(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ネットワークに接続された複数のIP電話機であって、スリープ状態への移行が許可されている場合には、前記ネットワークがアイドル状態に移行したことを検知すると、自身の電話機本体をスリープ状態に移行させ、スリープ状態への移行が許可されていない場合には、通常状態を維持する複数のIP電話機と、
前記複数のIP電話機のうち少なくとも1台にはスリープ状態への移行を許可せず、それ以外には許可するIP電話機制御装置と、
を備え、
前記IP電話機制御装置が、スリープ状態にあるIP電話機に対する着信を検知すると、該IP電話機にスリープ状態からの復旧を開始させると共に、スリープ状態にないIP電話機に着信を転送し、転送先での通話開始前に前記復旧が完了すれば、復旧したIP電話機に前記着信の転送先を替えるIP電話機システム。
ネットワークに接続された複数のIP電話機のうち少なくとも1台には、前記ネットワークがアイドル状態に移行したことを検知した場合にスリープ状態に移行することを許可せず、それ以外のIP電話機には許可するIP電話機制御装置であって、
スリープ状態にあるIP電話機に対する着信を検知すると、該IP電話機にスリープ状態からの復旧を開始させると共に、スリープ状態にないIP電話機に着信を転送し、転送先での通話開始前に前記復旧が完了すれば、復旧したIP電話機に前記着信の転送先を替えるIP電話機制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下の実施の形態では、IEEE802.3az規格に準拠した機器を用いて説明しているが、これは例示であり、特定の規格に限定されるものではない。
【0017】
まず、IEEE802.3az規格として標準化されているEEE(Energy Efficient Ethernet(登録商標))について簡単に説明する。EEEの省電力の仕組みは、ネットワークのトラフィックが少ないときにイーサネット(登録商標)機器の消費電力を減らすというものである。データが流れなくなるとデータリンク層の機能の一部を停止する、LPI(Low Power Idle)という手法や、トラフィックが少なくなったとき、物理層のチップを制御して消費電力を削減する、RPS(rapid PHY selection)という手法がある。
【0018】
本明細書において「ネットワークがアイドル状態にある」とは、ネットワークに接続された機器における物理層やデータリンク層に属する機能の一部又は全部が停止又は抑制された状態にあることをいう。このようなアイドル状態は、例えば、IEEE802.3az規格のEEEにより実現できる。また、本明細書において「IP電話機がスリープ状態にある」とは、物理層やデータリンク層も含めて全ての階層を対象にその機能の一部又は全部が停止又は抑制された状態にあることをいう。
【0019】
下記の実施の形態では、PBXシステムやボタン電話システムなどの構内電話システムにおいて、IEEE802.3az規格を利用して、IP電話機の省電力制御を行う。例えば、オフィス環境において、夕刻や休日出勤時等のように、人はいるが通常(平日昼間等)時よりはかなり人数が少ない場合などに有効である。具体的には、例えばLPIにおいてアイドル状態になったことをトリガーとして、IP電話機1台を残して、残りのIP電話機をスリープ状態とすることによってIP電話機システムの省電力を実現する。
【0020】
[構成の説明]
図1は本発明の実施形態による消費電力削減方法を実施するIP電話機システムの構成を示す。
図1において、IP電話機システム100は、IP電話機制御装置10と、EEE対応のネットワーク中継機20と、EEE対応のIP電話機30〜33とを具備する。IP電話機制御装置10は、交換機やSIPサーバなどのような、IP電話機及び外部ネットワーク等を制御する装置である。EEE対応ネットワーク中継機20は、IEEE802.3az:EEE規格に準拠したルータ、スイッチ、ブリッジ、ハブなどのような、ネットワーク機器の接続に用いられる装置である。EEE対応IP電話機30〜33は、IEEE802.3az:EEE規格に準拠し、LEDやLCD等の表示装置を具備したIP電話機である。
図1には、IP電話機が(a)から(d)までの4台示されているが、台数は任意である。IP電話機30〜33とIP電話機制御装置10とはネットワーク中継機20を介してLAN(例えばイーサネット(登録商標))などのネットワーク40,41により接続されている。
【0021】
以上、IP電話機システムの構成を述べたが、それぞれの構成要素は当業者にとってよく知られているので、その詳細な構成の説明は省略する。
【0022】
[動作の説明]
次に
図1のIP電話機システム100が本発明の実施形態による消費電力削減方法を実施する際の動作を、
図2〜
図4に示すフローチャートを使用して説明する。
