特許第6081331号(P6081331)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6081331ナビゲーションシステム及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6081331
(24)【登録日】2017年1月27日
(45)【発行日】2017年2月15日
(54)【発明の名称】ナビゲーションシステム及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20170206BHJP
   G01C 21/36 20060101ALI20170206BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20170206BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20170206BHJP
【FI】
   G01C21/26
   G01C21/36
   G09B29/00 A
   G09B29/10 A
【請求項の数】19
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-201129(P2013-201129)
(22)【出願日】2013年9月27日
(65)【公開番号】特開2015-68666(P2015-68666A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2016年2月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(72)【発明者】
【氏名】阿部 誠
【審査官】 白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−298338(JP,A)
【文献】 特開2013−029345(JP,A)
【文献】 特開2005−308542(JP,A)
【文献】 特開2010−281770(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/26
G01C 21/36
G09B 29/00
G09B 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を算出すると共に、設定された目的地までの経路案内を行うナビゲーションシステムであって、
目的地として設定された地点を過去目的地地点として記憶する目的地履歴記憶部と、
目的地履歴部に記憶されている前記過去目的地地点のうちの所定条件を満たす過去目的地地点の全ての位置を含む地理的範囲の地図と、当該地図上に配置した、前記所定条件を満たす過去目的地地点の各々に対応する、各々対応する過去目的地地点の位置を前記地図上で表す過去目的地マークとを含む目的地履歴地図を表示する目的地履歴地図表示部と、
前記目的地地図表示部が表示した目的地履歴地図上で前記過去目的地マークの選定を受け付け、選定された前記過去目的地マークに対応する過去目的地地点の選択を受け付ける地点選択受付部とを有し、
前記目的地履歴地図表示部は、前記目的地履歴地図に含める地図の縮尺を、前記所定条件を満たす過去目的地地点の分布範囲の大きさに応じて、前記所定条件を満たす過去目的地地点の全ての位置を当該地図中に含むように変更することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
請求項1記載のナビゲーションシステムであって、
前記目的地履歴部に記憶されている所定条件を満たす過去目的地地点とは、前記目的地履歴部に記憶されている全ての過去目的地地点であることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項3】
請求項1または2記載のナビゲーションシステムであって、
各地理的区域毎に、前記現在位置が当該地理的区域を出入りした回数を当該地理的区域の走行頻度として記憶する走行頻度記憶部を有し、
前記目的地履歴地図表示部は、前記目的地履歴地図に含める地図を、前記走行頻度記憶部に記憶されている各地理的区域の走行頻度に応じて、走行頻度の大きい前記地理的区域を走行頻度の小さい前記地理的区域よりも強調して表した地図とすることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項4】
請求項3記載のナビゲーションシステムであって、
前記走行頻度記憶部は、同一の地理的範囲について重複して設定した大きさの異なる複数種類の地理的区域各々について、各地理的区域の前記走行頻度を記憶し、
前記目的地履歴地図表示部は、前記地図内の地理的区域の数が所定範囲内になる種類の地理的区域を現用地理的区域に設定し、前記目的地履歴地図に含める地図を、前記走行頻度記憶部に記憶されている各現用地理的区域の走行頻度に応じて、走行頻度の大きい前記現用地理的区域を走行頻度の小さい前記現用地理的区域よりも強調して表した地図とすることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項5】
請求項1、2、3または4記載のナビゲーションシステムであって、
前記目的地履歴地図表示部は、前記目的地履歴地図に含める地図を、前記現在位置を中心とした地図とすることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項6】
請求項1、2、3または4記載のナビゲーションシステムであって、
前記目的地履歴地図表示部は、前記目的地履歴地図に含める地図の範囲が世界全域で無い場合には、当該地図を、前記現在位置を経緯度の両方向について中心とした地図とし、前記目的地履歴地図に含める地図の範囲が世界全域である場合には、当該地図を、経度が前記現在位置の経度に等しく、緯度が0である地点を中心とする地図とすることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5または6記載のナビゲーションシステムであって、
