては、たとえば、アセトニトリルなどが挙げられる。
【0060】
第5工程
式(VIII)で示される化合物と、塩基とを反応させ、式(IX)で示される化合物を製造する工程である。
溶媒としては、第1工程に記載の溶媒を用いることができる。好ましくは、非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド)、ジメチルスルホキシド、芳香族炭化水素類(例、トルエン、ベンゼン、キシレンなど)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなど)、エーテル類(例、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなど)、エステル類(例、酢酸メチル、酢酸エチルなど)、ケトン類(例、アセトン、メチルエチルケトンなど)、ニトリル類(例、アセトニトリルなど)、アルコール類(例、メタノール、エタノール、t−ブタノールなど)、水およびそれらの混合溶媒等を用いればよい。特に非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド)が好ましい。
塩基としては、第1工程に記載の塩基を用いることができる。好ましくは、金属水素化物(例、水素化ナトリウムなど)、金属炭酸塩(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウムなど)、炭酸水素ナトリウム、金属ナトリウム、金属アミド、有機アミン(例、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU、ピリジン、2,6−ルチジンなど)を用いればよい。特に有機アミン(例、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU、ピリジン、2,6−ルチジンなど)が好ましい。
−40℃〜使用する溶媒が還流する温度、好ましくは45〜75℃で0.5〜24時間反応させればよい。
【0061】
第6工程
式(IX)で示される化合物から、式(X)で示される化合物を製造する工程である。
溶媒としては、第1工程に記載の溶媒を用いることができる。好ましくは、非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド)、ジメチルスルホキシド、芳香族炭化水素類(例、トルエン、ベンゼン、キシレンなど)、飽和炭化水素類(例、シクロヘキサン、ヘキサンなど)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなど)、エーテル類(例、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなど)、ニトリル類(例、アセトニトリルなど)およびそれらの混合溶媒を用いればよい。特に非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド)、芳香族炭化水素類(例、トルエン、ベンゼン、キシレンなど)またはそれらの混合溶媒が好ましい。
塩基としては、第1工程に記載の塩基を用いることができる。好ましくは、金属水素化物(例、水素化ナトリウムなど)、金属水酸化物(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウムなど)、金属炭酸塩(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウムなど)、金属アルコキシド(例、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドなど)、炭酸水素ナトリウム、金属ナトリウム、金属アミドを用いればよい。特に金属アルコキシド(例、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドなど)が好ましい。
−78℃〜使用する溶媒が還流する温度、−40℃〜室温で0.5〜12時間反応させればよい。
【0062】
第7工程
式(X)で示される化合物を加水分解することにより、式(XI)で示される化合物を製造する工程である。
溶媒としては、第1工程に記載の溶媒を用いることができる。好ましくは、非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド)、ジメチルスルホキシド、芳香族炭化水素類(例、トルエン、ベンゼン、キシレンなど)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなど)、エーテル類(例、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなど)、エステル類(例、酢酸メチル、酢酸エチルなど)、ケトン類(例、アセトン、メチルエチルケトンなど)、ニトリル類(例、アセトニトリルなど)、アルコール類(例、メタノール、エタノール、t−ブタノールなど)、水およびそれらの混合溶媒を用いればよい。特に非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド)またはアルコール類(例、メタノール、エタノール、t−ブタノールなど)と水の混合溶媒が好ましい。
塩基としては、第1工程に記載の塩基を用いることができる。好ましくは、金属水酸化物(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウムなど)、金属炭酸塩(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウムなど)、炭酸水素ナトリウムを用いればよい。特に金属水酸化物(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウムなど)が好ましい。
0℃〜使用する溶媒が還流する温度、好ましくは40〜60℃で0.5〜12時間反応させればよい。
【0063】
式(XI)で示される化合物は、以下の方法でも合成することができる。
【化104】

(式中、各記号は前記と同意義である。)
【0064】
第8工程
式(IV)で示される化合物と、式(V)で示される化合物とを反応させ、式(VI)で示される化合物を製造する工程である。
ここで、RおよびRは同一の基ではない。
上記第3工程と同様に行えばよい。
【0065】
第9工程
式(VI)で示される化合物を加水分解することにより、式(XV)で示される化合物を製造する工程である。
溶媒としては、第1工程に記載の溶媒を用いることができる。好ましくは、非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド)、ジメチルスルホキシド、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなど)、エーテル類(例、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなど)、ケトン類(例、アセトン、メチルエチルケトンなど)、ニトリル類(例、アセトニトリルなど)、アルコール類(例、メタノール、エタノール、t−ブタノールなど)、水およびそれらの混合溶媒を用いればよい。特に非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド)またはアルコール類(例、メタノール、エタノール、t−ブタノールなど)と水の混合溶媒が好ましい。
塩基としては、第1工程に記載の塩基を用いることができる。好ましくは、金属水酸化物(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウムなど)、金属炭酸塩(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウムなど)、炭酸水素ナトリウムを用いればよい。特に金属水酸化物(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウムなど)が好ましい。
0℃〜使用する溶媒が還流する温度、好ましくは60℃〜使用する溶媒が還流する温度で0.5〜12時間反応させればよい。
【0066】
第10工程
式(XV)で示される化合物から、式(XVI)で示される化合物を製造する工程である。
溶媒としては、第1工程に記載の溶媒を用いることができる。好ましくは、非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド)、ジメチルスルホキシド、芳香族炭化水素類(例、トルエン、ベンゼン、キシレンなど)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなど)、エーテル類(例、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなど)、エステル類(例、酢酸メチル、酢酸エチルなど)、ケトン類(例、アセトン、メチルエチルケトンなど)、ニトリル類(例、アセトニトリルなど)およびそれらの混合溶媒を用いればよい。特に非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド)が好ましい。
式(XV)で示される化合物にハロゲン化剤を反応させればよい。
ハロゲン化剤としては、オキシ塩化リン、五塩化リン、オキザリルクロライド、塩化チオニル、スルフリルクロライド、ジクロロトリフェニルホスホランなどが挙げられる。好ましくは、オキシ塩化リン、五塩化リン、オキザリルクロライド、塩化チオニルである。特に好ましくは、塩化チオニルである。
−40℃〜使用する溶媒が還流する温度、好ましくは−10℃〜40℃で0.5〜12時間反応させればよい。
【0067】
第11工程
式(XVI)で示される化合物と、式(XVII)で示される化合物とを反応させ、式(VI)で示される化合物を製造する工程である。
ここで、RとRは同一の基である。
溶媒としては、第1工程に記載の溶媒を用いることができる。好ましくは、非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド)、ジメチルスルホキシド、芳香族炭化水素類(例、トルエン、ベンゼン、キシレンなど)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなど)、エーテル類(例、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなど)、エステル類(例、酢酸メチル、酢酸エチルなど)、ケトン類(例、アセトン、メチルエチルケトンなど)、ニトリル類(例、アセトニトリルなど)、アルコール類(例、メタノール、エタノール、t−ブタノールなど)およびそれらの混合溶媒を用いればよい。特に非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド)が好ましい。
0℃〜使用する溶媒が還流する温度、好ましくは60℃〜使用する溶媒が還流する温度で0.5〜12時間反応させればよい。
式(XVII)で示される化合物としては、たとえば、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコールまたはイソブチルアルコールなどが挙げられる。
【0068】
第12工程
式(VI)で示される化合物と、式(VII)で示される化合物とをハロゲン化剤の存在下で反応させ、式(VIII)で示される化合物を製造する工程である。
ここで、RとRは同一の基である。
上記第4工程と同様に行えばよい。
【0069】
第13工程
式(VIII)で示される化合物と、塩基とを反応させ、式(IX)で示される化合物を製造する工程である。
ここで、RとRは同一の基である。
上記第5工程と同様に行えばよい。
【0070】
第14工程
式(IX)で示される化合物から、式(X)で示される化合物を製造する工程である。
ここで、RとRは同一の基である。
上記第6工程と同様に行えばよい。
【0071】
第15工程
式(X)で示される化合物を加水分解することにより、式(XI)で示される化合物を製造する工程である。
ここで、RとRは同一の基である。
上記第7工程と同様に行えばよい。
【0072】
式(XIII)で示される化合物は、以下の方法で合成することができる。
【化105】

