特許第6080760号(P6080760)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6080760
(24)【登録日】2017年1月27日
(45)【発行日】2017年2月15日
(54)【発明の名称】金属箔の製造方法及び製造装置
(51)【国際特許分類】
   C25D 1/04 20060101AFI20170206BHJP
   C25D 1/00 20060101ALI20170206BHJP
【FI】
   C25D1/04
   C25D1/00 A
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-521636(P2013-521636)
(86)(22)【出願日】2012年6月22日
(86)【国際出願番号】JP2012066007
(87)【国際公開番号】WO2012176883
(87)【国際公開日】20121227
【審査請求日】2015年6月15日
(31)【優先権主張番号】特願2011-139362(P2011-139362)
(32)【優先日】2011年6月23日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】515028322
【氏名又は名称】サンズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(72)【発明者】
【氏名】加藤 聡一郎
【審査官】 宮本 靖史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−342590(JP,A)
【文献】 特開昭53−039941(JP,A)
【文献】 国際公開第1999/16935(WO,A2)
【文献】 特開昭53−095135(JP,A)
【文献】 特開昭47−033036(JP,A)
【文献】 特開昭54−107839(JP,A)
【文献】 特開昭61−087889(JP,A)
【文献】 国際公開第1988/06195(WO,A1)
【文献】 特開平02−182889(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 1/00 − 3/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解液に浸漬されたアノード体と、これに対向するカソード体との間に通電し、電解反応により前記カソード体の表面に銅を析出させて銅薄層を形成する銅箔の製造方法において、
前記カソード体を、前記アノード体に沿って移動させて、前記電解液を該カソード体と該アノード体との間隙に向けて噴射しながら、該アノード体と該カソード体の間の電流密度が150A/dm〜600A/dmの条件で電解することにより、表面に銅を析出させた後、析出した銅薄層が付着した状態で、銅薄層に対する後処理の実施位置まで移動させ、水洗を含む所定の後処理の実施の後に、銅薄層がカソード体から剥離され、
前記カソード体の移動速度が、1〜7m/min.であることを特徴とする銅箔の製造方法。
【請求項2】
電解液に浸漬されたアノード体と、これに対向するカソード体との間に通電し、電解反応により前記カソード体の表面に銅を析出させて銅薄層を形成する銅箔の製造方法において、
前記カソード体を、前記アノード体に沿って移動させて、前記電解液を該カソード体と該アノード体との間隙に向けて噴射しながら、該アノード体と該カソード体の間の電流密度が150A/dm〜600A/dmの条件で電解することにより、表面に銅を析出させた後、析出した銅薄層が付着した状態で、銅薄層に対する後処理の実施位置まで移動させ、水洗を含む所定の後処理の実施、及び、その後の加工工程の実施の後に、銅薄層がカソード体から剥離され、
前記カソード体の移動速度が、1〜7m/min.であることを特徴とする銅箔の製造方法。
【請求項3】
電解液に浸漬されたアノード体と、これに対向するカソード体との間に通電し、電解反応により前記カソード体の表面に銅を析出させて銅薄層を形成する銅箔の製造方法において、
前記カソード体を、前記アノード体に沿って移動させて、前記電解液を該カソード体と該アノード体との間隙に向けて噴射しながら、該アノード体と該カソード体の間の電流密度が150A/dm〜600A/dmの条件で電解することにより、表面に銅を析出させた後、析出した銅薄層が付着した状態で、銅薄層に対する後処理の実施位置まで移動させ、水洗を含む所定の後処理の実施の後に、銅薄層がカソード体から剥離され、
前記銅箔は、厚みが0.5〜5μmであり、陽極面の結晶子径が30〜300nmであることを特徴とする銅箔の製造方法。
【請求項4】