【0023】
1.スリープ状態への移行(
図2参照)
図1に示す構成の通り、EEEに対応したIP電話機(a)〜(d)と、EEEに対応したネットワーク中継機20をLANケーブルで接続すると、まずお互いがEEEに対応しているかどうか等のネゴシエーションが、IP電話機(a)〜(d)とネットワーク中継機20の間で行われる(ステップS10)。
【0024】
ネゴシエーションが完了すると、IP電話機(a)〜(d)はLLDP(Link Layer Discovery Protocol)を使って自電話機に関するEEE対応の可否、ポート番号、復旧時間などの機器情報をネットワーク中継機20に通知する(ステップS12)。
【0025】
ネットワーク中継機20は、自身のポート番号とそこに接続されたIP電話機(a)〜(d)の機器情報(EEE対応可否、ポート番号、復旧時間等)を、LLDPを使ってIP電話機制御装置10に通知する(ステップS14)。
【0026】
IP電話機制御装置10はネットワーク中継機20から取得した機器情報から、IP電話機が2台以上接続されているかどうかを確認する(ステップS16)。
【0027】
IP電話機が2台以上接続されていないならば、ステップS14に戻る。IP電話機が2台以上接続されているならば、IP電話機制御装置10は接続されているIP電話機の中からスリープ状態への移行を許可しないIP電話機を少なくとも1台、好ましくは1台決定する(ステップS18)。
図2では、例としてIP電話機(a)がスリープへの移行不可と決定されている。
【0028】
IP電話機制御装置10は、スリープ状態への移行を許可しないIP電話機(a)以外のIP電話機(b)〜(d)に対し、スリープ状態への移行許可を通知する(ステップS20)。この際、スリープ状態への移行を許可しないIP電話機(a)に対して、スリープ状態への移行不許可を通知する。各IP電話機(a)〜(b)は、IP電話機制御装置10から通知された移行許可/不許可情報を表すフラグを、電話機内部の記憶装置に格納している。IP電話機制御装置10からスリープ状態への移行許可を通知されたら、そのフラグの値を移行許可を示す値に設定する。IP電話機制御装置10からスリープ状態への移行不許可を通知されたら、そのフラグの値を移行不許可を示す値に設定する。
【0029】
ネットワーク中継機20の各ポートとそれに接続された各IP電話機(a)〜(d)との間にデータのやり取り(データ伝送)が無くなると(ステップS22でYES)、EEE規格に従ってそのネットワークをアイドル状態に移行させる(ステップS24)(EEE規格に準拠した動作)。尚、EEEによるネットワークアイドル状態への移行は、スリープ状態が許可されていないIP電話機(a)でも実行され得る。
【0030】
ネットワーク中継機20は、或るネットワークがアイドル状態へ移行すると、アイドル状態となったポートの情報をLLDPによってIP電話機制御装置10に通知する(ステップS26)。
【0031】
各IP電話機(a)〜(d)は、スリープ状態への移行許可/不許可情報を格納したフラグの内容を参照して、自身がスリープ状態への移行を許可されているか否か判断する(ステップS28)。スリープ状態が許可されているIP電話機(b)〜(d)(ステップS28でYES)は、ネットワークがアイドル状態になったことを検知すると、自身をスリープ状態へ移行する(ステップS30)。これにより、EEEでアイドル状態となっているPHY以外の機能、及びアプリケーションの一部または全ても停止され消費電力が削減される。
【0032】
スリープ状態となったIP電話機(b)〜(d)は、表示装置にスリープ状態であることを表示することにより使用者に通知する(ステップS32)。
【0033】
スリープ状態が許可されていないIP電話機(a)(ステップS28でNo)は、通常状態に維持される(ステップS34)。
【0034】
2.スリープ状態での着信(
図3参照)
IP電話機(b)〜(d)がスリープ状態にあるとき(ステップS40)、着信が有ると(ステップS42でYES)、IP電話機制御装置10は宛先を確認し(ステップS44)、宛先IP電話機がスリープ状態か否かを確認する(ステップS46)。この際、IP電話機制御装置10は、例えば、宛先のネットワークがアイドル状態か否かの情報と、宛先IP電話機がスリープ状態を許可されているか否かの情報とに基づいてスリープ状態か否かを判断する。
【0035】
着信の宛先がスリープ状態を許可されていないIP電話機(a)であった場合、IP電話機制御装置10は通常通り着信の通知を宛先に送り(ステップS48)、宛先のIP電話機(a)は着信動作を行う(ステップS50)(通常動作)。
【0036】
着信の宛先がスリープ状態のIP電話機(x)(xはb又はc又はd)であった場合、IP電話機制御装置10はまず宛先のIP電話機(x)に着信を通知するデータを送信する(ステップS52)。
