(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した一実施形態を
図1〜
図6に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の支払支援システムでは、インターネット等のネットワークに接続された販売者サーバ10、管理サーバ20、携帯端末30を利用する。また、支払時には、コンビニエンスストアなどに設置されたPOS端末40を用いる。このPOS端末40は、ネットワークを介して、POSサーバ50に接続される。このPOSサーバ50は、ネットワークを介して、管理サーバ20と通信を行なう。
【0016】
まず、本サービスの概要を説明する。
販売者サーバ10は、利用者との取引に基づいて、利用者に対する請求データを管理サーバ20に送信する。管理サーバ20は、利用者に対して、払込票データを含めた請求メールを送信する。
【0017】
利用者は、請求メールの払込票データに対応したバーコードを携帯端末30のディスプレイ上で表示させる。そして、このバーコードを、POS端末40のコードリーダにおいて読み取らせる。この場合、POS端末40は、POSサーバ50に収納データを送信する。そして、POSサーバ50は、収納データを管理サーバ20に送信する。この収納データにより、管理サーバ20は、販売者に対する送金を行なう。
【0018】
次に、各ハードウェア構成を説明する。
販売者サーバ10は、利用者と取引(例えば通信販売取引)を行なう販売者のサーバコンピュータである。この販売者サーバ10は、利用者との取引に基づいて、請求データを生成し、管理サーバ20に送信する。
【0019】
管理サーバ20は、販売者の代金回収を支援するためのサーバコンピュータである。この管理サーバ20は、請求処理部21、顧客情報記憶部22、請求者情報記憶部23及び請求情報記憶部24を備えている。
【0020】
請求処理部21は、販売者サーバ10から請求データを取得し、この請求データに基づいて利用者に対する請求を行なう処理を実行する。更に、請求処理部21は、支払支援アプリケーションプログラムを、携帯端末30に提供する処理を実行する。
【0021】
図2(a)に示すように、顧客情報記憶部22は、利用者である顧客を管理するための顧客管理レコード220を記憶している。この顧客管理レコード220は、顧客登録された場合に記録される。この顧客管理レコード220は、顧客コード、氏名、アドレスに関するデータを含んで構成される。
【0022】
顧客コードデータ領域には、顧客を特定するための識別子に関するデータが記録される。
氏名コードデータ領域には、この顧客の氏名に関するデータが記録される。
アドレスコードデータ領域には、この顧客の電子メールアドレスに関するデータが記録される。
【0023】
図2(b)に示すように、請求者情報記憶部23は、顧客と取引を行なう請求者情報を管理するための請求者管理レコード230を記憶している。この請求者管理レコード230は、請求者が登録された場合に記録される。この請求者管理レコード230は、請求者、送金先に関するデータを含んで構成される。
【0024】
請求者データ領域には、請求を行なった販売者を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態では、請求者データとして、販売者の名称及び識別コード等を用いる。
送金先データ領域には、この販売者についての収納金の送金先(例えば、金融機関の口座)に関するデータが記録される。
【0025】
図2(c)に示すように、請求情報記憶部24は、顧客に対する請求を管理するための請求管理レコード240が記録される。この請求管理レコード240は、販売者サーバ10から請求データを取得した場合に記録される。請求管理レコード240は、請求コード、請求者、請求内容、顧客コード、請求年月日、支払期限、金額、収納状況に関するデータを含んで構成される。
【0026】
請求コードデータ領域には、顧客に対する各請求を特定するための識別子に関するデータが記録される。
請求者データ領域には、請求を行なった販売者を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0027】
請求内容データ領域には、利用者との間での取引内容に関するデータが記録される。例えば、販売者における取引コードや販売商品内容に関するデータが記録される。
顧客コードデータ領域には、販売者と取引を行なった顧客を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0028】
