(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
絶縁層における第2電極を覆う部分に、第2電極の第1スリットの形成位置に合わせて第3スリットが形成されている、請求項1から5のいずれか1つに記載のタッチパネル。
第1絶縁層における微細領域のパターンは、第1電極層の第2電極における微細領域のパターンと実質的に同じであり、第2絶縁層における微細領域のパターンは、第2電極層の第4電極における微細領域のパターンと実質的に同じである、請求項9に記載のタッチパネル。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のようにダミー電極を用いた構成では、隣接する検出電極の間にダミー電極が配置されているため、寄生容量によるノイズや感度低下が生じやすい。そのため、ダミー電極を電気的に分離された複数の微細領域に分割して、ダミー電極にて生じる寄生容量の低減を図る必要がある。すなわち、ダミー電極を、検出電極に比して微細な島状のパターンとして形成する必要がある。
【0006】
しかしながら、ダミー電極のパターンが検出電極のパターンと、形状や大きさにて大きく異なると、検出電極とダミー電極とがコントラスト差により外部から視認されやすくなってしまう。
【0007】
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、透光性材料により形成された電極パターンを外部から見え難くすることができるタッチパネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0009】
本発明の第1態様によれば、透光性絶縁材料により形成された基材層と、第1方向に沿って延在するように基材層上に配置された複数の第1電極と、隣接する第1電極の間の領域における基材層上に配置され、第1電極と電気的に分離された第2電極とを含み電極パターンを有し、透光性電極材料により形成された電極層と、電極層を覆うように透光性絶縁材料により形成された絶縁層と、を備え、第2電極は第1スリットにより複数の微細領域に電気的に分割され、絶縁層における第1電極を覆う部分において、絶縁層の表面が第2スリットにより複数の微細領域に分割されている、タッチパネルを提供する。
【0010】
本発明の第2態様によれば、絶縁層における微細領域のパターンは、第2電極における微細領域のパターンと実質的に同じである、第1態様に記載のタッチパネルを提供する。
【0011】
本発明の第3態様によれば、第2スリットは、絶縁層を厚さ方向に貫通しない溝状に形成されている、第1または第2態様に記載のタッチパネルを提供する。
【0012】
本発明の第4態様によれば、絶縁層における電極層側の表面を複数の微細領域に分割するように、第2スリットが形成されている、第3態様に記載のタッチパネルを提供する。
【0013】
本発明の第5態様によれば、絶縁層の第2スリットの形成位置に合わせて、第1電極の表面に凸部が形成されて、凸部が第2スリット内に配置されている、第4態様に記載のタッチパネルを提供する。
【0014】
本発明の第6態様によれば、絶縁層における第2電極を覆う部分に、第2電極の第1スリットの形成位置に合わせて第3スリットが形成されている、第1態様から第5態様のいずれか1つに記載のタッチパネルを提供する。
【0015】
本発明の第7態様によれば、基材層と電極層との間に、透光性絶縁材料により形成された別の絶縁層が配置され、別の絶縁層における第2電極を覆う部分に、第2電極の第1スリットの形成位置に合わせて第4スリットが形成されている、第1から第6態様のいずれか1つに記載のタッチパネルを提供する。
【0016】
本発明の第8態様によれば、第1スリットと第4スリットとの合計深さが、第2スリットの深さと実質的に同じ深さに形成されている、第7態様に記載のタッチパネルを提供する。
【0017】
