特許第6080346号(P6080346)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6080346
(24)【登録日】2017年1月27日
(45)【発行日】2017年2月15日
(54)【発明の名称】映像表示装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20170206BHJP
【FI】
   H04N7/18 D
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-219389(P2011-219389)
(22)【出願日】2011年10月3日
(65)【公開番号】特開2013-81039(P2013-81039A)
(43)【公開日】2013年5月2日
【審査請求日】2014年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】岩堀 英明
【審査官】 佐野 潤一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−081053(JP,A)
【文献】 特開2007−088965(JP,A)
【文献】 特開2007−267294(JP,A)
【文献】 特開2000−156853(JP,A)
【文献】 特開平09−252465(JP,A)
【文献】 特開2010−093783(JP,A)
【文献】 特開2006−345489(JP,A)
【文献】 特開2010−028401(JP,A)
【文献】 特開2009−049798(JP,A)
【文献】 特開2003−111050(JP,A)
【文献】 特開2000−209574(JP,A)
【文献】 特開2009−201127(JP,A)
【文献】 特開2008−289091(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/124735(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04N 5/222−5/257
G09G 5/00 −5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の監視映像を配置領域に配置して表示させる映像表示装置であって、
表示させた前記監視映像の配置位置を任意の位置に自在に設定可能とする配置位置変更手段と、
前記監視映像の撮影場所を示す見取り図を前記配置領域の任意の配置位置に貼り付ける画像貼り付け手段と
前記表示させた前記監視映像の映像領域の内、ユーザによって指定された範囲を切り出し、前記切り出した切り出し領域を前記配置領域に配置し直す切り出し手段と、を備え、
前記切り出し領域は、表示させた前記複数の監視映像にまたがった範囲から切り出され、
設定された位置から所定方向の配置映像を単純線形圧縮させる切り替わり線は、重要な被写体に対し前記被写体が映っている部分を圧縮しないように、移動可能に設けられる
ことを特徴とする映像表示装置。
【請求項2】
表示させた前記監視映像と貼り付けられた前記見取り図における前記監視映像の撮影場所とを関連付けるユーザの所望の文字列、図形又は線を前記配置領域に描画する描画手段
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
前記画像貼り付け手段は、前記配置領域に前記監視映像とは異なるユーザの所望の静止画又は動画を配置可能である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の映像表示装置。
【請求項4】
マルチモニターによる複数の表示領域を使用して、各表示領域にそれぞれ別の前記切り出し領域を表示させる
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【請求項5】
前記配置領域は、物理的な表示領域よりも仮想的に広く定義され、前記配置領域に配置される前記切り出し領域の大きさによって前記監視映像が拡大又は縮小されて表示される
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【請求項6】
複数の前記切り出し領域は、連続又は変形して移行するようにトランジション効果を伴って切り替わる