請求年月日データ領域には、請求が行なわれた年月日に関するデータが記録される。
支払期限データ領域には、請求についての支払の期限に関するデータが記録される。
金額データ領域には、請求金額に関するデータが記録される。
収納状況データ領域には、請求に対する支払状況を特定するためのフラグが記録される。このデータ領域には、未払フラグ、収納済フラグが記録される。
【0029】
図1に示す携帯端末30は、顧客が使用するコンピュータ端末である。この携帯端末30としては、タッチパネルディスプレイ35を備えたスマートフォン端末やタブレット端末を利用することができる。この携帯端末30は、制御部31、メール記憶部32、払込情報記憶部33を備えている。この携帯端末30は、周囲音を集音するマイク(集音部)を更に備えている。
【0030】
制御部31は、メーラープログラムを実行することにより、メール処理部311として機能する。また、制御部31は、支払支援プログラムを実行することにより、請求管理部312、支払処理部313として機能する。
【0031】
メール処理部311は、インターネットを介してメールの送受信処理を実行する。
請求管理部312は、請求メールにより取得した払込票を管理する処理を実行する。この請求管理部312は、支払期限が近い請求を特定するために用いる所定日数に関するデータを記憶している。
【0032】
支払処理部313は、払込票に基づいて、支払時に用いるバーコードを生成する処理を実行する。この支払処理部313は、POS端末40のコードリーダでバーコードを読み取った場合に発せられる読取音(ビーブ音)の周波数パターンに関するデータを保持している。
【0033】
メール記憶部32には、メール処理部311において受信したメールが記録される。
図2(d)に示すように、払込情報記憶部33には、請求メールに基づいて生成された払込管理レコード330が記録される。この払込管理レコード330は、請求メールを受信した場合に登録される。払込管理レコード330は、請求コード、請求者、請求内容、支払期限、金額、払込状況に関するデータを含んで構成される。
【0034】
請求コードデータ領域には、顧客に対する各請求を特定するための識別子に関するデータが記録される。
請求者データ領域には、請求を行なった販売者を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0035】
請求内容データ領域には、利用者との間での取引内容に関するデータが記録される。例えば、販売者における取引コードや販売商品内容に関するデータが記録される。
支払期限データ領域には、請求についての支払の期限に関するデータが記録される。
金額データ領域には、請求金額に関するデータが記録される。
払込状況データ領域には、請求に対する支払状況を特定するためのフラグが記録される。このデータ領域には、未払フラグ、確認中フラグ、払込済フラグが記録される。
【0036】
図1に示すPOS端末40は、コンビニエンスストア等のレジにおいて、顧客の支払を管理するコンピュータ端末である。このPOS端末40には、商品や払込票に印字されたバーコードを読み取るためのコードリーダが接続されている。コードリーダにおいてバーコードを読み込んだ場合、POS端末40は、商品コードや商品金額を取得する。更に、POS端末40はスピーカーを備えており、コードリーダでバーコードを読み取った場合、所定の周波数パターンの読取音(ビーブ音)を発する。
【0037】
POSサーバ50は、コンビニエンスストアの店舗における売上を管理するコンピュータシステムである。このPOSサーバ50は、POS端末40において読み込んだバーコードに関する情報を取得する。更に、払込票のバーコードの情報を取得した場合には、管理サーバ20に収納データを送信する。この収納データには、請求コードに関するデータを含める。
【0038】
次に、
図3〜6を用いて、請求に関する処理手順を説明する。ここでは、請求時処理、支払時処理、収納管理処理、支払期限管理処理の順に説明する。
(請求時処理)
まず、
図3を用いて、請求時処理を説明する。
ここでは、管理サーバ20の請求処理部21は、請求データ取得処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、販売者が顧客に対して請求を行なう場合、販売者サーバ10において請求データを入力する。そして、販売者サーバ10は、管理サーバ20に対して請求データを送信する。この請求データには、請求者、請求内容、顧客コード、請求年月日、支払期限、請求金額に関するデータを含める。請求データを受信した管理サーバ20の請求処理部21は、未使用の請求コードを付与し、この請求コードを含む請求管理レコード240を生成する。この場合、請求処理部21は、この請求管理レコード240に、受信した請求データを含める。そして、請求処理部21は、請求管理レコード240を請求情報記憶部24に登録する。