本発明の第9態様によれば、透光性絶縁材料により形成された基材層と、第1方向に沿って延在するように基材層上に配置された複数の第1電極と、隣接する第1電極の間の領域における基材層上に配置され、第1電極と電気的に分離された第2電極とを含む電極パターンを有し、透光性電極材料により形成された第1電極層と、第1電極層を覆うように透光性絶縁材料により形成された第1絶縁層と、第1方向と交差する第2方向に沿って延在するように第1絶縁層上に配置された複数の第3電極と、隣接する第3電極の間の領域における第1絶縁層上に配置され、第3電極と電気的に分離された第4電極とを含む電極パターンを有し、透光性電極材料により形成された第2電極層と、第2電極層を覆うように透光性絶縁材料により形成された第2絶縁層と、を備え、第2電極は第1スリットにより複数の微細領域に電気的に分割されるとともに、第4電極は第2スリットにより複数の微細領域に電気的に分割され、第1絶縁層における第1電極を覆う部分において、第1絶縁層の表面が第3スリットにより複数の微細領域に分割されるとともに、第2絶縁層における第3電極を覆う部分において、第2絶縁層の表面が第4スリットにより複数の微細領域に分割されている、タッチパネルを提供する。
【0018】
本発明の第10態様によれば、第1絶縁層における微細領域のパターンは、第1電極層の第2電極における微細領域のパターンと実質的に同じであり、第2絶縁層における微細領域のパターンは、第2電極層の第4電極における微細領域のパターンと実質的に同じである、第9態様に記載のタッチパネルを提供する。
【0019】
本発明の第11態様によれば、第1絶縁層における微細領域のパターンと第2絶縁層における微細領域のパターンとが実質的に同じであり、第2絶縁層における微細領域のパターンが、第1電極層の第2電極における微細領域のパターンと一致するとともに、第1絶縁層における微細領域のパターンが、第2電極層の第4電極における微細領域のパターンと一致するように、第1および第2電極層と第1及び第2絶縁層とが配置されている、第10態様に記載のタッチパネルを提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、透光性材料により形成された電極パターンを外部から見え難くすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1にかかるタッチパネル1の平面図を
図1に示し、
図1のタッチパネル1におけるA部分の部分拡大平面図および断面図を
図2(A)、(B)に示す。本実施の形態1のタッチパネル1は、投影型静電容量方式が採用されており、例えば、表示装置の画面に装備される。この実施の形態1のタッチパネル1は、本発明の一つの態様を例示的に示すものであり、投影型静電容量方式に限らず、透光性の電極が用いられる他の方式のタッチパネルにも採用することができる。また、以下の説明では、本発明の実施の形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要な構成部材のみについて説明している。そのため、以下の説明にて言及していない構成部材が備えられている場合がある。
【0024】
図1および
図2に示すように、タッチパネル1は、透光性絶縁材料により形成された基材層2と、透光性電極材料により基材層2上に形成された電極パターンを有する電極層10と、透光性絶縁材料により形成され、基材層2との間で挟むように電極層10を覆う絶縁層20とを備えている。なお、
図1の平面図では、絶縁層20の図示を省略している。
【0025】
図1に示すように、電極層10は、X方向(第1方向)に沿って延在するとともにY方向(第2方向)に所定間隔にて配列された複数の検出電極11(第1電極)と、Y方向において隣接する検出電極11の間の領域に配置された複数のダミー電極12(第2電極)とを備えている。これら検出電極11およびダミー電極12により電極パターンが構成されている。なお、X方向とY方向とは互いに直交する方向である。また、第1方向と第2方向とは互いに交差する方向であれば良く、X方向とY方向とのように互いに直交する場合のみに限られない。
【0026】
基材層2において、電極パターンの周囲には端子部13が配置されており、それぞれの検出電極11は端子部13に電気的に接続されている。一方、それぞれのダミー電極12は端子部13には接続されておらず、検出電極11とは接触せずに電気的に分離して(すなわち導通せずに)形成されている。なお、透光性電極材料としては、例えばITOが用いられるが、金属ナノワイヤー、導電ポリマー(PEDOT)、カーボンナノチューブやグラフェンなどの導電性ナノファイバー、など、その他の透光性電極材料を用いても良い。
【0027】
絶縁層20は、導電性を有する電極層10を覆って外部との間の絶縁性を確保する機能と、外的影響(湿気など)などから電極層10を保護する機能とを備えている。
【0028】
ここでタッチパネル1の電極層10の部分拡大平面図および断面図を
図3(A)、(B)に示し、絶縁層20の部分拡大平面図および断面図を
図4(A)、(B)に示す。
図2から
