特許第6080244号(P6080244)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6080244端末装置の集合充電器および端末装置の充電方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6080244
(24)【登録日】2017年1月27日
(45)【発行日】2017年2月15日
(54)【発明の名称】端末装置の集合充電器および端末装置の充電方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20170206BHJP
【FI】
   H02J7/00 X
   H02J7/00 301A
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-171616(P2016-171616)
(22)【出願日】2016年9月2日
(62)【分割の表示】特願2014-214210(P2014-214210)の分割
【原出願日】2014年10月21日
(65)【公開番号】特開2017-22991(P2017-22991A)
(43)【公開日】2017年1月26日
【審査請求日】2016年9月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077838
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 憲保
(74)【代理人】
【識別番号】100129023
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 敬
(72)【発明者】
【氏名】安武 直樹
【審査官】 馬場 慎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−44783(JP,A)
【文献】 特開2007−295677(JP,A)
【文献】 特開平11−233156(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2の板面を有する板状を呈し、該第1の板面上に表示部を備え、かつ、充電式バッテリ駆動であり、充電式バッテリの充電状態を監視検出すると共に該表示部にバッテリ残量を表示する端末装置を充電対象とし、該端末装置を複数台、隣り合う端末装置の第1の板面と第2の板面とが対向するように並列して収容可能な複数の端末収容部と、
前記端末収容部に収容された1台または複数台の端末装置に対して充電を行うための電力を供給する電源部と、
前記複数の端末収容部のそれぞれに対応して設けられ、該端末収容部に収容された各端末装置のバッテリ残量を含むバッテリの充電状態を表示する複数の充電状態表示部と、
前記端末収容部に収容された各端末装置から前記バッテリの充電状態を示す情報を取得し、取得したバッテリの充電状態を示す情報に基づいて前記充電状態表示部にバッテリの充電状態を表示させる制御部とを有することを特徴とする集合充電器。
【請求項2】
前記複数の充電状態表示部のそれぞれは、複数のLEDインジケータを備え、バッテリ残量に応じた数のLEDインジケータを発光させることによってバッテリ残量をグラフィカル表示する請求項1に記載の集合充電器。
【請求項3】
前記複数の端末収容部のそれぞれに対応して設けられ、該端末収容部に収容された各端末装置に設けられている受電端子と電気的に接続する複数の充電端子と、
前記複数の端末収容部のそれぞれに対応して設けられ、それぞれUSB端子およびUSBコントローラを含み、当該端末収容部に収容された各端末装置と電気的に接続してUSB通信を行う複数のUSB通信インターフェースとをさらに有し、
前記電源部は、前記端末収容部に収容された1台または複数台の端末装置に対して充電を行うための電力を前記充電端子を介して供給し、
前記制御部は、前記端末収容部に収容された各端末装置から前記バッテリの充電状態を示す情報を前記USB通信インターフェースを介して取得する請求項1または2に記載の集合充電器。
【請求項4】
前記電源部は、前記集合充電器自体の電源としても機能する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の集合充電器。
【請求項5】
前記制御部を、前記複数の端末収容部のそれぞれに対応して個別に有し、
前記複数の端末収容部のそれぞれに対応して設けられ、該端末収容部が端末装置を収容しているか否かを検出する複数の収容検出スイッチをさらに有し、
前記収容検出スイッチの検出信号に基づいて、前記端末収容部が端末装置を収容していないときは当該制御部がリセット状態とされる一方、前記端末収容部が端末装置を収容しているときは前記リセット状態が解除される請求項1乃至4のいずれか一項に記載の集合充電器。
【請求項6】
前記制御部を、前記複数の端末収容部に対して共通に1つ有し、