【0039】
次に、管理サーバ20の請求処理部21は、アドレスの特定処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、請求処理部21は、顧客情報記憶部22において、請求管理レコード240に記録された顧客コードが記録された顧客管理レコード220を特定する。そして、請求処理部21は、顧客管理レコード220に記録されているアドレスを取得する。
【0040】
次に、管理サーバ20の請求処理部21は、請求メールの送信処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、請求処理部21は、請求管理レコード240に記録された情報に基づいて請求メールを生成する。この請求メールには、払込票データ(請求コード、請求者、請求内容、支払期限、金額)に関するデータを含める。そして、請求処理部21は、ステップS1−2において取得したアドレスに、この請求メールを送信する。
【0041】
次に、携帯端末30の制御部31は、請求メールの受信処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部31のメール処理部311は、管理サーバ20から請求メールを受信する。
【0042】
次に、携帯端末30の制御部31は、初回起動かどうかについての判定処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、請求メールに含まれるスクリプトを実行する。この場合、制御部31は、携帯端末30内に支払支援アプリケーションプログラムがインストールされているかどうかを確認する。インストールされていない場合には、初回起動と判定する。
【0043】
初回起動と判定した場合(ステップS2−2において「YES」の場合)、携帯端末30の制御部31は、アプリケーションダウンロード処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御部31は、管理サーバ20にアクセスして、支払支援アプリケーションプログラムを要求する。そして、制御部31は、管理サーバ20から支払支援アプリケーションプログラムをダウンロードする。
【0044】
初回起動でないと判定した場合(ステップS2−2において「NO」の場合)、携帯端末30の制御部31は、アプリケーションダウンロード処理(ステップS2−3)をスキップする。
【0045】
次に、携帯端末30の制御部31は、アプリケーション起動処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、制御部31は、インストールされた支払支援アプリケーションプログラムを起動する。これにより、請求管理部312、支払処理部313が機能する。
【0046】
次に、携帯端末30の制御部31は、払込票の取り込み処理を実行する(ステップS2−5)。具体的には、制御部31の請求管理部312は、メール記憶部32に記録されている請求メールを特定する。更に、請求管理部312は、請求メールの中で、払込情報記憶部33に登録されていないメールを特定する。そして、請求管理部312は、特定した請求メールに基づいて払込管理レコード330を生成し、払込情報記憶部33に記録する。この払込管理レコード330には、請求メールに含まれる払込票データを含める。そして、払込管理レコード330の支払状況データ領域には未払フラグを記録する。
【0047】
次に、携帯端末30の制御部31は、請求一覧の表示処理を実行する(ステップS2−6)。具体的には、制御部31の請求管理部312は、払込情報記憶部33に記録されている払込管理レコード330の中で、支払状況として未払フラグが記録されている請求を含む未払請求一覧画面を生成してタッチパネルディスプレイ35に出力する。この未払請求一覧画面においては、支払いを行なう請求を選択するためのチェックボックスが設けられている。
【0048】
(支払時処理)
次に、
図4を用いて、支払時処理を説明する。
