(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記盗難防止用ゲートの前記出力手段は、前記ゲートIDに対応するタグ発報IDが前記応答信号に含まれている場合に警報を出力することを特徴とする請求項1に記載の盗難防止システム。
前記盗難防止用タグの前記生成手段は、前記受信手段により受信された前記ゲート信号に含まれる前記ゲートIDが複数の特定ゲートを表す場合、当該複数の特定ゲートを発報させるタグ発報IDを含む応答信号を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の盗難防止システム。
前記ゲートIDを含む前記ゲート信号は、スタートビットと、後続する第1の長さ又は当該第1の長さよりも短い第2の長さの第1乃至第3のビットとを有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の盗難防止システム。
前記ゲートIDを含む前記ゲート信号は、前記スタートビットと、前記第1乃至第3のビットとに加えて、前記第1乃至第3のビットと同一の構成である第4乃至第6のビットを有することを特徴とする請求項4又は5に記載の盗難防止システム。
前記タグ発報IDを含む前記応答信号は、スタートビットと、後続する第1の長さ又は当該第1の長さよりも短い第2の長さの第1乃至第3のビットとを有することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の盗難防止システム。
前記タグ発報IDを含む前記応答信号は、第1の周波数のスタートビットと、後続する第2の周波数又は第3の周波数の第1乃至第3のビットとを有することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の盗難防止システム。
前記応答信号の前記スタートビットは可聴音領域の周波数であり、前記応答信号の前記第1乃至第3のビットは超音波領域の周波数であることを特徴とする請求項7又は8に記載の盗難防止システム。
前記盗難防止用タグの前記送信手段は、前記ゲート信号が受信されてから一定時間経過後に前記応答信号を送信することを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の盗難防止システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら実施形態を説明する。なお、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
【0013】
(実施形態1)
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る盗難防止システムの構成例を示す図である。盗難防止システム1は、盗難防止用タグ10と、複数の盗難防止用ゲート20,30,40とを含んで構成されている。盗難防止用タグ10は、店舗等に配置された対象物(商品等)50に取り付けられている。対象物50から盗難防止用タグ10が不正に取り外されたり、盗難防止用タグ10が取り付けられた対象物50が盗難防止用ゲート20,30,40を近接または通過したりした場合に、盗難防止用タグ10や盗難防止用ゲート20,30,40は警報を出力する。なお、ここでは1つの盗難防止用タグ10を図示したが、あくまでも一例に過ぎず、複数の盗難防止用タグが存在してもよい。同様に、ここでは3つの盗難防止用ゲートを図示したが、複数の盗難防止用ゲートであればその数は問わない。
【0014】
<装置構成>
次に
図2を参照して、本実施形態に係る盗難防止用タグ10および盗難防止用ゲート20,30,40の機能構成を説明する。
図2(a)に示されるように、盗難防止用タグ10は、制御部101と、検知部102と、警報出力部103と、信号受信部104と、信号送信部105と、記憶部106とを備えている。以降説明する各処理部の動作は、制御部101が記憶部106に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0015】
制御部101は、各処理部の動作を制御するとともに各種の処理を実行する。例えば、信号受信部104により受信されたゲート信号を解析し、ゲート信号に含まれるゲートIDに対応するタグ発報IDを含む応答信号を生成する。タグ発報IDは、どのゲートを発報させるかを示す情報を有している。ゲートIDおよびタグ発報IDの詳細については後述する。
【0016】
検知部102は、盗難防止用タグ10が対象物50に取り付けられている取付状態、又は対象物50から取り外されている取外状態を検知する。警報出力部103は、検知部102により盗難防止用タグ10が対象物50から取り外された状態が検知されたり、盗難防止用ゲート20,30,40から所定の信号を受信したりした場合に、警報を出力する。
【0017】
信号受信部104は、盗難防止用ゲート20,30,40から送信されたゲート信号を受信する。信号送信部105は、盗難防止用ゲート20,30,40に対して、制御部101により生成された応答信号を送信する。応答信号の送信は、
図8を参照して後述するように、警報出力部103による警報信号(可聴音)の間欠期間を利用する。記憶部106は、ゲートID情報およびタグ発報ID情報を記憶する。
