【実施例】
【0067】
実施例1:ビマトプロスト発毛ゲル組成物の調製
エチルアルコールを混合用に具備された適切な培養液瓶へ計量し、その後ビマトプロストをエチルアルコールに加え、適度な速度でビマトプロストが溶解するまで撹拌する。別々の混合タンクへ、グリセリン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、及びプロピレングリコールを加え、溶媒が分散するまで混合する。そして、エチルアルコール/ビマトプロスト溶液を非水溶液へ加え、成分が均一に混ざるまで混合する(約5分の混合)。上の混合物へ、事前に水中へ分散したカルボマー増粘剤を加え、十分に分散するまで混合し、分散したら基剤をゲルに加えて、溶液を増粘する。上の方法によって作られる代表的な製剤を、以下の表3に示す。
【0068】
実施例2:インビボ治療
表3の通りビマトプロストゲル製剤を投与された頭皮及び眉の毛髪の出現を系統的に評価するために、試験を開始する。試験には、10人の対象、うち男性5人、女性5人、平均年齢70歳(50〜94歳の幅)が関与する。各対象は、ビマトプロストを表3にある0.3重量%ビマトプロスト製剤によって局所投与することで連日治療される。
【0069】
試験はビマトプロストを3ヶ月超投与されている対象に限定される。対照と試験群の眼との間で髪または眉毛の成長パラメータを評価する前の、0.3重量%ビマトプロストゲル製剤に対する曝露の平均期間は、129日間(90〜254日間)である。高倍率の細隙灯生体顕微鏡で観察をする。対照と治療部位との差異は、細隙灯生体顕微鏡との使用に特に適合するカメラを用いて記述する。
【0070】
観察結果は以下の通りとなる:
【0071】
髪及び眉毛の長さ:両群における毛髪の長さの増加を定期的に観察する。長さの差はおよそ10%〜30%ほどに渡る。
【0072】
髪及び眉毛の本数:毛髪数の増加が各患者の頭皮及び眉において観察される。髪及び眉毛の本数の差はおよそ5%〜30%ほどに渡る。統計学的に有意であるか否かにかかわらず、浸透促進剤を伴うビマトプロストは浸透促進剤を伴わないビマトプロストよりもより良い及び/またはより早い結果を提供する。
【0073】
前述の観察は、0.03重量%ビマトプロスト組成物が皮膚に浸透し、毛髪を育てることを証明する。
【0074】
実施例3:塗薬
0.2重量%ビマトプロスト塗薬を以下の通りに調製する:テガシド(Tegacid)及び鯨蝋を一緒に70〜80℃の温度で融解する。メチルパラベンを約500gmの水中に溶解し、75〜80℃の温度を維持しながらプロピレングリコール、ポリソルベート80、ビマトプロスト、及び浸透促進剤を順番に加える。メチルパラベン混合物を一定に撹拌しながら、ゆっくりとテガシド及び鯨蝋融解物へ加える。温度が40〜45℃まで下がるまで、添加を少なくとも30分間さらに撹拌しながら続ける。最後に、十分な水を加えて最終重量を1000gmにし、冷却及び凝結するまで調製物を撹拌して均一性を維持する。
【0075】
実施例4:塗薬
0.1重量%ビマトプロスト塗薬を以下の通りに調製する:テガシド及び鯨蝋を一緒に70〜80℃の温度で融解する。メチルパラベンを水中に溶解し、75〜80℃の温度を維持しながらプロピレングリコール、ポリソルベート80、ビマトプロスト、及び浸透促進剤を順番に加える。メチルパラベン混合物を、テガシド及び鯨蝋溶融物へ撹拌しながらゆっくりと加える。温度が40〜45℃まで下がるまで、添加を少なくとも30分間さらに撹拌しながら続ける。最後に、十分な水を加えて最終重量を1000gmにし、冷却及び凝結するまで調製物を撹拌して均一性を維持する。
【0076】
実施例5:局所軟膏
2.0重量%ビマトプロストを含有する軟膏を以下の通りに調製する:
【0077】
白色ワセリン及び羊毛脂を融解して漉し、流動ワセリンをそこへ加える。ビマトプロスト、浸透促進剤、酸化亜鉛、及びカラミンを残りの流動ワセリンへ加え、混合物を、粉末が微粉化し均一に分散るまで摩砕する。混合物を撹拌し白色ワセリンへ注いで融解し、軟膏が凝結するまで撹拌しながら冷却する。他の変形例においては、酸化亜鉛及び/またはカラミンを省略して、製剤が実質的に酸化亜鉛またはカラミンを含まないようにすることができる。