まず、携帯端末30の制御部31は、支払い対象の特定処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、利用者が、請求について支払を行なう場合には、タッチパネルディスプレイ35に表示された未払請求一覧画面の中で支払を行なう請求のチェックボックスを選択する。この場合、制御部31の支払処理部313は、指定された請求についての払込管理レコード330をメモリに仮記憶する。
【0049】
次に、携帯端末30の制御部31は、金額計算処理を実行する(ステップS3−2)。具体的には、制御部31の支払処理部313は、メモリに仮記憶した払込管理レコード330に記録されている金額を合計して、支払金額を算出する。そして、支払処理部313は、算出した支払金額をタッチパネルディスプレイ35に出力する。
【0050】
次に、携帯端末30の制御部31は、バーコードの取得処理を実行する(ステップS3−3)。具体的には、制御部31の支払処理部313は、バーコード要求を管理サーバ20に送信する。このバーコード要求には、メモリに仮記憶した払込管理レコード330の請求コードに関するデータを含める。バーコード要求を受信した管理サーバ20は、請求情報記憶部24から、バーコード要求に含まれる請求コードが記録された請求管理レコード240を抽出する。そして、管理サーバ20は、請求コード、請求者、請求内容、金額に関する情報を含めたバーコードを生成する。ここで、バーコード要求に複数の請求コードが含まれる場合には、各請求コードに対応するすべての払込管理レコード330を抽出し、払込管理レコード330毎にバーコードを生成する。そして、管理サーバ20は、生成したバーコードを含めたバーコードファイルを、携帯端末30に送信する。この場合、携帯端末30の支払処理部313が、バーコードファイルを取得する。バーコード要求に含まれた請求コードが複数の場合には、このバーコードファイルには、各請求コードに対応する複数のバーコードが含まれる。
【0051】
次に、携帯端末30の制御部31は、バーコードの表示処理を実行する(ステップS3−4)。具体的には、制御部31の支払処理部313は、タッチパネルディスプレイ35に、生成したバーコードを表示する。複数のバーコードを生成した場合には、最初のバーコードを出力する。
【0052】
この場合、コンビニエンスストアの店員は、POS端末40に接続されたコードリーダを用いて、携帯端末30のタッチパネルディスプレイ35に出力されたバーコードを読み取る。
【0053】
そして、POS端末40は、バーコードの読み込み処理を実行する(ステップS4−1)。具体的には、POS端末40は、バーコードリーダで読み取ったバーコードをデコードして、請求コード、請求者、請求内容、金額に関するデータを取得する。
【0054】
次に、POS端末40は、読取音の出力処理を実行する(ステップS4−2)。具体的には、POS端末40は、バーコードの読み取りを完了した場合、スピーカーを通じて、特定の周波数パターンの読取音を発する。
【0055】
次に、携帯端末30の制御部31は、読取音の集音かどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−5)。具体的には、制御部31の支払処理部313は、マイクを用いて、POS端末40の読取音を待機する。そして、支払処理部313は、マイクを通じて集音した音の周波数パターンに基づいて、読取音かどうかを判定する。
【0056】
読取音を検知しない場合(ステップS3−5において「NO」の場合)、読取音の集音を待機する。
読取音を検知したと判定した場合(ステップS3−5において「YES」の場合)、携帯端末30の制御部31は、支払い記録処理を実行する(ステップS3−6)。具体的には、制御部31の支払処理部313は、バーコードをタッチパネルディスプレイ35に表示した払込管理レコード330の払込状況データ領域に、確認中フラグを記録する。
【0057】
次に、携帯端末30の制御部31は、次の請求があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−7)。具体的には、制御部31の支払処理部313は、メモリに仮記憶された払込管理レコード330において、まだバーコードを表示していない請求が残っているかどうかを判定する。まだバーコードを表示していない請求が残っている場合には、次の請求があると判定する。
【0058】
次の請求があると判定した場合(ステップS3−7において「YES」の場合)、携帯端末30の制御部31は、ステップS3−4以降の処理を繰り返す。ここでは、残りの支払対象の請求のバーコードの一つをタッチパネルディスプレイ35に表示する。
【0059】
