【実施例】
【0022】
以下、本発明に係る電池の急速充電方法の電池の実施例、比較例、試験過程及び試験結果を用いて説明する。
【0023】
実施例1
陰極、陽極、セパレータ、電解液及びパッケージシェルからなり、さらに組立、熟成及びエージング等のプロセスにより造られた電池である。その中に、陰極は96.7%LiCoO
2+1.7%PVDF(バインダーとして)+1.6%SP(導電剤として)を混合して構成され、陽極は98%人造黒鉛+1.0%SBR(バインダーとして)+1.0%CMC(増粘剤として)を混合して構成され、セパレータはPP/PE/PP複合フィルムであり、電解液は有機溶媒(30%EC+30%PC+40%DEC)と1mol/L LiPF
6、さらに添加剤(0.5%VC、5%FEC、4%VEC)から構成される。その中に、百分率はすべて質量百分率である。25°Cでは、該電池の満充電容量(SOC)が1700mAh(0.2C)であり、カットオフ電圧V
0は4.35Vである。25°Cの温度において、本発明の電池の急速充電方法により該電池に対して充電を行い、具体的なステップ(
図2参照)は以下の通りである。
1)定電流2.5Cで充電し、充電時間は20sであり、
2)定電流0.1Cで充電し、充電時間は2sであり、
3)定電流0.1Cで放電し、放電時間は3sであり、このように電池の予備充電電圧4.34Vまでに繰り返した。
4)電池の予備充電電圧4.34Vに到達した後、静置時間が30sであり、定電流1.3Cで充電し、電池のカットオフ電圧4.35Vに到達した後、定電圧でカットオフ電流0.05Cまでに充電した。
【0024】
実施例2
採用された電池は実施例1と同様であった。
25℃の温度において、本発明の電池の急速充電方法を用いて該電池に対して充電を行い、具体的なステップは以下のようである。
1)定電流3Cで充電し、充電時間は20sであり、
2)定電流0.05Cで充電し、充電時間は2sであり、
3)定電流0.05Cで放電し、放電時間は3sであり、このように電池の予備充電電圧4.34Vまでに繰り返した。
4)電池の予備充電電圧4.34Vに到達した後、静置時間が30sであり、定電流1.3Cで充電し、電池のカットオフ電圧4.35Vに到達した後、定電圧でカットオフ電流0.05Cまでに充電した。
【0025】
実施例3
採用された電池は実施例1と同様であった。
25℃の温度において、本発明の電池の急速充電方法を用いて該電池に対して充電を行い、具体的なステップは以下のようである。
1)定電流2.5Cで充電し、充電時間は30sであり、
2)定電流0.1Cで充電し、充電時間は5sであり、
3)定電流0.1Cで放電し、放電時間は10sであり、このように電池の予備充電電圧4.34Vまでに繰り返した。
4)電池の予備充電電圧4.34Vに到達した後、静置時間が10sであり、定電流1.3Cで充電し、電池のカットオフ電圧4.35Vに到達した後、定電圧でカットオフ電流0.05Cまでに充電した。
【0026】
実施例4
採用された電池は実施例1と同様であった。
25℃の温度において、本発明の電池の急速充電方法を用いて該電池に対して充電を行い、具体的なステップは以下のようである。
1)定電流2.5Cで充電し、充電時間は20sであり、
2)定電流0.02Cで充電し、充電時間は2sであり、
3)定電流0.02Cで放電し、放電時間は3sであり、このように電池の予備充電電圧4.34Vまでに繰り返した。
4)電池の予備充電電圧4.34Vに到達した後、静置時間が20sであり、定電流1.3Cで充電し、電池のカットオフ電圧4.35Vに到達した後、定電圧でカットオフ電流0.1Cまでに充電した。
【0027】
実施例5
採用された電池は実施例1と同様であった。
25℃の温度において、本発明の電池の急速充電方法を用いて該電池に対して充電を行い、具体的なステップは以下のようである。