前記目的地履歴地図表示部は、前記目的地履歴地図に含める地図の縮尺を、前記所定条件を満たす過去目的地地点の分布範囲の大きさに応じて、前記所定条件を満たす過去目的地地点の全ての位置を当該地図中に含み、前記過去目的地地点の分布範囲の大きさまたは当該大きさの程度に応じて、前記地図の縮尺が小さくなるように変更することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5、6または7記載のナビゲーションシステムであって、
前記目的地履歴地図表示部は、前記目的地履歴地図として、さらに、前記地図上で現在位置を表す現在位置マークを含めた前記目的地履歴地図を表示することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項9】
請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載のナビゲーションシステムであって、
前記地点選択受付部は、前記目的地地図表示部が表示した前記目的地履歴地図上で指定された位置に最も近い位置に配置されている前記過去目的地マークの選定を受け付けると共に、選定された前記過去目的地マークに対応する過去目的地地点の選択を受け付けることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項10】
請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載のナビゲーションシステムであって、
前記地点選択受付部は、前記目的地地図表示部が表示した前記目的地履歴地図上で指定された位置に所定レベル以上近接する位置に配置されている前記過去目的地マークの選定を受け付け、選定された前記過去目的地マークが複数存在する場合には、当該存在する複数の過去目的地マーク対応する過去目的地地点の一覧を表示し、当該一覧中で指定された過去目的地地点の選択を受け付けることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項11】
請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載のナビゲーションシステムであって、
前記地点選択受付部は、前記目的地地図表示部が表示した目的地履歴地図上で指定された線に所定レベル以上近接する位置に配置されている前記過去目的地マークの選定を受け付け、選定された前記過去目的地マークが複数存在する場合には、当該存在する複数の過去目的地マーク対応する過去目的地地点の一覧を表示し、当該一覧中で指定された過去目的地地点の選択を受け付けることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項12】
請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載のナビゲーションシステムであって、
前記地点選択受付部は、前記目的地地図表示部が表示した目的地履歴地図上で指定された閉図形内に配置されている前記過去目的地マークが複数存在する場合には、当該存在する複数の過去目的地マーク対応する過去目的地地点の一覧を表示し、当該一覧中から選定された過去目的地地点の選択を受け付けることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項13】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12記載のナビゲーションシステムであって、
前記地点選択受付部が選択を受け付けた過去目的地地点を目的地に設定する目的地設定部を有することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項14】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13記載のナビゲーションシステムであって、
前記目的地履歴記憶部は、WAN上のサーバに配置され、当該ナビゲーションシステムのユーザが使用する複数のナビゲーションシステムによって共用されることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項15】
コンピュータによって読み取られ実行されるコンピュータプログラムであって、
当該コンピュータプログラムは、
前記コンピュータを、
現在位置を算出する現在位置算出部と、
設定された目的地までの経路案内を経路案内部と、
目的地として設定された地点を過去目的地地点として記憶する目的地履歴記憶部と、
目的地履歴記憶部に記憶されている過去目的地地点のうちの所定条件を満たす過去目的地地点の全ての位置を含む地理的範囲の地図と、当該地図上に配置した、前記所定条件を満たす過去目的地地点の各々に対応する、各々対応する過去目的地地点の位置を前記地図上で表す過去目的地マークとを含む目的地履歴地図を表示する目的地履歴地図表示部と、
前記目的地地図表示部が表示した目的地履歴地図上で前記過去目的地マークの選定を受け付け、選定された前記過去目的地マークに対応する過去目的地地点の選択を受け付ける地点選択受付部として機能させるコンピュータプログラムであって、
前記目的地履歴地図表示部は、前記目的地履歴地図に含める地図の縮尺を、前記所定条件を満たす過去目的地地点の分布範囲の大きさに応じて、前記所定条件を満たす過去目的地地点の全ての位置を当該地図中に含むように変更することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項16】
請求項15記載のコンピュータプログラムであって、
前記目的地履歴記憶部に記憶されている所定条件を満たす過去目的地地点とは、前記目的地履歴記憶部に記憶されている全ての過去目的地地点であることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項17】
請求項15または16記載のコンピュータプログラムであって、