【0037】
着信通知データがネットワーク中継機20を通り宛先IP電話機(x)へ送られることにより、その間のネットワークがアイドル状態からアクティブ状態へ復旧する(EEE規格に準拠した動作)。そして、宛先IP電話機(x)はネットワークがアクティブ状態になったことを検知すると、スリープ状態からの復旧を開始する(ステップS54)。
【0038】
IP電話機制御装置10は、宛先IP電話機(x)がスリープ状態から復旧するまでの代理として、スリープ状態が許可されていないIP電話機(a)に着信を転送する(ステップS56)。この際、スリープ状態への移行を許可されたIP電話機が2台以上ある場合には、IP電話機制御装置10が1台を選択して着信を転送する。例えば、移行許可されたIP電話機のうち、予め各IP電話機に割り当てておいた優先度が最も高いものに着信を転送するようにしてもよい。
【0039】
着信が転送された代理IP電話機(a)は着信動作を開始すると同時に、表示装置に代理着信であることを表示し使用者に通知する(ステップS58)。
【0040】
代理IP電話機(a)が着信動作をしているとき、使用者が代理IP電話機(a)に対して応答動作をした場合は(ステップS60でYES)、そのまま通話が開始される(ステップS62)。
【0041】
代理IP電話機(a)にて応答が無い状態で、本来の宛先IP電話機(x)がスリープ状態から通常状態に復旧すると、宛先IP電話機(x)はIP電話機制御装置10に対し復旧完了を通知する(ステップS64でYES)。
【0042】
IP電話機制御装置10は、復旧完了通知を受け取ると、宛先IP電話機(x)へ着信を転送し、代理IP電話機(a)の着信を解除する(ステップS66)。
【0043】
宛先IP電話機(x)は着信動作をし(ステップS68)、使用者の応答があれば(ステップS70でYES)、通話を開始する(ステップS72)。
【0044】
3.スリープ状態での電話機操作(
図4参照)
スリープ状態のIP電話機(b)〜(d)に対し、使用者がダイヤルボタン押下等の何かしらの操作を行い、それをIP電話機が検知すると(ステップS82)、IP電話機(x)(xはb又はc又はd)はスリープ状態からの復旧を開始する(ステップS84)。
【0045】
復旧中、IP電話機(x)は、その表示装置に復旧中であることを表示することにより使用者へ通知する(ステップS86)。
【0046】
IP電話機(x)は復旧が完了すると(ステップS88)、IP電話機制御装置10に対し、スリープ状態から復旧したことを通知する(ステップS90)。これはIP電話機(x)からネットワーク中継機20にデータが伝送されることであり、この動作により、ネットワーク中継機20とIP電話機(x)間でアイドル状態であったネットワークをアクティブ状態にすることも同時に行っている(EEE規格に準拠した動作)。
【0047】
復旧が完了すると、IP電話機(x)は表示装置に復旧が完了したことを表示し、通常状態に戻ったことを使用者へ通知する(ステップS92)。IP電話機(x)は復旧後、使用者からの操作に対して通常動作を行う。
【0048】
以上のように、上記実施形態では、(i)IP電話機を制御しているIP電話機制御装置が、ネットワーク中継機からLLDPを用いて配下のIP電話機の状態を認識し、(ii)IP電話機は、EEEによってPHYがアイドル状態になると、PHYの状態を検知し自身もスリープ状態となり消費電力を下げ、ただし、システム全体のIP電話機のうち、最低1台は通常状態を保ち、(iii)いずれかのIP電話機に着信があった場合、IP電話機制御装置は対象のIP電話機に着信を知らせるデータを送信し、その際、対象電話機がスリープ状態であった場合、スリープ状態から通常状態に復旧するまでの時間は着信を受けられないため、通常状態を保っていたIP電話機へ着信を転送し、(iv)転送先のIP電話機が通話を開始する前に対象電話機が通常状態に復旧したならば、着信を対象電話機に戻す。
【0049】
上記実施形態には以下の利点がある。
・EEEよるPHYの消費電力削減に加え、IP電話機本体の消費電力を削減できる。
・機器状態などの情報の機器間での通知が、EEEで使用しているLLDPを用いることにより容易に実現できる。
・EEEのアイドル状態に合わせてIP電話機をスリープ状態にすることで、状態変更のトリガーを新たに生成し、制御する必要がない。
・送信されたデータに対し遅延時間が厳しいIP電話機において、追加バッファ等を実装することなく復旧時間の長いスリープ状態にすることが可能となる。
【0050】
以上説明したように、本実施形態においては以下に記載するような効果を奏する。
【0051】
第1の効果は、着信などの送信されてくるデータに対し、常に短い遅延時間で対応することが必要とされているIP電話機において、復旧時間の長いスリープ状態への移行を可能とし、大幅に消費電力を削減できることにある。
【0052】
