(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
マルチメディアコンテンツを出力するためのユーザコマンドがローカル再生システムによって検知されるときに、モバイルデバイスのコントローラはモバイルデバイス上でマルチメディアコンテンツを再生している、請求項1に記載の方法。
さらに、モバイルデバイス内に存在するアプリケーションによって、マルチメディアコンテンツおよびマルチメディアコンテンツの現在の再生ポジションに関する情報をローカル再生システム上の少なくとも1つの再生デバイスに提供するステップを含み、
マルチメディアコンテンツを再生するステップは、アプリケーションによって提供される現在の再生ポジションから再生を行うステップを含む、請求項2に記載の方法。
マルチメディアコンテンツは、当該マルチメディアコンテンツのコンテンツプロバイダに関連付けられたアプリケーションを介してゾーングループの再生デバイスにストリーミングされる、請求項1に記載の方法。
コンテンツプロバイダからマルチメディアコンテンツを取得する少なくとも1つの再生デバイスは、ストリーミングマルチメディアコンテンツにタイミング情報を追加することで、ゾーングループの複数の再生デバイスによるマルチメディアコンテンツの同期再生を可能にする、請求項1から4のいずれか1つに記載の方法。
さらに、インジケータの選択に応じて、ローカル再生コントローラアプリケーションを開始するステップを含む、ここで、当該ステップにより、リソースロケータを介したローカル再生システムへのマルチメディアコンテンツのストリーミングを促進する、請求項7に記載の方法。
インジケータは、コンテンツプロバイダのアプリケーション内に埋め込まれたリンクであり、当該リンクが選択されると、サーバに情報が提供され、ローカル再生システムを介してマルチメディアコンテンツの再生が開始される、請求項7又は8に記載の方法。
コンテンツプロバイダおよびローカル再生システムは、第3者パーティとローカル再生システムの間における統合されたトランスポート制御を行うように互いに双方向通信する、請求項8に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0004】
さらに、図面は、例示的な実施形態を説明することを目的としているが、本開示は、図面に示した配置および手段に限定されるものではない。
【0005】
I.概要
家庭又はその他の場所にある再生ネットワーク(例えば、ホームミュージックシステム)における1つ以上のマルチメディア再生デバイスに接続するために、有線又は無線のネットワークが利用可能である。ある例では、ネットワークに接続された再生デバイスのパラメータの設定を自動で行うことで、人の介入を少なくする、あるいは最小限にしている。例えば、デバイスのグループ内での通信を促進するために、有線および/又は無線のアドホックネットワークが確立される。再生ネットワークに関連したデバイス内および/又はそのグループ(ゾーンとも称する)内において、音楽および/又はその他のマルチメディアコンテンツを共有することができる。
【0006】
ある実施形態では、音楽再生アプリケーション(例えば、ブラウザベースのアプリケーション、ネイティブ音楽プレーヤー、その他のマルチメディアアプリケーションなど)からマルチメディアコンテンツ再生(例えば、Sonos(ソノズ)(商標))システムへの音楽のストリーミング又はその他の提供行為が促進される。ある実施形態は、マルチメディアコンテンツを複数のシステムや場所にわたって再生するための単純かつ簡単に利用可能な安全なシステムおよび方法を提供する。ある実施形態は、そのようなコンテンツやシステムの維持をサポートするとともに、コンテンツパートナーと再生システムの間における統合を促進する。
【0007】
以下において、コンポーネントの中でも特に、ハードウェア上で実行されるファームウェアおよび/又はソフトウェアを含む、例示的なシステム、方法、装置、および製品を開示するが、これらは単なる例示であってこれらに限定されるものではない。例えば、ファームウェア、ハードウェアおよび/又はソフトウェアのコンポーネントのいずれか又はその全てが、ハードウェア単独で、ソフトウェア単独で、ファームウェア単独で、および/又はハードウェア、ソフトウェアおよび/又はファームウェアの任意の組み合わせで具現化される。したがって、以下では、例示的なシステム、方法、装置、および/又は製品を記述するが、これらの例は、このようなシステム、方法、装置、および/又は製品を実施するための唯一の方法ではない。
【0008】
特許請求の範囲の請求項がソフトウェアおよび/又はファームウェアの実施を純粋にカバーするように読めるときには、少なくとも1つの例における少なくとも1つの要素が、本明細書にて、ソフトウェアおよび/又はファームウェアを記憶するメモリ、DVD、CD、ブルーレイなどの有形媒体を含むように明示的に定義される。
【0009】
本明細書での「実施形態」への言及は、その実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの例示的な実施形態に含まれ得ることを意味する。明細書における様々な部分でのこのフレーズの使用は、同じ実施形態を必ずしも言及しておらず、また、他の実施形態と互いに排他的な別個の又は代替的な実施形態でもない。このように、本明細書に記載の実施形態を他の実施形態と組み合わせてもよいことが、明示的および暗示的に当業者によって理解される。
【0010】
ある実施形態は、ローカル再生ネットワークへコンテンツを提供する方法を提供する。その例示的な方法は、コンテンツプロバイダからのマルチメディアコンテンツを識別するステップを含む。その例示的な方法は、トリガーに応じて、マルチメディアコンテンツに関する情報を、1つ以上のマルチメディア再生デバイスを含むローカル再生システムへ提供するステップを含む。その例示的な方法は、ローカル再生システムに関連付けられたローカル再生ネットワークを介したマルチメディアコンテンツの再生を促進するステップを含む。
【0011】
ある実施形態は、プロセッサによって実行される命令を含んだコンピュータ可読媒体であって、その命令は実行されると、ローカル再生ネットワークにコンテンツを提供する方法をプロセッサに実行させるものである、コンピュータ可読媒体を提供する。その例示的な方法は、コンテンツプロバイダからのマルチメディアコンテンツを識別するステップを含む。その例示的な方法は、トリガーに応じて、マルチメディアコンテンツに関する情報を、1つ以上のマルチメディア再生デバイスを含むローカル再生システムへ提供するステップを含む。その例示的な方法は、ローカル再生システムに関連付けられたローカル再生ネットワークを介したマルチメディアコンテンツの再生を促進するステップを含む。
【0012】
ある実施形態は、ローカル再生ネットワークおよびマルチメディアコンテンツソースと通信する無線通信インタフェースと、プロセッサとを備えるマルチメディア再生デバイスを提供する。そのプロセッサは、マルチメディアコンテンツソースからのマルチメディアコンテンツを識別し、トリガーに応じて、マルチメディアコンテンツに関する情報をローカル再生ネットワーク上のデバイスへ提供し、ローカル再生ネットワーク上のデバイスを介したマルチメディアコンテンツの再生を促進する。
【0013】
II.例示的な環境
図面の全体を通して同様のパーツに対しては、同様の符号を用いる。
図1は、例示的なシステム構成100を示し、このシステム構成100において、本明細書に記載の1つ以上の方法および/又は装置が実施又は実行される。システム構成100が、複数のゾーンを有する家庭に用いられた場合を、例示的に示す。それぞれのゾーンは例えば、オフィス、浴室、寝室、キッチン、ダイニングルーム、ファミリールーム、ホームシアタールーム、ユーティリティ又はランドリールーム、パティオなどの異なる部屋又はスペースを表す。ここには示されていないが、1つのゾーンが複数の部屋やスペースを占めるものであっても良い。各ゾーンに1つ以上のゾーンプレーヤー102―124が示されている。ゾーンプレーヤー102―124は、再生デバイス、マルチメディアユニット、スピーカーなどで構成され、それぞれ、オーディオ、ビデオ、および/又はオーディオビジュアルの出力を行う。コントローラ130(ここでは例示的にキッチンに設けられている)は、システム構成100の制御を行う。システム構成100は、例示的なハウスオーディオシステム全体を表すが、本明細書に記載の技術は、これらの特定の場所への用途に限定されず、又は
図1のハウスオーディオシステム100全体のような広範囲のシステムにも限定されない。
【0014】
図2A、
図2B、
図2Cは、ゾーンプレーヤー200−204の例示的なタイプを示す。
図2A、
図2B、
図2Cのゾーンプレーヤー200―204のそれぞれは、
図1のゾーンプレーヤー102―124のいずれにも対応するものである。いくつかの実施形態では、オーディオ出力を単一のゾーンプレーヤーを用いて生成する複数のゾーンプレーヤーが提供される。