【0018】
図2(b)に示されるように、盗難防止用ゲート20,30,40は、制御部201と、検知部202と、警報出力部203と、信号受信部204と、信号送信部205と、記憶部206とを備えている。以降説明する各処理部の動作は、制御部201等のコンピュータが記憶部206に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。各処理部の構成は盗難防止用タグ10と同様であるが、処理の内容が異なっている。
【0019】
制御部201は、各処理部の動作を制御するとともに各種の処理を実行する。検知部202は、信号受信部204により受信された信号に基づいて、盗難防止用タグ10が取り付けられた対象物50の盗難防止用ゲートへの接近を検知する。警報出力部203は、盗難防止用タグ10から受信した信号に基づいて警報を出力する。例えば、信号受信部204により受信された応答信号に含まれるタグ発報IDが、信号送信部205により送信したゲート信号に含まれるゲートIDに対応するタグ発報IDである場合に、警報を出力する。
【0020】
信号受信部204は、盗難防止用タグ10から送信された応答信号を受信する。信号送信部205は、盗難防止用タグ10に対してゲートIDを含むゲート信号を送信する。記憶部206は、ゲートID情報およびタグ発報ID情報を記憶する。
【0021】
<盗難防止用タグの処理>
続いて、
図3のフローチャートを参照して、本実施形態に係る盗難防止用タグ10が実施する処理の手順を説明する。S301において、制御部101は、信号受信部104によりゲート信号が受信されたか否かを判定する。ゲート信号が受信された場合、S302へ進む。一方、ゲート信号が受信されていない場合、受信するまで待機する。
【0022】
S302において、制御部101は、信号受信部104により受信されたゲート信号を解析する。ここで、
図5は、本実施形態に係るゲートIDとタグ発報IDとの関係の一例を示す図である。盗難防止用ゲート20のゲートIDがA、盗難防止用ゲート30のゲートIDがB、そして盗難防止用ゲート40のゲートIDがCであるものとする。各ゲートから自身のゲートIDを含むゲート信号が送信される。制御部101は、ゲート信号を解析してゲートIDを取得する。
【0023】
S303において、制御部101は、ゲート信号に含まれるゲートIDに対応するタグ発報IDを含む応答信号を生成する。
図5に示すように、盗難防止用ゲート20からゲートID=Aを含むゲート信号を受信していた場合、タグ発報IDはAに対応するaとする。同様に、盗難防止用ゲート30からゲートID=Bを含むゲート信号を受信していた場合、タグ発報IDはBに対応するbとする。盗難防止用ゲート40からゲートID=Cを含むゲート信号を受信していた場合、タグ発報IDはCに対応するcとする。
【0024】
S304において、制御部101は、信号送信部105を制御して、生成した応答信号を送信する。応答信号は各ゲートに向けて送信される。以上で
図3の一連の処理が終了する。
【0025】
<盗難防止用ゲートの処理>
さらに、
図4のフローチャートを参照して、本実施形態に係る盗難防止用ゲート20,30,40が実施する処理の手順を説明する。S401において、制御部201は、信号送信部205を制御して自身のゲートIDを含むゲート信号を送信する。例えば、
図5の例では、自身が盗難防止用ゲート20であればゲートID=A、盗難防止用ゲート30であればゲートID=B、盗難防止用ゲート40であればゲートID=Cを含むゲート信号を送信する。
【0026】
S402において、制御部201は、信号受信部104により盗難防止用タグ10から応答信号が受信されたか否かを判定する。応答信号が受信された場合、S403へ進む。一方、応答信号が受信されていない場合、S401に戻る。
【0027】
S403において、制御部101は、信号受信部204により受信された応答信号を解析する。
図5の例では、応答信号に含まれるタグ発報IDがa、b、cの何れであるかを解析する。
【0028】
S404において、制御部201は、S403で解析された応答信号に含まれるタグ発報IDが、S401で送信したゲートIDを含むゲート信号に対応するタグ発報IDであるか否かを判定する。対応するタグ発報IDである場合、S405へ進む。一方、対応するタグ発報IDではない場合、S401に戻る。S405において、制御部201は、警報出力部203を制御して警報を出力する。以上で
図4の一連の処理が終了する。
【0029】
<盗難防止用タグが複数の盗難防止用ゲートからゲート信号を受信する場合>
続いて、
図6を参照しながら、盗難防止用タグが複数の盗難防止用ゲートからゲート信号を受信する例を説明する。盗難防止用タグの位置によっては複数の盗難防止用ゲートからゲート信号を受信することがある。その場合、それらの盗難防止用ゲートを発報させ、その他の盗難防止用ゲートは発報させないようにしたい。
【0030】
図6では、
図5に示した例と同様に、盗難防止用ゲート20はゲートID=Aを含むゲート信号を送信し、盗難防止用ゲート30はゲートID=Bを含むゲート信号を送信し、盗難防止用ゲート40はゲートID=Cを含むゲート信号を送信している。このとき、盗難防止用タグ10は、盗難防止用ゲート20および盗難防止用ゲート30からそれぞれ同時にゲート信号を受信することになる。
