(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されている遊技機にあっては、凹溝から取り出されるメダルは整列状態となるものの、手の小さな遊技者や不慣れな遊技者は、整列された複数のメダルをメダル投入口に持っていく前に、これらのメダルをこぼしやすいという問題がある。特に、遊技に集中している遊技者は、表示される図柄や演出表示画面等を注視していることが多いため、手元がおろそかになりやすい。このため、手に取ったメダルを持ち上げるときにメダルがこぼれてしまったり、メダルの整列状態を崩してしまったりするおそれがある。
【0007】
そこで本発明は、メダル貯留皿部に貯留されるメダルを、整列状態を維持したままでメダル投入口に容易に投入することができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、遊技媒体としてのメダルが投入されるメダル投入部と、払い出されたメダルが貯留されるメダル貯留皿部と、を具備する遊技機であって、前記メダル貯留皿部に貯留されたメダルが厚み方向に重ねられた状態で整列して収容されるメダル収容体を備え、前記メダル収容体は、前記メダル貯留皿部に脱着自在に装着可能な装着構造を有していると共に、前記メダルが収容された状態で前記メダル貯留皿部から離脱して前記メダル投入部に設けられた収容体受け部に脱着自在に装着可能な装着構造を有していることを特徴とする遊技機である。
特に望ましい構成は、遊技媒体としてのメダルが投入されるメダル投入部と、払い出されたメダルが貯留されるメダル貯留皿部と、を具備する遊技機であって、上方が開放された収容体本体を有し、前記メダル貯留皿部に貯留されたメダルが厚み方向に重ねられた状態で横置きに整列して収容されるメダル収容体を備え、前記メダル収容体は、前記メダル貯留皿部に脱着自在に装着可能な装着構造を有していると共に、前記メダル投入部に設けられた、凹状の湾曲面からなる上面部を有する収容体受け部に脱着自在に装着可能な装着構造を有しており、前記メダル収容体は、収容されたメダルの整列方向に沿った先端部及び基端部を有し、前記先端部には、収容されたメダルのうち先端部側のメダルが落下可能なメダル開口部が形成されており、かつ前記先端部には、内向きに突出するメダル係止部が設けられて、整列されたメダルを係止して前記メダル開口部からメダルが即時に落下しないように仮留めする機能を有しており、また前記メダル収容体の下面部は前記メダル投入部の前記収容体受け部の上面部に対応する湾曲形状を有しており、前記メダル収容体が前記メダル投入部に装着された状態で、前記メダル収容体の下面部と前記メダル投入部の前記収容体受け部の上面部とが適嵌して前記メダル開口部と前記メダル投入部に形成されたメダル投入口とが対置し、前記メダル収容体に収容された整列状のメダルが前記基端部側から先端部側に向かって押し出されると前記メダル係止部が弾性変形してメダルが前記メダル開口部を通過可能となり、順次前記先端部側のメダルが前記メダル開口部から落下して前記メダル投入口に投入されてなることを特徴とする遊技機である。
【0009】
かかる構成にあって、メダル貯留皿部内のメダルをメダル投入部に投入する際には、遊技者は、整列状態のメダルが収容されたメダル収容体を手で持って、このメダル収容体をメダル貯留皿部から収容体受け部に移動させれば良い。このように本発明は、遊技者が直接手で整列状のメダルを持つ必要がないため、たとえ不慣れな遊技者でもメダル貯留皿部内のメダルをメダル投入部まで安全に移動させることができる。しかも、メダル収容体は、メダル貯留皿部にも、メダル投入部の収容体受け部にもそれぞれ装着及び離脱させることができる装着構造を有しているため、メダルの投入作業時に、適宜、メダル収容体をメダル貯留皿部又はメダル投入部に装着して確実に留め置くことができる。このため、メダル収容体の取り扱いが格段に容易となり、メダルの投入作業が極めて簡便となる。
【0010】