【0078】
実施例6:軟膏
5重量%ビマトプロスト及び浸透促進剤を含有する軟膏を、活性化合物を軽流動ワセリンへ加えることで調製する。白色ワセリンを羊毛脂と一緒に融解して漉し、温度を45〜50℃まで調節する。流動ワセリンのスラリーを加え、軟膏を凝結するまで撹拌する。軟膏は30gmチューブに包装することができる。
【0079】
実施例7:スプレー製剤
0.03重量%ビマトプロスト及び浸透促進剤を含有するスプレー製剤を以下の通りに調製する。ビマトプロスト及び浸透促進剤を水中に溶解し、得られた溶液をろ過することで滅菌する。溶液を、滅菌容器頭頂部適応用のスプレーノズルを用いて中へ無菌的に充填する。製剤を以下の表4Aに示す。別の製剤はまた、表4Bに記載する。
【0080】
実施例8:ローション剤
ビマトプロスト及び浸透促進剤の試料をN−メチルピロリドン及びプロピレングリコールの媒体に溶解して、頭皮または発毛させる身体の他の部位に適用するための0.5重量%ビマトプロストローション剤を作る。
【0081】
実施例9:エアロゾル
およそ0.1重量%のビマトプロスト及び浸透促進剤を含有するエアロゾルを、ビマトプロスト及び浸透促進剤を無水アルコール中に溶解することで調製する。得られた溶液をろ過して、粒子及びリントを取り除く。この溶液を約−30℃まで冷却する。その後、ジクロロジフルオロメタンとジクロロテトラフルオロエタンとの冷却した混合物を溶液へ加える。13mlのプラスチックコート褐色瓶に得られた溶液の各11.5gmを充填し、蓋をすることができる。エアロゾルを頭皮または発毛させる身体の他の部分にスプレーしてもよい。
【0082】
実施例10:局所フォーム製剤
0.1重量%ビマトプロスト局所フォーム製剤を以下の通りに調製する:メチルパラベンを約500gmの水中に溶解し、75〜80℃の温度を維持しながらプロピレングリコール、ポリソルベート80、ビマトプロスト、及び浸透促進剤を順番に加える。メチルパラベン混合物をテガシド及び鯨蝋へ一定に撹拌しながらゆっくりと加える。温度が40〜45℃まで下がるまで、添加を少なくとも30分間さらに撹拌しながら続ける。最後に、十分な水を加えて最終重量を1000gmにし、冷却及び凝結するまで調製物を撹拌して均一性を維持する。
【0083】
実施例10にて教示される同様の方法で調製された別のフォーム配合物を、以下の表5A〜Bに記載する。
【0084】
実施例11:粉剤
ビマトプロスト及び浸透促進剤の粉末を、乾燥形態でタルカムパウダーと1:1:10の重量/重量比で混合することで調製する。
【0085】
実施例12:関連する化合物
先の実施例の手順に従い、組成物を先の実施例にて開示されたビマトプロストの代わりに表1Aの等モル量の化合物を用いて同様に調製する。
【0086】
別段示されない限り、本明細書及び特許請求の範囲にて使用されている、成分の量を表す全ての数、分子量、反応条件などの特性は、「約」という用語により全ての例が修飾されていると理解されるべきである。「約」は、FDA及び他の規制当局により生物学的同等性があると見なされている、賦形剤濃度及び賦形剤タイプの変形を指す。
【0087】
実施例13
円形脱毛症により脱毛に見舞われた44歳の白人男性が、表3の0.1重量%ビマトプロスト組成物を就寝前に1日1回6ヶ月間適用する。適用の3ヶ月後、対象は、それまでは何もなく古い毛髪の毛包の黒ずみがあった部分で新たな発毛があることに気付くであろう。新たな発毛を、高倍率の細隙灯生体顕微鏡及びコンピューター支援での画像解析により観察する。対照部分と治療部分との差異を、細隙灯生体顕微鏡との使用に特に適合するカメラを用いて記述する。
【0088】
実施例14