【0031】
盗難防止用タグ10は、ゲートID=Aを含むゲート信号とゲートID=Bを含むゲート信号とを解析し、A+Bに対応するタグ発報ID=dを含む応答信号を生成して送信する。
【0032】
盗難防止用ゲート20および盗難防止用ゲート30は、タグ発報ID=dを含む応答信号を受信した場合、警報を出力する。各盗難防止用ゲートは記憶部206にゲートID情報とタグ発報IDとの対応テーブルを保持しており、当該テーブルを参照することにより警報の出力を制御する。
【0033】
図5および
図6の例では、ゲートID=Aである盗難防止用ゲート20は、応答信号に含まれるタグ発報ID=a、d、eの場合に警報を出力する。ゲートID=Bである盗難防止用ゲート30は、応答信号に含まれるタグ発報ID=b、d、fの場合に警報を出力する。ゲートID=Cである盗難防止用ゲート40は、応答信号に含まれるタグ発報ID=c、e、fの場合に警報を出力する。
【0034】
<ゲートIDの構成>
図7(a)は、本実施形態に係るゲートIDの構成例を示す図である。各ゲートIDはスタートビットと3ビット(第1〜第3のビット)とで構成されている。
【0035】
盗難防止用ゲート20のゲートID=Aは、スタートビットと、第1の長さの第1のビットと、後続する第2の長さの第2のビットおよび第3のビットとを有している。第2の長さは第1の長さよりも短い。第1の長さのビット=1、第2の長さのビット=0に対応しており、従ってゲートID=Aは、コード100で表される。
【0036】
盗難防止用ゲート30のゲートID=Bは、スタートビットと、第2の長さの第1のビットと、第1の長さの第2のビットと、第2の長さの第3のビットとを有している。従ってゲートID=Bは、コード010で表される。
【0037】
同様に、盗難防止用ゲート40のゲートID=Cは、スタートビットと、第2の長さの第1のビットと、第2の長さの第2のビットと、第1の長さの第3のビットとを有している。従ってゲートID=Cは、コード001で表される。
【0038】
盗難防止用タグ10は、盗難防止用ゲートから受信したゲート信号に含まれるゲートID(コード)を解析することで、どの盗難防止用ゲートからの受信であるのかを判別することができる。
【0039】
このとき、複数の盗難防止用ゲートからゲート信号を受信する場合、
図7(b)のようなコードが受信される。例えば、盗難防止用タグ10が盗難防止用ゲート20、30からゲート信号を同時に受信する場合は、ゲートID=Aのゲート信号(コード100)と、ゲートID=Bのゲート信号(コード010)とを同時に受信することになる。
【0040】
すると、ゲートID=A+Bの第1のビットに関しては、ゲートID=Aの第1の長さの第1のビットと、ゲートID=Bの第2の長さの第1のビットとの重複部分、すなわち、第1の長さの第1のビットとなる。ゲートID=A+Bの第2のビットに関しては、ゲートID=Aの第2の長さの第2のビットと、ゲートID=Bの第1の長さの第2のビットとの重複部分、すなわち、第1の長さの第2のビットとなる。ゲートID=A+Bの第3のビットに関しては、ゲートID=Aの第2の長さの第3のビットと、ゲートID=Bの第2の長さの第3のビットとの重複部分、すなわち、第2の長さの第3のビットとなる。従って、ゲートID=A+Bは、第1の長さの第1のビット(1)、第1の長さの第2のビット(1)、第2の長さの第3のビット(0)、すなわちコード110で表される。
【0041】
このように、盗難防止用タグ10が盗難防止用ゲート20、30からゲート信号を同時に受信する場合は、ゲートID=A+B(コード110)を検出することになり、当該コードの検出に応じて、ゲートID=Aのゲート信号(コード100)と、ゲートID=Bのゲート信号(コード010)とを同時に受信していることが判別できる。この場合、
図6に示したように、盗難防止用タグ10は、ゲートID=A+Bに対応するタグ発報ID=dを含む応答信号を送信する。
【0042】
また、盗難防止用タグ10が盗難防止用ゲート30、40からゲート信号を同時に受信する場合は、ゲートID=Bのゲート信号(コード010)と、ゲートID=Cのゲート信号(コード001)とを同時に受信することになる。同様にして、ゲートID=B+Cは、第2の長さの第1のビット(0)、第1の長さの第2のビット(1)、第1の長さの第3のビット(1)、すなわちコード011で表される。
【0043】
その結果、ゲートID=B+C(コード011)を検出することになり、当該コードの検出に応じて、ゲートID=Bのゲート信号(コード010)と、ゲートID=Cのゲート信号(コード011)とを同時に受信していることが判別できる。この場合、
図6に示したように、盗難防止用タグ10は、ゲートID=B+Cに対応するタグ発報ID=fを含む応答信号を送信する。
【0044】
さらに、盗難防止用タグ10が盗難防止用ゲート40、20からゲート信号を同時に受信する場合は、ゲートID=Cのゲート信号(コード001)と、ゲートID=Aのゲート信号(コード100)とを同時に受信することになる。同様にして、ゲートID=C+Aは、第1の長さの第1のビット(1)、第2の長さの第2のビット(0)、第1の長さの第3のビット(1)、すなわちコード101で表される。
