(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、メッセンジャー等の複数のユーザが非同期にメッセージを交換するコミュニケーションツールにおいて、メッセージのやりとりの内容に応じた効果的な関連情報を表現することは難しかった。
【0006】
本発明は、非同期にメッセージを交換するアプリケーションにおいて、メッセージのやりとりの内容を効果的に表現した関連情報を相手ユーザに対して提示できる通信端末、管理サーバ、メッセージ交換システム、メッセージ交換方法及びメッセージ交換プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る通信端末は、ユーザに対応付けて設けられるアバターの複数の表現それぞれに対応する表示データ、及び表示条件を記憶するアバター記憶部と、他のユーザの端末へ送信するメッセージの入力を受け付ける受付部と、前記他のユーザの端末へ送信する際の環境情報を取得する取得部と、前記複数の表現のうち、前記メッセージに含まれるデータ及び前記環境情報が前記表示条件を満たしている1又は複数の表現を判定する判定部と、前記判定部により判定された表現に対応する表示データを抽出し、前記メッセージと共に前記他のユーザの端末へ送信する送信部と、前記他のユーザの端末からメッセージ及び前記表示データを受信する受信部と、前記受信部により受信されたメッセージと対応付けて、当該メッセージと共に受信した表示データに基づくアバターを表示させる表示制御部と、を備える。
【0008】
前記環境情報は、前記メッセージの送信日時を含んでもよい。
【0009】
前記環境情報は、前記メッセージの送信先とのメッセージ交換頻度を含んでもよい。
【0010】
前記送信部は、複数の表示データを、前記他のユーザの端末における表示条件と共に送信してもよい。
【0011】
前記他のユーザの端末における表示条件は、前記メッセージが閲覧された日時の条件でもよい。
【0012】
本発明に係る管理サーバは、複数の通信端末間における非同期のメッセージ交換を管理するサーバであって、ユーザに対応付けて設けられるアバターの複数の表現それぞれに対応する表示データ、及び表示条件を記憶するアバター記憶部と、送信側の通信端末において入力されたメッセージ、及び当該送信側の通信端末における環境情報を受信し、前記複数の表現のうち、当該受信したメッセージに含まれるデータ及び前記環境情報が前記表示条件を満たしている1又は複数の表現を判定する判定部と、前記判定部により判定された表現に対応する表示データを抽出し、前記メッセージと共に受信側の通信端末へ送信し、当該受信側の通信端末においてメッセージと共に受信した表示データに基づくアバターを表示させる送信部と、を備える。
【0013】
本発明に係るメッセージ交換システムは、複数の通信端末と、当該複数の通信端末間における非同期のメッセージ交換を管理する管理サーバと、を備えるシステムであって、ユーザに対応付けて設けられるアバターの複数の表現それぞれに対応する表示データ、及び表示条件を記憶するアバター記憶部と、送信側の通信端末において受信側の通信端末へ送信するメッセージの入力を受け付ける受付部と、前記送信側の通信端末における環境情報を取得する取得部と、前記複数の表現のうち、前記メッセージに含まれるデータ及び前記環境情報が前記表示条件を満たしている1又は複数の表現を判定する判定部と、前記判定部により判定された表現に対応する表示データを抽出し、前記メッセージと共に前記受信側の通信端末へ送信する送信部と、前記受信側の通信端末がメッセージ及び前記表示データを受信する受信部と、前記受信部が受信したメッセージと対応付けて、当該メッセージと共に受信した表示データに基づくアバターを表示させる表示制御部と、を備える。
【0014】