前記目的地履歴地図表示部は、前記目的地履歴地図に含める地図を、前記現在位置を中心とした地図とすることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項18】
請求項15または16記載のコンピュータプログラムであって、
前記目的地履歴地図表示部は、前記目的地履歴地図に含める地図の範囲が世界全域で無い場合には、当該地図を、前記現在位置を経緯度の両方向について中心とした地図とし、前記目的地履歴地図に含める地図の範囲が世界全域である場合には、当該地図を、経度が前記現在位置の経度に等しく、緯度が0である地点を中心とする地図とすることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項19】
請求項15、16、17または18記載のコンピュータプログラムであって、
前記目的地履歴地図表示部は、前記目的地履歴地図として、さらに、前記地図上で現在位置を表す現在位置マークを含めた前記目的地履歴地図を表示することを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地として設定された地点までの経路案内を行うナビゲーションシステムにおいて、過去に目的地として設定された地点のうちからのユーザの所望の地点の選択を支援する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーションシステムにおいて、目的地として設定された地点までの経路案内を行うナビゲーションシステムにおいて、過去に目的地として設定された地点のうちからのユーザの所望の地点の選択を支援する技術としては、目的地として設定された地点を目的地履歴として記憶しておき、ユーザから目的地履歴検索を指示されたときに、目的地履歴として記憶されている地点を現在位置に近い順や、目的地に設定された日時の順に並べた一覧を表示し、一覧中で選択された地点を目的地に設定する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-013428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
目的地履歴として記憶されている地点の一覧を表示する場合には、目的地履歴として記憶されている地点の数が多くなると、所望の地点を一覧中から見つけ出すことが困難となる。たとえば、上述のように目的地履歴として記憶されている地点を現在位置に近い順に並べた一覧を用いる場合には、現在位置に近い地点については容易に見つけ出すことは可能であるが、現在位置から離れた地点については、却って見つけ出すことが困難となる。
【0005】
そこで、本発明は、本発明は、目的地として設定された地点までの経路案内を行うナビゲーションシステムにおいて、目的地履歴として記憶されている地点の数が多い場合でも、過去に目的地に設定した地点のうちから、任意の位置にある所望の地点を容易に選択できるようにユーザを支援することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題達成のために、本発明は現在位置を算出すると共に、設定された目的地までの経路案内を行うナビゲーションシステムに、目的地として設定された地点を過去目的地地点として記憶する目的地履歴記憶部と、目的地履歴部に記憶されている前記過去目的地地点のうちの所定条件を満たす過去目的地地点の全ての位置を含む地理的範囲の地図と、当該地図上に配置した、前記所定条件を満たす過去目的地地点の各々に対応する、各々対応する過去目的地地点の位置を前記地図上で表す過去目的地マークとを含む目的地履歴地図を表示する目的地履歴地図表示部と、前記目的地地図表示部が表示した目的地履歴地図上で前記過去目的地マークの選定を受け付け、選定された前記過去目的地マークに対応する過去目的地地点の選択を受け付ける地点選択受付部とを備えたものである。
【0007】
ここで、このナビゲーションシステムにおいて、前記目的地履歴部に記憶されている所定条件を満たす過去目的地地点を、前記目的地履歴部に記憶されている全ての過去目的地地点としてもよい。
ここで、以上のナビゲーションシステムは、当該ナビゲーションシステムに、さらに、各地理的区域毎に、前記現在位置が当該地理的区域を出入りした回数を当該地理的区域の走行頻度として記憶する走行頻度記憶部を設け、前記目的地履歴地図表示部において、前記目的地履歴地図に含める地図を、前記走行頻度記憶部に記憶されている各地理的区域の走行頻度に応じて、走行頻度の大きい前記地理的区域を走行頻度の小さい前記地理的区域よりも強調して表した地図とするようにしてもよい。
【0008】
また、この場合には、前記走行頻度記憶部において、同一の地理的範囲について重複して設定した大きさの異なる複数種類の地理的区域各々について、各地理的区域の前記走行頻度を記憶し、前記目的地履歴地図表示部において、前記地図内の地理的区域の数が所定範囲内になる種類の地理的区域を現用地理的区域に設定し、前記目的地履歴地図に含める地図を、前記走行頻度記憶部に記憶されている各現用地理的区域の走行頻度に応じて、走行頻度の大きい前記現用地理的区域を走行頻度の小さい前記現用地理的区域よりも強調して表した地図とするようにしてもよい。
ここで、これらのナビゲーションシステムは、前記目的地履歴地図表示部において、前記目的地履歴地図に含める地図を、前記現在位置を中心とした地図とするように構成してもよい。
【0009】
また、以上のナビゲーションシステムは、前記目的地履歴地図表示部において、前記目的地履歴地図に含める地図の範囲が世界全域で無い場合には、当該地図を、前記現在位置を経緯度の両方向について中心とした地図とし、前記目的地履歴地図に含める地図の範囲が世界全域である場合には、当該地図を、経度が前記現在位置の経度に等しく、緯度が0である地点を中心とする地図とするようにしてもよい。
【0010】
また、以上のナビゲーションシステムは、前記目的地履歴地図表示部は、前記目的地履歴地図に含める地図の縮尺を、前記所定条件を満たす過去目的地地点の分布範囲の大きさに応じて、前記所定条件を満たす過去目的地地点の全ての位置を当該地図中に含み、前記過去目的地地点の分布範囲の大きさまたは当該大きさの程度に応じて、前記地図の縮尺が小さくなるように変更することが好ましい。
