(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6082100
(24)【登録日】2017年1月27日
(45)【発行日】2017年2月15日
(54)【発明の名称】給水加熱ハイブリッド発電
(51)【国際特許分類】
F01K 3/24 20060101AFI20170206BHJP
F01K 7/22 20060101ALI20170206BHJP
F01K 7/40 20060101ALI20170206BHJP
F01K 7/44 20060101ALI20170206BHJP
F01K 27/02 20060101ALI20170206BHJP
F22D 1/28 20060101ALI20170206BHJP
【FI】
F01K3/24
F01K7/22 D
F01K7/40 A
F01K7/44 Z
F01K27/02 C
F22D1/28 Z
【請求項の数】17
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-505698(P2015-505698)
(86)(22)【出願日】2012年8月29日
(65)【公表番号】特表2015-519500(P2015-519500A)
(43)【公表日】2015年7月9日
(86)【国際出願番号】US2012052875
(87)【国際公開番号】WO2013154601
(87)【国際公開日】20131017
【審査請求日】2015年8月31日
(31)【優先権主張番号】61/621,772
(32)【優先日】2012年4月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/596,945
(32)【優先日】2012年8月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513138197
【氏名又は名称】イーアイエフ・エヌティーイー・ハイブリッド・インテレクチュアル・プロパティ・ホールディング・カンパニー・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】アラン・スミス
(72)【発明者】
【氏名】マッケンジー・ミラー
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ダークシー
(72)【発明者】
【氏名】セス・ショートリッジ
【審査官】
瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−173110(JP,A)
【文献】
特開2007−192152(JP,A)
【文献】
特開2006−063886(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0140453(US,A1)
【文献】
特開2006−009574(JP,A)
【文献】
特開2005−030745(JP,A)
【文献】
米国特許第03016712(US,A)
【文献】
実開平01−123001(JP,U)
【文献】
特開平11−013419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01K 3/24, 7/22, 7/40, 7/44,
9/00,27/00
F22D 1/28, 1/32,33/00,37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を生成するための方法であって、次の工程:
第1ボイラーシステムを介して第1エネルギー源を処理して第1蒸気流れを生成させ;
第1蒸気流れを蒸気タービンを介して処理して電気を生成させ;
該蒸気タービンの1以上のLP部分及び/又は1以上のIP部分から1以上の抽出物を取り出して1個以上の給水加熱器又は脱気器において給水流れを加熱させ;
少なくとも1個の追加のボイラーシステムを介して少なくとも1種の追加の燃料源を処理して少なくとも1つの追加の蒸気流れを生成させ、ここで、該少なくとも1個の追加のボイラーシステムは、該第1ボイラーシステムの運転中に該少なくとも1つの追加の蒸気流れを生成し;
該少なくとも1つの追加の蒸気流れの少なくとも一部分を該1個以上の給水加熱器又は脱気器の少なくとも一つに送って該給水流れをさらに加熱し、ここで、該1個以上の給水加熱器又は脱気器における該給水流れは、該少なくとも1つの追加の蒸気流れと該1以上のLP部分及び/又は該1以上のIP部分からの該1以上の抽出物とによって加熱され;
該第1ボイラーシステムに該1個以上の給水加熱器又は脱気器からの該加熱給水流れの少なくとも一部分を送り、及び
該蒸気タービンと該第1ボイラーの再加熱部との間にある低温再加熱ラインに該少なくとも1つの追加の蒸気流れの少なくとも第2部分を送ること
を含む方法。
【請求項2】