(式中、各記号は前記と同意義である。)
【0073】
第16工程
式(XI)で示される化合物から、式(XIV)で示される化合物を製造する工程である。
溶媒としては、第1工程に記載の溶媒を用いることができる。好ましくは、非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド)、ジメチルスルホキシド、芳香族炭化水素類(例、トルエン、ベンゼン、キシレンなど)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなど)、エーテル類(例、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなど)、エステル類(例、酢酸メチル、酢酸エチルなど)、ケトン類(例、アセトン、メチルエチルケトンなど)、ニトリル類(例、アセトニトリルなど)およびそれらの混合溶媒を用いればよい。特に非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド)が好ましい。
ハロゲン化剤としては、オキシ塩化リン、五塩化リン、オキザリルクロライド、塩化チオニル、スルフリルクロライド、ジクロロトリフェニルホスホランなどが挙げられる。好ましくは、オキシ塩化リン、五塩化リン、オキザリルクロライド、塩化チオニルである。特に好ましくは、塩化チオニルである。
−40℃〜使用する溶媒が還流する温度、好ましくは−20℃〜室温で0.5〜12時間反応させればよい。
【0074】
第17工程
式(XIV)で示される化合物と、式(XII)で示される化合物とを反応させ、式(XIII)で示される化合物を製造する工程である。
溶媒としては、第1工程に記載の溶媒を用いることができる。好ましくは、非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド)、ジメチルスルホキシド、芳香族炭化水素類(例、トルエン、ベンゼン、キシレンなど)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなど)、エーテル類(例、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなど)、エステル類(例、酢酸メチル、酢酸エチルなど)、ケトン類(例、アセトン、メチルエチルケトンなど)、ニトリル類(例、アセトニトリルなど)、水およびそれらの混合溶媒を用いればよい。特に非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド)、エーテル類(例、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなど)が好ましい。
塩基としては、第1工程に記載の塩基を用いることができる。好ましくは、金属水酸化物(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウムなど)、金属炭酸塩(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウムなど)、炭酸水素ナトリウム、有機アミン(例、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU、ピリジン、2,6−ルチジンなど)を用いればよい。特に金属水酸化物(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウムなど)が好ましい。
−20℃〜使用する溶媒が還流する温度、好ましくは−10℃〜室温で0.5〜12時間反応させればよい。
なお、式(XIV)で示される化合物、式(XII)で示される化合物は、塩や溶媒和物の形態で使用してもよい。
式(XII)で示される化合物は、国際公開第2011/078101号パンフレット及び国際公開第2012/020724号パンフレット記載の方法に順じて製造することができる。
【0075】
上記第16工程において、ハロゲン化剤以外の試薬を用いることにより、Xとして各種の脱離基を有する式(XIV)で示される化合物を合成することができ、その後、第17工程と同様にして式(XIII)で示される化合物を製造することができる。該方法も本発明に含まれる。「脱離基」としては、カルボン酸とアミンの縮合に際して脱離する置換基であれば、特に限定されない。たとえば、アシルオキシ(例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシなど)、置換もしくは非置換のアルキルスルホニルオキシ(例えば、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシなど)、置換もしくは非置換のベンゼンスルホニルオキシ(例えば、パラトルエンスルホニルオキシ、オルトニトロベンゼンスルホニルオキシなど)、N,N’−dicyclohexylcarbamimidoyloxy、N,N’−diisopropylcarbamimidoyloxy、(N−(3−(dimethylamino)propyl)−N’−ethylcarbamimidoyloxyなどが挙げられる。
たとえば、アシルハライドを塩基の存在下、式(XI)で示される化合物と反応させることにより、「脱離基」としてアシルオキシを有する式(XIV)で示される化合物を製造することができる。アルキルスルホニルハライドを塩基の存在下、式(XI)で示される化合物と反応させることにより、「脱離基」としてアルキルスルホニルオキシを有する式(XIV)で示される化合物を製造することができる。他も同様である。
【0076】
式(XIII)で示される化合物は、以下の方法でも合成することができる。
【化106】

(式中、各記号は前記と同意義である。)
【0077】
第18工程
式(XI)で示される化合物と、式(XII)で示される化合物とを反応させ、式(XIII)で示される化合物を製造する工程である。
溶媒としては、第1工程に記載の溶媒を用いることができる。
本工程は縮合剤の存在下で行うことができる。
縮合剤としては、カルボキシル基とアミノ基の縮合に使用されるアミド縮合剤を用いることができる。たとえば、カルボジイミド類(例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩など)、ジフェニルリン酸アジド、BOP試薬(たとえば、BOP、PyBop、TBTUなど)、DMT−MM、1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾール、2−クロロ1,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド等があげられる。好ましくは、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミドまたは1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩であり、特に好ましくは、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩である。
また、本工程は添加剤の存在下で行うことができる。
添加剤としては、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシスクシンイミド等があげられる。特に好ましくは、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールである。
【0078】
別に言及がなければ、本明細書中および特許請求の範囲記載の数値はおおよその値である。数値の変動は、装置キャリブレーション、装置エラー、物質の純度、結晶サイズ、サンプルサイズ、その他の因子に起因する。
【0079】
本明細書中で用いる「結晶」とは、秩序だった長い範囲の分子構造を有する物質を意味する。結晶形態の結晶化度は、例えば、粉末X線回折、水分吸着、示差、熱量分析、溶液比色、溶解特性を含めた多くの技術によって測定することができる。
式(III)で示される化合物、式(IV)で示される化合物、式(VI)で示される化合物、式(VIII)で示される化合物、式(IX)で示される化合物、式(X)で示される化合物、式(XI)で示される化合物及び式(XV)で示される化合物は、式(XIII)で示される化合物を製造するための中間体として有用である。
それらの中間体の中でも、特に、本明細書で記載している結晶が好ましい。たとえば、本明細書で示す粉末X線回折の2θの値(±0.2°)から選択される2つ以上の2θを有する結晶、さらには、3つ以上の2θを有する結晶、4つ以上の2θを有する結晶、5つ以上の2θを有する結晶などが好ましい。
【0080】
本発明化合物の各種の置換基は、(1) Alan R.Katriszly et al., Comprehensive Heterocyclic Chemistry (2) Alan R.Katriszly et al., Comprehensive Heterocyclic Chemistry II (3) RODD'S CHEMISTRY OF CARBON COMPOUNDS VOLUME IV HETEROCYCLIC COMPOUNDS等を参考にして、導入することができる。
【0081】
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳しく説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
各実施例で得られたNMR分析は300MHzで行い、CDClまたはジメチルスルホキシド(d6−DMSO)を用いて測定した。
log k’は親油性の程度を表す値であり、以下の式により算出される。
log k’=log(t−t)/t
:グラジエント条件下における化合物の保持時間
:カラムに保持されない標準物質の保持時間
測定にはXTerra MS C18 5μm、2.1×100mmのカラム(Waters製)を使用し、流速0.25mL/分でアセトニトリル/pH6.8buffer(5:95〜95:5/20分)の直線勾配をかけて測定した。
【0082】
結晶の粉末X線回折測定は、日本薬局方の一般試験法に記載された粉末X線回折測定法に従い、以下のいずれかの測定条件で行った。
(装置1)
Rigaku社製TTR III
(操作方法)
試料について、以下の条件で測定を行った。
測定法:反射法
光源の種類:Cu管球
使用波長:CuKα線
管電流:300mA
管電圧:50Kv
試料プレート:アルミ
スキャンスピード:5.000°/分
走査範囲:4.000〜40.0000°
サンプリング幅:0.0200°

(装置2)
Rigaku社製MiniFlex II
(操作方法)
試料について、以下の条件で測定を行った。
測定法:反射法
光源の種類:Cu管球
使用波長:CuKα線
管電流:15mA
管電圧:30Kv
試料プレート:アルミ
スキャンスピード:5.000°/分
走査範囲:4.000〜40.0000°
サンプリング幅:0.0200°