該制御部は、前記端末収容部に収容された各端末装置から個別に前記バッテリの充電状態を示す情報を取得し、当該取得したバッテリの充電状態を示す情報に基づいて、前記バッテリの充電状態を示す情報を取得した端末装置を収容している前記端末収容部に対応する前記充電状態表示部にバッテリの充電状態を個別に表示させる請求項1乃至4のいずれか一項に記載の集合充電器。
【請求項7】
前記複数の端末収容部のそれぞれに対応して設けられ、該端末収容部が端末装置を収容しているか否かを検出する複数の収容検出スイッチと、
前記収容検出スイッチの検出信号に基づいて、前記端末収容部が端末装置を収容していないときは、当該端末装置を収容していない前記端末収容部に対応した前記充電端子に、前記電源部による充電用電力の電圧が生じないようにする安全回路をさらに有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の集合充電器。
【請求項8】
第1および第2の板面を有する板状を呈し、該第1の板面上に表示部を備え、かつ、充電式バッテリ駆動であり、充電式バッテリの充電状態を監視検出すると共に該表示部にバッテリ残量を表示する端末装置を充電対象とし、該端末装置を複数台、隣り合う端末装置の第1の板面と第2の板面とが対向するように並列して収容する端末収容工程と、
収容した1台または複数台の端末装置に対して充電を行うための電力を供給する充電用電力供給工程と、
収容された各端末装置からバッテリの充電状態を示す情報を取得する充電状態情報取得工程と、
取得したバッテリの充電状態を示す情報に基づいて、収容した複数台の端末装置それぞれのバッテリ残量を含むバッテリの充電状態を、各端末装置に対応した位置に表示する充電状態表示工程とを有することを特徴とする端末装置の充電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数台の充電式バッテリ駆動の端末装置を充電可能な集合充電器に関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店などに適用されるセルフオーダリングシステムとして、店舗の入り口近辺のレジ周り等に、それぞれ充電式電池を電源として備えた複数台のセルフオーダリング端末装置(以下、端末装置と略すこともある)用の集合充電器を設置し、入店した顧客をテーブルに案内する店員、もしくは顧客をテーブルに案内し終えた店員が、集合充電器から1台の端末装置を取り出して各テーブルの顧客に端末装置を手渡して貸し出し、各テーブルの顧客自身が端末装置を用いて注文等を行うという運用形態がある。
【0003】
セルフオーダリング端末装置は、例えば、プレート状(パッド状、タブレット端末状)を呈し、ユーザーインターフェースの一種であるタッチパネル付きのディスプレイと、POS(Point Of Sales)サーバとの通信部と、電源としての充電式のバッテリとを有している。
【0004】
一方、集合充電器は、複数冊の書籍を収容する本棚のように複数台のセルフオーダリング端末装置を収容可能であり、収容した1台以上のセルフオーダリング端末装置に対して充電を行う装置である。
【0005】
ここで、セルフオーダリング端末装置は、顧客に貸し出される際には、顧客の使用中にバッテリ切れを起こしてしまうことがないように、バッテリが十分に充電されていることが要求される。バッテリ残量は、端末装置の表示部に表示されるようになっているため、店員や顧客は、これを視認すれば知ることができる。
【0006】
集合充電器を有するセルフーダリングシステムは、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されたセルフオーダリングシステムは、各テーブルにセルフオーダリング端末装置の充電器を設置することの高コスト化を解消することを目的の1つとしている。このセルフオーダリングシステムにおいては、POSサーバが、集合充電器に収容されて充電中である複数台のセルフオーダリング端末装置の各バッテリ残量を取得し、バッテリ残量が最も多い端末装置を選択して受付端末に表示するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2014−002652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一般に、セルフオーダリング端末装置が集合充電器に収容されて充電されているとき、端末装置のタッチパネル付きのディスプレイは、節電目的でそのバックライトもしくはディスプレイの表示機能自体が休止されるように設計されている。
【0009】
このため、前述したバッテリ残量の表示部をタッチパネル付きのディスプレイが兼用している場合、タッチパネル付きのディスプレイの休止状態を解除すべく、店員が、端末装置を集合充電器から取り出すか、集合充電器に収容されている端末装置に対して前記休止状態を解除する操作をしない限りは、バッテリ残量を店員は知ることができない。