前記1個以上の給水加熱器又は脱気器の少なくとも一つが熱交換器である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1エネルギー源が化石燃料、都市固形廃棄物、ごみ固形燃料、特定回収燃料及びバイオマスの少なくとも一つをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1種の追加のエネルギー源が化石燃料、都市固形廃棄物、ごみ固形燃料、特定回収燃料及びバイオマスの少なくとも一つをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1ボイラーシステムがランキン蒸気サイクルシステムを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1エネルギー源が化石燃料を含み、さらに前記少なくとも1種の追加のエネルギー源がバイオマスを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1個の追加のボイラーシステムを介して少なくとも1つの追加燃料源を処理して少なくとも1つの追加の蒸気流れを生成させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの追加の蒸気流れの少なくとも一部を前記1個以上の給水加熱器又は脱気器の少なくとも一つに送ることをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1ボイラーシステムの排出物及び前記少なくとも1個の追加のボイラーシステムの排出物を統合排出物制御システムに送ることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1ボイラーシステムの排出物を第1排出物制御システムに送り、前記少なくとも1個の追加のボイラーシステムの排出物を少なくとも1個の追加の排出制御システムに送ることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
電力を生成するためのシステムであって、
第1蒸気流れを生成するように構成された第1ボイラーシステムと、
該第1蒸気流れを処理して電気を発生させるように構成されたタービンと、
1個以上の給水加熱器又は脱気器において給水流れを加熱するように構成された該タービンの1以上のLP部分及び/又は1以上のIP部分からの1以上の抽出物と、
該第1ボイラーシステムの運転中に少なくとも1つの追加の蒸気流れを生成するように構成された少なくとも1個の追加のボイラーシステムと、
該少なくとも1つの追加の蒸気流れの少なくとも第1部分を該1個以上の給水加熱器又は脱気器の少なくとも一つに送って該給水流れをさらに加熱し、その際、該1個以上の給水加熱器又は脱気器における該給水流れが該少なくとも1つの追加の蒸気流れと該1以上のLP部分及び/又は1以上のIP部分からの該1以上の抽出物とによって加熱されるように構成され、該少なくとも1つの追加の蒸気流れの少なくとも第2部分を該タービンと該第1ボイラーの再加熱部との間にある低温再加熱ラインに送るようにさらに構成された少なくとも1個の蒸気ラインと
を備えるシステム。
【請求項12】
前記1個以上の給水加熱器又は脱気器の少なくとも一つが熱交換器である、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1ボイラーシステムがランキン蒸気サイクルシステムを備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
少なくとも1つの追加の蒸気流れを生成するように構成された少なくとも1個の追加ボイラーシステムをさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの追加の蒸気流れの少なくとも一部を前記1個以上の給水加熱器又は脱気器の少なくとも一つに送るように構成された少なくとも1個の追加蒸気ラインをさらに備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1ボイラーシステムの排出物及び前記少なくとも1個の追加のボイラーシステムの排出物を統合排出制御システムに送るように構成された排気システムをさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1ボイラーシステムの排出物を第1排出物制御システムに送るように構成された第1排気システム及び前記少なくとも1個の追加のボイラーシステムの排出物を少なくとも1個の追加の排出物制御システムに送るように構成された少なくとも1個の追加の排気システムをさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2012年4月9日に出願された米国仮出願第61/621,772(その全教示を引用によりここで援用する)の利益を主張する。
【0002】
技術分野
本発明の技術は、ハイブリッド燃焼系エネルギーシステムにより電力を発生させるための方法及びシステムに関する。具体的には、この技術は、ランキン蒸気サイクル燃焼システム(「技術」ともいう)の1個以上の給水加熱器に二次燃焼システムからの蒸気排出物を供給するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
