【実施例】
【0027】
図1を参照されたい。
図1は、本発明の好ましい実施例におけるデータ伝送システムの機能を示したブロック図である。
【0028】
図1に示すように、データ伝送システムは操作デバイス1及びビジョンインタフェース装置2を備え、二者は互にカップリングされると同時に、例えば、電磁カップリング(例えば、コンデンサカップリング、または誘導カップリング)によって、電気的に接続されることで、データ、またはファイルを伝送する。よって、本発明のデータ伝送システムにおけるデータやファイルの伝送は配線を必要とせず、無線方式によるデータやファイルの伝送とも言われる。このうち、データ伝送システムは電子システムであり、且つ例えば、タッチコントロールシステム、対話型の広告システム、売り場クーポン発注システム、アクセス識別システム、情報照会システム、引出しシステム、ポータブルモバイルデバイス、またはその他の近距離データ伝送システムに係るシステムである。ここにおいて、「近距離」とは、例えば、距離が約10cm以内のことを指す。
【0029】
操作デバイス1は、例えば、受信装置であり、例えば、カードリーダ、またはアクセスシステムなど、またはタッチペン、またはICカード、または携帯電話、またはユーザ(特に、ユーザの手を介して信号を他の装置にカップリングして伝送させることを指す)、または公共情報装置、または販売点(Point Of Sales, POS)装置、またはビジョンインタフェース装置を有する他の電子装置、またあるいはその他の機能を実行できる電子装置である。操作デバイス1がユーザである時、ユーザの体を利用して信号をその他の装置に伝送させることができる。また、ビジョンインタフェース装置2は、例えば、他の携帯電話、コンピュータ(タブレットコンピュータ、ノートパソコンなど)、他の公共表示看板(public display)、広告看板、電子ホワイトボード、または個人用の携帯情報端末(PDA)、またはこれらの組合せである。また、操作デバイス1及びビジョンインタフェース装置2にはそれぞれ処理制御システム、保存システム、または転送システム等のサブ機能システムを設けることができる。ここにおいての「システム」は、ハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェア、またはこれらの組合せから構成される。
【0030】
本発明のデータ伝送システムは更に記録媒体(図示されない)を備え、記録媒体は複数のコマンドを保存し、且つこれらのコマンドはビジョンインタフェース装置2により実行される。記録媒体は、プログラムまたはコマンドを保存するために用いられ、例えば、メモリ、メモリーカード、光ディスク、ビデオテープ、磁気テープ、またはそれらの任意の組合せである。メモリは読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュ(Flash)メモリ、またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array, FPGA)、またはその他の形のメモリを含む。また、記録媒体は、ビジョンインタフェース装置2の内部アセンブリ(例えば、ビジョンインタフェース装置2内に位置するが、制御ユニット22のメモリより独立したものであり、または制御ユニット22の内部メモリである)、またはビジョンインタフェース装置2から独立した単独設備(例えば、クラウドデータセンター)であり、且つ有線(例えば、ローカルエリアネットワーク)、無線(例えば、Wi−Fi、ブルートゥースまたは無線周波)、またはその他の実体もしくは非実体の接続方法でビジョンインタフェース装置2と接続される。
【0031】
図1と
図2Aを同時に参照されたい。
図2Aは本発明の好ましい実施例におけるビジョンインタフェース装置2の側面図である。
【0032】
ビジョンインタフェース装置2は表示面Sを有し、且つ表示パネル21と制御ユニット22を備える。表示パネル21は2次元アクティブ(active)配列表示パネル、2次元パッシブ(passive)配列表示パネル、2次元ドット配列表示パネル、または1次元ドット配列表示パネルであり、ここでは限定されない。