図2Aは、(例えば、無線により、および/又は有線のインタフェースを介して)受信された信号に対応する音声又はオーディオ出力を生成可能な音声生成機器208を示す。音声生成機器208は、内蔵アンプ(図示せず)とスピーカー(例えば、ツイーター、ミッドレンジドライバおよび/又はサブウーファー)とを備える。いくつかの実施形態では、
図2Aのゾーンプレーヤー200は、ステレオ又はモノラルのオーディオを再生するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、
図2Aのゾーンプレーヤー200は、ステレオ、モノラルおよび/又はサラウンドのオーディオを再生するゾーンプレーヤーの組合せにおけるコンポーネントとして構成されてもよい。以降で詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、
図2Aのゾーンプレーヤー200は、第2の信号を、例えば、同じ又は異なるゾーン、スピーカー、受信機などにおける他のゾーンプレーヤーに送信することもできる。第2の信号の送信は例えば、複数のゾーンプレーヤー、スピーカー、受信機などが1つのネットワークを形成することでメディアコンテンツを例えば同期型又は分散型の手法により提示するようなシステムの一部であってもよい。
【0015】
図2Bの例示的なゾーンプレーヤー202は、分離したスピーカー210のセットを起動するための内蔵アンプ(図示せず)を備える。
図2Bのスピーカー210は、例えば、任意のタイプのラウドスピーカーを有してもよい。
図2Bのゾーンプレーヤー202は、オーディオコンテンツに対応する信号を有線および/又は無線のチャネルを介して分離したスピーカー210へ通信する。
図2Aのようにオーディオコンテンツを受信および生成する代わりに、
図2Bのゾーンプレーヤー202はオーディオコンテンツを受信するとともに、分離したスピーカー210へ同じものを(例えば受信した信号の処理後に)送信する。
図2Aの例示的なゾーンプレーヤーと同様に、いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー202は、第2の信号を例えば、同じ又は異なるゾーン、スピーカー、受信機などにおける他のゾーンプレーヤーに送信することもできる。
【0016】
図2Cの例示的なゾーンプレーヤー204は、アンプを含まないが、内蔵アンプを有する受信機214又は別のオーディオおよび/又はビデオタイプのデバイスが
図1のデータネットワーク128へ接続するとともに、データネットワーク128から受信機214および分離したスピーカー216のセットを介して受信したオーディオを再生することを可能にする。
図2Cに示される有線結合に加えて、分離したスピーカー216は、例えばゾーンプレーヤー204および/又は受信機214との間における無線通信チャネルを介してオーディオコンテンツを受信することができる。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー202は、第2の信号を例えば、同じ又は異なるゾーン、スピーカー、受信機などにおける他のゾーンプレーヤーに送信することもできる。
【0017】
例として、ゾーンプレーヤーには、カリフォルニア州サンタバーバラのソノズ・インコーポレイテッドによって提供される「ソノズ(登録商標)S5」、「ソノズ プレイ:5」、「ソノズ プレイ:3」、「ゾーンプレーヤー120」および「ゾーンプレーヤー90」が含まれる。その他の任意の過去の、現在の、および/又は未来のゾーンプレーヤーを付加的に又は代替的に用いて、本明細書に記載の例示的な実施形態のゾーンプレーヤーを実現してもよい。ゾーンプレーヤーは、本明細書では再生デバイスとも称されるが、
図2A、
図2B、
図2Cに示される特定の例に限定されない。例えば、ゾーンプレーヤーは、有線又は無線のヘッドホンを含んでもよい。他の例では、ゾーンプレーヤーは、サブウーファーを含む場合がある。さらに他の例では、ゾーンプレーヤーはサウンドバーを含む場合がある。一例では、ゾーンプレーヤーは、アップル社のiPod(商標)又は同様のデバイス用のドッキングステーションを含む、又はそれと交信可能である。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤーは、例えば第1のゾーンプレーヤーから受信した1つ以上の信号を別の再生デバイスへ中継してもよい。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤーは、第1の信号を受信して第1の信号に対応する出力を生成し、同時に又は別個に、第2の信号を受信して第2の信号を別のゾーンプレーヤー、スピーカー、受信機などに送信又は中継してもよい。このように、本明細書に記載の例示的なゾーンプレーヤーは、再生デバイスとして機能して、同時にゾーンプレーヤーのネットワーク内のハブとして動作可能である。このような場合、第1の信号に対応するメディアコンテンツは、第2の信号に対応するメディアコンテンツと異なってもよい。
【0018】
図3は、ドッキングステーション302に入っている例示的な無線コントローラ300を示している。コントローラ300は、
図1の制御デバイス130に対応し得る。コントローラ300には、タッチスクリーン304が設けられている。ユーザはタッチスクリーン304を用いて、コントローラ300と交信して、例えば、オーディオアイテムのプレイリストの読み出し・ナビゲート操作、1つ以上のゾーンプレーヤーの制御操作、およびシステム構成100全体の制御操作を行うことができる。いくつかの実施形態では、システム構成100を制御するために、任意の数のコントローラが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、システム構成100を制御することができるコントローラの数に制限が存在してもよい。コントローラは、無線コントローラ300のような無線式であっても、データネットワーク128に接続された有線式であってもよい。さらに、iPhone(商標)、iPad(商標)、アンドロイド(商標)電話などの任意のネットワーク対応ポータブルデバイス上で動作するアプリケーション、又は他の任意のスマートフォンやネットワーク対応デバイス上で動作するアプリケーションを、データネットワーク128に接続することでコントローラとして使用してもよい。ラップトップ又はデスクトップのPC又はMac上で動作するアプリケーションをコントローラとして使用しても良い。例示的なコントローラには、カリフォルニア州サンタバーバラのソノズ・インコーポレイテッドによって提供される「ソノズ(登録商標)コントローラ200」、「ソノズ(登録商標)iPhone用コントローラ」、「ソノズ(登録商標)iPad用コントローラ」、「ソノズ(登録商標)アンドロイド用コントローラ」および「ソノズ(登録商標)Mac又はPC用コントローラ」が含まれる。このような用途への柔軟性および新たなタイプのポータブルデバイスへの移植能力は好都合である。
【0019】
図1のシステム構成100に戻ると、特定のゾーンは、1つ以上のゾーンプレーヤーを含んでもよい。例えば、
図1のファミリールームは、2つのゾーンプレーヤー106、108を含み、キッチンには1つのゾーンプレーヤー102が示されている。ゾーンプレーヤーをある部屋又はスペースに配置するとともに、そのゾーンプレーヤーをコントローラ130を介して新たな又は既存のゾーンに割り当てることにより、ゾーンを動的に構成してもよい。このように、ゾーンは、そのようにプログラムされている場合には、生成され、別のゾーンと組み合わされ、取り除かれ、特定の名前(例えば、「台所」)が与えられてもよい。ゾーンプレーヤー102−124は、
図1に示されるデータネットワーク128などのデータネットワークに直接的又は間接的に接続される。データネットワーク128は、図中の他の構成要素から目立つように八角形で示されている。データネットワーク128は1つの場所にのみ示されているが、このようなネットワークをシステム構成100の中およびその周りに分配してもよい。
【0020】
特に、データネットワーク128は、有線ネットワーク、無線ネットワーク又は両方の組合せであってもよい。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー102−124のうちの1つ以上が、独自のメッシュネットワークに基づいてデータネットワーク128へ無線で接続される。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー102−124のうちの1つ以上が、非メッシュトポロジーを用いてデータネットワーク128へ無線で接続される。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー102−124のうちの1つ以上が、イーサネット(登録商標)又は同様の技術を用いてデータネットワーク128へ有線で接続される。データネットワーク128に接続した1つ以上のゾーンプレーヤー102−124に加えて、データネットワーク128は、インターネットなどの広域ネットワークへのアクセスを可能とするものであってもよい。
