(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6080963
(24)【登録日】2017年1月27日
(45)【発行日】2017年2月15日
(54)【発明の名称】プレイスシフト装置におけるインタフェースを管理する方法及び装置。
(51)【国際特許分類】
H04N 21/266 20110101AFI20170206BHJP
【FI】
H04N21/266
【請求項の数】17
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-536997(P2015-536997)
(86)(22)【出願日】2013年10月15日
(65)【公表番号】特表2015-535150(P2015-535150A)
(43)【公表日】2015年12月7日
(86)【国際出願番号】US2013064941
(87)【国際公開番号】WO2014059435
(87)【国際公開日】20140417
【審査請求日】2015年5月7日
(31)【優先権主張番号】61/713,237
(32)【優先日】2012年10月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506405585
【氏名又は名称】スリング メディア,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100106851
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 泰久
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】マリーノ,ニノ
【審査官】
福西 章人
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−050170(JP,A)
【文献】
特開2009−111738(JP,A)
【文献】
特開2007−166524(JP,A)
【文献】
特開2010−021975(JP,A)
【文献】
特開2011−119793(JP,A)
【文献】
特開2010−068509(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00−21/858
H04N 5/38−5/46
H04N 5/76−5/956
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアソースからメディアコンテンツを受信するように構成されたプレイスシフト装置であって、
プレイスシフトモードを有するコントローラと、
前記コントローラと前記メディアソースとに結合され、選択可能なコピー保護機能を有する第1の受信機インタフェースと、
を備え、
前記コントローラは、
前記コントローラがプレイスシフトモードに入ったとき、前記第1の受信機インタフェースの前記コピー保護機能を無効にし、
選択可能な出力制御を前記メディアソースが実装していることを判定し、
第2の受信機インタフェースが前記選択可能な出力制御を介して前記メディアソースに結合されているか否かを判定し、
前記第2の受信機インタフェースが前記メディアソースに結合されている場合に、前記第1の受信機インタフェースを無効にする、
ように構成されている、ことを特徴とするプレイスシフト装置。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記メディアソースがコピー保護メディアコンテンツを伝送しているか否かを判断するために、前記メディアソースに問い合わせ、
前記メディアソースがコピー保護メディアコンテンツを伝送している場合に、前記第1の受信機インタフェースの前記コピー保護機能を無効にする、
ように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のプレイスシフト装置。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記メディアソースに、複数のメディアソースインタフェースを介して、前記メディアコンテンツの出力を試すように命令し、かつ、
信号が前記複数のメディアソースインタフェースを介して受信されているか否かを判定する、ことによって、
前記第2の受信機インタフェースが前記メディアソースに結合されているか否かを判定するように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のプレイスシフト装置。
【請求項4】
前記第1の受信機インタフェースは、HDMIインタフェースであることを特徴とする請求項1に記載のプレイスシフト装置。
【請求項5】
前記コピー保護機能は、HDCPコピー保護機能であることを特徴とする請求項4に記載のプレイスシフト装置。
【請求項6】
前記コントローラは、更に、前記コピー保護機能の状態に関するメッセージをユーザに提供するように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のプレイスシフト装置。