【0010】
また、休止状態を解除する操作によって集合充電器に収容されたままの状態で端末装置のバッテリ残量を表示できたとしても、通常、複数の端末装置は、複数冊の書籍が並列するかのように集合充電器に収容されるため、店員は、隣接する端末装置との隙間からディスプレイを覗き見る必要があり、バッテリ残量を視認し難い。
【0011】
あるいは、端末装置がタッチパネル付きのディスプレイとは個別に、バッテリ残量の表示専用の表示部(充電ランプ等と呼ばれる)を端末装置の側面に備えている場合であっても、通常、複数の端末装置は、複数冊の書籍が並列するかのように集合充電器に収容されるため、店員は、隣接し合う端末装置の互いに同様の位置に設けられた充電ランプを店員が速やかに認識することは、困難である。さらに、端末装置の小型・薄型化、軽量化、低コスト化といった目的上、充電ランプは多色発光や点滅発光が可能な単一の発光素子によって構成され、その発光素子の発光色や継続/点滅発光の仕方によってバッテリの充電状態を表現する方式が一般的であるため、店員は、具体的なバッテリ残量を速やかに認識することがさらに困難である。
【0012】
このように店員がバッテリ残量を速やかに知ることができないと、迅速な顧客対応が必要とされる店舗業務を阻害することになるため、その改善が望まれる。
【0013】
それ故、本発明の目的は、充電式バッテリ駆動の端末装置のバッテリ残量をユーザが容易かつ速やかに視認できるように表示する端末装置の集合充電器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によれば、複数台の充電式バッテリ駆動の端末装置を収容可能な複数の端末収容部と、前記端末収容部に収容された1台または複数台の端末装置に対して充電を行うための電力を供給する電源部と、前記複数の端末収容部のそれぞれに対応して設けられ、該端末収容部に収容された各端末装置のバッテリ残量を含むバッテリの充電状態を表示する複数の充電状態表示部とを有することを特徴とする集合充電器が得られる。
【0015】
また、本発明によれば、1台または複数台の充電式バッテリ駆動の端末装置を、当該端末装置が複数台の場合には並列して収容する端末収容工程と、収容した1台または複数台の端末装置に対して充電を行うための電力を供給する充電用電力供給工程と、収容した1台または複数台の端末装置それぞれのバッテリ残量を含むバッテリの充電状態を、各端末装置に対応した位置に表示する充電状態表示工程とを有することを特徴とする端末装置の充電方法が得られる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、充電式バッテリ駆動の端末装置のバッテリ残量をユーザが容易かつ速やかに視認できるように表示する端末装置の集合充電器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態1による集合充電器の充電対象であるセルフオーダリング端末装置の斜視図である。
図2】本発明の実施形態1による集合充電器の斜視図である。
図3図1に示された集合充電器におけるUSB端子および充電端子を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
図4図1に示された集合充電器の使用状態を示す斜視図である。
図5図1に示された集合充電器における充電状態表示部の表示動作を説明するための図であり、(a)は充電状態表示部を示し、(b)は充電状態表示部の表示態様を示す。
図6図1に示された集合充電器の電気回路を示す図である。
図7図1に示された集合充電器における制御部の詳細を示す図である。
図8図1に示された集合充電器の動作を説明するためのフロー図である。
図9】本発明の実施形態2による集合充電器の電気回路を示す図である。
図10図9に示された集合充電器における制御部の詳細を示す図である。
図11図9に示された集合充電器の動作を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明による端末装置の集合充電器は、複数の端末収容部と、電源部と、複数の充電状態表示部とを有している。
【0019】
複数の端末収容部は、複数台の充電式バッテリ駆動の端末装置を収容可能である。尚、本発明における「収容」とは、収容すべき対象物である端末装置の全体を覆って収容することに限らず、端末装置の一部を受容、保持することをも含む。
【0020】
また、電源部は、端末収容部に収容された1台または複数台の端末装置に対して充電を行うための電力を供給する。
【0021】
さらに、複数の充電状態表示部は、複数の端末収容部のそれぞれに対応して設けられ、該端末収容部に収容された各端末装置のバッテリ残量を含むバッテリの充電状態を表示する。
【0022】
上記構成により、本集合充電器は、充電式バッテリ駆動の端末装置のバッテリ残量をユーザが容易かつ速やかに視認できるように表示可能である。
