【課題を解決するための手段】
【0014】
これらの課題は、独立請求の特徴部分に記載されている構成を実現することによって解決される。本発明を代替的なやり方又は有利なやり方で更に発展させる種々の特徴的構成は従属請求項に記載されている。
【0015】
本発明は、レーザトラッカのための、且つ、レーザトラッカを用いる、光点を形成する複数の基準目印が所定の空間関係で設けられている測定補助対象物の空間的な姿勢を決定するための方法に関する。レーザトラッカは、垂直軸を規定する台座と、垂直軸を中心として台座に対して相対的にモータ駆動式に旋回可能である支持部と、傾斜軸を中心として支持部に対して相対的にモータ駆動式に回動可能であり、且つ、光点の画像を検出する画像検出ユニットを備えている旋回ユニットと、レーザビームを放出するビーム源と、を有している。更に、レーザビームを用いて、測定補助対象物までの距離を測定する距離測定ユニットと、台座に対して相対的なレーザビームの放出方向を決定する角度測定機能と、が設けられている。
【0016】
本発明による方法の枠内では、測定補助対象物の方向における画像が、測定補助対象物の少なくとも一つの位置及び/又は配向に依存してそれぞれ検出可能な光点と共に検出され、測定補助対象物の空間的な姿勢が、画像内で検出された光点に関する画像内の画像位置から画像評価を用いて導出される。
【0017】
本発明によれば、画像評価のための、画像内の個々の光点の外観に関する局所的な考慮判定基準が規定されているか、又は、画像評価のための、画像内の複数の光点間の位置関係に関する大域的な考慮判定基準が規定されている。更に、画像内で検出された複数の光点のうちの少なくとも一つの光点について局所的な考慮判定基準又は大域的な考慮判定基準が満たされているかが(特に、検出された画像から得られる、検出された複数の光点のうちの少なくとも一つの光点に関する画像情報が局所的な考慮判定基準又は大域的な考慮判定基準と比較されることによって)検査される。(局所的又は大域的な)考慮判定基準が満たされていない場合、画像内で検出された複数の光点のうちの、その少なくとも一つの光点は空間的な姿勢の導出に関して低く重み付けされ、特に考慮されない。
【0018】
つまり、一つ又は複数の光点に関して画像内に存在する特性は、一つ又は複数の光点に関する目標特性と一致しているか否かが検査され、その検査に基づき、姿勢を決定するためにその光点は考慮されるか、又は低く重み付けされるか、特に考慮されないかが決定される。
【0019】
基準目印を特に、所定の波長領域の光を放出する、とりわけ赤外線光を放出する発光ダイオード(LED)として構成することができる。
【0020】
本発明による方法の一つの特定の実施の形態によれば、局所的な考慮判定基準は、画像内の複数の光点のうちの少なくとも一つの光点の見え方に関する少なくとも一つの画像属性を規定し、特に画像基準としての目標コントラスト及び/又は目標形状及び/又は空間的な目標面積及び/又は目標明度分布及び/又は目標総輝度を規定する。
【0021】
この関係において、本発明による一つの典型的な実施の形態によれば、局所的な考慮判定基準が満たされているかの検査が、画像内の(個々の)LED像(基準目印の像)の個別の考察に基づき実施される。このために、測定補助対象物における複数のLEDの相対的及び空間的な配置構成についての知識は必要ない。
【0022】
部分的に遮蔽されているLEDを識別するために、基準又は規準(=考慮判定基準)に対する像の偏差が使用される。基準又は規準として、設けられている基準目印に関する、光学計算から得られた理想的な像又は経験値を使用することができる。
【0023】
この実施の形態による方法は、画像内の結像されたLEDの総数には依存せず、従って個々のLEDに対して適用することができる。更に、カメラの姿勢に関する知識は必要とされない。
【0024】
特に、この関係において、測定補助対象物(例えば測定プローブ)とカメラとの間で生じうる距離に関して、またカメラに相対的な測定補助対象物の考えられる姿勢に関して、理想的な像を格納することができ、それらの像は特に、実際の観察から求められた「経験値」を表すことができる。
【0025】