アンドロゲン性脱毛症による男性型脱毛症に罹患している37歳のヒスパニック系男性が、表3の0.2重量%ビマトプロスト組成物を毛髪が著しくまばらな部分に1日2回適用する。適用の63日後に、高倍率の細隙灯生体顕微鏡及びコンピューター支援での画像解析により測定すると新たな発毛があることから、発毛増加に気付くであろう。十分な量の発毛が観察された後、患者は0.2重量%ビマトプロスト組成物を1週間に2回だけ適用する。
【0089】
実施例15
29歳の健常な白人女性が、医師により疾患または脱毛状態が診断されなくとも、より多くの毛髪及びより多くの発毛を有することを希望している。患者は、表3の0.3重量%ビマトプロスト組成物を、使用のおよそ3ヶ月後により多くの発毛が観察されるまで、1日1回適用する。患者は組成物を1週間に1回継続して適用し、発毛増加を維持する。
【0090】
実施例16
毛包変性症候群及び関連の脱毛と診断された35歳のアフリカ系アメリカ人男性が、表3の0.03重量%ビマトプロスト組成物を適用する。組成物を午前のシャワー後に1回と夕方に1回の1日2回適用する。適用の46日後、発毛の増加が発見され、毛包変性症候群の症状が緩和するであろう。患者はさらに6ヶ月間適用を継続する。
【0091】
ビマトプロストを含有する製剤のさらなる例の可能性もまたあり、さらに発毛促進に使用してもよい。いくつかの実施形態において、いくつかの製剤は頭皮の発毛促進に特に有益であってもよい。
【0092】
実施例17:オレイルアルコールを有するビマトプロスト溶液製剤
オレイルアルコールを含む、0.3重量%ビマトプロスト及び浸透促進剤を含有するビマトプロスト溶液の製剤は以下の通りに調製してもよい。以下の表7の成分を計量し、混合用に具備された適切な培養液瓶中へ分配する。好ましくは、ビマトプロストをエタノール中に溶解し、その後オレイルアルコール、プロピレングリコール、及び水と合わせる。様々な成分を均一に混ざるまで一緒に混合する。表7に記載の製剤は非限定的であり、その他の製剤が当然可能であって考えられることが理解されよう。以下のビマトプロスト溶液は、オレイルアルコールに対して0.06の比率のビマトプロスト、エタノールに対して0.005の比率のビマトプロスト、及びエタノールに対して0.083の比率のオレイルアルコールを有した。
【0093】
実施例18:オレイルアルコールを有しないビマトプロスト溶液製剤
当然、上の実施例は浸透促進剤として働くと考えられるオレイルアルコールを含むが、一方いくつかの組成物はこの化合物を含まなくてもよい。以下の表8はそのような製剤のさらなる非限定的な例を説明している。以下のビマトプロスト溶液8A及び8Bはエタノールに対して0.005の比率のビマトプロストを有した。
【0094】
前述及び全体において、Transcutol(登録商標)はGattefosseから市販されている製品を指し、これはジエチレングリコールモノエチルエーテルを含む。
【0095】
実施例19:オレイルアルコールを有しないビマトプロストゲル製剤
上の実施例1に記載のゲル製剤に加えて、0.3重量%ビマトプロストを含むゲル配合物はまた、以下の表9に記載される成分を用いて作ることもできる。
【0096】
表9の成分を、以下の手順によってゲルに製剤化する。まず、アスコルビン酸及びEDTAを水全体のうち一部に溶解する。その後、カーボポール974Pをこの溶液へ加えて分散し、カーボポールを湿らせる。次に、ポロクサマー407を水全体のうち別個の容器中の別の部分へ加え、混合して分散する。そして、カーボポール部分をこの部分へ加え、混合する。次に、ポリソルベート80、ヘキシレングリコール、及びPEG400を別の容器中で合わせ、均一になるまで混合する。BHA、BHT、及びビマトプロストを別の容器へ計量し、続いてベンジルアルコールを加える。成分を均一になるまで一緒に混合する。その後、この部分をポリソルベート80部分へ加え、混合する。全ての部分を一緒に混合し、続いて残りの水及びトロメタミン(事前に一緒に混合されていた)中で混合して、ゲルを中和する。
【0097】
実施例20:インビトロ試験
