【文献】
Wen-Xiang Cong et al.,Recursive algorithm for phase retrieval in the fractional Fourier transform domain,APPLIED OPTICS,1998年10月10日,Vol. 37, No. 29,pp. 6906-6910
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記更新された第1のフィールド値を計算することは、前記更新された第1のフィールド値を前記第1のフィールドと比較することと、前記第1のフィールド値関数の収束値が得られるまで前記螺旋位相制約と前記開口制約とを適用することによって前記第1のフィールド値を更新することとをさらに含む請求項3に記載の方法。
前記光学アセンブリは、前記光源と前記物体の間に配置された空間フィルタと第3の光学素子とをさらに含み、前記空間フィルタは前記光線をフィルタリングしてフィルタ処理された光線を生成するように構成され、前記第3の光学素子は、前記フィルタ処理された光線を前記物体に向けるように構成された請求項9に記載の装置。
前記第2の光学素子は、フォーク回折格子とレンズとを含み、前記フォーク回折格子は振幅フォーク回折格子、位相フォーク回折格子、二値振幅位相回折格子、ダンマン渦回折格子、またはこれらの組合せを含む請求項8に記載の装置。
前記光学アセンブリは、前記光信号を第1の光信号と第2の光信号とに分割するように構成されたビームスプリッタをさらに含み、前記光学アセンブリは、第1の光信号を第1の光学素子を通過させ、前記第2の光信号を前記第2の光学素子を通過させて前記第1の強度データと前記第2の強度データとを生成するように構成された請求項8に記載の装置。
前記光信号を前記第1の光学素子を介して透過させることは、前記光信号をレンズを介して透過させて前記第1の透過光線を得ることを含み、前記光信号は前記位相変換マスクを通過しない請求項20に記載の方法。
前記光信号を前記第2の光学素子を介して透過させることは、前記光信号を前記第1の光学素子と前記第2の光学素子の両方を介して透過させて前記第2の透過光線を得るように前記第2の光学素子を配置することを含む請求項20に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
これらの図はすべて、本明細書に記載の少なくともいくつかの実施形態に従って配列されている。
【0015】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部をなす添付図面を参照する。図面では、文脈により別段の指示がない限り、通常、同様の符号は同様のコンポーネントを示す。詳細な説明、図面および特許請求の範囲に記載の例示の実施形態は、限定的であることを意図したものではない。本明細書に記載の主題の趣旨および範囲から逸脱することなく、他の実施形態を使用してもよく、他の変更を加えてもよい。本明細書で一般的に説明し、図面に示す本開示の態様は、さまざまな異なる構成で構成、代替、組合せ、分離および設計することができ、それらのすべてが本明細書で明示的に企図されることは容易に理解できるであろう。
【0016】
本開示の例示の実施形態は、一般には光信号の位相データを算出する技術に関する。これらの技術は、一般に、2つの強度測定値から光信号の位相データを算出することを含み得る。光信号を第1の光学素子を介して透過させて第1の透過光線を得、第1の透過光線について第1の強度データを求めることができる。光信号を第2の光学素子も介して透過させ第2の透過光線を得て、第2の透過光線について第2の強度データを求めることができる。光信号の位相データは、第1の強度データと第2の強度データとに基づいて算出することができる。本明細書に記載のさまざまな技術は、求めた強度測定値から生成される、物体の高解像度画像を提供することができる。これらの技術は、光計測用途などのさまざまな用途に使用される、光位相の特異性の検出を容易にすることができる。
【0017】
図1は、本開示の少なくとも一部の実施形態による、光信号の位相データを算出するように構成された例示のシステム100を示す概略図である。例示のシステム100は、光源110、光センサ120、画像プロセッサ130、光学アセンブリ140などの1つまたは複数のコンポーネントを含み得る。
【0018】
光学アセンブリ140は、1つまたは複数の螺旋フィルタ(SF)141、第1の光学素子(L1)142、第2の光学素子(L2)143、第3の光学素子(L3)144などのさまざまなコンポーネントを含み得る。これらのさまざまなコンポーネントは、個別のブロックとして図示されているが、所望の実装形態に基づいて、これらのさまざまなブロックを組み合わせてブロック数を減らしたり、分割して追加のブロックとしたり、省いたりしてもよい。
【0019】
システム100内のさまざまなコンポーネントは、以下のように構成可能である。光源110は、第1の光路101に沿って出力光線150を生成することができる。螺旋フィルタ(SF)141は、光路101に沿って位置合わせすることができる。螺旋フィルタ141の第2の側は第2の光路102に沿って位置合わせされ、第2の光路102は第3の光学素子(L3)144の第1の側と位置合わせされている。第3の光学素子(L3)144の第2の側は、第3の光路103に沿って位置合わせされ、第3の光路103は物体(O)145の第1の側と位置合わせされている。物体(O)145の第2の側は、第4の光路104に沿って位置合わせされ、第4の光路104は第2の光学素子(L2)143の第1の側と位置合わせされている。
【0020】
第2の光学素子(L2)143の第2の側は第5の光路105と位置合わせされ、第5の光路105は第1の光学素子(L1)142の第1の側と位置合わせされている。第1の光学素子142の第2の側は、第6の光路106に沿って位置合わせされ、第6の光路106は光センサ120の入力部と位置合わせされている。光センサ120は画像プロセッサ130と結合されている。ある例では、光路104と光路105の経路長は、第1の光学素子(L1)142と第2の光学素子(L2)143と物体145とが互いに接触するように、実質的にゼロ経路長であってもよい。
【0021】
動作時、光源110は光路101に沿って螺旋フィルタ(SF)141まで光線150を介して透過させる(または投射する)。螺旋フィルタ141は、フィルタ処理された光線160を光路102に沿って第3の光学素子(L3)144まで透過させるように構成することができる。第3の光学素子(L3)144は、フィルタ処理された光線160を受光し、フィルタ処理された光線160を光路103に沿って透過させるように構成されてもよい。この例では、第3の光学素子(L3)144は、光路103に沿った平行面光線の生成を容易にすることができる。ある例では、螺旋フィルタ(SF)141と第3の光学素子(L3)144とによって光線150のむらを実質的に除去することができる。物体(O)145は、光路103内に配置され、フィルタ処理された光線160を照射することによって光信号170を生成することができる。光信号170は、第4の光路104に沿って透過され得る。光信号170は光路105に沿って第1の光学素子(L1)142を介して透過され、第1の透過光線181を得る。光センサ120は、第1の透過光線181を検知して第1の強度データ191を生成することができる。光センサ120は、第1の強度データ191を画像プロセッサ130に供給してもよい。
【0022】
ある例では、光信号170は、第1の光学素子(L1)142を介して透過させる前に、第2の光学素子(L2)143を介して透過されてもよい。そのような例では、光信号170は第1の光学素子(L1)142を介して透過され、第2の透過光線182を得ることができる。光センサ120は第2の透過光線182を検知し、第2の強度データ192を生成することができる。光センサ120は、第2の強度データ192を画像プロセッサ130に供給してもよい。
【0023】
光学アセンブリ140の一部として示されているさまざまなコンポーネントは、本開示の趣旨から逸脱することなく配置を変更することができる。実質的に同様の作用効果を維持しながら、その他の実装形態での必要に応じてシステムに追加のミラー、レンズ、およびフィルタを使用し、効率的または好都合な物理的配置を容易にすることができる。
【0024】
上述のように、光源110は、物体(O)145を介して透過される光線150を生成して光信号170を生成するように構成することができる。ある例では、光源110からの光線150を物体(O)145から反射させて光信号170を生成してもよい。ある例では、光信号170は、光線150と物体(O)145との相互作用により生成してもよい。光線150と物体(O)145との相互作用の例としては、反射、透過、吸収、回折、散乱、非線形光学的相互作用、またはこれらの組合せなどがあるが、これらには限定されない。