電解液に浸漬されたアノード体と、これに対向するカソード体との間に通電し、電解反応により前記カソード体の表面に銅を析出させて銅薄層を形成する銅箔の製造方法において、
前記カソード体を、前記アノード体に沿って移動させて、前記電解液を該カソード体と該アノード体との間隙に向けて噴射しながら、該アノード体と該カソード体の間の電流密度が150A/dm〜600A/dmの条件で電解することにより、表面に銅を析出させた後、析出した銅薄層が付着した状態で、銅薄層に対する後処理の実施位置まで移動させ、水洗を含む所定の後処理の実施、及び、その後の加工工程の実施の後に、銅薄層がカソード体から剥離され、
前記銅箔は、厚みが0.5〜5μmであり、陽極面の結晶子径が30〜300nmであることを特徴とする銅箔の製造方法。
【請求項5】
前記アノード体とカソード体との極間距離が、1〜50mmであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の銅箔の製造方法。
【請求項6】
電解液に浸漬されたアノード体と、これに対向するカソード体とを備え、これらのアノード体とカソード体の間に、電流密度が150A/dm〜600A/dmの条件で通電し、電解反応により前記カソード体の表面に銅を析出させて銅薄層を形成する銅箔の製造装置において、
前記カソード体を前記アノード体に沿って移動させ、前記カソード体の表面に銅を析出させる銅薄層形成部と、
前記電解液を前記カソード体と該アノード体との間隙に向けて噴射するディストリビュータと、
前記カソード体を、析出した銅薄層が付着した状態で、銅薄層に対する後処理工程まで移動させる移動手段と、
水洗を含む所定の後処理の実施後にカソード体から前記銅薄層を剥離する剥離手段を備え、
前記アノード体と前記カソード体とは、ともに平板状に形成され、かつ、互いに平行に配置されていることを特徴とする銅箔の製造装置。
【請求項7】
前記カソード体は、前記アノード体に沿って移動可能な無端ベルト又は板状体であることを特徴とする請求項に記載の銅箔の製造装置。
【請求項8】
電解液に浸漬されたアノード体と、これに対向するカソード体とを備え、これらのアノード体とカソード体の間に、電流密度が150A/dm〜600A/dmの条件で通電し、電解反応により前記カソード体の表面に銅を析出させて銅薄層を形成する銅箔の製造装置において、
前記カソード体を前記アノード体に沿って移動させ、前記カソード体の表面に銅を析出させる銅薄層形成部と、
前記電解液を前記カソード体と該アノード体との間隙に向けて噴射するディストリビュータと、
前記カソード体を、析出した銅薄層が付着した状態で、銅薄層に対する後処理工程まで移動させる移動手段と、
水洗を含む所定の後処理の実施後にカソード体から前記銅薄層を剥離する剥離手段を備え、
前記移動手段はコンベアであることを特徴とする銅箔の製造装置。
【請求項9】
電解液に浸漬されたアノード体と、これに対向するカソード体とを備え、これらのアノード体とカソード体の間に、電流密度が150A/dm〜600A/dmの条件で通電し、電解反応により前記カソード体の表面に銅を析出させて銅薄層を形成する銅箔の製造装置において、
前記カソード体を前記アノード体に沿って移動させ、前記カソード体の表面に銅を析出させる銅薄層形成部と、
前記電解液を前記カソード体と該アノード体との間隙に向けて噴射するディストリビュータと、
前記カソード体を、析出した銅薄層が付着した状態で、銅薄層に対する後処理工程まで移動させる移動手段と、
水洗を含む所定の後処理の実施後にカソード体から前記銅薄層を剥離する剥離手段を備え、
前記カソード体の移動速度が、1〜7m/min.であることを特徴とする銅箔の製造装置。
【請求項10】
電解液に浸漬されたアノード体と、これに対向するカソード体とを備え、これらのアノード体とカソード体の間に、電流密度が150A/dm〜600A/dmの条件で通電し、電解反応により前記カソード体の表面に銅を析出させて銅薄層を形成する銅箔の製造装置において、
前記カソード体を前記アノード体に沿って移動させ、前記カソード体の表面に銅を析出させる銅薄層形成部と、
前記電解液を前記カソード体と該アノード体との間隙に向けて噴射するディストリビュータと、
前記カソード体を、析出した銅薄層が付着した状態で、銅薄層に対する後処理工程まで移動させる移動手段と、
水洗を含む所定の後処理の実施後にカソード体から前記銅薄層を剥離する剥離手段を備え、
前記カソード体の厚さが、0.1〜0.8mmであることを特徴とする銅箔の製造装置。
【請求項11】
電解液に浸漬されたアノード体と、これに対向するカソード体とを備え、これらのアノード体とカソード体の間に、電流密度が150A/dm〜600A/dmの条件で通電し、電解反応により前記カソード体の表面に銅を析出させて銅薄層を形成する銅箔の製造装置において、
