(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
<全体構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る酸素濃縮器の全体構成を示す概略図である。
【0013】
酸素濃縮器100は、コンプレッサ110によって圧縮空気を生成し、この圧縮空気を冷却部120で冷やした後、シーブベッド210、211に供給する。そして、酸素濃縮器100は、シーブベッド210、211によって圧縮空気から高濃度の酸素を分離し、これにより得た高濃度酸素を酸素出口225を介して患者に供給する。
【0014】
さらに詳しく説明する。コンプレッサ110は、コンプレッサケース111内に収容されている。コンプレッサケース111の上方には、ファンケース131が設けられている。ファンケース131内には、ファン132a、132bと、冷却部120とが設けられている。このファンケース131内の構成および圧縮空気を冷却するための構成については、後で詳しく説明する。
【0015】
ファンケース131内の冷却部120で冷却された圧縮空気は、マニホールド140に送られる。マニホールド140は、圧縮空気を第1および第2のシーブベッド210、211に交互に切り替えて送り、第1および第2のシーブベッド210、211からの窒素富化空気を交互に切り替えて消音器143に送るための多岐管である。マニホールド140は、三方弁である第1および第2の切替弁142a、142bを有する。マニホールド140は、第1および第2の切替弁142a、142bの状態を制御することにより、例えば10秒間隔で、圧縮空気および窒素富化空気のマニホールド140内の流路の切替えを行う。
【0016】
具体的には、例えば、マニホールド140は、
図1に示すように、第1の切替弁142aを用いて、第1のシーブベッド210とコンプレッサ110との間の管路を開放し、第1のシーブベッド210と消音器143との間の管路を閉鎖する。同時に、マニホールド140は、第2の切替弁142bを用いて、第2のシーブベッド211とコンプレッサ110との間の管路を閉鎖し、第2のシーブベッド211と消音器143との間の管路を開放する。この場合、コンプレッサ110からの圧縮空気は矢印141Aの方向で第1のシーブベッド210に送られ、消音器143には矢印141Bの方向で第2のシーブベッド211からの窒素富化空気が送られる。
【0017】
また、マニホールド140は、第1の切替弁142aを用いて、第1のシーブベッド210とコンプレッサ110との間の管路を閉鎖し、第1のシーブベッド210と消音器143との間の管路を開放する。同時に、マニホールド140は、第2の切替弁142bを用いて、第2のシーブベッド211とコンプレッサ110との間の管路を開放し、第2のシーブベッド211と消音器143との間の管路を閉鎖する。この場合、コンプレッサ110からの圧縮空気は第2のシーブベッド211に送られ、消音器143には第1のシーブベッド210からの窒素富化空気が送られる。
【0018】
第1および第2のシーブベッド210、211は、マニホールド140を介して送られてきた圧縮空気から、高濃度酸素をそれぞれ分離する。この分離は、第1および第2のシーブベッド210、211に充填されたゼオライトの働きにより実現される。ゼオライトは、加圧空気に対しては窒素および水分を吸着し、減圧空気に対しては吸着している窒素および水分を脱着する性質を有する吸着剤である。第1および第2のシーブベッド210、211は、コンプレッサ110と通じているとき、コンプレッサ110から送られてきた圧縮空気から高濃度酸素を分離して後段の製品タンク212に送る。そして、第1および第2のシーブベッド210、211は、消音器143と通じているとき、圧縮空気から吸着した窒素および水分を多く含む窒素富化空気を消音器143に送る。
【0019】
製品タンク212は、第1および第2のシーブベッド210、211に、マニホールド140が接続する側とは反対側の部分で接続されており、第1および第2のシーブベッド210、211により圧縮空気から分離して得られた高濃度酸素を収容する。製品タンク212は、例えば、一端が第1のシーブベッド210に、他端がシーブベッド211にそれぞれ連結された、コの字形状を有している。均圧弁213は、製品タンク212の両端部分の圧力をこれらが同一となるように調整する。パージオリフィス214は、第1および第2のシーブベッド210、211の脱着の際の二次浄化を行うために、製品タンク212の両端部分の間で高濃度酸素を通過させる。
【0020】
消音器143は、排気口143aを有しており、第1および第2のシーブベッド210、211からマニホールド140を介して送られてきた窒素富化空気を、排気口143aから酸素濃縮器100の筐体の外部に排出する。