前記遊技機にあって、前記メダル収容体は、収容されたメダルの整列方向に沿った先端部及び基端部を有し、前記先端部には、収容されたメダルのうち先端部側のメダルが落下可能なメダル開口部が形成されており、前記メダル収容体が前記メダル投入部に装着された状態で、前記メダル開口部と前記メダル投入部に形成されたメダル投入口とが対置し、前記メダル収容体に収容された整列状のメダルが前記基端部側から先端部側に向かって押し出されると順次前記先端部側のメダルが前記メダル開口部から落下して前記メダル投入口に投入されてなる構成が提案される。
【0011】
かかる構成とすることにより、メダル投入部に装着されたメダル収容体に収容されているメダルを基端部側から先端部側に向かって押し出すという簡単な動作だけで、メダルをメダル投入口に順次投入していくことができる。このため、メダル投入時にメダルが不用意にこぼれてしまうことが抑制される。
【0012】
また、前記遊技機にあって、前記メダル収容体は、有底の外側収容体と、前記外側収容体内に配置され、かつ前記メダルが厚み方向に重ねられた状態で整列して収容される有底の内側収容体と、を有し、かつ、前記内側収容体が前記外側収容体に対して相対的に可動に設けられており、さらに前記外側収容体の底部の一部には、メダルが落下可能な外側開口部が形成されていると共に、前記内側収容体の底部の一部には、メダルが落下可能な内側開口部が形成されており、前記メダル収容体が前記メダル投入部に装着された状態で、前記外側収容体の前記外側開口部と前記メダル投入部に形成されたメダル投入口とが対置し、前記外側収容体内に配置されている前記内側収容体は、前記内側開口部と前記外側収容体の底部とが対置する投入準備状態と、前記内側開口部と前記外側開口部とが対置して、前記内側収容体内のメダルが前記内側開口部と前記外側開口部とから落下し前記メダル投入口に投入される投入可能状態とに選択的に状態変換してなる構成も提案される。
特に望ましい構成は、遊技媒体としてのメダルが投入されるメダル投入部と、払い出されたメダルが貯留されるメダル貯留皿部と、を具備する遊技機であって、前記メダル貯留皿部に貯留されたメダルが厚み方向に重ねられた状態で整列して収容されるメダル収容体を備え、前記メダル収容体は、前記メダル貯留皿部に脱着自在に装着可能な装着構造を有していると共に、前記メダル投入部に設けられた、凹状の湾曲面からなる上面部を有する収容体受け部に脱着自在に装着可能な装着構造を有しており、前記メダル収容体は、上方が開放された有底の外側収容体と、前記外側収容体内に配置され、かつ前記メダルが厚み方向に重ねられた状態で横置きに整列して収容される、上方が開放された有底の内側収容体と、を有し、かつ、前記内側収容体が前記外側収容体に対して相対的にスライド自在に設けられており、前記外側収容体の下面部は、前記メダル投入部の前記収容体受け部の上面部に対応する湾曲形状を有していると共に、前記外側収容体の底部の一部には、メダルが落下可能な外側開口部が形成されていると共に、前記内側収容体の底部の一部には、メダルが落下可能な内側開口部が形成されており、前記メダル収容体が前記メダル投入部に装着された状態で、前記外側収容体の下面部と前記メダル投入部の前記収容体受け部の上面部とが適嵌し、かつ、前記外側収容体の前記外側開口部と前記メダル投入部に形成されたメダル投入口とが対置し、前記外側収容体内に配置されている前記内側収容体は、前記外側収容体に対して相対的にスライド移動することにより、前記内側開口部と前記外側収容体の底部とが対置する投入準備状態と、前記内側開口部と前記外側開口部とが対置して、前記内側収容体内のメダルが前記内側開口部と前記外側開口部とから落下し前記メダル投入口に投入される投入可能状態とに選択的に状態変換してなることを特徴とする遊技機である。
【0013】
かかる構成にあっては、メダル投入部に装着されたメダル収容体の内側収容体を投入準備状態から投入可能状態とするだけでメダルをメダル投入口に投入することができるため、メダル投入時にメダルが不用意にこぼれてしまうことが抑制される。
【0014】
