特許第6081657号(P6081657)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニーの特許一覧

特許6081657ポリエーテルアミンを含有する洗浄組成物
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6081657
(24)【登録日】2017年1月27日
(45)【発行日】2017年2月15日
(54)【発明の名称】ポリエーテルアミンを含有する洗浄組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/30 20060101AFI20170206BHJP
   C11D 3/386 20060101ALI20170206BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20170206BHJP
   C07C 217/08 20060101ALI20170206BHJP
   D06F 33/02 20060101ALN20170206BHJP
【FI】
   C11D3/30
   C11D3/386
   C11D3/37
   C07C217/08
   !D06F33/02 S
【請求項の数】13
【全頁数】66
(21)【出願番号】特願2016-504394(P2016-504394)
(86)(22)【出願日】2014年3月27日
(65)【公表番号】特表2016-519184(P2016-519184A)
(43)【公表日】2016年6月30日
(86)【国際出願番号】US2014031939
(87)【国際公開番号】WO2014160820
(87)【国際公開日】20141002
【審査請求日】2015年9月18日
(31)【優先権主張番号】61/806,231
(32)【優先日】2013年3月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/832,231
(32)【優先日】2013年6月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100187207
【弁理士】
【氏名又は名称】末盛 崇明
(72)【発明者】
【氏名】フランク、フルスコッター
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ、シアーラ
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン、ジョセフ、ローナン
(72)【発明者】
【氏名】エイミー、アイヒシュタット、ワウン
(72)【発明者】
【氏名】ソフィア、エーベルト
(72)【発明者】
【氏名】ビョルン、ルドルフ
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ、ビグバース
(72)【発明者】
【氏名】シュテフェン、マース
【審査官】 古妻 泰一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第01/076729(WO,A1)
【文献】 米国特許第06146427(US,A)
【文献】 国際公開第2012/126665(WO,A1)
【文献】 特表2002−542381(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0153867(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0259075(US,A1)
【文献】 特表2013−515155(JP,A)
【文献】 特表2003−518165(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0211960(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 3/30
C07C 217/08
C11D 3/37
C11D 3/386
D06F 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1重量%〜70重量%の界面活性剤系と、
0.1%〜10%の式(I)、式(II)のポリエーテルアミン、又はこれらの混合物と、を含む、洗浄組成物。
【化1】
(式中、R〜R12のそれぞれは、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルから独立して選択され、R〜Rのうちの少なくとも1つ、及びR〜R12のうちの少なくとも1つは、Hではなく、 A〜Aのそれぞれは、2〜18個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキレンから独立して選択され、Z〜Zのそれぞれは、OH又はNHから独立して選択され、Z〜Zのうちの少なくとも1つ、及びZ〜Zのうちの少なくとも1つは、NHであり、x+yの和は、2〜200の範囲内にあり、x≧1かつy≧1であり、x+yの和は、2〜200の範囲内にあり、x≧1かつy≧1である)
【請求項2】
前記式(I)又は式(II)のポリエーテルアミンにおいて、Z〜Zのそれぞれは、NHである、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項3】
前記式(I)又は式(II)のポリエーテルアミンにおいて、x+yは、2〜20の範囲内にあり、かつx+yは、2〜20の範囲内にある、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項4】
前記式(I)又は式(II)のポリエーテルアミンにおいて、A〜Aのそれぞれは、エチレン、プロピレン、又はブチレンから独立して選択される、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項5】
前記式(I)又は式(II)のポリエーテルアミンにおいて、R、R、R、R、R、R、R11、及びR12のそれぞれは、Hであり、R、R、R、及びR10のそれぞれは、C1〜C16アルキル又はアリールから独立して選択される、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項6】
前記式(I)又は式(II)のポリエーテルアミンにおいて、R、R、R、及びRのそれぞれは、Hであり、R、R、R、R、R、R10、R11、及びR12のそれぞれは、エチル基、メチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、又はHから独立して選択される、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項7】
前記ポリエーテルアミンの重量平均分子量は、290〜1000グラム/モルである、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項8】
0.001重量%〜1重量%の酵素を更に含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項9】
前記界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤から選択される1種類以上の界面活性剤を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項10】
0.1重量%〜10重量%の追加アミンを更に含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項11】
汚れた布地を前処理するか、又は処理する方法であって、該汚れた布地を請求項1に記載の洗浄組成物に接触させることを含む、方法。
【請求項12】
1重量%〜70重量%の界面活性剤系と、
0.1重量%〜10重量%の、以下の構造を有するポリエーテルアミンと、を含む、洗浄組成物。
【化2】
【請求項13】
1重量%〜70重量%の界面活性剤系と、
0.1重量%〜10重量%のポリエーテルアミンであって、
a)式(III)の1,3−ジオールをC2〜C18アルキレンオキシドと反応させて、アルコキシル化1,3−ジオールを形成することであって、1,3−ジオールとC2〜C18アルキレンオキシドのモル比は、1:2〜1:10の範囲である、ことと、
【化3】
(式中、R〜Rのそれぞれは、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルから独立して選択され、R〜Rのうちの少なくとも1つは、Hではない)
b)前記アルコキシル化1,3−ジオールをアンモニアによりアミノ化することと、により得られる、ポリエーテルアミンと、を含む、洗浄組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概ね洗浄組成物に関し、より具体的には、汚れた生地から汚れを除去するのに好適なポリエーテルアミンを含有する洗浄組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
手入れの容易な合成繊維製の布地の一般化、並びに増え続けるエネルギー費用及び洗剤の使用者の環境への関心の高まりにより、最近では、かつて一般的であった温水及び熱水による洗浄ではなく、冷水(30℃以下)による布地の洗浄が主に行われている。多くの市販の洗濯洗剤は、15℃で、又は9℃であっても布地の洗浄に好適であると宣伝している。このような低い温度で満足できる(熱水洗浄で得られる洗浄効果に匹敵する)洗浄効果を得るために、低温用洗剤への要求は非常に厳しいものとなる。
【0003】
洗剤組成物に特定の添加剤を含ませることにより、従来の界面活性剤の洗浄力が向上し、30℃以下の温度における脂汚れの除去が改善されることが知られている。例えば、少なくとも1種類の合成アニオン性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤に加えて、脂肪族アミン化合物を含有する洗濯洗剤が知られている。また、洗濯洗剤において直鎖アルキル−変性(2級)アルコキシプロピルアミンを使用することで、低温での洗浄を改善することも知られている。しかしながら、これらの既知の洗濯洗剤は、冷温においては、満足できる洗浄を行うことができない。
【0004】
更に、直鎖1級ポリオキシアルキレンアミン(例えば、Jeffamine(登録商標)D−230)を使用することで、洗濯洗剤中の香料を安定化し、香りを長持ちさせることも知られている。また、液体洗剤において泡を抑制するための、大きな分子量(分子量が少なくとも約1000)の、分岐鎖を有する、三官能性の1級アミン類(例えば、Jeffamine(登録商標)T−5000ポリエーテルアミン)の使用も知られている。加えて、モノエーテルジアミンを含有するエーテルアミン混合物(例えば、エーテルアミン混合物の少なくとも10重量%)、その生産方法、その硬化剤としての又はポリマーの合成における原材料としての使用が知られている。最後に、ジアミン類又はポリアミン類とアルキレンオキシドとの反応に由来する化合物、及びアミン末端ポリエーテルと、エポキシド官能性化合物との反応に由来する化合物の、泡を抑制するための使用が知られている。
【0005】
どのような形でも洗濯洗剤の生産及び品質を損ねることなく、低い洗浄温度(例えば、30℃以下)での洗浄性能を向上できる洗剤用添加剤に対する継続的な需要が存在する。より具体的には、微粒子洗浄に悪影響を与えることなく、冷水での脂洗浄を向上させることができる洗剤用添加剤に対する需要が存在する。驚くべきことに、本発明の洗浄組成物は、(特に、冷水中において)脂除去を向上させることが明らかになった。これらのポリエーテルアミン化合物は、驚くほど効果的な脂除去をもたらす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、本発明の一態様において、約1重量%〜約70重量%の界面活性剤系と、約0.1重量%〜約10重量%の式(I)、式(II)のポリエーテルアミン、又はこれらの混合物と、を含む、洗浄組成物(液体、粉末、単位用量、パウチ、又は錠剤形態のもの)を提供することにより、前記需要のもう一つを解決しようとするものである。
【0007】
【化1】
(式中、R〜R12のそれぞれは、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルから独立して選択され、R〜Rのうちの少なくとも1つ、及びR〜R12のうちの少なくとも1つは、Hではなく、
〜Aのそれぞれは、2〜18個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキレンから独立して選択され、Z〜Zのそれぞれは、OH又はNHから独立して選択され、Z〜Zのうちの少なくとも1つ、及びZ〜Zのうちの少なくとも1つは、NHであり、x+yの和は、約2〜約200の範囲内にあり、x≧1かつy≧1であり、x+yの和は、約2〜約200の範囲内にあり、x≧1かつy≧1である)本洗浄組成物は、1種類以上の洗浄補助添加剤を更に含んでいてもよい。
【0008】
他の態様では、本発明は、約1重量%〜約70重量%の界面活性剤系と、約0.1重量%〜約10重量%のポリエーテルアミンと、を含む、洗浄組成物に関し、該ポリエーテルアミンは、
a)式(III)の1,3−ジオールをC2〜C18アルキレンオキシドと反応させて、アルコキシル化1,3−ジオールを形成することであって、1,3−ジオールとC2〜C18アルキレンオキシドのモル比は、約1:2〜約1:10の範囲内にある、ことと、
【0009】
【化2】
(式中、R〜Rは、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルから独立して選択され、R〜Rのうちの少なくとも1つは、Hではない)
b)該アルコキシル化1,3−ジオールをアンモニアによりアミノ化することと、により得られる。
【0010】
本発明は、汚れた生地を洗浄する方法に更に関する。これらの方法は、汚れた生地の前処理であって、該汚れた生地を本発明の洗浄組成物に接触させることを含む、前処理を含む。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の種々の実施形態の特性及び利点は、本発明の幅広い表現を与えるよう意図される特定の実施形態の例を含む以下の記述から明らかになる。種々の修正は、本発明の本記述及び実践から当業者には明らかである。範囲は開示の特定の形態に制限されるよう意図されず、本発明は、「特許請求の範囲」によって定義される本発明の趣旨及び範囲に収まる全ての修正、等価物、及び代替物を網羅する。
【0012】
本願で使用するとき、「the」、「a」及び「an」を包含する冠詞は、特許請求の範囲又は明細書で使用されるときには、請求又は記載されるものの1以上を意味するものと理解される。
【0013】
本明細書で使用するとき、用語「包含する(include)」、「包含する(includes)」及び「包含している(including)」は、非限定的であるように意味される。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語「〜を実質的に含まない(substantially free of、又はsubstantially free from)」は、示された材料が必要最低限であり、組成物の一部を形成するために意図的に組成物に添加されず、又は、好ましくは、分析的に検出可能な濃度で存在しないことを意味する。これは、指示される物質が、意図的に含まれる他の物質のうちの1つ中の不純物としてのみ存在する組成物を含むことを意味する。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「汚れた生地」は、非特定的に使用され、限定されるものではないが様々な混合物及び組み合わせを含めた、綿、亜麻布、ウール、ポリエステル、ナイロン、絹、アクリル及びこれらに類するものなどの天然、人工及び合成繊維を含む、天然又は人工繊維の網状構造からなる任意の種類の可撓性材料を指し得る。汚れた生地とは、自然の、人工の、又は合成の表面を含む、任意の種類の硬質表面を更に指しており、硬質表面としては、タイル、御影石、グラウト、ガラス、複合材、ビニール、広葉樹、金属、調理面、プラスチックなど、並びにこれらの混合物、及び組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
引用した特許及び他の文献は全て、参照により、関連箇所において、本明細書内で再度全体が記載されているのと同様に援用される。いずれの特許及び他の文献への言及も、言及された特許及び他の文献が、本発明に対して先行技術であることを認容するものではない。
【0017】
本説明では、全ての濃度及び比率は、特に指定しない限り、洗浄組成物の重量基準である。
【0018】
洗浄組成物
本明細書で使用するとき、「洗浄組成物」という表現は、汚れた生地を洗浄するように設計された組成物及び処方物を含む。このような組成物としては、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地用柔軟組成物、布地向上組成物(fabric enhancing composition)、布地フレッシュニング組成物、洗濯プレウォッシュ剤、洗濯前処理剤、洗濯添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤若しくは組成物、洗濯すすぎ添加剤、洗浄添加剤、すすぎ後布地処理剤、アイロン助剤、食器洗浄組成物、硬質表面洗浄組成物、単位用量処方物、遅延送達(delayed delivery)処方物、多孔質の基材若しくは不織布上若しくはその中に含有させた洗剤、並びに、本明細書の教示の下に当業者にとって明らかとなり得る他の好適な形態が挙げられるが、これらに限定されない。このような組成物は、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用されてもよく、あるいは、洗濯操作のすすぎ又は洗浄サイクル中に添加されてもよい。本洗浄組成物は、液体、粉末、1段階若しくは多段階の単位用量、パウチ、錠剤、ゲル、ペースト、バー又はフレークから選択される形態であり得る。
【0019】
ポリエーテルアミン
本明細書に記載する洗浄組成物は、組成物の重量に対して、約0.1%〜約10%、一部の例では、約0.2%〜約5%、他の例では、約0.5%〜約3%のポリエーテルアミンを含んでいてよい。
【0020】
一部の態様では、前記ポリエーテルアミンは、式(I)の構造によって表される。
【0021】
【化3】
(式中、R〜Rのそれぞれは、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルから独立して選択され、R〜Rのうちの少なくとも1つは、Hではなく、典型的には、R〜Rのうちの少なくとも1つは、2〜8個の炭素原子を有するアルキル基であり、A〜Aのそれぞれは、2〜18個の炭素原子、典型的には、2〜10個の炭素原子、より典型的には、2〜5個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキレンから独立して選択され、Z〜Zのそれぞれは、OH又はNHから独立して選択され、Z〜Zのうちの少なくとも1つは、NHであり、典型的には、Z及びZのそれぞれは、NHであり、x+yの和は、約2〜約200、典型的には、約2〜約20若しくは約3〜約20、より典型的には、約2〜約10若しくは約3〜約8、又は約4〜約6の範囲内にあり、x≧1かつy≧1であり、x+yの和は、約2〜約200、典型的には、約2〜約20若しくは約3〜約20、より典型的には、約2〜約10若しくは約3〜約8又は約2〜約4の範囲内にあり、x≧1かつy≧1である)。
【0022】
一部の態様では、式(I)のポリエーテルアミンにおいて、A〜Aのそれぞれは、エチレン、プロピレン、又はブチレンから独立して選択され、典型的には、A〜Aのそれぞれは、プロピレンである。特定の態様では、式(I)のポリエーテルアミンにおいて、R、R、R、及びRのそれぞれは、Hであり、R及びRのそれぞれは、C1〜C16アルキル又はアリールから独立して選択され、典型的には、R、R、R、及びRのそれぞれは、Hであり、R及びRのそれぞれは、ブチル基、エチル基、メチル基、プロピル基、又はフェニル基から独立して選択される。一部の態様では、式(I)のポリエーテルアミンにおいて、Rは、エチル基であり、R、R、R、及びRのそれぞれは、Hであり、Rは、ブチル基である。一部の態様では、式(I)のポリエーテルアミンにおいて、R及びRのそれぞれは、Hであり、R、R、R、及びRのそれぞれは、エチル基、メチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、又はHから独立して選択される。
【0023】
一部の態様では、前記ポリエーテルアミンは、式(II)の構造によって表される。
【0024】
【化4】
(式中、R〜R12のそれぞれは、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルから独立して選択され、R〜R12のうちの少なくとも1つは、Hではなく、典型的には、R〜R12のうちの少なくとも1つは、2〜8個の炭素原子を有するアルキル基であり、A〜Aのそれぞれは、2〜18個の炭素原子、典型的には、2〜10個の炭素原子、より典型的には、2〜5個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキレンから独立して選択され、Z〜Zのそれぞれは、OH又はNHから独立して選択され、Z〜Zのうちの少なくとも1つは、NHであり、典型的には、Z及びZのそれぞれは、NHであり、x+yの和は、約2〜約200、典型的には、約2〜約20若しくは約3〜約20、より典型的には、約2〜約10若しくは約3〜約8、又は約2〜約4の範囲内にあり、x≧1かつy≧1であり、x+yの和は、約2〜約200、典型的には、約2〜約20若しくは約3〜約20、より典型的には、約2〜約10若しくは約3〜約8又は約2〜約4の範囲内にあり、x≧1かつy≧1である)。
【0025】
一部の態様では、式(II)のポリエーテルアミンにおいて、A〜Aのそれぞれは、エチレン、プロピレン、又はブチレンから独立して選択され、典型的には、A〜Aのそれぞれは、プロピレンである。特定の態様では、式(II)のポリエーテルアミンにおいて、R、R、R11、及びR12のそれぞれは、Hであり、R及びR10のそれぞれは、C1〜C16アルキル又はアリールから独立して選択され、典型的には、R、R、R11、及びR12のそれぞれは、Hであり、R及びR10のそれぞれは、ブチル基、エチル基、メチル基、プロピル基、又はフェニル基から独立して選択される。一部の態様では、式(II)のポリエーテルアミンにおいて、Rは、エチル基であり、R、R、R11、及びR12のそれぞれは、Hであり、R10は、ブチル基である。一部の態様では、式(II)のポリエーテルアミンにおいて、R及びRのそれぞれは、Hであり、R、R10、R11、及びR12のそれぞれは、エチル基、メチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、又はHから独立して選択される。
【0026】
一部の態様では、x、x、y、及び/又はyは、独立して、3以上であり、これは、式(I)のポリエーテルアミンが、1を超える[A−O]基、1を超える[A−O]基、1を超える[A−O]基、及び/又は1を超える[A−O]基を有し得ることを意味する。一部の態様では、Aは、エチレン、プロピレン、ブチレン、又はこれらの混合物から選択される。一部の態様では、Aは、エチレン、プロピレン、ブチレン、又はこれらの混合物から選択される。一部の態様では、Aは、エチレン、プロピレン、ブチレン、又はこれらの混合物から選択される。一部の態様では、Aは、エチレン、プロピレン、ブチレン、又はこれらの混合物から選択される。
【0027】
同様に、式(II)のポリエーテルアミンは、1を超える[A−O]基、及び/又は1を超える[A−O]基を有し得る。一部の態様では、Aは、エチレン、プロピレン、ブチレン、又はこれらの混合物から選択される。一部の態様では、Aは、エチレン、プロピレン、ブチレン、又はこれらの混合物から選択される。
【0028】