また、以上のナビゲーションシステムは、前記目的地履歴地図表示部において、前記目的地履歴地図として、さらに、前記地図上で現在位置を表す現在位置マークを含めた前記目的地履歴地図を表示するように構成してもよい。
【0011】
ここで、以上のナビゲーションシステムは、前記地点選択受付部において、前記目的地地図表示部が表示した前記目的地履歴地図上で指定された位置に最も近い位置に配置されている前記過去目的地マークの選定を受け付けると共に、選定された前記過去目的地マークに対応する過去目的地地点の選択を受け付けるように構成してもよい。
また、以上のナビゲーションシステムは、前記地点選択受付部において、前記目的地地図表示部が表示した前記目的地履歴地図上で指定された位置に所定レベル以上近接する位置に配置されている前記過去目的地マークの選定を受け付け、選定された前記過去目的地マークが複数存在する場合には、当該存在する複数の過去目的地マーク対応する過去目的地地点の一覧を表示し、当該一覧中で指定された過去目的地地点の選択を受け付けるように構成してもよい。
【0012】
また、以上のナビゲーションシステムは、前記地点選択受付部において、前記目的地地図表示部が表示した目的地履歴地図上で指定された線に所定レベル以上近接する位置に配置されている前記過去目的地マークの選定を受け付け、選定された前記過去目的地マークが複数存在する場合には、当該存在する複数の過去目的地マーク対応する過去目的地地点の一覧を表示し、当該一覧中で指定された過去目的地地点の選択を受け付けるように構成してもよい。
【0013】
また、以上のナビゲーションシステムは、前記地点選択受付部において、前記目的地地図表示部が表示した目的地履歴地図上で指定された閉図形内に配置されている前記過去目的地マークが複数存在する場合には、当該存在する複数の過去目的地マーク対応する過去目的地地点の一覧を表示し、当該一覧中から選定された過去目的地地点の選択を受け付けるように構成してもよい。
【0014】
また、以上のナビゲーションシステムには、前記地点選択受付部が選択を受け付けた過去目的地地点を目的地に設定する目的地設定部を備えるようにしてもよい。
また、以上のナビゲーションシステムにおいて、前記目的地履歴部は、WAN上のサーバに配置され、当該ナビゲーションシステムのユーザが使用する複数のナビゲーションシステムによって共用されるものであってもよい。
以上のようなナビゲーションシステムによれば、過去に目的地として設定された地点を過去目的地地点として記憶し、地図上で過去目的地マークによって表した目的地履歴地図を表示し、目的地履歴地図上で前記過去目的地マークの選定を受け付け、選定された前記過去目的地マークに対応する地点の選択を受け付ける。
【0015】
よって、過去目的地地点の数が多い場合でも、ユーザは、目的地履歴地図から任意の位置にある所望の過去目的地地点を容易に選択できるようになる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、目的地として設定された地点までの経路案内を行うナビゲーションシステムにおいて、目的地履歴として記憶されている地点の数が多い場合でも、過去に目的地に設定した地点のうちから、任意の位置にある所望の地点を容易に選択できるようにユーザを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係るナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係る施設テーブルと目的地履歴テーブルを示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る走行頻度データを示す図である。
図4】本発明の実施形態に係るナビゲーションシステムの表示例を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る目的地履歴表示処理を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態に係る目的地履歴表示処理の表示例を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係る目的地履歴表示処理の表示例を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係る目的地履歴表示処理の表示例を示す図である。
図9】本発明の実施形態に係る目的地履歴表示処理の表示例を示す図である。
図10】本発明の実施形態に係る目的地履歴表示処理の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係るナビゲーションシステムの構成を示す。
図示するように、ナビゲーションシステムは、ナビゲーション装置1と、操作部2と、表示装置3と、車両状態センサ4と、GPS受信機5とを備えて構成される。ここで、車両状態センサ4は、角加速度センサや地磁気センサなどである方位センサや、車速パルスセンサなどである車速センサなどの、車両状態を検出する各種センサである。
【0019】
そして、ナビゲーション装置1は、現在状態算出部11、ルート探索部12、地図を表す地図データ等を記憶した記憶装置13、メモリ14、制御部15、案内画像生成部16、操作部2や表示装置3を用いたGUIをユーザに提供するGUI制御部17を有する。
但し、以上のナビゲーション装置1は、ハードウエア的には、マイクロプロセッサや、メモリや、その他のグラフィックプロセッサやジオメトリックプロセッサ等の周辺デバイスを有する一般的な構成を備えたCPU回路であって良く、この場合、以上に示したナビゲーション装置1の各部は、マイクロプロセッサが予め用意されたプログラムを実行することにより具現化するプロセスとして実現されるものであって良い。また、この場合、このようなプログラムは、記録媒体や適当な通信路を介して、ナビゲーション装置1に提供されるものであって良い。
【0020】