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【請求項7】
1つの表示領域に複数の前記配置領域を設け、各配置領域の画面表示は、ユーザインタフェースにより切り替え可能とする
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視映像を表示する映像表示装置に係り、特に、フォーマットの異なる複数の監視映像を表示する映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の監視カメラの映像を表示させる際に、4:3の画面アスペクト比で構成された映像表示部の表示領域を4分割して、4:3の画面アスペクト比である4系統の監視映像を、表示領域の各分割領域にそれぞれ配置して同時に表示させるとともに、その配置パターンを記憶する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−017529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、監視カメラ等における映像フォーマットの高解像度化と画面アスペクト比の多種多様化が進んでいる。それにつれて、映像フォーマットの仕様が異なる複数の監視用映像が混在する監視システムも増えつつある。
【0005】
この場合、次のような問題が生じていた。例えば、VGA(解像度が640×480ピクセルで画面アスペクト比が4:3)に対応した画面サイズの表示部に、フルハイビジョン(解像度が1920×1080ピクセルで画面アスペクト比が16:9)の監視映像を表示させるとする。すると、VGAとフルハイビジョンとでは画面アスペクト比が異なるので、VGAの画面横幅に合わせてフルハイビジョンの映像を表示させると、画面の上下に映像が表示されない無駄な領域が生じてしまう。一方、VGAの画面高さに合わせてフルハイビジョンの映像を表示させると、映像の左右が削除されて映像全体を表示できなかった。また、いずれの場合も、解像度が1/3〜1/2程度下がった状態で表示されるため、フルハイビジョン映像本来の高解像度表示を生かすことができなかった。逆に、表示部の画面サイズをフルハイビジョンに対応させると、今度はVGAの映像を表示させる場合に同様の問題が生じていた。
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術では、所定フォーマットの監視映像を、この監視映像のフォーマットに合わせて画面設計された表示領域に表示させるため、フォーマットの異なる複数の監視映像を表示領域に自在に表示させることができなかった。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、フォーマットの異なる複数の監視映像を表示領域に自在に表示させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の映像表示装置は、複数の監視映像を配置領域に配置して表示させる映像表示装置であって、表示させた前記監視映像の配置位置を任意の位置に自在に設定可能とする配置位置変更手段と、前記監視映像の撮影場所を示す見取り図を前記配置領域の任意の配置位置に貼り付ける画像貼り付け手段と、前記表示させた前記監視映像の映像領域の内、ユーザによって指定された範囲を切り出し、前記切り出した切り出し領域を前記配置領域に配置し直す切り出し手段と、を備え、前記切り出し領域は、表示させた前記複数の監視映像にまたがった範囲から切り出され、設定された位置から所定方向の配置映像を単純線形圧縮させる切り替わり線は、重要な被写体に対し前記被写体が映っている部分を圧縮しないように、移動可能に設けられることを特徴とする。
また、表示させた前記監視映像と貼り付けられた前記見取り図における前記監視映像の撮影場所とを関連付けるユーザの所望の文字列、図形又は線を前記配置領域に描画する描画手段を備えてもよい。
また、前記画像貼り付け手段は、前記配置領域に前記監視映像とは異なるユーザの所望の静止画又は動画を配置可能であってもよい
また、マルチモニターによる複数の表示領域を使用して、各表示領域にそれぞれ別の前記切り出し領域を表示させてもよい。
また、前記配置領域は、物理的な表示領域よりも仮想的に広く定義され、前記配置領域に配置される前記切り出し領域の大きさによって前記監視映像が拡大又は縮小されて表示されてもよい
