【実施例】
【0030】
マウス
6〜8週齢のWT C57BL/6Jマウスが購入された(The Jackson Laboratory、Bar Harbor、メイン州)。全ての動物実験は、審査委員会の承認(institutional approval)を得て実施された。
【0031】
ウイルス
すでに記載されたように(J.R. Tejaro et al., J. Immunol., 182: 634-6843 (2009))、マウス馴化H1N1インフルエンザA/PR/8/34ウイルス(「PR8」)(ATCC、Manassas、バージニア州)が、10日齢の発育鶏卵の尿嚢液において培養され、Donna Farber博士(コロンビア大学)によって提供された。非馴化ヒトインフルエンザウイルス株A/Wuhan359/95(H3N2)は、入手され、すでに記載されたように(Ottolini et al., J. Gen. Virol., 86:2523-2830 (2005))培養された。非馴化ヒトインフルエンザ株のA/California/07/2009株(ヒトパンデミックH1N1)は、Ted Ross(ピッツバーグ大学)によって、親切にも提供された。
【0032】
ウイルス攻撃及び処置
C57BL/6J WTマウスを、マウス馴化インフルエンザウイルスである株A/PR/8/34に感染させた(PR8;約7500TCID
50、鼻腔内、25μl/両鼻腔;この用量は、予備的実験において、約90%の感染マウスを殺すことが見出された)。感染後2日目に、マウスは、毎日(2日目〜6日目)、プラセボ又はエリトランのいずれかを与えられた(100mlの滅菌水中200μg/マウス、静脈内)。指示された場合、エリトランは、感染の3時間前に、5日間続けて投与された。ある実験では、マウスのいくつかのグループを、感染後4又は6日目から開始して、エリトランで処置し、それぞれ、5又は3日間続けて処置した。マウスを、生存、体重減少、及び病気の臨床徴候(例えば、無気力、立毛、被毛の乱れ、猫背の姿勢、急速な浅い呼吸)について、14日間、毎日、モニターした。0(症状なし)〜5(死にかけている)の範囲の臨床スコアを、各マウスに、毎日、与えた。ある実験では、肝臓酵素レベルのための血清、又は遺伝子発現、肺の病変、若しくはウイルス力価の分析のための肺を採取するために、マウスを、感染後の指定された時間に、安楽死させた。
【0033】
エリトランは、マウスを致死性インフルエンザ攻撃から守る
C57BL/6Jマウスを、マウス馴化インフルエンザウイルス株A/PR/8/34(PR8)に感染させた。
図1aは、最初のプロトコルを図示する。「0日」に、6〜8週齢のメスのマウスを、約90%のマウスを死亡させることが確認されたPR8の用量により、経鼻で(鼻腔内)感染させた(7500TCID
50)。感染後2日目から開始して、毎日1回、5日間続けて(2日目〜6日目)、マウスは、エリトラン(100μlの滅菌水中200μg/マウス、静脈内)又はプラセボ(Eisaiによって提供された)のいずれかを与えられた。各マウスは秤量され、臨床症状(例えば、無気力、立毛、被毛の乱れ、猫背の姿勢、急速な浅い呼吸、聞き取れる走り回る音)が、毎日、2週間、スコアリングされた。エリトラン及び対応するそのプラセボ(Eisai Inc.;Andover、マサチューセッツ州によって提供された)は、エンドトキシンを含まない滅菌水に、2.33mg/mlで調製され、注入のために、炭酸水素ナトリウム緩衝5%デキストロース水で希釈した。
図1bに示されるように、生存率が毎日モニターされた。
図1cは、14日間にわたる重量測定を示す。結果は、それぞれが5匹のマウス/処置/実験を有する、2つの別個の実験を表す。
【0034】
インフルエンザに対するエリトラン介在処置は時間依存性である
マウスを、PR8(PR8;約7500TCID