また、前記収容体受け部の上面部は、凹状の湾曲形状を有しており、前記メダル収容体の下面部は、前記収容体受け部の上面部に対応する凸状の湾曲形状を有しており、前記メダル収容体が、前記収容体受け部に装着された状態で、前記収容体受け部の上面部と前記メダル収容体の下面部とが適嵌することが望ましい。
【0015】
かかる構成にあっては、メダル収容体が収容体受け部に装着された状態が安定して維持されるため、メダル収容体を落としてしまうようなことが防止される。
【0016】
ところで、メダル貯留皿部からメダル収容体を離脱させた後に、メダル貯留皿部に残留するメダルの山が崩れてメダル収容体が占有していた占有空間にメダルが流れ込む場合がある。そうすると、メダル収容体をメダル貯留皿部に再装着する際に、流れ込んだメダルが邪魔になって当該部分からメダルを取り除く作業が別途必要となってしまう。
【0017】
そこで、前記メダル貯留皿部は、前記メダル収容体が前記メダル貯留皿部から離脱した状態で、前記メダル貯留皿部内における前記メダル収容体が占有していた占有空間と、メダル貯留皿部内の他の空間とを遮断する遮断体を備えていることが望ましい。
【0018】
かかる構成とすることにより、遮断体によってメダル収容体の装着位置にメダルが流れ込むことを好適に阻止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の遊技機をスロットマシンに適用した実施例を以下に説明する。
【0021】
〔実施例1〕
実施例1のスロットマシン1Aを
図1〜
図8に従って説明する。
図1に示すように、スロットマシン1Aは、遊技者に対面する正面にメダル投入部2Aが設けられている。メダル投入部2Aは、遊技媒体としての円板形状のメダルM(
図5等参照)が投入可能となっている。
【0022】
また、スロットマシン1Aは、遊技者がメダル投入部2Aを介して内部に投入したメダルMや、払い出されたメダルMを所定枚数(50枚)まで記憶保持しておく貯留保持手段(図示省略)を備えている。そして、スロットマシン1Aの正面には、貯留保持手段に保持されたメダルをベットするためのベットボタン3と、リールの回転を開始するためのレバー4と、リールを停止させるための各停止ボタン5と、遊技者にリールを視認させるためのリール表示窓部6と、遊技の進行を演出表示する演出表示画面7とが設けられている。
【0023】
さらに、スロットマシン1Aの下部であって少なくともメダル投入部2Aよりも下側の位置には、貯留保持機能の記憶保持枚数を超えたメダルMを払い出すメダル払出口8と、メダル払出口8から払い出されたメダルMが貯留される横長のメダル貯留皿部9とが設けられている。
【0024】
さらに詳述すると、メダル投入部2Aには、
図1,2に示すように、メダルMがスロットマシン1A内に投入されるメダル投入口41が形成されている。さらに、メダル投入口41のスロットマシン1Aにおける本体側の端部には、メダルMの投入を容易とするための壁部42が、メダル投入口41の口縁に沿って起立状に設けられている。また、メダル投入口41の遊技者側には、凹状の湾曲面からなる上面部44を中央に有する収容体受け部43が備えられている。
【0025】
また、
図5(b)に示すように、メダル払出口8は、メダル貯留皿部9における中央の直上に配置されており、メダル払出口8から落下したメダルMはメダル貯留皿部9の中央に形成された中央底面9a上に順次不規則に積み重なっていく。
【0026】
次に、本発明の要部について説明する。
【0027】
図1,
図5等に示すように、メダル貯留皿部9の左右両端には、メダル収容体用装着開口部9bが開口されており、メダル収容体用装着開口部9b内に、本発明にかかるメダル収容体10が装着されている。そして、メダル収容体10は、メダル収容体用装着開口部9bを介して遊技者側に向かって引き出すことでメダル貯留皿部9から離脱可能とされている。ここで、
図3等に示すように、メダル貯留皿部9に装着されたメダル収容体10にあって、メダル収容体10のスロットマシン1A側を先端部15とし、遊技者側を基端部16とする。
【0028】
次に、メダル収容体10について
図3等に従って説明する。
メダル収容体10は、