一般に、粉末X線回折における回折角度(2θ)は±0.2°の範囲内で誤差が生じ得るので、回折角度の値は±0.2°程度の範囲内の数値も含む。したがって、粉末X線回折におけるピークの回折角度が完全に一致する結晶だけでなく、ピークの回折角度が±0.2°程度の誤差で一致する結晶も本発明に含まれる。
【0083】
融点はすべて融点測定器で測定した。
(測定条件)
装置:BUCHI Melting Point B−545
昇温速度:1℃/分
【実施例1】
【0084】
【化107】
【0085】
工程1
水加ヒドラジン(8.00g、159.8mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド(96.8mL)溶液を10℃に冷却し、エトキシメチレンマロン酸ジエチル(34.56g、159.8mmol)を1時間かけて加え、さらに1時間攪拌し、化合物(I−1−1)を含む反応液を得た。
【0086】
工程2
工程1の反応液を10℃に冷却し、ジイソプロピルエチルアミン(30.98g、239.7mmol)を加えて10分攪拌した後、臭化プレニル(II−1−1)(29.78g、199.8mmol)を加えて、さらに3時間攪拌し、化合物(III―1−1)を含む反応液を得た。工程2で得られた反応液の半分を次工程で用いた。
H NMR(d6−DMSO) δ(ppm)1.18(t,J=7.0Hz,3H),1.20(t,J=7.1Hz,3H),1.57(s,3H),1.68(s,3H),3.36(brd,J=〜7Hz,2H),4.02(q,J=7.0Hz,2H),4.10(q,J=7.1Hz,2H),5.15(m,1H),5.61(brs,1H),7.70(d,J=12.3Hz,1H),9.77(d,J=12.3Hz,1H)
【0087】
工程3
工程2で得た反応液(96.0g)を55℃に加温し、10%−炭酸カリウム水溶液(138.06g)を加えて、3時間半攪拌した。反応液を25℃に冷却した後、酢酸エチル(51.8mL)を加え、抽出した。抽出液にエタノール(34mL)、濃塩酸(16.3g)を加え、混合した溶液を減圧濃縮し、0℃で、1時間晶析した。析出した結晶をろ取し、乾燥して化合物(IV−1−1)(2、5.48g、30.6%)を得た。
融点:79.7〜79.9℃
H NMR(d6−DMSO); δ(ppm)1.24(t,J=7.1Hz,3H),1.69(brs,3H),1.72(brs,3H),4.17(q,J=7.1Hz,2H),4.47(brd,J=〜7Hz,2H),5.25(m,1H),7.53(s,1H)
粉末X線回折2θ(°);8.2,12.4,18.3,24.5,25.6
化合物(IV−1−1)の粉末X線回折結果を図1に示す。
【実施例2】
【0088】
【化108】
【0089】
工程4
化合物(IV−1−1)(44.8g、199.8mmol)、炭酸カリウム(41.4g、299.5mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド(197mL)溶液を80℃に加温し、化合物(V−1−1)(27.2g、249.6mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド(49mL)溶液を加え、1時間攪拌した。反応液を室温まで冷却したのち、水(448mL)を加え、トルエン(224mL)で抽出した。抽出液を水(45mL)で2回洗浄した。抽出液を減圧濃縮し、化合物(VI−1−1)を含む濃縮液を得た。
【0090】
工程5
N−ブロモこはく酸イミド(39.2g、220.2mmol)、三フッ化ホウ素・n−ブチルエーテル錯塩(138.4g、698.9mmol)、アセトニトリル(157mL)溶液を−20℃に冷却したのち、工程4で得た濃縮液に水(3.6g、199.8mmol)、アセトニトリル(200mL)を加えた混合溶液を滴下して2時間反応を行った。
【0091】
工程6
生成した化合物(VIII−1−1)を含む反応液に、トリエチルアミン(101.0g、998.1mmol)を加えて、60℃で、3.5時間攪拌した。反応液を室温まで冷却したのち、トルエン(179mL)を加えて、1時間攪拌し、沈殿物をろ過したのち、残留物をトルエン(224mL)で洗浄した。ろ液を5℃に冷却し、18%−水酸化ナトリウム水溶液(353.4g)を加え、抽出した。抽出液を、5%−水酸化ナトリウム水溶液(159.8g)、続いて、水(268mL)で2回洗浄した。抽出液を減圧濃縮し、化合物(IX−1−1)を含む濃縮液を得た。
【0092】
工程7
工程6で得た濃縮液にN,N−ジメチルアセトアミド(134mL)を加えて、−20℃に冷却したのち、tert−ブトキシカリウム(23.4g、208.5mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(246mL)溶液を滴下し、1.5時間攪拌した。反応液に水(44.8mL)を加え、化合物(X−1−1)を含む反応液を得た。
【0093】
工程8
工程7で得た反応液を50℃に加温したのち、8%−水酸化ナトリウム水溶液(299.6g)を加えて、3.5時間攪拌した。室温まで冷却したのち、トルエン(134mL)を加えて抽出した。下層の抽出液に濃塩酸(137.6g)を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を20%−塩化ナトリウム水溶液、水で洗浄後、減圧濃縮し、トルエンで置換したのち、0℃で、1時間晶析した。析出した結晶をろ取し、乾燥して化合物(XI−1−1)(26.82g、47.7%)を得た。
融点:172.3〜172.6℃
H NMR(d6−DMSO); δ(ppm)1.30(t,J=7.0Hz,3H),1.41(s,3H),1.41(s,3H),1.80(s,3H),4.44(q,J=7.0Hz,2H),6.42(d,J=14.3Hz,1H),6.79(d,J=14.3Hz,1H),7.78(brs,1H),7.79(brs,1H),12.45(brs,1H)
粉末X線回折2θ(°);9.0,13.0,13.9,15.0,15.6,18.9,22.0,22.3,23.1,24.3,25.0,25.4
化合物(XI−1−1)の粉末X線回折結果を図2に示す。
【実施例3】
【0094】
【化109】
【0095】
工程9
化合物(IV−1−1)(44.8g、199.8mmol)、炭酸カリウム(41.4g、299.5mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド(197mL)溶液を80℃に加温し、化合物(V−1−2)(30.7g、249.6mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド(49mL)溶液を加え、1.5時間攪拌した。反応液を室温まで冷却したのち、水(448mL)を加え、トルエン(224mL)で抽出した。抽出液を水(45mL)で2回洗浄した。抽出液を減圧濃縮し、化合物(VI−1−2)を含む濃縮液を得た。
【0096】
工程10
N−ブロモこはく酸イミド(39.2g、220.2mmol)、三フッ化ホウ素・n−ブチルエーテル錯塩(138.4g、698.9mmol)、アセトニトリル(155mL)溶液を−20℃に冷却したのち、工程9で得た濃縮液に水(3.6g、199.8mmol)、アセトニトリル(200mL)を加えた混合溶液を滴下して2時間反応を行った。
【0097】
工程11
生成した化合物(VIII−1−2)を含む反応液に、トリエチルアミン(101.0g、998.1mmol)を加えて、60℃で、3時間攪拌した。反応液を室温まで冷却したのち、トルエン(180mL)を加えて、1時間攪拌し、沈殿物をろ過したのち、残留物をトルエン(224mL)で洗浄した。ろ液を5℃に冷却し、18%−水酸化ナトリウム水溶液(353.2g)を加え、抽出した。抽出液を、5%−水酸化ナトリウム水溶液(159.8g)、続いて、水(268mL)で2回洗浄した。抽出液を減圧濃縮し、化合物(IX−1−2)を含む濃縮液を得た。
【0098】
工程12
工程11で得た濃縮液にN,N−ジメチルアセトアミド(134mL)を加えて、−20℃に冷却したのち、tert−ブトキシカリウム(21.4g、190.7mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(245mL)溶液を滴下し、1時間攪拌した。反応液に水(44.8mL)を加え、化合物(X−1−2)を含む反応液を得た。