50、鼻腔内)に感染させた。マウスは、感染後2、4、又は6日目に開始して、エリトランにより処置されたか、又は無処置であった。2又は4日目にエリトランを与えられたマウスは、続く日々に5回の処置を受けた。6日目にエリトランを与えられたマウスは、続く3日間処置を受けた。前記6日目マウスでは、感染症がひどいせいで、さらなる処置が不可能であった。
図2aは、2、4、及び6日目に開始して処置されたマウスについて、無処置マウスと比較して、生存率パーセント(2及び4日目、p<0.01、6日目、p≦0.05)を示す。
図2cは、2、4、及び6日目に開始して処置されたマウスについて、無処置マウスと比較して、重量減少パーセントを示す。
図2bは、各サブセットのマウスについて、臨床スコア(一定の規準に基づく、例えば、被毛の乱れ、無気力など)を示す(M.D. Tate, et al., Respiratory Research, 9:57, 1-13 (2008))。結果は、5匹のマウス/処置/実験を有する、2乃至3つの別個の実験を合わせた結果を示す。
【0035】
インフルエンザからのエリトラン介在保護は用量依存性である
マウスを、7500TCID
50のPR8に感染させた(鼻腔内)。マウスは、無処置のままであるか、又は、2日目に開始して、5日間続けて、エリトラン(200μg/マウス、又は20μg/マウス)で処置した。
図3a及び3bに示されるように、7500TCID
50で感染させ、200μg/マウスのエリトランで処置したマウス(4/5のマウスが生存)は、たった20μg/マウスを与えられたマウス(4/10が生存)に比べて、生存率の向上を示し、無処置グループは1/5が生存した。
【0036】
エリトラン介在保護はインフルエンザ投与量の増加によって圧倒される
マウスを、7500TCID
50、10,000TCID
50、又は20,000TCID
50のいずれかのPR8に感染させた(鼻腔内)。マウスは、無処置のままであるか、又は、感染後2日目に開始して、エリトランで処置した。7500TCID
50で感染させ、エリトランで処置したマウスは、88%の生存率を示した(
図4a)のに対して、10,000(
図4b)又は20,000(
図4c)TCID
50で感染させ、エリトランで処置したマウスは、それぞれ、55%及び22%の生存率を示した。結果は、4〜5匹のマウス/処置グループ/実験を有する2つの別個の実験を合わせた結果を示す。マウスを、10
7TCID
50のA/California/07/2009 H1N1に感染させた(鼻腔内)(
図4d)。マウスは、無処置のままであるか、又は、感染後2日目に開始して、5日間続けて、エリトランで処置した。マウスを、生存について14日間モニターした。これらは、それぞれが4〜5匹の動物/処置グループ/実験を有する2つの別個の実験を合わせた結果である。
【0037】
エリトラン処置は感染した対象におけるウイルス力価を減少させる
マウスを、50μlのPR8(約7500TCID
50/マウス)で感染させた(鼻腔内)。処置したマウスは、感染後2日目に開始して、100μlのエリトラン(200μg/マウス)を、静脈内で与えられた。ウイルス力価は、PR8感染マウスの肺ホモジェネートの上澄みから得られ、すでに記載されたように(Shirey KA et al., J. Leukoc. Biol., 89(3):351-7 (2011))、TCID
50/mlで表された。
図5a及び5bは、感染後2、4、6及び7日目に採取された肺を示す。
図5aは、5匹のマウス/グループ/実験を有する、2つの実験を合わせた結果を示す。エリトラン処置は、肺ウイルス力価の、統計的に有意な減少を生じた。
図5bに見られるように、肺ウイルス力価は、7日目に、エリトラン処置グループでさらに減少した。
【0038】
エリトラン処置はインフルエンザに誘導された肺病変を緩和する
マウスを、50μlのPR8(約7500TCID