特に、画像内のLEDの像は、画像属性によって特徴付けられており、例えばピクセル数、最大明度(最も明るいピクセル)、総輝度(全てのグレー値の和)、形状及び/又は輪郭(例えばLEDのアクティブな面の形状又は、受動的なターゲットマークの輪郭及び光学的計算を基礎とする)、像内の明度分布(モノクロ又はスペクトル)及び/又はシャープネスによって特徴付けられている。それらの属性のうちの一つ又は複数の属性が基準値又は規準値から偏差している場合、その偏差を識別することができ、またその偏差は各LEDが部分的に覆い隠されていることに関する指標であると考えられる。
【0026】
特に、画像内のLEDの光点についての明度分布の評価に関して、LEDのその像に関する画像座標を繰り返し計算することができ、その際に、個々のパラメータが変更され、それによって生じる画像座標のグループにおける偏差が、期待される明度分布からの偏差に関する判定基準として使用される。
【0027】
これに関して変更可能なパラメータとして、例えば明度値(閾値)、ダークフレーム減算(オフセット)、焦点の算出方法(例えば、バイナリ、線形又は平方の焦点)、照明時間、及び/又は、相互に分けられている個々のピクセルカラーに応じた焦点の計算が挙げられる。
【0028】
本発明によれば、大域的な考慮判定基準又は局所的な考慮判定基準の定義又は規定に関して、この考慮判定基準を(レーザトラッカのデータファイル内に設けられる代わりに、又は、レーザトラッカのデータファイル内に設けられることに加えて)、特に検出された画像から導出することができ、特に画像内の光点の各グラフィック像から、とりわけ光点の各グラフィック像の比較から導出することができる。
【0029】
この関係において、基準目印が画像検出時に部分的に覆い隠された状態で存在していたかを検査するための、本発明による一つの別の実施の形態は、画像内で検出された全ての基準目印(=画像内の光点)の像の比較に関する。この別の実施の形態では、検出された画像内の個々の基準目印の像が、その像を記録した際に同様に生じた、画像内の検出された基準目印の像と比較される。このことは特に、基準目印に関する基準値を考慮することができない場合(例えば、製造公差、移動の不正確性、周囲雰囲気による障害等に起因する変動幅に起因する)、又は、基準目印に関する基準値が格納されていない場合に行われる。その際に、結像された基準目印の数が多くなり、且つ、それらの結像された基準目印のうち、部分的に覆い隠されている基準目印の数が少なくなるほど、この方式を使用する際の信頼性は一層高くなる。また、これに関する前提条件は、検出される基準目印が実質的に同種に構成されていること、又は(再帰反射性のシートのような受動的な基準目印に対して)同種の反射特性を有していること、若しくは、(発光ダイオードのような能動的な基準目印に関して)同種の光エミッションを有していることである。
【0030】
特に、この方法は、前述の方法と同一の原理を基礎としている。同一の画像属性及び計算方法を使用することができる。主な相異点は、画像内のLEDの像に関して絶対的な基準値又は規準値は存在しておらず、その代わりに、同一の記録時に生じたLEDの全ての像が相互に比較されることである。
【0031】
計算コストを低減するために、画像内のLEDの複数の光点を先ず、選択された一つ又は複数の画像属性に従い、例えば、ピクセル数に応じて分類し、例えばそれにより作成されたリストにおける第1の光点及び/又は第2の光点のみを、考えられる部分的な遮蔽について検査することができる。
【0032】
更に、本発明の別の実施の形態によれば、大域的な考慮判定基準が、画像内で検出された複数の光点に関する、画像内の画像位置の相対的及び空間的な目標位置を規定することができ、特に、測定補助対象物のその都度の姿勢を考慮して規定することができる。
【0033】
大域的な考慮判定基準又は局所的な考慮判定基準が満たされているかの検査に関する本発明の別の態様は、複数の光点を有している少なくとも一つの別の画像を時間的にずらして検出すること、特に(複数の)別の画像を連続的に検出することに関する。その場合、画像内で検出された少なくとも一つの光点に関する局所的な考慮判定基準又は大域的な考慮判定基準が満たされているかの検査は、複数の画像を比較することによって、特に、複数の画像における個々の光点の外観を比較することによって、又は、複数の画像における個々の光点に関する各画像位置を比較することによって行われる。従ってそれによって、光点の状態を監視又は追跡することができ、そこから、例えば光点が覆い隠されていることを識別することができる。