多くの場合、燃焼系エネルギー発生システムの有用性及び他のユーザーは、電力を生成するために使用される燃料の種類と量に柔軟さを求める。燃料の柔軟さは、このような実体が燃料供給不足にさらされることを減らすこと、燃料価格の変動を緩和及び/又は活用すること、さらには政府のインセンティブプログラムを活用することを可能にする。しかし、1個の燃焼システム内で複数の燃料を同時燃焼させる(例えば、同じ炉内で石炭とバイオマスとを燃焼させる)際には、燃料の柔軟さは、排出ガス法令遵守、操作性及び保守性の問題のため、極めて制限される。このような問題としては、典型的には、変動する放出プロファイルを制御することの困難さ及び/又は汚れ及び凝集が挙げられるが、これらに限定されない。したがって、追加の柔軟さを獲得することには、各燃料のタイプについて別々の燃焼システムを必要とする場合がある。
【0004】
しかし、動作する複数の並列の独立型エネルギー生産施設を稼働させることには多くの欠点も存在する。個別の施設を稼働させるには、並列的な器具及び労働力を必要とすること、高い固定操作費及び維持費を必要とすること、並列な寄生的負荷による大きな非効率などを被る。さらに、特定の燃料のタイプについてのサポート可能な燃焼システムのサイズに関する制限(例えば、低い温度特性、圧力特性、高い水分含有量等のため)により、大きな非効率性がもたらされる場合がある。したがって、別個のエネルギー発生設備は、より大きな単一の統合施設で達成できるよりも実質的に低い効率的なエネルギー生産を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
概要
したがって、複数のタイプの燃料を使用することのできるハイブリッド燃焼系エネルギーシステムの必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この技術の向上した効率は、ハイブリッドプロセスにおいて、二次燃料ボイラーと一次燃料ランキン蒸気サイクル燃焼システム発電所(ランキンシステム)とを組み合わせることによって達成される。二次燃料ボイラー燃焼システムからの排出物は、ランキンシステムの給水加熱器、脱気器及び/又は再加熱ラインに供給される。統合された蒸気流れは、蒸気タービン発電機からの1以上の抽出物を排除又は低減し、それにより、同じランキンシステム投入エネルギーを利用してより多くの電力を生成したり、複数の燃料源からのエネルギー投入を使用して同等の電力を発生させることを可能にする。この技術は、任意のタイプ及び/又は構成の二次燃料又は補助燃料燃焼技術で利用でき、及び/又は任意のタイプの一次燃料蒸気源を利用できる。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1蒸気流れを生成するように構成された第1ボイラーシステムと、該第1蒸気流れを処理して電気を発生させるように構成されたタービンと、1個以上の給水加熱器/脱気器により加熱給水流れを生成するように構成されたタービンからの1以上の抽出物と、第2蒸気流れを生成するように構成された第2ボイラーシステムと、該第2蒸気流れの少なくとも第1部分を該1個以上給水加熱器/脱気器の少なくとも1個に送るように構成された少なくとも1個の蒸気ラインとを備える、電力を発生させるためのシステムを提供する。
【0008】
他の実施形態では、電力を生成するための方法であって、次の工程:第1ボイラーシステムを介して第1エネルギー源を処理して第1蒸気流れを生成し、該第1蒸気流れを蒸気タービンにより処理して電気を生成させ、該蒸気タービンから1個以上の給水加熱器/脱気器を介して1以上の抽出物を取り出して加熱給水流れを生成し、第2ボイラーシステムを介して第2燃料源を処理して第2蒸気流れを生成させ、該第2蒸気流れの少なくとも一部を該1個以上の給水加熱器/脱気器の少なくとも一方に送り、そして該加熱給水流れの少なくとも一部を該第1ボイラーシステムに送ることを含む方法を提供する。
【0009】
さらに別の実施形態では、電力を生成するための方法であって、第1ボイラーシステムにより第1エネルギー源を処理して第1蒸気流れを生成し、該第1蒸気流れを蒸気タービンにより処理して電気を生成させ、該蒸気タービンから1個以上の給水加熱器/脱気器を介して1以上の抽出物を取り出して加熱給水流れを生成させ、加熱給水流れの少なくとも一部を第2ボイラーシステムに送り、該第2ボイラーシステムを介して第2燃料源を処理して第2蒸気流れを生成させ、そして該第2蒸気流れの少なくとも一部を該第1ボイラーシステムに送って低温再加熱することを含む方法を提供する。
【0010】
この技術のシステム及び方法は、1個以上の並列独立型施設で達成できるよりも、複数の燃料源からのエネルギーのより効率的な生成を可能にし、それによってそれぞれの特定の燃料から電気を生成するためのコストを減少させる。この技術は、二次燃料ボイラーからの蒸気と一次燃料ランキンシステムからの蒸気との組み合わせを可能にするため、この技術は、複数の燃料及び/又は燃料タイプからエネルギーを生成するための単一のより大きな実用的な部類の蒸気タービン発電機を使用することを可能にする。単一の実用的な部類の蒸気タービン発電機を使用することには、上記の並列コスト及び非効率性を低減する又はなくすなどといった、複数の別個の独立型実用的規模の蒸気タービン発電機を操作することと比較した蒸気サイクル効率に関するいくつかの利点がある。