第2の効果は、規格化されているEEEを利用することにより、システムへの組み込み及び制御が容易に行えることである。
【0053】
第3の効果は、既存システムに対しハード的な変更、追加が全く必要ないことである。
【0054】
なお、上記のIP電話機、IP電話機制御装置及びIP電話機システムは、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組合わせにより実現することができる。また、上記のIP電話機、IP電話機制御装置又はIP電話機システムにより行なわれる消費電力削減方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらに組合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0055】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0056】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0057】
(付記1)
ネットワークに接続された複数のIP電話機の消費電力削減方法であって、前記複数のIP電話機のうち少なくとも1台を除き、前記ネットワークがアイドル状態に移行したことを検知すると、自身の電話機本体をスリープ状態に移行させるステップを含む消費電力削減方法。
【0058】
(付記2)
前記IP電話機のうち少なくとも1台にはスリープ状態への移行を許可せず、それ以外には許可するステップを更に含み、スリープ状態への移行が許可されているIP電話機に対して前記移行させるステップを実行することを特徴とする付記1に記載の消費電力削減方法。
【0059】
(付記3)
スリープ状態にあるIP電話機に対する着信を検知すると、該IP電話機にスリープ状態からの復旧を開始させると共に、スリープ状態にないIP電話機に着信を転送し、転送先での通話開始前に前記復旧が完了すれば、復旧したIP電話機に前記着信の転送先を替えるステップを更に含むことを特徴とする付記1又は2に記載の消費電力削減方法。
【0060】
(付記4)
スリープ状態にあるIP電話機が使用者からの電話機操作を検知すると、スリープ状態からの復旧を開始するステップを更に含むことを特徴とする付記1乃至3のいずれか1に記載の消費電力削減方法。
【0061】
(付記5)
前記アイドル状態への移行がIEEE802.3az規格に従って行われることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1に記載の消費電力削減方法。
【0062】
(付記6)
ネットワークに接続された複数のIP電話機であって、スリープ状態への移行が許可されている場合には、前記ネットワークがアイドル状態に移行したことを検知すると、自身の電話機本体をスリープ状態に移行させ、スリープ状態への移行が許可されていない場合には、通常状態を維持する複数のIP電話機と、
前記複数のIP電話機のうち少なくとも1台にはスリープ状態への移行を許可せず、それ以外には許可するIP電話機制御装置と、
を備えるIP電話機システム。
【0063】
(付記7)
前記IP電話機制御装置は、スリープ状態にあるIP電話機に対する着信を検知すると、該IP電話機にスリープ状態からの復旧を開始させると共に、スリープ状態にないIP電話機に着信を転送し、転送先での通話開始前に前記復旧が完了すれば、復旧したIP電話機に前記着信の転送先を替えることを特徴とする付記6に記載のIP電話機システム。
【0064】
(付記8)
前記複数のIP電話機は、スリープ状態にあるとき使用者からの電話機操作を検知すると、スリープ状態からの復旧を開始することを特徴とする付記6又は7に記載のIP電話機システム。
【0065】
(付記9)
前記アイドル状態への移行がIEEE802.3az規格に従って行われることを特徴とする付記6乃至8のいずれか1に記載のIP電話機システム。
【0066】
(付記10)
前記ネットワークに接続されたネットワーク中継機をさらに備え、前記ネットワーク中継機と前記複数のIP電話機又は前記IP電話機制御装置との間で、LLDPを用いて情報通信を行うことを特徴とする付記6乃至9のいずれか1に記載のIP電話機システム。
【0067】
(付記11)
前記ネットワーク中継機は、前記ネットワークがアイドル状態になると前記IP電話機制御装置にその旨通知することを特徴とする付記10に記載のIP電話機システム。
【0068】
(付記12)
ネットワークに接続されたIP電話機であって、スリープ状態への移行が許可されている場合には、前記ネットワークがアイドル状態に移行したことを検知すると、自身の電話機本体をスリープ状態に移行させ、スリープ状態への移行が許可されていない場合には、通常状態を維持するIP電話機。
【0069】
(付記13)