1)定電流2.5Cで充電し、充電時間は10sであり、
2)定電流0.2Cで充電し、充電時間は2sであり、
3)定電流0.2Cで放電し、放電時間は1sであり、このように電池の予備充電電圧4.34Vまでに繰り返した。
4)電池の予備充電電圧4.34Vに到達した後、静置時間が30sであり、定電流1.8Cで充電し、電池のカットオフ電圧4.35Vに到達した後、定電圧でカットオフ電流0.05Cまでに充電した。
【0028】
実施例6
採用された電池は実施例1と同様であった。
25℃の温度において、本発明の電池の急速充電方法を用いて該電池に対して充電を行い、具体的なステップは以下のようである。
1)定電流3Cで充電し、充電時間は10sであり、
2)定電流0.1Cで充電し、充電時間は1sであり、
3)定電流0.1Cで放電し、放電時間は2sであり、このように電池の予備充電電圧4.34Vまでに繰り返した。
4)電池の予備充電電圧4.34Vに到達した後、静置時間が60sであり、定電流1Cで充電し、電池のカットオフ電圧4.35Vに到達した後、定電圧でカットオフ電流0.05Cまでに充電した。
【0029】
実施例7
採用された電池は実施例1と同様であった。
25℃の温度において、本発明の電池の急速充電方法を用いて該電池に対して充電を行い、具体的なステップは以下のようである。
1)定電流3Cで充電し、充電時間は20sであり、
2)定電流0.05Cで充電し、充電時間は10sであり、
3)定電流0.05Cで放電し、放電時間は5sであり、このように電池の予備充電電圧4.34Vまでに繰り返した。
4)電池の予備充電電圧4.34Vに到達した後、静置時間が60sであり、定電流3Cで充電し、電池のカットオフ電圧4.35Vに到達した後、定電圧でカットオフ電流0.01Cまでに充電した。
【0030】
比較例
採用された電池は実施例1と同様であった。
25℃の温度において、従来型の定電流定電圧充電方法を用いて該電池に対して充電を行い、具体的なステップ(
図3参照)は:ステップ1)1.3Cで定電流充電を行い、ステップ2)電圧が電池のカットオフ電圧4.35Vに到達した後、定電圧でカットオフ電流0.05Cまでに充電した。
【0031】
試験方法と過程
全ての充電過程はNeware電池試験システム(型番:BTS−4008−W)にて行うとともに、電池の充電電圧と電流をリアルタイムで1s毎に監視した。充電が完成した後にSOCの計算を行い、充電SOCの計算方法は、充電容量/定格容量で計算した(充電容量は電流と時間の乗積である。)。
【0032】
実施例1及び比較例の試験結果は
図4に示され、実施例1−7及び比較例の試験結果は表1に示される。
【0033】
実施例1及び比較例における電池の充電電圧と充電SOCの経時変化曲線が
図4に示されている。その中に、濃色の曲線は実施例1(その中に、ブラック部分はパルス充電段階で電圧のジャンプ式の変化によるものである)を表し、浅色の曲線は比較例を表す。実線は充電電圧を表し、破線は充電SOCを表す。
図4に示される充電SOCの曲線から、パルス充電段階(即ち、充電前期であり、図に示すよう、約60%SOC)では、実施例1の充電SOC曲線の傾きが比較例の充電SOC曲線の傾きにより明らかに大きいことが分かった。そのため、比較例に比較して、実施例1における電池がパルス充電段階(即ち、充電前期であり、図に示すよう、約60%SOC)において充電速度が明らかに高まった。
【0034】
【表1】
【0035】
表1で実施例1−7及び比較例における電池が異なるSOCまでに充電することに必要とする時間を比較した。表1から分かるように、本発明の電池の急速充電方法はパルス充電段階(即ち、充電前期であり、表1に示すよう、約80%SOCである)における充電速度を明らかに高めることができるため、電池フル充電の時間を短縮することができる。