一方、次の請求がないと判定した場合(ステップS3−7において「NO」の場合)、携帯端末30の制御部31は、終了メッセージ処理を実行する(ステップS3−8)。具体的には、制御部31の支払処理部313は、タッチパネルディスプレイ35に払込票のバーコードの表示を終了したことを示すメッセージを出力する。
【0060】
また、POS端末40は、終了かどうかについての判定処理を実行する(ステップS4−3)。具体的には、携帯端末30のタッチパネルディスプレイ35の終了メッセージを見た店員は、POS端末40において読み込み完了入力を行なう。POS端末40は、この読み込み完了入力の有無により、終了を判定する。
終了でないと判定した場合(ステップS4−3において「NO」の場合)、POS端末40は、バーコードの読み込み処理(ステップS4−1)に戻り、待機する。
【0061】
一方、終了と判定した場合(ステップS4−3において「YES」の場合)、POS端末40は、入金処理を実行する(ステップS4−4)。具体的には、POS端末40は、読み込んだバーコードに基づいて、各払込の金額を特定し、合計金額を算出する。そして、POS端末40は、合計金額を出力する。この合計金額に基づいて、利用者はコンビニエンスストアの店員に対して支払を行なう。この場合、店員は、POS端末40を用いて入金完了入力を行なう。
【0062】
入金完了入力を行なった場合、POS端末40は、収納データをPOSサーバ50に送信する。この収納データには、バーコードから読み取った請求コード、請求者、請求内容、金額に関するデータを含める。
【0063】
(収納管理処理)
次に、
図5を用いて、収納管理処理を説明する。POS端末40から収納データを取得したPOSサーバ50は、収納データを管理サーバ20に送信する。
【0064】
まず、管理サーバ20の請求処理部21は、収納金精算処理を実行する(ステップS5−1)。具体的には、請求処理部21は、POSサーバ50から取得した収納データに含まれる請求コード及び請求者が記録された請求管理レコード240を請求情報記憶部24から抽出する。そして、請求処理部21は、この請求者の送金先を請求者情報記憶部23から抽出し、この送金先に対する送金処理を行なう。
【0065】
次に、管理サーバ20の請求処理部21は、支払い済情報の蓄積処理を実行する(ステップS5−2)。具体的には、請求処理部21は、請求管理レコード240の収納状況データ領域に、収納済フラグを記録する。
【0066】
その後、携帯端末30の制御部31は、確認処理を実行する(ステップS6−1)。具体的には、携帯端末30の支払支援アプリケーションプログラムを起動して、支払確認画面を出力する。この場合、制御部31の請求管理部312は、管理サーバ20にアクセスする。そして、請求管理部312は、払込情報記憶部33に記録されている払込管理レコード330について、請求情報記憶部24に記録されている収納状況情報を取得する。
【0067】
次に、携帯端末30の制御部31は、払込状況の更新処理を実行する(ステップS6−2)。具体的には、制御部31の請求管理部312は、収納状況が更新されている請求について、払込管理レコード330の払込状況を更新する。例えば、請求管理レコード240の収納状況データ領域に収納済みフラグが記録されている場合、請求管理部312は、払込情報記憶部33に記録された払込管理レコード330の払込状況データ領域に払込済みフラグを記録する。
【0068】
ここで、支払済み請求を確認する場合、支払確認画面において、請求を選択する。この場合、携帯端末30の制御部31は、支払い確認書の表示処理を実行する(ステップS6−3)。具体的には、制御部31の請求管理部312は、確認対象請求についての払込管理レコード330の払込状況を取得する。ここで、払込済フラグが記録されている場合には、そして、請求一覧において、払込済フラグが記録された請求が指定された場合、請求管理部312は、この請求についての支払確認書をタッチパネルディスプレイ35に表示する。
【0069】
(支払期限管理処理)
次に、
図6を用いて、支払期限管理処理を説明する。
まず、携帯端末30の制御部31は、未払いの検索処理を実行する(ステップS7−1)。具体的には、制御部31の請求管理部312は、払込情報記憶部33において、支払状況データ領域に未払フラグが記録されている払込管理レコード330を抽出する。次に、請求管理部312は、抽出した払込管理レコード330の支払期限を特定する。
【0070】
次に、携帯端末30の制御部31は、払込期限の特定処理を実行する(ステップS7−2)。具体的には、制御部31の請求管理部312は、払込管理レコード330において支払期限を特定する。