さて、このような構成において、記憶装置13には、地図データの他、施設テーブルも記憶されている。
図2aに示すように、施設テーブルは、複数の施設の各々毎に設けられたエントリ(図の各行)を有し、各エントリには、施設の識別子となる施設番号と、施設の名称を表す施設名称と、施設の娯楽施設、名所/史跡、レストラン、ストアといった種別を表す施設ジャンルと、施設の位置を表す施設座標と、電話番号などのその他の施設の詳細な情報を表す施設詳細情報とが登録されている。
【0021】
次に、本実施形態において、記憶装置13またはメモリ14に保持する目的地履歴テーブルについて説明する。
図2bに示すように、目的地履歴テーブルには、現在までに目的地に設定された地点毎に対応して設けたエントリ(図の各行)を有する。
そして、各エントリには、対応する地点が目的地に設定された日時を表す設定日時、対応する地点の位置を表す地点座標、対応する地点の名称を表す地点名称、対応する地点の種別を表す地点ジャンル、対応施設番号が登録される。ただし、対応施設番号は、対応する地点が施設テーブルにエントリが登録されている施設である場合に登録されるものであり、その施設の施設番号を表す。
【0022】
次に、本実施形態において、記憶装置13またはメモリ14に保持する
る走行頻度データについて説明する。
図3に示すように、走行頻度データは、縮尺レベル1走行頻度テーブルと、縮尺レベル2走行頻度テーブルを含んでいる。
縮尺レベル1走行頻度テーブルは、地図データの地図が表す地理的範囲を、所定の大きさの地理的範囲毎に区分して得られる、各地理的区域である縮尺1レベルメッシュの各々毎に対応して設けたエントリ(図の各行)を有し、各エントリには、対応する縮尺1レベルメッシュの識別を表すメッシュ番号と、出入回数とが登録される。
【0023】
また、縮尺レベル2走行頻度テーブルは、地図データの地図が表す地理的範囲を、縮尺1レベルメッシュよりも小さな所定の大きさの地理的範囲毎に区分して得られる各地理的区域である縮尺2レベルメッシュの各々毎に対応して設けたエントリ(図の各行)を有し、各エントリには、対応する縮尺2レベルメッシュの識別を表すメッシュ番号と、出入回数とが登録される。
【0024】
ここで、縮尺2レベルメッシュは、たとえば、縮尺1レベルメッシュを緯度経度方向にそれぞれ10個から100個程度に分割したものとする。
さて、図1に戻り、このような構成において、ナビゲーション装置1の現在状態算出部11は、以下の処理を繰り返し行う。
すなわち、現在状態算出部11は、車両状態センサ4やGPS受信機5の出力から推定される現在位置に対して、記憶装置13から読み出した地図データが示す、前回決定した現在位置の周辺の地図とのマップマッチング処理などを施して、現在位置として最も確からしい座標と、現在の進行方向として最も確からしい方向とを、それぞれ現在位置、現在進行方位として算出し、メモリ14に設定する。
【0025】
制御部15は、現在状態算出部11が算出した現在位置を監視し、現在位置が縮尺レベル1メッシュの境界を通過したならば、通過前の現在位置が含まれる縮尺レベル1メッシュのメッシュ番号が登録された縮尺レベル1走行頻度テーブルのエントリの出入回数を1増加すると共に、通過後の現在位置が含まれる縮尺レベル1メッシュのメッシュ番号が登録された縮尺レベル1走行頻度テーブルのエントリの出入回数を1増加する。
【0026】
また、制御部15は、現在位置が縮尺レベル2メッシュの境界を通過したならば、通過前の現在位置が含まれる縮尺レベル2メッシュのメッシュ番号が登録された縮尺レベル2走行頻度テーブルのエントリの出入回数を1増加すると共に、通過後の現在位置が含まれる縮尺レベル2メッシュのメッシュ番号が登録された縮尺レベル2走行頻度テーブルのエントリの出入回数を1増加する。
【0027】
ここで、メッシュへの出入回数は、そのメッシュの走行頻度が大きいほど大きくなるものと考えられるので、メッシュへの出入回数を当該メッシュの走行頻度として見なすことができる。したがって、以上のようにメッシュ単位でメッシュへの出入回数を管理することにより、より少ないデータ量で効率的に各地域の走行頻度を管理することができるようになる。
【0028】
また、制御部15は、ユーザの目的地設定要求に応じて、ユーザから操作部2、GUI制御部17を介して目的地の設定を受け付け、これをメモリ14にセットすると共に、目的地にセットした地点の情報を目的地履歴テーブルに登録する。ここで、ユーザからの目的地の設定の受付や、目的地履歴テーブルへの目的地にセットした地点の情報の登録の詳細については後述する。
【0029】
そして、制御部15は、目的地の設定を受け付けた後に、ルート探索をユーザから指示されたならば、メモリ14にセットされた目的地までのルートをルート探索部12に探索させる。
ルート探索部12は、必要地理的範囲の地図データを記憶装置13から読み出し、メモリ14に設定されている現在位置から目的地までのルートを所定の探索アルゴリズムによって探索し、探索したルートを誘導ルートに設定し、誘導ルートの経路データをメモリ14にセットする
また、制御部15は、メモリ14にセットされた現在位置が目的地近傍となったならば、目的地到着と判定し、メモリ14にセットされている目的地と誘導ルートをクリアする処理も行う。
【0030】
また、制御部15は、以下の案内画像生成処理を繰り返す。
すなわち、制御部15は、メモリ14にセットされた現在進行方位、または、北方向が上になるように表示方位に決定し、予め成されたユーザ設定や初期設定に応じて地図縮尺を決定し、現在位置を基準とした現在位置周辺の、決定した表示方位と決定した地図縮尺とに応じて定まる所定の大きさの地理的範囲を地図表示範囲として決定する。
【0031】
そして、案内画像生成部16に、決定した地図表示範囲中の地図データに基づく地図上に、当該地図上でメモリ14にセットされた現在位置に対応する地図上の位置への現在位置マークを描画した案内画像の生成を行わせる。また、制御部15は、誘導ルートの経路データがメモリ14にセットされている場合には、案内画像生成部16に、決定した地図表示範囲中の、地図上で誘導ルートを表す誘導ルート図形を案内画像中に描画させる。また、制御部15は、メモリ14にセットされた目的地が地図表示範囲に含まれる場合、地図上で目的地の位置を示す目的地マークも案内画像生成部16に案内画像中に描画させる。