【請求項7】
プレイスシフト装置とメディアソースとの間のインタフェースを管理する方法であって、
前記プレイスシフト装置が、パススルーモードにあるか、あるいは、プレイスシフトモードにあるか、を判定することと、
前記プレイスシフト装置が前記プレイスシフトモードに入ったとき、第1の受信機インタフェースのコピー保護機能を無効にすることと、
前記プレイスシフト装置が前記パススルーモードに入ったとき、前記第1の受信機インタフェースの前記コピー保護機能を有効にすることと、
選択可能な出力制御を前記メディアソースが実装していることを判定することと、
第2の受信機インタフェースが前記選択可能な出力制御を介して前記メディアソースに結合されているか否かを判定することと、
前記第2の受信機インタフェースが前記メディアソースに結合されている場合、前記第1の受信機インタフェースを無効にすることと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
前記メディアソースがコピー保護メディアコンテンツを伝送しているか否かを判定するために、前記メディアソースに問い合わせることと、
前記メディアソースがコピー保護メディアコンテンツを伝送している場合にのみ、前記第1の受信機インタフェースの前記コピー保護機能を無効にすることと、
を更に含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
複数のメディアソースインタフェースを介して、メディアコンテンツの出力を試すよう、前記メディアソースに命令することと、
信号が前記複数のメディアソースインタフェースを介して受信されているか否かを判定することと、
を更に含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の受信機インタフェースは、HDMIインタフェースである、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記コピー保護機能は、HDCPコピー保護機能である、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記コピー保護機能の状態に関するメッセージをユーザに提供することを更に含む、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項13】
ソフトウェア命令を保持する非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記ソフトウェア命令は、
プレイスシフト装置が、パススルーモードにあるか、プレイスシフトモードにあるか、を判定することと、
前記プレイスシフト装置が前記プレイスシフトモードに入ったとき、前記プレイスシフト装置とメディアソースとの間の第1の受信機インタフェースのコピー保護機能を無効にすることと、
前記プレイスシフト装置が前記パススルーモードに入ったとき、前記第1の受信機インタフェースの前記コピー保護機能を有効にすることと、
選択可能な出力制御を前記メディアソースが実装していることを判定することと、
第2の受信機インタフェースが前記選択可能な出力制御を介して前記メディアソースに結合されているか否かを判定することと、
前記第2の受信機インタフェースが前記メディアソースに結合されている場合、前記第1の受信機インタフェースを無効にすることと、
をプロセッサに命令するように構成されていることを特徴とする非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項14】
前記ソフトウェア命令は、
前記メディアソースがコピー保護メディアコンテンツを伝送しているか否かを判定するために、前記メディアソースに問い合わせることと、
前記メディアソースが、コピー保護メディアコンテンツを伝送しているときにのみ、前記第1の受信機インタフェースの前記コピー保護機能を無効にすることと、
を前記プロセッサに命令するように更に構成されていることを特徴とする請求項13に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項15】
前記ソフトウェア命令は、
複数のメディアソースインタフェースを介して、前記メディアコンテンツの出力を試すよう、前記メディアソースに命令することと、
信号が前記複数のメディアソースインタフェースを介して受信されているか否かを判定することと、
を前記プロセッサに命令するように更に構成されていることを特徴とする請求項14に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項16】
前記第1の受信機インタフェースは、HDMIインタフェースであることを特徴とする請求項13に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項17】
前記コピー保護機能は、HDCPコピー保護機能であることを特徴とする請求項13に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願への相互参照>