【0023】
以下、図面を参照して、本発明による端末装置の集合充電器、セルフオーダリングシステムおよび端末装置の充電方法のより具体的な実施形態を説明する。
【0024】
[実施形態1]
本発明の実施形態1による集合充電器は、飲食店などに適用されるセルフオーダリングシステムにおいて、店舗の入り口近辺のレジ周り等に設置され、複数台の充電式バッテリ駆動のセルフオーダリング端末装置を充電可能な装置である。
【0025】
ここで、図1を参照すると、セルフオーダリング端末装置300は、プレート状(パッド状、タブレット端末状)を呈する可搬型情報処理装置であり、ユーザ入出力インターフェースとしてタッチパネル付きのディスプレイ306を備えている。また、図1では明らかではないが、セルフオーダリング端末装置300は、その側面のうちの図中下部となっている面に、充電端子(受電端子)とUSB(Universal Serial Bus)端子とを備えている。さらに、図1では明らかではないが、セルフオーダリング端末装置300は、店舗において顧客に貸し出された後に顧客がタッチパネル付きのディスプレイ306を用いて入力した商品の注文情報を、POSサーバとの間で、アクセスポイントを介して無線通信する例えばセキュリティ策を施したWi−Fi(商標または登録商標)規格等の無線通信インターフェースを搭載している。
【0026】
尚、本発明の集合充電器には、充電回路は設けられていない。他方、後に説明するように、端末装置300側に充電回路が設けられており、また、端末装置300は、電池の充放電の状態を把握できる仕組み(機能)を備えている。
【0027】
[構成]
さて、図2を参照すると、本発明の実施形態1の集合充電器100は、その本体に設けられた充電を行う時に端末装置300を縦向きに収容するスロット状の端末収容部として、5箇所の端末収容部101(101−1〜101−5)を備えている。
【0028】
集合充電器100はさらに、端末装置300が端末収容部101に載置(収容)されたことを検出する収容検出スイッチ104(104−1〜104−5)と、端末装置300へ充電のための電源電圧を供給する充電端子106(106−1〜106−5)と、端末装置300とUSB接続して端末装置300のバッテリ残量の情報を取得するUSB端子105(105−1〜105−5)と、端末装置300のバッテリ残量の状態を表示する充電状態表示部103(103−1〜103−5)を、5箇所の端末収容部101−1〜101−5毎に備えている。
【0029】
充電端子106−1〜106−5、USB端子105−1〜105−5はそれぞれ、図3(a)および(b)に示されるように、ポゴピン(商標または登録商標)状またはプローブ状の端子であり、集合充電器100の端末収容部101−1〜101−5、セルフオーダリング端末装置300の寸法公差を吸収して、端末収容部101に収容された端末装置300の側面に設けられている対応する端子に確実に接触するように、軸方向に復帰可能に収縮するように構成されている。
【0030】
充電端子106は、GND端子と5V端子とを含んでいる。USB端子105は、DETECT端子と、USB(D+)端子と、USB(D−)端子とを含んでいる。
【0031】
本実施形態において、充電端子106のうちの5V端子は、収容検出スイッチ104と、後述する2個のFETから成る安全回路とにより、直流5Vの電圧がオン/オフ制御される。尚、充電端子106のうちのGND端子は、GNDに接続されている。
【0032】
また、USB端子105のうちのDETECT端子は、充電端子106のGND端子と同電位であり、端末装置300が、集合充電器100に収容(載置)されたことを検出するために使用される端子である。
【0033】
充電状態表示部103−1〜103−5はそれぞれ、端末収容部101の延長線上に設けられているため、充電状態表示部103と端末収容部101との対応をユーザ(主に、店員)は直観的に把握することができる。充電状態表示部103はさらに、図5(a)および(b)に示されるように、端末装置300の充電式バッテリのバッテリ残量(バッテリ容量)を4つのレベルでグラフィカル表示できるように、複数の表示セグメントとして、第1インジケータ103a、第2インジケータ103b、第3インジケータ103c、第4インジケータ103dを備えている。本実施形態において、各インジケータは、複数色発光可能なLED(Laser Emitting Diode)素子によって構成されている。尚、LEDインジケータに代えて、LCD(Liquid Crystal Display)を用いて、端末装置300のバッテリ残量の状態を表示するようにしてもよい。
【0034】
図4は、1台の端末装置300を本集合充電器100の端末収容部101−4に収容した状態を示している。図4に示されるように、集合充電器100への給電は、店舗の商用電源コンセントに接続されるACアダプタ200によって行われる。