【0021】
圧力センサ216は、製品タンク212からレギュレータ217に送られる高濃度酸素の圧力を検出する。レギュレータ217は、圧力センサ216の検出結果と予め設定された圧力とを比較してこれらが同一の値となるように、高濃度酸素の圧力のフィードバック制御を行う。
【0022】
止め弁218は、閉鎖することにより、レギュレータ217から圧力調整されて送られる高濃度酸素の流れを止める。止め弁218は、例えば、高濃度酸素の供給を停止する操作が行われたとき、あるいは酸素濃縮器100への電源供給が停止されたときに閉鎖して、機器内に残留した高濃度酸素の流出を止める。
【0023】
酸素センサ219は、止め弁218からバクテリアフィルタ220に送られる高濃度酸素の酸素濃度を検出する。バクテリアフィルタ220は、細菌類を捕集することにより、流路を流れる高濃度酸素を除菌する。流量制限オリフィス221は、バクテリアフィルタ220を通って送られる高濃度酸素の流路を絞ることにより、高濃度酸素の流量を制限する。流量制限オリフィス221の絞り具合は、酸素濃縮器100の筐体に設けられた、例えばボタンやつまみを有する操作部(図示せず)の操作内容と連動して調整される。
【0024】
圧力センサ222は、流量制限オリフィス221から流量センサ223に送られる高濃度酸素の圧力を検出する。流量センサ223は、流量制限オリフィス221を通って送られる高濃度酸素の流量を検出する。圧力センサ222で検出された高濃度酸素の圧力および流量センサ223で検出された高濃度酸素の流量を継続的にメモリ(図示せず)に記憶することによって、予めなされた設定の通りに高濃度酸素が処理されているか否かをモニタリングすることができる。
【0025】
加湿器224は、流量センサ223を通って送られた高濃度酸素を加湿する。酸素出口225は、加湿器224で湿度が与えられた高濃度酸素を、患者に供給するために排気する。酸素出口225には、一端に酸素マスクや鼻腔カニューラが接続されたチューブ(図示せず)が取付けられ、このチューブを通じて高濃度酸素が患者に供給される。
【0026】
また、酸素濃縮器100は、CPU(central processing unit)、制御プログラムを格納した記憶媒体としてのROM(read only memory)、および作業用メモリとしてのRAM(random access memory)等を有する。CPUは、制御プログラムを実行することにより、コンプレッサ110やマニホールド140を含めた各部の動作を制御する。
【0027】
<冷却機構の詳細構成>
次に、ファンケース131内に設けられた、圧縮空気を冷却するための冷却機構の構成について詳しく説明する。
図2は、コンプレッサケース111内およびファンケース131内の構成を示す斜視図である。
図3は、コンプレッサ110、冷却部120およびファン132a、132bの配置の説明に供する側面図である。
図4は、冷却部120およびファン132a、132bの配置の説明に供する上面図である。
図5は、冷却部120の構成を示す斜視図である。
図6は、冷却部120の構成を示す側面図である。
図7は、パイプ内の水分をパイプの外に排出するドレインの説明に供する側面図である。
図8は、ドライバ基板の説明に供する斜視図である。
【0028】
図1に示すように、冷却部120は、コンプレッサ110から圧縮空気が導入され、この圧縮空気の熱を放熱する冷却パイプ121を有する。また、冷却パイプ121の表面(外周面)には複数の放熱フィン122(例えば
図4、
図5を参照)が取り付けられており、これにより冷却効率が向上される。
【0029】
図2および
図3に示すように、コンプレッサ110は、コンプレッサケース111内において、基台114の上面にコンプレッサ110の振動を吸収するためのダンパー115を介して固定されている。ファン132aおよび冷却部120は、ファンケース131の底板134上に固定されている。ここで、ファンケース131の底板134は、コンプレッサケース111の上板を兼ねている。コンプレッサケース111とファンケース131は、底板134によって仕切られている。
【0030】
ファン132a、132bは、シロッコファンであり、吸気口が冷却部120の方向を向き、排気口がコンプレッサ110の方向を向くように設置されている。本実施の形態の場合には、冷却部120がファン132a、132bの側方に配置されるのでファン132a、132bの吸気口は側方を向き、コンプレッサ110がファン132a、132bの下方に配置されるのでファン132a、132bの排気口は下方を向くように設置されている。
【0031】