【0071】
次に、携帯端末30の制御部31は、期限が近い請求があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS7−3)。具体的には、制御部31の請求管理部312は、払込管理レコード330において特定した支払期限と、現在日と支払期限とを比較する。そして、現在日付が支払期限の年月日の所定日数前の場合には、支払期限が近い請求があると判定する。
【0072】
期限が近い請求があると判定した場合(ステップS7−3において「YES」の場合)、携帯端末30の制御部31は、アラート処理を実行する(ステップS7−4)。具体的には、制御部31の請求管理部312は、タッチパネルディスプレイ35に表示された初期画面において、支払期限が近い請求があることを示すメッセージを出力する。
【0073】
本実施形態の支払支援システムによれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、管理サーバ20の請求処理部21は、請求メールの送信処理を実行する(ステップS1−3)。携帯端末30の制御部31は、払込票の取り込み処理(ステップS2−5)、請求一覧の表示処理(ステップS2−6)、支払い対象の特定処理(ステップS3−1)を実行する。携帯端末30の制御部31は、特定した支払い対象に応じて、バーコードの取得処理(ステップS3−3)、バーコードの表示処理(ステップS3−4)を繰り返して実行する。これにより、携帯端末30において、選択された複数の請求データに対応するコード画像が表示部に順次、出力されるので、複数の請求データに対応するコード画像を用いて、効率的に複数の払込を行なうことができる。
【0074】
(2)本実施形態では、携帯端末30の制御部31は、読取音の集音かどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−5)。読取音を検知したと判定した場合(ステップS3−5において「YES」の場合)、携帯端末30の制御部31は、支払い記録処理を実行する(ステップS3−6)。これにより、既に代金支払いを行なった請求データを識別できるので、支払済の請求データのバーコードを再表示することによる二重払いを抑制することができる。
【0075】
(3)本実施形態では、携帯端末30の制御部31は、読取音の集音かどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−5)。読取音を検知したと判定した場合(ステップS3−5において「YES」の場合)、次の請求があるか否かを判定する。次の請求があると判定した場合(ステップS3−7において「YES」の場合)、携帯端末30の制御部31は、ステップS3−4以降の処理を繰り返す。これにより、バーコードが読み込まれた場合に、次の請求データのバーコードが表示されるので、複数の請求についての払込を効率的に行なうことができる。
【0076】
(4)本実施形態では、携帯端末30の制御部31は、確認処理を実行し(ステップS6−1)、払込状況の更新処理を実行する(ステップS6−2)。支払済み請求を確認する請求が選択された場合、携帯端末30の制御部31は、支払い確認書の表示処理を実行する(ステップS6−3)。これにより、管理サーバにおいて収納されたことを把握することができる。
【0077】
(5)本実施形態では、携帯端末30の制御部31は、未払いの検索処理(ステップS7−1)、払込期限の特定処理(ステップS7−2)を実行する。期限が近い請求があると判定した場合(ステップS7−3において「YES」の場合)、携帯端末30の制御部31は、アラート処理を実行する(ステップS7−4)。これにより、支払期限が迫っている請求データがあることを通知して支払期限内における払い忘れを注意喚起することができる。
【0078】
また、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態においては、携帯端末30の制御部31は、バーコードの生成処理(ステップS3−3)、バーコードの表示処理(ステップS3−4)を実行する。読取音を検知したと判定した場合(ステップS3−5において「YES」の場合)、携帯端末30の制御部31は、支払い記録処理を実行する(ステップS3−6)。次の請求があると判定した場合(ステップS3−7において「YES」の場合)、携帯端末30の制御部31は、ステップS3−4以降の処理を繰り返す。ここで、バーコードの生成処理(ステップS3−3)から繰り返すようにしてもよい。
【0079】