【0034】
換言すれば、このことは、時間的に連続する一連の画像(つまりシーン)が検出され(その際、複数の画像が実質的に、画像内で結像された同じ基準目印を光点として有している)、例えば、検出された画像内の共通の光点が比較され、その時間的な展開が検出されることを意味している。この考察から、画像における光点の変化を推定することができ、それに基づいて、例えば、光点が(部分的に)覆い隠されていることを識別することができる。これは、相応の光点の外観(例えば形状又は明度)の変化によって識別することができるか、又は、光点に関する画像位置の変化によって識別することができる。
【0035】
従ってこの関係においては、個々の画像又は画像シーケンス(この画像シーケンスの枠内では例えば関連する光点が変化せずに検出されている)を、考慮判定基準を定義するために使用することができ、また後続の画像(又は画像の光点)を、その定義された考慮判定基準に基づき評価することができる。
【0036】
更に、局所的な考慮判定基準が満たされているかを検査するための、本発明の一つの別の特別な実施の形態によれば、画像内で検出された複数の光点のうちの少なくとも一つの光点に関するグラフィック情報を画像から導出することができ、特に、画像内の光点に関して検出された実際形状及び/又は空間的な実際面積及び/又は実際明度分布及び/又は実際輝度及び/又は実際コントラストを導出することができる。択一的又は付加的に、やはり本発明によれば、大域的な考慮判定基準が満たされているかを検査するために、画像内で検出された、その画像内の複数の光点のうちの少なくとも一つの光点に関する、画像処理を用いて決定された画像位置を使用することができ、特に、画像位置は明度分布に基づき画像内の焦点を計算することによって決定される。
【0037】
特に、本発明による方法の枠内では、局所的な考慮判定基準又は大域的な考慮判定基準が満たされているかを検査する際に、測定補助対象物及び/又は測定空間の立体的な構造が考慮され、また特に、測定補助対象物の位置が考慮され、特に、視界障害物の位置及び寸法が考慮される。
【0038】
従って一つの特別な実施の形態によれば、画像内の結像された複数のLEDの本発明による検査、即ち、それらのLEDによって形成された、画像内の光点の検査において、部分的に遮蔽されたLEDを識別する際に、例えば測定補助対象物又は測定空間の既知の立体的な構造を考慮することができる。
【0039】
これに関して、LEDの相対的及び空間的な配置構成の他に、少なくとも一つのLEDの部分的な遮蔽を生じさせる可能性がある測定体積内の構造体の形状及び空間的な位置も既知であるので、それによって、LEDが場合によってはもはや完全に画像センサに結像されなくなるのは何時かを計算することができ、またそのようなLEDはリセクションの計算から予防的に除外される。
【0040】
頻繁に部分的な遮蔽を生じさせるその種の構造体として、例えば、測定補助対象物自体のケーシング、並びに、装置、ツール、建造物及び/又は安全装置(及び/又は人間)の一部が挙げられる。また6DoF測定(測定補助対象物の位置及び姿勢)は、カメラまでの構造体の最新の相対的及び空間的な位置を常に提供する。
【0041】
既知の構造体の近傍に、即ち、予め規定されている距離内にLEDがある場合、そのLEDがまだ遮蔽されていない場合であっても、そのLEDの像を予防的に、リセクションの計算から除外することができる。更には、例えばオートメーションにおいて測定シーケンスが何度も繰り返される場合には、LEDが部分的に遮蔽される可能性がある空間領域をテストランにおいて求め、相応の測定に際し考慮することができる。
【0042】
本発明によれば、特に、局所的な考慮判定基準又は大域的な考慮判定基準が満たされているかの検査の結果から、又はその検査によって、画像内で検出された複数の光点のうちの少なくとも一つの光点が少なくとも部分的に覆い隠されているかが求められ、光点が少なくとも部分的に覆い隠されている場合、その光点は空間的な姿勢の導出に関して低く重み付けされる。
【0043】
更に、局所的な考慮判定基準又は大域的な考慮判定基準が満たされているかの検査に関する一つの別の特別な実施の形態によれば、考慮判定基準と画像情報の一致度を表す比較品質値を、考慮判定基準と画像情報との比較によって求め、その比較品質値に関して信頼区間を規定することができる。画像情報は、少なくとも第1の光点に関して、検出された画像から導出される。