また、複数の前記切り出し領域は、連続又は変形して移行するようにトランジション効果を伴って切り替わってもよい
また、1つの表示領域に複数の前記配置領域を設け、各配置領域の画面表示は、ユーザインタフェースにより切り替え可能としてもよい
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、フォーマットの異なる複数の監視映像を表示領域に自在に表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る実施形態の画像蓄積配信システムの全体構成を示す図である。
図2図1に示す画像蓄積配信サーバの構成を示す機能ブロック図である。
図3図1に示すクライアント端末の表示領域を示す画面例である。
図4図1に示すクライアント端末の表示領域を示す画面例である。
図5図1に示すクライアント端末の表示領域における配置領域を示すイメージ図である。
図6図1に示すクライアント端末の表示領域における配置領域を示すイメージ図である。
図7図1に示すクライアント端末の表示領域における配置領域を示すイメージ図である。
図8】配置映像に対する圧縮率を示すイメージ図である。
図9図1に示すクライアント端末の表示領域における配置領域を示すイメージ図である。
図10図1に示すクライアント端末の表示領域における配置領域を示すイメージ図である。
図11図1に示すクライアント端末の表示領域における配置領域を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0012】
まず、図1を参照して、画像蓄積配信システムの全体構成を説明する。画像蓄積配信システムは、複数のWEBカメラ2(2−1〜2−n)と画像蓄積配信サーバ1と複数のクライアント端末4(4−1〜4−m)とネットワーク3とを備えている。画像蓄積配信サーバ1と複数のWEBカメラ2と複数のクライアント端末4とはネットワーク3を介して接続されている。
【0013】
各WEBカメラ2−1〜2−nは、それぞれ固有のチャネル番号を有し、例えば、WEBカメラ2−1にはチャネル番号Ch1、WEBカメラ2−2にはチャネル番号Ch2、・・・、WEBカメラ2−nにはチャネル番号Chnが割り当てられている。WEBカメラ2は、監視空間を撮影した監視映像をネットワーク3を介して画像蓄積配信サーバ1に送信する。監視映像は、例えばJPEG等で圧縮され、IPパケット形式で画像蓄積配信サーバ1に送信されてもよい。
【0014】
図2は、画像蓄積配信サーバ1の構成を示す機能ブロック図である。画像蓄積配信サーバ1は、ネットワークインタフェース11とプロセッサ12とプログラム格納メモリ13とテーブル格納メモリ14とデータ格納メモリと17とディスクインタフェース15とディスク装置16とを備える。
【0015】
ネットワークインタフェース11は、ネットワーク3に接続するためのインタフェースである。
ディスクインタフェース15は、ディスク装置16に接続するためのインタフェースである。
ディスク装置16は、チャネル別(サイト別)の記憶領域160を有しており、例えばch1用の記憶領域160−1、ch2用の記憶領域160−2、・・・、chn用の記憶領域160−nを有している。ディスク装置16は、画像蓄積配信サーバ1と別体に構成されてもよい。
【0016】
プログラム格納メモリ13は、プロセッサ12によって実行される各種の制御プログラムを記憶している。
テーブル格納メモリ14は、各WEBカメラ2のカメラ情報と各WEBカメラ2の監視映像の記憶先であるチャネル別の記憶領域160とを対応付けて記憶している。WEBカメラ2のカメラ情報には、各WEBカメラ2の名称、チャネル番号、記録している監視映像のフレーム番号等や、録画状態情報(録画しているか否か等)等が含まれる。録画状態情報は、プロセッサ12によってネットワーク3を介して各WEBカメラ2が録画中であるか否かが定期的に確認されて更新される。また、テーブル格納メモリ14は、後述する配置領域のレイアウト情報をユーザ情報に対応付けて記憶している。
データ格納メモリ17は、ネットワーク3を介して送受信される監視映像のバッファ領域や、ディスク装置16に対して書き込み/読み出し処理がされる場合のキャッシュ領域として利用される。
【0017】