一部の態様では、[A−O]は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はこれらの混合物から選択される。一部の態様では、[A−O]は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はこれらの混合物から選択される。一部の態様では、[A−O]は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はこれらの混合物から選択される。一部の態様では、[A−O]は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はこれらの混合物から選択される。一部の態様では、[A−O]は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はこれらの混合物から選択される。一部の態様では、[A−O]は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はこれらの混合物から選択される。
【0029】
、A、A、及び/又はAがエチレン、プロピレン、及び/又はブチレンの組み合わせである場合は、得られたアルコキシレートは、ブロック状構造又はランダム構造を有する場合がある。A及び/又はAがエチレン、プロピレン、及び/又はブチレンの組み合わせである場合は、得られたアルコキシレートは、ブロック状構造又はランダム構造を有する場合がある。
【0030】
非限定的な例示のためであるが、式(I)に係るポリエーテルアミンにおいてx=7の場合、このポリエーテルアミンは、6個の[A−O]基を含んでいる。Aがエチレン基及びプロピレン基の組み合わせを含んでいた場合は、得られるポリエーテルアミンは、エトキシ(EO)基及びプロポキシ(PO)基の組み合わせを含んでいる場合がある。これらの基は、ランダム構造(例えば、EO−EO−PO−EO−PO−PO)で配列していてもよいし、又はブロック状構造(EO−EO−EO−PO−PO−PO)で配列していてもよい。この実例では、異なるアルコキシ基の数が同じであるが(ここでは、3個のEOと3個のPO)、しかし、それぞれのアルコキシ基の数が異なっていてもよい(例えば、5個のEOと1個のPO)。更に、ポリエーテルアミンがブロック状構造にてアルコキシ基を含む場合、このポリエーテルアミンは、この実例に示すような2個のブロック(3個のEO基があるブロックを形成し、3個のPO基が他のブロックを形成する)を含んでいてもよいし、又はこのポリエーテルアミンは3個以上のブロックを含んでいてもよい上述の議論は、式(II)に係るポリエーテルアミン)にも適用できる。
【0031】
特定の態様では、前記ポリエーテルアミンは、式B、式C、及びこれらの混合物からなる群から選択される:
【0032】
【化5】
【0033】
一部の態様では、前記ポリエーテルアミンは、式(I)の化合物と式(II)の化合物の混合物を含む。
【0034】
典型的には、式(I)又は式(II)のポリエーテルアミンの重量平均分子量は、約290〜約1000グラム/モル、典型的には、約300〜約700グラム/モル、より典型的には、約300〜約450グラム/モルである。ポリマーの分子質量は、重合反応により、分子量の分布が生み出される点において通常の分子と異なり、この分布を重量平均分子量としてまとめる。それ故、本発明のポリエーテルアミンポリマーは、ある範囲の分子量にわたって分布している。分子量の違いは、主に、合成の際に一つに配列したモノマー単位の数の違いによるものである。本発明のポリエーテルアミンポリマーに関しては、このモノマー単位は、式(III)の1,3−ジオールと反応して、アルコキシル化1,3−ジオールを形成するアルキレンオキシドであり、これは、続いてアミノ化されて、結果的にポリエーテルアミンポリマーを形成する。得られるポリエーテルアミンポリマーは、アルキレンオキシド単位の配列により特徴付けられる。このアルコキシル化反応により、アルキレンオキシド配列の分布がもたらされるため、分子量の分布がもたらされる。また、アルコキシル化反応は、反応の際に反応せず、組成物中に残留する、未反応アルキレンオキシドモノマー(「未反応モノマー」)をも作り出す。
【0035】
一部の態様では、前記ポリエーテルアミンは、ポリエーテルアミン混合物を含み、該ポリエーテルアミン混合物は、ポリエーテルアミン混合物の重量に対して、少なくとも90%の式(I)のポリエーテルアミン、式(II)のポリエーテルアミン、又はこれらの混合物を含む。一部の態様では、前記ポリエーテルアミンは、ポリエーテルアミン混合物を含み、該ポリエーテルアミン混合物は、ポリエーテルアミン混合物の重量に対して、少なくとも95%の式(I)のポリエーテルアミン、式(II)のポリエーテルアミン、又はこれらの混合物を含む。
【0036】
式(I)のポリエーテルアミン、及び/又は式(II)のポリエーテルアミンは、
a)式(III)の1,3−ジオールをC〜C18アルキレンオキシドと反応させて、アルコキシル化1,3−ジオールを形成することであって、1,3−ジオールとC〜C18アルキレンオキシドのモル比は、約1:2〜約1:10の範囲内にある、ことと、
【0037】
【化6】
(式中、R〜Rは、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルから独立して選択され、R〜Rのうちの少なくとも1つは、Hではない)
b)該アルコキシル化1,3−ジオールをアンモニアによりアミノ化することと、により得られる。
【0038】
一部の態様では、1,3−ジオールとC〜C18アルキレンオキシドのモル比は、約1:3〜約1:8、より典型的には、約1:4〜約1:6の範囲内にある。特定の態様では、C〜C18アルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はこれらの混合物から選択される。更なる態様では、C〜C18アルキレンオキシドは、プロピレンオキシドである。
【0039】
一部の態様では、式(III)の1,3−ジオールにおいて、R、R、R、及びRは、Hであり、R及びRは、C16アルキル又はアリールである。更なる態様では、式(III)の1,3−ジオールは、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−フェニル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、又はこれらの混合物から選択される。
【0040】
工程a):アルコキシル化
式IIIの1,3−ジオールは、国際公開第10026030号、国際公開第10026066号、国際公開第09138387号、国際公開第09153193号、及び国際公開第10010075号に記載されているように合成される。好適な1,3−ジオールとしては、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−ペンチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(2−メチル)ブチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−フェニル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3プロパンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ(2−メチルプロピル)−1,3−プロパンジオール、2−イソプロピル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、又はこれらの混合物が挙げられる。一部の態様では、前記1,3−ジオールは、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−フェニル−1,3−プロパンジオール、又はこれらの混合物から選択される。典型的には、使用される1,3−ジオールは、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−フェニル−1,3−プロパンジオールである。
【0041】
アルコキシル化1,3−ジオールは、当該技術分野で既知の、任意の数の一般的なアルコキシル化手順に従って、式IIIの1,3−ジオールをアルキレンオキシドと反応させることによって、得ることができる。好適なアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ペンテンオキシド、ヘキセンオキシド、デセンオキシド、ドデセンオキシド、又はこれらの混合物などの、C〜C18アルキレンオキシドが挙げられる。一部の態様では、C〜C18アルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はこれらの混合物から選択される。1,3−ジオールは、単一のアルキレンオキシドと反応させてもよいし、2種類以上の異なるアルキレンオキシドの組み合わせと反応させてもよい。2種類以上の異なるアルキレンオキシドを用いた場合、得られるポリマーはブロック状構造又はランダム構造として得られてもよい。
【0042】
典型的には、アルコキシル化反応が行われる際の1,3−ジオールとC〜C18アルキレンオキシドのモル比は、約1:2〜約1:10、より典型的には、約1:3〜約1:8、より典型的には、約1:4〜約1:6の範囲内である。
【0043】
アルコキシル化反応は、一般的には、約70℃〜約200℃、典型的には、約80℃〜約160℃の反応温度で、水溶液中にて、触媒の存在下で進行する。この反応は、最大約1MPa(10バール)又は最大約0.8MPa(8バール)の圧力にて進行されてもよい。好適な触媒の例としては、塩基性触媒が挙げられ、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウムなどのアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、特にナトリウム及びカリウムのC〜C−アルコキシド(例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド及びカリウムtert−ブトキシドなど)、水素化ナトリウム及び水素化カルシウムなどのアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水素化物、並びに炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩などが挙げられる。一部の態様では、この触媒は、アルカリ金属水酸化物、典型的には、水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムである。この触媒の典型的な使用量は、1,3−ジオール及びアルキレンオキシドの総量に対して、約0.05〜約10重量%、特に約0.1〜約2重量%である。アルコキシル化反応の際、触媒残留分などの、特定の不純物(意図しないポリマーの構成成分)が形成される場合がある。
【0044】
x+y個のC〜C18アルキレンオキシド、及び/又はx+y個のC〜C18アルキレンオキシドによるアルコキシル化により、式IV及び/又は式Vで表される構造が作り出される。
【0045】
【化7】
(式中、R〜R12は、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルから独立して選択され、
〜Rのうちの少なくとも1つ、及びR〜R12のうちの少なくとも1つは、Hではなく、A〜Aのそれぞれは、2〜18個の炭素原子、典型的には、2〜10個の炭素原子、より典型的には、2〜5個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキレンから独立して選択され、x+yの和は、約2〜約200、典型的には、約2〜約20若しくは約3〜約20、より典型的には、約2〜約10若しくは約2〜約5の範囲内にあり、x≧1かつy≧1であり、x+yの和は、約2〜約200、典型的には、約2〜約20若しくは約3〜約20、より典型的には、約2〜約10若しくは約2〜約5の範囲内にあり、x≧1かつy≧1である)。
【0046】
工程b):アミノ化
前記アルコキシル化1,3−ジオールのアミノ化により、式I又は式IIで表される構造が作り出される。
【0047】
【化8】
(式中、R〜R12のそれぞれは、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルから独立して選択され、R〜Rのうちの少なくとも1つ、及びR〜R12のうちの少なくとも1つは、Hではなく、
〜Aのそれぞれは、2〜18個の炭素原子、典型的には、2〜10個の炭素原子、より典型的には、2〜5個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキレンから独立して選択され、Z〜Zのそれぞれは、OH又はNHから独立して選択され、Z〜Zのうちの少なくとも1つ、及びZ〜Zのうちの少なくとも1つは、NHであり、x+yの和は、約2〜約200、典型的には、約2〜約20若しくは約3〜約20、より典型的には、約2〜約10若しくは約2〜約5の範囲内にあり、x≧1かつy≧1であり、x+yの和は、約2〜約200、典型的には、約2〜約20若しくは約3〜約20、より典型的には、約2〜約10若しくは約2〜約5の範囲内にあり、x≧1かつy≧1である)。
【0048】
式I及び/又は式IIに係るポリエーテルアミンは、水素及びニッケルを含有する触媒の存在下での、アルコキシル化1,3−ジオール混合物(式IV及び式V)の、アンモニアによる還元的アミノ化により得ることができる。好適な触媒は、国際公開第2011/067199A1号、国際公開第2011/067200A1号、欧州特許第0696572 B1号に記載されている。好ましい触媒は、担持された銅−含有触媒、ニッケル−含有触媒、及びコバルト−含有触媒であり、ここで、触媒の触媒的活性物質は、水素によるその還元の前に、アルミニウム、銅、ニッケル、及びコバルトの酸素化合物と、SnOとして計算して、酸素化合物の重量に対して、約0.2〜約5.0%の範囲のスズを含む。他の好ましい触媒は、担持された銅−含有触媒、ニッケル−含有触媒、及びコバルト−含有触媒であり、ここで、触媒の触媒的活性物質は、水素によるその還元の前に、アルミニウム、銅、ニッケル、コバルト、及びスズの酸素化合物と、それぞれ、Y、La、Ce及びHfとして計算して、約0.2〜約5.0重量%の範囲のイットリウム、ランタン、セリウム、及び/又はハフニウムの酸素化合物を含む。他の好適な触媒は、ジルコニウム、銅、及びニッケルの触媒であり、ここで、触媒的活性組成物は、ZrOとして計算して、約20〜約85重量%の酸素−含有ジルコニウム化合物、CuOとして計算して、約1〜約30重量%の銅の酸素−含有化合物、NiOとして計算して、約30〜約70重量%のニッケルの酸素−含有化合物、それぞれ、Al及びMnOとして計算して、約0.1〜約5重量%のアルミニウム及び/又はマンガンの酸素−含有化合物を含む。
【0049】
前記還元的アミノ化工程では、非担持触媒並びに担持触媒を使用してもよい。担持触媒は、例えば、限定ではないが、アルミナ、シリカ、炭、炭素、グラファイト、粘土、モルデナイトの既知の形態、及び、担持触媒をも提供する分子篩などの、当該技術分野で周知の手法を使用して、当業者にとって既知である担持材料上に触媒組成物の金属成分を沈着させることによって得られる。触媒が担持される場合は、触媒の担体粒子は、任意の幾何学的形状であってよく、例えば、規則的な、又は不規則な、球、錠剤、円筒であってもよい。このプロセスは、例えば、オートクレーブ、管型反応器、又は固定床式反応器内において、連続的な態様で行われてもよいし、不連続的な態様で行われてもよい。これらへの供給は、上向流式であっても、下向流式であってもよく、反応器内の押し出し流れ(plug flow)を最適化する反応器における設計特微が採用されてよい。アミノ化度は、約50%〜約100%、典型的には、約60%〜約100%、より典型的には、約70%〜約100%である。
【0050】
アミノ化度は、全アミン価(AZ)を、全アセチル化可能価(acetylables value)(AC)と3級アミン価(tert.AZ)の和で割って100をかけた値である:(全AZ:(AC+tert.AZ))×100)。全アミン価(AZ)は、DIN 16945に従って決定する。全アセチル化可能価(AC)は、DIN 53240に従って決定する。2級アミン及び3級アミンは、ASTMD 2074−07に従って決定する。
【0051】
水酸基価は、(全アセチル化可能価+3級アミン価)−全アミン価から計算する。
【0052】
本発明のポリエーテルアミンは、汚れた生地からの、汚れ、特に脂の除去に有効である。また、本発明のアミン末端ポリアルキレングリコールを含有する洗浄組成物は、従来のアミン−含有洗浄組成物に見られた、親水性の漂白可能な汚れ(コーヒー、茶、ワイン、又は微粒子など)に対する、洗浄効果の低下を示さない。加えて、従来のアミン−含有洗浄組成物とは異なり、本発明のアミン末端ポリアルキレングリコールは、白い布地の白さを損なうことがない。
【0053】
本発明のポリエーテルアミンは、前記ポリエーテルアミンと、例えば、クエン酸、乳酸、硫酸、メタンスルホン酸、塩化水素(例えば、塩化水素水溶液)、リン酸、又はこれらの混合物などの酸とを合わせた、水系の、水を含有する、若しくは水を含まない溶液、エマルション、ゲル、又はペーストの形態で、使用し得る。あるいは、前記酸は、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、硫酸のモノアルキルエステル、硫酸のモノアルキルエトキシエステル、脂肪酸、アルキルエトキシカルボン酸など、又はこれらの混合物などの界面活性剤により表されてもよい。適用可能であるか、又は測定可能である場合、この溶液又はエマルションの好ましいpHは、pH 3〜pH 11、又はpH 6〜pH 9.5の範囲であり、より好ましくは、pH 7〜pH 8.5の範囲である。
【0054】
本発明のポリエーテルアミンを含有する洗浄組成物の更なる利点は、例えば、脂汚れの前処理に続いて冷水洗浄することにより、冷水で脂汚れを除去できることである。理論に束縛されるものではないが、冷水洗浄液は、脂を硬化又は固化させてしまう効果があり、特に布地において、脂をより除去しにくくすると考えられている。本発明のポリエーテルアミンを含有する洗浄組成物は、前処理過程の一部として使用して、続いて冷水洗浄を行う場合に、驚くべき効果を発揮する。
【0055】
界面活性剤系
本洗浄組成物は、所望の洗浄特性をもたらすのに十分な量の界面活性剤系を含む。一部の実施形態では、本洗浄組成物は、組成物の重量に対して、約1%〜約70%の界面活性剤系を含む。他の実施形態では、液体洗浄組成物は、組成物の重量に対して、約2%〜約60%の界面活性剤系を含む。更なる実施形態では、本洗浄組成物は、組成物の重量に対して、約5%〜約30%の界面活性剤系を含む。界面活性剤系には、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双極性(zwitterionic)界面活性剤、両性(amphoteric)界面活性剤、両性(ampholytic)界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される洗浄性界面活性剤が含まれ得る。当業者であれば、洗浄性界面活性剤には、洗浄、汚れ除去、又は汚れた生地に対する洗濯における利点をもたらす、任意の界面活性剤又は界面活性剤の混合物が包含されることを理解するであろう。
【0056】
アニオン性界面活性剤
一部の例では、本洗浄組成物の界面活性剤系は、界面活性剤系の重量に対して、約1%〜約70%の1種類以上のアニオン性界面活性剤を含み得る。他の例では、本洗浄組成物の界面活性剤系は、界面活性剤系の重量に対して、約2%〜約60%の1種類以上のアニオン性界面活性剤を含み得る。更なる例では、本洗浄組成物の界面活性剤系は、界面活性剤系の重量に対して、約5%〜約30%の1種類以上のアニオン性界面活性剤を含み得る。更なる例では、界面活性剤系は、1種類以上のアニオン性界面活性剤から本質的になっていてもよく、あるいは更には1種類以上のアニオン性界面活性剤からなっていてもよい。
【0057】
好適なアニオン性界面活性剤の具体的かつ非限定的な例としては、任意の従来のアニオン性界面活性剤が挙げられる。これには、サルフェート洗浄性界面活性剤(例えば、アルコキシル化及び/又は非アルコキシル化アルキルサルフェート材料)及び/又はスルホネート洗浄性界面活性剤(例えば、アルキルベンゼンスルホネート)が挙げられ得る。
【0058】
アルコキシル化アルキルサルフェート材料は、エトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤を含み、これはアルキルエーテルサルフェート又はアルキルポリエトキシレートサルフェートとも呼ばれる。エトキシル化アルキルサルフェートの例としては、水溶性塩、特に約8個〜約30個の炭素原子を含有するアルキル基及びスルホン酸及びその塩を分子構造の中に有する有機イオウ反応生成物のアルカリ金属塩、アンモニウム塩及びアルキロールアンモニウム塩が挙げられる。用語「アルキル」にはアシル基のアルキル部分が含まれる。一部の例では、このアルキル基は約15個〜約30個の炭素原子を含有する。他の例では、アルキルエーテルサルフェート界面活性剤は、アルキルエーテルサルフェートの混合物であり得、この混合物は平均(相加平均)炭素鎖長さが約12〜30個の炭素原子の範囲内であり、一部の例では、約25個の炭素原子の平均炭素鎖長さであり、更に、約1モル〜4モルのエチレンオキシドの平均(相加平均)エトキシル化度であり、一部の例では、1.8モルのエチレンオキシドの平均(相加平均)エトキシル化度である。更なる例では、アルキルエーテルサルフェート界面活性剤は、約10個〜約18個の炭素原子の炭素鎖長さを有し得、約1〜約6モルのエチレンオキシドのエトキシル化度を有する。
【0059】
非エトキシル化アルキルサルフェートも、本開示の洗浄組成物に加えることができ、アニオン性界面活性剤成分として使用することができる。非アルコキシル化(例えば、非エトキシル化)アルキルサルフェート界面活性剤の例としては、高級C〜C20脂肪族アルコールの硫酸化により製造されるものが挙げられる。一部の例では、1級アルキルサルフェート界面活性剤は、一般式:ROSOを有し、式中、Rは典型的には、直鎖又は分岐鎖であってよい線状C〜C20ヒドロカルビル基であり、Mは水溶性化カチオンである。一部の例では、RはC10〜C15アルキルであり、Mはアルカリ金属である。他の例では、RはC12〜C14アルキルであり、Mはナトリウムである。
【0060】
他の有用なアニオン性界面活性剤には、アルキルベンゼンスルホネートのアルカリ金属塩を挙げることができ、このアルキル基は、直鎖(線状)又は分岐鎖構成で、約9個〜約15個の炭素原子を含み、例えば、米国特許第2,220,099号及び米国特許第2,477,383号に記述されている種類のものが挙げられ得る。一部の例では、このアルキル基は直鎖である。このような直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、「LAS」として知られている。他の例では、直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、アルキル基における炭素原子の平均数が、約11〜14個であってよい。具体的な一例において、線状直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、平均数で約11.8個の炭素原子をアルキル基に有し得、これはC11.8 LASと略される場合がある。このような界面活性剤及びこれらの調製は、例えば、米国特許第2,220,099号及び米国特許第2,477,383号に記載されている。
【0061】
本明細書において有用な他のアニオン性界面活性剤は、パラフィンスルホネートの水溶性塩及び約8個〜約24個(一部の例においては約12個〜18個)の炭素原子を含む2級アルカンスルホネート;アルキルグリセリルエーテルスルホネート、特にC8〜18アルコール(例えば、タロー及びココヤシ油由来のもの)のこれらのエーテルである。アルキルベンゼンスルホネートと前述のパラフィンスルホネート、2級アルカンスルホネート、及びアルキルグリセリルエーテルスルホネートとの混合物も有用である。本明細書において有用な更なる好適なアニオン性界面活性剤は、米国特許第4,285,841号(Barratら、1981年8月25日発行)、及び米国特許第3,919,678号(Laughlinら、1975年12月30日発行)に見出すことができ、これらは両方とも参照により本明細書に援用される。