【0011】
温度及び圧力の制約によって制限される特定の二次燃料をこの技術で使用する場合にはさらに別の利点が実現される。このような制限は、より低い圧力及び温度の追加蒸気を高圧及び高温の実用規模ランキンシステムに統合する能力を制約する。したがって、これらの二次燃料(例えば、様々なタイプのバイオマス、高塩素MSW、RDF及びSRF)は、より小さな産業クラスの蒸気タービン発電機に制限される場合が多い。実用クラスの蒸気タービン発電機は、産業クラスの蒸気タービン発電機よりも著しく効率的であるため、このような制約を受けた二次燃料を実用クラスの蒸気タービン発電機と共に使用する能力は、このような燃料から電力を発生させるための従来のシステムよりも高い効率を本発明のシステム及び方法に付与する。
【0012】
したがって、いくつかの実施形態では、この技術は、低い圧力及び温度の二次燃料ボイラーを高い圧力及び温度の一次燃料ランキンシステムに統合することにより、実用規模のハイブリッド発電サイクルの資本効率及び運転効率の恩恵を受けることができる施設の数を有意に拡大させる。
【0013】
二次燃料は、別々の二次燃料ボイラーにおけるランキンシステムの燃焼プロセスとは別に燃焼されるため、さらに多くの利益が実現される。独立したボイラー及び/又は炉内での異なる燃料の燃焼は、凝集などの操作性の複雑さを回避する。さらに、このような別々の燃焼は、燃焼ガスを処理するときに柔軟性を創り出す。いくつかの実施形態では、二次燃料ボイラーからのガスは、二次燃料に合わせてカスタマイズされた専用の排出制御システムを使用することによって別々に処理できる。他の実施形態では、ガスを一次燃料ボイラーからの燃焼ガスと組み合わせてもよいし、共通の設備列を介して処理してもよい。これは、二次燃料を、同じ炉内で複数の燃料を同時燃焼させることによって生じる排出物又は操作性の複雑さなしに、給水加熱蒸気を与えるために通常使用される第1燃料を埋め合わせることを可能にする。
【0014】
したがって、この技術は、以下の利点の1つ以上を有する。まず、二次燃料ボイラーからの蒸気は、増加する二次燃料エネルギーの生成効率を増大させる再加熱式ランキンシステムで操作できる。第二に、実用規模の蒸気タービン発電機は、産業規模の蒸気タービン発電機よりも本質的に高い効率を有する。第三に、共有の冷却サイクル及び他の補助装置の寄生負荷は、同等の発電で配列的な独立型負荷の場合よりも少ない。第四に、実用規模の蒸気サイクルで利用できる低グレードの熱源を、二次燃料ボイラーと組み合わせて、より効率的に利用する。第五に、二次燃料施設と一次燃料施設との同時設置により、固定操業費及び保全費は、共通の工場従業者及びインフラを共有することができるので単位基準当たりについて低くなる。第六に、この技術は、有利には燃料の柔軟性を与える、一次燃料ランキンシステム蒸気発生用の補足として給水加熱のための二次燃料蒸気発電を導入することができる。第七に、別個のボイラーを使用するための柔軟性は、多様な燃料タイプを同時燃焼することに関連付けられる一般的な操作性及び排出物の問題を回避する。
【0015】
上記及び他の目的、特徴及び利点は、添付した図面(同様の符号は異なる図を通して同じ部分を指す)に示されるような次の実施形態のより詳細な説明から明らかになるであろう。図面は、必ずしも一定の縮尺ではなく、その代わり、実施形態の原理を説明することが強調されている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、多段蒸気タービン発電機を備えた従来の一次燃料再加熱ランキンシステムを示す。
【
図2】
図2は、多段蒸気タービン発電機を有する一次燃料ランキンシステムと一体化された二次燃料ボイラーを備える本発明の様々な実施形態に係るハイブリッド燃焼系エネルギーシステムを示す。
【
図3】
図3は、本発明の様々な実施形態に係る電力の生成方法を示す。
【
図4】
図4は、本発明の様々な実施形態に係る電力を発生させる追加方法を示す。
【
図5】
図5は、二次燃料燃焼システムが、バイオマスを601MMBtu/時間(HHV)の燃焼速度で使用し、第2及び第3給水加熱器に補助的な蒸気を与える、本技術の例示構成の例示熱収支を示す。
【
図6】
図6は、二次燃料ボイラーがバイオマスを617MMBtu/時間(HHV)の燃焼速度で使用し、第3給水加熱器及び低温再加熱ラインに補足蒸気を与える、本技術の例示構成の例示熱収支を示す。
【
図7】
図7は、本技術の例示の典型的なランキンシステム並びに3つの例示構成についての熱収支表を示す。
図1、
図2、
図5及び
図6は、