プロセッサ12は、プログラム格納メモリ13に記憶された各種の制御プログラムを読み出して不図示のRAM等に展開して実行することで、画像蓄積配信サーバ1の各部を制御すると共に、画像蓄積配信サーバ1の機能を実現する。
【0018】
プロセッサ12は、ネットワーク3とネットワークインタフェース11とを介して、WEBカメラ2の監視映像を取得すると、監視映像をWEBカメラ2のチャネル番号に対応するディスク装置16の記憶領域160に記憶させる。
【0019】
また、プロセッサ12は、クライアント端末4からの要求に応じて、記憶領域160に記憶させた監視映像をネットワーク3を介してクライアント端末4の表示部に表示させる。プロセッサ12は、クライアント端末4に監視映像を表示させる際に、ユーザ認証を行ってもよく、認証されたユーザに対応する配置領域のレイアウト情報をテーブル格納メモリ14から読み出して、レイアウト情報に従ったレイアウトで監視映像を表示させてもよい。
【0020】
クライアント端末4は、不図示の表示部及び操作部を備えており、例えばWEBブラウザ上で、ネットワーク3を介して画像蓄積配信サーバ1に記憶された監視映像を取得して、表示部で監視映像を再生する。
【0021】
図3は、クライアント端末4において監視映像を再生する画面例であり、クライアント端末4における不図示の表示部の表示領域500を示している。表示領域500には、監視映像リスト200と配置領域600と配置保存ボタン400とが表示される。監視映像リスト200には、現在表示可能な監視映像がリスト表示される。例えば、監視カメラA〜Dは、テーブル格納メモリ14における録画状態情報により、現在録画中であるWEBカメラ2の名称を表示しており、リアルタイムの監視映像を表示可能であることを示す。また、録画映像E、Fは、記憶領域160に記憶された監視映像の名称を示す。監視映像リスト200に表示される監視映像は、予めユーザによって指定された条件、例えばWEBカメラ2のチャネル番号や監視映像のフレーム番号、録画時期等に対応している。
【0022】
配置領域600には、監視映像リスト200の中からユーザによって選択された監視映像が配置され、配置映像61として表示される。配置領域600内には、ユーザの所望の静止画62やイラスト63等の追加情報を表示させることもできる。配置保存ボタン400は、配置領域600内のレイアウト情報、すなわち、配置領域600内に配置されたコンテンツ情報(配置映像61や静止画62、イラスト63等)とその各コンテンツの配置領域600内の配置位置とを保存するボタンである。配置保存ボタン400が押下されると、プロセッサ12によって配置領域600のレイアウト情報がテーブル格納メモリ14に記憶される。そのため、例えば、クライアント端末4が再起動した際に、テーブル格納メモリ14から読み出されたレイアウト情報に基づいて配置領域600に監視映像を表示することができる。なお、以下では、種々の表示領域、配置領域、配置映像の例を挙げて説明するが、特に各表示領域を区別しない場合に単に表示領域500として説明し、各配置領域を区別しない場合に単に配置領域600として説明し、特に各配置映像を区別しない場合に単に配置映像61として説明する。
【0023】
まず、ユーザは、クライアント端末4を介して、監視映像リスト200から所望の監視映像を選択する。ユーザは、監視映像リスト200における所望の監視映像の上にマウスオーバーさせることで、その監視映像を選択することができる。次に、ユーザは、選択した監視映像をドラッグして、配置領域600内の配置したい位置でドロップする。これにより、ドロップされた位置にユーザによって選択された監視映像が配置されて、配置映像61として表示される。図3では、監視映像リスト200における監視カメラA、監視カメラB、監視カメラC、監視カメラD、録画映像Eのそれぞれが選択されて配置領域600にドラッグアンドドロップされたものが、配置領域600の映像A、映像B、映像C、映像D、映像Eのそれぞれに対応する。ユーザは、所望の静止画62、例えば監視映像リスト200の各WEBカメラ2が設置されているフロアの見取り図等を、例えば、コピーアンドペーストで配置領域600の所望の位置に配置することができる。さらに、ユーザは、配置領域600にイラスト63として矢印を描画して、配置領域600に配置した各映像A〜Eと静止画62(見取り図)とを矢印により関係付けて、静止画62(見取り図)上で各映像A〜Eの設置場所を矢印により分かりやすく指し示すことができる。なお、イラスト63には、矢印の他に、引き出し線や吹き出し等の多様な図形や、文字、線等が含まれる。