底板134には、ファン132a、132bの排気口とほぼ同じ大きさの排気穴134a、134b(
図1、
図4)が開けられており、この排気穴134a、134bを通過して、ファン132a、132bの排気風がコンプレッサ110に上方から当たるようになっている。ここで、ファン132a、132bの位置は、シリンダヘッドのほぼ真上に配置されている。これにより、ファン132a、132bの排気風がコンプレッサ110のうちで最も高熱となるコンプレッサ110のシリンダヘッドに直接当たるようになっている。ここで、本実施の形態のコンプレッサ110は、2つのシリンダを有する2シリンダタイプのコンプレッサであり、各シリンダに各ファン132a、132bからの排気風が当てられることにより、コンプレッサ110が冷却される。
【0032】
また、
図1−
図4に示すように、ファン132a、132bは、冷却部120を挟んで、吸気口が互いに対向するように配置されている。ここで、ファン132a、132bと冷却部120の位置関係は、ファン132aの吸気口とファン132bの吸気口とを結ぶ線と交差する位置に冷却部120が存在するようになされている。これにより、冷却部120の全体に吸気風が当たるようになるので、冷却部120における放熱を促進させることができる。
【0033】
また、
図4−
図6に示すように、冷却部120は、冷却パイプ121と、複数の放熱フィン122とを有する。冷却パイプ121は、コンプレッサ110に連結された第1のメインパイプ123から分岐した、複数の分岐パイプによって構成されている。本実施の形態の例では、冷却パイプ121は、第1のメインパイプ123から分岐した4個の分岐パイプ121−1、121−2、121−3、121−4によって構成されている。分岐パイプ121−1、121−2、121−3、121−4は、下流側で、マニホールド(
図1)へと繋がる第2のメインパイプ124で合流するようになっている。因みに、
図1では、図を簡単化するために、冷却パイプ121を1本のパイプとして示してある。
【0034】
図4および
図5からも分かるように、分岐パイプ121−1、121−2、121−3、121−4は、第1および第2のメインパイプ123、124よりもパイプ径が小さい複数のパイプが並設されて構成されている。本実施の形態の場合、第1のメインパイプ123と第2のメインパイプ124は上下に並んで配置され、
図6に示すように、第1のメインパイプ123から分岐した分岐パイプ121−4(121−1、121−2、121−3)は一往復して第2のメインパイプ124に繋がるようになっている。因みに、圧縮空気は、分岐パイプ121−4(121−1、121−2、121−3)内を、
図6の矢印の方向に流れる。
【0035】
また、複数の分岐パイプ121−1、121−2、121−3、121−4の流路の断面積の合計は、第1のメインパイプ123の流路の断面積以上とされている。つまり、各分岐パイプ121−1、121−2、121−3、121−4の流路の断面である円の合計面積(4つの円の合計面積)が、第1のメインパイプ123の流路の断面である円の面積よりも大きくされている。
【0036】
このようにメインパイプ123を、このメインパイプ123よりもパイプ径の小さい複数のパイプ121−1、121−2、121−3、121−4に分岐させたことにより、圧縮空気がよりパイプの表面近くを流れるようになるので、放熱効率(冷却効率と言ってもよい)を高めることができる。加えて、複数の分岐パイプ121−1、121−2、121−3、121−4の流路の断面積の合計を、第1のメインパイプ123の流路の断面積以上としたことにより、分岐パイプ121−1、121−2、121−3、121−4での圧力損失を抑制できる。
【0037】
複数の放熱フィン122は、分岐パイプ121−1、121−2、121−3、121−4に直交するようにして分岐パイプ121−1、121−2、121−3、121−4の表面(外周)に取り付けられている。これにより、冷却部120での冷却効率をより高めることができる。特に、放熱フィン122は、圧縮空気の流量に影響を及ぼさないので、非常に有効である。
【0038】
また、
図4を見れば明らかなように、放熱フィン122は、フィンの面がファン132a、132bの吸気方向とほぼ平行となるように配置されており、これにより各放熱フィン122の間を通過する吸気風の風量を多くすることができ、放熱効率を高めることができる。
【0039】
また、
図7に示すように、第2のメインパイプ124には、ドレイン125が取り付けられている。ドレイン125は、冷却部120によって圧縮空気を冷却することで生じたパイプ内の水分をパイプの外に排出する。つまり、ドレイン125は、パイプ内に溜まった水滴を、パイプ外に排出する。