【0099】
工程13
工程12で得た反応液を50℃に加温したのち、8%−水酸化ナトリウム水溶液(299.6g)を加えて、1時間攪拌した。室温まで冷却したのち、トルエン(134mL)を加えて抽出した。下層の抽出液に濃塩酸(136.6g)を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を20%−塩化ナトリウム水溶液、水で洗浄後、減圧濃縮し、トルエンで置換したのち、0℃で、1時間晶析した。析出した固体をろ取し、乾燥して化合物(XI−1−2)(28.75g、48.7%)を得た。
融点:172.3〜172.6℃
H NMR(d6−DMSO); δ(ppm)0.98(d,J=7.4Hz,3H),1.41(s,3H),1.41(s,3H),1.71(m,2H),1.80(s,3H),4.36(t,J=6.4Hz,2H),6.41(d,J=14.3Hz,1H),6.79(d,J=14.3Hz,1H),7.78(brs,1H),7.79(brs,1H),12.44(brs,1H)
粉末X線回折2θ(°):8.5,11.4,14.2,18.1,19.4,21.1,23.9,26.4
化合物(XI−1−2)の粉末X線回折結果を図3に示す。
【実施例4】
【0100】
【化110】
【0101】
工程14
化合物(IV−1−1)(22.4g、99.9mmol)、炭酸カリウム(20.7g、149.8mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド(98.6mL)溶液を80℃に加温し、化合物(V−1−3)(15.4g、124.9mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド(24.6mL)溶液を加え、3時間攪拌した。反応液を室温まで冷却したのち、水(224mL)を加え、トルエン(112mL)で抽出した。抽出液を水(22mL)で2回洗浄した。抽出液を減圧濃縮し、化合物(VI−1−3)を含む濃縮液を得た。
【0102】
工程15
N−ブロモこはく酸イミド(19.6g、110.1mmol)、三フッ化ホウ素・n−ブチルエーテル錯塩(69.2g、349.7mmol)、アセトニトリル(89.6mL)溶液を−20℃に冷却したのち、工程14で得た濃縮液に水(1.8g、99.9mmol)、アセトニトリル(89.6mL)を加えた混合溶液を滴下して4時間反応を行った。
【0103】
工程16
生成した化合物(VIII−1−3)を含む反応液に、トリエチルアミン(50.5g、499.1mmol)を加えて、60℃で、3時間攪拌した。反応液を室温まで冷却したのち、トルエン(89.6mL)を加えて、1時間攪拌し、沈殿物をろ過したのち、残留物をトルエン(112mL)で洗浄した。ろ液を5℃に冷却し、18%−水酸化ナトリウム水溶液(176.7g)を加え、抽出した。抽出液を、5%−水酸化ナトリウム水溶液(79.9g)、続いて、水(134mL)で2回洗浄した。抽出液を減圧濃縮し、化合物(IX−1−3)を含む濃縮液を得た。
H NMR(d6−DMSO);δ(ppm)1.13(s,3H),1.20(s,3H),1.27(t,J=7.1Hz,3H),1.28(d,J=6.1Hz,3H),1.31(d,J=6.1Hz,3H),1.79(s,3H),4.12(m,2H),4.20(q,J=7.1Hz,2H),4.45(dd,J=5.2Hz,7.8Hz,1H),5.00(m,1H),7.78(s,1H)
【0104】
工程17
工程16で得た濃縮液にN,N−ジメチルアセトアミド(67.2mL)を加えて、−20℃に冷却したのち、tert−ブトキシカリウム(10.7g、94.9mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(123.2mL)溶液を滴下し、1時間攪拌した。反応液に水(22.4mL)を加え、化合物(X−1−3)を含む反応液を得た。
H NMR(CDCl);δ(ppm)1.35(t,J=7.1Hz,3H),1.37(d,J=6.1Hz,6H),1.54(s,6H),1.95(s,3H),4.27(q,J=7.1Hz,2H),5.05(qq,J=6.1Hz,6.1Hz,1H),5.43(brs,1H),6.40(d,J=14.2Hz,1H),6.91(dd,J=0.5Hz,14.2Hz,1H),7.83(d,J=0.5Hz,1H)
【0105】
工程18
工程17で得た反応液を50℃に加温したのち、8%−水酸化ナトリウム水溶液(149.8g)を加えて、1時間攪拌した。室温まで冷却したのち、トルエン(67.2mL)を加えて抽出した。下層の抽出液に濃塩酸(68.2g)を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を20%−塩化ナトリウム水溶液、水で洗浄後、減圧濃縮し、トルエンで置換したのち、0℃で、1時間晶析した。析出した固体をろ取し、乾燥して化合物(XI−1−3)(I型結晶)(14.54g、49.3%)を得た。
融点:183.9〜184.4℃
H NMR(d6−DMSO); δ(ppm)1.28(d,J=6.2Hz,3H),1.28(d,J=6.2Hz,3H),1.41(s,3H),1.41(s,3H),1.80(s,3H),4.98(q,J=6.2Hz,1H),6.39(d,J=14.4Hz,1H),6.78(d,J=14.3Hz,1H),7.78(brs,1H),7.81(brs,1H),12.43(brs,1H)
粉末X線回折2θ(°):8.7,11.3,14.3,15.0,17.5,19.4,21.1,22.7,24.3,24.8,26.0
【実施例5】
【0106】
【化111】
【0107】
工程19
化合物(IV−1−1)(22.4g、99.9mmol)、炭酸カリウム(20.7g、149.8mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド(99mL)溶液を80℃に加温し、化合物(V−1−4)(19.9g、144.9mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド(25mL)溶液を加え、7時間攪拌した。反応液を室温まで冷却したのち、水(224mL)を加え、トルエン(112mL)で抽出した。抽出液を水(22mL)で2回洗浄した。抽出液を減圧濃縮し、化合物(VI−1−4)を含む濃縮液を得た。
【0108】
工程20
N−ブロモこはく酸イミド(19.6g、110.1mmol)、三フッ化ホウ素・n−ブチルエーテル錯塩(69.2g、349.4mmol)、アセトニトリル(79mL)溶液を−20℃に冷却したのち、工程19で得た濃縮液に水(3.6g、99.9mmol)、アセトニトリル(100mL)を加えた混合溶液を滴下して5時間反応を行った。
【0109】
工程21
生成した化合物(VIII−1−4)を含む反応液に、トリエチルアミン(50.5g、499.1mmol)を加えて、60℃で、3時間攪拌した。反応液を室温まで冷却したのち、トルエン(90mL)を加えて、1時間攪拌し、沈殿物をろ過したのち、残留物をトルエン(112mL)で洗浄した。ろ液を5℃に冷却し、18%−水酸化ナトリウム水溶液(176.7g)を加え、抽出した。抽出液を、5%−水酸化ナトリウム水溶液(79.9g)、続いて、水(134mL)で2回洗浄した。抽出液を減圧濃縮し、化合物(IX−1−4)を含む濃縮液を得た。
【0110】
工程22
工程21で得た濃縮液にN,N−ジメチルアセトアミド(67mL)を加えて、−20℃に冷却したのち、tert−ブトキシカリウム(10.7g、95.4mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(123mL)溶液を滴下し、1.5時間攪拌した。反応液に水(22.4mL)を加え、化合物(X−1−4)を含む反応液を得た。
【0111】
工程23
工程22で得た反応液を50℃に加温したのち、8%−水酸化ナトリウム水溶液(149.8g)を加えて、1時間攪拌した。室温まで冷却したのち、トルエン(67mL)を加えて抽出した。下層の抽出液に濃塩酸(67.9g)を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を20%−塩化ナトリウム水溶液、水で洗浄後、減圧濃縮し、トルエンで置換したのち、0℃で、1時間晶析した。析出した固体をろ取し、乾燥して化合物(XI−1−4)(15.10g、48.9%)を得た。