【0032】
一方、案内画像生成部16は、制御部15の制御に従って、以上の各描画を行って案内画像を生成し、GUI制御部17を介して表示装置3に表示する。
図4に、このようにして表示装置3に表示される案内画像を示す。
図示するように案内画像200は、現在位置周辺の範囲である地図表示範囲内の地図を表す地図画像201上に、現在位置を表す現在位置マーク202や、誘導ルートを表す誘導ルート図形203が表示されたものとなる。
以下、前述したユーザからの目的地の設定の受付や、目的地履歴テーブルへのセットした目的地の情報の登録について説明する。
制御部15は、目的地の設定の受付を3つの態様で受け付けることができる。
目的地の設定の受付の第1の態様は以下の通りである。
すなわち、図4に示した案内画像200の地図201上の地点がユーザによって操作部2を介して指定された後に目的地設定をユーザから指示されたならば、制御部15は、指定された地点の座標を目的地に設定し、目的地履歴テーブルに新たなエントリを作成し、作成したエントリに、 現在日時を設定日時として、目的地に設定した地点の座標を地点座標として、地図データを参照して求まる対応する地点の住所を地点名称として登録する。
【0033】
次に、目的地の設定の受付の第2の態様は以下の通りである。
すなわち、ユーザによって操作部2を介して施設検索を指示したならば、制御部15は適当な検索条件受付ウインドウを表示装置3に表示して、ユーザから施設名称や施設ジャンルなどの検索条件を受け付ける。そして、その後、ユーザから検索実行を指示されたならば、受け付けた検索条件にマッチする施設のエントリを施設テーブルから検索し、検索したエントリの施設名称の一覧を表示装置3に表示する。そして、一覧上での施設名称の選択と、目的地への設定がユーザによって指示されたならば、施設テーブルの選択された施設名称のエントリの施設座標を目的地に設定する。また、目的地履歴テーブルに新たなエントリを作成し、作成したエントリに、 現在日時を設定日時として、選択された施設名称のエントリの施設座標を地点座標として、選択された施設名称のエントリの施設名称を地点名称として、選択された施設名称のエントリの施設ジャンルを地点ジャンルとして、選択された施設名称のエントリの施設番号を対応施設番号として登録する。
【0034】
次に、目的地の設定の受付の第3の態様は以下の通りである。
すなわち、制御部15は、ユーザから目的地履歴検索を操作部2を介して指示されると、図5に示す目的地履歴表示処理を実行する。
図示するように、この処理では、まず、現在位置を中心とする地図であって、目的地履歴テーブルのエントリに登録されている地点座標の全てを地図中に含むことのできる、できるだけ大きな地図縮尺の地図600上に、現在位置と、目的地履歴テーブルのエントリに登録されている全ての地点とを表した目的地履歴地図を表示装置3に表示する(ステップ502)。
【0035】
ここで、図6a、bは、このようにして表示される目的地履歴地図を表したものであり、図6aは目的地履歴テーブルのエントリに登録されている地点が比較的広い地理的範囲に分布している場合の目的地履歴地図を、図6bは目的地履歴テーブルのエントリに登録されている地点が比較的狭い地理的範囲に分布している場合の目的地履歴地図を表している。
【0036】
ここで、図示するように、目的地履歴テーブルのエントリに登録されている地点座標の全てを地図600中に含めるために、目的地履歴テーブルのエントリに登録されている地点が比較的広い地理的範囲に分布している場合の目的地履歴地図は地図600の地図縮尺は小さく、目的地履歴テーブルのエントリに登録されている地点が比較的狭い地理的範囲に分布している場合の目的地履歴地図は地図600の地図縮尺は大きくする。
なお、目的地履歴地図の地図縮尺は、目的地履歴地図の用いることのできる地図縮尺が複数の地図縮尺に限定されている場合には、当該複数の地図縮尺のうちで、目的地履歴テーブルのエントリに登録されている地点座標の全てを地図600中に含むことのできる最大の地図縮尺とするようにしてよい。
【0037】
また、目的履歴地図は、地図600上で、現在地マーク601で現在位置を、目的地履歴テーブルのエントリに登録されている地点毎に設けた過去目的地マーク602で目的地履歴テーブルのエントリに登録されている地点を表したものとなっている。
ただし、目的地履歴地図は、図7a、bに示すように、縮尺レベル1メッシュや縮尺レベル2メッシュのいずれかを、目的地履歴地図の地図縮尺に応じて現用メッシュとして選択し、目的地履歴地図の各現用メッシュを、縮尺レベル1走行頻度テーブルまたは縮尺レベル2走行頻度テーブルのエントリのいずれかとなる、当該現用メッシュのメッシュ番号が登録されているエントリの出入回数に応じた表示形態で表示するようにしてもよい。
【0038】
ここで、現用メッシュは、目的地履歴地図内の現用メッシュ数が、所定の上限値を超えないように、目的地履歴地図の地図縮尺に応じて、縮尺レベル1メッシュと縮尺レベル2メッシュとのいずれかを選択する。
たとえば、図7aに示すように目的地履歴地図の地図縮尺が小さい場合には、現用メッシュとして縮尺レベル2メッシュを用いると目的地履歴地図内の現用メッシュ数が大きくなりすぎるため、現用メッシュとしては縮尺レベル1メッシュを用いる。
そして、図7aでは、目的地履歴地図内の縮尺レベル1メッシュの各々を、そのメッシュに対応する出入回数に応じて、出入回数が大きいほど強調される形態で表示している。ここで、図示した例では、目的地履歴地図内の縮尺レベル1メッシュの各々の輝度を、出入回数が小さいほど小さくすることにより、目的地履歴地図内の出入回数が大きい縮尺レベル1メッシュを強調して表示している。
【0039】
一方、図7bに示すように目的地履歴地図の地図縮尺が大きい場合には、現用メッシュとして縮尺レベル2メッシュを用いても、目的地履歴地図内の現用メッシュ数が大きくなりすぎることはないため、現用メッシュとしては縮尺レベル2メッシュを用いる。
