特許第6080714号(P6080714)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6080714
(24)【登録日】2017年1月27日
(45)【発行日】2017年2月15日
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/487 20070101AFI20170206BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20170206BHJP
【FI】
   H02M7/487
   H02M7/48 M
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-147686(P2013-147686)
(22)【出願日】2013年7月16日
(65)【公開番号】特開2015-23601(P2015-23601A)
(43)【公開日】2015年2月2日
【審査請求日】2015年8月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正則
(72)【発明者】
【氏名】織田 健志
【審査官】 白井 孝治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−121300(JP,A)
【文献】 特開平07−111784(JP,A)
【文献】 特開2012−147672(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0301325(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/42〜 7/5395
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源の供給をオン・オフするスイッチを介して供給された直流電源を平滑する平滑部と、この平滑部を介して供給された直流電源を交流電源に変換する3レベルインバータ部とを備えた電力変換装置であって、
前記平滑部は、
前記スイッチを介して供給された直流電源の+側入力部と基準電位との間に接続された第1の平滑コンデンサ及び前記直流電源の-側入力部と基準電位との間に接続された第2の平滑コンデンサと、
前記第1及び第2の平滑コンデンサに並列に接続された第1及び第2の抵抗と、を備え、
前記3レベルインバータ部は、
前記平滑コンデンサによって平滑された直流電源の+側入力部から-側入力部に直列に接続された第1、第2、第3及び第4のスイッチング素子と、
前記第2のスイッチング素子と前記第3のスイッチング素子にそれぞれ並列に接続され、かつ、抵抗値が等しい第3及び第4の抵抗と、
前記第2のスイッチング素子と第3のスイッチング素子の接続点に接続され、外部に接続された負荷に対して交流電源を供給するためのインバータ出力と、
前記第1乃至第4のスイッチング素子のそれぞれのゲート端子に接続され、当該4個のスイッチング素子のオン・オフを個々に制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記スイッチがオフし、直流電源の供給が遮断されたとき、前記第1及び第4のスイッチング素子をオンし、前記第2及び第のスイッチング素子をオフすることにより、前記インバータ出力に前記負荷が接続されているか否かに関わらず、前記第1及び第2の平滑コンデンサに充電された電荷を前記第3及び第4の抵抗を介して放電することを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
直流電源の供給をオン・オフするスイッチを介して供給された直流電源を平滑する平滑部と、この平滑部を介して供給された直流電源を三相交流電源に変換するU相3レベルインバータ部、V相3レベルインバータ部及びW相3レベルインバータ部と、を備えた電力変換装置であって、
前記平滑部は、
前記スイッチを介して供給された直流電源の+側入力部と基準電位との間に接続された第1の平滑コンデンサ及び前記直流電源の-側入力部と基準電位との間に接続された第2の平滑コンデンサと、
前記第1及び第2の平滑コンデンサに並列に接続された第1及び第2の抵抗と、を備え、
前記U相、V相及びW相の各3レベルインバータ部は、
前記平滑コンデンサによって平滑された直流電源の+側入力部から-側入力部に直列に接続された第1、第2、第3及び第4のスイッチング素子と、
前記第2のスイッチング素子と前記第3のスイッチング素子にそれぞれ並列に接続され、かつ、抵抗値が等しい第3及び第4の抵抗と、
前記第2のスイッチング素子と第3のスイッチング素子の接続点に接続され、外部に接続された負荷に対して交流電源を供給するための3レベルインバータ出力と、
前記第1乃至第4のスイッチング素子のそれぞれのゲート端子に接続され、当該4個のスイッチング素子のオン・オフを個々に制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記スイッチがオフし、直流電源の供給が遮断されたとき、前記各相の前記第1及び第4のスイッチング素子をオンし、前記第2及び第のスイッチング素子をオフすることにより、前記インバータ出力に前記負荷が接続されているか否かに関わらず、前記第1及び第2の平滑コンデンサに充電された電荷を前記各相の第3及び第4の抵抗を介して放電することを特徴とする電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電力変換装置内部の平滑コンデンサの放電時間を短縮できる電力変換装置に適用する。