図2Aに示すように、表示パネル21は配列基板211と表示メディア(図示されない)を有する。液晶表示装置を例とすると、表示メディアは、例えば、液晶である。有機発光ダイオード表示装置を例とすると、表示メディアは、例えば、有機発光ダイオードの発光層である。また、配列基板211は、一部の表示パネル21の電極を含み、1次元配列の電極配列基板、または2次元配列の電極配列基板である。アクティブ液晶表示装置を例とすると、配列基板211は共通電極を含む単一電極の1次元配列基板(カラーフィルタ基板)、または薄膜トランジスタ画素電極を含む2次元配列基板である。パッシブ液晶表示装置を例とすると、配列基板211は画素の何れかの側の電極を含む1次元配列基板である。電気泳動ドット配列表示パネルを例とすると、配列基板211は共通電極を含む単一電極の1次元配列基板、または画素電極を含む1次元または2次元配列基板である。タッチコントロールスイッチの状態を示す単一の画素を例とすると、配列基板211は、画素の何れかの側の電極を形成する単一電極を含む1次元配列基板である。
【0033】
ここでは、配列基板211は基板212と画素配列213[前に述べたように、2次元、または1次元の複数の電極(例えば、7段式の表示画面、または電子ラベル)、または1次元の単一の電極(例えば、タッチコントロールスイッチ標識)]を備える。本実施例において、画素配列213は基板212の一側に設置され、表示面Sは基板212の他側に位置する(つまり、配列基板211を反転させて設置した)。表示面Sは、ユーザがビジョンインタフェース装置2の表示画像を見る時、ビジョンインタフェース装置2の最もユーザに近い表面を指す。しかし、本発明はこれに限定されず、その他の実施形態において、例えば、
図2Bに示すように、ビジョンインタフェース装置2aの表示面Sと画素配列213が基板212の同じ側に位置することもできる。また、基板212においてユーザに近い一側はその他の部品を更に含むことができ、例えば、偏光板、保護ガラス、またはハウジングを含むことができる。
【0034】
図1と
図2Aを再度、参照されたい。表示パネル21は少なくとも1つの電極215を備える。ここにおいて、表示パネル21はアクティブマトリクスを例とし、且つ例えば、液晶表示パネル、有機発光ダイオードパネル、発光ダイオードパネル、電気泳動表示パネル、またはMEMS表示パネル等である。液晶表示パネルを例とすると、表示パネル21は、複数の
列電極、複数の
行電極及び複数の画素電極(図示されない)を含むことで、画素配列213を形成すると同時に、前記複数の
列電極は前記複数の
行電極と交差して設置される。また、表示パネル21は、複数のトランジスタ(図示されない)を更に備え、前記複数のトランジスタは、前記複数の
列電極、前記複数の
行電極及び前記複数の画素電極に電気的に接続される。このうち、前記複数の
列電極は複数の走査線であり、前記複数の
行電極は複数のデータ線であり、当然、前記複数の
列電極を複数のデータ線とし、前記複数の
行電極を複数の走査線とすることもできる。電極215は配列基板211の表示エリア外の単独電極であり、または配列基板211の表示エリア内の電極である。つまり、電極215は表示パネル21の画素配列213における前記複数の
列電極もしくは前記複数の
行電極のうちの少なくとも1つであり、または画素配列213外に位置するとともに画素配列213から独立した電極(1本、または複数本の電極であることが可能)であるが、これには限定されない。また、電極215の形状はドット状、ストリップ状、または螺旋形状、または他の形状であると共に、1次元、または2次元の配列を形成できるが、ここでは、いずれも限定されない。注意すべきことは、データ伝送として用いられる電極215は、ユーザの操作面(即ち、表示面Sである)の近くに設置される点である。
【0035】
制御ユニット22はビジョンインタフェース装置2のコアコントロールアセンブリを備え、例えば、少なくとも1つの中央処理装置(central processing unit, CPU)及びメモリを備え、またはその他の制御用のハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアを備える。また、制御ユニット22は駆動ユニット(