【0021】
ある実施形態では、任意のゾーンプレーヤー102−124又は他の接続デバイスをブロードバンドルータに接続することにより、データネットワーク128を生成してもよい。そのとき、他のゾーンプレーヤー102−124を無線又は有線でデータネットワーク128に追加してもよい。例えば、データネットワーク128への接続を可能とするゾーンプレーヤー自体のボタンを単に押すことで、ゾーンプレーヤー(例えば、任意のゾーンプレーヤー102−124)をシステム構成100に追加してもよい。ブロードバンドルータは例えば、インターネットサービスプロバイダ(ISP)に接続されてもよい。ブロードバンドルータは、他の用途(例えば、ウェブサーフィン)にも使用することができるシステム構成100内の別のネットワークを形成するように使用されてもよい。データネットワーク128は、そのようにプログラムされる場合には、他の用途に使用されてもよい。さらに、ある実施形態では、データネットワーク128は、家庭内での他の用途にも使用されている同一のネットワークである。
【0022】
ある実施形態では、それぞれのゾーンは、別のゾーンと同じオーディオソースから再生を行ってもよく、又は、異なるオーディオソースから再生を行ってもよい。例えば、誰かがパティオでグリルしながらゾーンプレーヤー124を通じてジャズ音楽を聞いている一方で、誰かはキッチンで料理を準備しながらゾーンプレーヤー102を通じてクラシック音楽を聞くこともできる。さらに、オフィスにいる誰かが、パティオでゾーンプレーヤー124を通じて再生されているものと同じジャズ音楽をゾーンプレーヤー110を通じてオフィスで聞くこともできる。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー110、124を通じて再生されるジャズ音楽が同期して再生される。複数のゾーンにわたって再生を同期することで、オーディオを途切れなく聞きながら複数のゾーンを通過することができる。さらに、関連する全てのゾーンが同期してオーディオを再生するように、ゾーンを「パーティーモード」に設定することもできる。
【0023】
ある実施形態では、1つのゾーンは、2つ以上のゾーンプレーヤーを含む。例えば、ファミリールームは2つのゾーンプレーヤー106、108を含み、ホームシアタールームは少なくとも3つのゾーンプレーヤー116、118、120を含む。所望の場合には、1つのゾーンが多数のゾーンプレーヤーを含むように構成されてもよく、例えば、ホームシアタールームが、5.1以上のチャネルのオーディオソースからのオーディオ(例えば、5.1以上のオーディオチャネルにてエンコードされたムービー)を再生する付加的なゾーンプレーヤーを有してもよい。1つのゾーンが、ファミリールームにおける2つのゾーンプレーヤー106、108のような2つ以上のゾーンプレーヤーを含む場合には、例えば、2つのゾーンプレーヤー106、108が同期して同じオーディオソースを再生するように構成されるか、あるいは、左右のチャネルにおいて2つの別々の音声を再生するようにペアであってもよい。換言すれば、音声のステレオ効果は、1つは左側の音声に対応しもう1つは右側の音声に対応する2つのゾーンプレーヤー106、108を通じて再現又は増強することができる。ある実施形態では、ペアになっているゾーンプレーヤーが、他のゾーンプレーヤーと同期してオーディオを再生する。
【0024】
ある実施形態では、3つ以上のゾーンプレーヤーが、3つ以上のチャネルの音声にてエンコードされたオーディオの各種チャネルを再生するように構成されてもよい。例えば、ホームシアタールームには、3つのゾーンプレーヤー116、118、120が示されている。音声が2.1チャネルおのオーディオとしてエンコードされている場合、ゾーンプレーヤー116は左側チャネルのオーディオを再生し、ゾーンプレーヤー118は右側チャネルのオーディオを再生し、ゾーンプレーヤー120はバス周波数を再生するように、それぞれが構成されてもよい。他の構成も可能であるが、ゾーンプレーヤーの数やオーディオの種類に依存する。さらに、一例として、特定のゾーンが、例えば映画からのオーディオを再生する場合のように、5.1チャネルのオーディオを再生し、その後、例えば2チャネルソースからのオーディオを再生する場合のように、ステレオを再生するように動的にスイッチするよう構成されてもよい。
【0025】
ある実施形態では、2つ以上のゾーンプレーヤーが、単一の統合ゾーンプレーヤーを形成するように音響的に統合されてもよい。(複数の別々のデバイスで構成されている)統合ゾーンプレーヤーは、統合されていないゾーンプレーヤーやペアになっているゾーンプレーヤーとは異なるように音声を処理および再現するように構成されてもよく、これは、統合ゾーンプレーヤーが音声を通過させる付加的なスピーカードライバを有するからである。統合ゾーンプレーヤーはさらに、単一のゾーンプレーヤーやさらに別の統合ゾーンプレーヤーとペアになってもよい。統合再生デバイスにおける各再生デバイスは、好ましくは統合モードに設定される。
【0026】
いくつかの実施形態では、例えば、所望の設定が完了するまで、ゾーンプレーヤーのグループ化、統合およびペアリングの任意を継続して行うことができる。グループ化、統合およびペアリングの動作は、好ましくは、スピーカー線を例えば個々のディスクリートスピーカーに物理的に接続および再接続することで異なる構成を構築することではなく、例えばコントローラ130を用いるなど制御インタフェースを通じて実施される。このように、本明細書に記載のある実施形態によれば、エンドユーザに音声再生を提供可能な、より柔軟で動的なプラットフォームを提供することができる。
【0027】
ゾーンプレーヤー102−124によって再生されるオーディオコンテンツの供給ソースは多数ある。コンピュータ又はネットワーク接続ストレージ(NAS)に保存された個人のライブラリにある音楽が、データネットワーク128を介してアクセスされ、再生することができる。インターネットラジオステーション、番組、ポッドキャストは、データネットワーク128を介してアクセスすることができる。ユーザに音楽およびオーディオコンテンツをストリーム再生させたりダウンロードさせたりすることができる音楽サービスには、データネットワーク128を介してアクセスすることができる。さらに、音楽は例えば、ゾーンプレーヤーへのラインイン接続を通じて、ターンテーブル又はCDプレ−ヤーなどの従来の供給ソースから得ることができる。オーディオコンテンツもまた、例えば、アップル社のAirPlay(商標)無線技術を通じてアクセスすることができる。1つ以上の供給ソースから受信されたオーディオコンテンツは、データネットワーク128および/又はコントローラ130を介してゾーンプレーヤー102―124の間で共有されてもよい。本明細書では、上述したオーディオコンテンツのソースが、ネットワークベースのオーディオ情報ソースとも称される。しかしながら、ネットワークベースのオーディオ情報ソースには限られない。
【0028】
例示的なホームシアターのゾーンプレーヤー116、118、120は、テレビ132などのオーディオ情報ソースに接続される。いくつかの例では、テレビ132は、ホームシアターのゾーンプレーヤー116、118、120のためのオーディオのソースとして用いられる一方で、他の例では、テレビ132からのオーディオ情報が、オーディオシステム100内の任意のゾーンプレーヤー102−124で共有可能である。
【0029】
III.例示的なゾーンプレーヤー
図4を参照すると、1つの例示的な実施形態に係るゾーンプレーヤー400の例示的な機能ブロック図が示されている。
図4のゾーンプレーヤー400は、ネットワークインタフェース402、プロセッサ408、メモリ410、オーディオ処理コンポーネント412、モジュール414、オーディオアンプ416およびオーディオアンプ416に接続されたスピーカーユニット418を含む。
図2Aは、このようなゾーンプレーヤーの例示的な図である。ゾーンプレーヤーの他の種類は、スピーカーユニット418(例えば、
図2B)又はオーディオアンプ416(例えば、
図2C)を含まなくてもよい。また、ゾーンプレーヤー400は、別のコンポーネントに統合されてもよい。例えば、ゾーンプレーヤー400は、屋内又は屋外の使用のための照明(ランプ)の一部として構成することができる。
【0030】
図4を参照すると、ネットワークインタフェース402は、データネットワーク(