【0062】
非イオン性界面活性剤
本洗浄組成物の界面活性剤系は、非イオン性界面活性剤を含んでもよい。一部の例では、界面活性剤系は、界面活性剤系の重量に対して、最大約25%の1種類以上の非イオン性界面活性剤(例えば、補助界面活性剤など)を含む。一部の例では、本洗浄組成物は、界面活性剤系の重量に対して、約0.1%〜約15%の1種類以上の非イオン性界面活性剤を含む。更なる例では、本洗浄組成物は、界面活性剤系の重量に対して、約0.3%〜約10%の1種類以上の非イオン性界面活性剤を含む。
【0063】
ここで有用な、好適な非イオン性界面活性剤には、任意の従来の非イオン性界面活性剤が含まれてよい。これらには例えば、アルコキシル化脂肪酸アルコール及びアミンオキシド界面活性剤が含まれ得る。一部の例では、本洗浄組成物は、エトキシル化非イオン性界面活性剤を含有していてもよい。これらの物質については米国特許第4,285,841号(Barratら、1981年8月25日発行)に記載されている。非イオン性界面活性剤は、式R(OCOHのエトキシル化アルコール及びエトキシル化アルキルフェノールから選択することができ、式中、Rは、約8〜約15個の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素ラジカル及びアルキル基が約8〜約12個の炭素原子を含有するアルキルフェニルラジカルからなる群から選択され、nの平均値は、約5〜約15である。これらの界面活性剤は、米国特許第4,284,532号(Leikhimら、1981年8月18日)に詳述されている。一実施例において、非イオン性界面活性剤は、アルコール中に平均約24個の炭素原子と、アルコール1モル当たり約9モルのエチレンオキシドの平均エトキシル化度とを有するエトキシル化アルコールから選択される。
【0064】
本明細書において有用な非イオン性界面活性剤の他の非限定的な例としては、Shell製NEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤などのC12〜C18アルキルエトキシレート;C〜C12アルキルフェノールアルコキシレート(ここにおいてアルコキシレート単位は、エチレンオキシ単位及びプロピレンオキシ単位の混合物);BASF製のPluronic(登録商標)などのエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーを有するC12〜C18アルコール及びC〜C12アルキルフェノール縮合体;米国特許第6,150,322号に論じられているC14〜C22中鎖分岐鎖アルコール、BA;米国特許第6,153,577号、米国特許第6,020,303号、及び米国特許第6,093,856号に論じられているC14〜C22中鎖分岐鎖アルキルアルコキシレート、BAE(式中xは1〜30);米国特許第4,565,647号(Llenado、1986年1月26日発行)に論じられているアルキル多糖類;特に、米国特許第4,483,780号及び米国特許第4,483,779号に論じられているアルキルポリグリコシド;米国特許第5,332,528号、国際公開第92/06162号、国際公開第93/19146号、国際公開第93/19038号、及び国際公開第94/09099号に論じられているポリヒドロキシ脂肪酸アミド;並びに、米国特許第6,482,994号及び国際公開第01/42408号に論じられているエーテル末端ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。
【0065】
アニオン性/非イオン性の組み合わせ
前記界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤材料と非イオン性界面活性剤材料との組み合わせを含み得る。一部の例では、アニオン性界面活性剤対非イオン性界面活性剤の重量比は少なくとも約2:1である。他の例では、アニオン性界面活性剤対非イオン性界面活性剤の重量比は少なくとも約5:1である。更なる例では、アニオン性界面活性剤対非イオン性界面活性剤の重量比は少なくとも約10:1である。
【0066】
カチオン性界面活性剤
前記界面活性剤系は、カチオン性界面活性剤を含んでいてもよい。一部の態様では、界面活性剤系は、界面活性剤系の重量に対して、約0%〜約7%、又は約0.1%〜約5%、又は約1%〜約4%のカチオン性界面活性剤(例えば、補助界面活性剤など)を含む。一部の態様では、本発明の洗浄組成物は、カチオン性界面活性剤、及びpH 7未満又はpH 6未満のカチオン性となる界面活性剤を実質的に含まない。
【0067】
カチオン性のものの非限定的な例としては、米国特許第6,136,769号で論じられるようなアルコキシレート4級アンモニウム(AQA)界面活性剤;米国特許第6,004,922号で論じられるようなジメチルヒドロキシエチル4級アンモニウム;ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリド;国際公開第98/35002号、国際公開第98/35003号、国際公開第98/35004号、国際公開第98/35005号及び国際公開第98/35006号で論じられるようなポリアミンカチオン性界面活性剤;米国特許第4,228,042号、米国特許第4,239,660号、米国特許第4,260,529号及び米国特許第6,022,844号で論じられるようなカチオン性エステル界面活性剤;並びに米国特許第6,221,825号及び国際公開第00/47708号で論じられるようなアミノ界面活性剤、具体的にはアミドプロピルジメチルアミン(APA)を含む最大26個の炭素原子を有し得る4級アンモニウム界面活性剤が挙げられる。
【0068】
双極性界面活性剤
双極性界面活性剤の例としては、2級及び3級アミンの誘導体、複素環式2級及び3級アミンの誘導体、又は4級アンモニウム化合物、4級ホスホニウム化合物若しくは3級スルホニウム化合物の誘導体が挙げられる。双極性界面活性剤の例については、米国特許第3,929,678号、第19欄38行目〜第22欄48行目を参照し、これにはベタイン(アルキルジメチルベタイン及びココジメチルアミドプロピルベタインを含む)、C〜C18(例えばC12〜C18)アミンオキシド(例えば、C1214ジメチルアミンオキシド)、並びにスルホ及びヒドロキシベタイン(例えばN−アルキル−N,N−ジメチルアミノ−1−プロパンスルホネート)が挙げられ、ここにおいてアルキル基はC〜C18であり得、特定の実施形態においてはC10〜C14であり得る。
【0069】
両性(ampholytic)界面活性剤
具体的な、両性(ampholytic)界面活性剤の非限定的な例としては、2級若しくは3級アミン類の脂肪族誘導体、又は、脂肪族ラジカルが直鎖又は分岐鎖であり得る、複素環式2級及び3級アミン類の脂肪族誘導体が挙げられる。脂肪族置換基のうちの1つは、少なくとも約8個の炭素原子(例えば、約8〜約18個の炭素原子)を含み得、少なくとも1つが、例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェートなどのアニオン性水溶性基を含む。両性(ampholytic)界面活性剤の好適な例については、米国特許第3,929,678号、19欄18〜35行を参照のこと。
【0070】
両性(amphoteric)界面活性剤
両性(amphoteric)界面活性剤の例としては、2級若しくは3級アミンの脂肪族誘導体、又は脂肪族ラジカルが直鎖又は分岐鎖であり得る、複素環式2級及び3級アミンの脂肪族誘導体が挙げられる。脂肪族置換基のうち1つは、少なくとも約8個の炭素原子、典型的には約8〜約18個の炭素原子を含有し、かつ少なくとも1つが、アニオン性水溶性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェートを含有する。この定義の範疇に入る化合物の例は、ナトリウム3−(ドデシルアミノ)プロピオネート、ナトリウム3−(ドデシルアミノ)プロパン−1−スルホネート、ナトリウム2−(ドデシルアミノ)エチルスルフェート、ナトリウム2−(ジメチルアミノ)オクタデカノエート、二ナトリウム3−(N−カルボキシメチルドデシルアミノ)プロパン1−スルホネート、二ナトリウムオクタデシル−イミノジアセテート、ナトリウム1−カルボキシメチル−2−ウンデシルイミダゾール、及び、ナトリウムN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−スルファト−3−ドデコキシプロピルアミンである。両性(amphoteric)界面活性剤の例については、米国特許第3,929,678号(Laughlinら、1975年12月30日発行)の19段18〜35行を参照のこと。
【0071】
一態様では、界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤を含み、補助界面活性剤として、非イオン性界面活性剤(例えば、C12〜C18アルキルエトキシレートなど)を含む。他の態様では、界面活性剤系は、C10〜C15アルキルベンゼンスルホネート(LAS)を含み、補助界面活性剤として、アニオン性界面活性剤(例えば、C10〜C18アルキルアルコキシサルフェート(AES)を含み、式中、xは、1〜30である。他の態様では、界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤を含み、補助界面活性剤として、カチオン性界面活性剤(例えば、ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリド)を含む。
【0072】
分岐鎖界面活性剤
好適な分岐鎖洗浄性界面活性剤としては、1つ以上のランダムなアルキル分岐鎖(例えば、C1〜4アルキル基、典型的には、メチル及び/又はエチル基)を含む、分岐鎖サルフェート又は分岐鎖スルホネート界面活性剤類、例えば、分岐鎖アルキルサルフェート、分岐鎖アルキルアルコキシル化サルフェート、及び分岐鎖アルキルベンゼンスルホネートなどから選択される、アニオン性分岐鎖界面活性剤が挙げられる。
【0073】
一部の態様では、分岐鎖洗浄性界面活性剤は、中鎖分岐鎖洗浄界面活性剤であり、典型的には、中鎖分岐鎖アニオン性洗浄界面活性剤であり、例えば、中鎖分岐鎖アルキルサルフェート及び/又は中鎖分岐鎖アルキルベンゼンスルホネートである。一部の態様では、洗浄性界面活性剤は、中鎖分岐鎖アルキルサルフェートである。一部の態様では、中鎖分岐鎖は、C1〜4アルキル基、典型的にはメチル基及び/又はエチル基である。
【0074】
一部の態様では、この分岐鎖界面活性剤は、次の式の長アルキル鎖、中鎖分岐鎖界面活性剤化合物を含む。
−X−B
(式中、
(a)Aは、疎水性のC9〜C22(この部分における炭素の総数)、典型的には、約C12〜約C18の中鎖の分岐鎖アルキル部分であり、(1)−X−B部分に結合する、炭素原子が8〜21個の最長の直鎖炭素鎖と;(2)この最長の直鎖炭素鎖から分岐する、1つ以上のC1〜C3アルキル部分と、を有し;(3)分岐するアルキル部分のうちの少なくとも1つは、2位の炭素(−X−B部分に結合した炭素#1から数えて)〜ω−2位の炭素(末端の炭素マイナス炭素2つ分、即ち、最長の直鎖炭素鎖の末端から3つ目の炭素)の範囲の位置において、最長の直鎖炭素鎖の炭素に直接結合しており;(4)前記界面活性剤の上記式中のA−X部分における炭素原子の総数の平均は、14.5超〜約17.5(典型的には、約15〜約17)の範囲内にあり;
b)Bは、サルフェート、スルホネート、アミンオキシド、ポリオキシアルキレン(ポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンなど)、アルコキシル化サルフェート、ポリヒドロキシ部分、ホスフェートエステル、グリセロールスルホネート、ポリグルコネート、ポリホスフェートエステル、ホスホネート、スルホサクシネート、スルホサッカミネート(sulfosuccaminate)、ポリアルコキシル化カルボキシレート、グルカミド、タウリネート、サルコシネート、グリシネート、イセチオネート、ジアルカノールアミド、モノアルカノールアミド、モノアルカノールアミドサルフェート、ジグリコールアミド、ジグリコールアミドサルフェート、グリセロールエステル、グリセロールエステルサルフェート、グリセロールエーテル、グリセロールエーテルサルフェート、ポリグリセロールエーテル、ポリグリセロールエーテルサルフェート、ソルビタンエステル、ポリアルコキシル化ソルビタンエステル、アンモニオアルカンスルホネート、アミドプロピルベタイン、アルキル化4級アンモニウム化合物、アルキル化/ポリヒドロキシアルキル化4級アンモニウム化合物、アルキル化/ポリヒドロキシル化オキシプロピル4級アンモニウム化合物、イミダゾリン、2−イル−スクシネート、スルホン化アルキルエステル、及びスルホン化脂肪酸(1を超える疎水性部分がBに結合していてもよいことに留意されたい、例えば、ジメチル4級アンモニウム化合物となる(A−X)−Bなど)から選択される親水性部分であり;
(c)Xは、−CH2−及び−C(O)−から選択される)
【0075】
一般的には、上記式中で、A部分は、4級の置換炭素原子(即ち、4個の炭素原子が1つの炭素原子に直接結合している)を1つも有していない。どの親水性部分(B)が選択されるかに応じて、得られる界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、双極性、又は両性(amphoteric、又はampholytic)であってよい。一部の態様では、Bは、サルフェートであり、得られる界面活性剤は、アニオン性である。
【0076】
一部の態様では、分岐鎖界面活性剤は、A部分が、以下の式の分岐鎖1級アルキル部分である、上記式の長アルキル鎖、中鎖分岐鎖界面活性剤化合物を含む。
【0077】
【化9】
(式中、この式の該分岐鎖1級アルキル部分における炭素原子の総数は、13〜19個であり(R、R、及びR分岐を含む);R、R1、及びR2は、それぞれ水素及びC1〜C3アルキル(典型的には、メチル)から独立して選択され、ただし、R、R1、及びR2は、全てが水素とはならず、かつzが0のとき、少なくともR又はR1は水素ではなく;wは、0〜13の整数であり;xは、0〜13の整数であり;yは、0〜13の整数であり;zは、0〜13の整数であり;w+x+y+zは、7〜13である)
【0078】
特定の態様では、分岐鎖界面活性剤は、A部分が、式
【0079】
【化10】
から選択される、分岐鎖1級アルキル部分である、上記式の長アルキル鎖、中鎖分岐鎖界面活性剤化合物、又はこれらの混合物を含み;式中、a、b、d、及びeは、整数であり、a+bは、10〜16であり、d+eは、8〜14であり、ここで更に、
a+b=10のとき、aは、2〜9の整数であり、bは、1〜8の整数であり;
a+b=11のとき、aは、2〜10の整数であり、bは、1〜9の整数であり;
a+b=12のとき、aは、2〜11の整数であり、bは、1〜10の整数であり;
a+b=13のとき、aは、2〜12の整数であり、bは、1〜11の整数であり;
a+b=14のとき、aは、2〜13の整数であり、bは、1〜12の整数であり;
a+b=15のとき、aは、2〜14の整数であり、bは、1〜13の整数であり;
a+b=16のとき、aは、2〜15の整数であり、bは、1〜14の整数であり;
d+e=8のとき、dは、2〜7の整数であり、eは、1〜6の整数であり;
d+e=9のとき、dは、2〜8の整数であり、eは、1〜7の整数であり;
d+e=10のとき、dは、2〜9の整数であり、eは、1〜8の整数であり;
d+e=11のとき、dは、2〜10の整数であり、eは、1〜9の整数であり;
d+e=12のとき、dは、2〜11の整数であり、eは、1〜10の整数であり;
d+e=13のとき、dは、2〜12の整数であり、eは、1〜11の整数であり;
d+e=14のとき、dは、2〜13の整数であり、eは、1〜12である。
【0080】
前述の中鎖分岐鎖界面活性剤化合物において、特定の分岐点(例えば、上記式のR、R、及び/又はR部分の鎖に沿った位置)は、界面活性剤の主鎖に沿った他の分岐点よりも好ましい。下記式は、モノ−メチル分岐鎖アルキルA部分の場合の、中鎖分岐範囲(即ち、分岐が生じる点)、好ましい中鎖分岐範囲、及びより好ましい中鎖分岐範囲を示す。
【0081】
【化11】
【0082】
モノ−メチル置換界面活性剤の場合、これらの範囲からは、鎖の末端の2つの炭素原子と、−X−B基に直接隣接する炭素原子が除外される。
【0083】
下記式は、ジ−メチル置換アルキルA部分の場合の、中鎖分岐範囲、好ましい中鎖分岐範囲、及びより好ましい中鎖分岐範囲を示す。
【0084】
【化12】
【0085】
更なる好適な分岐鎖界面活性剤は、米国特許第6008181号、米国特許第6060443号、米国特許第6020303号、米国特許第6153577号、米国特許第6093856号、米国特許第6015781号、米国特許第6133222号、米国特許第6326348号、米国特許第6482789号、米国特許第6677289号、米国特許第6903059号、米国特許第6660711号、米国特許第6335312、及び国際公開第9918929号に開示されている。更なる他の好適な分岐鎖界面活性剤としては、国際公開第9738956号、国際公開第9738957号、及び国際公開第0102451号に開示されているものが挙げられる。
【0086】
一部の態様では、分岐鎖アニオン性界面活性剤は、国際公開第99/05243号、国際公開第99/05242号、国際公開第99/05244号、国際公開第99/05082号、国際公開第99/05084号、国際公開第99/05241号、国際公開第99/07656号、国際公開第00/23549、及び国際公開第00/23548号に述べられているような分岐鎖修飾アルキルベンゼンスルホネート(MLAS)を含む。
【0087】
一部の態様では、分岐鎖アニオン性界面活性剤は、例えば、Sasolから入手可能な、Safol(登録商標)、Marlipal(登録商標)などの、疎水性鎖に沿ってランダムに分布したメチル分岐を含む、C12/13アルコール系界面活性剤を含む。
【0088】
更なる好適な分岐鎖アニオン性洗浄性界面活性剤としては、オキソ法に由来する、Isalchem(登録商標)123、Isalchem(登録商標)125、Isalchem(登録商標)145、Isalchem(登録商標)167の商品名で販売されているものなどの、2−アルキル位で分岐するアルコールに由来する界面活性剤などが挙げられる。オキソ法により、この分岐は、2−アルキル位に位置している。これらの2−アルキル分岐鎖アルコールは、典型的には、C11〜C14/C15の長さ範囲にあり、また、全て2−アルキル位において分岐した構造異性体を含む。これらの分岐鎖アルコール及び界面活性剤は、米国特許出願第20110033413号に記載されている。
【0089】
他の好適な分岐鎖界面活性剤としては、米国特許第6037313号(P&G)、国際公開第9521233号(P&G)、米国特許第3480556号(Atlantic Richfield)、米国特許第6683224号(Cognis)、米国特許出願第20030225304A1号(Kao)、米国特許出願第2004236158A1号(R&H)、米国特許第6818700号(Atofina)、米国特許出願第2004154640号(Smith et al)、欧州特許第1280746号(Shell)、欧州特許第1025839号(L’Oreal)、米国特許第6765119号(BASF)、欧州特許第1080084号(Dow)、米国特許第6723867号(Cognis)、欧州特許出願公開第1401792A1号(Shell)、欧州特許出願公開第1401797A2号(Degussa AG)、米国特許出願第2004048766号(Raths et al)、米国特許第6596675号(L’Oreal)、欧州特許第1136471号(Kao)、欧州特許第961765号(Albemarle)、米国特許第6580009号(BASF)、米国特許出願第2003105352号(Dado et al)、米国特許第6573345号(Cryovac)、独国特許第10155520号(BASF)、米国特許第6534691号(du Pont)、米国特許第6407279号(ExxonMobil)、米国特許第5831134号(Peroxid−Chemie)、米国特許第5811617号(Amoco)、米国特許第5463143号(Shell)、米国特許第5304675号(Mobil)、米国特許第5227544号(BASF)、米国特許第5446213A号(MITSUBISHI KASEI CORPORATION)、欧州特許出願公開第1230200A2号(BASF)、欧州特許第1159237B1号(BASF)、米国特許出願第20040006250A1号(NONE)、欧州特許第1230200B1号(BASF)、国際公開第2004014826A1号(SHELL)、米国特許第6703535B2号(CHEVRON)、欧州特許第1140741B1号(BASF)、国際公開第2003095402A1号(OXENO)、米国特許第6765106B2号(SHELL)、米国特許出願第20040167355A1号(NONE)、米国特許第6700027B1号(CHEVRON)、米国特許出願第20040242946A1号(NONE)、国際公開第2005037751A2号(SHELL)、国際公開第2005037752A1号(SHELL)、米国特許第6906230B1号(BASF)、国際公開第2005037747A2号(SHELL)OIL COMPANYに開示されているものが挙げられる。
【0090】
更なる好適な分岐鎖アニオン性洗浄性界面活性剤としては、米国特許出願第2010/0137649号に記載されているような、イソプレノイド系ポリ分岐鎖洗剤アルコールの界面活性剤誘導体が挙げられる。また、イソプレノイド系界面活性剤及びイソプレノイド誘導体は、「Comprehensive Natural Products Chemistry:Isoprenoids Including Carotenoids and Steroids(Vol.two)」(Barton and Nakanishi,(著作権)1999,Elsevier Science Ltd)という名の本にも開示され、構造Eに含まれ、本明細書に参照により援用されるものとする。
【0091】
更なる好適な分岐鎖アニオン性洗浄性界面活性剤としては、アンテイソ及びイソ−アルコールに由来するものが挙げられる。このような界面活性剤は、国際公開第2012009525号に開示されている。
【0092】
更なる好適な分岐鎖アニオン性洗浄性界面活性剤としては、米国特許出願第2011/0171155A1号、及び米国特許出願第2011/0166370A1号に開示されているものが挙げられる。
【0093】
また、好適な分岐鎖アニオン性界面活性剤は、ゲルベ−アルコール系界面活性剤をも含む。ゲルベアルコールは、分岐鎖1級単官能性アルコールであり、常に第2位の炭素において分岐点を有する、2本の直鎖炭素鎖を有する。ゲルベアルコールは、化学的には2−アルキル−1−アルカノールとして記述される。一般的には、ゲルベアルコールは、12個〜36個の炭素原子を有する。ゲルベアルコールは、次の式:(R1)(R2)CHCHOHで表すことができ、式中、R1は、直鎖アルキル基であり、R2は、直鎖アルキル基であり、R1とR2の炭素原子の合計は、10〜34個であり、R1とR2の両方が存在する。ゲルベアルコールは、SasolからIsofol(登録商標)アルコールとして、またCognisからGuerbetolとして市販されている。
【0094】
本明細書に開示する界面活性剤系は、前述の分岐鎖界面活性剤のうちのいずれかを独立して含んでもよいし、又は、界面活性剤系は、前述の分岐鎖界面活性剤の混合物を含んでもよい。更に、前述の分岐鎖界面活性剤のそれぞれは、バイオ系成分を含んでもよい。一部の態様では、分岐鎖界面活性剤は、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、又は約100%のバイオ系成分を含む。
【0095】
洗浄補助添加剤
また、本発明の洗浄組成物は、洗浄補助添加剤を含有してもよい。好適な洗浄補助添加剤は、ビルダー、構造化剤又は増粘剤、泥汚れ除去/再付着防止剤、ポリマー汚れ放出剤、ポリマー分散剤、ポリマー脂洗浄剤、酵素、酵素安定化系、漂白化合物、漂白剤、漂白活性剤、漂白触媒、増白剤、染料、色調剤、移染防止剤、キレート剤、抑泡剤、柔軟剤、及び香料などが挙げられる。
【0096】