前記カソード体を前記アノード体に沿って移動させ、前記カソード体の表面に銅を析出させる銅薄層形成部と、
前記電解液を前記カソード体と該アノード体との間隙に向けて噴射するディストリビュータと、
前記カソード体を、析出した銅薄層が付着した状態で、銅薄層に対する後処理工程まで移動させる移動手段と、
水洗を含む所定の後処理の実施後にカソード体から前記銅薄層を剥離する剥離手段を備え、
前記銅箔は、厚みが0.5〜5μmであり、陽極面の結晶子径が30〜300nmであることを特徴とする銅箔の製造装置。
【請求項12】
前記アノード体とカソード体との極間距離が、1〜50mmであることを特徴とする請求項6〜11のいずれか1項に記載の銅箔の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属箔の製造方法及び製造装置に関し、詳しくは、極薄金属箔の製箔が可能なものに関する。
【背景技術】
【0002】
金属箔とは、展延性のよい金属を薄く延ばしたものである。例えば、銅箔には圧延銅箔と電解銅箔があり、このうち圧延銅箔は通常、電気銅を圧延・焼鈍を繰り返して製造される。また、電解銅箔は、回転するドラムに銅を電着させ、これを巻き取ることにより製造され、結晶構造が緻密で均一である利点がある。これらは、例えば、フレキシブルプリント配線板等に使用される。
【0003】
ところで、鉄,銅,クロム,ニッケルなどの電解箔を得るには、先ず、不溶性のカソード体と不溶性のアノード体との間に、これら金属のイオンを含む所定の電解液を供給しながら電解反応を行うことにより、目的とする金属をカソード体の表面に所望の厚みだけ電析させて金属薄層を形成する。次いで、形成された金属薄層をカソード体の表面から剥離することによって製造される。
【0004】
より具体的には、例えば電解銅箔は、従来は、図3のようなドラム式製箔装置101により製造され、この装置101では、図示しないめっき槽の内部にアノード体102とカソード体(ドラム型陰極)103が配置され、めっき槽内は硫酸銅めっき液が充填されている。この状態でカソード体(ドラム型陰極)103を回転させながら、整流器(直流電源)を用いてアノード体102からドラム型陰極103に電流を流すと、いわゆる電解銅めっき法により、チタン製のドラム105上に銅104が析出して銅箔が形成されるものであった。
【0005】
この析出した銅104をドラム型陰極103から剥ぎ取り、これを所定の後処理装置において防錆処理等を行った後、ロール状に巻き取り、または、スリッターで所定の寸法に裁断して電解銅箔を得ていた(特許文献1)。
【0006】
また、特許文献2に開示の銅箔製造装置は、カソード体として、ドラムではなく無端ベルトを用いるものであるが、カソード体の表面に所望の金属膜を形成し、この金属膜を無端ベルトの表面から剥離した後、剥離した金属膜銅箔に対して、次工程でめっき処理を施していた。
【0007】
上記のようにして製造される銅箔に関しては、例えば、プリント配線板の材料などに使用する場合、回路の高密度化、軽量化又は多層化等の要請から、厚みが5μmを下回るような極薄のものが求められるようになり、近年、極薄銅箔製品の需要が激増している。
【0008】
しかし、銅箔の製造においては、製箔後に表面の防錆処理、その他の後処理を行う必要がある。この場合、厚みが5μm以下の極薄銅箔は機械的強度がきわめて低いため、これを破損することなく後処理工程へ移送することは容易ではない。そのため、事実上、厚みが5μm以下の極薄銅箔については、この問題を解決しない限り、効率的な製造の実現が困難であった。
【0009】
そこで、極薄銅箔については、移送が困難である問題を回避するため、比較的厚みのあるキャリア銅箔の片面に、剥離層を介して極薄銅箔層を直接電着させたキャリア付き極薄銅箔が用いられており、極薄銅箔の使用時には、これをキャリア銅箔から剥離する(特許文献3)。なお、カソード体の表面に金属層を形成することは特許文献4に開示されているが、これはめっきに関するものであり、カソード体の表面に形成されためっき層は、剥離しないように保持されるものである点で、金属箔を形成する技術とは大きく相違する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平10−18076号公報
【特許文献2】特開昭54−15435号公報
【特許文献3】特開2010−100942号公報
【特許文献4】特許第3050819号公報
【発明の概要】
【0011】
従来のドラム式製箔装置では、大型のドラム型陰極と陽極(アノード体)との間に、所定の電解液を供給しながら電解反応を生じさせる場合、陰極と陽極の間隙が広いため電流密度(60〜70A/dm)を高くすることには限界があり、製箔に比較的時間がかかるという問題があった。また、かかる電解密度で極薄銅箔を電解製箔すると、ピンホールの発生率が高くなる問題がある。