【0045】
その結果、ゲートID=C+A(コード101)を検出することになり、当該コードの検出に応じて、ゲートID=Cのゲート信号(コード001)と、ゲートID=Cのゲート信号(コード011)とを同時に受信していることが判別できる。この場合、
図6に示したように、盗難防止用タグ10は、ゲートID=C+Aに対応するタグ発報ID=eを含む応答信号を送信する。
【0046】
先に述べたように、ゲートID=Aである盗難防止用ゲート20は、記憶部206に記憶しているテーブルデータを参照して、応答信号に含まれるタグ発報ID=a、d、eの場合に警報を出力する。ゲートID=Bである盗難防止用ゲート30は、同様に、応答信号に含まれるタグ発報ID=b、d、fの場合に警報を出力する。ゲートID=Cである盗難防止用ゲート40は、同様に、応答信号に含まれるタグ発報ID=c、e、fの場合に警報を出力する。
【0047】
以上、ゲートIDの構成例を説明したが、本発明に係るゲートIDは当該構成に限定されるものではなく、複数の盗難防止用ゲートから受信されるゲート信号を、盗難防止用ゲートの組み合わせまで区別可能な構成であれば何れの構成であってもよい。なお、スタートビットとは一連の信号(ゲートID信号、またはタグ発報ID信号)の開始を示すものであるが、必ず構成されている必要はなく、一連の信号を間隔を空けて送信することによりスタートビットを省略してもよい。
【0048】
<タグ発報IDの構成>
図8は、本実施形態に係るタグ発報IDの構成例を示す図である。盗難防止用タグ10が各盗難防止用ゲート20、30、40の少なくとも1つから
図7に示したようなゲート信号を受信した場合に応答信号を送信するが、応答信号にはタグ発報IDを含めて送信する。タグ発報IDの構成例は
図7に示したゲートIDの構成と同様であり、スタートビットと3ビット(第1〜第3のビット)とで構成されている。
【0049】
ただし、各ビットのビット長はゲートIDと同じである必要はない。また、
図8の例ではタグ発報IDのスタートビットの周波数はf
0であり、第1〜第3のビットの周波数はf
1である。例えば、f
0は可聴音領域の周波数であり、f
1は超音波領域の周波数である。ただし、f
0およびf
1は共に可聴音領域の周波数であってもよいし、共に超音波領域の周波数であってもよい。
【0050】
ゲートID=Aのゲート信号(コード100)に対応するタグ発報ID=aの応答信号は、スタートビットと、第1の長さの第1のビット、第2の長さの第2のビット、第2の長さの第3のビットとを有している。第1の長さのビット=1、第2の長さのビット=0に対応しており、従ってタグ発報ID=aは、コード100で表される。
【0051】
ゲートID=Bのゲート信号(コード010)に対応するタグ発報ID=bの応答信号は、スタートビットと、第2の長さの第1のビット、第1の長さの第2のビット、第2の長さの第3のビットとを有している。従ってタグ発報ID=bは、コード010で表される。
【0052】
ゲートID=Cのゲート信号(コード001)に対応するタグ発報ID=cの応答信号は、スタートビットと、第2の長さの第1のビット、第2の長さの第2のビット、第1の長さの第3のビットとを有している。従ってタグ発報ID=cは、コード001で表される。
【0053】
ゲートID=A+Bのゲート信号(コード110)に対応するタグ発報ID=dの応答信号は、スタートビットと、第1の長さの第1のビット、第1の長さの第2のビット、第2の長さの第3のビットとを有している。従ってタグ発報ID=dは、コード110で表される。
【0054】
ゲートID=C+Aのゲート信号(コード101)に対応するタグ発報ID=eの応答信号は、スタートビットと、第1の長さの第1のビット、第2の長さの第2のビット、第1の長さの第3のビットとを有している。従ってタグ発報ID=eは、コード101で表される。
【0055】
ゲートID=B+Cのゲート信号(コード011)に対応するタグ発報ID=fの応答信号は、スタートビットと、第2の長さの第1のビット、第1の長さの第2のビット、第1の長さの第3のビットとを有している。従ってタグ発報ID=fは、コード011で表される。
【0056】
<ゲートの同期>
各盗難防止用ゲートからのゲート信号同士が干渉しないように、近辺のゲートは相互に同期する必要がある。また、盗難防止用タグが複数存在する場合、複数のタグ発報信号(応答信号)が干渉しないように同期する必要がある。
【0057】
ただし、各盗難防止用ゲートを同期させておけば、応答信号の送信タイミングをゲート信号の受信から一定時間経過後に設定することで、複数の盗難防止用タグのタグ発報信号を同期することが可能である。
図9は、タグ発報信号の出力タイミングの一例を示す図である。
図9に示されるように、各盗難防止用タグはゲート信号の受信から一定時間経過後にタグ発報信号を送信している。
【0058】
以下、