融点:166.3〜166.5℃
H NMR(d6−DMSO); δ(ppm)0.98(d,J=6.7Hz,3H),0.98(d,J=6.7Hz,3H),1.40(s,3H),1.40(s,3H),2.01(m,1H),1.79(s,3H),4.19(d,J=6.2Hz,2H),6.39(d,J=14.3Hz,1H),6.80(d,J=14.3Hz,1H),7.79(brs,1H),7.79(brs,1H),12.43(brs,1H)
粉末X線回折2θ(°):10.6,11.5,17.6,18.0,18.6,19.5,19.9,23.1,24.8,27.5,27.9
化合物(XI−1−4)の粉末X線回折結果を図5に示す。
【実施例6】
【0112】
【化112】
【0113】
工程24
化合物(IV−1−1)(130.0g、579.7mmol)、炭酸カリウム(120.2g、869.5mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(377.0mL)溶液を80℃に加温し、化合物(V−1−3)(89.1g、724.6mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド(143.0mL)溶液を加え、3時間攪拌した。反応液を室温まで冷却したのち、水(1300mL)を加え、トルエン(650mL)で抽出した。抽出液を水(130mL)で2回洗浄した。抽出液を減圧濃縮し、化合物(VI−1−3)を含む濃縮液を得た。
工程25
工程24で得た反応液にN,N−ジメチルアセトアミド(780.0mL)、20%−水酸化ナトリウム水溶液(579.7g)を加え、65℃に加温したのち、3時間攪拌した。反応液を室温まで冷却したのちトルエン(780mL)で洗浄し、抽出液に水(520mL)を加え、再度トルエン(780mL)で洗浄した。抽出液のpHを20%−塩酸でpH=2.0に調節したのち、0℃で、1時間晶析した。析出した固体をろ取し、乾燥して化合物(XV−1−1)(129.4g、93.7%)を得た。
融点:89.7〜89.8℃
H NMR(d6−DMSO);δ(ppm)0.97(d,J=6.0Hz,6H),1.39(d,J=0.9Hz,3H),1.44(d,J=1.2Hz,3H),4.22(d,J=6.9Hz,2H),4.77(sep,J=6.0Hz,1H),4.94(m,1H),7.37(s,1H),11.89(brs,1H)
粉末X線回折2θ(°):12.0,20.3
化合物(XV−1−1)の粉末X線回折結果を図6に示す。
【0114】
工程26
化合物(XV−1−1)(120.0g、503.6mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(612mL)溶液を0℃に冷却し、塩化チオニル(65.2g、548.0mmol)を加え、1時間攪拌した。
【0115】
工程27
生成した化合物(XVI−1−1)を含む反応液に化合物(XVII−1−1)(151.3g、2517.5mmol)を加え、室温で1.5時間、80℃で2時間攪拌した。反応液を0℃まで冷却したのち、8%−炭酸水素ナトリウム水溶液(1305.9g)とトルエン(1200mL)に15℃以下で加えた。水層を除去したのち、抽出液を水(1200mL)で2回洗浄した。抽出液を減圧濃縮し、化合物(VI−1−3’)を含む濃縮液を得た。
【0116】
工程28
N−ブロモこはく酸イミド(49.3g、277.2mmol)、三フッ化ホウ素・n−ブチルエーテル錯塩(174.7g、822.0mmol)、アセトニトリル(210mL)溶液を−20℃に冷却したのち、工程27で得た濃縮液のうち222.2g(化合物(XV−1−1)、252.2mmol相当)に水(4.56g、252.2mmol)、アセトニトリル(270mL)を加えた混合溶液を滴下して0.5時間反応を行った。
化合物(VIII−1−3’):
H NMR(CDCl);δ(ppm)1.31(d,J=6.3Hz,6H),1.36(d,J=5.9Hz,3H),1.38(d,J=5.9Hz,3H),1.56(s,3H),1.57(s,3H),1.91(s,3H),4.34(dd,J=8.6Hz,14.5Hz,1H),4.40(dd,J=5.3Hz,14.5Hz,1H),5.14(qq,J=6.3Hz,6.3Hz,1H),5.15(dd,J=5.3Hz,8.6Hz,1H),5.27(qq,J=5.9Hz,5.9Hz,1H),5.46(brs,1H),7.78(s,1H)
【0117】
工程29
生成した化合物(VIII−1−3’)を含む反応液に、トリエチルアミン(127.5g、1260.0mmol)を加えて、60℃で、3時間攪拌した。反応液を室温まで冷却したのち、トルエン(240mL)を加えて、1時間攪拌し、沈殿物をろ過したのち、残留物をトルエン(300mL)で洗浄した。ろ液を5℃に冷却し、18%−水酸化ナトリウム水溶液(448.0g)を加え、抽出した。抽出液を、5%−水酸化ナトリウム水溶液(201.6g)、続いて、水(360mL)で2回洗浄した。抽出液を減圧濃縮し、化合物(IX−1−3’)を含む濃縮液435.2gを得た。
【0118】
工程30
工程29で得た濃縮液のうち114.4g(化合物(XV−1−1)、120.0mmol相当)にN,N−ジメチルアセトアミド(85.8mL)を加えて、−20℃に冷却したのち、tert−ブトキシカリウム(17.5g、156.0mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(157mL)溶液を滴下し、0.5時間攪拌した。反応液に水(42.9mL)とトルエン(286mL)を加え、室温まで昇温した。有機層を水(100mL)で洗浄し、水層はトルエン(286mL)で逆抽出した。有機層を合併し、水(57.2mL)で3回洗浄した。抽出液を143gまで減圧濃縮したのち、ヘプタン(428.9mL)を加え、0℃で、1時間晶析した。析出した固体をろ取し、乾燥して化合物(X−1−3’)(28.98g、71.6%)を得た。
融点:120.0〜120.1℃
H NMR(d6−DMSO);δ(ppm)1.26(d,J=6.3Hz,6H),1.28(d,J=6.0Hz,3H),1.79(s,3H),4.87(sep,J=6.0Hz,1H),5.03(sep,J=6.3Hz,1H),6.40(d,J=14.1Hz,1H),6.80(d,J=14.1Hz,1H),7.77(brs,1H),7.82(s,1H)
粉末X線回折2θ(°):12.7,13.9,15.2,15.5,17.2,18.2,18.6,19.9,20.2
化合物(X−1−3’)の粉末X線回折結果を図7に示す。
【0119】
工程31
化合物(X−1−3’)(1.012g、3mmol)の2−プロパノール(5mL)溶液に5%−水酸化ナトリウム水溶液(7.2g)を加え、60℃に加温したのち、8時間攪拌した。室温まで冷却したのち、反応液をトルエン(5mL)で2回洗浄した。水層のpHを12%−塩酸でpH=2.0に調節したのち、0℃で、1時間晶析した。析出した固体をろ取し、乾燥して化合物(XI−1−3)(0.59g、66.6%)を得た。
融点:183.9〜184.4℃
H NMR(d6−DMSO); δ(ppm)1.28(d,J=6.2Hz,3H),1.28(d,J=6.2Hz,3H),1.41(s,3H),1.41(s,3H),1.80(s,3H),4.98(q,J=6.2Hz,1H),6.39(d,J=14.4Hz,1H),6.78(d,J=14.3Hz,1H),7.78(brs,1H),7.81(brs,1H),12.43(brs,1H)
I型:
粉末X線回折2θ(°):8.7,11.3,14.3,15.0,17.5,19.4,21.1,22.7,24.3,24.8,26.0
化合物(XI−1−3)のI型結晶の粉末X線回折結果を図4に示す。
【0120】
なお、粉末X線回折の測定の結果から、化合物(XI−1−3)の結晶として、上記I型結晶と異なる2種類の結晶形が存在することが見出された。この2種類の結晶形を以下、各々II型およびIII型という。II型およびIII型結晶は、粉末X線回折で得られる特徴的なピークや赤外吸収スペクトルの吸収帯等により識別される。以下に各結晶形の粉末X線回折による測定結果を示す。