50/マウス)を用い、鼻腔内で感染させた。次いで、感染後2日目に開始して、マウスに、100μlのエリトラン(200μg/マウス)を、静脈内で注入した。次に、マウスを、感染後7日目(エリトラン処置終了後2日目)に殺し、肺の病変を調べるために、肺を採取した(4匹のマウス/処置グループ)。ネズミの肺を、膨らませ、4%PFAにより灌流し固定した。パラフィン包埋肺の固定切片(8μm)を、ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)で染色した。スライドを無作為に選び、盲検し、組織の損傷、壊死、アトポーシス、及び炎症促進細胞浸潤について調べた。
図6aは、10倍での肺病変の画像を示す。PR8+エリトランの肺は、肺切片の約80%でほぼ正常であった;しかし、肺切片の約20%は、PR8感染コントロールマウスに見られるものよりずっと低い程度であるが、炎症性浸潤物を示した。これらの結果は、盲検による組織学的スコアリングによって支持される(
図6b)。パルスオキシメトリー測定が、これらの観察を確認するために行われた。感染後6日目までに、モック感染及びPR8感染マウスの間で観察された酸素飽和レベルは、78%への顕著なオキシヘモグロビン飽和度低下を示し、組織学的に示された肺胞傷害の機能的帰結を示唆した(
図6c)。
【0039】
治療効果がヒトインフルエンザ感染の他の動物モデルに及ぶかどうかを確認するために、感染実験が、コットンラットで行われた。非馴化ヒトインフルエンザ株である、A/Wuhan/359/95(H3N2)が、1日目に、コットンラットの肺で複製し、感染後4日目に肺病変のピークを生じる(
図6d、パネルb、及び
図6e、H3N2のみ)。H3N2攻撃後のエリトランで処置した動物は、4日目の肺病変の顕著な減少を示した。(
図6d、パネルc、及び
図6e、H3N2/E5564)。
【0040】
エリトラン処置はインフルエンザ誘導サイトカイン産生を減少させる
マウスを、50μlのPR8(約7500TCID
50/マウス)を用い、鼻腔内で感染させた。感染後2日目に開始して、マウスに、100μlのエリトラン(200μg/マウス)を、静脈内で注入した。マウスを、感染後2、4、及び6日目に殺し、全RNAを求めるために肺を採取した。全RNA分離及びリアルタイムPCRを、すでに記載されたように(Shirey KA et al., J. Immunol., 181(6):4159-67 (2008);Shirey KA et al., Mucosal Immunology, 3(3):291-300 (2010))、実施した。特定の遺伝子に対するmRNAのレベルは、モック感染肺に対して規格化された相対的遺伝子発現として報告される。結果は2つの実験から導かれる(4匹のマウス/処置グループ)。エリトランで処置したマウスは、各時点で、サイトカイン遺伝子発現の顕著な減少を示した(
図7a)。エリトランで処置したマウスは、測定されたインターフェロンmRNAの種類に応じて、コントロールマウスに比べて、様々なレベルのインターフェロン産生を示した(
図7b)。非馴化ヒトWuhan H3N2株に感染したコットンラットでのエリトラン処置は、IL−6及びIL−10の肺での発現の減少を示した(
図7c)。
【0041】
エリトラン処置は、より低いレベルのインフルエンザ誘導肝臓酵素レベルを生じる
マウスを、50μlのPR8(約7500TCID
50/マウス)を用い、鼻腔内で感染させた。感染後2日目に開始して、マウスに、100μlのエリトラン(200μg/マウス)を、静脈内で注入した。生理食塩水を用いモック感染させたか、又はPR8により感染させたかのいずれかであり、無処置のままであるか、又は、感染後2日目に開始してエリトランで処置したかのいずれかであるC57BL/6J WTマウスから、7日目に血清を捕集した。アラニンアミノトランスアミナーゼ(ALT)及びアスパラギン酸アミノトランスアミナーゼ(AST)を測定した(Siemens Healthcare Diagnostics, Ltd.)。