・上記実施形態においては、複数の請求に対する支払を行なう場合には、携帯端末30の支払処理部313は、個別にバーコードを生成する。これに代えて、まとめて支払を行なうことができるようにしてもよい。この場合には、管理サーバ20、携帯端末30において統合処理を実行する。
【0080】
(請求統合処理)
ここで、
図7を用いて、請求統合処理を説明する。
まず、携帯端末30の制御部31は、支払い対象の特定処理を実行する(ステップS8−1)。具体的には、制御部31の請求管理部312は、請求一覧画面において、まとめて支払を行なう請求を指定する。
【0081】
次に、携帯端末30の制御部31は、請求の統合依頼処理を実行する(ステップS8−2)。具体的には、制御部31の請求管理部312は、管理サーバ20に対して、統合依頼を送信する。この統合依頼には、請求一覧画面において指定された複数の請求の請求コードに関するデータを含める。
【0082】
次に、管理サーバ20の請求処理部21は、請求をまとめた請求データの生成処理を実行する(ステップS9−1)。具体的には、請求処理部21は、携帯端末30から統合依頼を取得する。そして、請求処理部21は、統合依頼に含まれる請求コードに対して新たな統合請求コードを生成する。請求処理部21は、この統合請求コードを記録した請求管理レコード240を生成して、請求情報記憶部24に記録する。そして、請求処理部21は、統合対象レコードとして、統合依頼に含まれた請求コードに対応する請求管理レコード240を抽出する。請求処理部21は、新たな請求管理レコード240の請求者データ領域には、統合依頼に関する統合請求であることを示すフラグを記録し、請求内容データ領域には、統合依頼に含まれる請求コードを記録する。また、請求処理部21は、新たな請求管理レコード240の支払期限データ領域には、統合対象レコードの支払期限の中で最も早い支払期限を記録する。更に、請求処理部21は、新たな請求管理レコード240の金額データ領域には、統合対象レコードの金額を合計した金額を記録する。更に、新たな請求管理レコード240の顧客コードデータ領域、請求年月日データ領域、収納状況データ領域には、それぞれ、顧客を特定するための識別子、現在年月日、未払フラグを記録する。
【0083】
次に、管理サーバ20の請求処理部21は、請求メールの送信処理を実行する(ステップS9−2)。具体的には、請求処理部21は、統合請求コードを含めた請求メールを生成し、顧客のメールアドレスに請求メールを送信する。
【0084】
次に、携帯端末30の制御部31は、請求メールの受信処理を実行する(ステップS8−3)。具体的には、制御部31のメール処理部311は、管理サーバ20から請求メールを受信する。この請求メールには、統合請求コードに関するデータが含まれる。
【0085】
次に、携帯端末30の制御部31は、ステップS2−5と同様に、払込票の取り込み処理を実行する(ステップS8−4)。
次に、携帯端末30の制御部31は、ステップS2−6と同様に、請求一覧の表示処理を実行する(ステップS8−5)。
【0086】
そして、携帯端末30の制御部31は、
図4と同様の支払時処理を実行する(ステップS8−6)。この場合、バーコードの取得処理(ステップS3−3)と同様に、統合請求コードに関するバーコードを取得する。そして、携帯端末30の支払処理部313は、タッチパネルディスプレイ35に統合請求コードに関するバーコードを表示する。そして、コンビニエンスストアの店舗に設置されたPOS端末40において、バーコードを読み取る。
【0087】
統合請求コードを読み取ったPOS端末40は、他の収納処理と同様に、POSサーバ50に収納データを送信する。POSサーバ50は、POS端末40から取得した収納データを管理サーバ20に送信する。
【0088】
次に、管理サーバ20の請求処理部21は、統合請求があるかどうかについて判定する。具体的には、請求処理部21は、請求コードが記録された請求管理レコード240を抽出する。ここで、請求管理レコード240の請求内容データ領域に統合請求であることを示すフラグが記録されている場合には、統合請求と判定する。
【0089】
統合請求と判定した場合には、各収納情報に展開処理を実行する(ステップS10−1)。具体的には、請求処理部21は、統合請求の請求管理レコード240の請求内容データ領域から取得した請求コードが記録された個別の請求管理レコード240を請求情報記憶部24から抽出する。
【0090】
次に、管理サーバ20の請求処理部21は、収納金精算処理を実行する(ステップS10−2)。具体的には、請求処理部21は、個別の請求コードについての収納金精算処理を実行する。