本発明に係るメッセージ交換方法は、複数の通信端末の間における非同期のメッセージ交換方法であって、前記複数の通信端末は、ユーザに対応付けて設けられるアバターの複数の表現それぞれに対応する表示データ、及び表示条件を記憶し、送信側の通信端末において受信側の通信端末へ送信するメッセージの入力を受け付ける受付ステップと、前記送信側の通信端末における環境情報を取得する取得ステップと、前記複数の表現のうち、前記メッセージに含まれるデータ及び前記環境情報が前記表示条件を満たしている1又は複数の表現を判定する判定ステップと、前記判定ステップにおいて判定された表現に対応する表示データを抽出し、前記メッセージと共に前記受信側の通信端末へ送信する送信ステップと、前記受信側の通信端末がメッセージ及び前記表示データを受信する受信ステップと、前記受信ステップにおいて受信したメッセージと対応付けて、当該メッセージと共に受信した表示データに基づくアバターを表示させる表示ステップと、を実行する。
【0015】
本発明に係るメッセージ交換プログラムは、複数の通信端末の間で非同期にメッセージを交換させるためのプログラムであって、前記複数の通信端末は、ユーザに対応付けて設けられるアバターの複数の表現それぞれに対応する表示データ、及び表示条件を記憶し、送信側の通信端末において受信側の通信端末へ送信するメッセージの入力を受け付ける受付ステップと、前記送信側の通信端末における環境情報を取得する取得ステップと、前記複数の表現のうち、前記メッセージに含まれるデータ及び前記環境情報が前記表示条件を満たしている1又は複数の表現を判定する判定ステップと、前記判定ステップにおいて判定された表現に対応する表示データを抽出し、前記メッセージと共に前記受信側の通信端末へ送信する送信ステップと、前記受信側の通信端末がメッセージ及び前記表示データを受信する受信ステップと、前記受信ステップにおいて受信したメッセージと対応付けて、当該メッセージと共に受信した表示データに基づくアバターを表示させる表示ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、非同期にメッセージを交換するアプリケーションにおいて、メッセージのやりとりの内容を効果的に表現した関連情報が相手ユーザに対して提示される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態の一例について説明する。
図1は、本実施形態に係る通信端末1の機能構成を示すブロック図である。
通信端末1は、制御部10と、記憶部20と、入力部30と、表示部40と、通信部50とを備える。
【0019】
制御部10は、通信端末1の全体を制御する部分であり、記憶部20に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、本実施形態における各種機能を実現している。制御部10は、CPU(Central Processing Unit)であってよい。
また、制御部10が備える各部の機能の詳細は後述する。
【0020】
記憶部20は、ハードウェア群を通信端末1として機能させるための各種プログラム、及び各種データ等の記憶領域であり、ROM、RAM、フラッシュメモリ又はハードディスク(HDD)等であってよい。具体的には、記憶部20は、本実施形態の各機能を制御部10に実行させるメッセージ交換プログラム、アバターDB(データベース)21、履歴DB22(メッセージ履歴記憶部、表示履歴記憶部)等を記憶する。
【0021】
アバターDB21は、通信端末1のユーザ毎に対応付けて設けられるアバターの複数の表現それぞれに対応する表示データ、及び表示条件を記憶する。なお、アバターの表現は、静止画像には限られず、動画像であってもよく、表示位置が移動するものであってもよい。
履歴DB22は、受信したメッセージ及び送信するメッセージに対応付けて表示データの履歴を記憶する。
【0022】
入力部30は、通信端末1に対するユーザからの指示入力を受け付けるインタフェース装置である。入力部30は、例えば、タッチパネル及び操作ボタン等により構成される。入力部30が受け付けた指示入力は、制御部10の受付部11へ提供される。
【0023】
表示部40は、制御部10の表示制御部16による制御に従って、ユーザにデータの入力を受け付ける画面を表示したり、制御部10による処理結果の画面を表示したりする。表示部40は、液晶ディスプレイ(LCD)又は有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置であってよい。
【0024】
通信部50は、通信端末1が他の装置と通信する場合のネットワーク・アダプタである。具体的には、通信部50は、インターネットを介して、管理サーバ2と通信し、管理サーバ2による制御に従って複数の通信端末1の間でメッセージの交換を行う。