II型:
粉末X線回折2θ(°):12.6,13.7,15.3,17.9,20.1,20.6,21.2,23.5,25.4,31.0
化合物(XI−1−3)のII型結晶の粉末X線回折結果を図9に示す。

III型:
粉末X線回折2θ(°):8.7,9.4,11.3,14.3,16.3,18.9,20.2,23.1,27.7,30.5
化合物(XI−1−3)のIII型結晶の粉末X線回折結果を図10に示す。
【実施例7】
【0121】
【化113】
【0122】
工程32
ブテニルイソプロポキシピラゾールカルボン酸(XI−1−3)(24.6g、83.3mmol)にN−メチルピロリドン(94.6mL)を加え、0℃で溶解した。これに塩化チオニル(10.9g、91.6mmol)を滴下し、0.5時間攪拌することにより、ブテニルイソプロポキシピラゾールカルボニルクロリド(XIV−1−1)を含む反応液を得た。
【0123】
工程33
アミノアダマンタンカルバメート塩酸塩(XII−1−1)は、国際公開第2012/020724号パンフレット記載の方法に順じて製造した。
化合物(XII−1−1)(22.6g、91.6mmol)にテトラヒドロフラン(246mL)を加え、0℃に冷却したのち、18%水酸化ナトリウム水溶液(101.8g)を加え、アミノアダマンタンカルバメート(XII−1−1’)を含むスラリーを得た。
【0124】
工程34
工程33で得たスラリーに、工程32で得た反応液を0℃にて2.5時間かけて滴下した。得られた反応液に水(221mL)と、8%塩酸(40.0g)を加えたのち、25℃に昇温した。8%塩酸を用いてpH=6.5に調整したのち、50℃以下で520mLまで減圧濃縮した。得られたスラリーに水(221mL)を加え、0℃で1時間晶析した。析出した固体をろ取し、メタノール(135mL)と酢酸エチル(135mL)を加え、55℃で、溶解した。溶解液にメタノール(20mL)と酢酸エチル(172mL)を加え、50℃以下で、150mLまで濃縮した。濃縮液を30℃に冷却し、化合物(XIII−1−1)が析出したことを確認したのち、1時間攪拌した。得られたスラリーに酢酸エチル(315mL)を加え、50℃以下で、180mLまで濃縮した。得られた濃縮スラリーを、−10℃で、1時間晶析した。析出した固体をろ取し、乾燥して化合物(XIII−1−1)の非溶媒和物の結晶(I型結晶)(36.6g、90.0%)を得た。
化合物(XIII−1−1)の非溶媒和物の結晶(I型結晶):
融点:196.9〜203.5℃
H NMR(d6−DMSO); δ(ppm)1.24(d,J=6.3Hz,6H),1.34−1.48(m,8H),1.79(s,3H),1.87−1.99(m,2H),2.00−2.14(m,9H),3.92−3.98(m,1H),4.88(sep,J=6.3Hz,1H),6.19(brs,2H),6.35(d,J=14.4Hz,1H),6.74(d,J=14.1Hz,1H),7.35(d,J=6.6Hz,1H),7.76(s,1H),8.00(s,1H)
粉末X線回折2θ(°):8.2,10.9,12.3,16.9,19.5,20.8,24.6,29.1
化合物(XIII−1−1)の非溶媒和物の結晶(I型結晶)の粉末X線回折結果を図8に示す。
【0125】
なお、上記と同様の方法に従って工程34を実施した際に、上記I型結晶と異なる結晶が得られることがわかった。
この得られた結晶は、化合物(XIII−1−1)のメタノール和物であった。
以下にメタノール和物のNMR分析および粉末X線回折による測定結果を示す。
化合物(XIII−1−1)のメタノール和物:
H NMR(d6−DMSO); δ(ppm)1.24(d,J=6.3Hz,6H),1.34−1.48(m,8H),1.79(s,3H),1.87−1.99(m,2H),2.00−2.14(m,9H),3.16(s,3H),3.92−3.98(m,1H),4.88(sep,J=6.3Hz,1H),6.19(brs,2H),6.35(d,J=14.4Hz,1H),6.74(d,J=14.1Hz,1H),7.35(d,J=6.6Hz,1H),7.76(s,1H),8.00(s,1H)
粉末X線回折2θ(°):7.4,9.4,11.9,14.4,18.5,19.4,15.1,25.4,29.5
化合物(XIII−1−1)のメタノール和物の粉末X線回折結果を図11に示す。
【0126】
一旦化合物(XIII−1−1)のメタノール和物が取れると、その後、上記と同様の方法に従って工程34を実施しても、化合物(XIII−1−1)のメタノール和物が析出し、化合物(XIII−1−1)の非溶媒和物の結晶(I型結晶)が析出しないことがわかった。また、化合物(XIII−1−1)の粗結晶を、メタノールを含む溶媒を用いて結晶化しても、メタノール和物へ変換し得ることが判明した。
しかし、化合物(XIII−1−1)のメタノール和物は、ICH(International Conference on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use)ガイドラインの基準値以上のメタノールを含んでいるため医薬品としては好ましくない。
【0127】
本発明者は、化合物(XIII−1−1)の粗結晶を、メタノールを実質的に含まない溶媒を用いて結晶化することで、選択的に化合物(XIII−1−1)の非溶媒和物の結晶(I型結晶)を得ることができることを見出した。
「メタノールを実質的に含まない溶媒」とは、10%(V/V)以上のメタノールを含まない溶媒を意味する。5%(V/V)以上のメタノールを含まない溶媒が好ましい。3%(V/V)以上のメタノールを含まない溶媒が更に好ましい。
例えば、10%(V/V)未満のメタノールを含んでいてもよい酢酸エチル、5%(V/V)未満のメタノールを含んでいてもよい酢酸エチル、3%(V/V)未満のメタノールを含んでいてもよい酢酸エチルや、
アセトン、1−プロパノール、2−プロパノール、エタノール、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、水およびN,N−ジメチルアセトアミドから選択される1以上の溶媒と水およびトルエンから選択される1以上の溶媒の混合溶媒、
アセトンと水の混合溶媒、1−プロパノールと水の混合溶媒、2−プロパノールと水の混合溶媒、2−プロパノールとトルエンの混合溶媒、エタノールと水の混合溶媒、アセトニトリルと水の混合溶媒、ジメチルスルホキシドと水の混合溶媒またはN,N−ジメチルアセトアミドと水の混合溶媒などが挙げられる。
【実施例8】
【0128】
化合物(XIII−1−1)(4.95g、10.16mmol)に1−プロパノール(11.7mL)と水(3.9mL)を加え、55℃で溶解した。40℃に冷却し、I型種晶を加えたのち、25℃で1時間攪拌した。得られたスラリーに水(40.5mL)を加え、0℃で1時間晶析した。析出した固体をろ取し、乾燥して化合物(XIII−1−1)(4.77g、96.4%)を得た。粉末X線回折の測定結果から、得られた結晶は、I型結晶であった。
【実施例9】
【0129】
化合物(XIII−1−1)(9.91g、20.32mmol)にアセトン(62.4mL)と水(15.6mL)を加え、55℃で溶解した。40℃に冷却し、I型種晶を加えたのち、25℃で1時間攪拌した。スラリー液を36mLまで減圧濃縮したのち、水(42.0mL)を加え、0℃で、1時間晶析した。析出した固体をろ取し、乾燥して化合物(XIII−1−1)(9.60g、96.9%)を得た。粉末X線回折の測定結果から、得られた結晶は、I型結晶であった。
なお、I型種晶は、工程34の方法において、メタノールと酢酸エチルの代わりに、アセトンと水を用いることにより、調整することができる。
【0130】
また、本発明者は、化合物(XIII−1−1)で示される化合物のメタノール和物の結晶または当該化合物の塩のメタノール和物の結晶を、30%(V/V)以上のメタノールを含まない溶媒を用いて結晶変換することで、化合物(XIII−1−1)の非溶媒和物の結晶または当該化合物の塩の非溶媒和物の結晶を製造することができることを見出した。
「結晶変換」とは、化合物(XIII−1−1)で示される化合物のメタノール和物の結晶または当該化合物の塩のメタノール和物の結晶を、懸濁攪拌することにより、化合物(XIII−1−1)の非溶媒和物の結晶または当該化合物の塩の非溶媒和物の結晶に変換することを意味する。
「30%(V/V)以上のメタノールを含まない溶媒」とは、30%(V/V)未満のメタノールを含んでいてもよい溶媒を意味する。20%(V/V)以上のメタノールを含まない溶媒が好ましく、10%(V/V)以上のメタノールを含まない溶媒が更に好ましく、5%(V/V)以上のメタノールを含まない溶媒が特に好ましい。
「30%(V/V)以上のメタノールを含まない溶媒」は、アセトン、1−プロパノール、2−プロパノール、エタノール、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミドおよびテトラヒドロフラン、水、トルエン、またはそれらの混合溶媒などの溶媒であって、30%(V/V)未満のメタノールを含んでいてもよい溶媒を意味する。
特に、アセトン、1−プロパノール、2−プロパノール、エタノール、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、水、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミドおよびテトラヒドロフランから選択される1以上の溶媒と、水およびトルエンから選択される1以上の溶媒の混合溶媒であって、30%(V/V)未満のメタノールを含んでいてもよい溶媒を意味する。特に、20%(V/V)未満のメタノールを含んでいてもよい溶媒、10%(V/V)未満のメタノールを含んでいてもよい溶媒、5%(V/V)未満のメタノールを含んでいてもよい溶媒などが好ましい。
【実施例10】
【0131】
20%メタノール水(メタノール0.20mLと水0.80mLの混合物)、50%メタノール水(メタノール0.50mLと水0.50mLの混合物)、80%メタノール水(メタノール0.80mLと水0.20mLの混合物)、100%メタノール(メタノール1.00mL)に、化合物(XIII−1−1)のメタノール和物(0.30g、0.58mmol)をそれぞれ加え、25℃で6時間懸濁攪拌した。
固体をろ取し、未乾のまま粉末X線を測定したところ、20%メタノール水から得た固体は化合物(XIII−1−1)のI型結晶に結晶変換されていた。一方、50%メタノール水、80%メタノール水、100%メタノールからから得た固体はいずれも化合物(XIII−1−1)のメタノール和物のままであった。
【実施例11】
【0132】
30%メタノール水(メタノール0.30mLと水0.70mLの混合物)、40%メタノール水(メタノール0.40mLと水0.60mLの混合物)、50%メタノール水(メタノール0.50mLと水0.50mLの混合物)、80%メタノール水(メタノール0.80mLと水0.20mLの混合物)に、化合物(XIII−1−1)のI型結晶(0.15g、0.31mmol)をそれぞれ加えた。
30%メタノール水(メタノール0.30mLと水0.70mLの混合物)、40%メタノール水(メタノール0.40mLと水0.60mLの混合物)、50%メタノール水(メタノール0.50mLと水0.50mLの混合物)、80%メタノール水(メタノール0.80mLと水0.20mLの混合物)に、化合物(XIII−1−1)のメタノール和物(0.15g、0.29mmol)をそれぞれ加えた。
上記懸濁液を25℃で5時間攪拌した。固体をろ取し、未乾のまま粉末X線を測定したところ、得られた固体はいずれも化合物(XIII−1−1)のメタノール和物であった。
これらの結果から、化合物(XIII−1−1)は30%メタノール水よりもメタノール濃度が高いメタノール水での懸濁攪拌では、化合物(XIII−1−1)のメタノール和物が得られ、20%メタノール水での懸濁攪拌では化合物(XIII−1−1)のI型結晶が得られることを見出した。
【実施例12】
【0133】
25%アセトン水(アセトン0.25mLと水0.75mLの混合物)、38%アセトン水(アセトン0.38mLと水0.62mLの混合物)、52%アセトン水(アセトン0.52mLと水0.48mLの混合物)、80%アセトン水(アセトン0.80mLと水0.20mLの混合物)に化合物(XIII−1−1)のメタノール和物(0.50g、0.96mmol)をそれぞれ加え、25℃で5時間懸濁攪拌した。固体をろ取し、未乾のまま粉末X線を測定したところ、得られた固体はいずれも化合物(XIII−1−1)のI型結晶であった。
【実施例13】
【0134】
80%アセトン水(アセトン0.80mLと水0.20mLの混合物)に化合物(XIII−1−1)のメタノール和物(0.50g、0.96mmol)を加え、40℃で5時間懸濁攪拌した。固体をろ取し、未乾のまま粉末X線を測定したところ、得た固体は化合物(XIII−1−1)のI型結晶であった。
【実施例14】
【0135】
80%アセトン水(アセトン0.80mLと水0.20mLの混合物)に化合物(XIII−1−1)のメタノール和物(0.50g、0.96mmol)を加え、55℃で5時間懸濁攪拌した。固体をろ取し、未乾のまま粉末X線を測定したところ、得た固体は化合物(XIII−1−1)のI型結晶であった。
これらの結果から、化合物(XIII−1−1)は25%から80%のアセトンを含有する水での懸濁攪拌では化合物(XIII−1−1)のメタノール和物から化合物(XIII−1−1)のI型結晶が得られることを見出した。
【実施例15】
【0136】
20%の2−プロパノール水(2−プロパノール0.20mLと水0.80mLの混合物)、50%の2−プロパノール水(2−プロパノール0.50mLと水0.50mLの混合物)、75%の2−プロパノール水(2−プロパノール0.75mLと水0.25mLの混合物)に化合物(XIII−1−1)のメタノール和物(0.30g、0.58mmol)をそれぞれ加え、25℃で96時間懸濁攪拌した。固体をろ取し、未乾のまま粉末X線を測定したところ、得た固体はいずれも化合物(XIII−1−1)のI型結晶であった。
これらの結果から、化合物(XIII−1−1)は20%から75%の2−プロパノールを含有する水での懸濁攪拌では化合物(XIII−1−1)のメタノール和物から化合物(XIII−1−1)のI型結晶が得られることを見出した。
【実施例16】
【0137】
【化114】