酵素
本明細書に記載する洗浄組成物は、洗浄性能及び/又は布地ケア効果を提供する1種類以上の酵素を含むことができる。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクテートリアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ及びアミラーゼ、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。典型的な組み合わせは、例えば、プロテアーゼ及びリパーゼをアミラーゼとともに含んでもよい酵素反応混液である。前記追加の酵素は、消費者製品中に存在する場合、消費者製品の約0.00001重量%〜約2重量%、約0.0001重量%〜約1重量%、又は更には約0.001重量%〜約0.5重量%の酵素タンパク質の濃度で存在してよい。
【0097】
一態様では、好ましい酵素としてはプロテアーゼが挙げられる。好適なプロテアーゼには、メタロプロテアーゼ及びセリンプロテアーゼが挙げられ、後者にはサブチリシン(EC 3.4.21.62)などの、中性又はアルカリ性微生物セリンプロテアーゼが挙げられる。好適なプロテアーゼとしては、動物、植物、又は微生物由来のものが挙げられる。一態様では、そのような好適なプロテアーゼは、微生物起源のものとすることができる。好適なプロテアーゼとしては、前述の好適なプロテアーゼの化学修飾又は遺伝子組み換えの変異体が挙げられる。一態様では、好適なプロテアーゼは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又は/及びトリプシン型プロテアーゼなどのセリンプロテアーゼであり得る。好適な中性又はアルカリ性プロテアーゼの例としては、以下のものが挙げられる:
(a)サブチリシン(EC 3.4.21.62)(Bacillus lentus、B.alkalophilus、B.subtilis、B.amyloliquefaciens、Bacillus pumilus及びBacillus gibsoniiなどのBacillusから誘導されたものを含む)(米国特許第6,312,936(B1)号、米国特許第5,679,630号、米国特許第4,760,025号、米国特許第7,262,042号及び国際公開第09/021867号に記載)。
(b)トリプシン(例えば、ブタ又はウシ由来)などのトリプシン型又はキモトリプシン型プロテアーゼ(国際公開第89/06270号に記述されているフサリウムプロテアーゼ、及び国際公開第05/052161号及び国際公開第05/052146号に記述されているCellumonasに由来するキモトリプシンプロテアーゼを含む)。
(c)メタロプロテアーゼ(国際公開第07/044993(A2)号に記載されているBacillus amyloliquefaciensから誘導されるものを含む)。
【0098】
好ましいプロテアーゼとしては、Bacillus gibsonii又はBacillus Lentusから誘導されたものが挙げられる。
【0099】
好適な市販のプロテアーゼ酵素としては:Novozymes A/S(Denmark)より、Alcalase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Primase(登録商標)、Durazym(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Liquanase Ultra(登録商標)、Savinase Ultra(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Neutrase(登録商標)、Everlase(登録商標)及びEsperase(登録商標)の商品名で販売されているもの、Genencor Internationalより、Maxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)及びPurafect OXP(登録商標)の商品名で販売されているもの、Solvay Enzymesより、Opticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)の商品名で販売されているもの、Henkel/Kemiraより入手可能なもの、即ち、BLAP(以下の変異S99D+S101R+S103A+V104I+G159Sを有する、米国特許第5,352,604号の図29で示される配列、以降BLAPとして参照する)、BLAP R(S3T+V4I+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)、BLAP X(S3T+V4I+V205Iを有するBLAP)及びBLAP F49(S3T+V4I+A194P+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)(全てHenkel/Kemira製)、並びに花王のKAP(変異A230V+S256G+S259Nを有するBacillus alkalophilusのサブチリシン)が挙げられる。
【0100】
好適なα−アミラーゼとしては、細菌又は真菌由来のものが挙げられる。化学修飾又は遺伝子組み合わせ突然変異体(変異型)が含まれる。好ましいアルカリ性α−アミラーゼはBacillusの菌種から、例えば、Bacillus licheniformis、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus stearothermophilus、Bacillus subtilis、又は他のBacillus種、例えばBacillus種NCIB 12289、NCIB 12512、NCIB 12513、DSM 9375(米国特許第7,153,818号)、DSM 12368、DSMZ 12649、KSM AP1378(国際公開第97/00324号)、KSM K36又はKSM K38(欧州特許第1,022,334号)から誘導される。好ましいアミラーゼには、以下のものが挙げられる。
(a)国際公開第94/02597号、国際公開第94/18314号、国際公開第96/23874号、及び国際公開第97/43424号に記載の変異体、特に、国際公開第96/23874号の配列番号2としてリストされた酵素に対して、以下の位置:15、23、105、106、124、128、133、154、156、181、188、190、197、202、208、209、243、264、304、305、391、408及び444のうちの1つ以上が置換された変異体。
(b)米国特許第5,856,164号及び国際公開第99/23211号、国際公開第96/23873号、国際公開第00/60060号、及び国際公開第06/002643号に記載の変異型、特に国際公開第06/002643号で配列番号12として記載のAA560酵素に対して、以下の位置:
26、30、33、82、37、106、118、128、133、149、150、160、178、182、186、193、203、214、231、256、257、258、269、270、272、283、295、296、298、299、303、304、305、311、314、315、318、319、339、345、361、378、383、419、421、437、441、444、445、446、447、450、461、471、482、484のうちの1つ以上が置換された変異体であって、好ましくはD183及びG184の欠損を含有する変異体。
(c)国際公開第06/002643号での配列番号4(バチルスSP722からの野生型酵素)と少なくとも90%の同一性を呈し、特に位置183及び184で欠損を有する変異体、並びに本明細書に参照により援用される国際公開第00/60060号に記載の変異体。
(d)バチルス種707(米国特許第6,093,562号の配列番号7)の野生型酵素と少なくとも95%の同一性を示す変異体、特に以下の突然変異M202、M208、S255、R172、及び/又はM261を1つ以上含む変異体。好ましくはこのアミラーゼは、M202L、M202V、M202S、M202T、M202I、M202Q、M202W、S255N及び/又はR172Qの1つ以上を含む。特に好ましくはM202L又はM202T突然変異を含むものである。
(e)国際公開第09/149130号に記載されている変異体、好ましくは国際公開第09/149130号での配列番号1又は配列番号2、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルスからの野生型酵素又はその切断型と少なくとも90%の同一性を呈するもの。
【0101】
好適な市販のα−アミラーゼとしては、DURAMYL(登録商標)、LIQUEZYME(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、TERMAMYL ULTRA(登録商標)、NATALASE(登録商標)、SUPRAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)及びBAN(登録商標)(Novozymes A/S、Bagsvaerd、Denmark)、KEMZYM(登録商標)AT 9000(Biozym Biotech Trading GmbH(Wehlistrasse 27b A−1200 Wien Austria))、RAPIDASE(登録商標)、PURASTAR(登録商標)、ENZYSIZE(登録商標)、OPTISIZE HT PLUS(登録商標)、POWERASE(登録商標)及びPURASTAR OXAM(登録商標)(Genencor International Inc.、Palo Alto、California)、並びに、KAM(登録商標)(花王株式会社(日本、103−8210、東京都中央区日本橋茅場町1丁目14−10))が挙げられる。一態様では、好適なアミラーゼとしては、NATALASE(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、及びSTAINZYME PLUS(登録商標)と、これらの混合物が挙げられる。
【0102】
一態様では、このような酵素は、米国特許第6,939,702(B1)号及び米国特許出願第2009/0217464号に記載されるもののような「第1サイクルリパーゼ」を含むリパーゼからなる群から選択されてよい。一態様では、リパーゼは第1洗浄用リパーゼであり、好ましくはT231R変異及びN233R変異のうちの1つ以上を含む、Thermomyces lanuginosus由来の野生型リパーゼの変異体である。野生型配列は、Swiss−protの受託番号Swiss−Prot O59952の、(Thermomyces lanuginosus(Humicola lanuginosa)由来の)269個のアミノ酸(アミノ酸23〜291)である。好ましいリパーゼとしては、商品名Lipex(登録商標)及びLipolex(登録商標)で販売されているものが挙げられる。
【0103】
一態様では、他の好ましい酵素としては、7,141,403(B2)の配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも90%、94%、97%及び更には99%の同一性を有し、Bacillus属のメンバーに対しエンド−β−1,4−グルカナーゼ活性(E.C.3.2.1.4)を呈する、微生物から誘導されたエンドグルカナーゼ(例えばバクテリアの内因性ポリペプチド)、及びこれらの混合物が挙げられる。好適なエンドグルカナーゼは、商標名Celluclean(登録商標)及びWhitezyme(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd、Denmark))で販売されている。
【0104】
他の好ましい酵素には、商標名Pectawash(登録商標)、Pectaway(登録商標)、Xpect(登録商標)で販売されているペクチン酸リアーゼ、及び商標名Mannaway(登録商標)(以上全てNovozymes A/S(Bagsvaerd、Denmark)製)、及びPurabrite(登録商標)(Genencor International Inc.(Palo Alto、California))で販売されているマンナナーゼが含まれる。
【0105】
酵素安定化系
本明細書に記載する酵素−含有組成物は、組成物の重量に対して、約0.001%〜約10%、一部の例では、約0.005%〜約8%、他の例では、約0.01%〜約6%の酵素安定化系を、任意選択的に含んでいてもよい。酵素安定化系は、洗浄性酵素と適合性の任意の安定化系であり得る。そのような系は、他の処方活性物質によって本質的に提供されてもよく、又は、例えば、洗剤に使用可能な酵素の処方者によって若しくは製造業者によって別個に添加されてもよい。そのような安定化系には、例えば、カルシウムイオン、ホウ酸、プロピレングリコール、短鎖カルボン酸、ボロン酸、塩素漂白剤スカベンジャー及びこれらの混合物が含まれ得、洗浄組成物の種類及び物理的形態に応じて異なる安定化問題に対処するように設計される。ホウ酸塩系安定化剤の再検討には、米国特許第4,537,706号を参照されたい。
【0106】
ビルダー
本発明の洗浄組成物は、任意選択的にビルダーを含んでもよい。ビルダーを加えた洗浄組成物は、典型的には、本組成物の総重量に対して少なくとも約1%のビルダーを含む。液体洗浄組成物は、本組成物の総重量の最大約10%のビルダー、一部の例では、最大約8%のビルダーを含んでもよい。粒状洗浄組成物は、本組成物の重量に対して、最大約30%のビルダー、一部の例では、最大約5%のビルダーを含んでもよい。
【0107】
アルミノケイ酸塩及びケイ酸塩から選択されるビルダーは、洗浄水中の鉱物(特に、カルシウム及び/若しくはマグネシウム)の硬度の調節を助けるか、又は表面からの微粒子状の汚れの除去を助ける。好適なビルダーは、リン酸塩、ポリリン酸塩、とりわけそれらのナトリウム塩;炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩及びナトリウム炭酸塩又はセスキ炭酸塩以外の炭酸塩鉱物;有機モノ−、ジ−、トリ−、及びテトラカルボン酸塩、とりわけ酸、ナトリウム、カリウム、又はアルカノールアンモニウム塩形態での水溶性非界面活性剤カルボン酸塩、並びに脂肪族型及び芳香族型を含むオリゴマー又は水溶性低分子量ポリマーカルボン酸塩;並びにフィチン酸からなる群から選択され得る。これらは、例えば、pH緩衝目的でホウ酸塩によって、又は硫酸塩、特に硫酸ナトリウム、並びに安定した界面活性剤及び/又はビルダー含有洗浄組成物の操作に重要であり得る任意の他の充填剤若しくはキャリアによって、補われてもよい。その他のビルダーは、ポリカルボキシレートビルダー、例えば、アクリル酸のコポリマー、アクリル酸及びマレイン酸のコポリマー、並びにアクリル酸及び/又はマレイン酸及び多様な種類の更なる官能性を有するその他の好適なエチレン系モノマーのコポリマーから選択され得る。また、米国特許第5,427,711号にて教示されているように、以下の一般的な無水物形態:x(MO)・ySiO・zM’Oで表される鎖構造及び組成物を有する、合成した結晶性イオン交換物質、又はその水和物が本願でのビルダーとしての使用に好適であり、式中、MはNa及び/又はKであり、M’はCa及び/又はMgであり、y/xは、0.5〜2.0であり、z/xは、0.005〜1.0である。
【0108】
構造化剤/増粘剤
i.ジベンジリデンポリオールアセタール誘導体
流体洗剤組成物は、約0.01重量%〜約1重量%、又は約0.05%〜約0.8%、又は0.1%〜約0.6%、又は更には約0.3%〜約0.5%のジベンジリデンポリオールアセタール誘導体(DBPA)を含み得る。好適なDBPA分子の非限定的な例としては、米国特許出願第61/167604号に開示のものが挙げられる。一態様では、DBPA誘導体は、ジベンジリデンソルビトールアセタール誘導体(DBS)を含んでもよい。前記DBS誘導体は、1,3:2,4−ジベンジリデンソルビトール;1,3:2,4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビトール;1,3:2,4−ジ(p−クロロベンジリデン)ソルビトール;1,3:2,4−ジ(2,4−ジメチルジベンジリデン)ソルビトール;1,3:2,4−ジ(p−エチルベンジリデン)ソルビトール;及び1,3:2,4−ジ(3,4−ジメチルジベンジリデン)ソルビトール、又はこれらの混合物からなる群から選択され得る。これらの、及びその他の好適なDBS誘導体は、米国特許第6,102,999号、第2段第43行〜第3段第65行に開示される。
【0109】
ii.バクテリアセルロース
流体洗剤組成物はまた、約0.005重量%〜約1重量%のバクテリアセルロースネットワーク構造を含んでもよい。用語「バクテリアセルロース」は、CPKelco U.S.によるCELLULON(登録商標)などのアセトバクター属のバクテリアの発酵により生産された任意の種類のセルロースを包含し、かつ、ミクロフィブリル化セルロース、バクテリアセルロースネットワークなどと一般に称される材料を含む。好適なバクテリアセルロースの一部の例は、米国特許第6,967,027号;米国特許第5,207,826号;米国特許第4,487,634号;米国特許第4,373,702号;米国特許第4,863,565号及び米国特許出願公開第2007/0027108号に見ることができる。一態様では、繊維は1.6nm〜3.2nm×5.8nm〜133nmの断面積を有する。加えて、バクテリアセルロース繊維は、少なくとも約100nm、又は約100〜約1,500nmの平均微小繊維長を有する。一態様では、バクテリアセルロース微小繊維は、約100:1〜約400:1、又は更には約200:1〜約300:1の縦横比、即ち、平均微小繊維長を微小繊維の最長断面幅で除したものを有する。
【0110】
iii.被覆バクテリアセルロース
一態様では、バクテリアセルロースは少なくとも部分的にポリマー増粘剤で被覆される。少なくとも部分的に被覆されているバクテリアセルロースは、米国特許出願公開第2007/0027108号の第8〜19段落に開示されている方法に従って調製することができる。一態様では、少なくとも部分的に被覆されたバクテリアセルロースは、約0.1重量%〜約5重量%、又は更には約0.5重量%〜約3重量%のバクテリアセルロースと、約10重量%〜約90重量%のポリマー増粘剤とからなる。好適なバクテリアセルロースとしては、前述のバクテリアセルロースを挙げてもよく、好適なポリマー増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、カチオン性ヒドロキシメチルセルロース、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0111】
iv.非バクテリアセルロース由来のセルロース繊維
一態様では、本組成物には、本組成物の約0.01〜約5重量%のセルロース系繊維を更に含ませることもできる。前記セルロース系繊維は、野菜、果物、又は木材から抽出されたものであってもよい。市販のものの例としては、FMC製のAvicel(登録商標)、Fiberstar製のCitri−Fi、又はCosun製のBetafibがある。
【0112】
v.非ポリマー結晶質ヒドロキシル官能性物質
一態様では、本組成物には、本組成物の約0.01重量%〜約1重量%の非ポリマー結晶質ヒドロキシル官能性構造化剤を更に含ませることもできる。このような非ポリマー結晶質ヒドロキシル官能性構造化剤は、一般に、最終流体洗剤組成物中への分散を補助するために、予め乳化が可能な結晶化可能グリセリドを含む。一態様では、好適な結晶化可能なグリセリドとしては、液体洗剤組成物内で結晶化させることができるという条件で、硬化ヒマシ油つまり「HCO」又はその誘導体が挙げられる。
【0113】
vi.ポリマー構造剤
本発明の流体洗剤組成物には、約0.01重量%〜約5重量%の天然由来及び/又は合成ポリマー構造化剤を含有させることができる。本発明で使用される天然由来ポリマー構造化剤の例としては、ヒドロキシエチルセルロース、疎水変性ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、多糖誘導体、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な多糖誘導体としては:ペクチン、アルギン酸塩、アラビノガラクタン(アラビアゴム)、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム及びこれらの混合物が挙げられる。本発明で使用される合成ポリマー構造化剤の例としては、ポリカルボキシレート、ポリアクリレート、疎水変性エトキシル化ウレタン、疎水変性非イオン性ポリオール、及びこれらの混合物が挙げられる。一態様では、ポリカルボキシレートポリマーは、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、又はこれらの混合物である。他の態様では、ポリアクリレートは、不飽和モノ−又はジ−カルボン酸と(メタ)アクリル酸のC〜C30アルキルエステルとのコポリマーであってよい。コポリマーは、Noveon incから商品名カーボポールAqua 30として入手可能である。
【0114】
vii.ジアミドゲル化剤:
一態様では、外部構造化系は、約150g/モル〜約1,500g/モル、又は約500g/モル〜約900g/モルの分子量を有するジアミドゲル化剤を含んでいてもよい。このようなジアミドゲル化剤は、少なくとも2個の窒素原子を含み、その場合、この少なくとも2個の窒素原子は、アミド官能性置換基を形成する。一態様では、アミド基は異なっている。他の態様では、アミド官能基は同じである。ジアミドゲル化剤は、以下の式を有する。
【0115】
【化13】
(式中、
及びRはアミノ官能性末端基、又は更にはアミド官能性末端基であり、一態様では、R及びRには、pH調整可能な基を含ませることもでき、pH調整可能なアミド系ゲル化剤は、約1〜約30、又は更には約2〜約10のpKaを有し得る)。一態様では、pH調整可能な基にはピリジンが含まれ得る。一態様では、R及びRは異なる場合がある。他の態様では、同じである場合がある。
Lは、14〜500g/モルの分子量の、連結部である。一態様では、Lは、2〜20炭素原子を含む炭素鎖を含み得る。他の態様では、Lは、pH調整可能な基を含み得る。一態様では、pH調整可能な基は2級アミンである。
【0116】
一態様では、R、R又はLのうち少なくとも1つは、pH調整可能な基を含み得る。
【0117】
ジアミドゲル化剤の非限定的な例としては、以下が挙げられる。
N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ドデカン−1,12−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1−ジイル)ジイソニコチンアミド
【0118】
【化14】
ジベンジル(2S,2’S)−1,1’−(プロパン−1,3−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1−ジイル)ジカルバマート
【0119】
【化15】
ジベンジル(2S,2’S)−1,1’−(ドデカン−1,12−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソ−3−フェニルプロパン−2,1−ジイル)ジカルバメート
【0120】
【化16】
【0121】
ポリマー分散剤
消費者製品は1種類以上のポリマーを含み得る。例としては、カルボキシメチルセルロース、ポリ(ビニル−ピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン−N−オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリアクリル酸塩などのポリカルボン酸塩、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、及びメタクリル酸ラウリル/アクリル酸コポリマーが挙げられる。
【0122】
消費者製品は、次の一般構造を有する化合物、又はその硫酸化若しくはスルホン化変異体のような1つ以上の両親媒性洗浄ポリマーを含んでいてもよい:ビス((CO)(CO)n)(CH)−N〜C2x−N−(CH)−ビス((CO)(CO)n)(式中、nは20〜30であり、xは3〜8である)。
【0123】