【0025】
光源110の例としては、レーザ光源、狭帯域熱光源、LED光源、またはこれらの組合せなどがあるが、これらには限定されない。光線150は、たとえば伝播方向に対して直角な面における任意の2点における光照射野間に規定された位相関係があるような、空間的にコヒーレントな光線とすることができる。一例では、伝播方向に対して直角な面のすべての点における光照射野の位相がほぼ同じである。物体(O)145は、透明な物体、部分的に透明な物体、反射物体、部分的に反射する物体、またはこれらの組合せを含み得る。上述のように、光学アセンブリ140は、光信号170を第1の光学素子(L1)142を介して透過し、第1の透過光線181を得るように構成することができる。一例では、第1の光学素子(L1)142は開口レンズを含んでもよい。レンズの例としては、二重凸レンズ、平凸レンズ、ベストフォームレンズ、非球面レンズ、またはこれらの組合せなどがあるが、これらには限定されない。ある例では、光線の集束を容易にするように構成された、曲面鏡、回折素子またはホログラフィック素子を第1の光学素子(L1)142として使用してもよい。
【0026】
また、光学アセンブリ140は、光信号170を第2の光学素子(L2)143を介して透過させ、第2の透過光線182を得るように構成することができる。この例示の実施形態では、第2の光学素子(L2)143は位相変換マスクとすることができる。位相変換マスクの例としては、螺旋位相変換マスク、疑似ランダム位相符号化マスク、フォーク回折格子、またはこれらの組合せなどがあるが、これらには限定されない。フォーク回折格子の例としては、振幅フォーク回折格子、位相フォーク回折格子、二値振幅位相回折格子、ダンマン渦回折格子、またはこれらの組合せなどがあるが、これらには限定されない。
【0027】
ある例では、光信号170は、位相変換マスク143を通さずに第1の光学素子142を介して透過されて第1の透過光線181を得てもよい。ある例では、第2の光学素子(L2)143を、光信号170が第1の光学素子(L1)142と第2の光学素子(L2)143の両方を介して透過するように配置し、第2の透過光線182を得てもよい。このような例では、光信号170をレンズと位相変換マスクとを介して透過させ、第2の透過光線182を得ることができる。ある例では、位相変換マスクはレンズの開口部に近接して配置してもよい。
【0028】
随意により、
図1に示すように光源110からの光線150を光学アセンブリ140の螺旋フィルタ141を通してもよい。螺旋フィルタ141により、光線150の収差を除去し、フィルタ処理された光線160を生成する効果を得ることができる。光源110と物体(O)145との間に配置された第3の光学素子(L3)144は、透過光線160を物体(O)145に向けるように構成することができる。ある例では、第3の光学素子(L3)144はレンズを含み得る。
【0029】
ある例では、光センサ120は第1の光学素子(L1)142の第1の焦点面に配置してもよい。光センサ120は、第1の光学素子(L1)142の第1の焦点面における第1の強度データ191と第2の強度データ192とを求めるように構成することができる。第1の強度データ191と第2の強度データ192は透過光信号に対応し得る。光センサ120の例としては、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサ、電荷結合素子(CCD)センサ、またはこれらの組合せなどがあるがこれらには限定されない。
【0030】
また、システム100の画像プロセッサ130は、第1の強度データ191と第2の強度データ192とを処理して光信号170の位相データを算出するように構成することができる。一例では、位相データから物体(O)145の画像を形成することができる。画像プロセッサ130は、螺旋位相制約と開口制約とを第1の強度データ191と第2の強度データ192とに反復的に適用し、光信号の位相データを算出するように構成してもよい。ある例では、螺旋位相制約は位相変換マスク143に対応し、開口制約は第1の光学素子(L1)142の開口サイズに対応し得る。
【0031】
ある例では、
図1の装置は、コンピューティング処理を使用して、算出された位相データに基づき画像を生成するように構成された撮像装置とすることができる。画像装置の例としては、カメラ、顕微鏡、望遠鏡またはこれらの組合せなどがあるがこれらには限定されない。
【0032】
図2は、本開示の少なくとも一部の例により構成された、光信号の位相データを算出する装置の構成例200を示す概略図である。
図1の装置と同様、装置200は、光源110、画像プロセッサ130、光学アセンブリ140などの1つまたは複数のコンポーネントを含み得る。例示のシステム200は、ビームスプリッタ(BS)210、第1の光センサ220、第2の光センサ230などの追加のコンポーネントも含み得る。
【0033】
前述のように、光源110は、物体(O)145を介して透過された光信号150を生成して光信号170を生成するように構成することができる。ある例では、光信号170は光線150と物体(O)145との相互作用から生成することができる。例示の実施形態では、ビームスプリッタ210は、光信号170を第1の光信号240と第2の光信号250とに分割するように構成することができる。光学アセンブリ140は、第1の光信号240を第1の光学素子(L1)142を介して透過させ、第2の光信号250を第2の光学素子(L2)143を介して透過させ、それぞれ第1の強度データ260と第2の強度データ270とを生成するように構成することができる。この例では、第2の光学素子(L2)143は第4の光学素子212に近接して配置してもよい。ある例では、第4の光学素子(L4)212はレンズとすることができる。この例では、第2の光信号250は、第2の光学素子(L2)143と第4の光学素子(L4)212とを介して透過されて第2の強度データ270を生成することができる。
【0034】
システム内のさまざまなコンポーネントは以下のように構成することができる。光源110は、第1の光路201に沿って位置合わせされた出力を含む。光源110からの出力は螺旋フィルタ(SF)141を通過する。螺旋フィルタ(SF)141は第2の光路202に沿って位置合わせされ、第2の光路202は物体(O)145の第1の側と位置合わせされている。物体(O)145の第2の側は第3の光路203に沿って位置合わせされ、第3の光路203はビームスプリッタ(BS)210の第1の側と位置合わせされている。ビームスプリッタ(BS)の第1の側は、第4の光路204とも位置合わせされ、第4の光路204は第1の光学素子(L1)142の第1の側と位置合わせされている。
【0035】
第1の光学素子(L1)142の第2の側は、第5の光路205に沿って位置合わせされ、第5の光路205は第1の光センサ220と位置合わせされている。ビームスプリッタ(BS)210の第2の側は第6の光路206に沿って位置合わせされ、第6の光路206は第2の光学素子(L2)143の第1の側と位置合わせされている。第2の光学素子(L2)143の第2の側は第7の光路207と位置合わせされ、第7の光路207は第4の光学素子(L4)212の第1の側と位置合わせされ、第4の光学素子212は第2の光センサ230と位置合わせされている。第1の光センサ220および第2の光センサ230の出力は、画像プロセッサ130に結合することができる。
【0036】
動作時、光源110は光線150を第1の光路201に沿って螺旋フィルタ(SF)141まで透過させ(または投射し)、螺旋フィルタ141は、フィルタ処理された光線160を通過させて第2の光路202内に配置された物体145を照射し、光信号170を生成する。光信号170は、第3の光路203に沿ってビームスプリッタ(BS)210の第1の側まで透過させることができる。ビームスプリッタ210は、光信号170を第1の光信号240と第2の光信号250とに分割するように構成することができる。
【0037】
第1の光信号240を第1の光学素子(L1)142を介して透過させて第1の透過光線241を生成し、第2の光信号250を第2の光学素子(L2)143を介して透過させて第2の透過光線251を生成することができる。第1の光センサ220は、第1の透過光線241に対応する第1の光学素子(L1)142の第1の焦点面における第1の強度データ260を取得するように構成することができる。