化合物(XI−1−4)(80mg)のジクロロメタン溶液(2.0ml)にアミン(XII−1−2)(64mg)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(65mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(11mg)、トリエチルアミン(54μl)を加え、室温にて一晩攪拌した。反応終了後、0.5N塩酸水溶液に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(XIII−1−2)(100mg,75.0%)を得た。
logk’=0.886
【実施例17】
【0138】
【化115】

化合物(XI−1−4)(80mg)のジクロロメタン溶液(3.2ml)にアミン(XII−1−3)(74mg)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(WSCD)(65mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(11mg)、トリエチルアミン(90μl)を加え、室温にて36時間攪拌した。反応終了後、0.5N塩酸水溶液に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(XIII−1−3)(98mg,73.8%)を得た。
logk’=0.838
【0139】
式(XII)で示される化合物は、以下に示すように製造することができる。
(参考例1)
【0140】
【化116】

5−ヒドロキシ−2−アダマンタノン (S−1)(60.00g、360.97mmol)のアセトン(420ml)溶液を0℃に冷却し、クロロスルホニルイソシアナート(CSI)(53.6g、378.72mmol)を1時間かけて加えた後、30分攪拌した。続いて溶液を5℃に保ち、水(60ml)を2時間かけて加えた後、15℃に昇温し、さらに7時間攪拌した。7%−アンモニア水を加えてpH7.9とした後、60℃に加熱して分液した。上層の抽出液に水(240ml)を加え、濃縮した。25℃で1時間晶析し、析出した結晶をろ取し、乾燥して化合物(S−2)(64.43g、85.3%)を得た。
H NMR(d6−DMSO); δ(ppm)1.82(brd,J=13Hz,2H),1.96(brd,J=13Hz,2H),2.24(m,1H),2.24(brs,2H),2.27−2.28(m,4H),2.48(brs,2H),6.30(br,2H)
【化117】

化合物(S−2)(30.00g、143.4mmol)、ジクロロメタン(300ml)溶液に、ベンジルアミン(15.36g、143.4mmol)、酢酸(8.61g、143.4mmol)を加え、0℃に冷却した。
生成した化合物(S−3)を含む反応液に、水素化ホウ素ナトリウム(3.25g、83.7mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド溶液(45ml)を2時間かけて加え、さらに2時間攪拌した。
生成した化合物(S−4)を含む反応液に、7%−塩酸を加えてpH2としたのち、室温に昇温し、水(150ml)と16%−水酸化ナトリウム水溶液を加えpH8の溶液とし、抽出した。下層の抽出液を5℃に冷却し、4N−塩酸/酢酸エチル溶液(35.85ml、143.4mmol)を加え、5℃で2時間晶析した。析出した結晶をろ取し、乾燥して化合物(S−5)(27.48g、56.90%)を得た。
化合物(S−3)のH NMR(CDCl); δ(ppm):1.67(brd,J=13Hz,1H),1.89(m,3H),2.08(brd,J=12Hz,1H),2.30(m,6H),2.79(m,1H),3.34(m,1H),4.51(br,2H),4.55(d,J=3Hz,2H),7.24(m,2H),7.30(m,3H)
化合物(S−5)のH NMR(d6−DMSO); δ(ppm)1.44(brd,J=13Hz,2H),2.00(m,2H),2.01(brs,2H),2.07(brd,J=13Hz,2H),2.09(m,1H),2.15(brd,J=13Hz,2H),2.40(brs,1H),2.49(brs,1H),3.15(brs,1H),4.17(brs,2H),6.23(br,2H),7.42(m,3H),7.67(m,2H),9.42(brs,2H)
【化118】

化合物(S−5)(20.00g、59.4mmol)、5%パラジウム炭素触媒(M)(水分53.1%、4.26g)、メタノール(200ml)溶液を30℃に加温し、水素0.2MPaの加圧下、5時間攪拌した。反応液をろ過し、パラジウム炭素触媒を除去した後、ろ液を減圧濃縮した。濃縮液をテトラヒドロフランで置換したのち、室温で1時間晶析した。析出した結晶をろ取し、乾燥して化合物(XII−1−1)(12.78g、87.3%)を得た。
H NMR(d6−DMSO); δ(ppm)1.45(brd,J=13Hz,2H),1.98(brd,J=13Hz,2H),2.04(m,1H),2.05(br,1H),2.07(brd,J=11Hz,2H),2.12(brd,J=11Hz,2H),2.20(br,2H),3.29(m,1H),6.23(br,2H),8.32(brs,3H)
(参考例2)
【0141】
【化119】

化合物(S−6)は、国際公開第2007/114125号パンフレット記載の方法に順じて製造した。
化合物(S−6)(1.6g)をジクロロメタン(6ml)、アセトニトリル(3ml)にけん濁し0℃に冷却した。濃硫酸(1.1g)を滴下し0℃で20分撹拌後、室温で14時間撹拌した。反応終了後、冷却した飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(S−7)(1.55g,85.1%)を得た。
NMR(d6−DMSO);δ(ppm)1.50−1.53(m,2H),1.77(s,3H),1.94−2.03(m,5H),2.12−2.18(m,4H),2.68(brs,2H),4.19(s,1H),7.39(s,1H),7.82(s,4H).
【0142】
【化120】

化合物(S−7)(1.55g)のエタノール懸濁液(16ml)にメチルヒドラジン(0.61ml)を加え、28時間加熱還流を行った。反応終了後、溶媒を留去し、残渣に2N塩酸水溶液と酢酸エチルを加えて撹拌後、不溶物をろ過した。分液し、水層を酢酸エチルで洗浄し、減圧下に濃縮した。5N水酸化ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性とした後に、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、アミン(S−8)を得た。
NMR(d6−DMSO);δ(ppm)1.24−1.28(m,2H),1.69−1.99(m,14H),2.86(s,1H),7.25(s,1H)
(参考例3)
【0143】
【化121】

化合物(S−6)(1.5g)をジクロロメタン(6ml)、プロピオニトリル(3ml)にけん濁し0℃に冷却した。濃硫酸(990mg)を滴下し、室温で18時間撹拌した。反応終了後、冷却した飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(S−9)(1.17g,65.8%)を得た。
【0144】
【化122】