そして、目的地履歴地図内の縮尺レベル2メッシュの各々を、そのメッシュに対応する出入回数に応じて、出入回数が大きいほど強調される形態で表示する。ここで、図示した例においても、目的地履歴地図内の縮尺レベル1メッシュの各々の輝度を、出入回数が小さいほど小さくすることにより、目的地履歴地図内の出入回数が大きい縮尺レベル1メッシュを強調して表示している。
【0040】
なお、現用メッシュとして縮尺レベル1メッシュと縮尺レベル2メッシュのいずれを用いるかは、目的地履歴地図の地図縮尺の範囲毎に、目的地履歴地図内の現用メッシュ数が所定範囲内に収まるように予め定めておく。
なお、本実施形態では、縮尺1レベルメッシュと縮尺2レベルメッシュの二種類の大きさの異なるメッシュのみを用いたが、メッシュとしては一種類のメッシュまたは三種類以上の大きさの異なるメッシュを用いるようにしてもよい。
以上のように目的地履歴地図において、各メッシュを、そのメッシュに対応する出入回数に応じて、出入回数が大きいほど強調される形態で表示することにより、ユーザは自身の各地域の走行頻度を考慮して、所望の地点の過去目的地マーク602を探し出すことができるようになる。
【0041】
さて、図5に戻り、このようにして目的地履歴地図を表示したならば、図6a、b、図7a、bに示すように、目的地履歴地図と共に表示した広域ボタン603、詳細ボタン604によるユーザの地図縮尺変更操作の発生(ステップ504)と、ユーザによる操作部2を用いた目的地履歴地図上の位置の指定の発生(ステップ506)とを監視する。
【0042】
そして、ユーザの地図縮尺変更操作が発生した場合には(ステップ504)、目的地履歴地図の地図600の地図縮尺を変更し(ステップ508)、ステップ504、506の監視に戻る。
一方、ユーザによる目的地履歴地図上の位置の指定が発生した場合には(ステップ506)、指定された位置から所定距離(たとえば、数cm)以内に配置されている過去目的地マーク602が存在するかどうかを調べ(ステップ510)、存在しない場合には、指定された位置が地図の中心となるように目的地履歴地図をスクロールし(ステップ526)、ステップ504、506の監視に戻る。
【0043】
一方、指定された位置から所定距離以内に配置されている過去目的地マーク602が存在する場合には(ステップ510)、存在した過去目的地マーク602が一つであるかどうかを調べ(ステップ512)、一つであれば、存在した過去目的地マーク602が表す地点を対象地点として、目的地履歴テーブルの対象地点のエントリに登録されている地点名称を表示すると共に(ステップ514)、対象地点に対する処理の選択を受け付ける(ステップ516)。ここで、対象地点に対する処理としては、対象地点の目的地への設定の処理と、対象地点の情報の表示とを受け付ける。
【0044】
すなわち、たとえば、図8aに示すように、ユーザによって指定された位置701の近くに、一つの過去目的地マーク711しか表示されていない場合には、過去目的地マーク711が位置を表す地点を対象地点として、対象地点の地点名称721を表したウインドウ720を表示し、ウインドウ720に設けた「目的地設定」ボタン722で対象地点の目的地への設定の処理の選択を、「情報を見る」ボタン723で対象地点の情報の表示の処理の選択を受け付ける。
【0045】
図5に戻り、以上のようにして、処理の選択を受け付けたならば(ステップ516)、対象地点に対して選択された処理を実行し(ステップ518)、表示装置3の表示を案内画像200の表示に復帰し(ステップ520)、目的地履歴表示処理を終了する。
ここで、対象地点に対する目的地への設定の処理では、目的地履歴テーブルの対象地点のエントリに登録されている地点座標を目的地に設定すると共に、目的地履歴テーブルに新しいエントリを作成し、目的地履歴テーブルの対象地点のエントリの地点座標、地点名称、地点ジャンル、対応施設番号を作成したエントリにコピーすると共に、作成したエントリに 現在日時を設定日時として登録する処理を行う。
【0046】
また、対象地点に対する対象地点の情報の表示の処理では、対象地点付近の地図の拡大表示を行ったり、目的地履歴テーブルの対象地点のエントリに登録されている対象施設番号の、施設テーブルのエントリに登録されている施設詳細情報を表示したり、対象地点の目的地への設定の処理の実行指示を受け付けて対象地点の目的地への設定の処理を行ったりする処理を行う。
【0047】
一方、目的地履歴画像上でユーザによって指定された位置から所定距離以内に配置されている過去目的地マーク602が複数存在する場合には(ステップ510)、存在した各過去目的地マーク602が表す地点の各々を対象候補地点として、目的地履歴テーブルの対象候補地点のエントリに登録されている地点名称の一覧を表示すると共に(ステップ522)、一覧中からの対象地点とする対象候補地点の地点名称の選択と、対象地点に対する処理の選択を受け付ける(ステップ524)。
【0048】
すなわち、たとえば、図8bに示すように、ユーザによって指定された位置751の近くに、複数の過去目的地マーク761、762が表示されている場合には、過去目的地マーク761、762が位置を表す各地点を対象候補地点として、対象候補地点の地点名称の一覧771を表したウインドウ770を表示し、一覧771中の各対象候補地点の地点名称に対して設けた「目的地」ボタン772で対象地点とする対象候補地点の選択と目的地への設定の処理の選択を受け付け、一覧771中の各対象候補地点の地点名称に対して設けた「情報」ボタン773で対象地点とする対象候補地点の選択と対象地点の情報の表示の処理の選択を受け付ける。
【0049】
図5に戻り、以上のようにした、地点名称の選択と処理の選択を受け付けたならば(ステップ524)、選択された対象地点に対して選択された処理を実行し(ステップ518)、表示装置3の表示を案内画像200の表示に復帰し(ステップ520)、目的地履歴表示処理を終了する。
【0050】
以上、制御部15が行う目的地履歴表示処理について説明した。