図3に示したように、半割円筒形状の収容体本体11を備えている。そして、収容体本体11の内側にあたる内曲面部12は、メダルMの外周面と同じ曲率を有しており、内曲面部12にメダルMが厚み方向に重ねられた状態で整列することにより、複数(例えば20枚)のメダルMが収容体本体11の軸線方向に沿って先端部15から基端部16にわたって収容可能とされている。
【0029】
一方、収容体本体11の外側であってメダル収容体10の下面部にあたる外曲面部13は、上述したメダル投入部2Aにおける収容体受け部43の上面部44に対応する凸状の湾曲形状を有している。
【0030】
また、先端部15には、収容されたメダルMのうち先端部15側のメダルMが落下可能な寸法形状のメダル開口部17が形成されている。また、メダル開口部17の左右両端には、先端方向に突出した凸片18が各々形成されている。なお、各凸片18は、少なくとも1枚のメダルMの厚み分だけ先端側に突出している。
【0031】
さらに各凸片18には、上側に向かって突出するカバー体係止部19が形成されている。カバー体係止部19が係止するカバー体30については、後述する。
【0032】
また、メダル収容体10の内曲面部12の先端部15には、互いに内向きに突出する左右一対のメダル係止部20が設けられている。メダル係止部20は、内曲面部12に整列されたメダルMを係止してメダル開口部17からメダルMが即時に落下しないように仮留めしておく機能を有する。なお、後述するように、メダル係止部20は、弾性を有しており、整列状のメダルMを基端部16側から先端部15側へ遊技者が押し出した際に容易に弾性変形して左右一対のメダル係止部20間が拡開し、メダルMがメダル開口部17から落下可能となっている。
【0033】
また、メダル収容体10の基端部16には、遊技者側に突出形成された摘み部21が設けられている。さらに詳述すると、メダル収容体10がメダル収容体用装着開口部9b内に装着された状態においては、摘み部21はメダル貯留皿部9の表面からさらに遊技者側へ突出しており、遊技者は、摘み部21を摘んでメダル収容体10を容易に引き出したり、持ち運んだりすることができる。
【0034】
さらに、メダル収容体10の外曲面部13には、磁石22が外曲面部13の形状に沿って取り付けられている。具体的には、外曲面部13に凹状のスペースが確保された上で、そのスペースに接着剤を介して磁石22が固定され、その状態で磁石22の表面と外曲面部13の表面とが面一となっている。ここで、
図2に示すように、上述したメダル投入部2Aにおける収容体受け部43の上面部44にも、磁石45が配置されており、後述するようにメダル収容体10の磁石22と、メダル投入部2Aの磁石45とが互いに磁着可能となっている。
【0035】
次に、メダル収容体10に係止可能となっているカバー体30(遮断体)について
図4に従って説明する。
図4(a),
図4(b)に示すように、カバー体30は、断面コ字状で下向きに開口した長尺状部材で構成されており、
図4(c)に示すように、カバー体30における一端部の下端には、左右一対の凹溝31が設けられている。なお、凹溝31は、各々上向きに切り込まれた形状を有し、メダル収容体10における上向きに突出したカバー体係止部19が下側から係止可能となっている。
【0036】
次に、メダル貯留皿部9におけるメダル収容体10及びカバー体30の装着構造を、
図5〜
図7に従って詳述する。
【0037】
上述のメダル貯留皿部9の正面部における左右両端には、遊技者側に開口するメダル収容体用装着開口部9bが各々配置されている。一方、
図5(a)に示すように、メダル貯留皿部9の内部空間において左右両端には、占有空間Sが形成されており、
図5(c)に示すように、メダル貯留皿部9の側壁を介してメダル収容体用装着開口部9bと占有空間Sとが連通している。
【0038】
さらに詳述すると、占有空間Sは、
図5(c)に示すように、メダル貯留皿部9の内部空間であって中央底面9aの両側にそれぞれ設けられた低段部によって区画形成されており、メダル収容体用装着開口部9bからメダル収容体10を挿入すると、メダル収容体10が占有空間Sに配置される構造となっている。なお、メダル収容体10は、先端部15をメダル貯留皿部9の奥側に向けて占有空間Sに配置されることでメダル貯留皿部9に装着されることとなる。