【0044】
検出された複数の光点のうちの少なくとも一つの光点に関する局所的な考慮判定基準又は大域的な考慮判定基準が満たされているかの検査の枠内で求められた最新の比較品質値が信頼区間内にある場合には、特に、空間的な姿勢を導出するためにその光点が考慮され、また、求められた品質比較値が信頼区間外にある場合には、空間的な姿勢を導出する際にその光点は低く重み付けされる。
【0045】
更に本発明によれば、特に、画像内で検出された各光点について、局所的な考慮判定基準又は大域的な考慮判定基準が満たされているかを検査する際に、又はその検査の枠内で、個々の残差が求められ(即ち、各残差は特に局所的な考慮判定基準又は大域的な考慮判定基準が満たされているかの検査によって求められる)、また、各残差が調整可能な期待範囲内にあるか否かが検査され、一つ又は複数の残差が期待範囲外にある場合には、対応する一つ又は複数の光点が比較品質値を求める際に低く重み付けされ、特に、空間的な姿勢を導出する際に除外される。
【0046】
本方法を実施するための、この方法の一つの特別な本発明による実施の形態によれば、付加的な補助マーキングを測定補助対象物における測定基準目印に対して相対的に配置することができる。本来の測定にとって必ずしも必要なものではないこの付加的な補助マーキング(測定基準目印と同様に、LEDとして構成することができるか、又は再帰反射性に構成することができる)を、本来の測定目印の周囲に適切に配置することによって、例えば測定LEDを場合によってはもはや完全に画像内に結像することができないか否かを検出することができる。
【0047】
測定基準目印は、補助マーキングと共に、一つの複合体又はグループ(クラスタ)を形成する。そのグループがもはや完全に画像センサに結像されない場合、即ち、複数の付加的な補助マーキングのうちの一つ又は複数が欠ける場合、中央の測定基準目印がもはや完全に結像されていない虞がある。この場合、そのような測定基準目印をその都度予防的に、リセクションの更なる計算から除外することができる。
【0048】
付加的な補助マーキングは実質的に、場合によっては起こり得る、中央の測定基準目印の部分的な遮蔽を検出するためにしか使用されず、他の計算には考慮されないので、それらの付加的な補助マーキングは測定結果の品質に何の影響も及ぼさない。従ってこの付加的なマーキングに課される要求は(明度、大きさ、照明の均一性等に関して)測定基準目印に比べて相応に低くなっており、それによって、本方法をLEDベースの測定システムにも適用することができる。
【0049】
付加的な補助マーキングに関する適切な形状は、本来の測定基準目印を包囲するようなリング形状であり、これは例えば再帰反射性のシート又は相互に並んで設けられている複数のLEDから構成される。別の代替的な適切な実施の形態では、複数の別個のマーキングが配置され、それらのマーキングがやはり別個に画像センサに結像される。その場合、検出に関しては、例えば全ての付加的な補助マーキングは測定基準目印の周囲の所定の範囲内で画像センサに現れるか否かだけが考慮されればよい。
【0050】
択一的又は付加的な本発明の実施の形態として、画像内でその都度検出されたLED又は光点を考慮せずに、関連する品質特性数(例えば、画像座標に関する標準偏差)が顕著に改善され、またそれによって、例えば予め規定された期待範囲内にあるか否かが識別されることによって、リセクションの更なる計算(測定補助対象物の姿勢の決定)が実施される。この品質特性数を用いることによって、あるLEDに関する光点が測定結果に重大な影響(エラーを惹起する影響)を及ぼすか否かを識別することができる。その種の実施の形態は、特に、大域的な考慮判定基準の検査に対応付けることができ、その場合には、判定基準として例えば相対的な標準偏差、又は品質特性数の相対的な差、又は個々の(又は複数の)標準偏差の相対的な差が規定されている。
【0051】