ところで、以上の目的地履歴表示処理では、目的地履歴画像上のユーザによって指定された位置に近い過去目的地マーク602が位置を表す地点を対象地点や対象候補地点として受け付けるようにしたが、これは、他の手法によって、ユーザから、対象地点や対象候補地点を受け付けるようにしてもよい。
【0051】
すなわち、たとえば、図9aに示すように、ユーザから目的地履歴画像上へ線901を描く操作を受け付け、線901から所定距離内にある過去目的地マーク602を抽出し、抽出した過去目的地が一つであれば、その過去目的地マーク602が表す地点を対象地点として受け付け、抽出した過去目的地マーク602が複数であれば、各過去目的地マーク602が表す地点の各々を対象候補地点として受け付けるようにしてもよい。
【0052】
または、たとえば、図9bに示すように、ユーザから目的地履歴画像上への閉じた図形902を描く操作を受け付け、図形902で囲まれる範囲内にある過去目的地マーク602を抽出し、抽出した過去目的地が一つであれば、その過去目的地マーク602が表す地点を対象地点として受け付け、抽出した過去目的地マーク602が複数であれば、各過去目的地マーク602が表す地点の各々を対象候補地点として受け付けるようにしてもよい。
【0053】
以上、本発明の実施形態について説明した。
ところで、以上の実施形態では、目的地履歴テーブルのエントリに登録されている全ての地点を目的地履歴地図上に過去目的地マーク602によって表示するようにしたが、これは、目的地履歴テーブルのエントリに登録されている所定の条件を満たす地点についてのみ、目的地履歴地図上に過去目的地マーク602によって表示するようにしてもよい。すなわち、たとえば、目的地履歴テーブルのエントリに登録されている設定日時が新しいものより所定数の地点を選定して、選定した地点についてのみ、目的地履歴地図上に過去目的地マーク602によって表示したり、目的地履歴テーブルのエントリに登録されている設定日時が現在日時から所定期間以内の地点を選定して、選定した地点についてのみ、目的地履歴地図上に過去目的地マーク602によって表示したり、目的地履歴テーブルのエントリに登録されている地点座標が現在位置から所定距離内の地点を選定して、選定した地点についてのみ、目的地履歴地図上に過去目的地マーク602によって表示したりするようにしてよい。
【0054】
なお、これらの場合には、目的地履歴地図の地図としては、当該目的地履歴地図上に過去目的地マーク602によって表示する地点の地点座標の全てを地図中に含むことのできる、できるだけ大きな地図縮尺の地図を用いるようにする。ただし、上述のように目的地履歴地図の地図縮尺は、目的地履歴地図の用いることのできる地図縮尺が複数の地図縮尺に限定されている場合には、当該複数の地図縮尺のうちで、当該目的地履歴地図上に過去目的地マーク602によって表示する地点の地点座標の全てを地図中に含むことのできる最大の地図縮尺としてよい。
または、目的地履歴地図の地図600は、予めユーザから目的地履歴地図の地図縮尺を固定的に特定の地図縮尺で表示することが設定されている場合には、当該特定の地図縮尺の現在位置を中心とする地図とするようにしてもよい。
【0055】
また、以上の実施形態は、自動車に搭載されるナビゲーションシステムへの適用を例にとり説明したが、本実施形態は、スマートフォンやタブレット装置などのナビゲーション機能を備えたポータブル装置にも同様に適用可能である。
また、以上の実施形態では、目的地履歴テーブルをナビゲーションシステムにローカルに保存し、ナビゲーションシステムのみで利用する場合について説明したが、目的地履歴テーブルを、インターネットなどのWAN上のサーバに記憶し、サーバに記憶した目的地履歴テーブルを、同じユーザが使用する複数のナビゲーションシステムやナビゲーション機能を備えたポータブル装置で共用するようにしてもよい。
【0056】
すなわち、この場合には、ユーザが使用するナビゲーションシステムや、ナビゲーション機能を備えたポータブル装置などの複数の装置に、移動通信網などを介してWAN上のサーバにアクセスする機能を設け、各装置においてWAN上のサーバの目的地履歴テーブルを共用して、以上の実施形態で示した処理を行うようにする。
【0057】
このようにすることにより、ユーザは、使用している装置に関わらずに、自身が過去に目的地として設定した地点を、目的地等として容易に選択することができる。
また、以上の実施形態では、目的地履歴地図を現在位置を中心とする地図としたが、これは必ずしも目的地履歴地図を現在位置を中心とした地図としなくてもよい。
すなわち、たとえば、目的地履歴地図の表示範囲がメルカトル図法やミラー図法による世界地図となる場合にのみ、図10に示すように現在位置の経度と、緯度0を経緯度座標とする地点を中心位置とする地図を目的地履歴地図として用いるようにしてもよい。
【0058】
または、目的地履歴地図としては、現在位置を中心としない、目的地履歴テーブルのエントリに登録されている地点座標の全てを地図中に含むことのできる最小地理的範囲の地図を用いるようにしてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、過去に目的地として設定された地点を目的地履歴テーブルに記憶すると共に、地図上で過去に目的地として設定された地点を過去目的地マーク602によって表した目的地履歴地図を表示し、目的地履歴地図上で指定を受け付けた位置に応じて前記過去目的地マーク602を選定し、選定した過去目的地マーク602に対応する地点の選択を受け付ける。
【0059】
よって、目的地履歴テーブルに記憶されている過去に目的地として設定された地点の数が多い場合でも、ユーザは、目的地履歴地図から任意の位置にある所望の地点を容易に選択できるようになる。
【符号の説明】
【0060】
1…ナビゲーション装置、2…操作部、3…表示装置、4…車両状態センサ、5…GPS受信機、11…現在状態算出部、12…ルート探索部、13…記憶装置、14…メモリ、15…制御部、16…案内画像生成部、17…GUI制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10