図1に示すデータネットワーク128)上におけるゾーンプレーヤーや他のデバイスとゾーンプレーヤー400との間のデータフローを促進する。いくつかの実施形態では、ネットワークインタフェース402は、オーディオのソースやファイルをデータネットワーク上で伝達すべきより小さなパケットへ構築すること、あるいは受信したパケットを元のソースやファイルへ再構築することに関する管理を行うことができる。いくつかの実施形態では、ネットワークインタフェース402は、それぞれのパケットのアドレス部分が正しい宛先に到達するように又はゾーンプレーヤー400宛てのパケットを傍受するようにそのアドレス部分を処理することができる。したがって、いくつかの実施形態では、それぞれのパケットは、インターネットプロトコル(IP)ベースのソースアドレスおよびIPベースの宛先アドレスを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、ネットワークインタフェース402は、無線インタフェース404および有線インタフェース406のうちの1つ又はその両方を含んでもよい。無線インタフェース404は、RFインタフェースとも称され、ゾーンプレーヤー400に対して、通信プロトコル(例えば、IEEE802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、802.15のうちの任意の無線規格)に従って他のデバイス(例えば、データネットワーク128に関連する他のゾーンプレーヤー、スピーカー、受信機およびコンポーネントなど)と無線通信するためのネットワークインタフェース機能を提供する。有線インタフェース406は、ゾーンプレーヤー400に対して、通信プロトコル(例えば、IEEE802.3)に応じて他のデバイスと有線で通信するためのネットワークインタフェース機能を提供する。無線信号を受信し、その無線信号を無線インタフェース404に提供し、さらに無線信号を伝達するために、
図4のゾーンプレーヤー400は、1つ以上のアンテナ420を含む。有線インタフェース406は、ゾーンプレーヤー400に対して、通信プロトコル(例えば、IEEE802.3)に従って他のデバイスと有線通信するためのネットワークインタフェース機能を提供する。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー400は、無線インタフェース404又は有線インタフェース406のいずれかのみを含む。
【0032】
いくつかの実施形態において、プロセッサ408は、メモリ410に保存された命令に従って入力データを処理するように構成されているクロック駆動の電子デバイスである。メモリ410は、プロセッサ408によって実行されることで特定のタスクを達成可能な1つ以上のソフトウェアモジュール414が搭載されるデータ記憶装置である。例示的な実施形態では、メモリ410は、プロセッサ408によって実行可能な命令を保存した有形の機械可読媒体である。いくつかの実施形態では、タスクとは、ゾーンプレーヤー400が別のゾーンプレーヤーやネットワーク上のデバイスからオーディオデータを取得することであってもよい。いくつかの実施形態では、タスクは、ゾーンプレーヤー400が別のゾーンプレーヤーやネットワーク上のデバイスにオーディオデータを送信することであってもよい。いくつかの実施形態では、タスクは、ゾーンプレーヤー400がオーディオの再生を1つ以上の付加的なゾーンプレーヤーと同期させることであってもよい。いくつかの実施形態では、タスクは、ゾーンプレーヤー400を1つ以上のゾーンプレーヤーとペアリングすることで、マルチチャネルオーディオ環境を作成することであってもよい。付加的又は代替的なタスクは、1つ以上のソフトウェアモジュール414およびプロセッサ408を介して達成することができる。
【0033】
オーディオ処理コンポーネント412は、1つ以上のデジタル−アナログ変換器(DAC)、オーディオ前処理コンポーネント、オーディオ強化コンポーネント又はデジタル信号プロセッサなどを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ネットワークインタフェース402を介して取得されたオーディオは、オーディオ処理コンポーネント210によって処理される、および/又は意図的に変更される。さらに、オーディオ処理コンポーネント412は、アナログオーディオ信号を生成してもよい。処理されたアナログオーディオ信号は、スピーカー418を通じた再生のためにオーディオアンプ416に提供される。また、オーディオ処理コンポーネント412は、アナログ信号又はデジタル信号を、ゾーンプレーヤー400から再生するための入力として、ネットワーク上の別のゾーンプレーヤーに送信するための入力として、又は再生および送信の両方を行うための入力として処理するための必要な回路を含んでもよい。例示的な入力は、ラインイン接続(例えば、オートディテクティング3.5mmオーディオラインイン接続)を含む。
【0034】
オーディオアンプ416は、1つ以上のスピーカー418を駆動するレベルまでオーディオ信号を増幅するデバイスである。1つ以上のスピーカー418には、個々の変換器(例えば、「ドライバ」)や1つ以上のドライバを内包する筐体を含んだ完全なスピーカーシステムが含まれてもよい。特定のドライバは、例えば、サブウーファー(例えば低周波用)、ミッドレンジドライバ(例えば中周波用)、およびツイーター(例えば高周波用)であってもよい。筐体は、例えば、密封され又は移植されていてもよい。
【0035】
本明細書では、ゾーンプレーヤー400は、再生デバイスとも称される。例示的な再生デバイスには、カリフォルニア州サンタバーバラにあるソノズ社によって製造される「ソノズ(登録商標)PLAY:5」が含まれる。「PLAY:5」は、内蔵アンプとスピーカーとを備えるゾーンプレーヤーの例である。具体的には、PLAY:5は、2つのツイーター、2つのミッドレンジドライバおよび1つのサブウーファーを含む5ドライバのスピーカーシステムである。PLAY:5を経由してオーディオコンテンツを再生する場合、トラックの左側のオーディオデータが左側のツイーターおよび左側のミッドレンジドライバから送信され、トラックの右側のオーディオデータが右側のツイーターおよび右側のミッドレンジドライバから送信され、モノラル低音がサブウーファーから送信される。さらに、両方のミッドレンジドライバと両方のツイーターが、同じイコライゼーション(又は実質的に同じイコライゼーション)を有する。すなわち、それらはともに、異なるオーディオのチャネルから同じ周波数で送信される。ソノズ社のPLAY:5からは、インターネットラジオステーションやオンライン音楽・ビデオサービスからのオーディオ、ダウンロードされた音楽、アナログオーディオ入力、テレビ、DVDなどを再生することができる。PLAY:5は、複数のスピーカーを備えるゾーンプレーヤーの例であるが、スピーカーを備えるゾーンプレーヤーとしては、特定の数のスピーカー(例えば、PLAY:5における5つのスピーカー)を有するものに限らず、1つ以上のスピーカーを有するものでもよい。さらに、ゾーンプレーヤーは、オーディオとは異なる目的に供する可能性のある別のデバイス(例えば、ランプ)の一部であってもよい。
【0036】
IV.例示的なコントローラ
図5を参照すると、
図1の制御デバイス130に対応し得るコントローラ500の例が示されている。コントローラ500は、システム内のマルチメディアアプリケーションの制御、自動化およびその他のことを促進するために使用することができる。特に、コントローラ500は、ネットワーク上にて利用可能な複数のオーディオソースの中からの選択を容易にするとともに、無線又は有線のネットワークインタフェース508を介した1つ以上のゾーンプレーヤー(例えば、
図1のゾーンプレーヤー102―124)の制御を可能にするように構成されている。1つの例示的な実施形態によれば、無線通信は、業界標準に基づいている(例えば、赤外線、ラジオ、あるいは無線規格のIEEE802.11a、802.11b、802.11g、802.11n又は802.15)。さらに、特定のオーディオがコントローラ500を介してアクセスされている、又はゾーンプレーヤーを経由して再生されている場合、オーディオソースに関連付けられている画像(例えば、アルバムアート)又は他のデータが、あるゾーンプレーヤー又は他の電子機器から、表示のためにコントローラ500へ送信されてもよい。
【0037】
コントローラ500には、画面502および入力インタフェース514が設けられており、これにより、ユーザはコントローラ500と交信し、多くのマルチメディアアイテムのプレイリストをナビゲートしたり、1つ以上のゾーンプレーヤーの動作を制御することができる。コントローラ500上の画面502は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)画面であってもよい。画面500は、マイクロコントローラ(例えば、プロセッサ)506によって制御されるスクリーンドライバ504と通信するとともに、指令を受ける。メモリ510は、1つ以上のアプリケーションモジュール512がロードされてもよい。そのアプリケーションモジュール512は、ユーザインタフェース514を介したユーザ入力の有無にかかわらず、特定のタスクを達成するようにマイクロコントローラ506によって実行可能である。いくつかの実施形態では、アプリケーションモジュール512は、選択された多くのゾーンプレーヤーを1つのゾーングループにグループ化すること、およびオーディオ再生のために複数のゾーンプレーヤーを同期することを促進するように構成されている。いくつかの実施形態では、アプリケーションモジュール512は、ゾーングループ内のゾーンプレーヤーのオーディオ音声(例えば、音量)を制御するように構成されている。動作中において、マイクロコントローラ506がアプリケーションモジュール512の1つ以上を実行するときには、スクリーンドライバ504は、画面502を特定のユーザインタフェースにアプリケーションを表示するように駆動するための制御信号を生成する。