この出願は、2012年10月12日出願の米国仮出願番号61/713、237に対して優先権を主張し、この全内容は、ここに参照文献として組み込まれる。
<技術分野>
【0002】
本開示は、一般に、家庭用エンタテインメントシステムにおけるテレビ番組及び映画などのメディアコンテンツを処理するシステム及び技術に関する。特には、本開示は、コピー保護コンテンツを受信するように構成されたプレイスシフト装置に関する。
【背景技術】
【0003】
最近、消費者は、自分たちの主要なテレビセットのある場所と異なる場所でテレビや他のメディアコンテンツを視聴することが可能な「プレイスシフト」装置に大きな関心を示している。プレイスシフト装置は、典型的には、視聴者のために、パケット化されたメディアストリームを再生可能なポータブルコンピュータ、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント、遠隔にあるテレビあるいは、他のリモートデバイスに、ローカル、あるいは、ワイドエリアネットワークを介して送信されることができるメディアコンテンツをパケット化する。したがって、プレイスシフトにより、消費者は、ポータブルメディアプレイヤー装置が無線あるいは他の通信ネットワークへのアクセスを得ることができる他の部屋、ホテル、オフィス、及び/あるいは、任意の他の場所などの遠隔の場所から、それらのメディアコンテンツを視聴することができる。
【0004】
プレイスシフト装置によって受信されるあるメディアコンテンツは、1以上の形態のコピー保護を組み込んでいる。例えば、メディアコンテンツを視聴するための特に一般的なインタフェースは、多くの現在のディスプレイ及びエンタテインメント装置に組み込まれている高解像度マルチメディアインタフェース(HDMI(登録商標))である。HDMIは、しばしば、広帯域デジタルコンテンツ保護(HDCP)と共に、そのような装置内で使用される。しかし、残念なことに、コンポーネントビデオなどの他のインタフェースを介して受信されたならば、その同じコンテンツが合法的にプレイスシフトされているとしても、適用可能なHDMI/HDCPライセンス条件(技術セーフガードと共に)に従うことにより、HDCPで保護されたコンテンツを再送信(例えば、プレイスシフト)するエンタテインメント装置の能力は大きく限定される。
【0005】
したがって、他のメディアインタフェースに加え、HDMI/HDCPインタフェースを利用する家庭用エンタテインメント装置を有するユーザのプレイスシフトの経験を改善するシステム及び方法を提供することが望まれる。これら、及び、他の望ましい特徴と特性は、添付の図面及びこの背景技術の項と共に考慮されるならば、続く詳細な説明と添付の請求項から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
例示的な実施形態が、以下の図面と共にここに説明されるが、同様な参照番号は、同様な構成要素を示す。
【0007】
【
図1】例示的プレイスシフトシステムの概略概念図である。
【
図2】本発明のさまざまな実施形態に従った、フローチャートである。
【
図3】本発明のさまざまな実施形態に従った、フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の以下の詳細な説明は、その性質として例示的なものに過ぎず、本発明あるいは、本発明の応用及び使用を限定することを意図していない。更に、前述の背景技術あるいは、以下の詳細な説明において提供されるいかなる理論に縛られるということも意図しない。
【0009】
一般に、HDCPなどのような、コピー保護あるいは他のデジタル権利管理技術の一形態を組み込むことができ、メディアソース(例えば、チューナー)からのコンテンツを扱うように構成されたプレイスシフト装置のために、さまざまなシステム及び方法が提供される。ある実施形態では、(パススルーモードとは
対照的に)プレイスシフトモードに入るとき、インタフェース(例えば、HDMIインタフェース)のコピー保護機能は、単純に無効とされる。プレイスシフト装置によって
問い合わせる(interrogate)ことができる、コピー保護「フラグ」などをメディアソースが含む他の実施形態においては、プレイスシフト装置は、メディアソースコピー保護が無効とされているか判定し、その後
、単に、インタフェースのコピー保護機能を無効とする。メディアソースにおいて、選択可能な出力制御(SOC)が利用できる他の実施形態においては、プレイスシフト装置は、他のインタフェース(例えば、コンポーネントビデオ、複合ビデオ(composite video)など)が使用可能か否かを判定し、もしそうなら、コピー保護機能を有するインタフェースを無効とする。
【0010】