前記スリープ状態への移行の許可はIP電話機制御装置により与えられ、前記IP電話機制御装置は前記IP電話機のうち少なくとも1台にはスリープ状態への移行を許可せず、それ以外には許可することを特徴とする付記12に記載のIP電話機。
【0070】
(付記14)
前記IP電話機制御装置が、スリープ状態にあるIP電話機に対する着信を検知したとき、(i)自身がスリープ状態にない場合、前記IP電話機制御装置から転送された着信を受け、(ii)自身がスリープ状態にある場合、スリープ状態からの復旧を前記IP電話機制御装置から指示されると、スリープ状態からの復旧を開始し、前記着信を受けたスリープ状態にない他のIP電話機の通話開始前に前記復旧が完了すれば、自身へ転送替えされた着信を受けることを特徴とする付記13に記載のIP電話機。
【0071】
(付記15)
スリープ状態において使用者からの電話機操作を検知すると、スリープ状態からの復旧を開始することを特徴とする付記12乃至14のいずれか1に記載のIP電話機。
【0072】
(付記16)
前記アイドル状態への移行がIEEE802.3az規格に従って行われることを特徴とする付記12乃至15のいずれか1に記載のIP電話機。
【0073】
(付記17)
ネットワークに接続された複数のIP電話機のうち少なくとも1台には、前記ネットワークがアイドル状態に移行したことを検知した場合にスリープ状態に移行することを許可せず、それ以外のIP電話機には許可するIP電話機制御装置。
【0074】
(付記18)
スリープ状態にあるIP電話機に対する着信を検知すると、該IP電話機にスリープ状態からの復旧を開始させると共に、スリープ状態にないIP電話機に着信を転送し、転送先での通話開始前に前記復旧が完了すれば、復旧したIP電話機に前記着信の転送先を替えることを特徴とする付記17に記載のIP電話機制御装置。
【0075】
(付記19)
前記アイドル状態への移行がIEEE802.3az規格に従って行われることを特徴とする付記17又は18に記載のIP電話機制御装置。
【0076】
(付記20)
前記ネットワークに接続されたネットワーク中継機からLLDPに基づいてIP電話機の機器情報が通知されることを特徴とする付記17乃至19のいずれか1に記載のIP電話機制御装置。
【0077】
(付記21)
前記ネットワーク中継機から前記ネットワークがアイドル状態になった通知を受けることを特徴とする付記20に記載のIP電話機制御装置。
【0078】
(付記22)
ネットワークに接続されたIP電話機の消費電力削減プログラムであって、
コンピュータに、
スリープ状態への移行が許可されている場合には、前記ネットワークがアイドル状態に移行したことを検知すると、自身の電話機本体をスリープ状態に移行させ、スリープ状態への移行が許可されていない場合には、通常状態を維持する機能を実現させる消費電力削減プログラム。
【0079】
(付記23)
前記コンピュータに、更に
IP電話機制御装置が、スリープ状態にあるIP電話機に対する着信を検知したとき、(i)自身がスリープ状態にない場合、前記IP電話機制御装置から転送された着信を受け、(ii)自身がスリープ状態にある場合、スリープ状態からの復旧を前記IP電話機制御装置から指示されると、スリープ状態からの復旧を開始し、前記着信を受けたスリープ状態にない他のIP電話機の通話開始前に前記復旧が完了すれば、自身へ転送替えされた着信を受ける機能を実現させることを特徴とする付記22に記載の消費電力削減プログラム。
【0080】
(付記24)
前記コンピュータに、更に
スリープ状態において使用者からの電話機操作を検知すると、スリープ状態からの復旧を開始する機能を実現させることを特徴とする付記22又は23に記載の消費電力削減プログラム。
【0081】
(付記25)
前記アイドル状態への移行がIEEE802.3az規格に従って行われることを特徴とする付記22乃至24のいずれか1に記載の消費電力削減プログラム。
【0082】
(付記26)
ネットワークに接続された複数のIP電話機の消費電力削減プログラムであって、
コンピュータに、
前記複数のIP電話機のうち少なくとも1台には、前記ネットワークがアイドル状態に移行したことを検知した場合にスリープ状態に移行することを許可せず、それ以外のIP電話機には許可する機能を実現させる消費電力削減プログラム。
【0083】
(付記27)
前記コンピュータに、更に
スリープ状態にあるIP電話機に対する着信を検知すると、該IP電話機にスリープ状態からの復旧を開始させると共に、スリープ状態にないIP電話機に着信を転送し、転送先での通話開始前に前記復旧が完了すれば、復旧したIP電話機に前記着信の転送先を替える機能を実現させることを特徴とする付記26に記載の消費電力削減プログラム。
【0084】
(付記28)
前記アイドル状態への移行がIEEE802.3az規格に従って行われることを特徴とする付記26又は27に記載の消費電力削減プログラム。