【0038】
コントローラ500は、ゾーンプレーヤーとの無線通信を促進するネットワークインタフェース508を含む。いくつかの実施形態では、このような音量コントロールやオーディオ再生の同期化などのコマンドは、ネットワークインタフェース508を介して送信される。いくつかの実施形態では、保存されたゾーングループ設定は、ネットワークインタフェース508を介してゾーンプレーヤーとコントローラとの間で通信される。コントローラ500は、
図1に示す符号102−124のような1つ以上のゾーンプレーヤーを制御してもよい。特定のシステムに対して1つ以上のコントローラがあってもよい。また、コントローラは、ゾーンプレーヤーに組み込まれてもよい。
【0039】
なお、iPhone(登録商標)やiPad(登録商標)のような他のネットワーク対応デバイスや、他の任意のスマートフォンやネットワーク対応デバイス(例えば、PCやMac(登録商標)などのネットワーク化されたコンピュータなど)を、特定の環境内におけるゾーンプレーヤーと交信又は制御するためのコントローラとして使用することができる。いくつかの実施形態によれば、ソフトウェアアプリケーション又はアップグレードを、本明細書に記載の機能を実行するためにネットワーク対応デバイス上にダウンロードしてもよい。
【0040】
ある実施形態では、ユーザは、コントローラ500から少なくとも2つのゾーンプレーヤーを含むゾーングループを作成することができる。ゾーングループ内のゾーンプレーヤーを同期させて、ゾーングループ内のゾーンプレーヤーの全てが、遅れや中断が聞こえない(又は実質的に聞こえない)ような方法により同一のオーディオソース又は同一のオーディオソースのリストを再生するようにオーディオを再生させてもよい。同様に、いくつかの実施形態では、ユーザがコントローラ500からグループの音量を増大させると、グループの音量を増大させる信号又はデータがゾーンプレーヤーのうちのいずれか1つに送信されて、グループ内の他のゾーンプレーヤーの音量をともに増加させる。
【0041】
ユーザは、コントローラ500を介して、「ゾーンのリンク」又は「ゾーンの追加」のソフトボタンを作動させることによって、ゾーンプレーヤーをゾーングループにグループ化することができ、又は、「ゾーンのリンク解除」又は「ゾーンのドロップ」のボタンを作動させることによって、ゾーングループのグループ化の解除を行うことができる。例えば、オーディオ再生に関してゾーンプレーヤーをともに「参加」させるための1つのメカニズムは、グループを形成するように多くのゾーンプレーヤーをともにリンクすることである。多くのゾーンプレーヤーをともにリンクするには、ユーザが手動でそれぞれのゾーンプレーヤーや部屋を順にリンクするようにしてもよい。例えば、以下のゾーン:浴室、寝室、書斎、ダイニングルーム、ファミリールーム、玄関を含むマルチゾーンシステムの場合を想定する。
【0042】
ある実施形態では、ユーザは例えば、単一のゾーンで開始してから手動でそのゾーンに各ゾーンをリンクすることによって、6つのゾーンプレーヤーのうちの任意の数をリンクさせることができる。
【0043】
ある実施形態では、(最初のゾーンのシーンを作成してから)ゾーンのシーンやテーマを作成するためのコマンドを使用することで、1セットのゾーンを動的に相互にリンクすることができる。例えば、「朝」のゾーンシーンコマンドは、1つのアクションで寝室、オフィスおよびキッチンのゾーンをともにリンクすることができる。この単一のコマンドを使用しない場合、ユーザは手動で個別に各ゾーンをリンクする必要があると考えられる。単一のコマンドには、マウスクリック、マウスのダブルクリック、ボタン押し、ジェスチャー又は他のいくつかのプログラムされたアクションが含まれてもよい。他の種類のゾーンシーンがプログラムされてもよい。
【0044】
ある実施形態では、ゾーンシーンは、時間に基づいて始動される(例えば、目覚まし時計機能)。例えば、ゾーンシーンを午前8時に適用するように設定することができる。システムは、適切なゾーンを自動的にリンクするとともに、再生する特定の曲を設定してから所定期間後に音楽を停止することができる。任意の特定のゾーンが時間に基づいて「オン」又は「オフ」の状態となるが、ゾーンシーンを用いることで、例えば、そのシーンにリンクされた全てのゾーンにおいて、特定の時および/又は期間にて所定のオーディオ(例えば、お気に入りの歌や所定のプレイリスト)を再生することができる。何らかの理由で、予定された音楽が再生されなかった場合には(例えば、空のプレイリスト、共有への接続なし、ユニバーサル・プラグ・アンド・プレイ(UPnP)なし、インターネットラジオステーションへのインターネット接続なし)、バックアップブザーが鳴るようにプログラムすることもできる。ブザーは、例えば、ゾーンプレーヤーに記憶されたサウンドファイルを含んでもよい。
【0045】
V.例示的なアドホックネットワーク
再生ネットワークへの接続を容易にするいくつかの基本システムおよびその方法を説明するために、
図6―8Bに関連して、いくつかの例が提供される。
図6は、アドホックネットワーク610とも称されるネットワークブランチを形成する3つのゾーンプレーヤー602、604、606とコントローラ608が存在することを示している。ネットワーク610は、有線、無線又はこれらの組み合わせであってもよい。一般に、アドホック(又は「自発的(spontaneous)」)ネットワークは、全てのトラフィック用のアクセスポイントが存在しないローカルエリアネットワーク又はその他のスモールネットワークである。確立されたアドホックネットワーク610において、デバイス602、604、606、608は全て、例えば、「ピアツーピア」の通信方式により互いに通信可能である。さらに、ネットワーク610においてデバイスを追加/削除してもよく、ネットワーク610は、ユーザによる再設定がなくとも自動的にネットワーク610自体を再設定する。
【0046】
アドホックネットワーク610を使用することで、デバイス602、604、606、608は、1つ以上のオーディオソースを共有又は交換するとともに、同一の又は異なるオーディオソースを再生するようにグループ化が可能である。例えば、デバイス602、604が1曲の音楽を再生するようにグループ化されると同時に、デバイス606は別の音楽を再生する。換言すれば、デバイス602、604、606、608は、
図6に示されるように、オーディオを配信および/又は音声を再生するHOUSEHOLD(ハウスホールド)を形成する。本明細書で使用されるHOUSEHOLD(ユーザの居住地と明確に区別するために大文字で表される)という用語は、アプリケーション又はサービスを提供するために協働するネットワークデバイスの集合体を表すものとして使用される。HOUSEHOLDの一例は、ハウスホールド10(又はハウスホールド識別子)により特定される。
【0047】
ある実施形態では、ハウスホールド識別子(HHID)は、固有であることを保証するためにコンピュータにて生成された短い文字列や識別子である。したがって、ネットワーク610は、固有のHHIDと、チャネル(例えば、各周波数バンド)、SSID(無線ネットワークの名称である一連の英数字)、WEPキー(有線同等プライバシー又はその他のセキュリティキー)などの構成変数やパラメータの固有セットと、によって特徴付けることができる。ある実施形態では、SSIDは、HHIDと同じになるように設定される。
【0048】
ある実施形態では、各HOUSEHOLDには、コントロールポイント(CP)とゾーンプレーヤー(ZP)の2種類のネットワークノードがある。コントロールポイントは、必要なネットワークパラメータ(例えば、WEPキー)の自動生成を行い、ネットワーク全体のセットアッププロセスおよびそのシーケンシングを制御する。ある実施形態では、CPは、ハウスホールド設定用のユーザインタフェースをユーザに提供する。CPにおける機能は、例えば、CPアプリケーションモジュールを実行しているコンピュータによって、又は、CPアプリケーションモジュールを実行しているハンドヘルドコントローラ(例えば、コントローラ308)によって提供することができる。ゾーンプレーヤーは、自動設定プロセスに参加するために配置されているネットワーク上のその他のデバイスである。本明細書で使用する表記としてのZPは、例えば、コントローラ308又はコンピューティングデバイスを含む。