消費者製品は、布地及び表面から脂粒子を除去するように、親水性と疎水性の特性が釣り合っている両親媒性アルコキシル化脂洗浄ポリマーを含み得る。本発明の両親媒性アルコキシル化脂洗浄ポリマーの具体的な実施形態は、コア構造と、そのコア構造に結合した複数のアルコキシレート基と、を含む。上記ポリマーは、アルコキシル化ポリアルキレンイミン、好ましくは内側のポリエチレンオキシドブロック及び外側のポリプロピレンオキシドブロックを有するものを含んでもよい。
【0124】
カルボン酸塩ポリマー−本発明の消費者製品はまた、マレエート/アクリレートランダムコポリマー又はポリアクリレートホモポリマーなどのカルボン酸塩ポリマーを1種類以上含んでもよい。1つの態様において、カルボキシレートポリマーは、4,000Da〜9,000Da、又は6,000Da〜9,000Daの分子量を有するポリアクリレートホモポリマーである。
【0125】
汚れ放出ポリマー−本発明の消費者製品はまた、以下の構造(I)、(II)又は(III)のうちの1つにより定義される構造を有する汚れ放出ポリマーを1種類以上含んでもよい:
(I)−[(OCHR−CHR−O−OC−Ar−CO−]
(II)−[(OCHR−CHR−O−OC−sAr−CO−]
(III)−[(OCHR−CHR−OR
(式中、
a、b、及びcは、1〜200であり、
d、e、及びfは、1〜50であり、
Arは、1,4−置換フェニレンであり、
sArは、5位がSOMeにより置換された、1,3−置換フェニレンであり;
Meは、Li、K、Mg/2、Ca/2、Al/3、アンモニウム、モノ−、ジ−、トリ−、若しくはテトラアルキルアンモニウム(アルキル基は、C〜C18アルキル又はC〜C10ヒドロキシアルキル)、又はこれらの混合物であり、
、R、R、R、R及びRは、独立して、H、又はC〜C18 n−若しくはイソ−アルキルから選択され、
は、直鎖若しくは分岐鎖C〜C18アルキル、又は直鎖若しくは分岐鎖〜C30アルケニル、又は5〜9個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はC〜C30アリール基、又はC〜C30アリールアルキル基である。
【0126】
好適な汚れ放出ポリマーは、Rhodiaにより供給されているRepel−o−tex SF、SF−2及びSRP6を含むRepel−o−texポリマーなどのポリエステル汚れ放出ポリマーである。他の好適な汚れ放出ポリマーとしては、Clariantにより供給されているTexcare SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN300及びSRN325などのTexcareポリマーが挙げられる。他の好適な汚れ放出ポリマーは、Sasolにより供給されているMarloquest SLなどのMarloquestポリマーである。
【0127】
セルロース系ポリマー−本発明の消費者製品はまた、アルキルセルロース、アルキルアルコキシルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、アルキルカルボキシアルキルセルロースから選択されるものなどのセルロース系ポリマーを1つ以上含んでもよい。一態様では、セルロース系ポリマーは、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース及びこれらの混合物を含む群から選択される。一態様では、カルボキシメチルセルロースは、0.5〜0.9のカルボキシメチル置換度と、100,000Da〜300,000Daの分子量とを有する。
【0128】
ポリマー分散剤の例は、米国特許第3,308,067号、欧州特許出願第66915号、欧州特許第193,360号、及び欧州特許第193,360号に見出される。
【0129】
追加アミン(additional amine)
本明細書に記載する洗浄組成物では、汚れた生地から脂及び微粒子を更に取り除くために、追加アミンを使用してもよい。本明細書に記載する洗浄組成物は、本洗浄組成物の重量に対して、約0.1%〜約10%、一部の例では、約0.1%〜約4%、他の例では、約0.1%〜約2%の追加アミンを含んでもよい。追加アミンの非限定的な例としては、ポリアミン、オリゴアミン、トリアミン、ジアミン、ペンタアミン、テトラアミン、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好適な追加アミンの具体例としては、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0130】
また、脂を除去するために、アルコキシル化ポリカルボキシレートが、本明細書の洗浄組成物で使用されてもよい。このような材料は国際公開第91/08281号及びPCT第90/01815号に記載されている。化学的に、これらの材料は、7〜8のアクリレート単位ごとに1つのエトキシ側鎖を有するポリアクリレートを含む。側鎖は式−(CHCHO)(CHCHであり、式中、mは2〜3であり、nは6〜12である。側鎖はポリアクリレート「主鎖」にエステル結合され、「櫛形」ポリマー型の構造を提供する。分子量は、約2000〜約50,000の範囲内で変動し得る。本明細書に記載する洗浄組成物は、本洗浄組成物の重量に対して、約0.1%〜約10%、一部の例では、約0.25%〜約5%、他の例では、約0.3%〜約2%のアルコキシル化ポリカルボキシレートを含んでもよい。
【0131】
漂白化合物、漂白剤、漂白活性剤、及び漂白触媒
本明細書に記載の洗浄組成物は、漂白剤、又は漂白剤及び1種類以上の漂白活性剤を含有する漂白組成物を含有していてもよい。漂白剤は、本組成物の総重量に対して約1%〜約30%、及び一部の例では、約5%〜約20%の濃度で存在させることができる。存在する場合、漂白活性剤の量は、漂白剤に加え漂白活性剤を含む漂白組成物の約0.1%〜約60%、及びいくつかの例では、約0.5%〜約40%であり得る。
【0132】
漂白剤の例としては、酸素漂白剤、過ホウ酸塩漂白剤、過カルボン酸漂白剤、及びそれらの塩、過酸素漂白剤、過硫酸塩漂白剤、過炭酸塩漂白剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。漂白剤の例としては、米国特許第4,483,781号、米国特許出願第740,446号、欧州特許出願第0,133,354号、米国特許第4,412,934号、及び米国特許第4,634,551号に開示されているものがある。
【0133】
漂白活性剤の例(例えば、アシルラクタム活性剤)は、米国特許第4,915,854号、米国特許第4,412,934号、米国特許第4,634,551号、米国特許第4,634,551号、及び米国特許第4,966,723号に開示される。
【0134】
また、一部の例では、洗浄組成物は、遷移金属漂白触媒を含んでもよい。他の例では、遷移金属漂白触媒はカプセル化してもよい。遷移金属漂白触媒は、遷移金属イオンを含んでもよく、該遷移金属イオンは、Mn(II)、Mn(III)、Mn(IV)、Mn(V)、Fe(II)、Fe(III)、Fe(IV)、Co(I)、Co(II)、Co(III)、Ni(I)、Ni(II)、Ni(III)、Cu(I)、Cu(II)、Cu(III)、Cr(II)、Cr(III)、Cr(IV)、Cr(V)、Cr(VI)、V(III)、V(IV)、V(V)、Mo(IV)、Mo(V)、Mo(VI)、W(IV)、W(V)、W(VI)、Pd(II)、Ru(II)、Ru(III)、及びRu(IV)からなる群から選択されてよい。遷移金属漂白触媒は、例えばマクロ多環状配位子、又は架橋マクロ多環状配位子などの配位子を含んでもよい。遷移金属イオンは配位子と配位結合し得る。この配位子は少なくとも4つのドナー原子を含み得、このうち少なくとも2つが橋頭ドナー原子である。好適な遷移金属漂白触媒は、米国特許第5,580,485号、米国特許第4,430,243号、米国特許第4,728,455号、米国特許第5,246,621号、米国特許第5,244,594号、米国特許第5,284,944号、米国特許第5,194,416号、米国特許第5,246,612号、米国特許第5,256,779号、米国特許第5,280,117号、米国特許第5,274,147号、米国特許第5,153,161号、米国特許第5,227,084号、米国特許第5,114,606号、米国特許第5,114,611号、欧州特許第549,271(A1)号、欧州特許第544,490(A1)号、欧州特許第549,272(A1)号、及び欧州特許第544,440(A2)号に記載されている。他の好適な遷移金属漂白触媒は、米国特許第5,576,282号に開示されているような、マンガン系触媒である。好適なコバルト漂白触媒は、例えば、米国特許第5,597,936号及び米国特許第5,595,967号に記載されている。このようなコバルト触媒は、例えば米国特許第5,597,936号及び米国特許第5,595,967号に教示されているような、既知の手順によって容易に調製される。好適な遷移金属漂白触媒は、国際公開第05/042532(A1)号に記載されているビスピドンなどの配位子の遷移金属錯体である。
【0135】
また、酸素漂白剤以外の漂白剤も当該技術分野で既知であり、洗浄組成物において利用することができる。これらの漂白剤としては、例えば、米国特許第4,033,718号に開示されている、スルホン化した亜鉛及び/又はアルミニウムフタロシアニンなど、又はペルオキシカルボン酸若しくはその塩、又はペルオキシスルホン酸若しくはその塩などの予め形成した有機過酸などの光活性化漂白剤が挙げられる。好適な有機過酸は、フタロイルイミドペルオキシカプロン酸である。使用する場合、本明細書に記載の洗浄組成物は、典型的には、組成物の重量に対して、このような漂白剤を、いくつかの例では亜鉛フタロシアニンスルホナートを、約0.025%〜約1.25%含有することになる。
【0136】
増白剤
光学増白剤又はその他の増白剤又は白化剤は、組成物の重量に対して、約0.01重量%〜約1.2重量%の濃度で本明細書に記載の洗浄組成物に組み込むこともできる。本明細書で使用することのできる市販の光学増白剤は小グループに分類することができ、これには、スチルベン、ピラゾリン、クマリン、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチフェン−5,5−ジオキシド、アゾール、5及び6員複素環、並びに他の様々な剤の誘導体が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。そのような増白剤の例は、「The Production and Application of Fluorescent Brightening Agents」、M.Zahradnik,John Wiley & Sons,New York(1982)に開示されている。具体的には、本組成物で有用となり得る光学増白剤の非限定的な例として、米国特許第4,790,856号及び米国特許第3,646,015号にて特定されているものが挙げられる。
【0137】
布地色調剤
本組成物は、布地色調剤(色合い剤、青味剤、又は白化剤と称される場合もある)を含み得る。典型的には、色調剤は、布地に青又はバイオレットの色合いをもたらす。色調剤は単独で又は組み合わせて使用して、特有な色合いを作り出す、及び/又は異なる種類の布地に色合いをつけることができる。これは、例えば、赤と緑−青の染料とを混合して青又は紫の色合いを生じさせることにより提供され得る。色調剤は、アクリジン、アントラキノン(多環式のキノンを含む)、アジン、アゾ(例えば、モノアゾ、ジアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ、ポリアゾ)(含金アゾ、ベンゾジフラン及びベンゾジフラノンを含む)、カロチノイド、クマリン、シアニン、ジアザヘミシアニン、ジフェニルメタン、ホルマザン、ヘミシアニン、インジゴイド、メタン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロ及びニトロソ、オキサジン、フタロシアニン、ピラゾール、スチルベン、スチリル、リアリールメタン、トリフェニルメタン、キサンテン並びにこれらの混合物を含むがこれらに限定されない、任意の既知の染料の化学的クラスから選択されてもよい。
【0138】
適切な布地色調剤としては、染料、染料−粘土コンジュゲート(conjugate)、並びに有機顔料及び無機顔料が挙げられる。好適な染料には、小分子染料及びポリマー染料が挙げられる。好適な小分子染料は、例えば青、紫、赤、緑、又は黒に分類される、ダイレクト、ベーシック、リアクティブ若しくは加水分解リアクティブ、溶剤若しくは分散染料のカラーインデックス(C.I.)分類に入る染料からなる群から選択される小分子染料を含み、単独又は組み合わせのいずれかで所望の色合いを提供する。他の態様では、好適な小分子染料としては、カラーインデックス(Society of Dyers and Colourists(Bradford、UK))番号が、ダイレクトバイオレット染料9、35、48、51、66、及び99など、ダイレクトブルー染料1、71、80、及び279など、アシッドレッド染料17、73、52、88、及び150など、アシッドバイオレット染料15、17、24、43、49、及び50など、アシッドブルー染料15、17、25、29、40、45、75、80、83、90、及び113など、アシッドブラック染料1など、ベーシックバイオレット染料1、3、4、10、及び35など、ベーシックブルー染料3、16、22、47、66、75、及び159など、欧州特許第1794275号若しくは欧州特許第1794276号に記載されるものなどの分散又は溶剤染料、あるいは米国特許第7208459 B2号に開示される染料、並びにそれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。他の態様では、好適な小分子染料としては、C.I.番号アシッドバイオレット17、ダイレクトブルー71、ダイレクトバイオレット51、ダイレクトブルー1、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドブルー29、アシッドブルー113、又はこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。
【0139】
好適なポリマー染料としては、例えばポリマーと色原体とを共重合してポリマーの主鎖にしたものなどの、共有結合(コンジュゲート化と呼ばれることもある)した色原体を含有するポリマー(染料−ポリマーコンジュゲート)、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料が挙げられる。ポリマー染料は、国際公開第2011/98355号、国際公開第2011/47987号、米国特許第2012/090102号、国際公開第2010/145887号、国際公開第2006/055787号、及び国際公開第2010/142503号に記載されるものを含む。
【0140】
他の態様では、適切なポリマー染料としては、Liquitint(登録商標)(Milliken(Spartanburg、South Carolina、USA))の名称で市販されている布地直接着色剤、及び少なくとも1つの反応染料と、ヒドロキシル部分、1級アミン部分、2級アミン部分、チオール部分、及びこれらの混合物からなる群から選択される部分を含むポリマーからなる群から選択されるポリマーから形成されている染料−ポリマーコンジュゲートが挙げられる。更なる他の態様では、好適なポリマー染料として、Liquitint(登録商標)Violet CT、リアクティブブルー、リアクティブバイオレット、又はリアクティブレッド染料と共有結合されたカルボキシメチルセルロース(CMC)(例えば、Megazyme(Wicklow、Ireland)からAZO−CM−セルロースの商品名、商品コードS−ACMCで市販されている、C.I.リアクティブブルー19とコンジュゲートされたCMCなど)、アルコキシル化トリフェニル−メタンポリマー着色料、アルコキシル化チオフェンポリマー着色料、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料が挙げられる。
【0141】
好ましい色調染料として、国際公開第08/87497 A1号、国際公開第2011/011799号、及び国際公開第2012/054835号に含まれる増白剤が挙げられる。本発明に使用するための好ましい色調剤は、国際公開第2011/011799号の表5の実施例1〜42から選択されるものを含む、これらの参考文献に開示される好ましい染料であってよい。その他の好適な染料は、米国特許第8138222号に開示されている。他の好ましい染料は、国際公開第2009/069077号に開示されている。
【0142】
適切な染料粘土コンジュゲートには、少なくとも1つのカチオン性/塩基性染料とスメクタイト粘土を含む群から選択される染料粘土コンジュゲート、及びこれらの混合物が挙げられる。他の態様では、好適な染料粘土コンジュゲートとして、C.I.ベーシックイエロー1〜108、C.I.ベーシックオレンジ1〜69、C.I.ベーシックレッド1〜118、C.I.ベーシックバイオレット1〜51、C.I.ベーシックブルー1〜164、C.I.ベーシックグリーン1〜14、C.I.ベーシックブラウン1〜23、CIベーシックブラック1〜11からなる群から選択される1種類のカチオン性/塩基性染料と、モンモリロナイト粘土、ヘクトライト粘土、サポナイト粘土、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される粘土と、からなる群から選択される染料粘土コンジュゲートが挙げられる。更なる他の態様では、好適な染料粘土コンジュゲートとして、モンモリロナイトベーシックブルーB7 C.I.42595コンジュゲート、モンモリロナイトベーシックブルーB9 C.I.52015コンジュゲート、モンモリロナイトベーシックバイオレットV3 C.I.42555コンジュゲート、モンモリロナイトベーシックグリーンG1 C.I.42040コンジュゲート、モンモリロナイトベーシックレッドR1 C.I.45160コンジュゲート、モンモリロナイトC.I.ベーシックブラック2コンジュゲート、ヘクトライトベーシックブルーB7 C.I.42595コンジュゲート、ヘクトライトベーシックブルーB9 C.I.52015コンジュゲート、ヘクトライトベーシックバイオレットV3 C.I.42555コンジュゲート、ヘクトライトベーシックグリーンG1 C.I.42040コンジュゲート、ヘクトライトベーシックレッドR1 C.I.45160コンジュゲート、ヘクトライトC.I.ベーシックブラック2コンジュゲート、サポナイトベーシックブルーB7 C.I.42595コンジュゲート、サポナイトベーシックブルーB9 C.I.52015コンジュゲート、サポナイトベーシックバイオレットV3 C.I.42555コンジュゲート、サポナイトベーシックグリーンG1 C.I.42040コンジュゲート、サポナイトベーシックレッドR1 C.I.45160コンジュゲート、サポナイトC.I.ベーシックブラック2コンジュゲート及びこれらの混合物からなる群から選択される染料粘土コンジュゲートが挙げられる。
【0143】
適切な顔料としては、フラバントロン、インダントロン、1〜4個の塩素原子を有する塩素化インダントロン、ピラントロン、ジクロロピラントロン、モノブロモジクロロピラントロン、ジブロモジクロロピラントロン、テトラブロモピラントロン、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド(イミド基は置換されていないか、あるいは、C1〜C3−アルキル若しくはフェニル又は複素環式ラジカルで置換されていてもよく、このフェニル及び複素環式ラジカルは更に、水溶性を付与しない置換基を有していてもよい)、アントラピリミジンカルボン酸アミド、ビオラントロン、イソビオラントロン、ジオキサジン顔料、銅フタロシアニン(1分子当たり2個以下の塩素原子を有していてもよい)、ポリクロロ−銅フタロシアニン、又はポリブロモクロロ−銅フタロシアニン(1分子当たり14個以下の臭素原子を有する)、及びこれらの混合物からなる群から選択される顔料が挙げられる。
【0144】
他の態様では、好適な顔料としては、ウルトラマリンブルー(C.I.ピグメントブルー29)、ウルトラマリンバイオレット(C.I.ピグメントバイオレット15)及びこれらの混合物からなる群から選択される顔料が挙げられる。
【0145】
上述の布地色調剤は、組み合わせて使用することができる(布地色調剤の任意の混合物を使用することができる)。
【0146】
移染防止剤
また、布地洗浄組成物は、洗浄プロセス中に、ある布地から他の布地に染料が移ることを予防するのに効果的な1種類以上の物質を含んでもよい。一般に、このような移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルイミダゾールのコポリマー、マンガンフタロシアニン、ペルオキシダーゼ、及びこれらの混合物が挙げられ得る。使用する場合、これらの剤は、組成物の重量に対して、約0.01%〜約10%、いくつかの例では、組成物の重量に対して、約0.01%〜約5%、及び他の例では、組成物の重量に対して、約0.05%〜約2%の濃度で使用されてよい。
【0147】
キレート剤
また、本明細書に記載する洗浄組成物は、1種類以上の金属イオンキレート剤を含有していてもよい。このようなキレート剤は、ホスホネート、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、多官能置換された芳香族キレート剤、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。これらのキレート剤は、本洗浄組成物の約0.1重量%〜約15重量%の濃度、一部の例では、本洗浄組成物の約0.1重量%〜約3.0重量%の濃度で使用されてよい。
【0148】
キレート剤又はキレート剤の組み合わせは、カルシウムイオンの過剰な結合を通して酵素安定性に負の影響を与えることなく重金属(例えば、Fe)封鎖をもたらすように、当業者により選択され得る。本発明に使用されるキレート剤の非限定的な例は、米国特許第7445644号、米国特許第7585376号及び米国特許出願公開第2009/0176684A1号にも見られる。
【0149】
有用なキレート剤の例としては、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)などの重金属キレート剤、及び/又はタイロンを含むがこれに限定されないカテコールが挙げられる。二重キレート剤系が使用される実施形態では、キレート剤はDTPA及びタイロンであってよい。
【0150】
DTPAは次のコア分子構造を有する。
【0151】
【化17】
【0152】
1,2−ジヒドロキシベンゼン−3,5−ジスルホン酸としても既知であるタイロンは、カテコール族の化合物であり、以下に示されたコア分子構造を有する:
【0153】
【化18】
【0154】
他のスルホン化カテコールを使用してもよい。また、用語「タイロン」は、ジスルホン酸に加えて、モノ又はジスルホン酸塩、例えばスルホン酸二ナトリウムをも含み得、これは同一のコア分子構造をジスルホン酸と共有する。
【0155】
本願に用いるのに好適な他のキレート剤は、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、多官能置換された芳香族のキレート剤、及びこれらの混合物からなる群から選択できる。また、キレート剤としては、HEDP(ヒドロキシエタンジホスホン酸)、MGDA(メチルグリシン二酢酸)、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な他のキレート剤は、市販されているDEQUESTシリーズ、並びにMonsanto、DuPont、及びNalco,Inc.製のキレート剤である。
【0156】