【0024】
配置領域600は、表示領域500に合わせて形状や大きさが自動的に又はユーザ操作により変化する。例えば、プロセッサ12は、クライアント端末4が画像蓄積配信サーバ1にアクセスしてきたときに、クライアント端末4の表示領域500のサイズを取得して、表示領域500のサイズに合わせたサイズの配置領域600をクライアント端末4に表示させることができる。そして、プロセッサ12は、表示させた配置領域600のサイズや形状をクライアント端末4を介するユーザの操作に応じて変更可能に構成すればよい。
【0025】
例えば、図4(a)に示すように、表示領域501に対しては、4つの配置映像61を配置可能な配置領域601が設けられている。図4(b)において、図4(a)の表示領域501よりも大きな表示領域502では、表示領域502の大きさに合わせて、9つの配置映像61を配置可能な配置領域602が設けられている。また、図4(c)に示すように、新たに設けられたサブモニターによる表示領域503、表示領域504が追加された場合も、それぞれの新たな表示領域503、表示領域504に配置領域603、配置領域604を設けることができる。このように、配置領域600を表示領域500の形状や大きさに合わせて拡大、縮小、又は変形させることで、解像度や画面数によって変化する表示領域500を無駄なく使用して、多数の監視映像を一覧表示させたり、高解像度映像を全体表示させたりする等に有効活用することができる。
【0026】
配置領域600における配置映像61の配置についてさらに詳しく説明する。図5(a)は、配置領域601を仮想的に4分割した各分割領域に、4系統の監視映像を配置させ、画面アスペクト比が4:3のVGAの配置映像611と16:9の横設置のフルHDの配置映像612と16:9の縦設置のフルHDの配置映像613と16:9の斜め設置のフルHDの配置映像614とを配置させた例である。配置領域601の右上には、画面アスペクト比が4:3のVGAの監視映像611が配置され、配置領域601の1/4領域に無駄なく配置されている。一方、16:9の横設置のフルHDの監視映像612が配置された配置領域601の左上では、上下に無駄な領域が生じ、16:9の縦設置のフルHDの監視映像613が配置された配置領域601の右下では、左右に無駄な領域が生じ、16:9の斜め設置のフルHDの監視映像614が配置された配置領域601の左下では、上下左右に無駄な空き領域が生じている。
【0027】
そこで、図5(b)に示すように、16:9の横設置のフルHDの配置映像612の配置位置について、配置領域601の上辺に合わせるよう配置位置を調整することで、上に生じていた無駄な空き領域を潰すことができる。また、16:9の縦設置のフルHDの配置映像613の配置位置については、配置領域601の右辺に合わせるよう配置位置を調整することで、右に生じていた無駄な空き領域を潰すことができる。また、16:9の斜め設置のフルHDの配置映像614については、配置位置を上にずらして、配置映像614の一部が配置映像612の背面に隠れるよう配置している。これにより、まとまった空き領域60を確保することができ、この空き領域60に新たな配置映像61や静止画62等を配置することができる。
【0028】
ユーザは、配置領域600に配置した配置映像61について、配置領域600内を自在に移動させられるだけでなく、配置映像61の映像領域の一部を切り出した切り出し領域を作成し、その切り出し領域(以下、各切り出し領域を区別する必要がない場合、単に切り出し領域610として説明する)を配置領域600に配置することができる。図6は、ユーザが配置映像を切り出して配置領域に配置し直すイメージ図である。図6(a)における16:9の縦設置のフルHDの配置映像613は、映像領域の中央部分を切り出し領域610bにより長方形に切り出されて、図6(b)に示す配置領域601に切り出し領域610bとして配置されている。また、図6(a)に示す16:9の斜め設置のフルHDの配置映像614は、映像領域の中央部分を切り出し領域610aにより略正方形に切り出されて、図6(b)に示す配置領域601に切り出し領域610aとして配置されている。また、図6(a)に示す16:9の横設置のフルHDの配置映像612の配置位置については、配置領域601の上辺に合わせるよう配置位置が調整されて、図6(b)に示すように、監視映像612の上に生じていた無駄な空き領域が潰されるよう配置し直されている。このように切り出し領域610により、さらに広くまとまった空き領域60を確保することができ、この空き領域60に新たな配置映像61等を配置することができる。