図7の表に記載された4つの構成に相当する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本技術は、少なくとも1個の二次燃料ボイラーからの蒸気と一次燃料ランキンシステムからの蒸気とを組み合わせることにより、単一ハイブリッド燃焼系エネルギーシステムに複数の燃料源を統合することを可能にする。いくつかの実施形態では、二次燃料燃焼システムからの蒸気排出物を、一次燃料ランキンシステムの1個以上の給水加熱器に供給することができる。このようないくつかの実施形態の給水加熱器は、熱交換器を介して二次燃料蒸気排出物を統合することができると共に、他のものは、給水又は再加熱ラインに蒸気を直接導入することができる。このような多くの実施形態では、統合された蒸気流れは、蒸気タービン発電機から1以上の抽出物を排除又は低減させることができ、それにより同じランキンシステム一次燃料投入エネルギーを使用してより多くの電力を生成することを可能にする。さらに、温度及び圧力の制約は、産業用(又は小規模)ボイラー/タービンエネルギーシステムに別々に使用される場合には、いくつかの二次燃料を制限する一方で、ここで開示する二次燃料蒸気の統合は、任意の圧力及び温度での蒸気の統合を成功させることを可能にする。
【0018】
用語「給水加熱器」とは、熱を蒸気源から給水に伝達するように設計された任意の直接的又は間接的な熱交換器をいう場合がある。また、ここでは、給水加熱器は、脱気装置を備えるものと解される。さらに、給水加熱器に送られる任意の蒸気を、その代わりに又はさらに、任意の給水及び/又は再加熱ラインに送ることができることを理解すべきである。
【0019】
ここで、用語「燃料」とは、任意の化石燃料、都市固形廃棄物(MSW)、ごみ固形燃料(RDF)、特定回収燃料(SRF)、又はバイオマスを含むものと解される。化石燃料としては、例えば、ガソリン、石油、天然ガス、石炭などが挙げられるが、これらに限定されない。MSWとしては、食品廃棄物、庭ごみ、容器及び製品パッケージ並びに住宅、商業、施設及び産業発生源からの他の様々な廃棄物が挙げられるが、これらに限定されない。RDFとしては、任意のMSW又は典型的にはMSWの可燃性要素が分離され、脱水され及び/又は細断された後のごみの他の形態から生成される任意の燃料が挙げられる。SRFSとしては、特定の規格を満たすように生成された任意のRDFが挙げられる。バイオマスとしては、例えば、樹木、草、トウモロコシ、サトウキビ、作物廃棄物、動物性廃棄物(例えば、糞、脂肪又は肉副産物)、生木チップ、森林廃棄物、庭の刈り取り物、木材チップ、都市廃木材、建設及び解体廃木材、サトウキビ繊維(バガス)、他の農業廃棄物及び/又は他の任意の植物又は動物材料(これらに限定されない)を含めて、任意の植物性又は動物性物質などの燃料が挙げられる。ここで、2種以上の燃料の任意の組み合わせも用語「燃料」により言及できることが本発明の観点からさらに明らかであろう。
【0020】
用語「二次燃料燃焼技術」とは、例えば、ストーカーだき、バブリング流動床技術、循環流動床技術及び/又は蒸気の生成のための燃焼若しくは燃料の処理の任意の他の方法を含めて燃料を燃焼させるための任意の方法をいう。一次燃料から発生した蒸気は、同様に、当技術分野において公知の任意の手段によって得ることもでき、この技術は、任意の特定の方法には限定されない。
【0021】
図1は、多段蒸気タービン発電機を備えた従来の一次燃料ランキンシステム100を示す。この従来技術の例は、一次燃料ボイラー101を備え、これは、主蒸気103及び再加熱蒸気105の両方を生成し、その後これらを複数の部分又はステージ107を有する蒸気タービン発電機に送る。タービン107は、発電機111を駆動し、このものは、主蒸気103及び再加熱蒸気105から仕事を抽出する。蒸気タービンのアウトプットは、低温再加熱蒸気112、給水加熱についての蒸気抽出物115、及び/又は凝縮物117である。低温再加熱蒸気112を、一次燃料ボイラー101に戻る低温再加熱ライン113を介して送る一方で、給水加熱及び/又は凝縮物117についての蒸気抽出物115を、少なくとも1個の脱気器125及び/又は給水加熱器(例えば、第1給水加熱器127などの比較的低温の給水加熱器、第3給水加熱器129などの比較的高温の給水加熱器、及び/又は第2給水加熱器131などの任意の中間的給水加熱器)に給水加熱ラインを介して送る又はポンプ輸送する(例えば、凝縮物ポンプ119及び/又はボイラー給水ポンプ121によって)。給水加熱後、加熱された給水133を一次燃料ボイラー101に戻し、そしてサイクルが更新される。
【0022】
特に、
図1は、一例として1つの一次化石燃料で動作する発電所を示す。
図1に示された例示の発電所は、化石燃料の3422MMBtu/時間(HHV)を使用して蒸気タービンで360MWを発生させ、寄生負荷について29MWを失い、生成された正味電力の331MWをもたらす。
【0023】
図2は、多段蒸気タービン発電機を有する一次燃料ランキンシステムと一体化された二次燃料ボイラーを有するハイブリッド燃焼系エネルギーシステム200を示す。