図1を今参照すると、本実施形態を説明するのに有用な例示的プレイスシフトシステム100がここで説明される。図示されているように、プレイスシフトシステム100は、一般に、1以上のメディアソース120からメディアコンテンツを受信し、受信したコンテンツを適切なフィーマット(例えば、ストリーミングフォーマット)に符号化し、その後、符号化されたメディアストリームを、ネットワーク140(例えば、WLAN、インターネットなど)を介して、メディアプレイヤー150に送信するプレイスシフト装置110を含む。メディアプレイヤー150は、符号化されたストリームを受信し、ストリームを復号し、復号されたコンテンツを、テレビあるいは他のそのようなディスプレイ160上で、視聴者に提示する。同様に、コンテンツは、ディスプレイ130を用いて、(プレイスシフト装置110から見て)ローカルに視聴することができる。さまざまな実施形態においては、プレイスシフト装置110及び/あるいはメディアプレイヤー150とネットワーク140を介して通信するサーバ170も設けられ、これらの装置が、互いに場所を特定し、セキュリティを維持し、コンテンツあるいは情報を提供あるいは受信し、及び/あるいは、所望の任意の他の特徴を持つように補助することが出来る。
【0011】
メディアソース120(120A、120Bなど)は、例えば、広帯域テレビ、ケーブルテレビ、衛星テレビ、「ビデオオンデマンド」あるいは同様のソース、デジタルビデオディスク(DVD)プレイヤー、及び、他の取り外し可能なメディア、ビデオカメラシステム、ビデオゲーム端末、チューナー(STB)システム、インターネットメディアソース(例えば、YouTube(登録商標))などを含む、既知の、あるいは、これから開発される、広い範囲のソースを含むことができる。メディアソース120は、また、典型的には、1以上の出力インタフェース(不図示)を含む。
【0012】
プレイスシフト装置110は、ここに説明された機能を実行するように構成された、ソフトウェア及び/あるいはハードウェアの任意の組み合わせを含む。図示された実施形態においては、例えば、プレイスシフト装置110は、(ディスプレイ1030と結合された)ディスプレイインタフェース111、(ネットワーク140と結合された)ネットワークインタフェース115、及び、メディアソース120と結合された1以上の受信機インタフェース116(116A、116Bなど)を含む。受信機インタフェース116は、HDMI、コンポーネントビデオ、複合ビデオインタフェースなどの、既知の、あるいは、これから開発される、任意のインタフェースのセットを含む。図示されているように、特定
のメディアソース120は、1以上の受信機インタフェース116Aに結合されることが出来る。したがって、例えば、メディアソース120Bが受信機インタフェース116Cに結合される一方で、メディアソース120Aは、受信機インタフェース116Aと116Bの両方に結合される。受信機インタフェース116は、コピー保護メディアコンテンツを受信し、復号する選択的な機能を有することができる。例えば、HDMI/HDCPインタフェースの場合、プレイスシフト装置110は、(例えば、HDMIインタフェースをリセットし、メディアソース120からのHDCPハンドシェイキングを拒否することによって、)そのインタフェースのHDCP準拠を無効にしたり、有効にすることができる。
【0013】
プレイスシフト装置110は、(例えば、さまざまな機能メニュー、リモートコントロール装置、及び、他の従来のユーザインタフェースコンポーネントによって、)ユーザとプレイスシフト装置110との間の相互作用を提供するように構成されたユーザインタフェースモジュール113を含む。
【0014】
プレイスシフト装置110は、また、プレイスシフト装置110の他のコンポーネントの動作を制御するコントローラ112と、プレイスシフト装置110の動作に関連した他のデータと共に、メディアソース120から受信したデータを格納する適切な記憶装置(例えば、ハードディスク及び/あるいは、固体ドライブ)114とを含む。ここに説明する特定の方法は、例えば、コントローラ112によって実行可能なソフトウェアを用いて実装されることができ、次に、ディスプレイ130及び/あるいはディスプレイ160を介してユーザに提供されることができる。以下に更に詳細に説明されるように、コントローラ112は、(プレイスシフト装置110がプレイスシフトを実行する)「プレイスシフトモード」と、(プレイスシフト装置110が、単に、メディアコンテンツが、例えば、ディスプレイ130に通過することを許す)「パススルーモード」とを有している。
【0015】
プレイスシフト装置110は、典型的には、簡単のために図には示されていない複数の追加的なハードウェア及び/あるいはソフトウェアコンポーネント(例えば、メモリ、コントローラ、デジタル信号処理装置など)を含んでいる。例えば、プレイスシフト装置110は、典型的には、メディアソース120のオーディオ/ビデオあるいは他のデータを、ネットワーク140を介して伝送できるパケット化されたフォーマットに変換するように構成された符号化器及び/あるいはコード変換モジュールを組み込む。
【0016】
プレイスシフト装置110は、また、ネットワーク140を介して伝送する前に符号化データを一時的に格納する伝送バッファモジュールを含み、現在以降のネットワークパフォーマンスの観点から、所望の画像品質とデータスループットを維持するために、符号化の1以上のパラメータ(例えば、メディアストリームのビットレート)を調整する
