(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6080192
(24)【登録日】2017年1月27日
(45)【発行日】2017年2月15日
(54)【発明の名称】コネクタおよび電子機器
(51)【国際特許分類】
H04M 1/02 20060101AFI20170206BHJP
H01R 13/66 20060101ALI20170206BHJP
G09F 13/20 20060101ALI20170206BHJP
【FI】
H04M1/02 C
H01R13/66
G09F13/20 G
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-197694(P2012-197694)
(22)【出願日】2012年9月7日
(65)【公開番号】特開2014-53809(P2014-53809A)
(43)【公開日】2014年3月20日
【審査請求日】2015年8月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】中野 寧
【審査官】
永田 義仁
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭63−190496(JP,A)
【文献】
特開2010−154173(JP,A)
【文献】
特開2012−069382(JP,A)
【文献】
特開2011−248825(JP,A)
【文献】
特開2005−056719(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3095669(JP,U)
【文献】
特開2005−066112(JP,A)
【文献】
菫庵 Sumire-an すみれ,UVレジン 金箔を使った夏のイヤホンジャック,Amebaブログ,2012年 7月10日,[online],[2016年 4月22日検索],URL,http://ameblo.jp/sumire-an/entry-11299069181.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/00
G02B 6/02
G02B 6/245− 6/25
G02B 6/26− 6/27
G02B 6/30− 6/34
G02B 6/42− 6/43
G02B 6/46− 6/54
G09F 13/00−13/46
H01R 13/40−13/72
H04B 10/00−10/90
H04J 14/00−14/08
H04M 1/02− 1/23
H04R 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体または一部が透光性を有するプラグ部を含むアクセサリが接続されるコネクタであって、
前記プラグ部を挿入可能な穴を有する筒状のジャック部品と、
前記ジャック部品に取り付けられており該ジャック部品の前記穴の内部に向けて発光可能な光源と、
を有し、
前記ジャック部品は前記穴に連通する光源穴を有しており、
前記光源は防水透明板を介して前記光源穴に取り付けられており、
前記防水透明板は前記光源穴に挿入されている突起を有している、コネクタ。
【請求項2】
前記ジャック部品は、該ジャック部品の全体または一部をなす透光部を含み、前記光源は前記透光部に取り付けられている、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記ジャック部品の前記穴内への前記プラグ部の挿入を検出するための接点をさらに有し、前記光源は、前記接点が前記穴内への前記プラグ部の挿入を検出している状態でのみ駆動される、請求項1または2に記載のコネクタ。
【請求項4】
蛍光体を含む樹脂によって形成されているアクセサリが接続され、前記光源が紫外線LEDである、請求項1から3のいずれか1項に記載のコネクタ、
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のコネクタと、前記光源に接続された制御部とを有する電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イヤホンや様々なアクセサリ等を接続するためのコネクタと、それを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、携帯電話、スマートホン、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ、オーディオ機器等の電子機器には、イヤホンやヘッドホンを接続するためのジャックを含むコネクタが設けられている。
図7に示すように、電子機器11のジャック12に、イヤホンやヘッドホン以外の装飾用アクセサリ13が接続される場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63−190496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器のジャックに接続されるアクセサリは、光源を持たず、光らないものがほとんどであるが、電源と光源を有しており発光するアクセサリもある。しかし、このようなアクセサリは、電子機器と連動して発光したり、電子機器側から発光状態を制御したりすることはできない。
【0005】
特許文献1には、電子機器の筐体内にある光源と、イヤホン本体に設けられた透光部と、イヤホン本体とプラグとの間に位置する光ファイバーとを有する構成が開示されている。この構成では、光源からの光が光ファイバーの一端部に導かれ、さらに光ファイバー内を通過して他端部からイヤホン本体の透光部に至ることによって、透光部を光らせることができる。しかし、電子機器の筐体内でジャックから離れた位置に光源が配置されているため、電子機器の筐体内に光源設置用のスペースが必要であるとともに、光源と光ファイバーの一端部とをつなぐ光路を引き回す必要があり、構造の複雑化や大型化を招く。