上の表7、8、及び9に記載される製剤を、1.0cm
2フランツ型拡散セルを含むインビトロシステムで試験した。この試験の間、フランツセルには、体液を刺激するように構成された受容体流体溶液を充填してある拡散セルを覆う真皮化(dermatomized)した、エキソビボヒト死体後躯幹皮膚の試料が含まれる。
【0098】
試験製剤を、拡散セルを覆う皮膚試料に塗布した。2体のドナー死体を使用し、最初に43歳黒人男性から、次に59歳白人男性から使用した。試験は各ドナー及び試験した製剤について3回実施した。10μlの試験した溶液を平方センチメートル毎に皮膚へ塗布した。2、4、7、24、及び48時間の間隔で、受容体流体溶液を各時点において集め、ビマトプロストの量を定量化した。累積的な受容体溶液濃度を得るために、上の各時間間隔で算出したビマトプロストの量を一緒に加えた。皮膚角質層及び真皮に対する分析及びビマトプロスト定量化を、48時間の終了点で実施した。
【0099】
上の表10に示したように、表3に記載の0.3%ビマトプロスト製剤を表7、8、及び9に記載の新しい製剤と比較した。新しい製剤(全て0.3%ビマトプロストを含有する)は全て、皮膚試料を通じて、最小の皮膚浸透を示したゲル製剤を除き、受容体溶液中へ浸透するビマトプロストのより大きな累積的な量を示した。予想外に、皮膚貫通性オレイルアルコールを含有していた表7からの製剤は、驚くべきことに他の試験製剤と比べてより高い皮膚浸透(角質層/表皮及び真皮濃度)、並びにより大きな累積的な受容体流体溶液濃度を示した。
【0100】
実施例21:さらなる1%及び3%ビマトプロスト製剤
さらなる製剤を、すでに記載した方法と同様の方法で調製した。表11はそのような製剤の例を説明し、製剤がオレイルアルコールを含んでいる必要はないことを示している。以下のビマトプロスト溶液Aは、エタノールに対して0.03の比率のビマトプロストを有した。ビマトプロスト溶液Bは、エタノールに対して0.01の比率のビマトプロストを有した。ビマトプロスト溶液Cは、エタノールに対して0.005の比率のビマトプロストを有した。ビマトプロスト溶液Dは、エタノールに対して0.0167の比率のビマトプロストを有した。ビマトプロスト溶液Eは、エタノールに対して0.05の比率のビマトプロストを有した。
【0101】
実施例22:インビトロ試験
表11の製剤を、表3のビマトプロスト0.3%溶液製剤と比較した。上の実施例20と同一の装置及び一般的な設定を用いて試験を実施した。ここでは、しかしながら、死体皮膚試料は、44歳白人男性、及び60歳白人女性に由来した。
【0102】
上の結果は、より高い相対性のエタノール及びプロピレングリコール含有量を有するビマトプロスト製剤、すなわち、表10からの溶液C、D、及びEが他の製剤と比べてより高い受容体溶液及び真皮濃度を示したことを表す。
【0103】
実施例23:さらなるビマトプロスト製剤
さらなる製剤をまた、前述の技術と同一の製造技術を用いて調製した。ここでは、以下の表13に記載の製剤はオレイルアルコールを皮膚浸透剤として含んで製造された。表13において、ビマトプロスト溶液Aはオレイルアルコールに対して0.6の割合のビマトプロスト、エタノールに対して0.045の割合のビマトプロスト、及びエタノールに対して0.076の割合のオレイルアルコールを有した。ビマトプロスト溶液Bは、オレイルアルコールに対して0.6の割合のビマトプロスト、エタノールに対して0.05の割合のビマトプロスト、及びエタノールに対して0.083の割合のオレイルアルコールを有した。ビマトプロスト溶液Cは、オレイルアルコールに対して0.6の割合のビマトプロスト、エタノールに対して0.05の割合のビマトプロスト、及びエタノールに対して0.083の割合のオレイルアルコールを有した。
【0104】
実施例24:さらなるビマトプロストゲル製剤
10重量%ビマトプロストを含有するさらなるゲル製剤をまた、前述の技術と同一の製造技術を用いて調製した。以下のビマトプロストゲル製剤はエタノールに対して0.33の割合のビマトプロストを有した。以下の表14にはこの配合物を含む特異的な成分を記載する。