キレート剤として有用なアミノカルボキシレートは、エチレンジアミンテトラアセテート、N−(ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリアセテート、ニトリロトリアセテート、エチレンジアミンテトラプロピオネート、トリエチレンテトラアミンヘキサアセテート、ジエチレントリアミン−ペンタアセテート、及びエタノールジグリシン、アルカリ金属、アンモニウム、及びその置換アンモニウム塩、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これに限定されない。総リンが低濃度で許容される場合、アミノホスホネートも本発明の組成物におけるキレート剤として使用するのに好適であり、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホネート)などが挙げられる。好ましくは、これらのアミノホスホネートは、約6個を超える炭素原子を有するアルキル又はアルケニル基を含有しない。多官能性置換芳香族キレート剤もまた、本洗浄組成物において使用されてよい。1974年5月21日に発行された米国特許第3,812,044号(Connor et al.)を参照されたい。この種の酸形の化合物は、1,2−ジヒドロキシ−3,5−ジスルホベンゼンなどのジヒドロキシジスルホベンゼンである。
【0157】
同様に本明細書で使用することのできる生分解性キレート化剤は、エチレンジアミンジコハク酸(「EDDS」)である。一部の例では(無論この具体例に限定されないが)、米国特許第4,704,233号に記載される通りの[S,S]異性体も使用され得る。他の例では、EDDAの三ナトリウム塩を使用できるものの、マグネシウム塩などのその他の形態も有用であり得る。
【0158】
抑泡剤
本明細書に記載の洗浄組成物に、泡の形成を低減又は抑制するための化合物を組み込むこともできる。泡抑制は、米国特許第4,489,455号及び米国特許第4,489,574号に記載されているようないわゆる「高濃度洗浄プロセス」において、並びにフロントローディング方式の洗濯機において、特に重要なものとなり得る。
【0159】
抑泡剤として多種多様な材料を使用してよく、抑泡剤は当業者には周知である。例えば、「Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology」(Third Edition,Volume 7,pages 430〜447(John Wiley & Sons,Inc.,1979))を参照のこと。抑泡剤の例には、モノカルボン脂肪酸及びその可溶性塩、高分子量炭化水素、例えばパラフィン、脂肪酸エステル(例えば、脂肪酸トリグリセリド)、一価アルコールの脂肪酸エステル、脂肪族C18〜C40ケトン(例えば、ステアロン(stearone))、N−アルキル化アミノトリアジン、好ましくは約100℃以下の融点を有するろう質炭化水素、シリコーン抑泡剤、及び2級アルコールが挙げられる。抑泡剤は、米国特許第2,954,347号、米国特許第4,265,779号、米国特許第4,265,779号、米国特許第3,455,839号、米国特許第3,933,672号、米国特許第4,652,392号、米国特許第4,978,471号、米国特許第4,983,316号、米国特許第5,288,431号、米国特許第4,639,489号、米国特許第4,749,740号、及び米国特許第4,798,679号、米国特許第4,075,118号、欧州特許出願第89307851.9号、欧州特許第150,872号、並びに独国特許公報第2,124,526号に記載されている。
【0160】
本明細書の洗浄組成物は、組成物の重量に対して、0%〜約10%の抑泡剤を含んでもよい。抑泡剤として利用する場合には、モノカルボン脂肪酸類及びそれらの塩は、本洗浄組成物の最大約5重量%の量で、一部の例では、本洗浄組成物の約0.5重量%〜約3重量%の量で、存在していてもよい。シリコーン抑泡剤は、本洗浄組成物において最大で約2.0重量%の量で利用され得るものの、より高濃度で使用することもできる。モノステアリルホスフェート抑泡剤は、本洗浄組成物の約0.1重量%〜約2重量%の範囲の量で利用され得る。炭化水素抑泡剤は、本洗浄組成物の約0.01重量%〜約5.0重量%の範囲の量で利用され得るものの、より高濃度で使用することもできる。アルコール抑泡剤は、本洗浄組成物の約0.2重量%〜約3重量%の範囲の濃度で使用されてもよい。
【0161】
泡促進剤
多くの泡立ちが所望される場合は、本洗浄組成物中に、C10〜C16アルカノールアミドなどの泡促進剤を、本洗浄組成物の約1重量%〜約10重量%の範囲の濃度で組み込んでもよい。例の一部として、C10〜C14モノエタノール及びジエタノールアミドが挙げられる。所望される場合、MgCl、MgSO、CaCl、CaSOなどの水溶性マグネシウム及び/又はカルシウム塩を、本洗浄組成物の重量に対して、約0.1%〜約2%の濃度で加えて、更なる泡立ちをもたらし、脂除去能を増強させることもできる。
【0162】
柔軟仕上げ剤
布地洗浄と同時に柔軟仕上げ剤の利益を提供するために、種々のスルーザウォッシュ(through-the-wash)型柔軟仕上げ剤、例えば、米国特許第4,062,647号の微細なスメクタイト粘土、並びに当該技術分野で既知の他の柔軟剤粘土を、本組成物の約0.5重量%〜約10重量%の濃度で使用してもよい。粘土柔軟剤は、例えば、米国特許第4,375,416号、及び米国特許第4,291,071号に開示されるような、アミン及びカチオン性柔軟剤と組み合わせて使用することができる。カチオン性柔軟剤はまた、粘土柔軟剤なしに使用され得る。
【0163】
カプセル剤
本組成物は、カプセル剤を含んでもよい。一部の態様では、カプセル剤は、コアと、内表面及び外表面を有するシェルと、を含み、該シェルによりコアが被包される。
【0164】
特定の態様では、カプセル剤は、コアと、シェルと、を含み、ここで、コアは、香料;増白剤;染料;防虫剤;シリコーン;ワックス;着香料;ビタミン;布地用柔軟剤;スキンケア剤(例えば、パラフィンなど);酵素;抗菌剤;漂白剤;感覚剤;又はこれらの混合物;から選択される材料を含み、シェルは、ポリエチレン;ポリアミド;ポリビニルアルコール(他のコモノマーを含有していてもよい);ポリスチレン;ポリイソプレン;ポリカーボネート;ポリエステル;ポリアクリレート;ポリオレフィン;ポリサッカライド(例えば、アルギネート及び/又はキトサン);ゼラチン;シェラック;エポキシ樹脂;ビニルポリマー;非水溶性無機物;シリコーン;アミノ樹脂、又はこれらの混合物から選択される材料を含む。シェルがアミノ樹脂を含む一部の態様では、該アミノ樹脂は、ポリ尿素、ポリウレタン、及び/又はポリ尿素ウレタンを含む。ポリ尿素は、ポリオキシメチレン尿素、及び/又はメラミンホルムアルデヒドを含んでもよい。
【0165】
一部の態様では、カプセル剤は、コアを含み、該コアは、香料を含む。特定の態様では、カプセル剤は、シェルを含み、該シェルは、メラミンホルムアルデヒド、及び/又は架橋メラミンホルムアルデヒドを含む。一部の態様では、カプセル剤は、香料を含むコアと、メラミンホルムアルデヒド、及び/又は架橋メラミンホルムアルデヒドを含むシェルと、を含む。
【0166】
好適なカプセル剤は、コア材料と、シェルと、を含んでもよく、ここで、該シェルは、少なくとも部分的には該コア材料を取り囲んでいる。このカプセル剤の少なくとも75%、少なくとも85%、又は更に少なくとも90%は、約0.2MPa〜約10MPa、約0.4MPa〜約5MPa、約0.6MPa〜約3.5MPa、又は更には約0.7MPa〜約3MPaの破壊強度、並びに0%〜約30%、0%〜約20%、又は更には0%〜約5%の有益剤漏出率を有してもよい。
【0167】
一部の態様では、前記カプセル剤の少なくとも75%、85%、又は更には90%は、約1マイクロメートル〜約80マイクロメートル、約5マイクロメートル〜60マイクロメートル、約10マイクロメートル〜約50マイクロメートル、又は更には約15マイクロメートル〜約40マイクロメートルの粒径を有し得る。
【0168】
一部の態様では、前記カプセル剤の少なくとも75%、85%、又は更には90%は、約30nm〜約250nm、約80nm〜約180nm、又は更には約100nm〜約160nmの粒子壁厚を有し得る。
【0169】
一部の態様では、カプセル剤のコアは、香料原料から選択される材料、及び/又はひまし油、やし油、綿実油、ブドウ油、菜種油、大豆油、トウモロコシ油、パーム油、亜麻仁油、ベニバナ油、オリーブ油、落花生油、やし油、パーム核油、ひまし油、レモン油及びこれらの混合物を含む単一及び/又は混合植物油;植物油のエステル、アジピン酸ジブチル、フタル酸ジブチル、アジピン酸ブチルベンジル、アジピン酸ベンジルオクチル、リン酸トリクレシル、リン酸トリオクチルを含むエステル、及びこれらの混合物;約80℃を超える沸点を有する直鎖又は分岐鎖炭化水素を含む直鎖又は分岐鎖炭化水素;部分水素化テルフェニル、フタル酸ジアルキル、モノイソプロピルビフェニルを含むアルキルビフェニル、ジプロピルナフタリンを含むアルキル化ナフタリン、灯油、鉱油又はこれらの混合物を含む石油精;ベンゼン、トルエン又はこれらの混合物を含む芳香族溶媒;シリコーン油;又はこれらの混合物から選択される、任意選択的な材料を含む。
【0170】
一部の態様では、カプセル剤の壁部は、アルデヒドとアミンの反応生成物などの好適な樹脂を含む。好適なアルデヒドとしては、ホルムアルデヒドが挙げられる。好適なアミンには、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、又はこれらの混合物が挙げられる。好適なメラミンには、メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、イミノメラミン及びこれらの混合物が挙げられる。好適な尿素には、ジメチロール尿素、メチル化ジメチロール尿素、尿素−レゾルシノール、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0171】
一部の態様では、好適なホルムアルデヒドスカベンジャーをカプセル剤と共に(例えばカプセルスラリー中において)使用してもよいし、かつ/又は、組成物にカプセル剤を添加する前、最中、又は後に組成物に対して添加されてもよい。
【0172】
好適なカプセル剤は、米国特許出願第2008/0305982 A1号;及び/又は米国特許出願第2009/0247449 A1号に開示されている。あるいは、好適なカプセル剤は、Appleton Papers Inc.(Appleton、Wisconsin USA)から購入することもできる。
【0173】
加えて、カプセル剤を製造するための材料は、Solutia Inc.(St Louis、Missouri U.S.A.)、Cytec Industries(West Paterson、New Jersey U.S.A.)、sigma−Aldrich(St.Louis、Missouri U.S.A.)、CP Kelco Corp.(San Diego、California、USA);BASF AG(Ludwigshafen、Germany);Rhodia Corp.(Cranbury、New Jersey、USA);Hercules Corp.(Wilmington、Delaware、USA);Agrium Inc.(Calgary、Alberta、Canada)、ISP(New Jersey U.S.A.)、Akzo Nobel(Chicago、IL、USA);Stroever Shellac Bremen(Bremen、Germany);Dow Chemical Company(Midland、MI、USA);Bayer AG(Leverkusen、Germany);Sigma−Aldrich Corp.(St.Louis、Missouri、USA)から得ることができる。
【0174】
香料
本明細書に記載する洗浄組成物においては、香料及び芳香成分が使用されてもよい。香料及び芳香成分の非限定的な例としては、アルデヒド類、ケトン類、エステル類などが挙げられるが、これらに限定されない。他の例としては、様々な天然抽出物及び天然エキスも挙げられ、オレンジ油、レモン油、バラ抽出物、ラベンダー、ムスク、パチョリ、バルサムエキス、ビャクダン油、パイン油、シーダーなどの成分の複雑な混合物を含み得る。香料完成品は、そのような成分の非常に複雑な混合物を含み得る。香料完成品は、本洗浄組成物の約0.01重量%〜約2重量%の範囲の濃度で含まれていてもよい。
【0175】
充填剤及びキャリア
本明細書に記載する洗浄組成物においては、充填剤及びキャリアが使用されてもよい。本明細書で使用するとき、用語「充填剤」及び「キャリア」は、同じ意味であり、取替え可能に使用され得る。
【0176】
液体洗浄組成物、及び液体成分を含む洗浄組成物の他の形態(液体を含有する単位用量型洗浄組成物など)は、充填剤又はキャリアとして、水又は他の溶媒を含有していてもよい。メタノール、エタノール、プロパノール、及びイソプロパノールに代表される低分子量の1級又は2級アルコールが好適である。一部の例では、一価アルコール類を、界面活性剤を可溶化するために使用してもよく、また、ポリオール類、例えば、2〜約6個の炭素原子と2〜約6個のヒドロキシ基を含有するものなど(1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、グリセリン、及び1,2−プロパンジオールなど)を使用してもよい。また、アミン−含有溶媒が使用されてもよい。
【0177】
本洗浄組成物には、このようなキャリアを、本組成物の重量に対して、約5重量%〜約90%、及びいくつかの例では、約10%〜約50%含有させ得る。コンパクト若しくはスーパーコンパクト強力液体(heavy duty liquid)洗浄組成物、又は他の形態の洗浄組成物の場合、水の使用については、組成物の重量に対し、約40%未満、若しくは約20%未満、若しくは約5%未満、又は、自由水が約4%未満、若しくは自由水が約3%未満、若しくは自由水が約2%未満であってよく、又は、自由水を実質的に含んでいなくてもよい(即ち、無水でもよい)。
【0178】
粉末若しくはバー型洗浄組成物、又は固体若しくは粉末成分を含む形態(例えば、粉末を含有する単位用量型洗浄組成物)の場合、好適な充填剤としては、限定するものではないが、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、粘土、又は他の不活性固体成分が挙げられ得る。充填剤としてはまた、バイオマス又は脱色バイオマスを挙げてもよい。粒状、バー、又は他の固体洗浄組成物における充填剤は、本洗浄組成物の約80重量%未満、一部の例では、本洗浄組成物の約50重量%未満含まれてもよい。コンパクト若しくはスーパーコンパクト粉末若しくは固体洗浄組成物は、洗浄組成物の約40重量%未満、又は約20重量%未満、又は約10重量%未満の充填剤を含んでもよい。
【0179】
コンパクト若しくはスーパーコンパクト液体若しくは粉末洗浄組成物、又は他の形態のどちらの場合も、製品中の液体又は固体充填剤の濃度を減少させて、コンパクト化されていない洗浄組成物と比較した場合、同一量の有効な活性物質(active chemistry)を洗浄液に対して供給できるようにしてもよいし、又は、一部の例では、洗浄組成物はより有効性が高く、コンパクト化されていない洗浄組成物と比較した場合に、より少ない有効な活性物質を洗浄液に対して供給してもよい。例えば、洗浄液は、本洗浄組成物を、洗浄液中の洗浄組成物の濃度が0g/L超〜4g/Lとなるような量の水と接触させることにより形成され得る。一部の例では、この濃度は、約1g/L〜約3.5g/L、又は〜約3.0g/L、又は〜約2.5g/L、又は〜約2.0g/L、又は〜約1.5g/L、又は約0g/L〜約1.0g/L、又は約0g/L〜約0.5g/Lであってもよい。これらの投与量は限定を意図するものではなく、その他の投与量を使用することもできることは当業者には明白である。
【0180】
緩衝系
本明細書に記載する洗浄組成物は、水性洗浄作業での使用の際に、洗浄水のpHが約7.0〜約12となるように、一部の例では約7.0〜約11となるように処方することができる。推奨される使用レベルにpHを調節する手法としては、緩衝剤、アルカリ、酸などの使用が挙げられ、当業者には周知である。これらは、炭酸ナトリウム、クエン酸、若しくはクエン酸ナトリウム、モノエタノールアミン若しくは他のアミン類、ホウ酸若しくはホウ酸塩、並びに当該技術分野で周知の他のpH調整化合物の使用を含むが、これらに限定されない。
【0181】
本明細書の洗浄組成物は、動的な洗浄中pHプロファイルを含んでもよい。このような洗浄組成物では、他のpH調節剤と併せて、ワックスで被覆されたクエン酸粒子を使用して、(i)洗浄液のpHが水との接触後約3分の時点で10より大きく、(ii)洗浄液のpHが水との接触後約10分の時点で9.5未満となり、(iii)洗浄液のpHが水との接触後約20分の時点で9.0未満となり、(iv)任意選択的に、洗浄液の平衡pHが、約7.0〜約8.5の範囲内となるようにしてもよい。
【0182】
他の補助成分
本明細書の洗浄組成物では、他の非常に様々な成分を使用してもよく、例としては、他の活性成分、キャリア、ヒドロトロープ、加工助剤、染料若しくは顔料、液剤用溶媒、及び固体若しくは他の液体の充填剤、エリトロシン、コロイド状シリカ、ろう、プロバイオティクス、サーファクチン(surfactin)、アミノセルロース系の(aminocellulosic)ポリマー、リシノール酸亜鉛、香料、マイクロカプセル、ラムノリピド、ソホロリピッド、グリコペプチド、メチルエステルスルホネート、メチルエステルエトキシレート、スルホン化エストリド、開裂可能界面活性剤、バイオポリマー、シリコーン、修飾シリコーン、アミノシリコーン、付着助剤、イナゴマメゴム、カチオン性ヒドロキシエチルセルロースポリマー、カチオン性グアー、ヒドロトロープ(特にクメンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、及びナフタリン塩)、酸化防止剤、BHT、PVA粒子−カプセル化した染料若しくは香料、真珠光沢剤、発泡助剤、色調変更系、シリコーンポリウレタン、乳白剤、錠剤崩壊剤、バイオマス充填剤、高速乾燥シリコーン、グリコールジステアレート、ヒドロキシエチルセルロースポリマー、疎水変性セルロースポリマー若しくはヒドロキシエチルセルロースポリマー、デンプン香料カプセル剤、乳化油、ビスフェノール酸化防止剤、微細繊維状セルロース構造化剤、プロ香料(properfume)、スチレン/アクリレートポリマー、トリアジン、石鹸、スーパーオキシドジスムターゼ、ベンゾフェノンプロテアーゼ阻害剤、官能性を持たせたTiO2、ジブチルホスフェート、シリカ香料カプセル、他の補助成分、ジエチレントリアミン五酢酸、タイロン(1,2−ジヒドロキシベンゼン−3,5−ジスルホン酸)、ヒドロキシエタンジメチレンホスホン酸、メチルグリシン二酢酸、コリンオキシダーゼ、ペクチン酸リアーゼ(pectate lyase)、トリアリールメタンブルー及びバイオレット塩基性染料、メチンブルー及びバイオレット塩基性染料、アントラキノンブルー及びバイオレット塩基性染料、アゾ染料ベーシックブルー16、ベーシックブルー65、ベーシックブルー66、ベーシックブルー67,ベーシックブルー71、ベーシックブルー159、ベーシックバイオレット19、ベーシックバイオレット35、ベーシックバイオレット38、ベーシックバイオレット48、オキサジン染料、ベーシックブルー3、ベーシックブルー75、ベーシックブルー95、ベーシックブルー122、ベーシックブルー124、ベーシックブルー141、ナイルブルーA及びキサンテン染料ベーシックバイオレット10、アルコキシル化トリフェニルメタンポリマー着色剤;アルコキシル化チオフェンポリマー着色剤;チアゾリウム染料、雲母、二酸化チタン被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、パラフィンワックス、ショ糖エステル、審美的染料、ヒドロキサメートキレート剤、及び他の活性剤などが挙げられる。
【0183】
また、本明細書に記載する洗浄組成物は、水溶性ビタミン及びそれらの誘導体、水溶性アミノ酸並びにそれらの塩及び/又は誘導体、非水溶性アミノ酸粘度調整剤、染料、不揮発性溶媒又は希釈剤(水溶性及び非水溶性)、真珠光沢助剤、泡促進剤、追加的な界面活性剤又は非イオン性補助界面活性剤、殺シラミ剤、pH調整剤、香料、防腐剤、キレート剤、タンパク質、皮膚活性剤、日焼け止め、UV吸収剤、ビタミン、ナイアシンアミド、カフェイン、並びにミノキシジルのようなビタミン類及びアミノ酸類も含有し得る。
【0184】
本発明の洗浄組成物はまた、C.I.名を有するもののような水溶性の成分を含む、ニトロソ、モノアゾ、ジスアゾ(disazo)、カロチノイド、トリフェニルメタン、トリアリールメタン、キサンテン、キノリン、オキサジン、アジン、アントラキノン、インジゴイド、チオンインジゴイド、キナクリドン、フタロシアニン、植物の着色料、天然の着色料などの、色素物質を含有してもよい。また、本発明の洗浄組成物は、抗菌剤を含有していてもよい。
【0185】
使用方法
本発明は、汚れた生地を洗浄する方法を含む。当業者であれば理解されるように、本発明の洗浄組成物は、洗濯の前処理用途、洗濯洗浄用途、及びホームケア用途での使用に好適である。
【0186】
このような方法には、洗浄組成物を、そのままで(in neat form)又は洗浄液で希釈して、汚れた生地の少なくとも一部に接触させる工程と、続いて、該汚れた生地をすすぐ任意選択的な工程と、が含まれるが、これらに限定されない。汚れた生地に対して、任意選択的なすすぎ工程の前に、洗浄工程を行ってもよい。
【0187】
洗濯の前処理用途での使用の場合、前記方法は、本明細書に記載する洗浄組成物を汚れた布地に接触させる工程を含んでもよい。前処理に続いて、汚れた布地を洗濯機で洗濯してもよいし、又はすすいでもよい。
【0188】
機械洗濯方法においては、溶解又は分散した、有効量の本発明に係る機械洗濯洗浄組成物を入れた洗濯機内で、汚れた洗濯物を水性洗浄溶液で処理する工程が含まれてもよい。「有効量」の本洗浄組成物とは、約5L〜約65Lの体積の洗浄溶液に溶解又は分散した約20g〜約300gの製品を意味する。水温の範囲は、約5℃〜約100℃である。水と汚れた生地(例えば、布地)との比は、約1:1〜約20:1であってよい。また、布地洗濯組成物の場合、使用濃度は、汚れ及び染みの種類及び程度だけでなく、洗浄水の温度、洗浄水の量、及び洗濯機の種類(例えば、トップローディング式、フロントローディング式、トップローディング式、垂直軸型日本式自動洗濯機など)に応じて様々であってもよい。
【0189】
本明細書の洗浄組成物は、低い洗浄温度での布地の洗濯に使用されてもよい。これらの布地を洗濯する方法は、洗濯洗浄組成物を水に供給して、洗浄液を形成する工程と、前記洗浄液に洗濯する布地を加える工程と、と含み、ここで、該洗浄液の温度は、約0℃〜約20℃、又は約0℃〜約15℃、又は約0℃〜約9℃である。布地は、洗濯洗浄組成物を水に接触させる工程の前に、又はその後に、又はそれと同時に、水に接触させられてよい。
【0190】
他の方法としては、本洗浄組成物の一実施形態をしみ込ませた不織布基材と、汚れた生地とを接触させることが挙げられる。本明細書で使用するとき、「不織布基材」は、好適な坪量、キャリパー(厚さ)、吸収性及び強さ特性を有する任意の従来型の不織布シート又はウェブを含み得る。好適な市販の不織布基材の非限定的な例としては、DuPontより商品名SONTARA(登録商標)として販売されるもの、及びJames River Corp.より商品名POLYWEB(登録商標)として販売されるものが挙げられる。
【0191】
また、手洗い/漬け込み法、及び半自動洗濯機と手洗いとの組み合わせも含まれる。
【0192】
機械式食器洗浄方法
汚れた皿、食器、銀器、又は他の台所用品の機械式食器洗浄又は食器手洗いの方法が含まれる。機械式食器洗浄の一方法では、有効量の本発明に係る機械式食器洗浄組成物を溶解又は投与した(dispense)水性液体で、汚れた皿、食器、銀器、又は他の台所用品を処理する工程が含まれる。有効量の機械式食器洗浄組成物とは、約3L〜約10Lの体積の洗浄溶液に溶解又は分散した約8g〜約60gの製品を意味する。
【0193】
食器手洗いの一方法では、水を入れた容器に本洗浄組成物を溶解する工程と、続いて、汚れた皿、食器、銀器、又は他の台所用品を食器洗浄液に接触させてから、該汚れた皿、食器、銀器、又は他の台所用品を手でこするか、拭うか、又はすすぐ工程と、が含まれる。食器手洗いの他の方法としては、汚れた皿、食器、銀器、又は他の台所用品上に本洗浄組成物を直接適用してから、該汚れた皿、食器、銀器、又は他の台所用品を手でこするか、拭うか、又はすすぐ工程が挙げられる。一部の例では、食器手洗い用洗浄組成物の有効量は、約0.5mL〜約20mLを水中に希釈したものである。
【0194】
本組成物のためのパッケージ