【0039】
さらに、
図5(a),
図5(b)に示すように、占有空間Sの奥側には、カバー体収容空間30aがメダル貯留皿部9の奥行き方向に沿って形成されており、カバー体収容空間30aにカバー体30が収容可能となっている。
【0040】
そして、
図6(a)に示すように、占有空間Sに配置されたメダル収容体10のカバー体係止部19が、カバー体収容空間30aに配置されたカバー体30の凹溝31に係止されている。
【0041】
次に、本実施例におけるメダル収容体10の使用態様を詳述する。
【0042】
図5,
図6(a)に示したように、メダル貯留皿部9の占有空間Sに装着されているメダル収容体10は、メダル貯留皿部9の中央底面9aに隣接している。このため、中央底面9aに積み重なる複数のメダルMは、遊技者の手作業により、適宜メダル収容体10の内曲面部12に沿って、当該メダルMの厚み方向に重ねられた状態で整列して収容される。なお、内曲面部12の曲面形状は、メダルMの外周面と同形状を有しているため、ばらつき無く容易に整列させることができる。また、メダル収容体10にメダルMを整列状に収容する作業は、メダル貯留皿部9内で行うことができるため、メダルMが外部へこぼれることはない。
【0043】
そして、
図5(a)、
図6(b)に示したように、メダル収容体10にメダルMを収容した状態で、メダル収容体10の摘み部21を遊技者が摘んで遊技者側へ引っ張ると、メダル収容体10はメダル貯留皿部9から引き出される。このとき、メダル収容体10のカバー体係止部19にカバー体30の凹溝31が係止されているため、カバー体30がカバー体収容空間30aからメダル貯留皿部9の占有空間S側に引き出される。
【0044】
そして、メダル収容体10がメダル収容体用装着開口部9bから抜き出たところで、カバー体30の端部がメダル貯留皿部9の内壁に当接して占有空間Sに位置決めされる。
【0045】
次に、
図7(a)に示したように、遊技者は、手前側に引き出されたメダル収容体10を下方へ動かして、カバー体係止部19とカバー体30の凹溝31との係止を解除する。そうすると、
図7(b)に示したように、メダル収容体10はメダル貯留皿部9から完全に離脱する。
【0046】
ところで、メダル収容体10がメダル貯留皿部9から離脱した状態にあっては、メダル収容体10が占有していた占有空間Sに、カバー体30が配置されることになる。したがって、カバー体30によって占有空間Sの上側が被覆されることになり、メダル貯留皿部9の中央底面9aに積み重なるメダルMは、カバー体30によって遮断されることで占有空間S内に落下することが不可能となる。
【0047】
次に、メダル投入部2Aにおけるメダル収容体10の装着構造を、
図8に従って詳述する。
【0048】
図8(a),
図8(b)に示したように、メダル貯留皿部9から離脱させたメダル収容体10は、メダル投入部2Aの収容体受け部43に装着される。具体的には、メダル収容体10の下面となる外曲面部13と、収容体受け部43の上面部44とが適嵌し、かつ、メダル収容体10の外曲面部13に配された磁石22と、メダル投入部2Aの上面部44に配置された磁石45とが磁着する。
【0049】
また、メダル収容体10がメダル投入部2Aの収容体受け部43に装着された際には、メダル収容体10の凸片18の先端とメダル投入部2Aの壁部42とが当接する。これにより、メダル収容体10の先端部15側に形成されたメダル開口部17と、メダル投入部2Aに形成されたメダル投入口41とが上下方向において対置する位置に、メダル収容体10が位置決めされる。
【0050】
この状態で、
図8(c)に示すように、遊技者がメダル収容体10に収容された整列状のメダルMを基端部16側から先端部15側に向かって押し出すと、先頭のメダルMがメダル係止部20を弾性変形させてメダルMがメダル開口部17を通過可能となり、そして順次先端部15側のメダルMがメダル開口部17から落下してメダル投入口41に投入される。