【0040】
図3に示すように、ドレイン125には、中空糸膜モジュール126が取り付けられている。中空糸膜モジュール126は、パイプ状であり、一端がドレイン125に差し込まれてドレイン125に接続され、他端がキャップ127で閉塞されている。この構成により、ドレイン125から中空糸膜モジュール126に入った水滴は、中空糸膜モジュール126を通して外気へと発散(蒸発)される。なお、中空糸膜モジュール126は、内部の水分を、溜まり水の状態では通過させず、蒸発した状態でのみ通過させる(つまり発散させる)ようになっている。これにより、中空糸膜モジュール126から水滴が落ちることがないので、落下する水滴で装置内が濡れるのを防止できる。
【0041】
さらに、中空糸膜モジュール126は、ファンケース131内に設けられているので、ファン132a、132bからの風があたり、外部への水分の発散が促進される。
【0042】
このように、第2のメインパイプ124にドレイン125を取り付けたことにより、シーブベッド210、211に入る水分を減少させることができるので、シーブベッド210、211内の吸着剤(例えば、ゼオライト)の性能の低下を防止できる。
【0043】
また、ドレイン125から出た水滴を、中空糸膜モジュール126を用いて外気中に放出(発散)するようにしたので、落下する水滴で装置内が濡れるのを防止できる。
【0044】
かかる構成に加えて、
図8に示すように、酸素濃縮器100は、ドライバ基板150を有する。ドライバ基板150は、基板本体151と、基板本体151に連結され、基板本体151の熱を放熱するための冷却板152と、を有する。基板本体151には、パワーアンプなど、コンプレッサ110を駆動するための駆動回路が搭載されている。冷却板152は、アルミなどの放熱し易い材料によって形成されており、基板本体151で発生した熱を放熱する。なお、冷却板152は、基板本体151と一体に構成されていてもよい。さらに、冷却板152は、フィンなどの放熱をより促進するための構成を有していてもよい。
【0045】
図8に示すように、ドライバ基板150は、ファンケース131の壁面の一部を形成する。実施の形態の場合には、冷却板152がファンケース131の壁面の一部を形成し、この冷却板152に基板本体151が取り付けられる。因みに、ファンケース131内は、冷却板152を含む壁面によって外部とは密閉されている。ドライバ基板150は、図示しない配線によってコンプレッサ110に接続されている。
【0046】
次に、本実施の形態における冷却動作について説明する。
【0047】
ここで、
図1および
図2に示すように、ファンケース131の上部には、原料空気の導入口133が設けられており、ファン132a、132bが動作すると、この導入口133からファン132a、132bの吸気口へと空気が引き込まれる。なお、
図1では、図を簡単化するために、導入口133をファンケース131の上面に示したが、実際には、ゴミとの付着を防ぐために、
図2に示したように、導入口133はファンケース131の側面に設けられている。
【0048】
図1の矢印で示すように、導入口133からファン132a、132bへと引き込まれる空気がドライバ基板150および冷却部120を通過することにより、ドライバ基板150および冷却部120が冷却(放熱)される。ここで、ドライバ基板150は、導入口133からファン132a、132bの吸気口へと向かう風が通り抜ける壁面位置に設けられる。換言すれば、ドライバ基板150は、ファン132a、132bによる風路を形成している。例えば、
図8においては、ドライバ基板150をファンケース131の上面に設けるよりも、図示したとおり、ドライバ基板150を通過する空気の風量が大きい側面に設けた方が、ドライバ基板150の冷却効率を高くすることができる。つまり、ファンケース131の上面は実質上の風路とはなっていないので、実質上の風路となっている側面に設けた方が冷却効率を高めることができる。このように、ドライバ基板150は、ファンケース131の壁面のうち、風路となる壁面に配置されることが好ましい。
【0049】
コンプレッサ110の原料空気導入口(図示せず)には、ファンケース131の底板134に開けられた導入口113(
図1)に接続された導入管112(
図1、
図3)が接続されている。コンプレッサ110の圧縮空気排出口(図示せず)には、第1のメインパイプ123が接続されている。コンプレッサ110は、導入管112を通してファンケース内の原料空気を導入し、この原料空気を圧縮することで圧縮空気を得、これを第1のメインパイプ123を通して冷却パイプ121に導出する。
【0050】