【0012】
他方、キャリア付き極薄銅箔は、キャリアとなる厚みの異なる銅箔を積層したものであるので、製造における銅の使用量が増加し、かつ、製造に手間を要するため極薄銅箔の製造効率が低下する。また、極薄銅箔のコストが高くなる問題がある。さらに、極薄銅箔が電着されたキャリア銅箔は、表面の極薄銅箔の層を剥離した後、廃棄されるものである。廃棄された銅箔は回収して再利用が可能であるものの、貴重な資源の有効利用の効率が低下する。
【0013】
本発明はこのような技術的背景に鑑みてなされたもので、主に、厚みが5μm以下の極薄金属箔の効率的な製造を可能とした金属箔の製造方法、及び製造装置を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を達成するため本発明は次のように構成される。すなわち、本発明に係る金属箔の製造方法は、電解液に浸漬されたアノード体と、これに対向するカソード体との間に通電し、電解反応により前記カソード体の表面に金属を析出させて金属薄層を形成する金属箔の製造方法において、
前記カソード体を、前記アノード体に沿って移動させて表面に金属を析出させた後、析出した金属薄層が付着した状態で、金属薄層に対する後処理の実施位置まで移動させ、水洗を含む所定の後処理の実施の後に、金属薄層がカソード体から剥離されることを特徴とする。
【0015】
また、電解液に浸漬されたアノード体と、これに対向するカソード体との間に通電し、電解反応により前記カソード体の表面に金属を析出させて金属薄層を形成する金属箔の製造方法において、
前記カソード体を、前記アノード体に沿って移動させて表面に金属を析出させた後、析出した金属薄層が付着した状態で、金属薄層に対する後処理の実施位置まで移動させ、水洗を含む所定の後処理の実施、及び、その後の加工工程の実施の後に、金属薄層がカソード体から剥離されることを特徴とする。
【0016】
ここで後処理とは、例えば、金属薄層に対する水洗工程、防錆処理工程、粗化工程、亜鉛めっき工程、ニッケルめっき工程等である。このうち、防錆処理工程は、金属箔の酸化劣化を防止するために金属箔表面にクロメート処理や亜鉛クロメート処理等を施す処理である。亜鉛めっき工程は、プリント配線板材料を製造する場合、高温時においても金属薄層と樹脂基板との密着性を確保するため、亜鉛めっきを金属薄層の表面に施して耐熱性を高める処理である。また、粗化工程は、樹脂基板等との密着性を向上させるための処理である。
【0017】
カソード体からの剥離後の金属箔の強度が保持される限りにおいて、金属薄層をカソード体から剥離する前に施すべき後処理方法は、特に限定されるものではないが、この場合の後処理方法としては、水洗工程、防錆処理工程、粗化工程、亜鉛めっき工程、ニッケルめっき工程からなる群より選ばれる1つ以上の工程が好ましく、また、水洗工程、防錆処理工程、亜鉛めっき工程からなる群より選ばれる1つ以上の工程がより好ましく、さらに、水洗工程、防錆処理工程からなる群より選ばれる1つ以上の工程が更に好ましい。水洗処理工程及び防錆処理工程は、幅広い目的で金属箔を使用する場合であっても、通常、その品質保持のために施されるべき後処理である。
【0018】
これらの後処理は、析出した金属薄層がカソード体に付着した状態で行うことができるので、極薄の金属箔であっても、これにダメージを与えることなく処理が可能である。
【0019】
また、前記カソード体は、後処理が終了した金属箔が付着した状態で、さらにこれを加工する次工程の実施位置まで移動させることができる。次工程としては、例えば、プリント配線板材料の製造では、金属箔と絶縁樹脂との積層工程、絶縁樹脂の硬化工程等を示すことができる。
【0020】
これらの次工程での処理は、析出した金属薄層がカソード体に付着した状態で行うことができる。
【0021】
本発明によれば、製箔から、例えば絶縁樹脂との積層工程までを、一貫して、析出した金属薄層がカソード体に付着した状態での処理を行う。
【0022】
したがって、厚みが5μmを下回るような極薄の金属箔であっても、これを破損することなく後処理等が実施される場所まで移送が可能である結果、厚みが5μmを下回るような極薄金属箔に対して、必要な処理又は加工を施して製品とすることができる。すなわち、厚みが5μmを下回るような極薄金属箔の製造が実質的にサポートされたものとなる。
【0023】
また、本発明に係る金属箔の製造装置は、電解液に浸漬されたアノード体と、これに対向するカソード体とを備え、これらのアノード体とカソード体の間に通電し、電解反応により前記カソード体の表面に金属を析出させて金属薄層を形成する金属箔の製造装置において、
前記カソード体を前記アノード体に沿って移動させ、前記カソード体の表面に金属を析出させる金属薄層形成部と、