【0038】
第2の光センサ230は、第2の透過光線251に対応する第2の光学素子(L2)143の第2の焦点面における第2の強度データ270を取得するように構成することができる。ある例では、第1の透過光線241と第2の透過光線251は、第1の透過光線241と第2の透過光線251とに基づいて第1の強度データ260と第2の強度データ270とを求めるように構成された単一のセンサによって受光することができる。
【0039】
また、システム200の画像センサ130は、第1の強度データ260と第2の強度データ270とを処理して光信号170の位相データを算出するように構成することができる。画像センサ130は、第1の強度データ260と第2の強度データ270とに螺旋位相制約と開口制約とを反復して適用し、光信号170の位相データを算出するように構成することができる。
【0040】
図3は、本明細書に記載の少なくとも一部の実施形態により構成された、光信号の位相データを算出する例示の処理300を示す図である。処理300は1つまたは複数のブロック302〜310に示すように、1つまたは複数の動作、機能または作用を含み得る。ブロックは一連の順序で示されているが、これらのブロックは並行して実行してもよく、本明細書に記載の順序とは異なる順序で実行してもよい。また、所望の実装形態に基づき、これらのさまざまなブロックを組み合わせてブロック数を減らしたり、ブロックを分割することによりブロックを追加したり、ブロックを省いたりしてもよい。処理300はブロック302から開始することができる。
【0041】
ブロック302「光信号を第1の光学素子を介して透過させる」において、光信号(170)を第1の光学素子(L1)(142)を介して透過させことができる。ある実施形態では、光線(150)は物体(O)(145)を介して透過させて光信号(170)を生成することができる。特定の実施形態では、光源(110)から発光された光線(150)を第3の光学素子(L3)(144)を使用して物体(O)(145)に向けることができる。ある実施形態では、光線(150)を物体(O)から反射させて光信号(170)を生成することができる。光信号(170)を、第1の光学素子(L1)(142)を介して透過させて第1の透過光線(181)を得ることができる。
【0042】
処理300は、ブロック302からブロック304「光センサにより第1の光学素子の第1の焦点面における第1の強度データを取得する」に移行し、光センサ(120)によって第1の光学素子(L1)(142)の第1の焦点面における第2の強度データ(191)を取得する。この例では、第1の強度データ(191)は第1の透過光線(181)に対応し得る。
【0043】
処理300はブロック304からブロック306「光信号を第2の光学素子を介して透過させる」に移行し、光信号(170)を第2の光学素子(L2)(143)を介して透過させることができる。この例では、第2の光学素子(L2)(143)は、位相変換マスクを含む。この例では、光信号(170)を位相変換マスク(143)を通過させることができる。ある例では、第2の光学素子(L2)(143)は位相変換マスクであってよく、これを第1の光学素子(L1)(142)と共に使用して光信号(170)を透過させ、第2の透過光線182を得ることができる。ある例では、第2の光学素子(L2)(143)はレンズおよび位相変換マスクアセンブリとすることができ、第1の光学素子(L1)142に代えて光信号(170)を透過させ、第2の透過光線182を得てもよい。この例では、レンズはL1 142とほぼ同様の光学特性を有する(たとえば同じ開口制約および/または同じ焦点距離を有する)ことができる。
【0044】
ある例では、第2の光学素子(L2)(143)は第1の光学素子(L1)(142)に近接して配置することができ、光信号(170)を第1の光学素子(L1)(142)と第2の光学素子(L2)(143)の両方を介して透過させることができる。一例では、第2の光学素子(L2)(143)は第1の光学素子(L1)(142)の開口部に近接して配置してよい。ある例では、第1の光学素子(L1)142の光軸と平行に透過させた光線が、光軸からほぼ同じ距離/高さで第1の光学素子(L1)142および第2の光学素子(L2)(143)に入射する。
【0045】
処理300はブロック306からブロック308「光センサにより第2の光学素子の第2の焦点面における第2の強度データを取得する」に移行し、光センサ(120)によって第2の光学素子(L2)(143)の第2の焦点面において第2の強度データ(192)を取得することができる。この例では、第2の強度データ(192)は第2の透過光線(182)に対応し得る。
【0046】
処理300はブロック308からブロック310「第1の強度データと第2の強度データとに基づいて光信号の位相データを算出する」に移行し、画像プロセッサ(130)により、第1の強度データ(191)と第2の強度データ(192)とに基づいて光信号(170)の位相データを算出することができる。ある例では、画像プロセッサ(130)は、第1の強度データ(191)と第2の強度データ(192)とに螺旋位相制約と開口制約とを反復的に適用して光信号(170)の位相データを算出してもよい。螺旋位相制約は位相変換マスク(143)に対応し、開口制約は第1の光学素子(L1)(142)に対応し得る。第1の強度データ(191)と第2の強度データ(192)とに基づく位相の算出について、
図4を参照しながら以下に説明する。
【0047】
図4は、本明細書に記載の少なくとも一部の実施形態により構成された、光信号の位相データを算出する例示の処理400を示す図である。処理400は、1つまたは複数のブロック402〜422に示すように1つまたは複数の動作、機能または作用を含み得る。ブロックは一連の順序で示されているが、これらのブロックは並行して実行してもよく、本明細書に記載の順序とは異なる順序で実行してもよい。また、所望の実装形態に基づき、これらのさまざまなブロックを組み合わせてブロック数を減らしたり、ブロックを分割することによりブロックを追加したり、ブロックを省いたりしてもよい。処理400はブロック402から開始することができる。
【0048】
ブロック402「第1の強度データと第2の強度データを求める」において、光信号(170)に対応する第1の強度データ(I
1)(191)と第2の強度データ(I
2)(192)を求めることができる。第1の強度データ(191)は、物体(O)(145)と第2の光学素子(L1)142を通る光信号(170)の透過に基づいて、光センサ(120)によって生成することができる。また、第2の強度データ(192)は、物体(O)(145)と第2の光学素子(L2)(143)とを通る光信号の透過に基づいて光センサ(120)によって生成することができる。ある例では、第2の光学素子(L2)(143)は位相変換マスクを含み得る。
【0049】
処理400は、ブロック402からブロック404「第1の強度データと推測位相値に基づいて第1のフィールド値を初期化する」に移行し、第1の強度データ(I
1)(191)と推測位相値(Ψ
1(0)(ρ,ψ))とに基づいて第1のフィールド値(A
1(0)(ρ,ψ))を初期化することができる。ある例では、推測位相値はランダム値または所定の値とすることができる。たとえば、ランダム値発生器を使用して推測位相値にランダム位相値を代入してもよい。ある例では,代入されるランダム位相値は0から約2πの範囲である。ある例では、第1のフィールド値(A
1(0)(ρ,ψ))は第1の強度データ(I
1)(191)と推測位相値(θ
1(0))に基づいて以下の関係式により算出することができる。
A
1(0)(ρ,ψ)=√I
1(ρ,ψ)exp[iΨ
1(0)(ρ,ψ)] (1)
後述するように、第1のフィールド値は反復処理を使用して算出することができる。ある例では、この処理のn番目の反復の第1のフィールド値は、前回までの反復の値に基づいて以下の関係式により算出される。
A
I(n−1)(ρ,ψ)=√I
1(ρ,ψ)exp[(iΨ
1(n−1)(ρ,ψ)] (2)
【0050】
処理400はブロック404からブロック406「第1のフィールド値を逆フーリエ変換して第1のアパーチャフィールドを求める」に移行し、第1のフィールド値(A
1(n−1)(ρ,ψ))を逆フーリエ変換し、第1のアパーチャフィールド(α
1(n−1)(r,θ))を求めることができる。
【0051】
処理400はブロック406からブロック408「第1のアパーチャフィールドに螺旋位相制約と開口制約を適用して制約付き第1のアパーチャフィールドを求める」に移行し、第1のアパーチャフィールド(α