【0025】
次に、制御部10の機能を詳述する。
制御部10は、受付部11と、取得部12と、判定部13と、送信部14と、受信部15と、表示制御部16とを備える。
【0026】
受付部11は、非同期にメッセージを交換する所定のアプリケーションにおいて、他のユーザが使用する受信側の通信端末1へ送信するメッセージの入力を、入力部30を介して受け付ける。
【0027】
また、受付部11は、通信端末1のユーザからプレゼンス情報の設定入力を受け付け、このユーザのプレゼンス情報からメッセージを生成する。このメッセージは、送信相手に対して非公開な、アバターの表現を判定するためだけのテキストデータであってもよい。
プレゼンス情報は、現在時刻、スケジュール情報、加速度センサ情報、測位情報等に基づいて自動で取得されてもよい。例えば、通信端末1の移動が検出されず、かつ、深夜の時間帯の場合には就寝中であることが推定される。また、現在時刻とスケジュール情報とを照合し、ユーザの状況が推定される。このようなプレゼンス情報の取得は、タイマー計時に基づいても自動的に行われてもよいし、他の通信端末1からの要求に応じて行われてもよい。また、受付部11は、通信端末1のユーザから送信メッセージを所定時間受け付けていない場合に、プレゼンス情報を取得してもよい。
【0028】
取得部12は、メッセージを他のユーザの端末へ送信する際の環境情報を取得する。
環境情報は、通信相手、メッセージの送信日時、送信場所、同一の宛先への前回の送信日時からの時間間隔、通信相手との親密度を示すメッセージ交換頻度等を含む。
【0029】
判定部13は、予め用意されているアバターの複数の表現のうち、少なくともこれから送信するメッセージを含む判定対象メッセージに含まれるデータ、及び取得部12により得られた環境情報が表示条件を満たしている1又は複数の表現を判定する。
このとき、判定部13は、他のユーザの通信端末1から受信したメッセージを含む複数のメッセージに基づいて、表現を判定することが好ましい。
また、判定部13は、前述のプレゼンス情報から生成されたメッセージに対しても、アバターの表現を判定する。
【0030】
判定部13は、環境情報に基づいて表現を判定することにより、例えば、メッセージの送信日時又は送信場所等に基づくアバターの背景、あるいは、時間間隔又は親密度等に基づくアバターの振る舞いが選択される。
【0031】
送信部14は、判定部13により判定された表現に対応する表示データを抽出し、メッセージと共に他のユーザの通信端末1へ送信する。なお、プレゼンス情報に基づくメッセージの場合、送信部14は、このメッセージの送信を省略して表示データのみを送信してもよい。
【0032】
ここで、表示データは、判定部13により判定された表現、及びこの表現の所定時間後に表示させるための所定の表現を含んでもよい。これにより、表示データを受信した通信端末1では、メッセージに対応したアバターが表示された後、所定時間ユーザが返信をしなかった場合に、アバターが別の待機表現に変化し、ユーザの入力を促す。
なお、待機表現は、送信メッセージそれぞれに対して、都度設定されてもよいが、前述のプレゼンス情報に基づく表現として定義され、送信部14が送信メッセージとは非同期に送信してもよい。
【0033】
さらに、送信部14は、複数の表示データを、受信側の通信端末1における表示条件と共に送信する。
この表示条件は、前記メッセージが閲覧された日時の条件である。例えば、メッセージが閲覧された時間帯に応じた背景、又は閲覧されるまでの時間間隔に応じたアバターの振る舞いが選択される。
【0034】
受信部15は、他のユーザの通信端末1から、メッセージ、及びアバターの表示データを受信する。
【0035】
表示制御部16は、受信部15が受信したメッセージと対応付けて、当該メッセージと共に受信した表示データに基づくアバターを表示部40に表示させる。
【0036】
また、表示制御部16は、履歴DB22の中からメッセージの選択を受け付けると、この選択されたメッセージに対応付けられている表示データに基づくアバターを表示させる。