その際に、例えば、検出された複数の光点を一つずつ順次計算から除外することができ、また計算を行う度に品質特性数を求めることができる。この品質特性数は、計算が行われる度に、測定補助対象物における光点の既知の分布との「最適適合(Best-Fit)」が行われ、標準偏差がその都度決定されることによって求められるか、又は測定補助対象物の姿勢が姿勢角度を用いて決定され、例えば角度が計算される度に標準偏差がその都度決定されることによって求められる。その結果、標準偏差を比較することによって、画像内で正確に結像されていない光点を識別することができる。特に、最も小さい全標準偏差又は最も改善されている標準偏差を用いた計算時に除外された光点を不適切なものとして識別することができる。特に、まだ適合している各点に関して(「最適適合」方式の枠内で)光点を「省く」度に標準偏差が決定される場合には、例えば、最も小さい全標準偏差又は最も改善されている標準偏差を用いた計算時に除外された光点を「不適切」な光点として識別することができる。
【0052】
LEDの個数、利用可能な計算時間、計算能力及び/又は測定結果のリアルタイム出力に対する要求に応じて、LEDの光点を、部分的な遮蔽の確率に関して分類する又は等級別にすることができ、また例えば最小の総輝度から出発して分類する又は等級別にすることができる。
【0053】
更に本発明は、光点を形成する複数の基準目印が所定の空間関係で設けられている測定補助対象物の位置決定及び/又は配向決定のための、特に測定補助対象物を継続的に追跡するためのレーザトラッカに関する。レーザトラッカは、垂直軸を規定する台座と、垂直軸を中心として台座に対して相対的にモータ駆動式に旋回可能である支持部と、傾斜軸を中心として支持部に対して相対的にモータ駆動式に回動可能であり、且つ、光点の画像を検出する画像検出ユニットを備えている旋回ユニットと、レーザビームを放出するためのビーム源と、を有している。更に、レーザビームを用いて、測定補助対象物までの距離を測定する距離測定ユニットと、台座に対して相対的なレーザビームの放出方向を決定する角度測定機能と、測定補助対象物の空間的な姿勢を決定するための機能を備えている制御及び処理ユニットと、が設けられている。上述の機能が実行されると、測定補助対象物の空間的な姿勢が、画像内で検出された光点に関する画像内の画像位置から、画像評価を用いて導出され、その際に、制御及び処理ユニットの制御下で、測定補助対象物の方向における画像が、測定補助対象物の少なくとも一つの位置及び/又は配向に依存してそれぞれ検出可能な光点と共に検出されている。
【0054】
本発明によれば、画像評価のための、画像内の個々の光点の外観に関する局所的な考慮判定基準が規定されているか、又は、画像評価のための、画像内の複数の光点間の位置関係に関する大域的な考慮判定基準が規定されている。更に、制御及び処理ユニットは検査機能を有しており、この検査機能が実行されると、画像内で検出された複数の光点のうちの少なくとも一つの光点について考慮判定基準が満たされているかが検査される(特に、検出された画像から得られる、検出された複数の光点のうちの少なくとも一つに関する画像情報が考慮判定基準と比較されることによって検査される)。考慮判定基準が満たされていない場合には、機能の実行時に、画像内で検出された複数の光点のうちの少なくとも一つの光点が、空間的な姿勢の導出の際に低く重み付けされ、特に除外される。
【0055】
本発明によれば、レーザトラッカの制御及び処理ユニットを、特に、上述の本発明による方法を実施するために構成することができる。
【0056】
本発明によれば、測定補助対象物の構成に関して、付加的な補助マーキングを測定補助対象物に配置することができ、それらの付加的な補助マーキングは基準目印のうちの一つに対して所定の空間関係で位置決めされている。検査機能が実行されると、検出された画像内の補助マーキングの像が、局所的な考慮判定基準又は大域的な考慮判定基準が満たされているかに関して検査される。
【0057】
測定補助対象物の基準目印は、特に、光点を形成する自己発光手段として構成されており、特に発光ダイオードとして構成されている。
【0058】
本発明の別の態様は、本発明による方法に従い、測定補助対象物の方向における画像検出を制御し、測定補助対象物の空間的な姿勢を決定し、また考慮判定基準が満たされているかを検査するためのコンピュータプログラム製品に関し、特に、コンピュータプログラム製品が本発明によるレーザトラッカの制御及び処理ユニットにおいて実行される場合には、コンピュータプログラム製品は機械読み出し可能な担体に記憶されている。
【0059】
以下では、添付の図面に具体的に図示した複数の実施例に基づき、本発明による方法及び本発明による装置を例示的に詳細に説明し、また本発明の更なる利点についても検討する。