図1に示されない)を更に備え、駆動ユニットは駆動表示パネル21の回路を備える。液晶表示装置を例とすると、液晶表示パネルを駆動する駆動ユニットはタイミング制御回路(T-con)と、データ駆動回路(data-driver)と、走査駆動回路(scan-driver)とを備えることができる。駆動ユニットは1つ、または複数の単独の集積回路(例えば、駆動IC)であると共に、表示パネル21に電気的に接続されるか、または一部を単独のものにし、一部を表示パネル21と統合するか、または表示パネル21の上(driver on panel)に全てを統合させるが、ここでは特に制限しない。ここで言うところの単独、または統合とは、駆動ユニットと表示パネルが基板を共用しているかどうかという意味を指す。また、走査駆動回路は表示パネル21の走査線に電気的に接続され、データ駆動回路は表示パネル21のデータ線に電気的に接続され、タイミング制御回路は、外部のインタフェースから受信した走査信号及びデータ信号を表示パネルに表示する画像画面の信号に転換し、且つ走査駆動回路及びデータ駆動回路に必要な周波数、同期信号、及び各画素に必要な走査信号及びデータ信号を生成させる。
【0036】
表示データと伝送データを統合するために、制御ユニット22は既存の機能を拡張して、表示データDDと伝送データTDを単一のデータストリームに統合し、且つ表示パネル21に伝送する必要がある。ここにおいて、表示データDDと伝送データTDは駆動ユニットによって、表示パネル21を駆動する。操作デバイス1が表示パネル21に近寄り、または表示面21において操作された時、信号は操作デバイス1にカップリングすることができる。このうち、表示データDDと伝送データTDは、それぞれビジョンインタフェース装置2の内部コマンド、または外部コマンドより生成されると同時に、ビジョンインタフェース装置2のメモリより取得するか、または外部デバイスから伝送されることにより取得することができるが、ここでは、特に制限しない。
【0037】
また、操作デバイス1に表示データDDと伝送データTDを区別させるために、制御ユニット22はまず、表示データDDと伝送データTDを処理する必要がある。制御ユニット22の処理方法は、変調、直列−並列変換(series-to-parallel conversion)、コード化、ヘッダファイル(データの大きさ、検査コード、シリアルナンバー、追跡データを含む)の書き込み、或いはその他の処理方法などを含む。通常の通信伝送方法と異なる点は、本発明は表示パネル21の異なる電極を同時に伝送の送信源(多通信ルート)として使用して、データ伝送を行うことができる。これらの通信ルートは、空間的分離、または変調技術などの方式を利用して、互いへの妨害を減少させることができる。注意すべきことは、データの直列−並列変換方式は、順に行うか、または交差して行うか、または上記両者の組み合わせによって行うものである。ここでは、表示データDDと伝送データTDは、異なる目的を持つ2つのデータが表示パネル21に伝送されることを表すものであり、その信号を表すものではない。液晶表示パネルを例とすると、表示データDDは、走査信号及びデータ信号の2つの信号を含むことで、画像画面を表示させる。伝送データTDの信号は、走査信号、またはデータ信号から独立したもの、または表示データDDの走査信号に併せたもの、またあるいは表示データDDのデータ信号に併せたものなどの態様がある。
【0038】
データ線を例とすると、データ線は通常のフレーム画面のデータ信号(表示データDD)を伝送することができる以外、ここでは、更に伝送データTDを伝送する必要があり、そのポイントは互いに影響しない共存モードを作ることにある。この前提の下において、例えば、伝送データTDを、周波数がデータ信号(表示データDD)のものより高い信号に転換すると同時に、この伝送データTDを表示データDDの信号に直接に付加するか、または伝送データTDの信号を表示データDDの各信号の間において交互に伝送させる。例えば、1つのフレームにおける全ての走査線がスキャンを終了した後、そして次のフレームのスキャンが開始する前の期間(フレームとフレームの間の帰線期間)において伝送データTDを伝送するか、または、1本の走査線がスキャンを完了し、且つ、次の走査線がスキャンを開始する前に伝送データTDを伝送するか、またあるいは、各走査線のスキャン時間内において、表示データDDの時間を短縮させると同時に、表示データDDを伝送する前に伝送データTDを伝送するなど、いずれも表示画面に影響しないことを前提に、伝送データTDを伝送するようにする。