【0006】
本発明の目的は、前記した課題を解決し、電子機器に取り付けられるアクセサリを電子機器と連動させて発光させることや電子機器側から発光状態を制御することが容易にでき、しかも、電子機器の構造の複雑化や大型化を抑えることができるコネクタと、それを有する電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、全体または一部が透光性を有するプラグ部を含むアクセサリが接続されるコネクタが、プラグ部を挿入可能な穴を有する筒状のジャック部品と、ジャック部品に取り付けられておりジャック部品の穴の内部に向けて発光可能な光源と、を有
し、ジャック部品は穴に連通する光源穴を有しており、光源は防水透明板を介して光源穴に取り付けられており、防水透明板は光源穴に挿入されている突起を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、コネクタに取り付けられたアクセサリを発光させることができ、その光源や電源をアクセサリに持たせる必要がない。しかも、コネクタのジャック部品自体に光源が取り付けられているので、光源の取り付けスペースが小さくてすみ、光源からの光を導くための光路を、コネクタやコネクタを内蔵する電子機器に設ける必要がなく、構造の複雑化や大型化を抑えることができる。また、コネクタの光源を電子機器内の制御部と接続することができ、それにより、アクセサリを電子機器と連動させて発光させたり、電子機器側から発光状態を制御したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明のコネクタを有する電子機器の一例である携帯電話機にアクセサリを取り付けた状態を示す正面図である。
【
図2】本発明の一実施形態のコネクタおよび制御部とアクセサリとを示す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態のコネクタおよび制御部にアクセサリを取り付けた状態を示す断面図である。
【
図4】本発明の他の実施形態のコネクタおよび制御部にアクセサリを取り付けた状態を示す断面図である。
【
図5】
図4に示す実施形態の変形例のコネクタおよび制御部にアクセサリを取り付けた状態を示す断面図である。
【
図6】本発明のさらに他の実施形態のコネクタおよび制御部にアクセサリを取り付けた状態を示す断面図である。
【
図7】関連技術のコネクタを有する電子機器の一例である携帯電話機にアクセサリを取り付けた状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1には、本発明のコネクタを有する電子機器の一例である携帯電話機1が示されている。この携帯電話機1は、音声通話機能、電子メール機能、ウェブサイト閲覧機能、画面表示機能等を発揮するための様々な機能部分(図示しないマイク等の音声入力部、スピーカー等の音声出力部、液晶パネル等の表示部、キーボードまたはタッチパネル等のデータ入力部等)と、各機能部分を制御する制御部2とを、筐体3内に有している。
【0012】
筐体3の外周部に、
図2〜6に示すジャック部品4を含むコネクタ5が取り付けられている。コネクタ5のジャック部品4は、長手方向に延びる穴4aを有する筒状の部品であり、穴4aの内部に図示しない端子が設けられている。端子は制御部2に接続されている。ジャック部品4の穴4aに図示しないイヤホンのプラグが挿入されると、そのプラグの電極と端子とが接触して電気的に導通する。筒状のジャック部品4の側面には、長手方向に延びる穴4aに連通する光源穴4bが設けられている。そして、この光源穴4bに、発光ダイオード(LED)等の光源6が取り付けられており、光源6はジャック部品4の穴4aの内部に向けて発光可能である。光源6は接続線を介して制御部2に接続されている。
【0013】
このような構成の携帯電話機1は、図示しないマイクおよびスピーカーを用いて音声通信を行ったり、データ入力部および表示部を用いて電子メールの送受信やウェブサイトの閲覧を行ったり、各種データの保存や編集を行ったりすることができる。そして、ジャック部品4に図示しないイヤホンが接続されると、制御部2から端子とプラグを介してイヤホン本体に電気信号が供給され、イヤホンから発音する。
【0014】
また、
図3に示すように、ジャック部品4に、イヤホンではなくアクセサリ7が接続される場合がある。その場合、制御部2が接続線を介して光源6に電気信号を供給して光源6が発光すると、ジャック部品4に挿入されたアクセサリ7に入光する。アクセサリ7の一部または全体が透光性を有する材料(例えば透明樹脂)で形成されており、光源6からの光は、光源穴4bを介してアクセサリ7のプラグ部7aに入射し、プラグ部7aからアクセサリ本体部7bに伝わってアクセサリ本体部7bを光らせる。このとき、制御部2は光源6の輝度や発光パターンなどを制御する。具体的には、例えば、制御部2が電話や電子メールの着信を検出した際に光源6を駆動することにより、アクセサリ7の発光によって着信を表示することができ、非常に見やすい装置状態のインジケータとすることができる。また、アクセサリ7を様々な発光パターンで発光させることによってイルミネーションとしての効果を高めることができる。
【0015】