化合物(S−9)(1.17g)のエタノール懸濁液(12ml)にメチルヒドラジン(442μl)を加え、24時間加熱還流を行った。反応終了後、溶媒を留去し、残渣に2N塩酸水溶液と酢酸エチルを加えて撹拌後、不溶物をろ過した。分液し、水層を酢酸エチルで洗浄し、減圧下に濃縮した。2N水酸化ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性とした後に、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、アミン(S−10)(660mg,89.4%)を得た。
NMR(d6−DMSO);δ(ppm)0.93(t,J=7.6Hz,3H),1.25−1.28(m,2H),1.69(brs,2H),1.87−2.02(m,11H),2.86(s,1H),7.16(s,1H)
(参考例4)
【0145】
【化123】

化合物(S−6)(2.0g)をジクロロメタン(7ml)、クロロアセトニトリル(3.5ml)に懸濁し0℃に冷却した。濃硫酸(990mg)を滴下し、室温で6.5時間撹拌した。反応終了後、冷却した飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(S−11)(2.37g,94.5%)を得た。
NMR(d6−DMSO);δ(ppm)1.52−1.55(m,2H),1.96−2.19(m,9H),2.71(brs,2H),3.98(s,2H),4.20(s,1H),7.77(s,1H),7.82(s,4H)
【0146】
【化124】

化合物(S−11)(2.37g)のエタノール溶液(13ml)に酢酸(2.6ml)、チオウレア(581mg)を加え、14時間加熱還流を行った。反応終了後、水を加え、生じた不溶物をろ過した。ろ液に5N水酸化ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性とした後に、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、化合物(S−12)(1.33g)を得た。精製することなく次の反応に用いた。
【0147】
【化125】

化合物(S−12)(1.33g)のジクロロメタン溶液(15ml)にトリエチルアミン(1.26ml)を加え、0℃に冷却した後、メタンスルホニルクロリド(418μl)を加えた。室温にて1.5時間撹拌し、反応終了後、有機層を1N塩酸水溶液で洗浄した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(S−13)(907mg,53.7%)を得た。
NMR(d6−DMSO);δ(ppm)1.49−1.52(m,2H),1.93−2.15(m,9H),2.72(brs,2H),3.34(s,3H),4.16(s,1H),6.93(s,1H),7.82(s,4H)
【0148】
【化126】

化合物(S−13)(907mg)のエタノール懸濁液(20ml)にメチルヒドラジン(322μl)を加え、一晩加熱還流を行った。反応終了後、溶媒を留去し、残渣に2N塩酸水溶液、酢酸エチルとヘキサンの1:1混合液を加えて撹拌後、不溶物をろ過した。分液し、水層をエーテルで洗浄した。5N水酸化ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性とした後に、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、アミン(S−14)(321mg,54.2%)を得た。
NMR(d6−DMSO);δ(ppm)1.23−1.26(m,2H),1.71−1.99(m,11H),2.84(s,1H),2.92(s,3H),6.76(brs,1H)
(参考例5)
【0149】
【化127】

化合物(S−12)(700mg)のジクロロメタン溶液(14ml)にトリエチルアミン(0.99ml)を加え、0℃に冷却した後、クロロギ酸メチル(272μl)を加えた。室温にて4時間撹拌し、反応終了後、0.5N塩酸水溶液に注いだ。ジクロロメタンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(S−15)(266mg,31.8%)を得た。
NMR(d6−DMSO);δ(ppm)1.49−1.52(m,2H),1.89−2.16(m,9H),2.68(brs,2H),3.49(s,3H),4.16(s,1H),6.92(s,1H),7.82(s,4H)
【0150】
【化128】

化合物(S−15)(259mg)のエタノール懸濁液(3ml)にメチルヒドラジン(97μl)を加え、24時間加熱還流を行った。反応終了後、溶媒を留去し、残渣に2N塩酸水溶液を加え、不溶物をろ過した。水層を酢酸エチルで洗浄し、5N水酸化ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性とした後に、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、アミン(XII−1−2)(135mg,82.4%)を得た。
NMR(d6−DMSO);δ(ppm)1.23−1.26(m,2H),1.69−1.99(m,11H),2.84(s,1H),3.45(s,3H),6.76(s,1H)
(参考例6)
【0151】
【化129】

化合物(S−6)(5.0g)のジクロロメタン溶液(50ml)に1,1−カルボニルジイミダゾール(3.27g)、4−ジメチルアミノピリジン(411mg)を加え、室温にて14時間撹拌した。原料の消失を確認した後に、ジメチルアミン(25.2ml、2Mテトラヒドロフラン溶液)を滴下し、更に室温で10時間撹拌した。反応終了後、2N塩酸水溶液を加えて酸性とし、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(S−16)(2.73g,44.1%)を得た。
NMR(d6−DMSO);δ(ppm)1.48−1.57(m,2H),2.060−2.29(m,9H),2.72−2.86(m,8H),4.18−4.22(br,1H), 7.82(s,4H)
【0152】
【化130】

化合物(S−16)(1.0g)のエタノール溶液(10ml)にメチルヒドラジン(361μl)を加え、20時間加熱還流を行った。反応終了後、溶媒を留去し、残渣に2N塩酸水溶液と酢酸エチルを加えて撹拌後、分液した。水層を酢酸エチルで洗浄し、減圧下に濃縮した。炭酸ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性とした後に、析出した固体をろ取した。水洗後、乾燥し、アミン(S−17)(500mg,77.3%)を得た。
NMR(CDCl);δ(ppm)1.42−1.51(m,2H),1.88−2.19(m,11H),2.85(s,6H),3.05−3.10(br,1H)
(参考例7)
【0153】
【化131】

化合物(S−6)(2.0g)のトルエン溶液(20ml)にエチルイソシアネート(2.7ml)を加え、8.5時間加熱還流を行った。反応終了後、溶媒を留去し、得られた固体をジイソプロピルエーテルで洗浄した。乾燥し、化合物(S−18)(2.15g,86.7%)を得た。
NMR(d6−DMSO);δ(ppm)0.99(t,J=7.2Hz,3H),1.47−1.57(m,2H),2.04−2.32(m,9H),2.76−2.84(br,2H),2.88−3.00(m,2H),4.17−4.22(br,1H),6.84−6.91(m,1H),7.83(s,4H)
【0154】
【化132】

化合物(S−18)(1.0g)のエタノール溶液(10ml)にメチルヒドラジン(361μl)を加え、25時間加熱還流を行った。反応終了後、溶媒を留去し、残渣に2N塩酸水溶液と酢酸エチルを加えて撹拌後、分液した。水層を酢酸エチルで洗浄し、減圧下に濃縮した。炭酸ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性とした後に、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をジイソプロピルエーテルで洗浄し、乾燥した後にアミン(S−19)(475mg,73.4%)を得た。
NMR(CDCl);δ(ppm)1.11(t,J=7.2Hz,3H),1.38−1.51(m,2H),1.87−2.18(m,11H),3.03−3.21(m,3H),4.42−4.59(br,1H)
(参考例8)
【0155】
【化133】

化合物(S−6)(2.5g)のテトラヒドロフラン溶液(50ml)を−30℃に冷却し、クロロスルホニルイソシアナート(1.5ml)を加え、−30℃で1時間攪拌した。次に炭酸水素ナトリウム(3.5g)、水(1ml)を加え、室温にて16時間攪拌した。クロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をジイソプロピルエーテルで洗浄し、乾燥した後に化合物(S−20)(2.73g,95.5%)を得た。
NMR(d6−DMSO);δ(ppm)1.46−1.58(m,2H),2.02−2.30(m,9H),2.76−2.84(br,2H),4.16−4.22(br,1H),6.10−6.35(m,1H),7.82(s,4H)
【0156】
【化134】

化合物(S−20)(1.0g)のエタノール溶液(10ml)にメチルヒドラジン(391μl)を加え、21時間加熱還流を行った。反応終了後、溶媒を留去し、残渣に2N塩酸水溶液と酢酸エチルを加えて撹拌後、分液した。水層を酢酸エチルで洗浄し、減圧下に濃縮した。炭酸ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性とした後に、析出した固体をろ取した。水洗後、乾燥し、アミン(XII−1−1’)(468mg,75.7%)を得た。
NMR(d6−DMSO);δ(ppm)1.40−1.51(m,2H),1.91−2.22(m,11H),3.28−3.34(br,1H),6.06−6.42(br,2H),8.08−8.34(br,2H)
【産業上の利用可能性】
【0157】
式(III)で示される化合物、式(IV)で示される化合物、式(VI)で示される化合物、式(VIII)で示される化合物、式(IX)で示される化合物、式(X)で示される化合物、式(XI)で示される化合物及び式(XV)で示される化合物(特に、式(XI)で示される化合物)は、式(XIII)で示される化合物を製造するための中間体として有用である。本発明方法により、効率的に、式(XIII)で示される化合物を製造することができる。
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