ことを含むことが出来る。プレイスシフト装置は、また、メディアソースからの所望の入力信号を要求するために、1以上のメディアソース120への命令を提供するように構成されることが出来る。そのような命令は、メディアソース120によって受信可能なリモートコントロール命令をエミュレートする赤外あるいは他の無線送信器などの、都合の良い有線あるいは無線のインタフェースを介して提供されることが出来る。カリフォルニア州、フォスター市のSling Media, Inc.から購入することが出来るSLINGBOX(登録商標)製品は、例示的プレイスシフト装置の一つである。
【0017】
いくつかの実施形態においては、プレイスシフト装置110は、典型的に特定のメディアソース120に関連した機能の全てあるいは一部を組み込む。例えば、プレイスシフト装置110は、コード変換及びプレイスシフトの特徴を提供する、ハイブリッドSTBあるいは他の受信機であることが出来る。そのような装置は、アンテナ、モデム、サーバ及び/あるいは他のソースから受信されるテレビ番組あるいは他のコンテンツを符号化した、衛星、ケーブル、放送及び/あるいは他の信号を受信することができる。そのような装置
は、また、パーソナルあるいはデジタルビデオレコーダ(DVR)作品あるいは、適切な場合には、他のコンテンツライブラリをサポートするために、コンテンツデータベース(例えば、記憶装置114内に格納される)を含むことが出来る。言い換えると、ある実施形態では、メディアソース120とプレイスシフト装置110は、共通のコンポーネント、筐体あるいはシャーシ内に物理的に及び/あるいは論理的に含まれる。
【0018】
ある実施形態では、プレイスシフト装置110は、従来の計算システム(例えば、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォンなど)で実行されるように構成されたソフトウェアアプリケーションである。そのような実施形態においては、プレイスシフト装置110は、典型的には、メディアプレイヤー150に対するプレイスシフトのために計算システムのユーザに提供されるスクリーン表示のいくつかあるいは全部を符号化することができる。そのような機能を提供できる一つの装置は、Sling Media, Inc.から購入することができるSlingProjector(登録商標)製品である。
【0019】
メディアプレイヤー150は、メディアストリームプレイスシフト装置110を受信することができる装置、コンポーネント、モジュール、ハードウェア、ソフトウェアなどとすることができる。
【0020】
様々な実施形態においては、メディアプレイヤー150は、デスクトップコンピュータ、ノート型コンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント、パーソナルメディアプレイヤー(フランス、Igny のArchos 社から購入することができるARCHOS (登録商標)製品など)などである。多くの実施形態では、メディアプレイヤー150は、プレイスシフト装置110に安全に繋がり、受信することができ、適切な場合には、装置のユーザにメディアコンテンツを提示することができる、メディアプレイヤーアプリケーションを含む汎用計算装置である。他の実施形態では、メディアプレイヤー150は、ネットワーク140を介してメディアストリームを受信し、メディアストリームを復号して、テレビあるいは他のディスプレイ160に提示される出力信号を提供することができるスタンドアロンあるいは他の別個のハードウェア装置である。他の製品が、ここに説明している主題に関連して使用されるかもしれないが、スタンドアロンメディア受信機150の一例は、Sling Media, Inc.から購入することができるSLINGCATCHER(登録商標)製品である。
【0021】
前述したように、1以上のインタフェース116は、コピー保護されたメディアコンテンツを受信するように構成されることができる。一つの良くある例としては、プレイスシフト装置110が、(例えば、既知のハンドシェイク手続により)HDCP標準に適合するように構成されたHDMIインタフェースを含む。その点では、特定のメディアソース120Aから受信したコピー保護されたメディアコンテンツを再送信することは、法的に、あるいは、技術的に不可能かもしれない。つまり、HDCP標準によれば、プレイスシフト装置110は、「プレイスシフトモード」において、ネットワーク140を介して、メディアプレイヤー150にメディアコンテンツを伝送することが出来ないが、「パススルー」モードにおいて、依然、メディアコンテンツをディスプレイ130に伝送することができるHDCP「シンク」と考えることができる。多くの場合(例えば、HDCPでは)、コンテンツが暗号化されているか、あるいは、そうでなければ、コピー保護されているか否かは、メディアコンテンツ自身からは検出不可能である。
【0022】