【0051】
ここで、メダルMは、メダル貯留皿部9からメダル投入口41に至るまでメダル収容体10に収容された状態であり、常時、メダル収容体10の内曲面部12によって下側から支持された状態にある。このため、たとえ不慣れな遊技者でもメダル貯留皿部9内のメダルMをメダル投入部2Aまで安全に移動させることができる。しかも、メダル収容体10は、メダル貯留皿部9にも、メダル投入部2Aの収容体受け部43にもそれぞれ装着させることができる装着構造を有しているため、メダルMの投入作業時に、適宜、メダル収容体10をメダル貯留皿部9又はメダル投入部2Aに装着して確実に留め置くことができる。このため、メダル収容体10の取り扱いが格段に容易となり、メダルMの投入作業が極めて簡便となる。
【0052】
また、メダル貯留皿部9において上述のようにカバー体30が占有空間Sに配置されることにより、中央底面9aと占有空間Sとが遮断され、メダル収容体10の装着位置にメダルMが流れ込むことを好適に阻止することができる。
【0053】
なお、メダル収容体10で収容されているメダルMをメダル投入口41に全て投入した後は、空のメダル収容体10をメダル投入部2Aの収容体受け部43から離脱させた上で、当該メダル収容体10をメダル収容体用装着開口部9bを介して占有空間Sに再装着する。具体的には、メダル収容体10のカバー体係止部19とカバー体30の凹溝31とを係止させつつメダル収容体10でカバー体30を押し込みながら元の占有空間Sに再配置する。そして、その後は上述の手順に沿って繰り返しメダル収容体10を用いてメダルMの投入作業を行えばよい。
【0054】
なお、メダル収容体10をメダル貯留皿部9に装着可能とするメダル収容体用装着開口部9b及び占有空間Sにより、メダル貯留皿部9に対してメダル収容体10を脱着自在に装着することができる装着構造が構成される。
【0055】
また、メダル収容体10の外曲面部13、及びメダル投入部2Aにおける収容体受け部43の上面部44、並びに、各磁石22,45により、メダル投入部2Aに設けられた収容体受け部43に対してメダル収容体10を脱着自在に装着することができる装着構造が構成される。
【0056】
〔実施例2〕
実施例2のスロットマシン1Bを
図9〜
図12に従って説明する。
なお、上記実施例1と同様の構成を有するものについては同じ符号を付し、説明を省略する。
【0057】
図9に示すメダル収容体50は、有底の外側収容体60(
図10参照)と外側収容体60内に配置される有底の内側収容体80(
図11参照)とを有している。
【0058】
まず、
図10に従って外側収容体60を説明する。
外側収容体60は、先端部65と基端部66とを有している半割円筒形状の外側収容体本体61を備えている。さらに、外側収容体本体61の内側であって底部にあたる部分には、所定の曲率で湾曲した外側収容体内曲面部62が形成されている。
【0059】
また、外側収容体60の外側の下面部にあたる外側収容体外曲面部63は、所定の曲率で湾曲する凸状の湾曲形状を有している。なお、外側収容体外曲面部63は、メダル収容体50の下面部となり、後述するメダル投入部2Bの収容体受け部93の上面部94に対応する湾曲形状となっている。
【0060】
また、外側収容体60の先端部65は、スロットマシン1B側に配されるものであり、先端部65には外側開口部67が形成されている。さらに、外側開口部67の両端には、先端側に突出した凸片68が形成され、凸片68には、上側に向かって突出するカバー体係止部69が形成されている。また、外側収容体内曲面部62には、後述する内側収容体80のスライド片84が係合する左右一対のガイド溝70が前後方向に沿って形成されている。
【0061】
また、外側収容体60の基端部66は、遊技者側に配されるものであり、基端部66には、遊技者側に突出形成された摘み部71が設けられている。さらに詳述すると、外側収容体60がメダル収容体用装着開口部9b内に配置された状態においては、摘み部71はメダル貯留皿部9の表面からさらに遊技者側へ突出している。このため、遊技者は摘み部71を摘んで外側収容体60を容易に引き出したり、持ち運んだりすることができる。