【0029】
また、配置映像61の縦又は/及び横のサイズは、それぞれ自在に設定可能としてもよい。例えば、図7は、16:9の横設置の配置映像612における横サイズを縦サイズとは異なる縮尺に変更して配置領域601に配置する様子を示したイメージ図である。
【0030】
図7(a)では、16:9の横設置の配置映像612に対し、切り替わり線620a、620bが設けられている。切り替わり線620aは、設定された位置から左方向の配置影像612を横方向に単純線形圧縮させて、配置映像612のサイズを4:3比率に変更するものである。また、切り替わり線620bは、設定された位置から右方向の配置影像612を横方向に単純線形圧縮させて、配置映像612のサイズを4:3比率に変更するものである。ここで、単純線形圧縮とは、圧縮対象領域を同一の圧縮率で圧縮することを言う。図8は、配置映像612の横方向に対する圧縮率を示したイメージ図である。図8(a)に示すように、配置映像612の両端から切り替わり線620a、620bまでの画像領域に対して単純線形圧縮することで、被写体の描画に対する正確さ(線が曲がっているのか真っ直ぐなのか等)を確保することができる。図8(b)に示すように、仮に、4:3比率の画面に16:9の映像を表示させる際に、単純線形圧縮させずに、配置映像612の両端に近づくに従って横方向に連続的に圧縮率を変えて圧縮して表示させたとすると、被写体の描画の正確さを判断できないため、監視目的に適さない。そのため、ここでは、被写体の形状を正確に把握できるように単純線形圧縮するものとしている。
【0031】
図7(a)に戻り、切り替わり線620a、620bを境に単純線形圧縮することで、16:9比率から4:3比率にサイズを変更したものが、配置映像612´である。配置映像612´では、切り替わり線620a、620bが明示された状態となっている。これにより、図7(c)に示すように、例えば4:3画像を前提とした4分割画面に、16:9の配置映像612を配置すると、上下に無駄な部分が生じる上に全体が縮小されるため解像度を低下させてしまうが、切り替わり線620a、620bを境に単純線形圧縮された配置映像612´によれば、必要とする部分の解像度を低下させずに無駄なく配置することができる。なお、ここでは一例として、切り替わり線620a、620bは、配置映像612の左右からそれぞれ1/4の位置に設定されているが、1/3等の自由な位置に設定可能である。例えば、重要な被写体に対しては、その被写体が映っている部分を圧縮しないように、切り替わり線620a、620bを移動させることができる。
【0032】
また、図7(b)に示すように、16:9の横設置の配置映像612に対し、配置映像612全体を横方向に単純線形圧縮して、4:3比率に対応した配置映像612´´を生成してもよい。この場合でも、図7(c)に示すように、配置映像612´´を4:3比率の画面に無駄なく配置することができる。なお、図7(a)、(b)では、配置映像612の横方向のサイズを変更する場合を例に説明したが、縦方向や斜め方向のサイズを変更することも可能であり、例えば、16:9の縦設置の配置映像613の縦方向のサイズを変更して配置させてもよい。
【0033】
また、配置映像61は、3次元的に回転されて配置領域600に配置されてもよい。例えば、図9は、カメラ1〜5のうちカメラ2〜5に対応する4つの配置映像61が3次元的に回転されて表示された表示領域のイメージ図である。図9(a)では、カメラ1の配置映像615が表示領域正面に配置され、カメラ2〜5の配置映像616〜619がそれぞれ表示領域の左右上下に配置されている。図9(b)に示すように、このときのカメラ1の配置映像615は、x−y平面上の画像を回転させずにそのまま配置したものである。それに対し、カメラ2の配置映像616は、x−y平面上の画像をx軸に対して回転させた画像を配置したものであり、カメラ3の配置映像617は、y軸に対して回転させた画像を配置したものである。また、カメラ4の配置映像618は、x−y平面上の画像をy軸に対してカメラ3の配置映像617とは逆に回転させた画像を配置したものである。また、カメラ5の配置映像619は、x−y平面上の画像をx軸に対してカメラ2の配置映像616とは逆に回転させた画像を配置したものである。これにより、表示領域500には、配置映像61が3次元的に回転されて配置されていることにより、立体的に投影されたように配置映像61が表示される。なお、ここでは、x軸及びy軸に対して配置映像61を回転させた例を示したが、z軸に対して配置映像61を回転させて配置させてもよい、