1(n−1)(r,θ))に螺旋位相制約(exp(iθ))と開口制約(C(r,θ))とを適用して制約付き第1のアパーチャフィールド(α2
(n−1)(r,θ))を求めることができる。ある例では、第1のアパーチャフィールド(α1
(n−1)(r,θ))に螺旋位相制約(exp(iθ))および開口制約(C(r,θ))を乗じることによって制約付き第1のアパーチャフィールド(α2
(n−1)(r,θ))を求めてもよい。ある例では、開口制約の値は開口領域内では「1」に設定される。ある例では、開口制約の値は開口領域外では「0」に設定される。本明細書では、「開口領域内」という用語は位相変換マスクの透過部分を指し、「開口領域外」という用語は位相変換マスクの非透過部分を指す。
【0052】
処理400はブロック408からブロック410「制約付き第1のアパーチャフィールドをフーリエ変換してデータ領域制約付き第1のアパーチャフィールドを求める」に移行し、制約付き第1のアパーチャフィールド(α
2(n−1)(r,θ))をフーリエ変換してデータ領域制約付き第1のアパーチャフィールド(B
2(n)(ρ,ψ))を求めることができる。この例では、データ領域制約付き第1のアパーチャフィールド(B2
(n)(ρ,ψ))は、第1の位相成分を含み得る。
【0053】
処理400はブロック410からブロック412「データ領域制約付き第1のアパーチャフィールドに基づいて第2のフィールド値を計算する」に移行し、データ領域制約付き第1のアパーチャフィールド(B
2(n)(ρ,ψ))に基づいて以下の関係式により第2の位相関数(Ψ
2(n)(ρ,ψ))を求めることができる。
Ψ
2(n)(ρ,ψ)=arg[B2
(n)(ρ,ψ)] (3)
また、データ領域制約付き第1のアパーチャフィールド(B
2(n)(ρ,ψ))と第2の強度データ(I
2)(192)に基づき、以下の関係式により第2のフィールド値(A
2(n)(ρ,ψ))を求めることができる。
A
2(n)(ρ,ψ)=√I
2(ρ,ψ)exp[(iΨ
2(n)(ρ,ψ)] (4)
【0054】
処理400はブロック412からブロック414「第2のフィールド値を逆フーリエ変換して第2のアパーチャフィールドを求める」に移行し、第2のフィールド値(A
2(n)(ρ,ψ))を逆フーリエ変換し、第2のアパーチャフィールド(α
2(n)(r,θ))を求めることができる。
【0055】
処理400はブロック414からブロック416「第2のアパーチャフィールドに共役螺旋位相制約と開口制約とを適用して制約付き第2のアパーチャフィールドを求める」に移行し、第2のアパーチャフィールド(α
2(n)(r,θ))に共役螺旋位相制約(exp(−iθ))および開口制約C(r,θ)を適用して制約付き第2のアパーチャフィールド(α
1(n)(r,θ))を求めることができる。ある例では、第2のアパーチャフィールド(α
2(n)(r,θ))に共役螺旋位相制約(exp(−iθ))および開口制約(C(r,θ))を乗じて制約付き第2のアパーチャフィールド(α
1(n)(r,θ))を求めてよい。
【0056】
処理400はブロック416からブロック418「制約付き第2のアパーチャフィールドをフーリエ変換してデータ領域制約付き第2のアパーチャフィールドを求める」に移行し、制約付き第2のアパーチャフィールド(α
1(n)(r,θ))をフーリエ変換してデータ領域制約付き第2のアパーチャフィールド(B
1(n)(ρ,ψ))を求めることができる。
【0057】
処理400はブロック418からブロック420「データ領域制約付き第2のアパーチャフィールドに基づいて更新された第1のフィールド値を計算する」に移行し、データ領域制約付き第2のアパーチャフィールド(B
1(n)(ρ,ψ))に基づいて、更新された第1のフィールド値(A
1(n)(ρ,ψ))を計算することができる。ある例では、更新された第1のフィールド値(A
1(n)(ρ,ψ))は、データ領域制約付き第2のアパーチャフィールド(B
1(n)(ρ,ψ))に基づいて以下の関係式により計算することができる。
Ψ
1(0)(ρ,ψ)=arg[B
1(n)(ρ,ψ)] (5)
A
1(n)(ρ,ψ)=√I
1(ρ,ψ)exp[(iΨ
1(n)] (6)
ある例では、更新された第1のフィールド値(A
1(n)(ρ,ψ))の振幅成分は第1の強度データ(I
1(191)に基づき得る。
【0058】
処理400はブロック420からブロック422「収束基準が満たされているか」に移行し、更新された第1のフィールド値(A
1(n)(ρ,ψ))を第1のフィールド値(A
1(n−1)(ρ,ψ))と比較することができる。ある例では、収束基準は、第1のフィールド値(A
1(n)(ρ,ψ))と更新された第1のフィールド値(A
1(n)(ρ,ψ))とに基づく差分と閾値との比較を含むことができる。ある例では、収束基準は反復回数および/または演算時間の上限を含んでもよい。
【0059】
収束基準が満たされた場合、更新された第1のフィールド値(A
1(n)(ρ,ψ))を収束した第1のフィールド値として決定し、収束した第1のフィールド値に基づいて光信号の位相データを求めることができる。あるいは、収束基準が満たされない場合、収束値が得られるまで第1および第2の強度データに螺旋位相制約(exp(iθ))と開口制約C(r,θ)とを適用することによって、第1のフィールド値(A
1(n−1)(ρ,ψ))を反復して更新してもよい。反復ごとに、第1のフィールド値(A
1(n−1)(ρ,ψ))を更新された第1のフィールド値(A
1(n)(ρ,ψ))に置き換えることができる。ある例では収束した第1のフィールド値(A
1(n)(ρ,ψ))を反転して光信号(170)の位相データを求めてもよい。
【0060】
図5に、本明細書に記載の少なくとも一部の態様により構成された
図1の装置などの装置を使用した、強度測定値および復元画像の例示の画像500を示す。この例では、画像502、504および506はレナ画像の復元に対応する。画像502、504および506は、
図3の例示の処理を使用してシミュレーションによって得られるものである。また、画像508、510および512は棒グラフの一部の復元に対応し、画像514、516および518は、本技術を使用して得られた螺旋位相の復元に対応する。画像508、510、512、514、516および518は、
図1に示すような実験システムを使用して得られる。
【0061】
ここで、画像502、508および514はレンズを介して透過された信号に対応する、測定された第1の強度データを表す。また、画像504、510および516は、レンズに近接して配置された螺旋変換マスクを介して透過した信号に対応する、測定された第2の強度データを表す。また、画像506、512および518は本技術を使用した第1の強度データと第2の強度データとに基づく復元画像を表す。この例では、振幅物体に対応する画像506および512において振幅値が示されている。また、透明位相物体に対応する画像518において位相値が示されている。
【0062】
本開示の技術を使用して測定されたこのような強度データから復元された画像は、参照符号506、512および518で示されている。上述のように、画像506、512および518の位相データは、測定された強度データに螺旋位相制約と開口制約とを反復的に適用することによって算出される。この例では、位相データは約10から約50の範囲の反復回数で求められる。
【0063】
コンピューティングデバイスの例:
図6は本開示の少なくとも一部の実施形態による、光信号の位相データを算出するように構成された例示のコンピューティングデバイス600を示すブロック図である。ごく基本的な構成602では、コンピューティングデバイス600は典型的には1つまたは複数のプロセッサ604と、システムメモリ606とを含む。プロセッサ604とシステムメモリ606との間の通信にはメモリバス608を使用することができる。
【0064】
所望の構成に応じて、プロセッサ604はマイクロプロセッサ(μP)、マイクロコントローラ(μC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、またはこれらの任意の組合せなどの任意の種類のものとすることができるが、これらには限定されない。プロセッサ604は、レベル1キャッシュ610およびレベル2キャッシュ612などの1つまたは複数のレベルのキャッシュと、1つまたは複数のプロセッサコア614と、レジスタ616とを含むことができる。プロセッサコア614の例としては、算術論理演算ユニット(ALU)、浮動小数点ユニット(FPU)、デジタルシグナルプロセッシングコア(DSPコア)、またはこれらの任意の組合せなどがある。プロセッサ604とともに例示のメモリコントローラ618を使用してもよく、または実装形態によってはメモリコントローラ618はプロセッサ604の内部要素であってもよい。