図10を参照しながら、本実施形態に係るゲートの同期方法の一例を詳述する。複数の盗難防止用ゲートのうち1台をマスタとし、その他をスレーブとする。各盗難防止用ゲートは、入力端子および出力端子を1チャンネルずつ備えている。マスタは、自身で同期信号を生成し、出力端子から同期信号を出力する。なお、入力端子は無効にする。スレーブは、入力端子から同期信号を取得する。
【0059】
また当該同期信号を出力端子から出力する。これにより、マスタの制御により各盗難防止用ゲートを同期させることが可能となり、ゲート信号の送信タイミングを同期させることができる。なお、各盗難防止用ゲートは、有線接続および/または無線接続の何れで接続されてもよい。
【0060】
マスタは、標準電波(電波時計の電波)又はGPS信号を受信する時刻受信ユニットをさらに備えてもよく、時刻に同期したゲート同士の同期を行うように構成してもよい。一方、時刻に同期する必要がない場合には、マスタ自身のタイミングで同期信号を出力することも可能である。
【0061】
以上説明したように、本実施形態では、盗難防止用タグ10はゲートIDを含むゲート信号を受信した場合に、当該ゲートIDに対応するタグ発報IDを含む応答信号を送信する。盗難防止用ゲートは、盗難防止用タグから受信した応答信号に含まれるタグ発報IDが自身のゲートIDに対応するタグ発報IDである場合に警報を出力する。
【0062】
これにより、盗難防止用ゲートの発報を、比較的盗難防止用タグの近くに位置するゲートに限定することができ、従って、盗難防止用ゲートの発報を所望の範囲に限定することが可能となる。
【0063】
(実施形態2)
実施形態2では、ゲートIDの他の構成例を説明する。装置構成等は実施形態1と同様であるため、説明を省略する。実施形態1で説明した
図7の例では、第1〜第3のビットのビット長がそれぞれ第1の長さ又は当該第1の長さよりも短い第2の長さであった。これに対して、本実施形態では第2の長さがゼロに置き換わっている点が異なっている。
【0064】
図11(a)は、本実施形態に係るゲートIDの構成例を示す図である。
図7の例と同様に、各ゲートIDはスタートビットと3ビット(第1〜第3のビット)とで構成されている。
【0065】
盗難防止用ゲート20のゲートID=Aは、スタートビットと、第1の長さの第1のビットと、長さゼロの第2のビットおよび第3のビットとを有している。第1の長さのビット=1、長さゼロのビット=0に対応しており、従ってゲートID=Aは、コード100で表される。
【0066】
盗難防止用ゲート30のゲートID=Bは、スタートビットと、長さゼロの第1のビットと、第1の長さの第2のビットと、長さゼロの第3のビットとを有している。従ってゲートID=Bは、コード010で表される。同様に、盗難防止用ゲート40のゲートID=Cは、スタートビットと、長さゼロの第1のビットと、長さゼロの第2のビットと、第1の長さの第3のビットとを有している。従ってゲートID=Cは、コード001で表される。また、盗難防止用タグ10が複数の盗難防止用ゲートからゲート信号を受信する場合、
図11(b)のようなコードが受信される。例えば、盗難防止用タグ10が盗難防止用ゲート20、30からゲート信号を同時に受信する場合は、ゲートID=Aのゲート信号(コード100)と、ゲートID=Bのゲート信号(コード010)とを同時に受信することになる。
【0067】
すると、ゲートID=A+Bの第1のビットに関しては、ゲートID=Aの第1の長さの第1のビットと、ゲートID=Bの長さゼロの第1のビットとの重複部分、すなわち、第1の長さの第1のビットとなる。ゲートID=A+Bの第2のビットに関しては、ゲートID=Aの長さゼロの第2のビットと、ゲートID=Bの第1の長さの第2のビットとの重複部分、すなわち、第1の長さの第2のビットとなる。ゲートID=A+Bの第3のビットに関しては、ゲートID=Aの長さゼロの第3のビットと、ゲートID=Bの長さゼロの第3のビットとの重複部分、すなわち、長さゼロの第3のビットとなる。
【0068】
従って、ゲートID=A+Bは、第1の長さの第1のビット(1)、第1の長さの第2のビット(1)、長さゼロの第3のビット(0)、すなわちコード110で表される。
【0069】
同様にして、ゲートID=B+Cは、長さゼロの第1のビット(0)、第1の長さの第2のビット(1)、第1の長さの第3のビット(1)、すなわちコード011で表される。また、ゲートID=C+Aは、第1の長さの第1のビット(1)、長さゼロの第2のビット(0)、第1の長さの第3のビット(1)、すなわちコード101で表される。
【0070】
本実施形態によれば、長さゼロのビットを組み合わせることにより、信号出力を低減することができ、従って省電力化を図ることが可能となる。
【0071】
(実施形態3)
実施形態3では、ゲートIDの更に他の構成例を説明する。装置構成等は実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0072】
図12(a)は、本実施形態に係るゲートIDの構成例を示す図である。各ゲートIDは、スタートビットと6ビット(第1〜第6のビット)とで構成されている。本実施形態に係るゲートIDは、実施形態2の変形例であり、実施形態2の第1〜第3のビットと同じものを第4〜第6のビットとしてさらに後続させてデータビットを二重化させたものである。なお、実施形態1の第1〜第3のビットと同じものを第4〜第6のビットとしてさらに後続させてデータビットを二重化させてもよい。