図4を用いて、タッチパネル1の詳細な構成について説明する。
【0029】
図3(A)、(B)に示すように、電極層10には、X方向に延在する帯状の検出電極11がY方向に所定の間隔にて配列されている。隣接する検出電極11の間の領域に配置されているダミー電極12は、X方向およびY方向に格子状に形成された第1スリット(間隙)14により複数の微細領域に電気的に分割されている。このように、ダミー電極12を第1スリット14により電気的に分割(分離)して、検出電極11に比して微細な島状のパターンとして形成することにより、ダミー電極12に生じる寄生容量の低減を図ることができる。なお、このような第1スリット14の形成幅としては、隣接する島状の微細領域間の電気的な分離(絶縁)を確保しながら、できるだけ小さな幅とすることが望ましく、例えば、30μm〜100μm程度の幅に設定される。また、
図3(A)に示すように、ダミー電極12のそれぞれの島状の微細領域は同じ形状および大きさにて形成されている。
【0030】
図4(A)、(B)に示すように、絶縁層20において、電極層10の検出電極11を覆う部分は、X方向およびY方向に格子状に形成された第2スリット21により複数の島状の微細領域に分割されている。本実施の形態1のタッチパネル1では、この第2スリット21は、絶縁層20を厚さ方向に貫通して形成されている。この第2スリット21の形成幅は、ダミー電極12に形成された第1スリット14と同じ幅に形成されている。また、絶縁層20に形成されたそれぞれの島状の微細領域の形状および大きさは、ダミー電極12に形成された微細領域の形状および大きさと同じとされている。すなわち、絶縁層20における微細領域のパターンは、ダミー電極12における微細領域のパターンと同じとされている。なお、両者のパターンが完全に同じである場合に限られず、一部のみあるいは微細な部分で相違するなどのように、実質的に同じパターンである場合であっても良い。本実施の形態1のタッチパネル1では、絶縁層20における検出電極11を覆う部分には、スリットは形成されていない。
【0031】
このような構成の電極層10と絶縁層20とを基材層2上に重ね合わせて配置した状態が
図2に示す状態である。
図2(A)に示すように、電極層10におけるダミー電極12に形成された微細領域のパターンと、絶縁層20における検出電極11を覆う部分に形成された微細領域のパターンとが、平面視においてY方向に交互に配置されている。これにより、タッチパネル1において、平面視にて全面に渡って共通した微細領域のパターンがほぼ均一に形成される。なお、
図2(A)の平面図では、図示の都合上、ダミー電極12を覆う部分の絶縁層20を省略した図としており、絶縁層20の具体的な形状(パターン)については
図4を参照すれば理解できる。
【0032】
このように電極層10と絶縁層20とを組み合わせてタッチパネル1の全体に渡って均一な微細領域のパターンを設けることにより、ダミー電極12のパターンが検出電極11のパターンと形状および大きさにて大きく異なるような構成であっても、それぞれの電極が外部から視認され難くすることができる。
【0033】
特に、検出電極11に対してスリットを形成することなく、検出電極11を覆う絶縁層20の部分に第2スリット21を形成して微細領域のパターンを形成している。これにより、タッチパネル1において検出機能に大きく寄与する検出電極11に対して、スリット等を形成することによりダメージを与えることがなく、電極としての信頼性を高めることができる。それとともに、検出電極11にて求められる断面積を確保することができ、抵抗値を低く保つことができる。
【0034】
なお、本実施の形態1のタッチパネル1では、電極層10を覆う絶縁層20において、厚み方向に貫通する第2スリット21を形成したが、第2スリット21の幅は、第1スリット14の幅と同等である。すなわち、できるだけ小さな幅とすることが望ましく、例えば30μm〜100μm程度の幅に設定される。その結果、電極層10の保護機能や絶縁機能が実質的に損なわれることはない。また、絶縁層10の表面側あるいは裏面側に別の層(例えば粘着層など(図示せず))を配置して、絶縁層20および別の層により電極層10を覆って保護するようにしても良い。
【0035】
ここで、本実施の形態1のタッチパネル1の製造方法について説明する。
【0036】
まず、基材層2上に透光性電極材料を用いて所定の厚さを有する電極層10を形成する。電極層10の形成には、例えば、スパッタリング、コーティング、転写などの方法が用いられる。