【0035】
回路構成を示す図6を参照すると、集合充電器100は、端末収容部101−1〜101−5(図2)に収容された各端末装置からバッテリの充電状態を取得し、取得したバッテリの充電状態に基づいて充電状態表示部103−1〜103−5(図2)にバッテリの充電状態を表示させる制御部102(102−1〜102−5)を有している。
【0036】
集合充電器100はまた、ACアダプタ200(図4)から供給された直流電源電圧(本例では19.5V。図6中、最も太い実線で示される)を電圧変換し、端末装置300に対する充電用電源(本例では5V。図6中、二番目に太い実線で示される)、ならびに、集合充電器100自体の動作電源(本例では5V)を供給するDC/DC変換回路109を有している。
【0037】
また、集合充電器100は、端末収容部101−1〜101−5(図2)が端末装置300を収容しているか否かを検出する複数の収容検出スイッチ104(104−1〜104−5)を有している。
【0038】
制御部102(102−1〜102−5)は、端末収容部101−1〜101−5に端末装置300が収容されていないときはリセット状態となっている一方、端末収容部101−1〜101−5に端末装置が収容されているときはそのリセット状態が解除される。この違いは、各制御部102がリセット端子を備えており、端末収容部101に端末装置300が収容されている間は収容検出スイッチ104が押されていることによってリセット端子がLowからHighとなり、端末収容部101が収容されていない時は収容検出スイッチ104が押されずにリセット端子がHighとならず、Lowのままであることによる。
【0039】
また、集合充電器100は、収容検出スイッチの検出信号に基づいて、端末収容部101が端末装置300を収容していないときは、その端末収容部に対応した充電端子106に、充電用電力の電圧(5V)が生じないようにする、NチャネルFET(Field Effect Transistor)107とPチャネルFET108とから成る安全回路を有している。
【0040】
さらに図7を参照すると、集合充電器100の制御部102−1〜102−5のそれぞれは、USB通信を行うUSBコントローラ102Bと、図5(a)に示されるように第1〜第4のLEDインジケータ103a〜103dを備えた各充電状態表示部103の発光を制御するLED制御部102Cと、USBコントローラ102BとLED制御部102Cを制御する主制御部102Aとを有している。尚、図7においては、制御部102−1のみについて図示しているが、制御部102−2〜102−5も同様に、USBコントローラ102Bと、LED制御部102Cと、主制御部102Aとを有している。
【0041】
他方、端末装置300は、図7に示されるように、集合充電器100の各制御部102とUSB通信を行うUSBコントローラ304と、内蔵しているリチウムイオンバッテリ等の充電式バッテリ305を、集合充電器100からの充電用電力の供給を受けて充電する充電回路303と共に、充電回路303を監視して充電式バッテリ305のバッテリ残量を検出する制御部302とを有している。
【0042】
セルフオーダリング端末300の制御部302は、USBコントローラ304を制御して集合充電器100との間でUSB通信を行い、充電回路303を監視してバッテリの充電状態を把握する。さらに、端末装置300は、その充電式バッテリの充電状態を監視検出し、そのバッテリの充電状態を示す情報を、USBコントローラ304を介して集合充電器100にUSB通信を行って出力する。
【0043】
[動作]
次に、本発明の実施形態1の集合充電器100の制御部102(102−1〜102−5)の動作を図8のフロー図を併せ参照して説明する。
【0044】
はじめに、集合充電器100の端末収容部101(101−1〜101−5)に端末装置300が収容されると、各端末収容部101に設けられた収容検出スイッチ104が押され、制御部102のリセット状態が解除され、制御部102による処理が開始される。
【0045】
ステップS11において、制御部102の処理開始後に端末装置300とUSB接続し、端末装置300と集合充電器100の制御部102との間でUSB通信が可能となる。
【0046】
次いで、ステップS12において、制御部102は、端末装置300から定期的に送信されるバッテリ残量を示す情報を受信したか否か判断する。バッテリ残量を示す情報を受信した場合(ステップS12のYes)は、ステップS13に移行する。一方、バッテリ残量を示す情報を受信しない場合(ステップS12のNo)は、ステップS12を繰り返す。
【0047】
次に、ステップS13において、充電状態表示部103(103−1〜103−5)を制御し、各充電状態表示部103により、受信したバッテリ残量を示す情報に基づいた表示を行ってステップS12に戻る。
【0048】