【0049】
ある実施形態では、ハウスホールドの設定は、標準的なネットワークプロトコル(例えば、有線又は無線のイーサネット(登録商標)上のIP)を使用することができるように既知の設定を集合および確立させる複数のCPとZPを伴う。ある実施形態では、イーサネット(登録商標)802.3およびワイヤレス802.11gの2種類のネットワーク/プロトコルが採用されている。CPとZPの間の相互接続には、ネットワーク/プロトコルのいずれも使用することができる。HOUSEHOLDのメンバーであるシステム内のデバイスは、両方のネットワークに同時に接続することができる。両方のネットワークが使用中である環境においては、システム内における少なくとも1つのデバイスがブリッジデバイスとしてその両方に接続されることが想定され、これにより、有線/無線のネットワーク間における他人とのブリッジングサービスを提供する。
図6のゾーンプレーヤー606は、例えば、両方のネットワークに接続されるように示されている。ネットワーク612への接続はイーサネット(登録商標)に基づく一方で、他のデバイス602、604、608への接続は無線に基づいている。しかしながら、いくつかの実施形態では、各ゾーンプレーヤー606、604、602は、ブリッジデバイスを介してクラウド(例えば、インターネット)からメディアを取得するときにインターネットにアクセスすることができる。例えば、ゾーンプレーヤー602は、クラウド内の特定のオーディオトラックへのアドレスを指定するユニフォームリソースロケータ(URL)を含んでもよい。URLを使用することで、ゾーンプレーヤー602はクラウドからオーディオトラックを取得し、最終的には1つ以上のゾーンプレーヤーから音声を再生する。
【0050】
VI.例示的な音楽の共有と再生の設定
ある実施形態では、ユーザにより、音楽再生アプリケーション(例えば、ブラウザベースのアプリケーション、ネイティブ音楽プレーヤー、その他のマルチメディアアプリケーションなど)からの音楽データを、ローカルなマルチメディアコンテンツ再生(例えば、Sonos(商標))システムにストリーミングすることができる。ある実施形態は、複数のシステムと場所にわたってマルチメディアコンテンツを再生するためのシステムおよび方法を提供する。ある実施形態では、コンテンツパートナーと再生システムの統合が促進されるとともに、そのようなコンテンツやシステムのメンテナンスのサポートも促進される。
【0051】
図7は、複数のネットワークを含んだシステムを示し、そこには、クラウドベースのネットワークおよび少なくとも1つのローカル再生ネットワークを含む。ネットワークは、複数の再生デバイス又はプレーヤーを含んでいるが、1つの再生デバイスのみを含んでもよい。ある実施形態では、各プレーヤーは、再生用のコンテンツを取得する機能を有する。制御およびコンテンツの取得は例えば、分散又は集中させることができる。入力には、ローカルな配信および再生のためのクラウドに対するストリーミングコンテンツプロバイダによる入力、サードパーティアプリケーションによる入力、モバイルデバイスによる入力、ユーザによる入力、および/又はその他の再生ネットワークによる入力が含まれてもよい。
【0052】
図7の例示的なシステム700によって示されるように、複数のコンテンツプロバイダ720―750は、クラウドおよび/又はその他のネットワーク710を介して、1つ以上のローカル再生ネットワーク760―770に接続することができる。クラウド710、マルチメディア再生システム720(例えば、Sonos)、モバイルデバイス730、サードパーティアプリケーション740およびリテール場所(retail location)750などを使用して、ローカル再生ネットワーク760、770へマルチメディアコンテンツ(要求によるものや、そうでないもの)を提供することができる。ローカルネットワーク760、770において、コントローラ762、772および/又は再生デバイス764、774は、曲の識別子、曲名、プレイリスト識別子、プレイリスト名、ジャンル、好みなどを提供することができるようにしてもよいし、および/又は、接続されたシステムからクラウドを介してコンテンツを単純に受信するようにしてもよい
【0053】
例えば、通勤中のユーザは、自分のスマートフォン上でサードパーティ音楽アプリケーション(例えば、Pandora(商標)、Rhapsody(商標)、Spotify(商標)など)を視聴する。ユーザは、現在のチャンネルを楽しむとともに、自宅の中に入るときに、自身のハウスホールド音楽再生システム(例えば、Sonos)でもそのチャンネルの再生を続行するオプションを選択する。再生システムは、ユーザのスマートフォン(携帯電話)において選択されていたチャネル上の同じ局(スポット)から引き続きコンテンツ(例えば、その曲)を取得し、そのコンテンツをハウスホールド再生システムに接続されたスピーカーおよび/又は他の再生デバイスから出力する。ユニフォームリソースインジケータ(URI)(例えば、ユニフォームリソースロケータ(URL))は、例えば、クラウドおよび/又はその他のネットワーク化されたソースからコンテンツを取得するために再生デバイスに提供される。ゾーンプレーヤーなどの再生デバイスは、例えば、コントローラを使用せずに独自にコンテンツを取得することができる。ゾーンプレーヤーは、曲および/又はプレイリストのURL(又はその他の識別情報又はアドレス)を取得すると、コンテンツを取得するために単独で動作することができる。曲および/又はその他のマルチメディアコンテンツは、例えば、ローカルデバイス(例えば、コンパクトディスク(CD))よりもむしろインターネットから検索することができる。サードパーティアプリケーションは、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)を開く又は利用することで、ハウスホールド再生システムに密に結合することなく、ハウスホールド再生システムに音楽を提供することができる。
【0054】
再生用のプレイリストおよび/又はその他のコンテンツを決定するアプリケーションの別の例では、ユーザは、自宅にてマックブックプロ(商標)を使用して、オンライン音楽サービス(例えば、turntable.fmや、その他の仮想ルームであって次に再生するものを決定するオンラインディスクジョッキー(DJ)を選択するために入室可能な仮想ルーム)上にて音楽の視聴を楽しんでいる。ユーザは、そのサービスによって提供される独自のユーザ体験を好むとともに、新しい音楽を見つけながら、部屋から部屋へ頻繁に移動する。音質を最良にするために、ユーザは自身のハウスホールド再生システム(例えば、Sonos)上にて音楽を再生する。ボタン又はその他のインジケータをturntable.fmのWebアプリケーションに追加することで、再生中のコンテンツを出力用の再生システムに(マックブック(商標)ではなくあるいはマックブック(商標)に加えてSonos(商標)システムへ)切り替えることができる。Webベースのアプリケーションは通常、ローカルネットワーク上のアイテムにアクセスすることはできないが、ある実施形態では、サードパーティWebベースアプリケーション(例えば、Turntable.fm)は、特定の方法(例えば、ユーザ名とパスワードによるログイン)により再生システム(例えば、Sonos)と交信することができ、識別されたユーザはウェブサイトに対して、オーディオを又はオーディオとビデオの両方を再生システムローカルネットワーク上の再生デバイス(例えば、ゾーンプレーヤー)に送信させて、そのデバイスにて再生を行う(又は他のメディアを再生する)。
【0055】
別の例では、第1のユーザは、プレイリスト(例えば、Spotify(商標)のプレイリスト)を作成する。第1のユーザは、第2のユーザの家を訪問した際に、スマートフォンを取り出して、自身のサードパーティ(例えば、Spotify(商標))アプリケーションを使用して、第2のユーザのハウスホールド再生(例えば、Sonos(商標))システム上にて再生することでプレイリストを共有する。第1のユーザは、サードパーティコンテンツプロバイダ(例えば、Spotify(商標))のウェブサイトに移動し、第2のユーザの再生システム上で自身のプレイリストを共有する。
【0056】
これより、ある実施形態は、曲の識別子を1つのユーザおよび/又はサービスから別のところへ送信して取得又は再生可能なように、クロスサービスリンクを提供する。自身の携帯電話にプレイリストを持つユーザは、友人を訪問し、友人のシステムにて自分のアカウントを使用してアクセス権を有する曲を再生することができる。検索された曲は、ユーザの携帯電話にローカルにストリーミングすることができる。あるいは、アプリケーションが、曲の識別子を、その曲の識別子を検索するとともにユーザが再生する権利を有している利用可能なオーディオストリームを発見するローカル再生システムへ提供することができ、それによりその曲が再生される。