本明細書に記載する洗浄組成物は、紙、厚紙、プラスチック材、及び任意の好適なラミネートから製造されるものを含む、任意の好適な容器によってパッケージ化できる。更なるパッケージの種類が、欧州特許出願第94921505.7号に記載されている。
【0195】
複数区画パウチ添加剤
また、本明細書に記載する洗浄組成物は、複数区画洗浄組成物としてパッケージ化されてもよい。
【実施例】
【0196】
次の各実施例では、本洗浄組成物内の個々の成分は、本洗浄組成物の重量に対するパーセンテージとして表現される。
【0197】
合成実施例
(実施例1)
1モルの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール+4モルのプロピレンオキシド/OH、アミノ化済
a)1モルの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール+4モルのプロピレンオキシド/OH
2Lのオートクレーブ内で、322.6gの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールと7.9gのKOH(50%水溶液)を混合して、真空(1kPa(10ミリバール)未満)下で、120℃にて2時間にわたって撹拌した。オートクレーブを窒素でパージして、140℃に加熱した。467.8gのプロピレンオキシドを、6時間の間に分割して添加した。反応を完了させるために、この混合物を140℃で、更に5時間にわたって後反応(post-react)させた。この反応混合物を窒素でストリッピングし、揮発性化合物を80℃にて真空中で除去した。2.3gの合成ケイ酸マグネシウム(Macrosorb MP5plus、Ineos Silicas Ltd.)を加え、100℃にて2時間にわたって撹拌し、濾過することによって、触媒の水酸化カリウムを取り除いた。黄色の油が得られた(772.0g、水酸基価:248.5mgKOH/g)。
【0198】
b)1モルの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール+4モルのプロピレンオキシド/OH、アミノ化済
9Lのオートクレーブ内で、実施例1−aから得られた600gのジオール混合物と、1250gのTHFと、1500gのアンモニアとを、欧州特許第0696572B1号に開示されているように、200mLの固体触媒の存在下で混合した。ニッケル、コバルト、銅、モリブデン、及びジルコニウムを含有する触媒は、3×3mmの錠剤形態であった。オートクレーブを水素でパージし、オートクレーブを加熱することによって、反応を開始させた。この反応混合物を18時間にわたって205℃にて撹拌し、還元的アミノ化工程全体を通して、水素をパージすることにより、全圧を27MPa(270バール)に維持した。オートクレーブの冷却後、最終生成物を回収して濾過し、過剰なアンモニアを脱気し、ロータリーエバポレーターにてストリッピングして、軽量アミンと水を除去した。全部で560グラムの、薄い色のエーテルアミン混合物が回収された。表1に分析結果を示す。
【0199】
【表1】
【0200】
(実施例2)
1モルの2,2,4−トリメチル−1,3−プロパンジオール+4モルのプロピレンオキシド、アミノ化済
a)1モルの2,2,4−トリメチル−1,3−プロパンジオール+4モルのプロピレンオキシド
2Lのオートクレーブ内で、327.3gの溶解させた2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールと8.5gのKOH(50%水溶液)を、2時間にわたって、80℃、1kPa(10ミリバール)未満にて、脱水した。オートクレーブを窒素でパージして、140℃に加熱した。519.4gのプロピレンオキシドを、6時間の間に分割して添加した。反応を完了させるために、この混合物を140℃で、更に5時間にわたって後反応させた。この反応混合物を窒素でストリッピングし、揮発性化合物を80℃にて真空中で除去した。2.5gのMacrosorb MP5plusを加え、100℃にて2時間にわたって撹拌し、濾過することによって、触媒を取り除いた。黄色の油が得られた(825.0g、水酸基価:172.3mgKOH/g)。
【0201】
b)1モルの2,2,4−トリメチル−1,3−プロパンジオール+4モルのプロピレンオキシド、アミノ化済
9Lのオートクレーブ内で、実施例2−aから得られた700gのジオール混合物と、1000mLのTHFと、1500gのアンモニアとを、欧州特許第0696572B1号に開示されているように、200mLの固体触媒の存在下で混合した。ニッケル、コバルト、銅、モリブデン、及びジルコニウムを含有する触媒は、3×3mmの錠剤形態であった。オートクレーブを水素でパージし、オートクレーブを加熱することによって、反応を開始させた。この反応混合物を15時間にわたって205℃にて撹拌し、還元的アミノ化工程全体を通して、水素をパージすることにより、全圧を28MPa(280バール)に維持した。オートクレーブの冷却後、最終生成物を回収して濾過し、過剰なアンモニアを脱気し、ロータリーエバポレーターにてストリッピングして、軽量アミンと水を除去した。全部で670グラムの、薄い色のエーテルアミン混合物が回収された。表2に分析結果を示す。
【0202】
【表2】
【0203】
(実施例3)
1モルの2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール+4モルのプロピレンオキシド、アミノ化済
a)1モルの2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール+4モルのプロピレンオキシド
2Lのオートクレーブ内で、197.4gの溶解させた2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールと5.4gのKOH(50%水溶液)を、2時間にわたって、80℃、1kPa(10ミリバール)未満にて、脱水した。オートクレーブを窒素でパージして、140℃に加熱した。346.4gのプロピレンオキシドを、4時間の間に分割して添加した。反応を完了させるために、この混合物を140℃で、更に5時間にわたって後反応させた。この反応混合物を窒素でストリッピングし、揮発性化合物を80℃にて真空中で除去した。1.6gのMacrosorb MP5plusを加え、100℃にて2時間にわたって撹拌し、濾過することによって、触媒を取り除いた。黄色の油が得られた(530.0g、水酸基価:267.8mgKOH/g)。
【0204】
b)1モルの2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール+4モルのプロピレンオキシド、アミノ化済
9Lのオートクレーブ内で、実施例3−aから得られた500gのジオール混合物と、1200mLのTHFと、1500gのアンモニアとを、欧州特許第0696572B1号に開示されているように、200mLの固体触媒の存在下で混合した。ニッケル、コバルト、銅、モリブデン、及びジルコニウムを含有する触媒は、3×3mmの錠剤形態であった。オートクレーブを水素でパージし、オートクレーブを加熱することによって、反応を開始させた。この反応混合物を15時間にわたって205℃にて撹拌し、還元的アミノ化工程全体を通して、水素をパージすることにより、全圧を27MPa(270バール)に維持した。オートクレーブの冷却後、最終生成物を回収して濾過し、過剰なアンモニアを脱気し、ロータリーエバポレーターにてストリッピングして、軽量アミンと水を除去した。全部で470グラムの、薄い色のエーテルアミン混合物が回収された。表3に分析結果を示す。
【0205】
【表3】
【0206】
(実施例4)
1モルの2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール+4モルのプロピレンオキシド、アミノ化済
a)1モルの2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール+4モルのプロピレンオキシド
2Lのオートクレーブ内で、198.3gの溶解させた2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールと5.5gのKOH(50%水溶液)を、2時間にわたって、80℃、1kPa(10ミリバール)未満にて、脱水した。オートクレーブを窒素でパージして、140℃に加熱した。348.0gのプロピレンオキシドを、4時間の間に分割して添加した。反応を完了させるために、この混合物を140℃で、更に5時間にわたって後反応させた。この反応混合物を窒素でストリッピングし、揮発性化合物を80℃にて真空中で除去した。1.6gのMacrosorb MP5plusを加え、100℃にて2時間にわたって撹拌し、濾過することによって、触媒を取り除いた。黄色の油が得られた(520.0g、水酸基価:308.1mgKOH/g)。
【0207】
b)1モルの2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール+4モルのプロピレンオキシド、アミノ化済
9Lのオートクレーブ内で、実施例4−aから得られた500gのジオール混合物と、1200mLのTHFと、1500gのアンモニアとを、欧州特許第0696572B1号に開示されているように、200mLの固体触媒の存在下で混合した。ニッケル、コバルト、銅、モリブデン、及びジルコニウムを含有する触媒は、3×3mmの錠剤形態であった。オートクレーブを水素でパージし、オートクレーブを加熱することによって、反応を開始させた。この反応混合物を15時間にわたって205℃にて撹拌し、還元的アミノ化工程全体を通して、水素をパージすることにより、全圧を27MPa(270バール)に維持した。オートクレーブの冷却後、最終生成物を回収して濾過し、過剰なアンモニアを脱気し、ロータリーエバポレーターにてストリッピングして、軽量アミンと水を除去した。全部で470グラムの、薄い色のエーテルアミン混合物が回収された。表4に分析結果を示す。
【0208】
【表4】
【0209】
(実施例5)
1モルの2−エチル−1,3−ヘキサンジオール+4モルのプロピレンオキシド、アミノ化済
a)1モルの2−エチル−1,3−ヘキサンジオール+4モルのプロピレンオキシド
2Lのオートクレーブに、290.6gの溶解させた2−エチル−1,3−ヘキサンジオールと7.5gのKOH(50%水溶液)を仕込んだ。この混合物を、2時間にわたって、90℃、1kPa(10ミリバール)未満にて、脱水した。オートクレーブを窒素でパージして、140℃に加熱した。461.1gのプロピレンオキシドを、4時間の間に分割して添加した。反応を完了させるために、この混合物を140℃で、更に5時間にわたって撹拌した。この反応混合物を窒素でストリッピングし、揮発性化合物を80℃にて真空中で除去した。2.3gのMacrosorb MP5plusを加え、100℃にて2時間にわたって撹拌し、濾過することによって、触媒を取り除いた。黄色の油が得られた(745.0g、水酸基価:229.4mgKOH/g)。
【0210】
b)1モルの2−エチル−1,3−ヘキサンジオール+4モルのプロピレンオキシド、アミノ化済
9Lのオートクレーブ内で、実施例5−aから得られた750gのジオール混合物と、950mLのTHFと、1500gのアンモニアとを、欧州特許第0696572B1号に開示されているように、200mLの固体触媒の存在下で混合した。ニッケル、コバルト、銅、モリブデン、及びジルコニウムを含有する触媒は、3×3mmの錠剤形態であった。オートクレーブを水素でパージし、オートクレーブを加熱することによって、反応を開始させた。この反応混合物を15時間にわたって205℃にて撹拌し、還元的アミノ化工程全体を通して、水素をパージすることにより、全圧を27MPa(270バール)に維持した。オートクレーブの冷却後、最終生成物を回収して濾過し、過剰なアンモニアを脱気し、ロータリーエバポレーターにてストリッピングして、軽量アミンと水を除去した。全部で710グラムの、薄い色のエーテルアミン混合物が回収された。表5に分析結果を示す。
【0211】
【表5】
【0212】
(実施例6)
1モルの2−フェニル−2−メチル−1,3−プロパンジオール+4モルのプロピレンオキシド、アミノ化済
a)1モルの2−フェニル−2−メチル−1,3−プロパンジオール+4モルのプロピレンオキシド
2Lのオートクレーブに、298.4gの2−フェニル−2−メチル−1,3−プロパンジオールと7.1gのKOH(50%水溶液)を仕込み、120℃に加熱した。この混合物を、2時間にわたって、120℃、1kPa(10ミリバール)未満にて、脱水した。オートクレーブを窒素でパージして、140℃に加熱した。408.6gのプロピレンオキシドを、4時間の間に分割して添加した。反応を完了させるために、この混合物を140℃で、更に5時間にわたって撹拌した。この反応混合物を窒素でストリッピングし、揮発性化合物を80℃にて真空中で除去した。2.1gのMacrosorb MP5plusを加え、100℃にて2時間にわたって撹拌し、濾過することによって、触媒を取り除いた。黄色の油が得られた(690.0g、水酸基価:266.1mgKOH/g)。
b)1モルの2−フェニル−2−メチル−1,3−プロパンジオール+4モルのプロピレンオキシド、アミノ化済
9Lのオートクレーブ内で、実施例6−aから得られた600gのジオール混合物と、1100mLのTHFと、1500gのアンモニアとを、欧州特許第0696572B1号に開示されているように、200mLの固体触媒の存在下で混合した。ニッケル、コバルト、銅、モリブデン、及びジルコニウムを含有する触媒は、3×3mmの錠剤形態であった。オートクレーブを水素でパージし、オートクレーブを加熱することによって、反応を開始させた。この反応混合物を15時間にわたって205℃にて撹拌し、還元的アミノ化工程全体を通して、水素をパージすることにより、全圧を27MPa(270バール)に維持した。オートクレーブの冷却後、最終生成物を回収して濾過し、過剰なアンモニアを脱気し、ロータリーエバポレーターにてストリッピングして、軽量アミンと水を除去した。全部で570グラムの、薄い色のエーテルアミン混合物が回収された。表6に分析結果を示す。
【0213】
【表6】
【0214】
(実施例7)
1モルの2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール+4モルのプロピレンオキシド、アミノ化済
a)1モルの2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール+4モルのプロピレンオキシド
2Lのオートクレーブに、208.3gの2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールと1.34gのカリウムtert.−ブチラートを仕込み、120℃に加熱した。オートクレーブを窒素でパージして、140℃に加熱した。464gのプロピレンオキシドを、6時間の間に分割して添加した。反応を完了させるために、この混合物を140℃で、更に5時間にわたって撹拌した。この反応混合物を窒素でストリッピングし、揮発性化合物を80℃にて真空中で除去した。1.1gのMacrosorb MP5plusを加え、100℃にて2時間にわたって撹拌し、濾過することによって、触媒を取り除いた。明るい黄色の油が得られた(650.0g、水酸基価:308.6mgKOH/g)。
【0215】
b)1モルの2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール+4モルのプロピレンオキシド、アミノ化済
9Lのオートクレーブ内で、実施例6−aから得られた500gのジオール混合物と、1200mLのTHFと、1500gのアンモニアとを、欧州特許第0696572B1号に開示されているように、200mLの固体触媒の存在下で混合した。ニッケル、コバルト、銅、モリブデン、及びジルコニウムを含有する触媒は、3×3mmの錠剤形態であった。オートクレーブを水素でパージし、オートクレーブを加熱することによって、反応を開始させた。この反応混合物を15時間にわたって205℃にて撹拌し、還元的アミノ化工程全体を通して、水素をパージすることにより、全圧を28MPa(280バール)に維持した。オートクレーブの冷却後、最終生成物を回収して濾過し、過剰なアンモニアを脱気し、ロータリーエバポレーターにてストリッピングして、軽量アミンと水を除去した。全部で450グラムの、薄い色のエーテルアミン混合物が回収された。表7に分析結果を示す。
【0216】
【表7】
【0217】
実施例8:1モルの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール+5.6モルのプロピレンオキシド、アミノ化済
a)1モルの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール+5.6モルのプロピレンオキシド
2Lのオートクレーブ内で、313.1gの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールと3.8gのKOH(50%水溶液)を混合して、真空(1kPa(10ミリバール)未満)下で、120℃にて2時間にわたって撹拌した。オートクレーブを窒素でパージして、140℃に加熱した。635.6gのプロピレンオキシドを、6時間の間に分割して添加した。反応を完了させるために、この混合物を140℃で、更に5時間にわたって後反応させた。この反応混合物を窒素でストリッピングし、揮発性化合物を80℃にて真空中で除去した。50.9gの水と8.2gのリン酸(40%水溶液)を加え、100℃にて0.5時間にわたって撹拌し、真空中で2時間にわたって脱水することにより、触媒を取り除いた。濾過後、930.0gの明るい黄色の油が得られた(水酸基価:190mgKOH/g)。
【0218】
b)1モルの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール+5.6モルのプロピレンオキシド、アミノ化済
15mLのシリカ(3×3mmのペレット)を入れ、続いて、70mL(74g)の触媒前駆物質(国際公開第2013/072289A1号に従って調製した、ガンマ−Al上にニッケル、コバルト、銅、及びスズの酸化物を含有し、1.0〜1.6mmに分割されたもの)を入れ、シリカ(約15mL)で充填した管型反応器(長さ500mm、直径18mm)内で、8a(1モルの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール+5.6モルのプロピレンオキシド)のアミノ化を行った。
【0219】
大気圧下で、25Nl/hの窒素で100℃に加熱してから、水素供給を2から25Nl/hまで増加させて150℃にて3時間加熱し、その後1時間当たり60℃の加熱速度で280℃まで加熱し、12時間にわたって280℃に維持して、この触媒を活性化した。
【0220】
反応器を100℃まで冷却し、窒素流を遮断し、圧力を、12MPa(120バール)まで上昇させた。100℃にてこの触媒にアンモニアを流した(flush)後、温度を206℃に上昇させ、アルコール供給を、0.19kg/リットル*hのWHSV(アンモニア/アルコールのモル比=55:1、水素/アルコールのモル比=11.6:1)にて開始した。粗製品を回収し、ロータリーエバポレーターにてストリッピングして、過剰アンモニア、軽量アミンと反応水を除去すると、8b(1モルの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール+5.6モルのプロピレンオキシド、アミノ化済)が産生された。この反応生成物の分析データを表8に示す。
【0221】
【表8】
【0222】
(実施例9)
NA洗濯洗剤組成物の脂汚れ除去の比較
以下の洗濯洗剤組成物は、当業者により知られる従来の手法により、列挙される成分を混合して調製される。組成物Aは、従来の高級洗濯洗剤であり、以下の式Aの構造を含む直鎖アミン末端ポリアルキレングリコールである、Baxxodur(登録商標)EC301を含有する。
【0223】
【化19】
【0224】
洗剤組成物B及びCはそれぞれ、1モルの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール+5.0モルのプロピレンオキシド(アミノ化済)を含むポリエーテルアミン(例えば、下の式D参照)を含有する。
【0225】
【化20】
【0226】
【表9】
1.−NH当たり20個のエトキシル基を有するポリエチレンイミン(MW=600)
2.Stepan(Northfield、Illinois、USA)から供給されている平均脂肪族炭素鎖長がC11〜C12である直鎖アルキルベンゼンスルホネート
3.AE9は、Huntsman(Salt Lake City、Utah、USA)から供給されている、平均エトキシル化度が9のC12〜13アルコールエトキシレートである。
4.好適なキレート剤は例えば、Dow Chemical(Midland、Michigan、USA)から供給されているジエチレンテトラアミン五酢酸(DTPA)、又はSolutia(St Louis、Missouri、USA Bagsvaerd、Denmark)から供給されているヒドロキシエタンジホスホネート(HEDP)である。
5.Natalase(登録商標)、Mannaway(登録商標)はいずれも、Novozymes(Bagsvaerd、Denmark)の製品である。
6.プロテアーゼは、Genencor International(Palo Alto、California、USA)(例えば、Purafect Prime(登録商標))、又はNovozymes(Bagsvaerd、Denmark)(例えば、Liquanase(登録商標)、Coronase(登録商標)など)によって提供され得る。
10.好適な蛍光増白剤は、例えば、Tinopal(登録商標)AMS、Tinopal(登録商標)CBS−X、スルホン化亜鉛フタロシアニン(Ciba Specialty Chemicals(Basel、Switzerland))である。
11.1モルの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール+5.0モルのプロピレンオキシド、アミノ化済
12.両親媒性アルコキシル化脂洗浄ポリマーは、−NHにつき24個のエトキシル基、及び−NHにつき16個のプロポキシル基を有するポリエチレンイミン(MW=600)である。
13.Huntsman(Salt Lake City、Utah、USA)
14.Novozymes A/S(Bagsvaerd、Denmark)
15.Novozymes A/S(Bagsvaerd、Denmark)
【0227】
米国産粘土(US clay)、Frank’s(登録商標)Hot Sauce、ハンバーグの脂、イタリアンドレッシング、及び化粧品を含有する綿(CW120)製の工業用汚れ布見本を、Empirical Manufacturing Co.,Inc(Cincinnati、OH)から購入した。これらの布見本を、Whirlpool(登録商標)(フロントローダー式洗濯機)で洗浄した。水の硬度は1リットル当たり0.1グラム(1ガロン当たり6グレーン)であり、摂氏38度(華氏100度)にて洗浄した。この試験で使用した液体洗剤の総量は、49グラムであった。
【0228】
標準的な測色測定法を使用して、洗浄の前後の各汚れに対するL値、a値、及びb値を得た。L値、a値、及びb値から、汚れの程度を計算した。
【0229】
布見本からの汚れの除去は、次のように測定した:
【0230】
【数1】
ΔEinitial=洗浄前の汚れレベル
ΔEwashed=洗浄後の汚れレベル
【0231】
各汚れの種類毎に8つの複製物を調製した。以下に示すSRI値は、汚れの種類毎の平均SRI値である。洗浄前には、布地の汚れの程度(ΔEinitial)は高く、洗浄プロセスにおいて、汚れが除去され、洗浄後には、汚れの程度は低下する(ΔEwashed)。汚れの除去が良好であるほど、ΔEwashedの値は小さくなり、ΔEinitialとΔEwashedとの間の差(ΔEinitial−ΔEwashed)は大きくなる。それ故、汚れ除去指数の値は、洗浄能力が増加するにつれて大きくなる。
【0232】
【表10】
【0233】
これらの結果は、直鎖アミン末端ポリアルキレングリコール(組成物A)と比較した場合、脂除去において本開示のポリエーテルアミン(組成物B及び組成物Cで使用されている)による驚くべき利益があることを示している。
【0234】
(実施例10)