【0065】
所望の構成に応じて、システムメモリ606は、揮発性メモリ(RAMなど)、不揮発性メモリ(ROM、フラッシュメモリなど)、またはこれらの組合せなどを含む任意の種類とすることができるが、これらには限定されない。システムメモリ606は、オペレーティングシステム620、1つまたは複数のアプリケーション622、およびプログラムデータ624を含むことができる。アプリケーション622は、
図1の処理100に関して説明した機能を含む、本明細書に記載の機能を実行するように構成された位相算出アルゴリズム623を含むことができる。
【0066】
プログラムデータ624は、光信号の位相データを算出するのに有用であると考えられる、光センサ120から受け取った第1の強度データ191と第2の強度データ192とを含むことができる。ある例では、アプリケーション622は、光信号の位相算出を実行することができるように、オペレーティングシステム620上でプログラムデータ624を使用して動作するように構成することができる。ある例では、位相算出アルゴリズム623は、第1の強度データ191と第2の強度データ192とに螺旋位相制約と開口制約とを適用して光信号の位相データを算出するように構成することができる。ある例では、螺旋位相制約は、位相変換マスクに対応し、開口制約は第1の光学素子に対応し得る。記載のこの基本構成602は、
図6では内側の破線内のコンポーネントによって示されている。
【0067】
コンピューティングデバイス600は、追加の特徴または機能、および基本構成602と任意の必要な装置およびインターフェースとの間の通信を容易にする追加のインターフェースを有することができる。たとえば、ストレージインターフェースバス632を介した基本構成要素602と1つまたは複数のデータ記憶装置630との間の通信を容易にするためにバス/インターフェースコントローラ628を使用することができる。データ記憶装置630は、取外し式ストレージデバイス634、非取外し式ストレージデバイス636、またはこれらの組合せとすることができる。
【0068】
取外し式ストレージデバイスおよび非取外し式ストレージデバイスの例としては、フレキシブルディスクドライブおよびハードディスクドライブ(HDD)などの磁気ディスクデバイス、コンパクトディスク(CD)ドライブまたはデジタル多用途ディスク(DVD)などの光ディスクドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)およびテープドライブなどがある。コンピュータ記憶媒体の例としては、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールまたはその他のデータなどの情報の記憶のための任意の方法または技術で実装された、揮発性および不揮発性、取外し式および非取外し式媒体などがある。
【0069】
システムメモリ606と取外し式ストレージデバイス634と非取外し式ストレージデバイス636とは、コンピュータ記憶媒体の例である。コンピュータ記憶媒体としては、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたはその他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)またはその他の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または、所望の情報を記憶するために使用可能であって、コンピューティングデバイス600によってアクセス可能なその他の任意の媒体などが含まれるが、これらには限定されない。このような任意のコンピュータ記憶媒体は、コンピューティングデバイス600の一部であってもよい。
【0070】
コンピューティングデバイス600は、さまざまなインターフェース装置(たとえば出力装置640、周辺装置インターフェース642、および通信装置644など)から基本構成602へのバス/インターフェースコントローラ628を介した通信を容易にするためのインターフェースバス638も含むことができる。出力装置640の例としては、1つまたは複数のA/Vポート650を介してディスプレイまたはスピーカなどのさまざまな外部装置と通信するように構成可能なグラフィック処理ユニット646およびオーディオ処理ユニット648などがある。
【0071】
周辺装置インターフェース642の例としては、入力装置(たとえばキーボード、マウス、ペン、音声入力装置、タッチ入力装置など)またはその他の周辺装置(たとえばプリンタ、スキャナなど)などの外部装置と1つまたは複数のI/Oポート656を介して通信するように構成可能な、シリアルインターフェースコントローラ652またはパラレルインターフェースコントローラ654などがある。通信装置644の例には、1つまたは複数の通信ポート662を介した1つまたは複数の他のコンピューティングデバイス660とネットワーク通信リンクでの通信を容易にするように構成可能な、ネットワークコントローラ658が含まれる。
【0072】
ネットワーク通信リンクは通信媒体の一例である。通信媒体は、典型的には、搬送波またはその他の搬送機構などの変調データ信号の形態の、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、またはその他のデータによって実施することができ、任意の情報配信媒体を含み得る。「変調データ信号」とは、信号の特性のうちの1つまたは複数の特性が、信号内の情報をコード化するように設定または変更されている信号とすることができる。一例として、通信媒体には有線ネットワークまたは直接有線接続などの有線媒体、音波、無線周波数(RF)波、マイクロ波、赤外線(IR)およびその他の無線媒体などの無線媒体が含まれるが、これらには限定されない。本明細書で使用するコンピュータ可読媒体という用語は、記憶媒体と通信媒体の両方を含み得る。
【0073】
コンピューティングデバイス600は、上述の機能のいずれかを備える、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、パーソナルメディアプレイヤーデバイス、無線ウェブ視聴デバイス、パーソナルヘッドセットデバイス、特定用途向けデバイス、またはハイブリッドデバイスなどの、小型携帯(またはモバイル)電子デバイスとして実装することができる。コンピューティングデバイス600は、ラップトップコンピュータ構成と非ラップトップコンピュータ構成の両方を含む、パーソナルコンピュータとして実装することもできる。
【0074】
上述の例示の実施形態は、光信号の位相データを算出する非干渉技術を提供する。位相測定のための装置は、測定強度データに基づく高解像度画像の復元を容易にする。この技術により、簡素で堅固な設計構成を使用した動的な位相測定が容易に行える。上述の位相情報を算出する装置は、従来の干渉方式のシステムと比較して、振動に対して比較的反応しにくい。本技術は、生物科学、光計測用途、防衛用途、3D表示用途、バイオメトリクス、およびレーザービーム成形用途など、さまざまな用途における位相測定に使用可能である。
【0075】
図7に、本明細書に記載の少なくとも一部の実施形態により構成された、コンピュータシステムにおける位相算出を実装するために利用可能な例示のコンピュータプログラム製品を示す。プログラム製品700は、信号担持媒体702を含むことができる。信号担持媒体702は、たとえばプロセッサによる実行に応答して、
図1〜6に関して上述した特徴を実現することができる1つまたは複数の命令704を含むことができる。したがって、たとえばシステム100を参照すると、画像プロセッサ130は、媒体702によってシステム100に伝達されて実行される命令704に応答して、
図7に示すブロックの1つまたは複数のブロックに示す動作を開始または開始させることができる。
【0076】
実装形態により、信号担持媒体702は、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、デジタルテープ、メモリなどの非一時的コンピュータ可読媒体706を含むことができる。ある実装形態では、信号担持媒体702は、メモリ、読み書き(R/W)CD、R/W DVDなどの記録可能媒体708を含むことができる。ある実装形態では、信号担持媒体702は、デジタルおよび/またはアナログ通信媒体(たとえば光ファイバケーブル、導波路、有線通信リンク、無線通信リンクなど)などの通信媒体を含み得るが、これらには限定されない。したがって、たとえばプログラム製品700は、RF信号担持媒体702によってシステム100の1つまたは複数のモジュールに伝達することができ、その場合、信号担持媒体702は無線通信媒体710(たとえばIEEE802.11標準準拠の無線通信媒体)によって伝達される。