【0073】
盗難防止用ゲート20のゲートID=Aは、スタートビットと、第1の長さの第1のビットと、長さゼロの第2のビットおよび第3のビット、第1の長さの第4のビット、長さゼロの第5のビットおよび第6のビットとを有している。第1の長さのビット=1、長さゼロのビット=0に対応しており、従ってゲートID=Aは、コード100100で表される。
【0074】
盗難防止用ゲート30のゲートID=Bは、スタートビットと、長さゼロの第1のビットと、第1の長さの第2のビットと、長さゼロの第3のビットと、長さゼロの第4のビットと、第1の長さの第5のビットと、長さゼロの第6のビットとを有している。従ってゲートID=Bは、コード010010で表される。同様に、盗難防止用ゲート40のゲートID=Cは、スタートビットと、長さゼロの第1のビットと、長さゼロの第2のビットと、第1の長さの第3のビットと、長さゼロの第4のビットと、長さゼロの第5のビットと、第1の長さの第6のビットとを有している。従ってゲートID=Cは、コード001001で表される。
【0075】
また、盗難防止用タグ10が複数の盗難防止用ゲートからゲート信号を受信する場合、
図12(b)のようなコードが受信される。例えば、盗難防止用タグ10が盗難防止用ゲート20、30からゲート信号を同時に受信する場合は、ゲートID=Aのゲート信号(コード100100)と、ゲートID=Bのゲート信号(コード010010)とを同時に受信することになる。
【0076】
すると、ゲートID=A+Bの第1のビットに関しては、ゲートID=Aの第1の長さの第1のビットと、ゲートID=Bの長さゼロの第1のビットとの重複部分、すなわち、第1の長さの第1のビットとなる。
【0077】
ゲートID=A+Bの第2のビットに関しては、ゲートID=Aの長さゼロの第2のビットと、ゲートID=Bの第1の長さの第2のビットとの重複部分、すなわち、第1の長さの第2のビットとなる。ゲートID=A+Bの第3のビットに関しては、ゲートID=Aの長さゼロの第3のビットと、ゲートID=Bの長さゼロの第3のビットとの重複部分、すなわち、長さゼロの第3のビットとなる。
【0078】
ゲートID=A+Bの第4のビットに関しては、ゲートID=Aの第1の長さの第4のビットと、ゲートID=Bの長さゼロの第4のビットとの重複部分、すなわち、第1の長さの第4のビットとなる。ゲートID=A+Bの第5のビットに関しては、ゲートID=Aの長さゼロの第5のビットと、ゲートID=Bの第1の長さの第5のビットとの重複部分、すなわち、第1の長さの第5のビットとなる。
【0079】
ゲートID=A+Bの第6のビットに関しては、ゲートID=Aの長さゼロの第6のビットと、ゲートID=Bの長さゼロの第6のビットとの重複部分、すなわち、長さゼロの第6のビットとなる。
【0080】
従って、ゲートID=A+Bは、第1の長さの第1のビット(1)、第1の長さの第2のビット(1)、長さゼロの第3のビット(0)、第1の長さの第4のビット(1)、第1の長さの第5のビット(1)、長さゼロの第6のビット(0)すなわちコード110110で表される。
【0081】
同様にして、ゲートID=B+Cは、長さゼロの第1のビット(0)、第1の長さの第2のビット(1)、第1の長さの第3のビット(1)、長さゼロの第4のビット(0)、第1の長さの第5のビット(1)、第1の長さの第6のビット(1)、すなわちコード011011で表される。また、ゲートID=C+Aは、第1の長さの第1のビット(1)、長さゼロの第2のビット(0)、第1の長さの第3のビット(1)、第1の長さの第4のビット(1)、長さゼロの第5のビット(0)、第1の長さの第6のビット(1)、すなわちコード101で表される。
【0082】
本実施形態によれば、データビットの二重化により信号精度をより向上させることができ、盗難防止用タグでのゲート信号の解析精度を向上させることが可能となる。
【0083】
(実施形態4)
実施形態4では、タグ発報IDの他の構成例を説明する。本実施形態では、スタートビット、ビット=0、ビット=1を周波数の違いによって区別する例を説明する。装置構成等は実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0084】
<タグ発報IDの構成>
図13は、本実施形態に係るタグ発報IDの構成例を示す図である。各ゲートIDは、スタートビットと3ビット(第1〜第3のビット)とで構成されている。盗難防止用タグ10が各盗難防止用ゲート20、30、40の少なくとも1つからゲート信号を受信した場合に応答信号を送信するが、応答信号にはタグ発報IDを含めて送信する。これまでの実施形態のゲートIDの構成例ではビット長を調節することにより、スタートビット、ビット=0、ビット=1を区別していたが、本実施形態に係るタグ発報IDではビット長は任意の長さでよい。
【0085】
ゲートID=Aのゲート信号(コード100)に対応するタグ発報ID=aの応答信号は、f
0kHzのスタートビットと、f
2kHzの第1のビット、f
1kHzの第2のビット、f
1kHzの第3のビットとを有している。f