図2に示された例示的な実施形態は、給水加熱ライン123から分岐一次給水203を受け取り、補足蒸気205を出力する二次燃料ボイラー201を備え、このものは、該補足蒸気を給水加熱器(又は熱交換器)及び/又は脱気器(例えば、図示されるように第3給水加熱器129)に導入する。続いて、加熱された給水133は、
図1で説明したように一次燃料ボイラー101に送られる。
【0024】
一般に、全ての潜在的な実施形態ではないが、二次燃料供給部についての蒸気発生プロセスは、並列的な独立型二次燃料発電事業と同様の方法で動作するが、ただし、蒸気が専用の蒸気タービン発電機に直接送られないことを除く。その代わりに、二次燃料供給部から発生した蒸気は、1個以上の給水加熱器又は脱気器に向けられる。二次燃料ボイラーからの蒸気の量は任意であり、かつ、利用可能な特定の二次燃料の量、所望の性能目標及び一次ランキンサイクル装置の制約に応じて大きく変化することは、本発明に鑑みて明らかである。
【0025】
特に、
図2は、一次燃料が化石燃料であり、二次燃料ボイラーを使用し、二次燃料がバイオマスである一例のハイブリッド発電所を示す。しかし、上記で定義したように任意の燃料又は燃料の適切な組み合わせを一次燃料及び/又は二次燃料として使用することができることは、本発明に鑑みて明らかであろう。例示の目的のために、
図2は、
図1で説明した化石燃料ボイラー発電所の続きであり、最終段階給水加熱器に蒸気を供給する330MMBtu/時間(HHV)バイオマスボイラーを加えている。この例のハイブリッド発電所は蒸気タービンで386メガワットを生成する一方で、寄生負荷について31メガワットしか失わず、生成正味電力の355メガワットとなる。
【0026】
図2は、二次燃料ボイラーからの蒸気が最終段階給水加熱器に送られることを示しているが、二次燃料ボイラーからの蒸気を任意の段階の給水加熱器、任意の脱気器、任意の低温又は加熱給水加熱用ライン、任意の低温又は加熱再加熱ライン、一次燃料ボイラー101に直接及び/又は任意の他の所望の場所に送ることができる。この技術は、二次燃料又は二次燃料燃焼技術の任意のタイプ及び/又は構成で利用でき、及び/又は任意のタイプの一次燃料蒸気源を利用できる。例えば、一つの構成は、二次燃料ボイラーからの蒸気を1個以上の給水加熱器に送る。他の実施形態では、一次給水203の少なくとも一部を1個以上の二次燃料ボイラー201に迂回させ、その出力蒸気を加熱給水133及び/又は低温再加熱蒸気112流れとして一次燃料ボイラーに直接送る。
【0027】
いくつかの例では、ハイブリッドサイクルは、単段給水加熱器を備え、そして、二次燃料ボイラーからの蒸気は、この単段給水加熱器に送られる。他の例では、ハイブリッドサイクルは、複数の給水加熱段を備える。このような例では、二次燃料ボイラーからの蒸気を、給水加熱器の段の一以上に送ることができる。さらなる例では、給水加熱段は、複数のカスケード給水加熱器を備える。複数のカスケード給水加熱器を、それぞれ、蒸気タービン発電機、二次燃料ボイラー及び/又は発電部材の任意の他の部分に相互接続することができる。さらに別の例では、二次燃料ボイラーからの蒸気を、任意の給水加熱器、再加熱ライン及び/又は一次燃料ボイラーに直接送ることができる。
【0028】
さらに別の実施形態では、二次燃料ボイラーからの蒸気は、給水加熱器内の水に熱を伝達するために熱交換器(図示するように例えば125、127、129、及び131)を利用する。他の例では、二次燃料ボイラーからの蒸気の温度及び圧力は、特定の給水加熱器に供給する、すなわち給水加熱器に直接供給する供給蒸気タービン抽出物の温度及び圧力を一致させることができる(例えば±1%以内、±10%以内など)。さらに他の例では、二次燃料ボイラーからの蒸気を、比較的低温の給水加熱器(例えば、第1給水加熱器127)又は脱気装置125内で水と混合させることができる。さらに別の実施形態では、二次燃料ボイラーからの蒸気の一部を、コジェネレーション用途(例えば、熱電併給)及び/又はランキンシステムタービン抽出物を通常使用することができる他の任意の用途のためにホスト蒸気として使用するために迂回させることができる。
【0029】
この技術は、見込まれるハイブリッドシステムの一次燃料成分が高い蒸気温度及び圧力で最も効率的に動作する既存の発電所のために特に有用である。このような施設には、従来から、二次燃料ボイラーからの蒸気を取り込むことに関連した合致又は統合能力があった。しかし、この技術は、蒸気タービンの高圧入口で必要とされる高温及び高圧の蒸気条件に一致する二次燃料ボイラーの能力にもかかわらず、二次燃料ボイラーをハイブリッドサイクルで使用することを可能にし、前から存在する任意の発電所にこの技術を取り入れることを可能にする。換言すれば、二次燃料ボイラーからの蒸気の圧力及び温度条件が一致する必要はなく、あるいは、実質的に一次燃料ボイラーからの主蒸気(又は抽気)の圧力及び温度条件と一致又は実質的に一致させる必要はない。
【0030】