【0077】
ある例では、光信号の位相データを算出する方法は、光信号をレンズなどの第1の光学素子を介して透過させることと、たとえば第1の光学素子の焦点面に配置することができる光センサによって第1の強度データを得ることとを含む。この方法は、光信号を第2の光学素子を介して透過させることと、たとえば第2の光学素子の焦点面(または第1と第2の光学素子の組合せの焦点面)に配置することができる、たとえば同じ光センサまたは異なる光センサを使用して、第2の強度データを得ることとをさらに含むことができる。ある例では、第2の光学素子は、螺旋位相変換マスクなどの位相変換マスクを含む。光信号の位相データは、第1の強度データと第2の強度データとに基づいて求めることができる。ある例では、第1の強度データは、光信号を第1の光学素子を介し、第2の光学素子を介さずに透過させた後に得ることができる。ある例では、第2の強度データは光信号を第1と第2の光学素子の両方を介して透過させた後に得ることができる。ある例では、第2の強度データは光信号を第2の光学素子を介し、第1の光学素子を介さずに透過させた後に求めることができる。ある例では、第1の光学素子にミラーを使用してもよく、光信号は第1の光学素子から反射させてよく、光センサはミラーの焦点面に配置してよい。ある例では、位相データはたとえば平均化を使用して第1と第2の強度データの複数の集合から求めて、精度を向上させることができる。
【0078】
ある例では、たとえば物体に光(光線など)を向けることによって得られる、光線と物体との相互作用によって光信号を生成することができる。例としては、物体に光線を透過させることや、物体から光を反射させることで光信号を得ることが含まれる。ある例では、光信号について算出された位相データを使用して物体の画像を作成することができる。ある例では、位相データを使用して物体の拡大画像を得ることができる。たとえば、1つまたは複数の光学素子を使用して光線を撮像領域(ある例では1平方ミリメートル未満とすることができる)に集束させ、その撮像領域における光線と1つまたは複数の物体との相互作用に関係する光信号の位相データを得ることができる。ある例では、方法は、少なくとも1つの物体を撮像する方法であって、物体は肉眼で見える物体または顕微鏡サイズの物体であってよい。ある例では、撮像物体は、光学素子、表面(ミラー、シリコンウエハなど)、小片(細胞など)、それに付着した汚染物質、またはその他の物体を含み得る。
【0079】
ある例では、コヒーレント光信号などの光信号の位相データの測定方法および装置は、光信号に対する2つ(またはそれ以上)の強度測定値を計算により使用して位相データを算出することを含む。たとえば、未知の光学波面を持つ光信号を所定の開口(たとえば円形の開口)を有するレンズに入射させ、たとえば光センサを使用してレンズの背面焦点面における光信号の第1の強度データを求めることができる。螺旋位相マスクなどの位相マスクを使用して第2の強度データを求めてもよい。たとえば、位相マスクを光信号の経路に、たとえばレンズに近接して配置することができる。ある例では、位相マスクは、レンズの開口部を部分的に、ほぼ、または完全に塞いでよい。2つの強度測定は順次に行ってよく、またはある例では、たとえばビームスプリッタを使用して光信号を分割することにより並行して行ってもよい。ある例では、反復的手法を使用して、2つの強度測定を使用した光信号の入力波面の位相データの算出値を求めることができる。ある例では、ミラーはレンズの代わりに使用できる。
【0080】
ある例では、装置は、顕微鏡(たとえば位相差顕微鏡)などの撮像装置またはカメラ、ビデオカメラなどの撮像装置とする(または含む)ことができる。ある例では、例示の方法および/または装置は、たとえば透明細胞撮像用に構成された生体イメージング顕微鏡などの顕微鏡法を含むことができる。利点として、たとえば位相データ測定に染色が不要であることなどがある。ある例では、たとえば眼球(たとえば網膜)など、生体内イメージングを可能とすることができる。用途の例としては、光計測学および表面形状計測、たとえば表面形状の非接触測定などがある。
【0081】
例示の装置は、たとえば入射光の改良型補償波面補正を得る望遠鏡およびその他の撮像装置を含むことができる。装置の例としては撮像システムが含まれ、非干渉技術を使用して強度測定を使用した位相データを得ることができる。技術は、位相推定のために直接または反復的数値解法を使用してよく、ある例では、復元する物体/画像に対して既知の制約を使用してよい。他の手法では、強度輸送方程式(transport of intensity equation:TIE)に基づく技術を使用することができる。改良型補償撮像装置(補償望遠鏡など)は、入射光から導出された光信号について得た位相データを受け取るように構成され、入射光を適応的に修正して光信号におけるより均一な波面を得るようにさらに構成されたコントローラを含むことができる。
【0082】
用途の例には、たとえば改良型レーザ切断/溶接装置またはその他の高出力レーザ光線用途など、高出力レーザ光線成形などのレーザ光線成形がさらに含まれ得る。たとえば、装置は位相データを受け取るように構成され、入力レーザ光線を適応的に修正してレーザ光線における所望の(たとえばより均一な)波面を得るようにさらに構成されたコントローラを含むことができる。ある例では、光線は部分反射素子を通過することができ、光信号を光線の一部として得ることができる。その後、算出された光信号の位相データを使用して、光線の位相(たとえば波面プロファイル)を適応的に制御することができる。
【0083】
ある例では、用途には1つまたは複数の光学素子においてたとえば高強度レーザ光線によって生じた熱光学効果の算出および補正のための方法および装置が含まれ得る。コントローラを、光信号から位相データを得て、制御光学要素を適応的に制御し、光線品質を向上させるように、たとえばレーザ光線などの光線の集束を向上させるように構成してもよい。ある例では、位相データの算出は、ほぼリアルタイムで行うことができ、必要なら、(たとえば空間光変調器、電気光学素子などの位相補正素子を使用した)適切な補正を使用して所望の光線波面プロファイルを得てもよい。
【0084】
用途の例としては、視力測定および眼球異常測定が含まれ得る。改良型眼球測定方法は、光信号の位相データを使用して1つまたは複数の眼球収差を算出することなどが含まれる。眼球の背面からと眼球内から光線を反射させることによって光信号を得ることで光信号を得ることもできる。光信号の位相データは、水晶体および/または角膜の収差に関する情報を伝えることができ、それにより、より速く高精度な矯正光学機器の決定が可能になる。用途の例として、たとえば網膜撮像によって明らかになると考えられる疾患の改良型診断を可能にする改良型網膜撮像装置、およびレーザ角膜切開のための改良型レーザ集束も含まれ得る。
【0085】
用途の例として、たとえば基板上の液膜またはその他の汚染物質の検出、表面粗さの評価などの表面の測定のための装置および方法などもある。用途の例には、膜厚の算出、膜均一性などの膜の測定なども含まれ得る(たとえば、光信号の位相データから厚さおよび/または組成の不均一性を求めることができる)。用途の例として、(たとえば基板上、光学素子上または光学素子内などの)汚染物質の検出を含み得る。用途の例には、粒子(液体粒子など)、汚染物質、流量などの検出およびその他の用途が含まれ得る。用途の例には、献体の検出、細胞学なども含まれ得る。
【0086】
ある例では、位相データを間隔を置いて算出して使用して物体の動的な画像を形成し、たとえば物理的、化学的、生化学的および/または生物学的処理に関する時間依存性情報を得ることもできる。ある例では、時間依存性データから得た情報を動的処理制御に使用することができる。
【0087】