【0037】
次に、電極層10に対して、第1スリット14を形成して、検出電極11およびダミー電極12を有する電極パターンを形成する。電極パターンの形成には、ウェットエッチング、レーザエッチング、フォトリソエッチングなどの方法が用いられる。
【0038】
その後、銀や銅材料などを用いて、スクリーン印刷やグラビア印刷などの方法により、それぞれの検出電極11に接続される端子部13を形成する。
【0039】
次に、電極層10全体を覆うように透光性絶縁材料により絶縁層20を形成する。絶縁層20の形成は、スクリーン印刷やグラビア印刷などの方法が用いられる。なお、この絶縁層20の印刷の際に、検出電極11を覆う部分に第2スリット21を形成して微細領域のパターンが形成される。
【0040】
その後、必要に応じて、絶縁層20上に粘着層(図示せず)を形成する。ここで粘着層は、他の構成部材にタッチパネル1を貼り付けるための層である。粘着層の形成は、コータによる塗布や粘着シートの貼り付けにより行われる。
【0041】
このように形成された積層体に対して、所定の形状および大きさに外形をカットして整形することにより、タッチパネル1が完成する。
【0042】
後述する実施の形態のタッチパネルのように、複数の電極層や絶縁層が用いられるような場合には、それぞれの層の形成工程が必要な回数行われる。また、このような製造方法は一例であり、その他様々な方法を用いることもできる。
【0043】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2にかかるタッチパネル51における部分拡大平面図および断面図を
図5(A)、(B)に示す。なお、
図5(A)の平面図では、図示の都合上、ダミー電極12を覆う部分の絶縁層70を省略した図としている。
【0044】
図5(A)、(B)に示すように、本実施の形態2のタッチパネル51では、絶縁層70において、検出電極11を覆う部分がX方向およびY方向に格子状に形成された第2スリット71によりその表面が複数の微細領域に分割して形成されている。これらの第2スリット71は、
図5(B)に示すように、絶縁層70を厚み方向に貫通することなく、ハーフカットされた溝状に形成されている。
【0045】
このような構成のタッチパネル51では、ダミー電極12の微細領域のパターンと、絶縁層70の微細領域のパターンとが、平面視において全面に渡ってほぼ均一に形成されており、それぞれの電極が外部より見え難くすることができる。さらに、絶縁層70に形成された第2スリット71は、絶縁層70を厚み方向に貫通していないため、電極層10を確実に保護することができる。また、絶縁層70において、第2スリット71の形成深さを、ダミー電極12の第1スリット14とほぼ同じ深さとなるように形成することで、微細領域のパターンをより均一な状態とすることができる。例えば、タッチパネル51を斜めから見るような場合にパターンの見え方の違いを少なくすることができ、均一な状態とすることができる。特に、絶縁層70は例えば10μm程度の厚さを有するのに対して、電極層10は例えば0.1μm程度の厚さを有するというように、両者の厚さは大きく異なる。そのため、絶縁層70に形成される第2スリット71の形成深さを調整することで、第1スリット14と第2スリット71の形成深さの相違を少なくすることができる。なお、絶縁層70において、第2スリット71の深さを、ダミー電極12の第1スリット14とほぼ同じ深さとして形成する場合のみに限られず、両者の深さを近づけるようにすることで、パターンの均一性を高めることができる。
【0046】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3にかかるタッチパネル101における断面図を
図6に示す。
【0047】
図6に示すように、本実施の形態3のタッチパネル101では、絶縁層120に形成されるハーフカットの溝状の第2スリット121が、絶縁層120の裏面側(電極層10側)に形成されている点において、上述の実施の形態2の構成と異なる。
【0048】
このような構成によっても、絶縁層120による電極層10に対する保護機能および絶縁機能を確実に得ることができる。さらに、タッチパネル101の厚み方向において、絶縁層120の第2スリット121の形成高さ位置を、ダミー電極12の第1スリット14の形成高さ位置に近づけることができる。よって、微細領域のパターンをより均一な状態とすることができ、特にタッチパネル51を斜めから見るような場合にパターンの見え方の違いを少なくすることができる。