【0034】
また、切り出し領域610は、複数の配置映像61にまたがった範囲から切り出されてもよい。図10(a)は、複数の配置映像が配置された配置領域から、切り出し領域を作成するイメージ図である。図10(a)に示すように、配置領域605には、配置映像61として監視映像H〜監視映像Nが配置されている。切り出し領域610cは、映像H、映像K、映像Iにまたがっており、切り出し領域610eは、映像L、映像M、映像Nにまたがっている。切り出し領域610dは、映像Mのみの映像領域から切り出されたものである。
【0035】
図10(b)に示すように、ユーザは、切り出し領域610c〜切り出し領域610eを、表示領域500全体に表示させることもできる。これは、クライアント端末4の表示部の物理的な表示領域500よりも広い配置領域600を仮想的に定義して、その配置領域600の任意の範囲を切り出し領域610によって指定して表示領域500に表示するものである。このとき、切り出し領域610を小さく指定すると、より高精細な配置映像61を表示領域500に表示することができ、逆に、切り出し領域610を大きく指定すると、配置映像61の精細さが減少する代わりに複数の配置映像61に対する一覧性を高めることができる。また、切り出し領域610を配置領域600内の配置映像61等の配置範囲に合わせることで、配置範囲全体を表示領域500で表示することもできる。
【0036】
また、1つの表示領域500に対して複数の切り出し領域610を割り当てて、表示領域500の表示内容を変更するようにしてもよい。この割り当ての変更は、手動によって行われてもよいし、予め設定されたスケジュールに従って自動的に行われてもよい。また、ある切り出し領域610から次の切り出し領域610への切り替わりは、一度に切り替わってもよいし、連続して又は変形して移行するようにトランジション効果を伴って切り替わってもよい。このように、複数の切り出し領域610を巡回的に表示して、多数の配置映像61に対する一覧性やアクセス性を向上させることができる。なお、マルチモニター等による複数の表示領域500を使用して、各表示領域500にそれぞれ別の切り出し領域610を表示させてもよいことは言うまでもない。
【0037】
また、1つの表示領域500に複数の配置領域600を設けて、各配置領域600に配置映像61をレイアウトできるようにしてもよい。図11は、1つの表示領域505に3つの配置領域605〜配置領域607が設けられた画面例である。配置領域607は、××ビルディングに関する映像監視という視点でレイアウトされており、パターンAとしてテーブル格納メモリ14に登録されている。配置領域605は、全監視映像の一覧表示を目的としてレイアウトされており、パターンBとしてテーブル格納メモリ14に登録されている。また、配置領域606は、各拠点映像の代表映像がレイアウトされており、パターンCとしてテーブル格納メモリ14に登録されている。各配置領域605〜607の画面表示は、タブによって切り替え可能に構成されている。図11では、パターンAが表示されたタブ部が、現在選択状態になっているため、最前面に表示されている。このように、複数の配置領域600のレイアウト情報をテーブル格納メモリ14に記憶して、レイアウト情報を切り替えて表示することで、表示領域500を有する表示部を複数ユーザや多様な運用モード間で共用することができる。なお、図11では、タブによって配置領域605〜607を切り替え可能に構成する例を説明したが、ボタンやメニュー等のユーザインタフェースにより複数の配置領域600を切り替え可能に構成してもよい。
【0038】