図2−4は、上記問題を解決するための様々な方法を提示する。一般には、これらの方法は、メディアソース120の性質及び、プレイスシフト装置110が、プレイスシフトモード、あるいは、パススルーモードのいずれにあるかに基づいて、インタフェースのコピー保護機能を選択的に無効にする、あるいは、インタフェース自身全体を無効にすることを含む。
【0023】
図2は、例えば、メディアソース120が、コピー保護について、「オールオアナッシング」装置として構成されているとき、つまり、メディアソース120が、最初、プレイスシフト装置110がコピー保護コンテンツを受信することが出来るか否かを判断する場合に適用可能な例示的方法200を示す。受信出来るならば、メディアコンテンツは、プレイスシフト装置110に伝送され、そうでないならば、メディアコンテンツは、伝送されない。そのような場合には、プレイスシフト装置110は、最初、パススルーモードにあるか否かを判断する(ステップ202)。そのモードにあれば、コピー保護コンテンツは、(例えば、テレビディスプレイに)伝送される(ステップ206)。そうでないならば、インタフェースのコピー保護機能は無効にされる。例えば、HDMI/HDCPインタフェースの場合、プレイスシフト装置110は、インタフェース上のHDCPを無効にし、次に、全体的にHDMIインタフェースをリセットすることができる。このように、メディアソース120は、プレイスシフト装置110は、HDCPメディアコンテンツを受信することができないものと見て、その後は、メディアコンテンツがプレイスシフト装置110に提供されるべきか否かについての自身の判断をするだろう。
【0024】
図3は、例えば、メディアソース120
がコピー保護「フラグ」
を有するように構成されているとき、そうでなければ、伝送されるコンテンツがある形態のコピー保護を受けているか否かを判断するために、プレイスシフト装置110によって問い合わせ可能な
とき、に適用できる方法300を示す。この実施形態では、モードは、最初に判定される(ステップ302)。パススルーモードでは、コピー保護コンテンツが伝送される(ステップ306)。そうでなければ、次に、プレイスシフト装置110は、メディアソースがコピー保護されているか否かを判定する(例えば、コピー保護フラグがTRUEであるか否かを判定することによって)。メディアソースがコピー保護されている場合には、次に、インタフェースのコピー保護機能が無効にされる(ステップ308)。そうでないならば、次に、コピー保護コンテンツは伝送され、要求に応じてプレイスシフトされる(ステップ310)。
【0025】
図4は、例えば、メディアソース120が、「選択可能な出力制御」(SOC)装置である場合に適用可能な方法400を示す。当技術分野で知られているように、SOC装置は、ある形態の外部命令に基づいて、その出力インタフェースを変化させるように構成されている。例えば、プレイスシフトモードに入ったとき(ステップ402を介して)、プレイスシフト装置110は、メディアソース120に対して、全ての利用可能なインタフェース(例えば、HDMI、コンポーネントビデオ、複合ビデオ、同軸ケーブル(coax)など)を介するように切り替えを行うことを命令し、出力信号の存在を探し、これによって、代わりのインタフェース(つまり、コピー保護インタフェースとは別の)が利用可能か否かを判定することが出来る(ステップ406)。そのような代わりのインタフェースが利用可能な場合、コピー保護機能を有するインタフェースは無効とされ、コンテンツは、代わりのインタフェースの一つを介して受信される(ステップ408)。そうでなければ、インタフェースのコピー保護機能は無効にされる(ステップ410)。HDMI/HDCPの場合には、これは、HDMIインタフェースを全部無効にし(あたかもHDMIケーブルが実質抜かれているように)、コンテンツを、コンポーネントビデオインタフェースを介して受信することを含むことが出来る。少なくとも1つの実施形態では、プレイスシフト装置110は、メディアソース120に、代わりの出力を介してコンテンツの出力を可能にさせるように、HDMIインタフェースの不作動化を示す命令を、メディアソース120に伝送することができる。
【0026】
図2−4に示された実施形態に従うと、様々なユーザインタフェースメッセージとオプションをユーザに提示することができる。例えば、ユーザは、セットアップの間、複数の受信機インタフェースを使用するように指示されることができる(例えば、「HDMIとコンポーネントビデオケーブルの両方を接続してください」)。ユーザは、また、コピー保護
のためにあるメディアソースが、プレイスシフトからブロックされていることを通知されることができる。一般に、ユーザは、様々なインタフェース及び/あるいはプレイスシフト装置110のコピー保護機能についての情報を提示されることができる。
【0027】
いくつかの例示的実施形態が、前述の詳細な説明に提示されたが、多くの別の、しかし、等価な変形が存在し、ここに示した例は、いずれの意味においても、本発明の範囲、応用可能性、あるいは、構成を限定することを意図するものではないことを理解されたい。反対に、様々な変形は、請求項の範囲及び、それらの法的な均等物の範囲から離れることなく、説明された構成要素の機能及び配置に加えられることが出来る。