【背景技術】
【0002】
通常、インバータ装置又はコンバータ装置などの電力変換装置には、装置内部の平滑コンデンサに残留した電荷を放電させるための放電回路が備えられている。この放電回路は、保守などで装置内部を点検・修理する際の人体への感電を防止するためのものである。
【0003】
この放電回路は、平滑コンデンサの残留電荷を放電し、平滑コンデンサの残留電圧を規定時間(例えば、10[min])内に人体に悪影響を及ぼさない程度の規定の安全電圧(例えば50[V])まで低下させている。上記平滑コンデンサの残留電圧を低下させる方法として外部に設けた放電回路を用いて放電する方法あるいは、残留電圧に応じて放電電流を制限する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−112156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した外部に放電回路を設ける方法は、電力変換装置により制御される電力容量が大容量になるに従い放電電流も大電流になるため、放電回路も大型になるという課題がある。また、特許文献1記載の放電電流制限方法は、定電力放電を行うことにより運転時の電力損失を抑える方法に関するもので、放電時間の短縮を目的としていない。
【0006】
上述したように、電力変換装置によって制御される電動機の電力容量が大容量の場合には、電力変換装置への直流電源が遮断された場合の平滑コンデンサの残留電荷量も大きな値になり、上述した例の場合のように10[min]と長いため、短時間で簡易に放電させる方法が望まれる。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、従来から用いられているインバータ回路のスイッチング素子をオン・オフ制御することにより、放電時間を短縮する電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載の電力変換装置は、直流電源の供給をオン・オフするスイッチを介して供給された直流電源を平滑する平滑部と、この平滑部を介して供給された直流電源を交流電源に変換する3レベルインバータ部とを備えた電力変換装置であって、前記平滑部は、前記スイッチを介して供給された直流電源の+側入力部と基準電位との間に接続された第1の平滑コンデンサ及び前記直流電源の-側入力部と基準電位との間に接続された第2の平滑コンデンサと、前記第1及び第2の平滑コンデンサに並列に接続された第1及び第2の抵抗と、を備え、前記3レベルインバータ部は、前記平滑コンデンサによって平滑された直流電源の+側入力部から-側入力部に直列に接続された第1、第2、第3及び第4のスイッチング素子と、前記第2のスイッチング素子と前記第3のスイッチング素子にそれぞれ並列に接続され、かつ、抵抗値が等しい第3及び第4の抵抗と、前記第2のスイッチング素子と第3のスイッチング素子の接続点に接続され、外部に接続された負荷に対して交流電源を供給するためのインバータ出力と、
前記第1乃至第4のスイッチング素子のそれぞれのゲート端子に接続され、当該4個のスイッチング素子のオン・オフを個々に制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記スイッチがオフし、直流電源の供給が遮断されたとき、前記第1及び第4のスイッチング素子をオンし、前記第2及び第のスイッチング素子をオフすることにより、前記インバータ出力に前記負荷が接続されているか否かに関わらず、前記第1及び第2の平滑コンデンサに充電された電荷を前記第3及び第4の抵抗を介して放電することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1に係る電力変換装置の回路図。
図2】インバータ部の動作を説明するタイミングチャート。
図3】実施例1に係る放電特性を示す図。
図4】実施例2に係る電力変換装置の回路図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明の実施例1に係る電力変換装置100の回路図である。電力変換装置100は、平滑部1・2、スナバ部3・4、U相インバータ部10・V相インバータ部20、W相インバータ部30及び制御部50などを有して構成される。
【0012】
なお、この図1には、当該電力変換装置100電力を供給するための直流電源P、当該直流電源Pから電力変換装置100に供給される直流電源をオン・オフするスイッチSW1・SW2及び電力変換装置の負荷として電動機40が接続されているものとして説明する。
【0013】
平滑部1は、平滑コンデンサC1(第1の平滑コンデンサ)及このコンデンサC1に並列接続されたブリーダ抵抗R1(第1の抵抗)を有して構成される。スイッチSW1・SW2がオン時、直流電源Pから電力変換装置100に対して電圧±E[V]が供給される。この直流電源Pは、整流直後の電源が使用されるため、脈流含んでおり、当該平滑コンデンサC1でこの脈流を吸収して平滑にすると共に、負荷変動があった場合に当該コンデンサC1から変動電力を負荷に供給することにより電圧を一定に保持する効果がある。