尚、図8のフローでは、端末装置300から定期的に送信されるバッテリ残量を示す情報を集合充電器100の制御部102で受信するようにしているが、これに代えて、集合充電器100の制御部102から、定期的に、端末装置300にバッテリ残量を示す情報を要求して取得するようにしてもよい。
【0049】
ここで、充電状態表示部103(103−1〜103−5)の表示例を示す図5(b)を参照すると、端末装置300から取得したバッテリ残量の情報に応じて、非充電(端末装置300が載置されていない)状態は、第1〜第4インジケータ103a〜103dが全消灯し、充電中でバッテリ残量30%未満の状態は、第1インジケータ103aを赤色点灯し、バッテリ残量30%以上〜60%未満の状態は、第1、第2インジケータ103a、103bを赤色点灯し、バッテリ残量60%以上〜90%未満の状態は第1〜第3インジケータ103a〜103cを黄色点灯し、充電完了(バッテリ残量90%以上)は第1〜第4インジケータ103a〜103dを緑色点灯とする。また、USB通信エラーなどの充電表示に関する処理時にエラーが発生した場合は、第1〜第4インジケータ103a〜103dを赤色点滅とする。
【0050】
前述したように第1〜第4インジケータ103a〜103dが全消灯である場合は、端末装置300が集合充電器100に載置されていないことを示している。端末装置300が集合充電器100に載置されていないと、制御部102がリセット状態となっており、制御部102内のLED制御部102Cもリセットされており、第1〜第4インジケータ103a〜103dが全消灯の状態となっている。
【0051】
本実施形態では、端末装置が載置されていない時に集合充電器の制御部をリセット状態とし、端末装置が載置されると集合充電器の制御部のリセットが解除されるようにしているが、これは、端末装置が載置されていない時に、集合充電器の制御部に何らかの要因(静電気など)で問題が生じて集合充電器が端末装置と通信できない状態になることを予め回避するためである。さらに、そのような回避策をとっているにも拘わらず、集合充電器が端末装置と通信できない状態に陥ってしまった場合には、端末装置を集合充電器の端末収容部から一旦取り出した後に再載置するといった簡単な操作により、制御部のCPUのリセットおよびリセット解除を実行でき、その結果として、端末装置と通信できる状態に復帰させることができる。尚、このように構成されていないと、集合充電器を端末装置と通信できる状態に復帰させるためには、電源のオン/オフ(ACアダプタ抜き差し)という面倒な操作を行う必要がある。
【0052】
以上説明した本実施形態の集合充電器によれば、集合充電器に端末装置を載置すると、集合充電器に設けられた充電状態表示部に端末装置のバッテリ残量の状態(バッテリ残量)を表示させることで、ユーザは、端末装置のディスプレイ画面を見ることなく、容易かつ速やかにバッテリ残量の状態(バッテリ残量)を視認することができる。
【0053】
これにより、店員がバッテリ残量の少ない端末装置を取り出したり、さらに取り出した端末装置を顧客に貸し出してしまうことも防止でき、顧客の使用中に端末装置がバッテリ切れを起こすという不具合が発生することがなくなる。
【0054】
また、端末装置のディスプレイ画面で電池状態を確認する必要がないため、画面を消すことができ、消費電力の低減や充電時間の短縮にもつながる。
【0055】
[実施形態2]
本発明の実施形態2は、制御部が単一である点が実施形態1と異なる。このため、実施形態1と同一または同様の部分については、実施形態1における説明と参照図面を援用することとし、詳細な説明は省略する。
【0056】
[構成]
図9および図10に示されるように、本発明の実施形態2の端末装置の集合充電器100’においては、制御部102’が、複数の端末収容部(図示せず)毎には設けられておらず、1つである。尚、図9においては、図示の都合上、制御部102’が複数の端末収容部毎に個別に設けられているように描かれているが、実際は、単一である。
【0057】
単一の制御部102’は、5台の端末装置300それぞれとUSB通信を行うUSBコントローラ102’Bと、5つの充電状態表示部103−1〜103−5を個別に表示制御するLED制御部102’Cと、USBコントローラ102’BとLED制御部102’Cの制御を行う1つの主制御部102’Aとを有している。
【0058】
さらに、制御部102’は、複数の端末収容部のそれぞれ毎に、USB端子とLEDインジケータとを対応付けたテーブルを格納した記憶部(図示せず)を有しており、このテーブルを参照して各端末装置300のバッテリ充電状態の個別取得処理や、充電状態表示部103−1〜103−5の個別表示処理を実行する。
【0059】