図8a及び8bに示されるように、エリトランで処置されたマウスは、感染後、より低いレベルの肝臓酵素を発現した。データは、4匹のマウス/処置/実験を有する2つの別個の実験を表す。
【0042】
エリトランはインフルエンザ誘導酸化宿主リン脂質(OxPL)を阻害する
野生型C57BL/6J、TLR4
-/-、及びTLR2
-/-の腹腔マクロファージを、エリトラン(10ng/mL)で1時間、前処置し、次いで、媒質のみ、LPS(20ng/mL)、P3C(300ng/mL)、又はOxPAPC(20μg/mL)で処置し、RNAの発現を測定した。市販のOxPAPCは、WT及びTLR2
-/-マウスの腹腔マクロファージにおけるIL−6遺伝子発現を活性化したが、TLR4
-/-マウスからの細胞においては活性化しなかった(
図9)。OxPAPCによるTLR4依存性細胞活性化は、エリトランによって実質的に阻害された。データは、3つの試料で行われた1つの実験からの平均値+/−s.e.m.である(
*p<0.001、#p<0.05)。
【0043】
感染の間の酸化リン脂質の産生へのエリトランの作用を評価するために、MALDI−IMSを用いて、エリトラン処置による、又はエリトラン処置なしで、PR8感染後のマウスの肺の脂質組成における変化を特定した。酸化生成物は、感染後エリトランで処置したマウス、又はモック感染マウスに対して、PR8感染マウスにおいて、より大きな存在度(abundance)及び強度で検出された(
図10a)。結果は、4回の実験の典型である。豊富に存在するホスファチジルコリン(PC)及び予測される酸化ホスファチジルコリン(OxPC)分子の構造及び分子量:1−パルミトイル−2−リノレオイルPC(PLPC) m/z 757.6、1−パルミトイル−2−アラキドニル(arachadonyl)PC(PAPC) m/z 782.1、並びに、酸化PC分子の予測される構造及び分子量、1−パルミトイル−2−(9−オキソ)ノナノイルPC(PONPC) m/z 649.4、1−パルミトイル−2−(5,6−エポキシイソプロスタン E2 オイル)PC(PEIPC) m/z 828.1が示されている(
図10b)。
【0044】
エリトランは直接的抗ウイルス剤ではない
【表1】
【0045】
上に記載されたように、インフルエンザに感染したマウスのエリトラン処置は、インフルエンザ誘導致死からマウスを防護した。この防護が、ウイルス複製へのエリトランの直接作用によって引き起こされたのではないことを示すために、A/California/07/2009、 H1N1(10
6TCID
50/mLの力価)のウイルスストックを、エリトラン(10ng/mL)を含む、又はエリトランを含まない(ビヒクル)MDCK細胞で、力価測定を行った。エリトランは、ウイルスを細胞プレートに接種する1時間前、又はそれと同時に、適用された。実験1及び2は、2つの別個のウイルスストックにより実施された2つの独立した実験を表す。
【0046】
エリトランはPR8感染IFN−βノックアウトマウスを防護しない
エリトラン処置は、PR8感染IFNβ
-/-マウスの保護に導かない。野生型及びIFNβ
-/-マウスを、約7500TCID
50 PR8により感染させ、無処置のままである(円)か、又は、感染後2日目から5日間続けて、エリトランで処置した(四角)。(
図11)。データは、2つの別個の実験(6匹のマウス/処置/実験)を合わせた結果を示す;WT:無処置対エリトラン処置(p<0.0013);IFNβ
-/-:無処置対エリトラン処置(p=ns)。
【0047】
MD1はエリトランの別の標的ではない
MD−1は、LPS刺激で、MD−2の代わりとはならない。CD14及びTLR4を安定して発現するHEK239細胞(HEK293−CD14−TLR4)に、MD−2、MD−1又は空ベクター(E.V.)を、トランスフェクトした。(