【0039】
図3を参照されたい。
図3は液晶表示パネルにおいて、隣接する2本の走査線(
列電極)と、隣接する2本のデータ線(
行電極)の信号を示した図である。ここでは、表示のために各列のトランジスタがオンにされると同時に伝送データTDを伝送する態様を例とする。注意すべきことは、伝送データTDを伝送する時、トランジスタがオンにされたかどうかは必ずしも必要なものでなく、トランジスタがオフ状態でも、伝送することができることである。走査線は、それぞれ走査信号を伝送して、順に各列のトランジスタをオンにすることができ、各列のトランジスタがオンとなった時間には、各データ線はそれぞれ伝送データTDと表示データDD(グレイレベルデータ)を伝送することができる。
【0040】
本実施例において、走査線S
k-1がその走査信号SS
k-1を伝送する時、全てのデータ線は伝送データTD
k-1(個別のデータ線に伝送される伝送データはTD
n-1k-1及びTD
nk-1で示す)を伝送する。走査線S
kがその走査信号SS
kを伝送する時、全てのデータ線は伝送データTD
k(個別のデータ線に伝送される伝送データはTD
n-1k及びTD
nkで示す)を伝送する。
図3において、伝送データTD
k-1、TD
k(それぞれTD
n-1k-1、TD
nk-1、TD
n-1k、TD
nkで示す)は、表示データDD
k-1、DD
k(それぞれDD
n-1k-1、DD
nk-1、DD
n-1k、DD
nkで示す)と異なる電圧レベルを有する方式で表示したが、実施する時は同じ電圧レベル、またはその他の特性を有することもできる。よって、データ線は、走査線に対して走査信号を伝送し始める時、伝送データTDを伝送することができるが、走査信号がオフになる直前には、データ線は表示データDDを伝送しているので、画素に入力される最後のデータは表示データDDである。このため、データ線は、表示画面を影響しない前提の下に、伝送データTDを伝送することができる。説明を補充すれば、
図3に示した伝送データTD
n-1k-1、TD
nk-1、TD
n-1k、TD
nkは高レベルの1で表示されているが、当然、低レベルの0で表示することもできる。また、信号の極性による問題を回避するために、伝送データTD
n-1k-1、TD
nk-1、TD
n-1k、TD
nkの信号は直流成分を含まない交流信号を採用することができる。本実施例では、
行電極によって伝送データTDが伝送される場合を例としているため、
行電極はコンデンサカップリングのうちの一方の電極となり、操作デバイス1にはコンデンサカップリングのもう一方の電極が設けられることになる。例えば、操作デバイス1がタッチペンである場合、ペン先には導体を設けて、コンデンサカップリングのもう一方の電極とする。上記の方式では、振幅の高低でデジタル信号の1または0を表示するが、周波数を使用し、デジタル信号の1または0を表示することもでき、例えば、単位時間内に、振幅の上下変化が5つであれば、それを1と定義し、その他を0と定義する。または、位相を使用し、デジタル信号の1または0を表示し、例えば、1高レベルに1低レベルを加えた位相変化を0と定義し、1低レベルに1高レベルを加えた位相変化を1と定義する。ここでは、変調方式を限定しない。また、隣接する電極による妨害を避けるため、異なる電極の間には、時分割、周波数分割、または符号分割などの技術を採用することができる。
【0041】
伝送データTDは走査線を介して伝送することができる。例えば、画素トランジスタをオンにしないレベルを有する信号などに転換させるか、またはデータ線にも走査線にも属さない電極を介して伝送するか(例えば、単独電極を介して伝送する)、または伝送速度を速めるようにデータ線と走査線で同時に伝送するか、またあるいは、伝送データTDを2つの信号に転換し(例えば、一方を正信号に、他方を負信号に転換する)、この2つの信号を同時に異なる電極(例えばデータ線、または走査線)に伝送することで、信号の振幅を下げることができる。この場合、表示パネル21に表示と伝送の機能を兼ねさせるように、タイミング上では、時分割の構造を採用することができる。例えば、仮に、画素配列の
列電極、または