【0105】
実施例25:インビトロ試験
表13及び14の製剤を、表3のビマトプロスト0.03%溶液製剤と比較した。上の実施例20及び22と同一の装置及び一般的な設定を使用して、試験を実施した。ここでは、死体皮膚試料は3体のドナー死体−54歳白人男性、42歳黒人男性、及び26歳白人男性に由来した。
【0106】
表3の対照製剤と比べて、オレイルアルコールを含有する3%ビマトプロスト溶液は高い皮膚浸透及び受容体溶液への浸透を示した。溶液Aは、他のオレイルアルコール製剤と比べて特に高い受容体液濃度を示した。
【0107】
そのうえ、オレイルアルコールを一切含まない表14の10重量%ビマトプロストゲル製剤は高い真皮濃度を示したが、3重量%ビマトプロスト溶液と同程度の受容体溶液への浸透を示すことはなかった。にもかかわらず、4つ全ての新しい製剤の試験した特性は元の対照製剤と比べて優れていた。
【0108】
実施例26:さらなるビマトプロスト製剤
ビマトプロスト及び1つ以上の浸透促進剤を含有する製剤の例は以下の表16にあり得、これらを前述の技術によって製造した。
【0109】
実施例27:さらなるインビトロ試験
上の表16の製剤をインビトロ皮膚浸透試験法で試験した。上の実施例20及び22で使用したものと同一の装置及び一般的な設定を用いて試験を実施した。
【0110】
製剤F−7と比べて、製剤F−2〜F−6はそれと匹敵するほどの、またはより高い受容体流体へのビマトプロスト浸透を示すことが分かった。また、製剤F−2〜F−6は真皮中により多くの量のビマトプロストを有することも示された。製剤F−6は、オレイルアルコールを含有しており、最も高いビマトプロスト濃度を真皮及び受容体溶液中に各々有していた。
【0111】
実施例28:さらなるビマトプロスト製剤
ビマトプロスト及び1つ以上の浸透促進剤を含有している製剤の例は以下の表18中にあり得、これらを前述の技術によって製造した。製剤F−1及びF−2は表11に示したものと同一であることに留意されたい。
【0112】
実施例29:さらなるインビトロ試験
上の表18の製剤をインビトロ皮膚浸透試験法で試験した。上の実施例20及び22にて使用したものと同一の装置及び一般的な設定を用いて試験を実施した。
【0113】
製剤F−1(3%ビマトプロスト濃度を有する)と比べて、製剤F−3〜F−10はそれとはそれと匹敵するほどの、またはより高い受容体流体へのビマトプロスト浸透を有するが、一方で濃度1%のビマトプロストを含有する。そのうえ、製剤F−3、及びF−5〜F−10は製剤F−1よりも多い量のビマトプロストを真皮中にて示している。この試験は、製剤F−1及びF−2と比べて、インビトロ試験でのグリセロールモノオレエート及びオレイン酸が各々、皮膚中への、及び皮膚を通過するビマトプロストの浸透を促進するのに有用であり得ることを示している。
【0114】
実施例30:さらなるビマトプロスト製剤
ビマトプロスト及び1つ以上の浸透促進剤を含有している製剤の例は以下の表20にあり得、これらを前述の技術によって製造した。製剤F−1及びF−2は表11に示したものと同一であることに留意されたい。
【0115】
実施例31:さらなるインビトロ試験
上の表20の製剤をインビトロ皮膚浸透試験法で試験した。上の実施例20及び22にて使用したものと同一の装置及び一般的な設定を用いて試験を実施した。
【0116】
製剤F−1と比べて、製剤F−3〜F−9はそれと匹敵するほどの、またはより高い受容体流体へのビマトプロスト浸透を有するが、一方で比較的低い比率のビマトプロスト(1%対3%)を用いる。GMOとオレイン酸(製剤F−4)及びリノール酸(製剤F−9)との組合せは、最も高い受容体溶液中へのビマトプロストの浸透を示した。
【0117】
実施例32:さらなるビマトプロスト製剤