前記カソード体を、析出した金属薄層が付着した状態で、金属薄層に対する後処理工程まで移動させる移動手段と、
水洗を含む所定の後処理の実施後にカソード体から前記金属薄層を剥離する剥離手段と、
を備えることを特徴とする。
【0024】
前記アノード体とカソード体とは、ともに平板状に形成され、かつ、互いに平行に配置することができる。このようにすれば、電極間距離が近接して精密に制御することができるので、電流密度を上昇させ、高速電解による金属薄層の形成が可能となる。
【0025】
前記カソード体は、前記アノード体に沿って移動可能な無端ベルト又は板状体とすることができる。
【0026】
また、前記移動手段はコンベアとすることが可能である。コンベアは、連続したベルトを回転駆動させるベルトコンベア装置、或いは、分離した複数の板状体を連続的に搬送可能なコンベアとすることができる。
【0027】
上記各構成要素は、可能な限り組み合わせることができる。
【0028】
本発明に係る製造方法及び製造装置では、電気分解の条件を変化させることにより、プリント配線板用、高機能デジタル機器用等、それぞれの用途に適した機械的特性を備えた原箔を製造することができる。このような特性の異なる原箔を、例えば0.5μm〜100μmの範囲で製造することができる。
【発明の効果】
【0029】
以上のように本発明によれば、カソード体と金属薄層(金属箔)が一体となったまま後処理また次工程まで移動するため、5μmを下回るような極薄金属箔であっても無理なく移送することが可能である。
【0030】
また、金属薄層が付着したカソード体は帯状又は板状で、アノード体との間隙を狭く保持することが容易であって、供給する電流密度を高く維持することが可能であるので製箔時間を短くでき、かつ、微細な結晶を有する極薄金属箔を得ることができる。
【0031】
よって、実質的に厚みが5μm以下の、質の良い極薄金属箔の効率的な製造が実現でき、かつ、これを使用する製品の製造の効率化も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の実施の形態に示す金属箔の製造装置の全体概略図である。
図2】カソード体として分割されたステンレス板を用いた金属箔の製造装置の全体概略図である。
図3】従来の金属箔の製造装置の一例を示す斜視図。
図4】剥離装置の全体概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明に係る金属箔の製造装置の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0034】
(実施の形態1)
本実施の形態に係る金属箔の製造装置1は、図1に示すように、電解槽2、第1後処理槽3、第2後処理槽4、亜鉛めっき用電解槽5、及び防錆処理槽6が、並列に連続するように設けられている。これら電解層2から防錆処理槽6の上部にはステンレス製の無端のベルト10が配置され、製造装置1の上流側(図面において右側)から下流側に向かって連続し、ベルト10の駆動手段26により、順次、下流側へ移動可能に設置されている。カソード体としての無端ベルトの移動速度は、効率的な銅析出のために1〜7m/min.が好ましく、2〜5m/min.がより好ましい。
【0035】
電解槽2は、使用する電解処理液に対して耐食性を有する材料、例えば、FRP(繊維強化プラスチック)等からなり、上面が解放され水平断面が長方形のタンクである。
【0036】
電解槽2の中には、例えば鉛や酸化イリジウムから成る不溶性のアノード体12が配置されている。アノード体12は、一般的に酸素発生電位が低いことが求められ、例えば、チタン上に白金、酸化イリジウムなどをコーティングしたもの等も用いられる。本発明においてもこれらを用いることができるが、通電することで不導体化することなく酸素が発生する不溶性の材質のアノードであればよい。
また、電解槽2の上部には、ステンレス鋼またはクロム被覆のステンレス鋼等から成る不溶性のカソード体としてのベルト10が位置する。電解槽2内には、硫酸銅めっき液等の所定の種類と濃度の電解液13が満たされているので、前記ベルト10は、この電解液13に接触する。アノード体とカソード体との極間距離は、電流密度を高くするために1〜50mmが好ましく、2〜30mmがより好ましく、3〜10mmが更に好ましい。
【0037】
硫酸銅めっき液としては公知のものを用いることが可能で、特に硫酸銅水塩として10〜300g/l、硫酸を10〜300g/l含むものが好適に用いられる。さらに、硫酸銅めっき液は、塩素イオン(Cl-)を5〜200ppmで含むものであることが好ましい。なお、硫酸銅めっき液のpHは、通常2以下(0〜2)に調整される。