図12)。トランスフェクションの後48又は72時間かのいずれかで、細胞を、PBSによりモック刺激するか、又は大腸菌K235 LPS(10ng/mL)により刺激した。上澄みを、刺激の24時間後に捕集し、全IL−8レベルをELISAによって分析した。データは、単一の実験における培養の平均及びs.e.m.を示し、n=3の実験を示す(
**p<0.005、
***p<0.001)。
【0048】
エリトラン誘導防護の分子要件
正常マウス(WT)、TLR4
-/-、TLR2
-/-、及びCD14
-/-に、インフルエンザを感染させ、次いで、無処置(黒丸)であるか、又は感染後2日目から5日間続けて、エリトランで処置(白丸)した。(
図13a)。見て分かるように、インフルエンザ誘導致死は、TLR4依存性であるが、CD14又はTRL2依存性でなかった。さらに、感染後2日目でのエリトラン処置は、TLR2
-/-、又はCD14
-/-マウスのいずれにおいても防護を誘導するのに有効でなかった。WTデータは、5つの別個の実験(5〜6匹のマウス/処置/実験)を合わせ、TLR4
-/-データは、3つの別個の実験(5〜6匹のマウス/処置/実験)を合わせ、CD14
-/-データは、2つの別個の実験(4〜5匹のマウス/処置/実験)を合わせた。WT:無処置対エリトラン(p、0.0001);TLR4
-/-:無処置対エリトラン(p=ns);CD14
-/-:無処置対エリトラン(p=ns);TLR2
-/-:無処置対エリトラン(p=ns)。
【0049】
図13bは、CD14へのトリチウム化リポオリゴ糖(
3H−LOS;ナイセリア(Neisseria)のLPS)のLBP依存性移動(
図13b、左のパネル)、さらには、CD14からMD2への
3H−LOSの移動(
図13b、右のパネル)の、エリトラン介在阻害によって求められた、CD14及びMD2に結合するエリトランのin vitroでの能力を示す。[
3H]LOS凝集体(aggregate)(0.2nM)、His6−sCD14(約0.5nM)を含み、エリトラン又は無標識LOSの濃度が示されているように増加する試料(左パネル)、或いは、2nMの[
3H]LOS.sCD14、約2nMのHis6−MD2を含み、エリトラン(若しくはプラセボ)±LBP(50pM)、及びsCD14(2nM)の濃度が増加する試料(右のパネル)を、37℃で30分間、インキュベートし、その後、Hisタグタンパク質を捕捉するために、NiFFセファロースビーズを加え、インキュベートした。[
3H]LOSとHis6−sCD14(左)又はMD2(右)との複合体の生成を、すでに記載されたように25、NiFFセファロースによる[
3H]LOSの共捕捉を測定することによって分析した。データは、エリトラン無添加で観察された[
3H]LOS共捕捉に対するパーセントとして表されている。示されている結果は、各用量で2つの試料を用いる3つの別個の実験の平均±s.e.m.を表す。
【0050】
統計
2つのグループの間の統計学的差異は、p<0.05に有意差を設定し、対応のない両側スチューデントt検定を用いて求めた。
3つ以上のグループの間の比較では、分析は、p<0.05に有意差を決めて、1元配置ANOVAと、その後のテューキーの多重比較検定によって行った。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕インフルエンザウイルスに感染した患者を処置するための方法であって、感染した患者に、治療有効量のエリトラン又は薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、方法。