なお、ジャック部品4に、アクセサリ7のプラグ部7aの穴4a内への挿入を検出するための接点を設け、その接点を制御部2に接続して、プラグ部7aが穴4aに挿入されると、ジャック部品4の接点に接続された制御部2が挿入を検出して、制御部2が光源6を発光させる構成にすることもできる。さらに、このような接点(場合によっては2つの接点)を用いて、ジャック部品4の穴4aに挿入されたのが、アクセサリ7の絶縁性の合成樹脂等からなるプラグ部7aであるか、イヤホンの導電性の金属製のプラグであるかを判別するようにしてもよい。その場合、コネクタ5にイヤホンが接続された場合には制御部2が光源6を発光させず、無駄な発光を防ぎ、コネクタ5にアクセサリ7が接続された場合にのみ制御部2が光源を発光させてイルミネーションとしての効果をもたらす構成にすることができる。すなわち、接点を用いてプラグ部7aの穴4aへの挿入のみを検知して、光源6の発光を制御する構成であってもよいが、接点を用いてプラグ部7aの穴4aへの挿入を検知するとともに、挿入されたプラグ部7aが導電性(金属)であるか絶縁性(合成樹脂)であるかを判別して、光源6の発光を制御する構成であってもよい。このような接点は、前記した端子と兼用されていてよい。
【0016】
アクセサリ7のプラグ部7aは、全体または一部が透光性を有しており、光源6からジャック部品4の穴4aに向けて発光された光を透過させることができる。すなわち、プラグ部7aの全体が透光性を有する材料からなるか、または、プラグ部7aは、光源6からの光をアクセサリ本体部7bに導くための透光性の光路を有している。アクセサリ本体部7bは、プラグ部7aにつながっており、全体または一部が透光性を有しており、プラグ部7aから伝達された光を外部に放出させることができる。そして、アクセサリ本体部7bは、高い装飾効果を得るための所望の形状に形成されている。アクセサリ7は剛体の棒状のものに限られず、柔軟性を有するケーブル状のものであってもよい。このアクセサリ7は光源や電源を持たないので、低コストで製造できる。アクセサリ7は主に絶縁性の合成樹脂で形成されるのが一般的であり、イヤホン等と異なり、コネクタ5に接続されても電気的に導通するものではない。
【0017】
光源穴4bは、ジャック部品4の、穴4aの開口端(プラグが挿入される入口)以外の5面のいずれに形成されていてもよい。図示されているジャック部品4の穴4aは、断面が円形の一般的なイヤホンジャックと同様な形状であるが、断面が多角形など、円形以外の形状の穴であってもよい。
【0018】
光源6はLEDに限られず、他の種類の光源であってもよい。例えば、光源6として紫外線LEDを用い、アクセサリ7のプラグ部7aおよびアクセサリ本体部7bを、蛍光体を含む樹脂によって形成すると、高い輝度が得られる。また、単色の光源6ではなく、例えばRGB(赤緑青)の3色の発光部が一体化された構成の光源6を用いてもよい。その場合、制御部2が3色の各輝度を適宜に制御することにより、光源6およびアクセサリ7を任意の色に発光させることが可能である。
【0019】
本発明のコネクタ5を有する電子機器は、携帯電話機やスマートホンに限られず、コンピュータ(タブレット端末やパーソナルコンピュータ)やオーディオ機器など、プラグが挿入されるコネクタを有する様々な機器であってよい。
【0020】
図4には、本発明のコネクタ5の他の実施形態が示されている。この実施形態では、ジャック部品4の光源穴4bを塞ぐ位置に防水透明板8が配置されており、光源穴3の周囲を囲む接着部9によって防水透明板8とジャック部品4とが接着されて封止されている。接着部9は、両面テープ、接着剤塗布部、溶着部等のいずれであってもよい。これにより、電子機器の防水機能を確保でき、特にコネクタ5からの水分の浸入を抑えられる。
【0021】
さらに、
図5に示すように、防水透明板8が光源穴4b内に挿入される突起8aを有している場合には、光源6からの光の導光効率を高めることができる。
【0022】
図6には、本発明のコネクタ5のさらに他の実施形態が示されている。この実施形態では、ジャック部品4には光源穴4bが設けられておらず、ジャック部品4の全体が、透光性を有する材料によって形成された透光部である。この場合、光源6の取り付け位置は、ジャック部品4の、穴4aの開口端(プラグが挿入される入口)以外の5面のどこであってもよい。あるいは、ジャック部品4の一部のみが透光性を有する材料によって形成された透光部であって、その透光部に光源6が取り付けられてもよい。本実施形態では、いずれの場合であっても、光源穴4bが存在しないため、特別な防水構造を必要とせずに電子機器の防水機能を確保できる。
【0023】
以上説明したように、本発明によると、イヤホン等が接続されるジャック部品4を有するコネクタ5を利用してアクセサリ7を取り付け、そのアクセサリ7を発光させることができる。電子機器に内蔵されている制御部2を利用して、アクセサリ7の発光を電子機器自体の機能と連動させて着信等の表示に利用することができる。その場合、アクセサリ7をジャック部品4に挿入した状態では、従来から電子機器に設けられている着信ランプが発光するのと同時にアクセサリ7が発光するようにしてもよく、アクセサリ7のみが発光するようにしてもよい。また、制御部2が、複雑な発光パターンや様々な輝度でアクセサリ7を発光させて装飾性を高めることが可能である。そして、ジャック部品4に直接または防水透明板8のみを介して光源6を取り付けているため、筐体3内の光源設置用のスペースがごく小さくてすみ、光路を設ける必要がなく、構造の複雑化や大型化を抑えることができる。
【符号の説明】
【0024】
1 携帯電話機(電子機器)
2 制御部
3 筐体
4 ジャック部品
4a 穴
4b 光源穴
5 コネクタ
6 光源
7 アクセサリ
7a プラグ部
7b アクセサリ本体部
8 防水透明板
8a 突起
9 接着部