【実施例1】
【0022】
本発明の実施例1に係るロータリジョイントを備えた回転テーブル装置を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明で用いる上下左右は、図面を正視したときの上下左右をいう。また図中で用いるa両矢印は回転テーブル装置の幅のことをいう。
図1は、本発明の実施例1に係るロータリジョイントを備えた回転テーブル装置の主要部の断面図である。この回転テーブル装置は、テーブル本体1と、テーブル本体1に軸承され回転する回転テーブル2と、回転テーブル2の回転中心Cと同軸上に配置されたロータリジョイント3とを備えている。
【0023】
テーブル本体1には、内部に軸受けBを介して回転可能に支持された貫通穴を有するスピンドル4が備えられ、このスピンドル4の外周はウォームホイール5が同心状に固定されている。また、テーブル本体1には回転テーブル2の駆動用のウォーム6が回転駆動自在に支持されており、このウォーム6はサーボモータやステッピングモータ等図示しない駆動源に連動連結し、前記ウォームホイール5に噛みあっている。
【0024】
テーブル本体1の上部には、1つまたは2つ以上の圧力流体8の投入口9と流体経路10aが形成されている。また、テーブル本体1の
図1中の右側である後方は、取付けボルトにより固定された略円形状のエンドプレート7により塞がれている。
【0025】
エンドプレート7には、テーブル本体1の1つまたは2つ以上の投入口9から投入された圧力流体8が流体経路10aを経由して流れるエンドプレート通路10bが1つまたは2つ以上形成されている。
【0026】
回転テーブル2は、スピンドル4および軸受けBにより、回転テーブル2の回転中心Cに対して同軸状態で回転可能に支持されている。
回転テーブル2の中心部には、ロータリジョイント3の一部をなす後述の回転シャフト3aが貫装され嵌合される基準となる嵌合穴Kが穿設されている。この嵌合穴Kと回転シャフト3aの基準となる外周部との嵌合部13を有することによって、回転テーブル2と回転シャフト3aは一体となり、回転中心が一致し、回転テーブル2と回転シャフト3aが連動して回転可能となる。
【0027】
ロータリジョイント3は、空気や油などの流体を固定したテーブル本体1側から回動する回転テーブル2側に供給する機能を有している。このロータリジョイント3は、回転テーブル2の回転中心Cと同心状に配置された柱状の回転シャフト3aと、回転シャフト3aの外周に同心状に配置された筒状のディストリビュータ3bとから構成されている。
【0028】
筒状であるディストリビュータ3bの内部には、エンドプレート7側のエンドプレート通路10bを経由してディストリビュータ3bの内周側に流れ落ちるディストリビュータ通路10cが1つまたは2つ以上形成されている。また、ディストリビュータ通路10cから流れ落ちるディストリビュータ3bの内周側には環状溝11がディストリビュータ通路10cの個数分形成されている。また、環状溝11と隣接する環状溝11Rには、環状溝11から環状溝11に流体圧が移動しないようにOリング等でシールされている。
【0029】
柱状である回転シャフト3aの内部には、1つまたは2つ以上の環状溝11に連通するシャフト通路10dが形成され、その
図1中左側終端(回転テーブル2側)には1つまたは2つ以上の吐出口12が設けられている。
【0030】
そして、回転シャフト3aとディストリビュータ3bとが一体となることでロータリジョイント3として構成され、回転シャフト3aとディストリビュータ3bに各々形成された流体経路によって、空気及び油を固定部であるテーブル本体1側から回転部である回転テーブル2側に供給できるようになっている。
【0031】
このようにして、事前に回転シャフト3aとディストリビュータ3bを一体化(以下ロータリジョイントという)して、ロータリジョイント3をテーブル後方より回転テーブル2側に取付けられ、ロータリジョイント3の後方とエンドプレート7が取付けボルトによって固定されている。
【0032】
エンドプレート7とテーブル本体1の嵌合部には遊嵌部Xが設けられている。遊嵌部とは、遊びを設けて嵌合する部分であって、本実施例では遊びは0.1〜0.5mmのことを示すが、望ましくは0.05mmが好ましい。
【0033】
この遊嵌部Xであるエンドプレート7とテーブル本体1との間には弾性体14Xが嵌合されている。
図1で示す本実施例では、弾性体14Xはエンドプレート7に設けた環状溝に嵌合されているが、テーブル本体1に設けた環状溝に嵌合しても良い。
【0034】
一般的に、回転シャフト3aの外形部は回転テーブル2に設けられた嵌合穴Kを嵌合部13として挿入されており、この嵌合部13と遊嵌部Xの軸心を一致させることは、機械精度の問題や組付誤差などによって非常に困難である。
【0035】
ロータリジョイント3の回転時に芯ぶれを抑制するためには、ロータリジョイント3の両端(回転シャフト3aとディストリビュータ3b)を同軸にして、回転テーブル2の回転軸芯とロータリジョイント3の回転軸芯とを同軸にする必要がある。
【0036】
ロータリジョイント3の軸芯の回転テーブル2側(
図1中の左側)は、回転テーブル2に設けられた嵌合穴Kへ回転シャフト3aの端部の嵌合部13が嵌合されることで、回転テーブル2と回転シャフト3aは芯が出ている。
【0037】
一方、ロータリジョイント3の
図1中の右側(ディストリビュータ3b)は取付けボルトでエンドプレート7に固定されている。エンドプレート7の外周とテーブル本体1の内周との間には、前述に記載の遊嵌部Xを備えており、軸芯を微調整させる遊び代を有している。
【0038】
この遊嵌部Xへ弾性体14Xを設けることにより、弾性体14Xの弾力を全周からエンドプレート7へ作用させることが可能となる。