【0057】
別の例では、ユーザは、ローカル再生ネットワークを含むホテルの部屋やその他の施設に滞在している。例えば、ホテルの部屋にあるスピーカーおよび/又は他の再生デバイス(例えば、Sonos(商標)のPlay:3やPlay:5など)を利用して、ユーザは自身の再生ネットワークアカウント、ストリーミングオーディオソース、サードパーティアプリケーションなどからアクセス可能なマルチメディアコンテンツを再生することができる。デバイスの利用可能性、アクセス性、設定、優先度、好みなどに基づいて、コンテンツを1つ以上のデバイスから出力することができる。ある実施形態では、再生ネットワークは、複数のノードを含み、各ノードは、入力に応じて音声を再生する機能を有する。要求された出力は、例えば、最も論理的な接続に提供される。
【0058】
ある実施形態では、電話デバイスやテレビジョンデバイスなどを使用して、音楽、オーディオ、ビデオ、および/又はその他のマルチメディアコンテンツを再生することができる。一例では、マイクやハウスホールドインターホンシステム上において子供たちに夕食を伝えるためのプッシュボタンが、ローカル再生ネットワークを介して提供されている。
【0059】
図8は、ローカル再生システムにオーディオコンテンツを提供する方法800のフロー図を示す。
図8の例示的な方法800では、サードパーティアプリケーションは、ローカル再生システムへの「仮想ラインイン」として機能する。ブロック810において、サードパーティアプリケーションからの音楽や他のコンテンツのストリーミングが、ローカルコンテンツ再生システムへ送り込まれることが起動(トリガー)される。例えば、Rhapsody(商標)アプリケーション上にて、「Sonosで再生」のボタンが押される。ブロック820において、コンテンツは、ハウスホールド再生ネットワーク内の1つ以上のコンポーネントに送られる。音楽ストリームは、例えば、ハウスホールド内の所定のゾーン又はプレーヤーに配信されてもよい。音楽ストリームはさらに、ハウスホールド全体を通じて異なるゾーンやプレーヤーで再生されるように送ることができる。ローカルネットワーク上での再生は、設定(例えば、ゾーンシーン、テーマなど)に基づいて、1つ以上のゾーン/プレーヤーにとって容易なものとすることができる。したがって、ある実施形態では、音楽を実際に演奏する際の自由度を高めることができる。例えば、音楽は、キッチン、ファミリールーム、パティオなどで再生することができる。さらに、音楽を異なるゾーンに切り替ることもできる。
【0060】
ブロック830において、受信したコンテンツ(例えば、オーディオ)のストリーミングは、サードパーティアプリケーションや他の外部ソースから再生用のローカル再生ネットワークへ直接提供される。例えば、オーディオストリームは、トラックアイデンティファイヤを通過させず、SonosHOUSEHOLDホールドシステムに提供され、1つ以上の設定されたゾーンで再生される。ブロック840において、ローカル再生(例えば、Sonos(商標))ネットワーク(例えば、ゾーンなどを経由して)上のコンテンツを再生するように、ローカル再生システムはストリームを処理し、再生する。ブロック850において、再生デバイス(例えば、ゾーンプレーヤー、Play:3(商標)、Play:5(商標)など)は、ストリーミングコンテンツ信号にタイミング情報を付加する(例えば、デバイスがストリーミングオーディオ信号を取り込み、それをローカルでの同期再生のために再パッケージする)。いくつかの実施形態では、2つ以上の再生デバイスが同期してオーディオを再生するように構成されていない限り、タイミング情報は信号に付加されない。
【0061】
図9は、ローカル再生システムにオーディオコンテンツを提供する方法900のフロー図を示す。
図9の例示的な方法900において、コンテンツを出力するためのユニフォームリソースインジケータ(URI)ハンドラ手法(handler approach)が提供される。ブロック910において、リンク又はその他のリファレンスがサードパーティアプリケーション(例えば、Facebook(商標)やTwitter(商標))に埋め込まれている。ブロック920において、リンクが選択(例えば、クリック)されたときに、利用可能であればローカル再生(例えば、Sonos(商標))コントローラが起動される。ブロック930において、(電話、タブレット、コンピュータなどでアクセスされる)アプリケーションは、関連するコンテンツ(例えば、オーディオトラックなど)のURIをローカル再生システム(例えば、Sonos(商標))コントローラに提供する。ブロック940において、ローカルコントローラは、URIを経由して、関連するコンテンツを出力する(例えば、音楽を再生する)。例えば、音楽は、クラウドからローカル再生ネットワーク上の1つ以上の再生デバイスにストリーミングされる。
【0062】
ある実施形態では、オペレーティングシステムに関連するアプリケーションは、特定の接頭語で始まる全てのURI(URL)に登録し、それらのURLにデータがどのようにエンコードされるかを定義することができ、これにより、ローカル再生システムアプリケーションは、リンク(例えば、「sonos」)を生成するとともにそのリンクをメッセージ(例えば、電子メール、テキストメッセージ、インスタントメッセージ(IM)など)内に含めることができる。このようなURLを処理するために登録されたローカル再生アプリケーションは、URLを解析することで、どのような曲、プレイリスト、ストリーミングラジオステーションなどを再生すべきかを決定することができる。これにより、コントローラのアプリケーションが起動される。例えば、第1のリスナーがある歌を好んでおり、その歌をつぶやくと、Twitter(商標)はクリック可能なリンクを含めることができ、そのリンクは、ローカルシステムがその歌を見つけることができれば(例えば、アプリケーションを有する場合、その歌への権利/アクセスを有している場合など)、再生アプリケーションを起動して、ローカル再生システムでの再生を開始する。ある実施形態では、システムは、受信側ユーザシステムではなく送信側ユーザシステムを起動して、送信されたリンク/識別子に基づいて関連するコンテンツを再生することも可能である。
【0063】
例えば、アプリケーションは、カスタム接頭語(例えば、HTTPの「scheme」)で始まる全てのURLを処理するためにシステムに登録することができる。例えば、Sonosコントローラアプリは、「sonos:」又は「x-sonos:」で始まる任意のURLを処理するように登録することができる。ある実施形態では、再生システムプロバイダは、URLのフォーマットを定義および公開することで、任意のサードパーティアプリケーションがコンテンツへのリンク又はリファレンスを作成できるようにすることができる。例えば、質問パラメータを使用して、URLに大量のデータをエンコードすることができる。
【0064】
一例では、アプリケーションがURLを「開く」又は「ブラウズ」しようとすると、システムは、URLのスキームがそのアプリケーションに登録されている「sonos:」のスキームに合致するかどうかを確認する。URLハンドラアプリケーションが発見された場合、システムはアプリケーションを起動して(例えば、アプリケーションがバックグラウンドで実行されている必要はない)、そのアプリケーションへURLを提供する。次に、アプリケーションはURLを解析して、URL内のデータに基づいて機能を実行する。例えば、URLはSonos(商標)ゾーンプレーヤーの名称に加えて、音楽サービスの名称やそのサービスからのプレイリスト識別子を含めることができ、これにより、Sonosコントローラは、そのゾーンでのプレイリストの再生を開始する。
【0065】
図10は、ローカル再生システムにオーディオコンテンツを提供する方法1000のフロー図を示している。
図10の例示的な方法1000は、ブロック1010において、リンク又は他のリファレンスが、サードパーティアプリケーション(例えば、Facebook(商標))に埋め込まれる。ブロック1020において、リンクが選択されると、再生システム(例えば、Sonos(商標))サーバに通信されて、選択された再生用のコンテンツに関する情報が提供される。例えば、ローカルコントローラアプリケーションを起動するよりもむしろ、サーバに対して、ローカルネットワーク上での再生用の音楽に関して通信が行われる。ブロック1030において、提供された情報を使用して、サーバはコンテンツを識別し、そのコンテンツをユーザのローカル再生システムにローカルに提供する。サーバはその次に例えば、ユーザのSonos(商標)システム上での(例えばSonosコントローラアプリケーションを経由しない)直接的な音楽の再生を開始することができる。
【0066】