さらに、二次燃料は、別個の二次燃料ボイラーにおけるランキンシステムの燃焼プロセスとは別に燃焼されるので、凝集といった操作上の複雑さが回避される。さらに、このような分離燃焼は、燃焼ガスを処理する際の柔軟さをもたらす。いくつかの実施形態では、二次燃料ボイラーからのガスは、その特定の二次燃料の燃焼から生じる汚染物質を制御するためにカスタマイズされた専用の排出制御システムを使用して別々に処理できる。他の実施形態では、ガスを一次燃料ボイラーからの燃焼ガスと混合し、そして共通の設備列により処理することができる。これは、二次燃料が、同じ炉内で複数の燃料を同時燃焼させることによって生じる排出又は操作上の複雑さなしに、給水加熱蒸気を与えるために使用される主燃料を相殺することを可能にする。
【0031】
図3は、電力を生成する方法300を示す。様々な実施形態によれば、この方法は、次の工程:第1ボイラーシステムを介して第1エネルギー源を処理して第1蒸気流れ301を生成させ、蒸気タービンを介して該第1蒸気流れを処理して電気303を生成させ、該蒸気タービンから1以上の抽出物を取得して、1個以上の給水加熱器/脱気器305を介して加熱給水流れを生成し、第2ボイラーシステムを介して第2燃料源を処理して第2蒸気流れ307を生成させ、該第2蒸気流れの少なくとも一部を該1個以上の給水加熱器/脱気器309の少なくとも1個に送り、そして該加熱給水流量の少なくとも一部を該第1ボイラーシステム311に送ることを含むことができる。
【0032】
様々な実施形態において、第1ボイラーシステムを介して第一のエネルギー源を処理して第1蒸気流れ301を生成する工程は、一次燃料ボイラーを使用して一次燃料を燃焼させ、それによって好適な温度及び圧力の蒸気流れを生成させることを含むことができる。この開示から、いくつかのこのような実施形態では、第1ボイラーシステムは複数の蒸気流れ(例えば、主蒸気103及び再加熱蒸気105)を生成することは明らかであろう。
【0033】
蒸気タービンを通して第1蒸気流れを処理して1個以上の給水加熱器/脱気装置303を介して加熱給水流れを生成する工程は、いくつかの実施形態では、上述のように複数の部分又は段109を有する蒸気タービン発電機107を介して蒸気流れを送ることを伴う。加熱給水流れは、
図1及び
図2を参照して上述したように1個以上の給水加熱器/脱気を通じて給水を送ることによって生成できる及び/又は任意の他の適切な手段を介して生成できる。
【0034】
いくつかの実施形態例では、第2ボイラーシステムを介して第2燃料源を処理して第2蒸気流れ307を生成させ、そして第2蒸気流れの少なくとも一部を1個以上の給水加熱器/脱気器309の少なくとも1個に送る工程は、二次燃料ボイラーを使用して二次燃料を燃焼させ、それによって適切な温度及び圧力の蒸気流れを生成することを含むことができる。第2燃料は、上で定義したような任意の燃料とすることができ、給水加熱器/脱気器は、上で定義したような任意の給水加熱器/脱気器とすることができる。この開示から、このようないくつかの実施形態では、第2ボイラーシステムは、複数の蒸気流れを生成し又は複数の場所に送られる単一の蒸気流れを有することは明らかであろう(例えば、1個以上の給水加熱器への流れ、再加熱ラインへの流れ、脱気器への流れ、コージェネレーションホスト蒸気など)。
【0035】
多くの実施形態では、加熱給水流量の少なくとも一部を第1ボイラーシステム311に送る工程は、加熱給水の流れ133の少なくとも一部を処理のために一次燃料ボイラー101に送ることを含むことができる。
【0036】
図4は、電力を発生させる追加的な方法400を示す。様々な実施形態によれば、この方法は、次の工程:第1ボイラーシステムを介して第1エネルギー源を処理して第1蒸気流れ401を生成させ、該第1蒸気流れを蒸気タービンを介して処理して電気403を生成させ、蒸気タービンから1以上の抽出物を取得して1個以上の給水加熱器/脱気器405を介して加熱給水流れを生成させ、該加熱給水流れの少なくとも一部を第2ボイラーシステム407に送り、該第2ボイラーシステムを介して第2燃料源を処理して第2蒸気流れ409を生成し、そして該第2蒸気流れの少なくとも一部分を該第1ボイラーシステム411に送ることを含むことができる。
【0037】
第1ボイラーシステムを介して第1のエネルギー源を処理して第1蒸気流れ401を生成する工程、蒸気タービンを介して該第1蒸気流れを処理し電気403を生成する工程、該蒸気タービンから1以上の抽出物を取り出して1個以上の給水加熱器/脱気器405を介して加熱給水流れを生成する工程及び第2ボイラーシステムを介して第2燃料源を処理して第2蒸気流れ409を生成する工程としては、上記の
図3を参照して説明したように工程301、303、305及び307が挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
いくつかの実施形態では、加熱給水流量の少なくとも一部を第2ボイラーシステム407に送る工程は、一次給水流れ203の一部を処理のために二次燃料ボイラー201に迂回させることを含むことができる。いくつかの例では、主給水流れ203のほぼ全てを二次燃料ボイラー201に迂回させることができる。
【0039】
第1ボイラーシステム411に第2蒸気流れの少なくとも一部を送る工程は、いくつかの実施形態では、追加蒸気流れの一部又は全てを、低温再加熱蒸気112の代わりとして一次燃料ボイラー101に直接送ることを含むことができる。