【0049】
なお、
図7に示す変形例にかかるタッチパネル151のように、電極層110における検出電極111の表面に第2スリット121に対応する凸部115を形成(X方向およびY方向に格子状に形成)して、凸部115が第2スリット121内に配置されるようにしても良い。なお、
図7に示す変形例の構成では、電極層110において、第1スリット114によりダミー電極112が複数の微細領域に電気的に分離されている点は、
図6に示す構成と同じである。また、検出電極111に凸部を形成しない場合に、第2スリット121内に他の透光性材料(透光性樹脂など)を充填するようにしても良い。特に、検出電極111の透光性電極材料としてITOが用いられる場合、スパッタリング薄膜として形成されるため、検出電極111に一体的に凸部を設けることは難しい。しかしながら、検出電極111と別体で凸部を設けるのであれば、検出電極111の形成材料としてITOを用いることができる。
【0050】
充填される透光性材料としては、絶縁層120として用いることができる材料の中から選択して用いることができる。すなわち、電極層110を覆って外部との間の絶縁性を確保する機能と、外的影響などから電極層110を保護する機能とを有するような材料を用いることができる。例えば、アクリル系、ウレタン系、シリコン系、エポキシ系、フッ素系樹脂またはその共重合体などの材料を、充填される透光性材料として選択することができる。なお、充填される透光性材料としては、絶縁層120と同じ材料を選択しないことが望ましく、絶縁層120の材料と屈折率の異なる材料を選ぶことが望ましい。同じ屈折率の材料が用いられると、第2スリット121が認識されにくくなる場合があるからである。また、充填される透光性材料は、電極層110に屈折率が近いものを選択することが望ましい。電極層110と第2スリット121との屈折率差が大きくなると、パターン見えが顕著になる場合があるからである。
【0051】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4にかかるタッチパネル201の断面図を
図8に示す。
【0052】
図8に示すように、本実施の形態4のタッチパネル201では、絶縁層220において、ダミー電極12を覆う部分に、ダミー電極12の第1スリット14の形成位置に合わせて、第3スリット222が形成されている。
【0053】
そのため、絶縁層220では、検出電極11を覆う部分に第2スリット221による微細領域のパターンが形成され、ダミー電極12を覆う部分に第3スリット222による微細領域のパターンが形成されている。さらに、これら絶縁層220における微細領域のパターンは、ダミー電極12における微細領域のパターンと実質的に同じである。なお、絶縁層220に形成された第2スリット221と第3スリット222は、厚み方向に絶縁層220を貫通しないハーフカットの溝状に形成されている。
【0054】
このような構成によれば、タッチパネル201において、平面視にて全体に渡って均一な微細領域のパターンが形成されていることにより、外部から電極を見え難くすることができる。特に、絶縁層220の全体に渡って、均一な微細領域のパターンが形成されているため、パターンの均一性を高めることができる。
【0055】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5にかかるタッチパネル301の断面図を
図9に示す。
【0056】
図9に示すように、本実施の形態5のタッチパネル301は、基材層2と電極層10との間に、別の絶縁層330(第2絶縁層330)が形成されている。すなわち、電極層10は、第1絶縁層320と第2絶縁層330との間に配置され、それぞれの絶縁層320、330により覆われている。なお、第2絶縁層330は、第1絶縁層320と同様に透光性絶縁材料により形成されている。第1絶縁層320では、検出電極11を覆う部分に第2スリット321による微細領域のパターンが形成され、この第1絶縁層320の微細領域のパターンは、ダミー電極12における微細領域のパターンと実質的に同じである。
【0057】
第2絶縁層330において、ダミー電極12を覆う部分には、ダミー電極12の第1スリット14の形成位置に合わせて第4スリット331が形成されている。すなわち、第2絶縁層330には、ダミー電極12の微細領域のパターンと一致するように、第4スリット331によりその表面が分割された微細領域のパターンが形成されている。
【0058】