【0014】
ブリーダ抵抗R1は、平滑コンデンサC1に並列に接続することにより、常時所定の電流を流し、平滑部1の出力が無負荷時あるいは軽負荷時の出力電圧を安定にする効果がある。
【0015】
スナバ部3は、U相インバータ部10のスイッチング素子Q1(第1のスイッチング素子)〜Q4(第4のスイッチング素子)のオン・オフ時のスパイク電圧を吸収する。スパイク電圧は、高周波成分を有しているため、コンデンサC11を通過した後、ダイオードD11及び抵抗R11で吸収される。
【0016】
インバータ部はU相インバータ部10、V相インバータ部20及びW相インバータ部30を有して構成される。これらのインバータ部の構成は共通であるため、U相インバータ10の構成を説明する。
【0017】
U相インバータ部10は、4個のスイッチング素子Q1〜Q4が、供給される直流電源+E、−Eの両端に対して直列に接続される。スイッチング素子としては、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)などが使用される。このスイッチング素子Q1〜Q4にはそれぞれ逆並列にダイオードD3〜D6(還流ダイオード)が接続される。また、本実施例に示す3レベルインバータには、各相の出力電圧(この場合U相)を中性点にクランプするためのクランプダイオードD1及びD2が接続される。図に示す場合は、スイッチング素子Q2(第2のスイッチング素子)及びQ3(第3のスイッチング素子)をオンすることによりU相の出力電圧(以下、U相電圧と称する。)Vuを中性点にクランプすることができる。詳細は後述する。
【0018】
本実施例ではスイッチング素子Q2及びQ3と並列にそれぞれ抵抗R3(第3の抵抗)及び抵抗R4(第4の抵抗)が接続されている。これは、U相電圧Vuと中性点の間にクランプダイオードD1及びD2を介して抵抗R3及びR4が接続されたことになり、スイッチング素子故障時などの際のU相インバータ出力電圧を安定にしている。
【0019】
V相インバータ部20及びW相インバータ部30もU相インバータ部10と同様であるため、その説明を省略する。
【0020】
制御部50は、U相インバータ部10、V相インバータ部20及びW相インバータ部30を構成する上記スイッチング素子Q1〜Q4のゲート端子と接続され、当該スイッチング素子Q1〜Q4のオン・オフ制御を行う。
【0021】
図2は、インバータ部(U相インバータ部10、V相インバータ部20及びW相インバータ部30の総称)の動作を説明するタイミングチャートである。横軸は各相の位相角[rad]を示す。Q1〜Q4は、U相インバータ部10のスイッチング素子Q1〜Q4のオン(ON)/オフ(OFF)状態を示す。スイッチング素子はオン時コレクタ端子とエミッタ端子が導通し、オフ時遮断される。
【0022】
スイッチング素子Q1〜Q4を、図示したタイミングでオン・オフ制御することにより、U相電圧Vuが得られる。その動作の一例を簡単に説明する。
【0023】
スイッチング素子Q1オン・Q2オン、Q3オフ、Q4オフの時(例えば、図2のT1の時)、U相電圧Vuは+E[V]が出力される。
【0024】
スイッチング素子Q1オフ、Q2オン、Q3オン、Q4オフの時(例えば、図2のT2の時)U相電圧Vuは0[V]が出力される。
【0025】
スイッチング素子Q1オフ、Q2オフ、Q3オン、Q4オフの時(例えば、図2のT3の時)U相電圧Vuは−E[V]が出力される。
【0026】
スイッチング素子Q1オフ、Q2オン、Q3オン、Q4オフの時(例えば、図2のT4の時)U相電圧Vuは0[V]が出力される。
【0027】
スイッチング素子Q1オン・Q2オン、Q3オフ、Q4オフの時(例えば、図2のT5の時)U相電圧Vuは+E[V]が出力される。T5は1周期後のT1と同様であり、以下同様に繰り返して出力される。
【0028】
以上の説明で明らかなように、3レベルインバータは+E[V]、0[V]、−E[V]の3レベルの電圧を出力する。
【0029】
制御部50は、U相電圧Vuから2π/3遅れたV相電圧Vvが出力されるように制御する。
【0030】
同様に、制御部50は、V相電圧Vvからさらに2π/3遅れたW相電圧Vwが出力されるように制御する。
【0031】
また、各相の線間電圧は下式で示される。
【0032】
U−V間の線間電圧Vuv: Vuv=Vu−Vv・・・・・・(1)
V−W間の線間電圧Vvw: Vvw=Vv−Vw・・・・・・(2)
W−U間の線間電圧Vwu: Vwu=Vw−Vu・・・・・・(3)
図2から明らかなように、各線間電圧は、最大電圧±2E[V]を有する交流電圧が出力される。
【0033】
ここで、図1を用いて実施例1に係る放電時間を短縮する方法を説明する。
【0034】
電力変換装置100が運転時は、スイッチSW1及びスイッチSW2がオン状態になっており、上述したとおり、平滑コンデンサC1が充電される。
【0035】
この状態で、電力変換装置100のスイッチSW1及びSW2をオフすると、平滑コンデンサC1の電荷は、ブリーダ抵抗R1を介して図示矢印A1方向に放電する。放電の時定数τ1は下式(4)で示される。