【0062】
さらに、外側収容体60の外側収容体外曲面部63には、磁石72が外側収容体外曲面部63の形状に沿って取り付けられている。具体的には、外側収容体外曲面部63に凹状のスペースが確保された上で、そのスペースに接着剤を介して磁石72が固定され、その状態で磁石72の表面と外側収容体外曲面部63の表面とが面一となっている。ここで、メダル投入部2Bの収容体受け部93にも、
図12(b)に示すように、磁石95が配置されており、後述するように、メダル収容体50における外側収容体60の磁石72と、メダル投入部2Bの磁石95とが互いに磁着可能となっている。
【0063】
加えて、外側収容体本体61における基端部66の内周面側には、磁石73が取り付けられている。ここで、
図9等に示すように、後述する内側収容体80にも、磁石89が配置されており、外側収容体60の磁石73と内側収容体80の磁石89とが互いに磁着可能となっている。
【0064】
次に、
図11に従って内側収容体80について説明する。
内側収容体80は、先端部85と基端部86とを有する半割円筒形状の内側収容体本体81を備えている。また、内側収容体本体81の内側であって底部にあたる部分には、内側収容体内曲面部82が形成されており、内側収容体内曲面部82上に、メダルMが厚み方向に重ねられた状態で整列する。なお、内側収容体内曲面部82は、メダルMの外周面と同じ曲率を有する湾曲形状を具備している。
【0065】
また、内側収容体本体81の外側にあたる内側収容体外曲面部83は、上述した外側収容体60内に内側収容体80が載置された状態で外側収容体内曲面部62に面接触する形状となっており、これにより内側収容体80が外側収容体60に対して前後方向(先端部85と基端部86とを結ぶ方向)にスライド自在となっている。
【0066】
また、内側収容体80の内側収容体外曲面部83には、外向きに突出した左右一対のスライド片84が形成されている。そして、外側収容体60内に内側収容体80が載置された状態では、スライド片84が外側収容体60のガイド溝70と係合している。なお、スライド片84における前後方向(先端部85と基端部86とを結ぶ方向)の外寸は、ガイド溝70における前後方向(先端部85と基端部86とを結ぶ方向)の内寸に比べて小さい長さとなっている。
【0067】
さらに、内側収容体80の先端部85には、メダルMが通過可能な内側開口部87が形成されている。そしてさらに内側開口部87より先端側には、収容されるメダルMに対面する先端壁部88が形成されており、収容されたメダルMが先端壁部88より先端側へ通過することが防止されている。
【0068】
一方、内側収容体80における基端部86の外周面側には、外側収容体60の磁石73に磁着可能な磁石89が取り付けられている。具体的には、基端部86の外周面側に凹状のスペースが確保された上で、そのスペースに接着剤を介して磁石89が固定され、その状態で磁石89の表面と外周面の表面とが面一となっている。
【0069】
そして、
図9に示すように、外側収容体60内に内側収容体80が配置されることにより、メダルMを整列状に収容することができるメダル収容体50が構成されている。なお、外側収容体60内に内側収容体80が配置された状態では、外側収容体60の磁石73と内側収容体80の磁石89とが互いに磁着している。また、外側収容体60のガイド溝70と内側収容体80のスライド片84とが係合し、ガイド溝70内をスライド片84が前後移動可能となっている。
【0070】
次に、メダル貯留皿部9におけるメダル収容体50及びカバー体30の装着構造を簡単に説明する。
【0071】
実施例1と同様にメダル収容体50がメダル貯留皿部9の占有空間Sに装着されているときは、外側収容体60のカバー体係止部69と、カバー体30の凹溝32とが係止している。
【0072】