行電極を利用して伝送データTDを伝送する時、伝送データTDは、ビジョンインタフェース装置2の表示データDDと異なる時間に分けて伝送することができ、例えば、1フレーム画面の伝送が終了した後、または1フレーム画面の伝送が開始する前に伝送する。つまり、ビジョンインタフェース装置2は、1つのフレーム(frame)画面が終了した後、且つ次のフレーム画面が開始する前に、または1つのフレーム画面の表示期間に、カップリング信号CSを操作デバイス1に伝送させる。伝送データTDを伝送する方式は、一定性を持つ通常モードで伝送するようにすることが可能であり、例えば、各フレームの表示データDDの伝送が終了した後、一定の長さを持つ伝送データTDを定期的に伝送する(即ち、各フレーム時間内には、一定の時間が表示データDDと伝送データTDに分配して使用されている。つまり、フレームレートは固定値であり、即ち、fixed frame rateである)。しかし、必要に応じてフレームレートを動的に調整する(即ち、variable frame rate)ことで、伝送データTDを同一の時間(burst)に、または異なるフレームの間に分散して伝送させることができる。また、データ線を使用して伝送データTDを伝送する場合を例とすると、伝送データTDの伝送は表示データDDのタイミング制約に制限される必要がなく、例えば、1本の走査線周期内にはデータを1回のみ変えるようにする。即ち、伝送データTDを伝送する時、データ線のデータ交換周期は走査線周期より遥かに小さく、伝送データTDの伝送速度をより一層高めることができる。注意すべきことは、画素配列外にある単独電極を利用して伝送データTDの伝送を行う場合、フレーム画面の伝送時間と合わせなくても良いことである。
【0042】
図1を再度参照されたい。操作デバイス1がビジョンインタフェース装置2の表示面で操作された時、伝送データTDを有するカップリング信号CSは表示パネル21の少なくとも1つの電極215から操作デバイス1にカップリング(例えば、コンデンサカップリング、または誘導カップリング)され、操作デバイス1はカップリング信号CSを受信すると同時に、カップリング信号CSに対して処理を行うことで、カップリングデータ(カップリングデータを伝送データTDと同一、または相違するものとすることができる)を得ることができる。操作デバイス1がカップリングデータを得た後、操作デバイス1は、有線方式、または無線方式、または電気的にカップリングする方式(コンデンサカップリングを含む)、またあるいは光学的にカップリングする方式によって、カップリングデータをビジョンインタフェース装置2、またはその他の中継デバイス、またあるいはデータ伝送システム以外の受信装置に伝送する。伝送データTD、または操作デバイス1より得たカップリングデータは、デジタルデータストリーミング、またはデジタルファイルストリーミングであり、その内容はタッチコントロール情報(タッチコントロール位置、座標、または変位を含む)、コマンド情報、識別情報、取引情報、ファイル情報、人体生理情報、または操作デバイス1のサイズ情報(サイズ情報は、操作デバイス1がタッチした表示面Sの大きさ、またはサイズを含み、例えば、指でタッチした表示面Sの位置、または面積である)、またあるいはその他の情報などである。操作デバイス1がカップリング信号CSを受信した後、操作デバイス1内に設けたキャプチャーユニット(図示されない)を介してカップリング信号CSからカップリングデータを取得することで、データ、またはファイルの伝送を完成させることができる。ここでは、カップリングは無線方式によって、近距離でデジタル情報(即ち、0または1である)をビジョンインタフェース装置2から操作デバイス1に伝送する。操作デバイス1が表示パネル21から伝送されたカップリング信号CSを受信する時、操作デバイス1のキャプチャーユニットは、受信したカップリング信号CSに対して処理を行うことで伝送された情報を得ることができる。
【0043】
タッチコントロールとしての用途を例とすると、カップリング信号CSはビジョンインタフェース装置2における表示画面の座標に関する情報を有し、カップリングは大抵、無線方式によって行われたものであり、タッチすることで近距離場(Near Field)の信号を形成して送信を行う。また、操作デバイス1での処理は、カップリング信号CSに対して増幅とデコードの両方またはいずれかを実行して、どの