上記硫酸銅めっき浴の銅(銅イオン)以外の各成分は、連続して電気銅めっきをすることにより減少した成分を、必要に応じて補給液の添加など従来公知の方法で補給して、めっきを継続することができる。
カソード体であるベルト10の材質はPt、Ti、SUS等、電解液中の硫酸に耐性を持つ金属が好ましく、SUSがより好ましい。ベルト10のサイズは、取り扱い性向上の点から、その幅は、400〜1800mmが好ましく、600〜1200mmがより好ましい。また、厚みは0.1〜0.8mmが好ましく、0.2〜0.5mmがより好ましい。
【0038】
また、前記電解槽2に近接してポンプP1が設けられ、ポンプP1の吸入口には吸入管14が、吐出口には吐出管15が、それぞれ接続されている。このポンプP1の駆動により、電解槽2内の電解液13がアノード体12の側部から噴射されるように構成されている。すなわち、前記吐出管15の先端は、アノード体12の側方に接するディストリビュータ(電解液流出口)16となっている。
【0039】
そして、ディストリビュータ16により、アノード体12とベルト10との間隙17に電解液13を供給しながら、ベルト10を矢印方向に移動させ、アノード体12とベルト10の間に所定の電流密度で通電して電解反応を進行させる。すると、ベルト10の表面には所定の厚みで銅18が電析する。
【0040】
電解条件は特に限定されないが、一般的には、電解液は、酸もしくはアルカリの存在下で、金属イオン濃度10g/l以上、200g/l以下のものが用いられ、アノードの電流密度は50A/dm〜600A/dm(好ましくは100A/dm〜400A/dm)で、電解液の温度は20℃〜100℃以下の条件で実施できる。
本実施の形態の装置では、噴流を使用して電流密度が150A/dm以上での高速電解が可能であり、高速で銅箔を生成することができる。
【0041】
このような高速電解により得られた銅箔は、従来の銅箔よりもさらに微細な結晶構造を有し、かつ、ピンホールが生じにくいものである。陽極面の結晶径は、微細配線のために30〜300nmが好ましく、50〜200nmがより好ましい。また、陽極面の十点平均粗さ(Rz)は、微細配線のために0.1〜3μmが好ましく、0.2〜2μmがより好ましく、0.3〜1μmが更に好ましい。また、陰極面の十点平均粗さ(Rz)は、微細配線のために0.3〜9μmが好ましく、0.6〜6μmがより好ましく、0.9〜3μmが更に好ましい。
【0042】
また、この方法によれば、微細な結晶構造によって、抗張力が高く、柔軟性がある銅箔を得ることができる。抗張力としては、取り扱い性向上のために100〜800MPaが好ましく、200〜700MPaがより好ましく、300〜600MPaが更に好ましい。また、伸び率は、取り扱い性向上のために5〜50%が好ましく、10〜40%がより好ましく、15〜30%が更に好ましい。
なお、本発明方法は、銅箔以外のニッケルその他の金属箔を電解反応で製造する場合にも適用することが可能である。
【0043】
電解槽2の下流側には、第1後処理槽3及びこれに隣接する第2後処理槽4が設けられている。これらの第1後処理槽3及びこれに隣接する第2後処理槽4には、近接してポンプP2が設けられ、図示しないがポンプP2の吸入口には水が供給され、一方、吐出口には複数の吐出管19が接続され、このポンプP2の駆動により、供給される水がベルト10の表面に析出した銅18に向けて噴射されるように構成されている。
【0044】
上述のようにして、第1後処理槽3及びこれに隣接する第2後処理槽4の上部を、銅18が析出したベルト10が通過することで、銅18に対する水洗処理が実施されることになる。
【0045】
次に、銅18をプリント配線板材料として加工する場合は、高温時における樹脂基板との密着性を確保するため、銅18の表面に耐熱性を高める処理を施すことが好ましい。本実施の形態では、適宜な厚さの亜鉛平滑電解めっき処理を行うことで、樹脂基板との密着性と高温時の耐熱特性を両立させている。この処理は、アノード体23を設置した亜鉛めっき用電解槽5内において、銅18の表面に公知の金属亜鉛の電解めっきを行うものである。
【0046】
また、前記亜鉛めっき用電解槽5に近接してポンプP3が設けられ、ポンプP3の吸入口には吸入管20が、吐出口には吐出管21が、それぞれ接続されている。このポンプP3の駆動により、亜鉛めっき用電解槽5内の電解液22がアノード体23の側部から噴射されるように構成されている。前記吐出管21の先端は、アノード体23の側方に接するディストリビュータ(電解液流出口)24となっている。
【0047】
そして、ディストリビュータ24により、アノード体23とベルト10との間隙25に電解液22を供給しながら、ベルト10を矢印方向に移動させ、アノード体23とベルト10の間に所定の電流密度で通電して電解反応を進行させる。すると、銅18の表面には所定の厚みで亜鉛が電析する。