ビマトプロスト及び1つ以上の浸透促進剤を含有している製剤の例は以下の表22にあり得、これらを前述の技術によって製造した。製剤F−1は表11に示したものと同一であることに留意されたい。
【0118】
実施例33:さらなるインビトロ試験
上の表22の製剤をインビトロ皮膚浸透試験法で試験した。上の実施例20及び22にて使用したものと同一の装置及び一般的な設定を用いて試験を実施した。
【0119】
製剤F−1と比べて、製剤F−2〜F−9は全体的に低濃度のビマトプロストを有するものの、製剤F−1と匹敵するほどの、またはより高い受容体溶液へ及び真皮中へのビマトプロスト浸透を有する。
【0120】
実施例34:さらなるビマトプロスト製剤
ビマトプロスト及び1つ以上の浸透促進剤を含有している製剤の例は以下の表24にあり得、これらを上記の技術によって製造した。製剤F−1は表11に示したものと同一であることに留意されたい。
【0121】
実施例35:さらなるビマトプロスト製剤
いくつかの実施形態において、優れた皮膚浸透が可能であるいくつかの可能性のある配合物を以下の2つの表に説明の通りに製造することができる。表25に説明のある基本製剤を使用して、1つ以上の脂肪酸または脂肪酸エステル(表26で解説)の混合物をそこに加えてもよい。好ましくは、表25の基本製剤を表26の少なくとも2つの成分と組み合わせる。さらにより好ましくは、表26の少なくとも2つの成分とは1つの脂肪酸及び1つの脂肪酸エステルである。もちろん、これらの製剤はいかなる特定の製造順序も仮定しておらず、理解を容易にするために示された方法であるのみであるということを理解されたい。基本製剤はあらゆる適切なビマトプロスト濃度で調製してもよいが、一方でこの濃度は、好ましくは約0.3重量%〜約5重量%、より好ましくは約1重量%〜約3重量%、及びさらにより好ましくは約3重量%である。
【0122】
実施例35:男性ホルモン性脱毛症に罹患している男性における頭髪育成を増加させるための1日1回の外用ビマトプロスト溶液の有効性及び安全性を評価する臨床試験
フェーズ2の多施設治験において、軽度〜中程度の男性ホルモン性脱毛症(AGA)に罹患する18〜49歳の男性を1:1:1:1:1の割合でランダム化して、頭頂部へ6ヶ月間、二重盲検法で0.3%、0.1%、0.03%のビマトプロスト(BIM)、もしくは媒体を1日1回適用させるか、または非盲検で一般用医薬品のミノキシジル5%溶液(MIN)を1日に2回適用させた。対象を、治療期間中は2ヶ月毎に、治療終了後は2ヶ月の時点で評価した。この試験で使用したBIM製剤は上の表3に記載されている通りであった。
【0123】
専用確認ソフトウェア:終毛/cm
2で測定したTarget Area Hair Count(TAHC);mm/cm
2で測定したTarget Area Hair Width(TAHW);及び、輝度単位(intensity units)で測定したTarget Area Hair Darkness(TAHD);を用いて、デジタル画像分析(DIA;マイクロドットタトゥーにより同定された頭頂部の薄い部分の前方再前部での所定の1cm
2の円形部の拡大写真)により以下のアセスメントを実施した。
【0124】
他のアセスメントとして、3人の皮膚科医の独立した研究員による、Subject Self Assessment(SSA)、Investigator Global Assessment(IGA)、及びGlobal Panel Review(GPR)が挙げられるが、一方で頭皮の標準化包括的写真を、ベースライン(1日目)で、及びその時点での来診で観察する(またはIGAの場合はその時点での来診におけるライブアセスメント)。頭皮の発毛の変化を−3(大きく減少)〜+3(大きく増加)の7点の順序尺度で測定した。
【0125】
測定された共主要有効性評価項目には、TAHCにおけるベースラインからの変化、及び頭皮の発毛における変化のSSAが含まれた。第2の有効性評価項目には、TAHW及びTAHDにおけるベースラインからの変化、並びに頭皮の発毛における変化のIGA/GPRが含まれた。