〔2〕感染した患者に、治療有効量の抗ウイルス化合物を投与することをさらに含む、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕感染した患者が、インフルエンザ感染の存在に陽性の検査反応を示した後、治療有効量のエリトラン又は薬学的に許容されるその塩を投与される、前記〔1〕に記載の方法。
〔4〕感染した患者が、PCR、rt−PCR、直接抗原検出試験、細胞培養におけるウイルス分離、又はこれらの組合せを用い、インフルエンザ感染の存在について検査される、前記〔3〕に記載の方法。
〔5〕感染した患者におけるインフルエンザ誘導サイトカインmRNAレベルの低下を引き起こすことをさらに含む、前記〔1〕に記載の方法。
〔6〕感染した患者におけるインフルエンザ誘導サイトカインmRNAレベルの低下を引き起こすことをさらに含み、サイトカインが、TNF−α、IL−1β、IL−6、COX−2、IL−12p40、KC、IL−10、IL−5、TGF−β、又はこれらの組合せを含む、前記〔5〕に記載の方法。
〔7〕感染した患者におけるインフルエンザ誘導インターフェロン−ベータ又はインターフェロンガンマmRNAレベルの低下を引き起こすことをさらに含む、前記〔1〕に記載の方法。
〔8〕感染した患者が、臨床症状の発症の後、治療有効量のエリトラン又は薬学的に許容されるその塩を投与され、臨床症状が、咳、発熱、肺炎、又はこれらの組合せを含む、前記〔1〕に記載の方法。
〔9〕エリトラン又は薬学的に許容されるその塩が、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、冠動脈内投与、動脈内投与、皮内投与、皮下投与、経皮送達、気管内投与、皮下投与、関節内投与、脳室内投与、吸入、脳内、鼻腔、経臍、経口、眼内、経肺投与、カテーテルの挿入、座薬及び組織への直接注入による、又は、全身に吸収される局所若しくは粘膜投与、を含む経路の1つによって投与される、前記〔1〕に記載の方法。
〔10〕エリトラン又は薬学的に許容されるその塩が、静脈内投与される、前記〔9〕に記載の方法。
〔11〕エリトラン又は薬学的に許容されるその塩の投与による作用が、感染した患者におけるウイルス力価の低下を引き起こす、前記〔1〕に記載の方法。
〔12〕感染した患者が、治療有効量のエリトラン又は薬学的に許容されるその塩を、用量当たり約1μg〜約240mgの間の範囲で投与される、前記〔1〕に記載の方法。
〔13〕オルトミクソウイルスに感染した患者を処置するための方法であって、感染した患者に、活性成分及び薬学的に許容される担体を含む組成物を投与することを含み、活性成分がエリトラン又は薬学的に許容されるその塩を含む、方法。
〔14〕患者が、インフルエンザA、インフルエンザB、インフルエンザC、又はこれらの組合せを含む群から選択されるオルトミクソウイルスに感染している、前記〔13〕に記載の方法。
〔15〕感染した患者に、治療有効量の抗ウイルス化合物を投与することをさらに含む、前記〔13〕に記載の方法。
〔16〕感染した患者が、インフルエンザ感染の存在に陽性の検査反応を示した後、治療有効量のエリトラン又は薬学的に許容されるその塩を投与される、前記〔13〕に記載の方法。
〔17〕感染した患者が、PCR、rt−PCR、直接抗原検出試験、細胞培養におけるウイルス分離、又はこれらの組合せを用い、インフルエンザ感染の存在について検査される、前記〔16〕に記載の方法。
〔18〕感染した患者におけるインフルエンザ誘導サイトカインmRNAレベルの低下を引き起こすことをさらに含む、前記〔13〕に記載の方法。
〔19〕感染した患者におけるインフルエンザ誘導サイトカインmRNAレベルの低下を引き起こすことをさらに含み、サイトカインが、TNF−α、IL−1β、IL−6、COX−2、IL−12p40、KC、IL−10、IL−5、TGF−β、又はこれらの組合せを含む、前記〔18〕に記載の方法。
〔20〕感染した患者におけるインフルエンザ誘導インターフェロン−ベータ又はインターフェロンガンマmRNAレベルの低下を引き起こすことをさらに含む、前記〔13〕に記載の方法。