【0091】
次に、管理サーバ20の請求処理部21は、ステップS5−2と同様に、支払い済情報の蓄積処理を実行する(ステップS10−3)。これにより、1つのコード画像で複数の払込を効率的に行なうことができる。なお、統合されたコード画像と、統合されていないコード画像を含めて支払時処理を行なうことも可能である。
【0092】
更に、携帯端末30において、読取音の検知が困難な場合に、携帯端末30の制御部31は、請求統合処理を実行するようにしてもよい。この場合には、携帯端末30の制御部31に、請求統合処理の要否を判定するための障害基準音量や障害周波数帯に関するデータを保持させておく。この障害基準音量は、読取音の集音が困難になる音量である。また、障害周波数帯は、読取音の周波数が含まれる周波数帯である。
【0093】
そして、制御部31は、支払時処理において、支払い対象の請求数を計数する。ここで、支払い対象として選択された請求が一つの場合には、
図4に示す支払時処理を行なう。一方、支払い対象として複数の請求が選択されている場合には、マイクを用いて、環境音(周囲音)を集音する。ここで、環境音の音量が障害基準音量よりも大きい場合や、環境音の周波数帯が障害周波数帯と重なっている場合には、読取音の検知が困難と判定する。この場合には、タッチパネルディスプレイ35に、請求統合処理を促すメッセージを表示する。これにより、騒がしい環境にいる利用者は、請求統合処理により、効率的かつ的確に支払を行なうことができる。
【0094】
また、読取音の検知が困難と判定した場合には、携帯端末30の制御部31は、バーコードの取得処理(ステップS3−3)において、統合の請求依頼を行なうようにしてもよい。この場合には、管理サーバ20の請求処理部21は、請求データの生成処理(ステップS9−1)と同様に、請求を統合した請求管理レコード240を生成して請求情報記憶部24に記録する。更に、管理サーバ20の請求処理部21は、統合された請求についての請求管理レコード240に基づいて、バーコードを生成し、携帯端末30に送信する。これにより、騒がしい環境においても、利用者の操作負担なく、効率的かつ的確に支払を行なうことができる。
【0095】
・上記実施形態においては、携帯端末30の制御部31は、バーコードの表示処理を実行する(ステップS3−4)。ここで、バーコードの表示を、携帯端末30のタッチパネルディスプレイ35の状態に応じて変更するようにしてもよい。例えば、携帯端末30のタッチパネルディスプレイ35において、画面の汚れや割れ等の障害が生じている場合がある。このような障害領域にバーコードを表示すると、コードリーダにおいて的確に読み取れない場合がある。そこで、携帯端末30において障害対応処理を実行する。携帯端末30に表示処理部を設ける。この表示処理部は、障害領域を特定するための位置情報を記録するメモリを備えている。
【0096】
図8を用いて、障害対応処理、バーコードの表示処理を説明する。
(障害対応処理)
まず、
図8(a)を用いて障害対応処理を説明する。
ここでは、携帯端末30の制御部31は、障害領域の指定処理を実行する(ステップS11−1)。具体的には、制御部31の表示処理部は、障害領域を指定するようにメッセージを出力する。この場合、ユーザは、タッチパネルディスプレイ35において、障害領域を囲むように、指でなぞる。この場合、表示処理部は囲まれた領域を、障害領域として特定する。
【0097】
次に、携帯端末30の制御部31は、障害領域の記録処理を実行する(ステップS11−2)。具体的には、制御部31の表示処理部は、特定された障害領域の位置情報をメモリに記録する。
【0098】
(バーコードの表示処理)
次に、
図8(b)を用いて、バーコードを表示する場合のバーコード表示処理を説明する。
【0099】
ここでは、携帯端末30の制御部31は、障害領域の読み出し処理を実行する(ステップS12−1)。具体的には、制御部31の表示処理部は、メモリに障害領域が記録されているかどうかを確認する。障害領域が記録されている場合には、障害領域の位置情報をメモリから読み出す。
【0100】
次に、携帯端末30の制御部31は、障害領域以外に表示処理を実行する(ステップS12−2)。具体的には、制御部31の表示処理部は、障害領域以外の健全領域を特定する。そして、表示処理部は、この健全領域を用いてバーコードを表示する。この場合、携帯端末30の表示を方向に応じて、バーコードを出力する。これにより、障害領域に避けてバーコードを表示することにより、POS端末40においてバーコードを的確に読み取らせることができる。