このように、本実施形態によれば、表示領域500に合わせて設けられた配置領域600に、配置映像61を任意の位置に自在に配置して、配置した配置映像61を切り出したり、拡大、縮小、移動、又は回転させたりすることで、配置領域600内のレイアウトを自在に変更できる。そのため、フォーマットの異なる多くの配置映像61を表示させることができ、また、ユーザのニーズに合致した見易い表示にすることができる。また、配置領域600に配置した配置映像61のレイアウトを変更して確保した空き領域60に、新たな監視映像61や、監視映像61の説明や、警告、広告等の静止画62やイラスト63等の追加情報を付加することができるので、ユーザの利便性や表示全体の付加価値を高めることができる。
【0039】
以上、本実施形態を概説すると、
(1)本実施形態の映像表示装置は、複数の監視映像を配置領域に配置して表示させる映像表示装置であって、表示させた前記監視映像の配置位置を任意の位置に自在に設定可能とする配置位置変更手段を備えたことを特徴とする。
(2)(1)に記載の映像表示装置は、表示させた前記監視映像を回転、拡大、又は縮小させて前記配置領域に配置し直す映像加工手段を備えてもよい。
(3)(1)又は(2)に記載の映像表示装置は、前記配置領域にユーザの所望の文字列、図形、又は線を描画する描画手段を備えてもよい。
(4)(1)から(3)までのいずれか1つに記載の映像表示装置は、前記配置領域にユーザの所望の静止画又は動画を配置可能な画像貼り付け手段を備えてもよい。
(5)(1)から(4)までのいずれか1つに記載の映像表示装置は、表示させた前記監視映像の映像領域の内、ユーザによって指定された範囲を切り出して、切り出した切り出し領域を前記配置領域に配置し直す切り出し手段を備えてもよい。
(6)(1)から(5)までのいずれか1つに記載の映像表示装置は、複数の前記配置領域のいずれかを表示するように切り替える切換手段を備えてもよい。
(7)(5)に記載の映像表示装置は、前記配置領域は、物理的な表示領域よりも仮想的に広く定義され、前記配置領域に配置される前記切り出し領域の大きさによって前記監視映像が拡大又は縮小されて表示されてもよい。
(8)(5)又は(7)に記載の映像表示装置は、複数の前記切り出し領域を予め設定されたスケジュールに従って自動で切り替えるスケジュール手段を備えてもよい。
(9)(1)から(8)までのいずれか1つに記載の映像表示装置は、前記配置領域のレイアウト情報を記憶部に記憶させる配置保存手段を備えてもよい。
(10)(1)から(9)までのいずれか1つに記載の映像表示装置は、前記配置領域は、表示領域のサイズ、画面数に合わせて自動的に形状、大きさが変更されてもよい。
(11)本実施形態の監視装置は、複数の監視映像を配置領域に配置して表示させる監視装置であって、表示させた前記監視映像の配置位置を任意の位置に自在に設定可能とする配置位置変更手段と、前記監視映像の撮影場所を示す見取り図を前記配置領域の任意の配置位置に貼り付ける画像貼り付け手段と、前記監視映像と前記見取り図における前記監視映像の撮影場所とを関連付ける図形を前記配置領域に描画する描画手段とを備えたことを特徴とする。
【0040】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々様々に変更が可能であることは言うまでもない。例えば、レイアウト情報は、クライアント端末4に記憶されてもよい。また、静止画62だけでなく、監視映像とは異なるユーザ所望の動画を配置領域600に貼り付けられるようにしてもよい。なお、上記実施形態において、同様の機能を示す構成には、同一の符号を付してある。
【符号の説明】
【0041】
1:画像蓄積配信サーバ
2(2−1〜2−n):WEBカメラ
3:ネットワーク
4(4−1〜4−m):クライアント端末
11:ネットワークインタフェース
12:プロセッサ
13:プログラム格納メモリ
14:テーブル格納メモリ
15:ディスクインタフェース
16:ディスク装置
17:データ格納メモリ
60:空き領域
61(611〜619):配置映像
62:静止画
63:イラスト
160(160−1〜160−n):記憶領域
200:監視映像リスト
400:配置保存ボタン
500(501〜506):表示領域
600(601〜608):配置領域
610(610a〜610e):切り出し領域
620(620a、620b):切り替わり線
図1
図2
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図11