尚、実施形態2において、実施形態1の制御部のリセット解除のために使用されるリセット端子に相当する端子(端末装置300が載置されていないときはLowの状態である)は、端末収容部に端末装置300が載置されているか否かを検知するために使用される。したがって、実施形態1では、端末装置が載置されていないときに制御部がリセット状態となっていたが、実施形態2において、制御部102’は、ACアダプタから最初に直流電源が供給されたときに初期化した後は、端末装置300が載置されているか否かにかかわらず、動作中となってその状態を継続する。
【0060】
[動作]
次に、本発明の実施形態2の集合充電器100’の制御部102’の動作を図11のフロー図を併せ参照して説明する。
【0061】
ステップS21において、制御部102’は、複数の端末収容部のそれぞれにおける端末装置300の有無を、各検出スイッチ104(104−1〜104−5)の検出結果に基づいて判断する。検出スイッチ104が押されてHighが入力されることにより、端末装置300が載置されていると判断した場合(ステップS21のYes)は、ステップS22に移行する。一方、検出スイッチ104が押されずにHighが入力されずLowのままであることにより、端末装置300は載置されていないと判断した場合(ステップS21のNo)は、ステップS23に移行する。この判断は、複数の端末収容部全てについて行う。
【0062】
次いで、ステップS22において、制御部102’は、端末収容部に収容された端末装置300とUSB接続する。
【0063】
ステップS23において、制御部102’は、端末装置300からバッテリ残量を示す情報を受信したか否か判断する。この情報を受信した場合(ステップS23のYes)は、ステップS24に移行する。一方、この情報を受信していない場合(ステップS23のNo)は、ステップS25に移行する。
【0064】
ステップS24において、該当する充電状態表示部103(103−1〜103−5)を制御し、充電状態表示部103により、受信したバッテリ残量を示す情報に基づいた表示を行う。
【0065】
次に、ステップS25において、制御部102’は、端末収容部に載置されていた端末装置300が、その端末収容部から取り出されたか否かを該当する検出スイッチ104(104−1〜104−5)の検出結果に基づいて判断する。検出スイッチ104が押されなくなりHighが入力されず、Lowとなることにより、取り出されたと判断した場合(ステップS25のYes)は、ステップS26に移行する。一方、検出スイッチ104が押されたままであってHighが入力されていることにより、取り出されていないと判断した場合は、ステップS21に戻る(ステップS25のNo)。
【0066】
ステップS26において、端末装置300が取り出された端末収容部に対応する充電状態表示部103を全消灯状態とし、ステップS21に戻る。
【0067】
[変形例]
以上説明した実施形態1、2の集合充電器は、5台の端末装置を収容可能であるが、端末の収容数は設置スペースや電源容量に応じて変更可能である。
【0068】
また、実施形態1、2においては、端末装置のバッテリ残量の取得にUSB通信を利用しているが、通信インターフェースの規格は、端末装置側が搭載している規格に応じたインターフェース規格とすればよい。例えば、I2C(Inter-Integrated Circuit)通信や、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)通信であってもよい。あるいは、赤外線通信や近距離無線通信であってもよい。
【0069】
さらに、図5(a)に示された例ではバッテリ残量の状態を4つのインジケータで表示させているが、インジケータの数量は表示させたい内容に応じて変更可能である。
【0070】
さらにまた、充電状態表示部としてLCDを用いる場合、第1の端末収容部から第5の端末収容部、即ち、第1の端末収容部から最後の端末収容部までにわたる単一のLCDデバイスを充電状態表示部とし、そのLCDデバイスにおける各端末収容部に対応する位置に、その端末収容部に載置された端末装置の電池容量の状態を表示するようにしてもよい。
【0071】
また、特許文献1の図に示されている集合充電器のように、端末装置を横置きに寝かせて収容するタイプの集合充電器の場合は、端末収容部毎に、収容口の周辺に充電状態表示部を設けるようにすればよい。
【0072】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0073】
(付記1)複数台の充電式バッテリ駆動の端末装置を収容可能な複数の端末収容部と、
前記端末収容部に収容された1台または複数台の端末装置に対して充電を行うための電力を供給する電源部と、
前記複数の端末収容部のそれぞれに対応して設けられ、該端末収容部に収容された各端末装置のバッテリ残量を含むバッテリの充電状態を表示する複数の充電状態表示部とを有することを特徴とする集合充電器。
【0074】
(付記2)前記端末収容部に収容された各端末装置から前記バッテリの充電状態を取得し、取得したバッテリの充電状態に基づいて前記充電状態表示部にバッテリの充電状態を表示させる制御部をさらに有する付記1の集合充電器。