行電極がタッチコントロールされたかを読み取るか、またはタッチコントロールされた位置を読み取るか、またはタッチコントロール時の手の動作(ジェスチャ)を読み取るか、またあるいは、タッチコントロールに対応する機能コマンドを読み取ることを含む。当然、その他の応用の場合、カップリング信号CSは任意の送信しようとする情報から構成されることができ、例えば、コマンド情報、識別情報、取引情報、またはファイル情報(音楽、画像、テキストなど)、またあるいはその他の情報から構成されて、カップリングデータに対応する情報を含ませることが可能である。本発明がその他の非接触用途に応用される場合、まず、転送しようとするメッセージが特定の原則に従ってカップリング信号CSとしてエンコードされ、そして、このカップリング信号CSは表示パネル21(例えば、携帯電話、またはタブレットパソコンに含まれる)からコンデンサカップリングによって、操作デバイス1(例えば、壁に固定された近距離無線リーダ)にカップリングされる。同様に、操作デバイス1のキャプチャーユニットが、予め設定された原則に基づきカップリング信号CSを処理して(例えば、データのデコードと修正の両方またはいずれかを行う)カップリングデータを得た上で、それぞれの用途に基づきカップリングデータを使用することができる。このカップリングデータの使用は、例えば、アクセス制御、ショッピング、金融取引、または、ファイルの伝送等への応用が含まれる。
【0044】
表示データDDと伝送データTDはいずれも電極215によって、操作デバイス1にカップリングされるので、操作デバイス1にカップリング信号CSからカップリングデータを取得させるために、制御ユニット22は表示データDDと伝送データTDの両方またはいずれかに少なくとも1つのタグを追加し、カップリング信号CS内にこのタグを含ませることによって、操作デバイス1に送信しようとするデータを識別して取得させる。つまり、制御ユニット22が表示データDDのみに1つのタグを追加し、操作デバイス1に表示データDDを識別させるか、または、制御ユニット22が伝送データTDに1つのタグを追加し、操作デバイス1に伝送データTDを識別させるか、またあるいは、制御ユニット22が表示データDDと伝送データTDに対して異なるタグをそれぞれ追加することで、操作デバイス1は異なるタグに基づいて、表示データDDと伝送データTDを区別してカップリングデータを取得することができる。ここにおいて、制御ユニット22が追加したタグは少なくとも1つの伝送タグ、または1つのデータタグを含む(伝送タグとデータタグのうちの少なくとも一方を有する)ことができる。伝送タグは、異なる変調方式で表示データDDと伝送データTDを処理することを指し、例えば、表示データDDと異なる周波数、振幅または位相によって、伝送データTDを伝送する。また、データタグとは、データの中に特殊のタグを追加して、伝送データTDの起始点、または終了点、またはデータの長さなどの情報を標示することであり、操作デバイス1にカップリング信号CSのどの部分が表示用の表示データDDであるのか、どの部分が伝送用の伝送データTDであるのかを区別させるためのものである。データタグは、例えば、表示データDDの起始点、終了点(データの長さが固定している場合は、起始点のみを知れば良い)、もしくはデータの長さ、または伝送データTDの起始点、終了点(データの長さが固定している場合は、起始点のみを知れば良い)、もしくはデータの長さなどを標示することができる。また、タグは、ビジョンインタフェース装置2の識別情報(例えば、メーカ、シリアル番号、名称など)、または操作デバイス1の識別情報、またはエラー訂正コードのうちの少なくとも1つ、またあるいはそれらの任意の組み合わせ[エラー訂正コードは、例えば、チェックサム(check sum)であり、チェックサムは、データが伝送される過程において、このデータにダメージがあるかどうかを検証するために用いられ、エラー時には再送信を要求することができる]などをさらに含むことが可能である。よって、操作デバイス1はこのタグに基づいてカップリングデータを得ることができる。
【0045】