実際上、導入口133には吸気フィルタ(図示せず)が設けられ、導入口113にはヘパフィルタ(図示せず)が設けられている。吸気フィルタは、ファンケース131内にゴミや埃等の空中浮遊粒子が進入することを防ぐ。ヘパフィルタは、吸気フィルタにより除去されなかった微細粒子を除去する。このように、本実施の形態の場合、ファンケース131は、原料空気を取り込むための原料空気取込ケースとしての機能も有している。
【0051】
コンプレッサ110は、ファンケース131内に設けられたファン132a、132bからの排気風が当てられることにより冷却される。一方、ドライバ基板150および冷却パイプ121は、ファンケース131内でファン132a、132bからの吸気風が当てられることで冷却される。このように、本実施の形態の構成では、ファン132a、132bの排気風に加えて吸気風も有効に利用して、コンプレッサ110、ドライバ基板150および冷却パイプ121を効率的に冷やすことができるようになっている。また、コンプレッサ110よりも上流の風で、つまりコンプレッサ110によって暖められる前の風で、ドライバ基板150および冷却パイプ121を冷やすので、ドライバ基板150および冷却パイプ121をより効率的に冷やすことができる。
【0052】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ドライバ基板150が、ファンケース131の壁面の一部を形成し、かつ、ファン132a、132bによって発生される風に対して、コンプレッサ110よりも上流側に配置されていることにより、ファン132a、132bからの風をドライバ基板150によって阻害することなくコンプレッサ110に当てることができ、かつ、コンプレッサ110によって暖められる前のファン132a、132bによる風をドライバ基板150を通過させることができるようになる。よって、コンプレッサ110の冷却効率を低下させることなく、ドライバ基板150を効率的に冷却できる。
【0053】
この結果、ドライバ基板150の寿命を長くすることができる。また、ドライバ基板150をケースの構造部品として利用するので、部品点数を削減でき、かつ、ケース内の内部空間の有効利用も可能となる。
【0054】
なお、上述の実施の形態では、送風機としてシロッコファン132a、132bを用いた場合について述べたが、シロッコファン以外の送風機を用いてもよい。例えば、軸流ファンを用いてもよい。また、上述の実施の形態では、吸気風によってドライバ基板150および冷却パイプ121を冷却するとともに排気風によってコンプレッサ110を冷却する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、排気風によってドライバ基板150、冷却パイプおよびコンプレッサ110を冷却するようにしてもよい。
【0055】
図9は、他の実施の形態の構成を示す斜視図である。ファンケース131の底板134には、軸流ファン161a、161bが取り付けられている。ここで、コンプレッサケース111の壁面の一部は、ドライバ基板150によって形成されている。具体的には、ドライバ基板150は、コンプレッサ110により暖められる前の軸流ファン161a、161bの風が通過する位置に設けられる。図の場合には、ドライバ基板150は、コンプレッサ110よりも上方の壁面位置に設けられている。これにより、ドライバ基板150および冷却部120を、コンプレッサ110によって暖められる前の風で冷却できるようになる。但し、上述の実施の形態と比較すると、ドライバ基板150および冷却部120がコンプレッサ110と同じ部屋に設けられることになるので、コンプレッサ110による熱の影響を受けやすい。
【0056】
また、ドライバ基板150は、送風機ケース131内に導入される空気の風路を形成する風路ケース(図示せず)の壁面の一部を形成するように設けてもよい。風路ケースは、例えば、導入口133(
図1、
図2)に連通するように設けられる。一般に、酸素濃縮器では、ファンケース131やコンプレッサケース111に導入される空気の導入音を低減するための風路が内部に形成された風路ケースを備えている。このような、風路ケースの壁面の一部を形成するようにドライバ基板150を設けた場合でも、上述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0057】
さらに、上述の実施の形態では、本発明に係る圧縮空気の冷却装置を酸素濃縮器に適用した場合を例として説明したが、これに限定されない。本発明に係る空気供給装置は、コンプレッサを用いて空気を供給する他の各種装置に適用することができる。
【0058】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。