なお、表示制御部16は、複数のメッセージが未読の状態で受信されている場合においても、順次アバターを表示(再生)してもよい。また、ユーザの操作に応じて、この再生をスキップしてもよい。
【0037】
また、表示制御部16は、受信部15により他のユーザの通信端末1からプレゼンス情報を表現するアバターの表示データを受信した場合、メッセージ受信から一定時間が経過した際に、この受信し記憶しておいた表示データに基づくアバターを表示する。
ここで、受信部15は、他のユーザの通信端末1においてプレゼンス情報が取得されたタイミングで、このプレゼンス情報を示す表示データを受信し、記憶することとしてよい。なお、表示データは、プレゼンス情報そのものを直接示すデータであってよいが、これには限られない。受信部15は、プレゼンス情報を規定する設定情報(例えば、「22時以降は寝ている」等)を事前に受信し、表示制御部16がこの設定情報に基づいてプレゼンス情報を判定し、対応するアバターを表示してもよい。
【0038】
図2は、本実施形態に係る受信側の通信端末1における画面表示例を示す図である。
通信端末1は、メッセージ41を受信すると、このメッセージと共に受信した表示データに基づいて、相手ユーザのアバター41Aを表示する(a)。この例では、メッセージ内の単語「暑い」に対応した表現が採用されている。
【0039】
通信端末1は、返信メッセージ42の入力を受け付け、さらに、新たなメッセージ43を受信する。すると、通信端末1は、新たなメッセージ43に付随して送信された表示データに基づいて、表現が変化したアバター43Aを表示する(b)。この例では、メッセージ内の単語「笑」に対応した表現が採用されている。
【0040】
その後、通信端末1において、新たにメッセージの入力がないまま所定時間が経過すると、メッセージ43と共に受信した表示データに含まれている待機表現のアバター43Bを表示する(c)。
【0041】
なお、この例では、送信した1つのメッセージからアバターの表現が決定される場合を示したが、複数のメッセージに基づいて表現が決定される場合も同様に、新たなメッセージの受信に応じて、アバターの表現が変化していく。
【0042】
さらに、表示制御部16は、送信部14によりメッセージを送信する際に、送信される表示データに基づくアバターを表示させる。なお、この表示は、確認のための一時的なものであってもよいし、送信完了後も継続するものであってもよい。
【0043】
この送信した表示データに基づいて表示された自分のアバターは、受信した表示データに基づいて表示された通信相手のアバターの表現との組み合わせに基づいて、判定部13により新たな表現が判定されてもよい。これにより、例えば、通信相手のアバターが寝ている場合、起きている自分のアバターが通信相手のアバターを起こそうとする等、アバター同士の交流が自動的に表現される。
また、送信した表示データに基づいて表示された自分のアバターは、表現の確認後(動画再生後)又は一定時間の経過後に、待機表現又はプレゼンス情報に基づく表現に変更されてもよい。
【0044】
また、表示制御部16は、メッセージを送信する際に、判定部13により判定された複数の表現に対応する複数のアバターを候補として表示させてもよい。この場合、送信部14は、ユーザからの選択入力を受け付け、複数の候補から選択されたアバターの表示データを送信する。
このとき、表示制御部16は、メッセージの入力中に、判定部13により判定された表現に対応するアバターを、選択候補として順次表示してもよい。
【0045】
図3は、本実施形態に係る送信側の通信端末1における画面表示例を示す図である。
この例では、通信端末1は、自身の送信メッセージに対するアバターも表示している。
【0046】
通信端末1は、送信メッセージ44を受け付けると、このメッセージ44に対応して判定された表現の表示データにより、自端末のユーザのアバター44Aを表示する。
ここで、表示データには、送信メッセージ44に基づくテキスト44Bが含まれてもよい。
【0047】
この送信メッセージ44に対して、送信先からの返信メッセージがない場合、通信端末1は、送信先において取得されたプレゼンス情報に基づいて生成されたメッセージ45を受信し、さらに、このメッセージ45に対応して判定された表現のアバター45Aを表示する。なお、メッセージ45が非公開であれば、アバター45Aのみが表示される。