例えば、データ伝送システムは、異なる周波数(例えば、表示データDDの走査線周波数の4倍のもので伝送データTDを変調する)、振幅、または位相(例えば、連続するフレームにおいて、表示データDDの極性が反転し、伝送データTDの極性が非反転のものである)で表示データDDと伝送データTDを伝送することによって、操作デバイス1がこれに基づいてカップリングデータを取得することができ、この方式は伝送タグ(タグが伝送の方法に埋め込まれている)の方式である。または、ある期間内に生じた特定の振幅、周波数、バンド幅、または特殊なコードによって、伝送データTD、または表示データDDの位置を区別し、例えば、特大の振幅信号を表示データDD、または伝送データTDの起始点(または同期信号)とすることで、操作デバイス1にデータを識別及び取得させることができる。操作デバイス1は、振幅の大きさ、周波数領域信号(例えば、表示データDDと異なる特定の周波数信号の有無)、時間領域(例えば、伝送データTDを各フレームの表示データDDの後に、または各走査線の間に伝送させる)、バンド幅(例えば、伝送データTDのバンド幅が表示データDDのスキャン時間の2分の1である)、または特殊なコード(例えば、伝送データTDの起始点はデジタルデータの「010」であると同時に、各データの幅はスキャン時間の3分の1である)などによって、伝送データTDの識別及び取得を行うことができ、この方式はデータタグ(タグが伝送されたデータに埋め込まれている)の方式である。注意すべきことは、上記のように、タグを使用して表示データDDと伝送データTDを区別する以外に、本発明のタグは、例えば、受信者、送信者、データの長さ、またはエラー訂正コードなどの情報を伝送することによって、伝送データTD及びその正確性を区別または識別することも可能である。
【0046】
また、操作デバイス1はカップリングデータに基づいて、応答信号RSを生成し、且つビジョンインタフェース装置2またはその他の受信装置に伝送することができる。応答信号RSは、例えば、ビジョンインタフェース装置2に操作デバイス1の受信状態を通知するためのメッセージであり、または、操作デバイス1に信号を受信する準備をするよう通知するためのメッセージであり、またあるいは、操作デバイス1とビジョンインタフェース装置2の間の同期用信号、確認信号(例えば、身元の確認)、もしくは取引確認信号(例えば、商品売買取引)である。このように、信号の送信と受信の間に相互にハンドシェイクを行なう仕組みを確立するのである。また、応答信号RSは、両者の同期機能をも兼ね備えることで、情報のハンドシェイク(information handshaking)過程を構成することもできる。
【0047】
従って、ユーザが操作デバイス1を持って、ビジョンインタフェース装置2の表示パネル21で操作デバイス1を操作すると(例えば、表示パネル21に触れたり、または表示パネル21に近づいたりする)、カップリング信号CSは表示パネル21の表示面Sからコンデンサカップリング、または誘導カップリングによって操作デバイス1にカップリングされ、操作デバイス1のキャプチャー処理によってカップリングデータを得ることができる。更に例を挙げると、操作デバイス1がアクセス制御ユニットである場合、ビジョンインタフェース装置2の表示面を操作デバイス1に近づけて操作する時、操作デバイス1にビジョンインタフェース装置2から伝送されたドアオープンまたはドアロックの情報を受信させることで、アクセス制御、またはロックを解除することができる。または、ビジョンインタフェース装置2がパブリックディスプレイであり、操作デバイス1が携帯電話、またはその他の個人用デバイスである場合、操作デバイス1をビジョンインタフェース装置2の表示面に近づけたりすることにより、例えば、広告情報、特恵情報、地理情報などの情報を個人用デバイスに送信させて持ち出すことができる。またあるいは、ビジョンインタフェース装置2が携帯電話であり、操作デバイス1がユーザの手に着用される時計、またはブレスレット状の記憶装置である場合、ユーザがビジョンインタフェース装置2の表示面Sに触れるか、または接近する時、携帯電話の電話帳、メール、または機密情報などを含むカップリング信号CSを人体を介して時計、またはブレスレット状の記憶装置にカップリングして、保存させることで、携帯電話の紛失、または盗難などの問題を防ぐことができ、また携帯電話の機能も簡素化することができる。
【0048】
図4を参照されたい。