【0036】
τ1=C1・R1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
本実施例では、上記抵抗R1を介した放電と共に、抵抗R3及びR4を介した放電を行わせるために、制御部50によってスイッチング素子Q1オン、Q2オフ、Q3オフ、Q4オンにすることにより、平滑コンデンサC1に充電された電荷は、コンデンサC1→スイッチング素子Q1→抵抗R3→抵抗R4→スイッチング素子Q4→コンデンサC2の経路を経て放電する。この結果、平滑コンデンサC1の電荷を抵抗R3及びR4を介して図示矢印A2方法に放電させることができる。
【0037】
この時の放電の時定数τ2は、C1、C2が直列接続され、かつ、このコンデンサC1、C2に対して抵抗R3、R4が直列接続されているので下式(5)及び(6)で示される。
【0038】
τ2=(C1・C2/(C1+C2))・(R3+R4)・・(5)
C1=C2、R3=R4の場合
τ2=C1・R3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(6)
上記(4)式及び(6)式より、コンデンサC1に対しては、抵抗R1及び抵抗R3が並列接続されたものと等価に扱うことができるため、時定数τは、下式(7)で示される。
【0039】
τ=C1・((R1・R3)/(R1+R3))・・・・・・(7)
図3は、実施例1に係る放電特性を示す図である。放電電圧Vは充電電圧をV0とすると下式(8)で示される。
【数1】
【0040】
感電時の安全電圧V=50[v]
充電電圧V=2430[v]
安全電圧に到達するまでの時間(従来時間)ta=543[s]
このときの時定数τaは、上式(8)に数値を代入することにより下式(9)で示される。
【数2】
【0041】
本実施例では、上述した抵抗R3、R4を介した放電を行うことにより、安全電圧に到達するまでの時間taを296[s]にするこができた。このときの時定数τbは、(9)式のtb=296[s]とすることにより下式(10)で示される。
【0042】
τb=296/3.88=76.3・・・・・・・・・・(10)
時定数τでの放電電圧Vτは、上記(8)式のt=τのときの放電電圧であるから、下式(11)で示される。
【数3】
【0043】
図3には、上述した各値をプロットしており、従来の放電特性Aの時定数τa(=139.9)から、上述した抵抗R3、R4を介した放電を行うことにより実施例の放電特性Bの時定数τb(76.3)にすることができ、結果として、放電時間を安全電圧に到達するまでの時間543[s]から296[s]に約45%短縮することができる。
【0044】
実施例1による放電方法は、インバータ回路に内蔵されている抵抗を使用するため、外部に放電するための設備を必要としないだけでなく、放電時間が短縮されることにより、装置内部の点検・修理の際の感電防止の効果が得られる。
【実施例2】
【0045】
図4は実施例2に係る電力変換装置の回路図である。実施例2は、制御部50に比較手段51及び通知手段52が備えられている。
【0046】
比較手段51には、直流電源の+側入力部N1、中性点G及び直流電源の-側入力部N2が接続される。スイッチSW1及びSW2がオン状態で直流電源Pから電力変換装置100に直流供給されているときは、当該+側入力部N1及び−側入力部N2には直流電源Pの電圧が出力される。この状態で、スイッチSW1及びSW2がオフすると直流電源Pからの電源供給が遮断されるため、上記+側入力部N1には平滑コンデンサC1の充電電圧+E[v]が出力され、同様に、−側入力部N2には平滑コンデンサC2の充電電圧−E[v]が出力される。この電圧が制御部50の比較手段51に入力される。
【0047】
比較手段51は、入力された充電電圧の絶対値が安全電圧として設定された50[v]を超えるか否か比較する。この比較の結果を通知手段52に通知する。安全電圧50[v]を超える場合は、平滑コンデンサは充電された状態であり、スイッチSW1及びSW2がオフしている状態であっても、当該平滑コンデンサには電荷が残留しており、人体が直接接触すると危険なことから操作員に対して注意を喚起するのである。
【0048】
比較手段51は、コンパレータを用いて入力電圧と設定電圧を比較すればよく、周知の技術で構成することができる。また、通知手段52は、比較手段51の結果を受け、操作員に対して表示又は警報などにより通知する。
【0049】
なお、実施例1で説明した制御部50によって放電時間を短縮した場合は、上記通知手段による表示時間または警報時間は短縮される。
【0050】
以上、説明したように実施例2によれば、放電電圧が安全電圧以下に到達したかどうかを目視などで確認できるため、装置内部の点検・修理の際の感電防止の効果が改善される。
【符号の説明】
【0051】
Q1〜Q4 スイッチング素子
D1〜D6 ダイオード
R1〜R4 抵抗
Vu U相電圧
Vv V相電圧
Vw W相電圧
Vuv U−V間線間電圧
Vvw V−W間線間電圧
Vwu W−U間線間電圧
1、2 平滑部
3、4 スナバ部
10 U相インバータ部
20 V相インバータ部
30 W相インバータ部
40 電動機(負荷)
50 制御部
100 電力変換装置
図1
図2
図3
図4