洗濯洗浄粉末組成物の脂除去の比較
以下の洗濯洗剤組成物は、当業者により知られる従来の手法により、列挙される成分を混合して調製される。組成物Aは、アミン末端ポリアルキレングリコール化合物を含有していない従来の高級洗濯洗剤である。組成物Bは、直鎖アミン末端ポリアルキレングリコール(上の式A参照)である、Baxxodur(登録商標)EC301を含有する洗濯洗剤である。
【0235】
組成物Cは、実施例1のポリエーテルアミン(例えば、下の式B参照)を含有する洗剤である。
【0236】
【化21】
【0237】
【表11】
1.Stepan(Northfield、Illinois、USA)から供給されている平均脂肪族炭素鎖長がC11〜C12である直鎖アルキルベンゼンスルホネート
2.AE3Sは、Stepan(Northfield、Illinois、USA)から供給されているC12〜15アルキルエトキシ(3)サルフェートである。
3.Zeolite Aは、Industrial Zeolite(UK)Ltd(Grays、Essex、UK)から供給される。
4.1.6Rケイ酸塩は、Koma(Nestemica、Czech Republic)から供給される。
5.炭酸ナトリウムは、Solvay(Houston、Texas、USA)から供給される。
6.汚れ放出剤は、Rhodia(Paris、France)から供給されるRepel−o−tex(登録商標)PFである。
7.アクリル酸/マレイン酸コポリマーは、分子量が70,000、アクリレート:マレエートの比率が70:30であり、BASF(Ludwigshafen、Germany)から供給されている。
8.Savinase(登録商標)、Natalase(登録商標)、Stainzyme(登録商標)、Lipex(登録商標)、Celluclean(商標)、Mannaway(登録商標)、及びWhitezyme(登録商標)はいずれも、Novozymes(Bagsvaerd、Denmark)の製品である。
9.プロテアーゼは、Genencor International(Palo Alto、California、USA)(例えば、Purafect Prime(登録商標))、又はNovozymes(Bagsvaerd、Denmark)(例えば、Liquanase(登録商標)、Coronase(登録商標)など)によって提供され得る。
10.実施例1のポリエーテルアミン、1モルの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール+4モルのプロピレンオキシド/OH、アミノ化済。
11.TAEDは、Clariant GmbH(Sulzbach、Germany)からPeractive(登録商標)のブランド名で供給されているテトラアセチルエチレンジアミンである。
12.過炭酸ナトリウムは、Solvay(Houston、Texas、USA)から供給されている。
13.エチレンジアミン−N,N’−二コハク酸、(S,S)異性体(EDDS)のNa塩は、Octel(Ellesmere Port、UK)から供給される。
14.ヒドロキシエタンジホスホネート(HEDP)は、Dow Chemical(Midland、Michigan、USA)から供給されている。
15.抑泡剤疑集体は、Dow Corning(Midland、Michigan、USA)から供給される。
16.蛍光増白剤1はTinopal(登録商標)AMS、蛍光増白剤2はTinopal(登録商標)CBS−X、スルホン化亜鉛フタロシアニンであり、ダイレクトバイオレット9はPergasol(登録商標)バイオレットBN−Zであり、これらは全てCiba Specialty Chemicals(Basel、Switzerland)から供給される。
【0238】
ベーコン脂、焦がしバター、粗悪な(dirty)モーターオイル、ハンバーグの脂、イタリアンドレッシング、口紅、マーガリン、ピザソース、タコスの脂を含有する綿(CW120)製の工業用汚れ布見本を、Empirical Manufacturing Co.,Inc(Cincinnati、OH)から購入した。これらの布見本を、1リットル当たり0.24グラム(1ガロン当たり14グレーン)の硬度で、30℃において綿サイクル(cotton cycle)を選択し、各洗剤組成物を80gずつ使用して、従来型の西ヨーロッパ式洗濯機(Meile(登録商標))で洗浄した。
【0239】
標準的な測色測定法を使用して、洗浄の前後の各汚れに対するL値、a値、及びb値を得た。その後、上記SRIの式に従って、汚れ除去指数を計算した。各汚れの種類毎に8つの複製物を調製した。以下に示すSRI値は、汚れの種類毎の平均SRI値である。
【0240】
【表12】
【0241】
これらの結果は、直鎖アミン末端ポリアルキレングリコール(組成物B)及び従来の(ポリエーテルアミン非含有(nil-polyetheramine))粉末洗剤と比較した場合、特に、ハンバーグの脂及びタコスの脂などの、除去が困難で消費者に多い汚れに対する脂除去において、本開示のポリエーテルアミン(組成物C)による驚くべき利益があることを示している。
【0242】
(実施例11)
洗濯液体組成物の脂除去の比較
以下の洗濯洗剤組成物は、当業者により知られる従来の手法により、列挙される成分を混合して調製される。組成物Aは、アミン末端ポリアルキレングリコール化合物を含有していない従来の高級洗濯洗剤である。組成物Bは、実施例1のポリエーテルアミン(例えば、上の式B参照)を含有する液体洗剤である。
【0243】
【表13】
1.−NH当たり20個のエトキシル基を有するポリエチレンイミン(MW=600)
2.ランダムグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド主鎖と複数のポリビニルアセテート側鎖とを有する、ポリビニルアセテートグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は、約6,000であり、ポリエチレンオキシドのポリビニルアセテートに対する重量比は約40〜60であり、50エチレンオキシド単位当たり1以下のグラフト点を有する。
3.Stepan(Northfield、Illinois、USA)から供給されている平均脂肪族炭素鎖長がC11〜C12である直鎖アルキルベンゼンスルホネート
4.AE3Sは、Stepan(Northfield、Illinois、USA)から供給されているC12〜15アルキルエトキシ(3)サルフェートである。
5.AE7は、Huntsman(Salt Lake City、Utah、USA)から供給されている、平均エトキシル化度が7のC12〜15アルコールエトキシレートである。
6.AE9は、Huntsman(Salt Lake City、Utah、USA)から供給されている、平均エトキシル化度が9のC12〜13アルコールエトキシレートである。
7.好適なキレート剤は例えば、Dow Chemical(Midland、Michigan、USA)から供給されているジエチレンテトラアミン五酢酸(DTPA)、又はSolutia(St Louis、Missouri、USA Bagsvaerd、Denmark)から供給されているヒドロキシエタンジホスホネート(HEDP)である。
8.Savinase(登録商標)、Natalase(登録商標)、Stainzyme(登録商標)、Lipex(登録商標)、Celluclean(商標)、Mannaway(登録商標)、及びWhitezyme(登録商標)はいずれも、Novozymes(Bagsvaerd、Denmark)の製品である。
9.プロテアーゼは、Genencor International(Palo Alto、California、USA)(例えば、Purafect Prime(登録商標))、又はNovozymes(Bagsvaerd、Denmark)(例えば、Liquanase(登録商標)、Coronase(登録商標)など)によって提供され得る。
10.好適な蛍光増白剤は、例えば、Tinopal(登録商標)AMS、Tinopal(登録商標)CBS−X、スルホン化亜鉛フタロシアニン(Ciba Specialty Chemicals(Basel、Switzerland))である。
11.実施例1のポリエーテルアミン、1モルの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール+4モルのプロピレンオキシド/OH、アミノ化済。
【0244】
ベーコン脂、焦がしバター、粗悪なモーターオイル、ハンバーグの脂、イタリアンドレッシング、口紅、マーガリン、ピザソース、タコスの脂を含有する綿(CW120)製の工業用汚れ布見本を、Empirical Manufacturing Co.,Inc(Cincinnati、OH)から購入した。これらの布見本を、1リットル当たり0.24グラム(1ガロン当たり14グレーン)の硬度で、30℃において綿サイクルを選択し、各洗剤組成物を80gずつ使用して、従来型の西ヨーロッパ式洗濯機(Miele(登録商標))で洗浄した。標準的な測色測定法を使用して、洗浄の前後の各汚れに対するL値、a値、及びb値を得た。その後、上記SRIの式に従って、汚れ除去指数を計算した。各汚れの種類毎に8つの複製物を調製した。以下に示すSRI値は、汚れの種類毎の平均SRI値である。
【0245】
【表14】
【0246】
これらの結果は、従来の(ポリエーテルアミン非含有)液体洗剤(組成物A)と比較した場合、特に、ハンバーグの脂及びタコスの脂などの、除去が困難で消費者に多い汚れに対する脂除去において、本開示のポリエーテルアミン(組成物Bにおいて使用されている)による驚くべき利益があることを示している。
【0247】
(実施例12)
粉末添加剤における脂除去の比較
以下の洗濯洗剤組成物は、当業者により知られる従来の手法により、列挙される成分を混合して調製される。組成物Aは、アミン末端ポリアルキレングリコール化合物を含有していない粉末添加剤である。組成物Bは、直鎖アミン末端ポリアルキレングリコール(上の式A参照)である、Baxxodur(登録商標)EC301を含有する、粉末添加剤である。組成物Cは、実施例1のポリエーテルアミン(例えば、上の式B参照)を含有する粉末添加剤である。
【0248】
工業用汚れ布見本を、Warwick Equest Ltd.から購入し、従来の西ヨーロッパ式洗濯機(Ariston Hotpoint)にて、30℃において、綿サイクルを選択し、80gの市販の液体洗剤組成物(即ち、Ariel Liquid Actilift)と、30gの粉末添加剤(組成物A、組成物B、又は組成物C)を使用して、洗浄した。
【0249】
標準的な測色測定法を使用して、洗浄の前後の各汚れに対するL値、a値、及びb値を得た。その後、上記SRIの式に従って、汚れ除去指数を計算した。各汚れの種類毎に8つの複製物を調製した。以下に示すSRI値は、汚れの種類毎の平均SRI値である。
【0250】
【表15】
1.マンナウェイ、Novozymes(Denmark)製、1グラム当たり4mgの活性酵素
2.セルクリーン、Novozymes(Denmark)製、1グラム当たり15.6mgの活性酵素
3.実施例1のポリエーテルアミン、1モルの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール+4モルのプロピレンオキシド/OH、アミノ化済
4.TAEDは、Clariant GmbH(Sulzbach、Germany)からPeractive(登録商標)のブランド名で供給されているテトラアセチルエチレンジアミンである。
5.過炭酸ナトリウムは、Solvay(Houston、Texas、USA)から供給されている。
6.AE7は、Huntsman(Salt Lake City、Utah、USA)から供給されている、平均エトキシル化度が7のC14〜15アルコールエトキシレートである。
7.NOBSは、Future Fuels(Batesville、Arkansas、USA)から供給されているノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムである。
8.好適な蛍光増白剤は、例えば、Tinopal(登録商標)AMS、Tinopal(登録商標)CBS−X、スルホン化亜鉛フタロシアニン(Ciba Specialty Chemicals(Basel、Switzerland))である。
【0251】
【表16】
【0252】
【表17】
【0253】
これらの結果は、アミン末端ポリアルキレングリコール化合物(粉末添加剤A)を含有しない粉末添加剤と比較した場合、また、Baxxodur(登録商標)EC301(粉末添加剤B)を含有する粉末添加剤と比較した場合、脂除去において本発明のポリエーテルアミン(組成物Cで使用されている)による驚くべき利益があることを示している。
【0254】
(実施例13)
牛脂、豚脂、ソーセージ脂、鶏脂、ベーコン脂、及びNapolinaのオリーブ油を含有する、青色の綿メリヤス製の工業用汚れ布見本を、Warwick Equest Ltd.から購入し、従来型の西ヨーロッパ式洗濯機(Miele Waschmaschine Softronic W 2241)にて、加熱なしの59分の洗浄サイクルを選択し、75gの液体洗剤組成物LA1(表18)(ポリエーテルアミン非含有)又は1.25gのポリエーテルアミン(LA1に添加する前に塩酸で中和したもの)と混合した75gのLA1を使用して、洗浄した。75gのLA1(表18)の、1Lの水中でのpHは、pH=8.3である。水の硬度は、2.5mM(Ca2+:Mg2+は3:1)であった。
【0255】
標準的な測色測定法を使用して、洗浄の前後の各汚れに対するL値、a値、及びb値を得た。L値、a値、及びb値から、汚れの程度を計算した。その後、上記SRIの式に従って、汚れ除去指数を計算した。各汚れの種類毎に4つの複製物を調製した。以下に示すSRI値は、汚れの種類毎の平均SRI値である。
【0256】
【表18】
Stepan(Northfield、Illinois、USA)から供給されている平均脂肪族炭素鎖長がC11〜C12である直鎖アルキルベンゼンスルホネート
AE3Sは、Stepan(Northfield、Illinois、USA)から供給されているC12〜15アルキルエトキシ(3)サルフェートである。
AE9は、Huntsman(Salt Lake City、Utah、USA)から供給されている、平均エトキシル化度が9のC12〜14アルコールエトキシレートである。
NI 45−7は、Huntsman(Salt Lake City、Utah、USA)から供給されている、平均エトキシル化度が7のC14〜15アルコールエトキシレートである。
ランダムグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド主鎖と複数のポリビニルアセテート側鎖とを有する、ポリビニルアセテートグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は、約6,000であり、ポリエチレンオキシドのポリビニルアセテートに対する重量比は約40〜60であり、50エチレンオキシド単位当たり1以下のグラフト点を有する。
次の一般構造:ビス((C2H5O)(C2H4O)n)(CH3)−N+−CxH2x−N+−(CH3)−ビス((C2H5O)(C2H4O)n)(式中、nは20〜30であり、xは3〜8である)を有する化合物、又はこのサルフェート化若しくはスルホネート化変異体
−NH当たり20個のエトキシル基を有するポリエチレンイミン(MW=600)。
プロテアーゼは、Genencor International(Palo Alto、California、USA)(例えば、Purafect Prime(登録商標))、又はNovozymes(Bagsvaerd、Denmark)(例えば、Liquanase(登録商標)、Coronase(登録商標)など)によって提供され得る。
Natalase(登録商標)、Mannaway(登録商標)はいずれも、Novozymes(Bagsvaerd、Denmark)の製品である。
10 好適なキレート剤は、例えば、Dow Chemical(Midland、Michigan、USA)から供給されているジエチレンテトラアミン五酢酸(DTPA)、又はSolutia(St Louis、Missouri、USA)から供給されているヒドロキシエタンジホスホネート(HEDP)若しくはジエチレントリアミンペンタ(メチルホスホン)酸である。
11 蛍光増白剤1は、Tinopal(登録商標)AMSであり、蛍光増白剤2は、Ciba Specialty Chemicals(Basel、Switzerland)から供給されている
【0257】
【表19】
A:液体洗剤組成物LA1(表18)、ポリエーテルアミン非含有
B:ポリエーテルアミンを含有する液体洗剤組成物LA1(表18)、ポリエーテルアミンは、Polyetheramine(登録商標)D 230、又はJEFFAMINE(登録商標)D−230、又はBaxxodur(登録商標)EC301という商品名で販売されているもの(例えば、(2−アミノメチルエチル)−オメガ−(2−アミノメチルエトキシ)−ポリ(オキシ(メチル−1,2−エタンジイル(ethandiyl)))など)
C:実施例1(例えば、上の式B参照)のポリエーテルアミンを含有する液体洗剤組成物LA1(表18)
D:実施例4(例えば、下の式E参照)のポリエーテルアミンを含有する液体洗剤組成物LA1(表18)
【0258】
【化22】
E:実施例6(例えば、下の式F参照)のポリエーテルアミンを含有する液体洗剤組成物LA1(表18)
【0259】
【化23】
【0260】
【表20】
A:液体洗剤組成物LA1(表18)、ポリエーテルアミン非含有
B:ポリエーテルアミンを含有する液体洗剤組成物LA1(表18)、ポリエーテルアミンは、Polyetheramine(登録商標)D230、又はJEFFAMINE(登録商標)D−230、又はBaxxodur(登録商標)EC301という商品名で販売されているもの(例えば、(2−アミノメチルエチル)−オメガ−(2−アミノメチルエトキシ)−ポリ(オキシ(メチル−1,2−エタンジイル))など)
C:実施例5(例えば、下の式G参照)のポリエーテルアミンを含有する液体洗剤組成物LA1(表18)
【0261】
【化24】
【0262】
【表21】
A:液体洗剤組成物LA1(表18)、ポリエーテルアミン非含有
B:実施例7(例えば、下の式H参照)のポリエーテルアミンを含有する液体洗剤組成物LA1(表18)
【0263】
【化25】
【0264】
(実施例14)
牛脂、豚脂、及び鶏脂を含有する、青色の綿メリヤス製の工業用汚れ布見本を、Warwick Equest Ltd.から購入し、従来型の西ヨーロッパ式洗濯機(Miele Waschmaschine Softronic W 2241)にて、加熱なしの59分の洗浄サイクルを選択し(18℃にて洗浄)、75gの液体洗剤組成物LA1(表18参照)(ポリエーテルアミン非含有)又は0.75gのポリエーテルアミン(LA1に添加する前に塩酸で中和したもの)と混合した75gのLA1を使用して、洗浄した。75gのLA1(表18)の、1Lの水中でのpHは、pH=8.3である。
【0265】
【表22】
A:液体洗剤組成物LA1(表18参照)、ポリエーテルアミン非含有
B:実施例8のポリエーテルアミンを含有する液体洗剤組成物LA1(表18参照)
C:ポリエーテルアミンを含有する液体洗剤組成物LA1(表18参照)、ポリエーテルアミンは、Polyetheramine(登録商標)D230、又はJeffamine(登録商標)D−230、又はBaxxodur(登録商標)EC301という商品名で販売されているもの(例えば、(2−アミノメチルエチル)−オメガ−(2−アミノメチルエトキシ)−ポリ(オキシ(メチル−1,2−エタンジイル))など)
【0266】
本発明に係るポリエーテルアミンを含有する洗浄組成物(洗浄試験4B参照)は、ポリエーテルアミン非含有洗剤組成物(洗浄試験4A参照)よりも優れた脂洗浄効果を示し、また、比較例のポリエーテルアミンを含有する洗浄組成物(洗浄試験4C)よりも優れた脂洗浄効果を示した。
【0267】
(実施例15)
一回分単位用量型洗濯洗剤の脂汚れ除去の比較
以下の洗濯洗剤組成物は、当業者により知られる従来の手法により、列挙される成分を混合して調製される。組成物Aは、一回分単位の洗濯洗剤(single unit laundry detergent)(ポリエーテルアミン非含有)である。組成物Bは、Baxxodur(登録商標)EC301を含有する一回分単位の洗濯洗剤である。洗剤組成物Cは、実施例1のポリエーテルアミン(例えば、上の式B参照)を含有する一回分単位の洗濯洗剤である。
【0268】
【表23】
1.直鎖アルキルベンゼン、Sasol(Lake Charles、LA)
2.AE9は、Huntsman(Salt Lake City、Utah、USA)から供給されている、平均エトキシル化度が9のC12〜13アルコールエトキシレートである。
3.Genencor International(Palo Alto、California、USA)によって提供されているプロテアーゼ(例えば、Purafect Prime(登録商標))。
4.Genencor International(Palo Alto、California、USA)によって提供されているプロテアーゼ。
5.Novozymes(Bagsvaerd、Denmark)によって提供されている、Natalase(登録商標)
6.Novozymes(Bagsvaerd、Denmark)から提供されている、Termamyl Ultra
7.Novozymes(Bagsvaerd、Denmark)から供給されているマンナナーゼ
8.Novozymes(Bagsvaerd、Denmark)によって提供されている、Whitezyme
9.−NH当たり20個のエトキシル基を有するポリエチレンイミン(MW=600)。
10.BASFによって提供されている、Sokalan101(ポリエチレングリコール−ポリ酢酸ビニルコポリマー分散剤)
11.好適なキレート剤は、例えば、Dow Chemical(Midland、Michigan、USA)によって提供されている、ジエチレンテトラアミン五酢酸(DTPA)である。
12.Innospec(Englewood、Colorado、USA)によって提供されている、エチレンジアミン二コハク酸
13.好適な蛍光増白剤は、例えば、Tinopal(登録商標)AMS、Tinopal(登録商標)CBS−X、スルホン化亜鉛フタロシアニン(Ciba Specialty Chemicals(Basel、Switzerland))である。
14.実施例1のポリエーテルアミン、1モルの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール+4モルのプロピレンオキシド/OH、アミノ化済
15.トッピングした(Topped)ココナッツ脂肪酸、Twin Rivers Technologies(Quincy、Massachusetts)
【0269】
マーガリン、ベーコン脂、焦がしバター、ハンバーグの脂、及びタコスの脂を含有する綿(CW120)製の工業用汚れ布見本を、Empirical Manufacturing Co.,Inc(Cincinnati、OH)から購入した。これらの布見本を、Miele(フロントローダー式洗濯機)で洗浄した。水の硬度は1リットル当たり0.1グラム(1ガロン当たり6グレーン)であり、摂氏16℃(華氏60°F)の自動冷水洗浄サイクルにて洗浄した。この試験で使用した液体洗剤の総量は、25.36グラムであった。
【0270】
標準的な測色測定法を使用して、洗浄の前後の各汚れに対するL値、a値、及びb値を得た。L値、a値、及びb値から、汚れの程度を計算した。その後、上記SRIの式に従って、汚れ除去指数を計算した。各汚れの種類毎に8つの複製物を調製した。以下に示すSRI値は、汚れの種類毎の平均SRI値である。
【0271】
【表24】
【0272】
これらの結果は、Baxxodur(登録商標)EC301(組成物B)を含有する一回分単位の洗濯洗剤組成物、及び従来の一回分単位の洗濯洗剤組成物(ポリエーテルアミン非含有)と比較した場合、特に、マーガリン、焦がしバター、及びタコスの脂などの、除去が困難で消費者に多い汚れに対する脂除去において、本開示のポリエーテルアミン(組成物Cで使用されている)を含有する一回分単位の洗濯洗剤組成物による驚くべき利益があることを示している。