【0048】
図4は、本実施形態に係るメッセージの送信処理を示すフローチャートである。
この送信処理は、受付部11により、送信するメッセージを受け付けたことに応じて実行される。
【0049】
ステップS1において、制御部10(判定部13)は、受け付けたメッセージの中から、表現対象データを抽出する。例えば、判定部13は、形態素解析によりメッセージから得られた単語のうち、所定の評価基準によって重要単語を抽出する。
【0050】
ステップS1aにおいて、制御部10(取得部12)は、現在時刻、履歴情報、位置情報等に基づき、メッセージ送信時の環境情報を取得する。
【0051】
ステップS2において、制御部10(判定部13)は、ステップS1で抽出された表現対象データ、及びステップS1aで取得された環境情報を、アバターDB21の表示条件と照合し、アバターの表現を判定する。
このとき、受信側の環境情報に応じた複数の表現が用意されている場合には、これら複数の表現を選択する。
【0052】
ステップS3において、制御部10(送信部14)は、ステップS2で判定された表現に対応する表示データをアバターDB21から抽出し、必要に応じて1つの画像として合成する。
なお、受信側での表示条件が複数選択された場合には、この表示条件毎に表示データを抽出及び合成する。
【0053】
ステップS4において、制御部10(送信部14)は、受け付けたメッセージ及びアバターの表示データを、指定された宛先の通信端末1へ送信する。
【0054】
ステップS5において、制御部10(表示制御部16)は、ステップS4で送信した表示データに基づく自分のアバターを表示する。
【0055】
ステップS6において、制御部10は、新たなメッセージを送信しないまま所定時間が経過したか否かを判定する。この判定がYESの場合、処理はステップS7に移り、判定がNOの場合、処理はステップS8に移る。
【0056】
ステップS7において、制御部10(表示制御部16)は、自端末のユーザのプレゼンス情報に基づく表現に変化した自分のアバターを表示部40に表示させる。
【0057】
ステップS8において、制御部10は、次のメッセージを送信するか否か、すなわち受付部11が新たなメッセージを受け付けたか否かを判定する。この判定がYESの場合、処理はステップS1に戻り、判定がNOの場合、処理はステップS6に戻る。
【0058】
図5は、本実施形態に係るメッセージの受信処理を示すフローチャートである。
この受信処理は、メッセージ交換のアプリケーションが起動され、制御部10が他の通信端末1からメッセージを受信したことに応じて実行される。
【0059】
ステップS10において、制御部10は、閲覧時刻等の環境情報を取得し、受信したアバターの複数の表現のうち、環境情報が表示条件を満たすものを選択する。
【0060】
ステップS11において、制御部10(表示制御部16)は、受信したメッセージ、及び選択した表示データに基づくアバターを表示部40に表示させる。
【0061】
ステップS12において、制御部10は、新たなメッセージを受信しないまま所定時間が経過したか否かを判定する。この判定がYESの場合、処理はステップS13に移り、判定がNOの場合、処理はステップS14に移る。
【0062】
ステップS13において、制御部10(表示制御部16)は、先に受信した、又は要求に応じて受信した表示データに基づいて、他のユーザのプレゼンス情報に基づく表現に変化したアバターを表示部40に表示させる。
【0063】
ステップS14において、制御部10は、次のメッセージを受信したか否かを判定する。この判定がYESの場合、処理はステップS11に戻り、判定がNOの場合、処理はステップS12に戻る。
【0064】
図6は、本実施形態に係るプレゼンス情報の通知処理を示すフローチャートである。
この通知処理は、プレゼンス情報が設定されたとき、他の通信端末1から取得要求を受信したとき、あるいは、メッセージを受信してから所定のタイマーが満了したとき等、所定のタイミングで実行される。
【0065】
ステップS21において、制御部10(受付部11)は、ユーザによる設定入力に基づいて、又は現在時刻、スケジュール情報、加速度センサ情報、測位情報等に基づいて、ユーザのプレゼンス情報を取得し、このプレゼンス情報を表すメッセージを生成する。