【0075】
(付記3)前記複数の端末収容部は、前記集合充電器の本体に並列して設けられている付記1または2の集合充電器。
【0076】
(付記4)前記複数の充電状態表示部のそれぞれは、複数のLEDインジケータを備え、バッテリ残量に応じた数のLEDインジケータを発光させることによってバッテリ残量をグラフィカル表示する付記1乃至3のいずれかの集合充電器。
【0077】
(付記5)前記複数の端末収容部のそれぞれに対応して設けられ、該端末収容部に収容された各端末装置に設けられている受電端子と電気的に接続する複数の充電端子と、
前記複数の端末収容部のそれぞれに対応して設けられ、それぞれUSB端子およびUSBコントローラを含み、当該端末収容部に収容された各端末装置と電気的に接続してUSB通信を行う複数のUSB通信インターフェースとをさらに有し、
前記電源部は、前記端末収容部に収容された1台または複数台の端末装置に対して充電を行うための電力を前記充電端子を介して供給し、
前記制御部は、前記端末収容部に収容された各端末装置から前記バッテリの充電状態を前記USB通信インターフェースを介して取得する付記2乃至4のいずれかの集合充電器。
【0078】
(付記6)前記電源部は、前記集合充電器自体の電源としても機能する付記1乃至5のいずれかの集合充電器。
【0079】
(付記7)前記制御部を、前記複数の端末収容部のそれぞれに対応して個別に有する付記2乃至6のいずれかの集合充電器。
【0080】
(付記8)前記制御部を、前記複数の端末収容部に対して共通に1つ有し、
該制御部は、前記端末収容部に収容された各端末装置から個別に前記バッテリの充電状態を取得し、当該取得したバッテリの充電状態に基づいて、前記バッテリの充電状態を取得した端末装置を収容している前記端末収容部に対応する前記充電状態表示部にバッテリの充電状態を個別に表示させる付記2乃至6のいずれかの集合充電器。
【0081】
(付記9)前記複数の端末収容部のそれぞれに対応して設けられ、該端末収容部が端末装置を収容しているか否かを検出する複数の収容検出スイッチをさらに有し、
前記収容検出スイッチの検出信号に基づいて、前記制御部は、前記端末収容部が端末装置を収容していないときは当該制御部の動作をリセット状態とする一方、前記端末収容部が端末装置を収容しているときは前記リセット状態を解除する付記2乃至8のいずれかの集合充電器。
【0082】
(付記10)前記複数の端末収容部のそれぞれに対応して設けられ、該端末収容部が端末装置を収容しているか否かを検出する複数の収容検出スイッチと、
前記収容検出スイッチの検出信号に基づいて、前記端末収容部が端末装置を収容していないときは、当該端末装置を収容していない前記端末収容部に対応した前記充電端子に、前記電源部による充電用電力の電圧が生じないようにする安全回路をさらに有する付記5乃至9のいずれかの集合充電器。
【0083】
(付記11)1台または複数台の充電式バッテリ駆動の端末装置を、当該端末装置が複数台の場合には並列して収容する端末収容工程と、
収容した1台または複数台の端末装置に対して充電を行うための電力を供給する充電用電力供給工程と、
収容した1台または複数台の端末装置それぞれのバッテリ残量を含むバッテリの充電状態を、各端末装置に対応した位置に表示する充電状態表示工程とを有することを特徴とする端末装置の充電方法。
【産業上の利用可能性】
【0084】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得る様々な変更を加えることができる。
【0085】
例えば、本発明は、セルフオーダリング端末装置、接客端末装置、物品管理装置などの利用が考えられる外食産業、流通業、生産・物流分野において用いられる集合充電器に適用可能である。
【符号の説明】
【0086】
100、100’ 集合充電器
101(101−1〜101−5) 端末収容部
102(102−1〜102−5)、102’ 制御部
102A、102’A 主制御部
102B、102’B USBコントローラ
102C、102’C LED制御部
103(103−1〜103−5) 充電状態表示部
103a 第1インジケータ
103b 第2インジケータ
103c 第3インジケータ
103d 第4インジケータ
104(104−1〜104−5) 収容検出スイッチ
105(105−1〜105−5) USB端子
106(106−1〜106−5) 充電端子
107(107−1〜107−5) NチャネルFET
108(108−1〜108−5) PチャネルFET
109 DC/DC変換回路
200 ACアダプタ
300 セルフオーダリング端末装置(端末装置)
302 制御部
303 充電回路
304 USBコントローラ
305 充電式バッテリ
306 ディスプレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11