2kHzのビット=1、f
1kHzのビット=0に対応しており、従ってタグ発報ID=aは、コード100で表される。
【0086】
ゲートID=Bのゲート信号(コード010)に対応するタグ発報ID=bの応答信号は、スタートビットと、f
1kHzの第1のビット、f
2kHzの第2のビット、f
1kHzの第3のビットとを有している。従ってタグ発報ID=bは、コード010で表される。
【0087】
ゲートID=Cのゲート信号(コード001)に対応するタグ発報ID=cの応答信号は、スタートビットと、f
1kHzの第1のビット、f
1kHzの第2のビット、f
2kHzの第3のビットとを有している。従ってタグ発報ID=cは、コード001で表される。
【0088】
ゲートID=A+Bのゲート信号(コード110)に対応するタグ発報ID=dの応答信号は、スタートビットと、f
2kHzの第1のビット、f
2kHzの第2のビット、f
1kHzの第3のビットとを有している。従ってタグ発報ID=dは、コード110で表される。
【0089】
ゲートID=C+Aのゲート信号(コード101)に対応するタグ発報ID=eの応答信号は、スタートビットと、f
2kHzの第1のビット、f
1kHzの第2のビット、f
2kHzの第3のビットとを有している。従ってタグ発報ID=eは、コード101で表される。
【0090】
ゲートID=B+Cのゲート信号(コード011)に対応するタグ発報ID=fの応答信号は、スタートビットと、f
1kHzの第1のビット、f
2kHzの第2のビット、f
2kHzの第3のビットとを有している。従ってタグ発報ID=fは、コード011で表される。
【0091】
f
0kHz、f
1kHz、f
2kHzは相異なる周波数であるが、これらはすべて可聴音領域の周波数であってもよいが、可聴音領域の周波数と超音波領域の周波数とを組み合わせてもよい。例えば、スタートビットを可聴音領域の周波数f
0kHzとし、第1〜第3のビットを超音波領域の周波数f
1kHz、又はf
2kHzとして構成してもよい。
【0092】
本実施形態によれば、タグ発報IDをビット長の違いにより区別するのではなく周波数の違いにより区別することが可能となる。また、スタートビットを可聴音領域の周波数、ID部分を超音波領域の周波数にすることにより、警報音としてはスタートビットの部分しかユーザに聞こえないように構成することができる。すなわち、ユーザにとっては1種類の警報音として認識される。
【0093】
(実施形態5)
実施形態5では、タグ発報IDの他の構成例を説明する。本実施形態では、タグ発報IDをゼロ又は1の組み合わせで表現したコードではなく、周波数の違いによって区別する例を説明する。装置構成等は実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0094】
<タグ発報IDの構成>
図14は、本実施形態に係るタグ発報IDの構成例を示す図である。各ゲートIDは、スタートビットと3ビット(第1〜第3のビット)とで構成されている。盗難防止用タグ10が各盗難防止用ゲート20、30、40の少なくとも1つからゲート信号を受信した場合に応答信号を送信するが、応答信号にはタグ発報IDを含めて送信する。
【0095】
本実施形態では、各タグ発報IDに対して対応する周波数を割り当て、スタートビットに続くID部で当該割り当てられた周波数を発生させる。ID部は、ゲートIDに対応する1つ又は複数の周波数で構成される。
図14(a)では、ゲートID=Aのゲート信号(コード100)に対応するタグ発報ID=aの応答信号は、f
0kHzのスタートビットと、f
1kHzのID部とを有している。ゲートID=Bのゲート信号(コード010)に対応するタグ発報ID=bの応答信号は、f
0kHzのスタートビットと、f
2kHzのID部とを有している。ゲートID=Cのゲート信号(コード001)に対応するタグ発報ID=cの応答信号は、f
0kHzのスタートビットと、f
3kHzのID部とを有している。なお、ID部で発生させる周波数の発生時間は任意の長さでよい。
図14(b)の例では、
図14(a)の発生時間よりも短く構成されている。
【0096】
盗難防止用タグ10が2種類のゲートIDを示すゲート信号を受信した場合は、
図14(c)に示すように、スタートビットに続くID部において、各ゲートIDに対応する2種類の周波数を交互に発生させる。
図14(c)の例では、ゲートID=A+Bのゲート信号(コード110)に対応するタグ発報ID=dの応答信号は、f
0kHzのスタートビットと、f
1kHzのID部とを有し、その後に、f
0kHzのスタートビットと、f
2kHzのID部とを有するように構成されている。ゲートID=C+Aのゲート信号(コード101)に対応するタグ発報ID=eの応答信号は、f
0kHzのスタートビットと、f
1kHzのID部とを有し、その後に、f
0kHzのスタートビットと、f
3kHzのID部とを有するように構成されている。ゲートID=B+Cのゲート信号(コード011)に対応するタグ発報ID=fの応答信号は、f
0kHzのスタートビットと、f
2kHzのID部とを有し、その後に、f
0kHzのスタートビットと、f
3kHzのID部とを有するように構成されている。