【0066】
ステップS22において、制御部10(判定部13)は、ステップS21で取得されたプレゼンス情報又は生成されたメッセージを、アバターDB21の表示条件と照合し、アバターの表現を判定する。
【0067】
ステップS23において、制御部10(送信部14)は、ステップS22で判定された表現に対応する表示データをアバターDB21から抽出する。
【0068】
ステップS24において、制御部10(送信部14)は、ステップS21で生成されたメッセージ、及びステップS23で抽出されたアバターの表示データを、他の通信端末1へ送信する。
【0069】
以上のように、本実施形態によれば、通信端末1は、送信メッセージ及び環境情報に対応した表現のアバターを判定し、メッセージの宛先である他の端末に表示させる。これにより、非同期にメッセージを交換するアプリケーションにおいて、メッセージのやりとりの内容に加えて、送受信日時、場所、相手ユーザとのメッセージの交換頻度により判定される親密度等の環境情報を効果的に表現したアバターが相手ユーザに対して提示される。
【0070】
また、表示データは、受信側の通信端末1における表示条件と共に送信されるので、メッセージが閲覧された日時等、受信側の環境情報に応じて、アバターの表現を変更できる。
【0071】
アバターの表現は、所定期間内の複数のメッセージに基づいて判定されるので、連続したメッセージの流れに沿った適切なアバターが表示される。さらに、受信メッセージを含めて判定されることにより、会話の流れに沿った適切なアバターが表示される。
【0072】
また、通信端末1は、メッセージ及び対応するアバターの表現を履歴として記憶するので、この履歴の中からメッセージが選択されると、対応するアバターを表示させることができる。例えば、ユーザは、過去の送受信メッセージをスクロールさせて、アバターの表現の変化を楽しむと共に、会話の流れを容易に把握することができる。
【0073】
通信相手に送信されるアバターの表示データは、メッセージに対応した表現に加えて、所定時間後に表示させる表現を含むので、受信側の通信端末では、会話が途切れた際に、アバターがメッセージを待機している表現に変化し、コミュニケーションを促進できる。
【0074】
また、通信端末1は、ユーザのプレゼンス情報に基づくメッセージを生成する。これにより、ユーザが通信端末1を携帯していないこと、又は見ていないこと等を、相手端末においてアバターで表現できる。
【0075】
また、通信端末1は、自身が送信したメッセージに対するアバターを、相手端末と同様に自端末でも表示できる。これにより、ユーザは、送信したアバターの表現を確認できると共に、受信したアバターとの対比を楽しむことができる。
【0076】
さらに、通信端末1は、ユーザが入力したメッセージにより複数の表現が判定される場合には、これら複数の候補から選択入力を受け付けて、ユーザが所望の表現でアバターを表示させることができる。
【0077】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0078】
メッセージの交換は、複数人によるチャット形式であってよく、参加人数は2人には限られない。
また、通信端末1は、過去に送信した表示データを履歴DB22に記憶し、ユーザがこの履歴の中からアバターの表現を選択する手段を備えていてもよい。
【0079】
前述の実施形態における通信端末1の機能は、その一部を管理サーバ2が備えていてもよい。例えば、管理サーバ2が判定部13及び記憶部(アバターDB21、履歴DB22)の機能を備え、送信側の端末から受信したメッセージに基づくアバター表現を判定し、受信側及び送受信の端末へ送信してもよい。
【0080】
複数の通信端末1によるメッセージ交換方法は、ソフトウェアにより実現される。ソフトウェアによって実現される場合には、このソフトウェアを構成するプログラムが、情報処理装置(通信端末1、管理サーバ2)にインストールされる。また、これらのプログラムは、CD−ROMのようなリムーバブルメディアに記録されてユーザに配布されてもよいし、ネットワークを介してユーザのコンピュータにダウンロードされることにより配布されてもよい。