さらに、
図9に示すように、第1スリット14と第4スリット331とが一体的とされたスリットの形成深さ(第1スリット14の深さ+第4スリット331の深さ)は、第2スリット321の深さと実質的に同じとなるように、第4スリット331の深さが調整されている。
【0059】
このようにタッチパネル301において、微細領域を形成するそれぞれのスリットの深さが実質的に同じとされていることにより、微細領域のパターンをより均一なものとすることができる。特に、斜めから見た場合にパターンの見え方の違いを少なくすることができ、パターンの均一性を高めることができる。
【0060】
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6にかかるタッチパネル401について説明する。
【0061】
本実施の形態6のタッチパネル401は、第1基材層402、第1電極層410、および第1絶縁層420が積層された第1フィルム405と、第2基材層407、第2電極層430、および第2絶縁層440が積層された第2フィルム406とが重ねて配置された構造を有している。
【0062】
図10(A)、(B)に第1フィルム405における第1基材層402と第1電極層410の部分拡大平面図および断面図(B−B断面)を示し、
図11(A)、(B)に第2フィルム406における第2基材層407と第2電極層430の部分拡大平面図および断面図(C−C断面)を示す。また、第1および第2フィルム405、406における第1絶縁層420および第2絶縁層440の部分拡大平面図および断面図(D−D断面)を
図12(A)、(B)に示す。なお、第1絶縁層420および第2絶縁層440は同様な構成を有しているため、共通した図面(
図12)に示している。
【0063】
図10に示すように、第1フィルム405の第1電極層410において、検出電極411は、複数の大略四角形状の領域がX方向において接続されるように、X方向に延在して配置されている。Y方向に隣接する検出電極411の間の領域(大略四角形状の領域)には、ダミー電極412が配置されている。ダミー電極412は、図示上下・左右方向に格子状に形成された第1スリット414により複数の微細領域に電気的に分離されている。
【0064】
図11に示すように、第2フィルム406の第2電極層430において、検出電極431は、複数の大略四角形状の領域がY方向において互いに接続されるように、Y方向に延在して配置されている。X方向に隣接する検出電極431の間の領域(大略四角形状の領域)には、ダミー電極432が配置されている。ダミー電極432は、図示上下・左右方向に格子状に形成された第3スリット434により複数の微細領域に電気的に分離されている。
【0065】
図12に示すように、第1フィルム405の第1絶縁層420は、第1電極層410のダミー電極412を覆う部分に、図示上下・左右方向に格子状に形成された第2スリット421により複数の微細領域に分割されている。この第1絶縁層420における微細領域のパターンは、第1電極層410のダミー電極412における微細領域のパターンと実質的に同様なパターンとなっている。
【0066】
同様に、第2フィルム406の第2絶縁層440は、第2電極層430のダミー電極432を覆う部分に、図示上下・左右方向に格子状に形成された第4スリット441により複数の微細領域に分割されている。この第2絶縁層440における微細領域のパターンは、第2電極層430のダミー電極432における微細領域のパターンと実質的に同様なパターンとなっている。
【0067】
このような構成の第1フィルム405と第2フィルム406とが重ねて配置された状態の平面図および断面図(E−E断面)を
図13(A)、(B)に示す。なお、
図13(A)は、
図13(B)におけるF−F矢視図であり、図示の都合上、ダミー電極412を覆う部分における第1絶縁層420を省略している。
【0068】
図13に示すように、第1フィルム405における第1電極層411の大略四角形状の領域が、第2フィルム406における第2電極層440のダミー電極442が形成された領域と重なるように、第1フィルム405と第2フィルム406とが重ねて配置される。また、それぞれのスリットにより形成された微細領域のパターンは実質的に同じパターンとして形成されており、それぞれのパターンが平面視において一致するように、1フィルム405と第2フィルム406とが重ねて配置される。
【0069】