【0040】
図5は、二次燃料ボイラーがバイオマスを601MMBtu/時間(HHV)の燃焼速度で使用し、追加蒸気を第2及び第3給水加熱器に与える技術500の例示的な構成の典型的な熱収支を示す。
【0041】
この構成は、
図1を参照して説明した構成に二次燃料ボイラー501を追加している。二次燃料ボイラー501は、迂回された主給水503及び/又は凝縮物117を給水加熱ライン123から受け取り、そして、追加蒸気を追加蒸気出力ライン505を介して出力する。次いで、追加蒸気出力ライン505が追加蒸気を第1及び第2給水加熱器131、129に送り、その後、加熱給水133は、
図1で説明したように一次燃料ボイラー101に送られる。
【0042】
特に、
図5は、石炭の一次燃料及び木質バイオマスの二次燃料を使用する例示発電所を示す。
図5に示した例示発電所は、化石燃料の3,570MMBtu/時間(HHV)及びバイオマスの601MMBtu/時(HHV)を使用して蒸気タービンで419MWを生成し、寄生負荷について34MWを失うが、これは、生成したネット電力の385MWとなる。
【0043】
図6は、二次燃料ボイラーで617MMBtu(HHV)/時の燃焼速度でバイオマスを使用し、第3給水加熱器及び低温再加熱ラインに追加蒸気を与える技術600の例示的な構成の典型的な熱収支を示す。
【0044】
この構成は、
図1を参照して説明した構成に二次燃料ボイラー601を追加したものである。二次燃料ボイラー601は、迂回された主給水603及び/又は凝縮物117を給水加熱ライン123から受け取り、そして追加蒸気を追加蒸気出力ライン605を介して排出する。その後、追加蒸気を第3給水加熱器129及び低温再加熱ライン113に再導入する。
【0045】
特に、
図6は、石炭の一次燃料及び木質バイオマスの二次燃料を使用する例示発電所を示す。
図6に示した例のプラントは、蒸気タービンで423MWを生成し、化石燃料の3535MMBtu/時(HHV)及びバイオマスの617MMBtu/時(HHV)を使用し、寄生負荷について35MWを失うところ、これは生成されたネット電力の388MWとなる。
【0046】
図7は、この技術の典型的な例示ランキンシステム並びに3つの例示的な構成についての熱収支一覧表を示す。
図1、
図2、
図5、及び
図6は、
図7中の表に記載された4つの構成に対応する。
【0047】
図7は、
図1、
図2、
図5及び
図6によって示される各構成の改善された性能をまとめたものである。説明のために、
図2の例示ハイブリッドサイクルで使用される同量のバイオマス燃料は、17,500Btu/kWhの発熱率を生じさせる従来の並列の独立型バイオマス発電所で燃焼された場合に、約19MWを生成する。対照的に、
図7にまとめたように、バイオマス燃料の点火に起因する24MW(355MW〜331MW)の新たな電気を発生させる。したがって、本技術の特定の一実施形態は、バイオマス燃料のエネルギー生成の26%の増大を実証し、かつ、ハイブリッドサイクルのバイオマス成分についてより効率的な13,750Btu/kWhの発熱率を達成する。
【0048】
図1、
図2、
図5、
図6に示し、かつ、
図7で要約したように、既存の一次燃料発電部位への二次燃料ボイラーの追加は、対応する一次燃料投入の増加なしに、電力生成の部分を増加又は部分的に置き換えることができる。これは、電気の生成の間にここで説明した技術を利用して相乗効果を与える一次燃料と二次燃料との組み合わせによって達成される。この相乗効果は、
図1〜7を参照して上述したように、二次燃料ボイラー(例えば、201、501、601)からの蒸気を一次燃料供給発電サイクルの給水加熱器(例えば、125−131)、脱気器(例えば、125)、再加熱ライン(例えば、113)に送り、そして、移動した蒸気抽出物を使用して蒸気タービン(例えば、107、507)で多くの電力を生成する。
【0049】
例えば、一実施形態の各特徴を、他の実施形態で示した他の特徴と混合し、一致させることができる。必要に応じて、当業者に知られている特徴及び方法を同様に組み込むことができる。必要に応じて、さらに明らかに、特徴を加え又は取り去ることができる。したがって、本発明の範囲は、上記説明ではなく、請求の範囲によって示され、また、請求の範囲の意味及び均等の範囲内での全ての変更がそこに含まれるものとする。
【符号の説明】
【0050】
100 従来の一次燃料ランキンシステム
101 一次燃料ボイラー
103 主蒸気
105 再加熱蒸気
107 タービン
112 低温再加熱蒸気
113 低温再加熱ライン
115 蒸気抽出物
125 脱気器
127 第1給水加熱器
129 第3給水加熱器
131 第2給水加熱器
200 ハイブリッド燃焼系エネルギーシステム
201 二次燃料ボイラー
203 分岐一次給水
205 補足蒸気
500 技術
501 二次燃料ボイラー
503 主給水
505 追加蒸気出力ライン
600 技術
601 二次燃料ボイラー
603 主給水
605 追加蒸気出力ライン