【0048】
金属亜鉛の電解めっきを行う溶解亜鉛の浴組成は、可溶性亜鉛化合物であれば特に限定されない。亜鉛の平滑めっきの付着量は、金属亜鉛として2.5〜4.5mg/dmとすることが好ましい。このような付着量範囲であれば、後の積層工程で銅18と樹脂板とを積層して銅張積層板を製造する場合、160〜240℃程度の加熱加圧プレス条件下で銅と亜鉛の合金である真鍮となる。真鍮となった表層は高周波伝導特性を損なうことはない。
【0049】
上記のようにして得た銅の表面の亜鉛めっきによる亜鉛処理面8に、さらにクロメート防錆剤を、防錆処理槽6内における浸漬処理により塗布するようにしてもよい。この場合は、亜鉛処理面8が防錆処理槽6内を通過してクロメート防錆剤に接触する。このようにして亜鉛めっき処理後に防錆処理を施すこともできるが、この防錆処理は、耐熱性を重視して、クロム酸溶解液によるクロメート防錆処理等とすることも可能である。
【0050】
以上のような後処理が終了すると、ベルト10に付着した銅18は、図1における左端の矢印Aで示す部分で、ベルトの表面から剥離される。このようにして得られた防錆処理等がされた銅箔は、ベルト10の表面に付着した銅箔を剥離して、これを巻取機等で巻き取ることが可能である。
【0051】
剥離する際には、図4に示すような剥離装置40を使用する。ベルト10に付着した銅18を剥離するには、予めベルト10の表面を鏡面状になるよう磨いておき、付着した銅18との接触面積をできるだけ少なくすることで、容易に剥がれ易くすることができる。この剥離装置40は、ベルト10の進行路に第1ニップロール41を備え、この上ロール41aと下ロール41bの間に、銅18が付着したベルト10を通して加圧しながら、ベルト10を銅18から離れる方向に誘導することで、ベルト10から銅18を剥離する。剥離した銅18は、表面をフッ素樹脂でコートされた第2ニップロール43の上下ロールの間を通過してエアー抜きがされた後、巻取機42で巻き取られる。なお、ベルト10は、ベルト巻取機44により巻き取ることも可能であるが、生産性を向上させて効率よく金属箔を製造するという観点から、ベルト10は巻き取らずにそのままカソード体として使用することが好適である。
【0052】
上記の剥離装置40は、一例であって、同一機能を備えた他の構造のものであってもよい。
上述のようにして、必要な後処理が実施された後にベルト10から剥離することで、厚みが5μm以下の極薄銅箔を得ることができる。また、本発明によれば、電流密度を高くでき、抗張力や柔軟性に優れた金属箔を得ることができるため、カソード体から容易に剥離でき、さらにキャリアがない状態においても容易に巻取りが可能となる。
【0053】
(実施の形態2)
本実施の形態では、前述した実施の形態1と共通の部分には、同一の符号を付
して説明を省略する。
【0054】
この製造装置7では、図2に示すように、上記の実施の形態に示す装置と同様、電解槽2、第1後処理槽3、第2後処理槽4、亜鉛めっき用電解槽5、及び防錆処理槽6が並列に連続して設けられている。そして、ステンレス製の板状体30(以下、ステンレス板)が、製造装置7の上流側(図面において右側)から下流側に向かって連続して並べられ、ステンレス板30は、コンベア等の駆動手段31に着脱自在に装着され、順次、下流側へ移動可能に設けられている。
【0055】
この実施の形態に係る装置は、ベルトの替わりに、ステンレス板30を連続して並べ、これをコンベア31に保持して搬送し、これをカソード体としてその表面に銅を析出させるものである。
【0056】
後処理後は、析出した銅をステンレス板30と一体のまま、これを次工程に送ることができる。
【0057】
例えば、銅箔を含むプリント配線板材料とする場合は、銅箔と絶縁樹脂とを積層する積層工程が実施される装置まで送られる。積層工程では、必要に応じて表面が粗化された銅が付着している各々のステンレス板30を所定位置に置き、周知の方法により、銅に対して。エポキシ樹脂板、フェノール樹脂板その他の樹脂板を一体に接着する。この場合、製造されるプリント配線板材料の状況に応じた所定の成形温度、成形圧力 、又は成形時間で、適宜、成形することができる。
【0058】
上記のような工程における種々の加工が終了した後、銅箔は、カソード体であるステンレス板から剥離される。剥離された銅箔は、プリント配線板材料として樹脂板との積層工程まで終了したもので、かつ、5μm以下の銅箔が用いられたものとなる。
【0059】
なお、製箔工程を除く銅箔の後処理や加工については、その工程数、順序等は任意に変更することができる。
【0060】
また、他の後処理としては、ワークサイズに切り出されたプリント基板に穴加工処理を施し、取り付け穴、電子部品挿入用の穴を形成する場合、銅の酸化防止処理等が例示できる。