このエンドプレート7へ加わる作用力の大きさは、弾性体14Xの変形量に準じて変動するため、ロータリジョイント3の芯ぶれの大きさに応じて弾性体14Xの変形度合いが変わり、その変形度合いに応じて弾性体14Xから弾力が作用する。
【0039】
つまり、弾性体14Xからのエンドプレート7への作用力は、ロータリジョイント3の芯ぶれの大きさに応じてエンドプレート7の芯ぶれを解消する方向に加わるため、ロータリジョイント3のエンドプレート7側の軸芯は、
図1中の左側の同軸である回転テーブル2と回転シャフト3aに対して、芯が出るように
図1中の右側のエンドプレート7とディストリビュータが弾性体によって弾性的に調整される。
【0040】
そのため、遊嵌部Xに弾性体14Xを嵌合することで弾性体14Xが弾性力により任意に変形し、回転テーブル2の軸心にロータリジョイント3の軸心が寄り、同軸となり結果、回転テーブル2とロータリジョイント3の軸心が一致することが可能となる。
【0041】
前記の動作によって、今まで芯出しに有していた多大な時間も、遊びをもたせた隙間に弾性体を嵌合することで弾性力により自動に軸心が寄るため、同軸となり芯出しする必要がなくなるため、時間工数の削減にもなる。
【実施例2】
【0042】
図2は、本発明の実施例2に係るロータリジョイントを備えた回転テーブル装置の主要部の断面図である。
図2に示すように、
図1のシリンダ15とエンドプレート7を一体成型し、本実施例では部品点数を削減可能にしている。
また、テーブル本体1とエンドプレート7との間に遊嵌部Yを設け、エンドプレート7とスピンドル4との間に遊嵌部Zを設けており、遊嵌部Yには弾性体14Yが嵌合され、遊嵌部Zには弾性体14Zが嵌合されている。
【0043】
図2で示す実施例のように2ヶ所の遊嵌部に弾性体を嵌合する方が相乗効果により芯出し不要の効果は高くなる。
図1、
図2では遊嵌部の箇所を指定しているが、遊嵌部はそこだけに限らず、例えばスピンドルとディストリビュータとの間に設けても構わない。
【0044】
また、遊嵌部に嵌合された弾性体が任意に変形し、回転テーブルの軸心にロータリジョイント3の軸心が一致する箇所であれば遊嵌部の位置はどこに設けても構わない。
【0045】
また、
図2で示す実施例では、
図1のシリンダ15とエンドプレート7を一体成型したことにより胴厚(a方向の幅)を薄くすることが可能である。それにより取付けボルトの削減など部品点数も削減することが可能となっている。
【実施例3】
【0046】
図3は、本発明の実施例2に係るロータリジョイントを備えた回転テーブル装置の主要部の断面図である。
図3に示すように、
図2の回転テーブル装置に搭載のロータリジョイント3を2層構造のロータリジョイント30に組み替えている。
図3で示す実施例は、
図2の胴厚(a方向の幅)を薄くしたままロータリジョイント3を2層構造とすることでポート数を増やした例である。
【0047】
2層構造のロータリジョイント30は、回転テーブル2の回転中心Cと同心状に配置された柱状の回転シャフト3aと、回転シャフト3aの外周に同心状に配置された筒状のディストリビュータ3bと、ディストリビュータ3bの外周に同心状に配置された筒状の回転スリーブ3cとから構成されている。
【0048】
筒状であるディストリビュータ3bは、エンドプレート側のエンドプレート通路10bを経由して流れるディストリビュータ通路10cと環状溝11とが1つまたは2つ以上形成されている。また、環状溝11と隣接する環状溝11RはOリング18等でシールされている。
また、流体経路の一方がエンドプレート側に、もう一方が回転シャフト3a側に流れる流体経路10eが1つまたは2つ以上形成されている。
【0049】
柱状である回転シャフト3aには、1つまたは2つ以上の環状溝11に連通するシャフト通路10dが形成され、その左端(回転テーブル2側)には1つまたは2つ以上の吐出口12が設けられている。
また、回転シャフト3aは、後述の回転スリーブ3cに形成された流体経路10fを経由して流れる流体経路10gが1つまたは2つ以上形成され、その左端(回転テーブル2側)には1つまたは2つ以上の吐出口12aが設けられている。
【0050】
筒状である回転スリーブ3cには、1つまたは2つ以上の環状溝11aに連通する流体経路10fが形成され、回転ローター3cの左側と回転シャフト3aが取付けボルトによって固定されている。また、環状溝11aと隣接する環状溝11aRはOリング18等でシールされている。
【0051】
図3で示す実施例の構成(2層ロータリジョイント)であっても、前述の遊嵌部に弾性体を嵌合させることによって、芯出ししなくても、回転テーブルの軸心にロータリジョイント30の軸心を一致させることが容易となる。
【0052】
上記構成によれば、回転テーブル装置のメンテナンス時は、テーブル面の治具などは取付けたまま、ロータリジョイントを後方より容易に取り外すことが可能である。
また、取付ける際も、芯出しする必要がなく、時間工数の削減にもなる。
また、右側後方にポート投入口がないため、回転テーブル装置を縦置きに限らず、横置きも可能である。
【0053】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば流体の投入口を上面でなく手前側、または奥側でも構わない。もしくは右側でも構わない。ただし、右側の場合はテーブルの配置は横置きができないものとなる。
また、流体の吐出口を回転シャフトに設けているが、回転シャフトより、回転テーブル2の上面に設けるなど、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の形状並びに構成を適宜に変更して実施することも可能である。