〔21〕感染した患者が、臨床症状の発症の後、治療有効量のエリトラン又は薬学的に許容されるその塩を投与され、臨床症状が、咳、発熱、肺炎、又はこれらの組合せを含む、前記〔13〕に記載の方法。
〔22〕エリトラン又は薬学的に許容されるその塩が、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、冠動脈内投与、動脈内投与、皮内投与、皮下投与、経皮送達、気管内投与、皮下投与、関節内投与、脳室内投与、吸入、脳内、鼻腔、経臍、経口、眼内、経肺投与、カテーテルの挿入、座薬及び組織への直接注入による、又は、全身に吸収される局所若しくは粘膜投与、を含む経路の1つによって投与される、前記〔13〕に記載の方法。
〔23〕エリトラン又は薬学的に許容されるその塩が、静脈内投与される、前記〔22〕に記載の方法。
〔24〕エリトラン又は薬学的に許容されるその塩の投与による作用が、感染した患者におけるウイルス力価の低下を引き起こす、前記〔13〕に記載の方法。
〔25〕感染した患者が、治療有効量のエリトラン又は薬学的に許容されるその塩を、用量当たり約1μg〜約240mgの間の範囲で投与される、前記〔13〕に記載の方法。
〔26〕インフルエンザに誘導された疾患を緩和するための方法であって、感染した動物に、治療有効量のTLR4アンタゴニストを投与することを含み、TLR4アンタゴニストがエリトラン又は薬学的に許容されるその塩を含む、方法。
〔27〕感染した患者に、治療有効量の抗ウイルス化合物を投与することをさらに含む、前記〔26〕に記載の方法。
〔28〕感染した患者が、インフルエンザ感染の存在に陽性の検査反応を示した後、治療有効量のエリトラン又は薬学的に許容されるその塩を投与される、前記〔26〕に記載の方法。
〔29〕感染した患者が、PCR、rt−PCR、直接抗原検出試験、細胞培養におけるウイルス分離、又はこれらの組合せを用い、インフルエンザ感染の存在について検査される、前記〔28〕に記載の方法。
〔30〕感染した患者におけるインフルエンザ誘導サイトカインmRNAレベルの低下を引き起こすことをさらに含む、前記〔26〕に記載の方法。
〔31〕感染した患者におけるインフルエンザ誘導サイトカインmRNAレベルの低下を引き起こすことをさらに含み、サイトカインが、TNF−α、IL−1β、IL−6、COX−2、IL−12p40、KC、IL−10、IL−5、TGF−β、又はこれらの組合せを含む、前記〔30〕に記載の方法。
〔32〕感染した患者におけるインフルエンザ誘導インターフェロン−ベータ又はインターフェロンガンマmRNAレベルの低下を引き起こすことをさらに含む、前記〔26〕に記載の方法。
〔33〕感染した患者が、臨床症状の発症の後、治療有効量のエリトラン又は薬学的に許容されるその塩を投与され、臨床症状が、咳、発熱、肺炎、又はこれらの組合せを含む、前記〔26〕に記載の方法。
〔34〕エリトラン又は薬学的に許容されるその塩が、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、冠動脈内投与、動脈内投与、皮内投与、皮下投与、経皮送達、気管内投与、皮下投与、関節内投与、脳室内投与、吸入、脳内、鼻腔、経臍、経口、眼内、経肺投与、カテーテルの挿入、座薬及び組織への直接注入による、又は、全身に吸収される局所若しくは粘膜投与、を含む経路の1つによって投与される、前記〔26〕に記載の方法。
〔35〕エリトラン又は薬学的に許容されるその塩が、静脈内投与される、前記〔34〕に記載の方法。
〔36〕エリトラン又は薬学的に許容されるその塩の投与による作用が、感染した患者におけるウイルス力価の低下を引き起こす、前記〔26〕に記載の方法。
〔37〕感染した患者が、治療有効量のエリトラン又は薬学的に許容されるその塩を、用量当たり約1μg〜約240mgの間の範囲で投与される、前記〔26〕に記載の方法。