具体的には、第2絶縁層440における微細領域のパターンが、第1電極層410のダミー電極412における微細領域のパターンと一致するとともに、第1絶縁層420における微細領域のパターンが、第2電極層430のダミー電極432における微細領域のパターンと一致するように、第1フィルム405および第2フィルム406が重ねて配置されている。
【0070】
このように、複数の電極層が積層されるような構成であっても、平面視においてタッチパネル全体としてほぼ均一な微細領域のパターンを設けることができ、外部から電極が視認され難くすることができる。
【0071】
なお、本実施の形態6のタッチパネル401では、基材層として第1基材層402と第2基材層407とを備える場合を例としたが、その他の構成を採用することもできる。例えば、
図14の断面図に示すようにタッチパネル451のように、第2基材層407が省略された構成を採用しても良い。
【0072】
(実施の形態7)
次に、本発明の実施の形態7にかかるタッチパネル501について、
図15に示す断面図を用いて説明する。
【0073】
図15に示すように、本実施の形態7のタッチパネル501では、第1フィルム405に形成された微細領域のパターンと、第2フィルム406に形成された微細領域のパターンとが、平面視においてずらして配置(シフト配置)させている点において、上述の実施の形態6とは異なる構成を有している。
【0074】
このような構成によれば、タッチパネル501の表面沿いの方向において、微細領域のパターンの位置(すなわち、スリットの形成位置)をずらすことにより、平面視にて微細領域のパターンよりもさらに微細なパターンを形成することができる。よって、タッチパネル501全体において、より細かくかつ均一な微細領域のパターンを作り出すことができ、外部から電極が視認され難いという効果を高めることができる。
【0075】
上述のそれぞれの実施の形態の説明では、検出電極が大略帯状である場合や複数の四角形状の領域が対角線方向に接続された形状である場合を例として説明しているが、検出電極としてはその他様々な形状のものを採用しても良い。隣接する検出電極の間の領域にダミー電極が形成されるような構成であれば良く、検出電極の具体的な形状は、求められるタッチパネルの仕様に応じて様々な形態を採り得る。
【0076】
また、ダミー電極の微細領域のパターンについても、格子状のパターンに限られず、様々なパターンを採用し得る。また、個々の微細領域の大きさや形状が全て同じであるような場合に限られず、大きさや形状が異なるような場合であっても良い。外部から電極が視認され難くするという観点からは、微細領域は規則的なパターンとして形成されていることがより好ましい。
【0077】
また、ダミー電極の微細領域のパターンと、絶縁層の微細領域のパターンとが実質的に同じであることがより好ましいが、このような場合についてのみに限定されない。例えば、両者のパターンが幾何学的に相似関係にあるような場合など、タッチパネル全体に渡って、均一であると認識されるようなパターンであれば、実質的に同じパターンでない場合であっても良い。
【0078】
また、ダミー電極や絶縁層に形成されるスリットの角部には、応力集中を回避するような丸み部分(曲面部分)を形成しても良い。また、スリット自体を曲線状に形成して、微細領域を円形や楕円形など曲線状のスリットにより囲まれた領域としても良い。
【0079】
上述のそれぞれの実施の形態のタッチパネルを構成するそれぞれの層を、柔軟性のある層として形成して、曲面状の表示画面にタッチパネルを取り付けるようにしても良い。絶縁層にスリットが形成されていることにより、タッチパネルの柔軟性を高めることができ、曲面装着に適したタッチパネルを提供することができる。
【0080】
また、このような曲面装着用のタッチパネルでは、それぞれの層(例えば、絶縁層と電極層)の伸び率の相違を考慮して、スリットの大きさ、数、形成深さ、形成位置などを選択することが好ましい。また、曲面装着用のタッチパネルでは、斜め方向から視認される機会が多いことを考慮して、それぞれの層に形成されるスリットの形成深さを近づけて、パターンの見え方の違いを少なくさせることが好ましい。
【0081】
また、電極層が絶縁層により覆われて、絶縁層にスリットが形成されるような場合を例として説明したが、電極層上に接着層が配置されて、この接着層が絶縁層としての役割を担うような場合であっても良い。
【0082】
なお、上記様々な実施の形態のうちの任意の実施の形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。