上記のような後処理や加工がされた銅箔は、ステンレス板からの剥離時に、樹脂板等に転写されるようにしてもよい。
【実施例】
【0061】
(実施例1)
図1で示した電解銅箔の製造装置を使用して銅箔の製造を行った。カソード体であるSUS製のベルトは、幅800mm、厚さ0.3mmのものを用いた。このベルトの表面をバフ研磨して鏡面状に仕上げた。ベルトを、順次、図1の電解漕の方向に3m/min.で移動させ、そこで、硫酸銅:250g/l、硫酸:60g/l、塩素:20ppmから成り、液温50℃の電解液を用い、電流密度250A/dm、流量6m/min.の条件でベルト10の表面に銅を電析させて、厚さ4μmの銅箔層を形成した。ベルトとアノードとの極間距離は9mmとした。
【0062】
後処理として、亜鉛めっきは行わず、水洗とクロメート(クロム酸)による防錆処理を施した。
【0063】
得られた銅箔は、陽極面の結晶径が100nm、十点平均粗さ(Rz)が0.5μmであり、一方、陰極面が、表面に粗化処理を施していない表面粗さが1.0μmで、微細配線の形成が可能な平滑面であった。また、微細な結晶構造を有するので、抗張力が400MPa、伸び率17%で柔軟性のあるものであった。
【0064】
(実施例2)
図2で示した電解銅箔の製造装置を使用して銅箔の製造を行った。カソード体であるSUS製のステンレス板、幅800mm、厚さ0.3mmのものを用いた。このステンレス板の表面をバフ研磨して鏡面状に仕上げた。
ステンレス板を、順次、図2の電解漕の方向に3m/mim.で移動させ、そこで、硫酸銅:250g/l、硫酸:60g/l、塩素:20ppmから成り、液温50℃の電解液を用い、電流密度250A/dm、流量6m/min.の条件でベルト10の表面に銅を電析させて、厚さ4μmの銅箔層を形成した。ベルトとアノードとの極間距離は9mmとした。
【0065】
銅箔層は、20秒間の純水洗浄を行い、150℃の高温雰囲気中で10秒間の乾燥処理を行った。
次に、銅箔層の表面への亜鉛めっきを施した。めっき液中の解銅箔の走行速度は、3m/min.、電流密度0.5A/dm として電流密度0.5A/dm2 として、1ロット10mを処理した。
処理した。
【0066】
表面の亜鉛めっきが終了した銅箔は、20秒間の純水洗浄を行い、150℃の高温雰囲気中で10秒間の乾燥処理を行った。
【0067】
得られた銅箔は、陽極面の結晶径が100nm、十点平均粗さ(Rz)が0.5μmであり、一方、陰極面が、表面に粗化処理を施していない表面粗さが1.0μmで、微細配線の形成が可能な平滑面であった。また、微細な結晶構造を有するので、抗張力が400MPa、伸び率17%で柔軟性のあるものであった。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上のように、本発明によれば、積層される比較的厚みのある銅箔(キャリア)を必要としない極薄銅箔を製造することができ、かつ、ピンホールが無く、厚みが0.5〜5μmのものが得られる。
プリント配線基板材料などに使用される銅箔は、微細な配線を形成する必要性があるため、銅結晶のRa値は低い方が、優位性がある。本製箔装置で得られた銅箔のRaは、従来の銅箔のRaと比較して50%近い大きさである。
本発明に係る製造方法及び装置では、従来の非常に高価なドラム式製箔装置を用いる銅箔の製造に比較して、小ロットでの製箔が可能な利点があり、少量生産に適した低廉な設備によって製造することができる。
【0069】
また、キャリア銅箔を積層した極薄銅箔に比べ、製箔コストが著しく低い。
【0070】
よって、プリント配線板の製造にあたり、別途製造された銅箔を使用することなく、プリント配線板の製造ラインの前に、これに連続する銅箔の製造ラインを設置することが容易に行える。
【0071】
さらに、本発明により得た極薄銅箔は、プリント配線板の製造において、繊維とバインダー或いはプライマ(接着剤)を予め馴染ませてある極薄のプリプレグと積層すれば、超微細配線を簡便に歩留まり良く施せる基材を容易に得ることができる。
【符号の説明】
【0072】
1、7 金属箔の製造装置
2 電解槽
3 第1後処理槽
4 第2後処理槽
5 亜鉛めっき用電解槽
6 防錆処理槽
8 亜鉛処理面
10 ベルト(カソード体)
11 陽極
12 アノード体
13 電解液
14 吸入管
15 吐出管
16 ディストリビュータ
17 間隙
18 銅
19 吐出管
20 吸入管
21 吐出管
22 電解液
23 アノード体
24 ディストリビュータ(電解液流出口)
25 間隙
26、31 駆動手段
30 板状体(ステンレス板)
40 剥離装置
41 第1ニップロール
42 巻取機
43 第2ニップロール
44 ベルト巻取機
図1
図2
図3
図4