ある例では、光信号の位相データを算出する方法は、光信号を第1の光学素子を介して透過させることと、光センサによって第1の光学素子の第1の焦点面における第1の強度データを取得することと、光信号を第2の光学素子を介して透過させることと、光センサによって第2の光学素子の第2の焦点面における第2の強度データを取得することと、第1の強度データと第2の強度データとに基づいて光信号の位相データを算出することとを含む。第2の光学素子は、移動変換マスクを含んでよい。光信号の位相データを算出することは、物体上に、または物体を介して光線を透過させて光信号を生成することをさらに含むことができる。光線を透過させることは、第3の光学素子を使用して物体上に、または物体を介して光線を向けることをさらに含むことができる。光線は物体から反射し、または物体によって回折され、またはその他の方法で物体と相互作用して光信号を生成してもよい。光信号を第2の光学素子を介して透過させることは、光信号を螺旋位相変換マスクなどの位相変換マスクを通過させることを含むことができる。光信号を第2の光学素子を介して透過させることは、第2の光学素子を第1の光学素子に近接して、またはほぼ隣接して、または隣接して配置することと、光信号を第1の光学素子と第2の光学素子の両方を介して透過させることとを含んでもよい。第1および第2の光学素子は、物理的に組み合わせてもよい。光信号を第2の光学素子を通して透過させることは、第2の光学素子を第1の光学素子の開口部に隣接して配置することを含んでもよい。光信号の位相データを算出することは、第1の強度データと第2の強度データとに螺旋位相制約と開口制約とを反復的に適用して光信号の位相データを算出することを含んでよく、螺旋位相制約は位相変換マスクに対応し、開口制約は第1の光学素子に対応する。螺旋位相制約と開口制約とを反復的に適用することは、第1の強度データと推測位相値とに基づいて第1のフィールド値を算出することと、第1のフィールド値を逆フーリエ変換して第1のアパーチャフィールドを求めることと、第1のアパーチャフィールドに螺旋位相制約と開口制約とを適用して制約付き第1のアパーチャフィールドを求めることと、制約付き第1のアパーチャフィールドをフーリエ変換して、第1の位相成分を有するデータ領域制約付き第1のアパーチャフィールドを求めることと、データ領域制約付き第1のアパーチャフィールドに基づいて第2のフィールド値を計算することとを含むことができ、この場合、第2のフィールド値の振幅成分は第2の強度データに基づき、第2のフィールド値の位相成分は第1の位相成分と等しい。螺旋位相制約と開口制約とを反復的に適用することは、第2のフィールド値を逆フーリエ変換して第2のアパーチャフィールドを求めることと、第2のアパーチャフィールドに共役螺旋位相制約と開口制約とを適用して制約付き第2のアパーチャフィールドを求めることと、制約付き第2のアパーチャフィールドをフーリエ変換して、第2の位相成分を有するデータ領域制約付き第2のアパーチャフィールドを求めることと、データ領域制約付き第2のアパーチャフィールドに基づいて更新された第1のフィールド値を計算することを含むことができ、更新された第1のフィールド値の振幅成分は第1の強度データに基づき、更新された第1のフィールド値の位相成分は第2の位相成分に等しい。更新された第1のフィールド値を計算することは、更新された第1のフィールド値を第1のフィールド値と比較することと、求められた第1のフィールド値関数の収束値が得られるまで螺旋位相制約と開口制約とを適用することによって第1のフィールド値を更新することと、任意選択により、第1のフィールド値の収束値に基づいて光信号の位相を算出することとを含んでよい。非一時的コンピュータ可読媒体は、プロセッサによって実行可能なコンピュータ実行可能命令が記憶されていてよく、光信号の位相データを算出する例示の各方法を実行するように、または実行させるように構成することができる。
【0088】
ある例では、光信号の位相データを算出するように構成された装置は、第1の光学素子と、位相変換マスクを含む第2の光学素子とを含む光学アセンブリであって、光信号を第1の光学素子と第2の光学素子とを介して透過させるように構成された光学アセンブリと、第1の光学素子の第1の焦点面と第2の光学素子の第2の焦点面とに配置され、第1の光学素子の第1の焦点面における第1の強度データを取得し、第2の光学素子の焦点面における第2の強度データを取得するように構成され、第1の強度データと第2の強度データは透過光信号に対応する光センサと、任意選択により、光センサに結合され、第1の強度データと第2の強度データとを処理して光信号の位相データを算出するように構成された画像プロセッサとを含む。光学アセンブリは、物体を介して透過されて光信号を生成する光線を生成するように構成された、レーザなどの光源をさらに含むことができる。光源からの光線は、物体から反射して光信号を生成する。物体は、透明な物体、部分的に透明な物体、反射物体、またはこれらの組合せであるか、またはこれらを含み得る。光源は、レーザ光源、平行狭帯域熱光源、発光ダイオード(LED)光源、またはこれらの組合せを含むことができる。光学アセンブリは、光源と物体との間に配置された空間フィルタおよび/または第3の光学素子をさらに含んでよく、空間フィルタは光線をフィルタリングしてフィルタ処理された光線を生成するように構成され、第3の光学素子はフィルタ処理された光線を物体に向けるように構成される。第1の光学素子は、レンズ、凹面鏡、凸面鏡、またはこれらの組合せを含み得る。第1の光学素子は、開口部、たとえば第1の光学素子内に開口部を画定する開口プレートを含んでよい。光センサは、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサ、電荷結合素子(CCD)センサ、その他の電子センサ、写真フィルム、またはこれらの組合せを含み得る。位相変換マスクは、螺旋位相変換マスク、疑似ランダム位相符号化マスク、またはこれらの組合せを含み得る。第2の光学素子は、フォーク回折格子とレンズとを含むことができる。フォーク回折格子を使用する場合、フォーク回折格子は振幅フォーク回折格子、位相フォーク回折格子、二値振幅位相回折格子、ダンマン渦回折格子、またはこれらの組合せを含み得る。画像プロセッサは、第1の強度データと第2の強度データとに螺旋位相制約と開口制約とを反復的に適用して光信号の位相を算出するように構成することができ、その場合、螺旋位相制約は位相変換マスクに対応し、開口制約は第1の光学素子に対応する。光学アセンブリは、光信号を第1の光信号と第2の光信号とに分割するように構成されたビームスプリッタをさらに含んでよく、その場合、光学アセンブリは第1の光信号を第1の光学素子を介して透過させ、第2の光信号を第2の光学素子を介して透過させて第1の強度データと第2の強度データとを生成するように構成される。装置は、撮像装置であってよい(または含んでよい)。撮像装置は、カメラ、顕微鏡、望遠鏡またはこれらの組合せを含み得る。
【0089】
ある例では、光信号の位相データを算出する方法は、物体と第1の光学素子とを通る光信号の透過に基づいて光センサによって生成される第1の強度データと、物体と位相変換マスクを含む第2の光学素子とを通る光信号の透過に基づいて光センサによって生成される第2の強度データとを取得することと、第1の強度データと推測位相値とに基づいて第1のフィールド値を初期化することと、第1のフィールド値と螺旋位相制約と開口制約とに基づいて光信号の位相データを算出することとを含み、螺旋位相制約は位相変換マスクに対応し、開口制約は第1の光学素子に対応する。光信号の位相データを算出することは、第1のフィールド値を逆フーリエ変換して第1のアパーチャフィールドを求めることと、第1のアパーチャフィールドに螺旋位相制約と開口制約とを乗じて制約付き第1のアパーチャフィールドを求めることと、制約付き第1のアパーチャフィールドをフーリエ変換して、第1の位相成分を有するデータ領域制約付き第1のアパーチャフィールドを求めることと、データ領域制約付き第1のアパーチャフィールドに基づいて第2のフィールド値を計算することとを含み、第2のフィールド値の振幅成分は第2の強度データに基づき、第2のフィールド値の位相成分は第1の位相成分と等しい。光信号の位相データを算出することは、第2のフィールド値を逆フーリエ変換して第2のアパーチャフィールドを求めることと、第2のアパーチャフィールドに共益螺旋位相成分と開口制約とを乗じて制約付き第2のアパーチャフィールドを求めることと、制約付き第2のアパーチャフィールドをフーリエ変換して、第2の位相成分を有するデータ領域制約付き第2のアパーチャフィールドを得ることと、データ領域制約付き第2のアパーチャフィールドに基づいて更新された第1のフィールド値を計算することをさらに含むことができ、更新された第1のフィールド値の振幅成分は第1の強度データに基づき、更新された第1のフィールド値の位相成分は第2の位相成分に等しい。光信号の位相データを算出することは、第1のフィールド値と更新された第1のフィールド値に基づく差分値を推算することと、差分値を閾値と比較することと、第1のフィールド値の収束値が得られるまで更新された第1のフィールド値を反復的に計算することとを含むことができ、更新された第1のフィールド値を反転して光信号の位相を算出することをさらに含むことができる。
【0090】