そして、メダル収容体50に収容したメダルMをメダル投入部2Bに投入すべく、遊技者がメダル収容体50を手前側に引き出し、さらに外側収容体60のカバー体係止部69と、カバー体30の凹溝32との係止状態を解除すると、
図12(a)に示すように、メダル収容体50がメダル貯留皿部9から離脱する。
【0073】
このとき、内側収容体80の磁石89と、外側収容体60の磁石73とが磁着することによって内側収容体80が外側収容体60の基端部66側に配置されている。これにより、内側開口部87の下側に、外側収容体60の外側収容体内曲面部62が位置することになり、メダル収容体50の内側開口部87からメダルMがこぼれ落ちてしまうことがない。
【0074】
さらに、
図12(b)に示すように、メダル貯留皿部9から離脱させたメダル収容体50は、メダル投入部2Bの収容体受け部93に装着される。具体的には、メダル収容体50の下面となる外側収容体外曲面部63と、収容体受け部93の上面部94とが適嵌し、かつ、メダル収容体50の外側収容体外曲面部63に配された磁石72と、メダル投入部2Bの上面部94に配置された磁石95とが磁着する。
【0075】
また、メダル収容体50がメダル投入部2Bの収容体受け部93に装着された際には、メダル収容体50の凸片68の先端とメダル投入部2Bの壁部92とが当接する。これにより、外側収容体60の先端部65側に形成された外側開口部67と、メダル投入部2Bに形成されたメダル投入口91とが上下方向において対置すると共に、内側開口部87の下側に、外側収容体60の底部に対応する外側収容体内曲面部62が対置する投入準備状態αとなる。かかる投入準備状態αにあっては、メダル収容体50からメダルMが落下してしまうことがない。
【0076】
そして、次に、
図12(c)に示すように、遊技者が整列状態のメダルMをメダル投入部2Bの壁部92に向かって押し出すと、これに伴い、先端側のメダルMが内側収容体80の先端壁部88に押し当てられて、内側収容体80が外側収容体60に対して前方へ押し出される。このとき、外側収容体60のガイド溝70及び内側収容体80のスライド片84による案内作用によって、内側収容体80が外側収容体60に対して分離することなく所定距離だけ内側収容体80が前方へスライド移動する。これにより、外側開口部67と内側開口部87とが対置することとなってメダルMをメダル投入口91に投入することができる投入可能状態βとなる。
【0077】
さらに、遊技者が整列状態のメダルMを押し出し続けることで、内側収容体80に収容されている先端部85側のメダルMが、順次外側開口部67と内側開口部87とを介してメダル投入口91に落下していく。
【0078】
なお、内側収容体80に収容されたメダルMの押し込みを解除するか、あるいは全てのメダルMを投入し終わると、外側収容体60の磁石73と内側収容体80の磁石89とが再度磁着して投入準備状態αに復帰する。そして、全てのメダルMを投入し終わったら上記実施例1と同様にメダル収容体50を再度メダル貯留皿部9に装着しなおせばよい。その後は上述の手順に沿って繰り返しメダル収容体50を用いてメダルMの投入作業を行うことができる。
【0079】
なお、上記実施例において各部の寸法形状は適宜自由に選択可能である。
【0080】
また、遮断体としてのカバー体30に代えて、メダル収容体10,50をメダル貯留皿部9から引き抜く際に遊技機内部から占有空間Sに突き出される突出部材を採用しても構わない。
【0081】
また、本発明にかかる装着構造は、収容体受け部43,93からメダル収容体10,50が不用意に落下しないものであれば特に限定されず、磁石を用いる以外にも、凹凸形状の係合機構や爪状の突起物による係合機構等であっても構わない。
【解決手段】メダル貯留皿部9に貯留されたメダルMが厚み方向に重ねられた状態で整列して収容されるメダル収容体10を備え、メダル収容体10は、メダル貯留皿部9に脱着自在に装着可能な装着構造を有していると共に、メダルMが収容された状態でメダル貯留皿部9から離脱してメダル投入部に設けられた収容体受け部に脱着自在に装着可能な装着構造を有している。これにより、整列状のメダルMを容易にメダル投入口に投入可能とすることができる。