【0097】
あるいは、
図14(d)に示すように、スタートビットに続く1つのID部を時分割して、各ゲートIDに対応する2種類の周波数を当該ID部に含めてもよい。
図14(d)の例では、ゲートID=A+Bのゲート信号(コード110)に対応するタグ発報ID=dの応答信号は、f
0kHzのスタートビットと、f
1kHzの第1のID部及びf
2kHzの第2のID部を含むID部とを有するように構成されている。ゲートID=C+Aのゲート信号(コード101)に対応するタグ発報ID=eの応答信号は、f
0kHzのスタートビットと、f
1kHzの第1のID部及びf
3kHzの第2のID部を含むID部とを有するように構成されている。ゲートID=B+Cのゲート信号(コード011)に対応するタグ発報ID=fの応答信号は、f
0kHzのスタートビットと、f
2kHzの第1のID部及びf
3kHzの第2のID部を含むID部とを有するように構成されている。
【0098】
f
0kHz、f
1kHz、f
2kHz、f
3kHzは相異なる周波数である。これらはすべて可聴音領域の周波数であってもよいが、可聴音領域の周波数と超音波領域の周波数とを組み合わせてもよい。例えば、スタートビットを可聴音領域の周波数f
0kHzとし、ID部を超音波領域の周波数f
1kHz、f
2kHz又はf
3kHzとして構成してもよい。
【0099】
本実施形態によれば、タグ発報IDをコードにより区別するのではなく周波数の違いにより区別することが可能となる。また、スタートビットを可聴音領域の周波数、ID部を超音波領域の周波数にすることにより、警報音としてはスタートビットの部分しかユーザに聞こえないように構成することができる。すなわち、ユーザにとっては1種類の警報音として認識される。
【0100】
(実施形態6)
実施形態6では、実施形態1〜5とは異なる別の実施形態を説明する。盗難防止用タグおよび盗難防止用ゲートが実際に使用される店舗では、定常雑音、外来雑音、店内のBGMや音楽、反射や反響音、類似の警報音等、様々な音が発生している。盗難防止用タグから発せられた可聴音である警報音を盗難防止用ゲートが識別してゲート発報を行う場合、盗難防止用タグの警報音を識別する際に誤検知が起こりうる。
【0101】
特に、一般的な可聴音領域の警報音(2〜4kHz)を識別してゲート発報を行うような場合には誤検知・誤発報する可能性が高くなる。また、可聴音領域の警報音を識別してゲート発報を行う場合には、店舗内での反射や反響音に基づく誤検知を回避するために複雑な数値処理が必要になる。そのため、処理に時間がかかりゲート発報までにタイムラグが発生してしまう。一方で、検知精度を向上させた場合、遠方の無関係の盗難防止用タグの警報音を識別してしまい、誤報につながってしまう。
【0102】
そこで、本実施形態では、盗難防止用タグの可聴音領域の警報音に加えて、周囲の雑音等に影響されにくい超音波領域の音を活用することで、従来通り盗難防止用タグの警報音の発報を維持しつつ、盗難防止用ゲートでの誤検知の発生を低減する例を説明する。
【0103】
具体的には、盗難防止用タグ10が、可聴音領域の周波数のビットと、超音波領域の周波数のビットとを含む信号を送信する。装置構成等は実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
図8および
図13を参照して説明した盗難防止用タグ10の信号におけるスタートビットに相当する位置に可聴音領域の周波数の所定長ビットを設け、第1〜第3のビットに相当する位置に超音波領域の周波数の所定長ビットを設ける。盗難防止用ゲート20,30,40が送信した所定の信号を盗難防止用タグ10が受信した場合や、不正に盗難防止用タグ10が取り外された場合に、盗難防止用タグ10は可聴音領域の警報音(断続音)と当該断続音の間に設けられた超音波とを送信する。そして、超音波領域の周波数の信号を盗難防止用ゲート20,30,40が検出したことに応じてゲート発報を行うように構成する。なお、実施形態6に実施形態1〜5で説明したゲートIDを組み合わせて使用してもよい。
【0104】
以上説明したように、超音波領域の周波数を利用することにより、可聴音領域の周波数をゲート発報のために用いる場合に起こりうる、雑音、店舗でのBGMや音楽、反射や反響音の影響を低減することができる。
【0105】
以上、各実施形態について説明したが、これらの一部又は全部を組み合わせることも可能である。
【0106】
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。
【解決手段】盗難防止用ゲートと盗難防止用タグとを含む盗難防止システムであって、盗難防止用ゲートは、ゲートIDを含むゲート信号を送信する送信部と、盗難防止用タグから応答信号を受信する受信部と、応答信号を解析してゲートIDに対応するタグ発報IDが応答信号に含まれているか否かを判定する判定部と、判定部による判定結果に基づいて警報を出力する出力部とを備え、盗難防止用タグは、盗難防止用ゲートからゲート信号を受信する受信部と、受信部により受信されたゲート信号に含まれるゲートIDに対応するタグ発報IDを含む応答信号を生成する生成部と、生成部により生成された応答信号を送信する送信部とを備える。