ある実施形態では、ユーザが再生サーバに認証するためにユーザ名とパスワードを再入力することを要しないように、「シングルサインオン」技術が用いられる。例示的なシングルサインオン技術には、Facebook Connect(商標)やWindows Live ID(商標)などが含まれる。
【0067】
ある実施形態では、「sonos:」などの特殊なリンクを使用することなく、通常のURLを使用して、特別なデータが埋め込まれたリンクを生成する再生システム(例えば、Sonos(商標))ウェブサーバを示すことができる。再生システムは識別され、URLによって識別されるコンテンツはローカル再生ネットワーク(例えば、家やホテルの部屋用に構築されたメッシュネットワーク)を介して再生可能となっている。リモートコンテンツのローカル再生のために、認証、セキュリティ、位置などのパラメータを構成することができる。
【0068】
図11は、ローカル再生システムにオーディオコンテンツを提供する方法1100のフロー図を示している。
図11の例示的な方法1100は、ローカル再生システムへのコンテンツ配信として、「スローイットオーバーザウォール(throw it over the wall)」手法(壁に向かって投げるだけのような簡単な手法)を提供する。ブロック1110において、サードパーティアプリケーションは、コンテンツ(例えば、オーディオトラック)に関する十分な情報を備えたマルチメディア再生デバイス(例えば、Sonos(商標)ゾーンプレーヤー(ZP))を提供する。これにより、ブロック1120において、ローカル再生システム(SonosNet(商標))は、そのコンテンツのソースに直接アクセスするとともに、ブロック1130において、ネットワーク(例えば、インターネット)又はクラウドから直接的にコンテンツを再生することができる。
【0069】
ある実施形態では、ローカル再生コントローラアプリケーションは含まれていない。ローカル再生デバイスに提供される情報には、単一のトラック、プレイリスト、ストリーミングラジオステーション、プログラムされたラジオステーションなどの識別子が含まれてもよい。この情報には、リスト内における現在の再生ポジションが含まれてもよく、これにより、ポータブルデバイスからローカル再生システムへのほぼシームレスな「ハンドオフ」による音楽が可能となる。音楽の情報がサードパーティアプリケーションからローカル再生システムに提供されると、2つのシステム間における同期は存在しなくなる。
【0070】
サードパーティアプリケーションとローカル再生デバイス(例えば、SonosのZonePlayer(商標))の接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)を介して直接であっても、クラウド内のプロキシサーバを通じてリモートであってもよい。例えば、LAN配信による手法は、「ネイティブ」なアプリケーション(例えば、iOSやAndroid用に作成されたアプリケーション)への統合が容易であり、プロキシサーバによる手法は、ブラウザベースであるサードパーティアプリケーションにとって容易なものとすることができる。
【0071】
ある実施形態では、情報は、コントローラアプリケーションを介して又はそれによってルーティングされることなく、サードパーティアプリケーションからローカル再生システムに提供される。ここで、サードパーティアプリケーションは、マルチメディア再生デバイス(例えば、SonosのZonePlayer(商標))と通信している。情報は、例えば、インターネットを介するよりもむしろ、ローカルに送受信することができる。ローカル再生デバイスは、ストリーミングするコンテンツを見つけるためにインターネットにアクセスて、サードパーティアプリケーションは、コントローラアプリケーションに取って代わる(例えば、スローイットオーバーザウォール−アプリケーションが情報を提供し、ローカルシステムがその情報を利用する)。
【0072】
ある実施形態は、サードパーティアプリケーションがローカル再生システムに対して何を再生すべきかを指示するだけでなく、「スローイットオーバーザウォール」に類似する手法(ローカル再生(例えば、Sonos(商標))システムとの双方向通信を維持するという点を除いて)又は
図11の1方向通信手法に類似する手法を提供する。双方向通信によれば、ユーザがサードパーティアプリケーション内で編集/管理しているキューと同期するように、ローカル再生キューを維持するなどの特徴の実現に役立つとともに、サードパーティアプリケーションがローカル再生システム上で現在何を再生しているかを知ることができ;サードパーティアプリケーションとローカル再生システム間でのトランスポート制御の統合を可能にすることができる。
【0073】
ある実施形態では、ローカル再生システムは、現在の再生位置を示すために、サードパーティアプリケーションに情報を提供することができる(例えば、プレイリスト内の3番目の曲を再生中、4番目の曲を再生中など)。ローカル再生システムは、ローカルマルチメディア再生デバイスからサードパーティアプリケーションへ音量の変更などのパラメータ情報を提供することで、アプリケーションはグラフィカルユーザインタフェースを介して音量変化をユーザに反映させることができる。サードパーティアプリケーションは、曲のスキップや特定の場所への移動などをローカル再生システムに指示することができる
【0074】
ある実施形態は、ユーザが自身のスマートフォンやタブレット(例えば、Android(商標)デバイス)上の1つ以上のサードパーティアプリケーションから音声を視聴するために、任意のローカル再生ネットワーク(例えば、Sonos(商標))コントローラからの選択を可能とするサードパーティーモードを提供する。例えば、ユーザは、ローカル再生ネットワークコントローラアプリケーションを使用しており、コントローラアプリケーション内のオーディオソースとしてサードパーティアプリケーションを表示したいと考えている場合がある。ユーザは次に、例えば、サードパーティアプリケーションからのオーディオの再生を希望するコントローラアプリケーションを選択することができる。
【0075】
ある実施形態は、サードパーティアプリケーションによるローカル再生キューの制御を可能とするキューマネージメントを提供する。すなわち、ローカル再生システムはキューを有するが、サードパーティアプリケーションにより、ユーザはそのキューへの追加や削除などを行うことができる。ユーザが現在再生中のコンテンツから切り替えるよりもむしろ、ローカル再生システムは、ユーザによるその場でのプレイリストの作成を可能とする。例えば、last.fmのユーザが、ある曲が好きではないこととそれをスキップすべきであることを表明している場合、ローカル再生システムはそれをスキップする。
【0076】
ある実施形態によれば、サードパーティアプリケーションは、ローカル再生キューを、独自のアプリケーション固有のキューで上書きすることができる。ローカル再生システムは、次に再生するトラックの短いリストを定期的に取得する。再生するトラックのリストは、例えば、サードパーティアプリケーションによって決定される。ある実施形態では、ローカル再生システムとサードアプリケーション間で共有のキューが提供されることで、そのローカルシステムとアプリケーションの同期を維持する。
【0077】
ある実施形態によれば、再生システムの機能/設定を、外部(例えば、サードパーティ)アプリケーションを介して制御することができる。例えば、ローカル再生システムは、音量コントロールや再生/一時停止を可能にするとともに、所定のプラットフォーム/オペレーティングシステム(OS)上で動作するアプリケーションと交信することができる。ある実施形態は、機能性(functionality)にアクセスするために使用可能なWeb APIを提供する。
【0078】
ある実施形態は、ローカル再生ネットワークが構成されている家庭や他の場所の外部から、ローカル再生システムの制御を容易にする。例えば、ユーザは、自分の家から離れたところで音楽をキューに入れることができる。アプリケーションは、セットアップおよび/又は設定を容易にすることができる。例えば、サードパーティアプリケーションは、Sonosの顧客電子メールアドレスとパスワードを入力するようにユーザに求めてもよい。アプリケーションはその後、音楽を再生可能なゾーングループを決定するように、クラウド内のSonosのサーバに要求することができる。
【0079】
様々な発明が、ある程度の具体性を持って十分に詳細に記載されている。本開示の実施形態は、例示の目的のみで作られることと、部品の配置および組み合わせにおいて多くの変更が、特許請求の範囲に記載された発明の精神および範囲から逸脱しないように行われてもよいことが、当業者に理解される。本明細書に記載された実施形態は、情報単位の提示に関していくつかの制限を含むように見えるかもしれないが、形式又は配置の点で、実施形態は、そのような実施形態をはるかに超えて適用可能であることが、当業者によって理解される。したがって、本発明の範囲は、上記した実施形態よりむしろ添付された特許請求の範囲によって定義される。