ある例では、プロセッサにより実行可能なコンピュータ可読命令が記憶された非一時的コンピュータ可読媒体は、本明細書に記載または示唆されている任意の方法を実行するかまたは実行させるように構成することができる。
【0091】
ある例では、光信号の位相データを算出する方法は、光信号を第1の光学素子を介して透過させて第1の透過光線を得ることと、第1の透過光線の第1の強度データを得ることと、光信号を位相変換マスクを含む第2の光学素子を介して透過させて第2の透過光線を得ることと、第2の透過光線の第2の強度データを得ることと、第1の強度データと第2の強度データとに基づいて光信号の位相データを算出することとを含む。光信号を第2の光学素子を介して透過させることは、光信号が第1の光学素子と第2の光学素子の両方を介して透過するように第2の光学素子を配置して第2の透過光線を得ることを含むことができる。光信号を第1の光学素子を介して透過させることは、光信号をレンズを介して透過させて第1の透過光線を得ることを含むことができ、光信号は位相変換マスクを通過しない。光信号を第2の光学素子を介して透過させることは、光信号をレンズと位相変換マスクとを介して透過させて第2の透過光線を得ることを含むことができる。光信号の位相データを算出する方法は、光線を物体に向けることをさらに含むことができ、光信号は、透過、吸収、反射、回折またはこれらの組合せなど、光線と物体との相互作用により生成される。光信号の位相データを算出する方法は、位相データから物体の画像を形成することをさらに含むことができる。
【0092】
ある例では、物体の画像を形成する方法は、光線を物体に向けて、光線と物体との相互作用により光信号を生成することと、光信号を第1の光学素子を介して透過させて第1の透過光線を得ることと、第1の透過光線の第1の強度データを得ることと、光信号を、位相変換マスクを含む第2の光学素子を介して透過させて第2の透過光線を得ることと、第2の透過光線の第2の強度データを得ることと、第1の強度データと第2の強度データとに基づいて光信号の位相データを算出することと、位相データを使用して物体の画像を形成することとを含む。相互作用は、反射、透過、吸収、回折、拡散、散乱またはこれらの任意の組合せなどの相互作用から選択することができる。
【0093】
本開示は、本出願に記載の特定の実施形態には限定されず、本出願に記載の実施形態はさまざまな態様の例示を意図したものである。当業者には明らかなように、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく多くの変更および変形が可能である。本明細書に記載の方法および装置に加え、本開示の範囲内で機能的に同等の方法および装置も上記の説明から当業者には明らかであろう。そのような変更および変形は、添付の特許請求の範囲に含まれるものである。
【0094】
本開示は、添付の特許請求の範囲の各項目を、当該特許請求の範囲の権利が与えられる同等物の全範囲とともに含む。本開示は、特定の方法、試薬、化合物、組成または生体系には限定されず、これらは当然ながら変化し得るものと理解すべきである。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することを目的とするに過ぎず、限定的であることを意図したものではないことも理解すべきである。
【0095】
本明細書における実質的にすべての複数形および/または単数形の用語の使用に対して、当業者は、状況および/または用途に適切なように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変換することができる。さまざまな単数形/複数形の置き換えは、理解しやすいように、本明細書で明確に説明することができる。
【0096】
通常、本明細書において、特に添付の特許請求の範囲(たとえば、添付の特許請求の範囲の本体部)において使用される用語は、全体を通じて「オープンな(open)」用語として意図されていることが、当業者には理解されよう(たとえば、用語「含む(including)」は、「含むがそれに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「含むがそれに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきである、など)。導入される請求項で具体的な数の記載が意図される場合、そのような意図は、当該請求項において明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。
【0097】
たとえば、理解の一助として、添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたは複数の(one or more)」を使用して請求項の記載を導くことを含む場合がある。しかし、そのような句の使用は、同一の請求項が、導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのように導入される請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、単に1つのそのような記載を含む実施形態に限定する、ということを示唆していると解釈されるべきではない(たとえば、「a」および/または「an」は、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するのに使用される定冠詞の使用にも当てはまる。
【0098】
また、導入される請求項の記載で具体的な数が明示的に記載されている場合でも、そのような記載は、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることが、当業者には理解されよう(たとえば、他の修飾語なしでの「2つの記載(two recitations)」の単なる記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、BおよびC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(たとえば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。「A、B、またはC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(たとえば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。
【0099】
2つ以上の代替用語を提示する事実上いかなる離接する語および/または句も、明細書、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、当該用語の一方(one of the terms)、当該用語のいずれか(either of the terms)、または両方の用語(both terms)を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者にはさらに理解されよう。たとえば、句「AまたはB」は、「A」または「B」あるいは「AおよびB」の可能性を含むことが理解されよう。
【0100】
当業者ならわかるように、書面による説明を提供するためなどあらゆる目的において、本明細書に開示のすべての範囲は可能なあらゆる部分的範囲および部分的範囲の組合せも含む。記載のあらゆる範囲は、同範囲が少なくとも2等分、3等分、4等分、5等分、10等分などに分割されることを十分に記述し、そのような分割が可能であるものと容易に認めることができる。非限定的な例として、本明細書に記載の悪範囲は、下3分の1と中央3分の1と上3分の1などに容易に分割可能である。
【0101】
当業者ならわかるように、「最大〜まで(up to)」、「少なくとも(at least)」、「より大きい(greater than)」、「未満(less than)」などのすべての表現は、記載の数字を含み、上述のようにその後部分的な範囲に分割可能な範囲を指す。最後に、当業者ならわかるように、1つの範囲は個々の数字を含む。したがって、たとえば1〜3個のセルを有するグループとは、1個、2個または3個のセルを有するグループを指す。同様に、1〜5個のセルを有するグループとは、1個、2個、3個、4個または5個のセルを有するグループを指す、という具合である。
【0102】
本明細書ではさまざまな態様および実施形態を開示したが、当業者にはその他の態様および実施形態も明らかであろう。本明細書で開示するさまざまな態様および実施形態は、例示を目的とするものであり、限定的であることを意図するものではなく、真の範囲および趣旨は以下の特許請求の範囲によって示される。