図4は本発明の他の好ましい実施例におけるデータ伝送システムの機能を示したブロック図である。
【0049】
図2の実施例と異なるのは、本実施例のデータ伝送システムは更に受信装置3を備え、且つ操作デバイス1が得たカップリングデータCDは、操作デバイス1を介して、ビジョンインタフェース装置2と受信装置3の両方またはいずれか一方に再度に伝送されるようになっている点である。ここにおいて、カップリングデータCDは操作デバイス1を介して、受信装置3に伝送される。受信装置3はカップリングデータCDに基づいて受信データを得る。また、受信装置3もカップリングデータCDに基づいて、応答信号RSを生成し、この応答信号RSをビジョンインタフェース装置2に伝送することができる。
【0050】
例を挙げると、操作デバイス1がユーザであり、受信装置3が携帯電話である場合、ユーザの一方の手がビジョンインタフェース装置2に触れて、もう一方の手が携帯電話(受信装置3)に触れた時、カップリング信号CSはユーザの一方の手と人体を経由して、もう一方の手によって、再度携帯電話にカップリングされる(即ち、人体によるコンデンサ信号カップリング)。この方式によって、データをビジョンインタフェース装置2からユーザの体を介して受信装置3に伝送することができる。この態様のもう1つの応用は、ビジョンインタフェース装置2の信号を搬送波とすることで、ユーザの生体電気信号(bioelectrical signal)を変調してから、受信装置3でこの生体電気信号の生理情報(例えば、心電図、脳波、または身体インピーダンス、またあるいはその他の情報)を復調することができる。この態様では、追加の補助電極によって、ビジョンインタフェース装置2の信号を体の特定部位に誘導、または信号を特定部位から受信装置3に送信することもできる。つまり、このような伝送構造は、全く異なる用途を有することができ、用途に応じて、ビジョンインタフェース装置2の伝送データTDを変えさせると同時に、もう一端の受信装置3はカップリング信号CSに対して異なる方式によるデコードを行うようにすることで実現される。例えば、受信装置3が携帯電話である場合、ファイルやデータの伝送に用いられる以外に、異なるソフトウェア(例えば、APPソフトウェア)で取得することによって、ユーザ(人体)の生理情報などのデータを得ることができる。また、携帯電話は更に応答信号RSをビジョンインタフェース装置2に伝送し、ビジョンインタフェース装置2に通知することによって、メッセージのハンドシェイクの目的を達することができる。ここで注意すべきことは、上記の応用、即ち、カップリングデータCDをビジョンインタフェース装置2に再度伝送する態様は、同一の電子装置において実現できることであり、この場合、ビジョンインタフェース装置2は携帯電話である。
【0051】
説明すべきことは、
図1の前記実施例では、制御ユニット22は、表示データDDに対してタグを追加し、及び/または伝送データTDに対してもう1つのタグを追加する。操作デバイス1は上記のタグと上記もう1つのタグの両方またはいずれかに基づいて、表示データDDと伝送データTDを区別することができる。しかしながら、本実施例において、受信装置3は、制御ユニット22が追加したタグともう1つのタグの両方またはいずれかに基づいて、表示データDDと伝送データTDを区別することによって、前記と同様に、欲する伝送情報を得ることができる。
【0052】
上述をまとめると、本発明のビジョンインタフェース装置及びデータ伝送システムにおいて、操作デバイスがビジョンインタフェース装置の表示面において操作された時、伝送データを有するカップリング信号は表示パネルの少なくとも1つの電極から操作デバイスにカップリングされ、操作デバイスはカップリング信号を受信した後にカップリングデータを得ることができる。これにより、ビジョンインタフェース装置によって画像画面を表示できるほか、ビジョンインタフェース装置によって、データまたはファイルなどの伝送データを他の電子装置に伝送することができるので、近距離無線通信を使用する多くの場合に応用することにより、表示装置の応用性を拡大させることができる。
【0053】
上記実施例は例示的なものであって、限定するためのものではない。本発明の技術的思想および範囲から逸脱することなく行われる等価の修正または変更は、いずれも別紙の特許請求の範囲に含まれる。