【0126】
安全対策には、有害事象監視、局所的耐用性アセスメント、臨床検査室試験、バイタルサイン、12誘導心電図(ECG)、及び理学的検査が含まれる。
【0127】
統計学的な有効性分析を、試験治療を受けた全てのランダム化対象が含まれる修飾包括解析集合に実施し、ベースライン測定を実施した。共主要有効性分析を6ヶ月の時点で行った。TAHC、TAHW、及びTAHDにおけるベースラインからの増減比を、ウィルコクソン順位和検定を用いて解析した。SSA、IGA、及びGPRスコアの度数分布を、年齢群(18〜34歳対35〜49歳)に層別したコクラン・マンテル・ヘンツェル試験を用いて解析し、欠測データを6ヶ月目へと最終観測値延長法で補完した。安全対策を、試験薬を使用した対象全てにおいて評価した;有害事象発生率の群間及び対比較を、カイ二乗またはフィッシャーの正確検定を用いて実施した。
【0128】
結果
AGAに罹患した合計307人の男性が、試験治療を受け、有効性及び安全性解析に含まれた。治療群は人口統計的及びベースライン特性に対して一般的によく均衡がとれていた。
【0129】
デジタル画像解析(DIA)は、ビマトプロスト0.3%が、媒体と比べてTAHCにおいて6ヶ月目へとベースラインから有意に大きな平均変化率を作ったことを示した(11.1%対3.3%;P=0.008)。DIAはまた、6ヶ月の時点での媒体と比較して、ビマトプロスト0.3%によるTAHWにおいて有意な改善を示したが、TAHDにおいては示さなかった;優位な改善はまた、TAHWについて4ヶ月目にも見られた。治療中止の2ヶ月後、TAHC及びTAHWにおけるビマトプロストによる変化に媒体との有意な差はなかった。
【0130】
SSAスコアの6ヶ月時点での分布は、ビマトプロストと媒体との間で変わらなかった。IGAアセスメントではなく、6ヶ月目のGPRアセスメントは、1グレード以上の改善(すなわち、スコア+3、+2、または+1)があった対象の割合は、媒体と比べてビマトプロスト0.3%で有意に大きかったことを示した(21.1%対8.9%;P=0.030)。ビマトプロスト0.3%に対するGPRアセスメントの改善は治療後2ヶ月目に維持された(16.4%対0%;P=0.017)。
【0131】
1日2回適用の非盲検ミノキシジル5%治療群において、治療により、TAHCにおいてベースラインから18.4%の増加が6ヶ月目に生じた。これは、報告書にあるTAHCにおける治療の4及び12ヶ月後のほぼ13%の増加よりも高かった。ミノキシジル5%の対象の大半(67.3%)は、発毛において1グレード以上の改善を示した。試験した用量において、あらゆるビマトプロスト群の有効性はMIN群の有効性を下回っていた。
【0132】
以下の表27に関して、治療関連有害事象の発生率は媒体と比べるとビマトプロストではわずかに高かったが、ミノキシジルでの割合よりは低かった。
【0133】
以下の表28に関して、最もよく見られた真皮耐用性症状は、対象の報告に基づくかゆみ及び乾燥/皮膚科医の報告に基づく鱗片であった;どちらもミノキシジルと比べて、ビマトプロスト0.3%での頻度は低下した。しかしながら、皮膚科医の報告では、毛包炎はミノキシジルよりもビマトプロスト0.3%でより多く見られた。
【0134】
ビマトプロストの臨床検査室パラメータ、バイタルサイン、ECG、または理学的検査には臨床的に有意な、または用量依存的な変化は見られなかった。
【0135】
結論
研究は、1日1回適用された外用ビマトプロスト0.3%が、媒体と比べて軽度から中程度のAGAに罹患している対象において有意に頭皮の発毛を増加することを示した。非盲検の方法で1日2回適用された外用ミノキシジル5%は、試験したいかなるビマトプロスト用量よりも高い有効性を示した。外用ビマトプロストは、頭皮の発毛用の確立された膏薬治療のものと一致した安全性及び耐用性プロファイルを示した。
【0136】
上の詳細な説明は様々な実施形態に適用された新規の特徴を示し、説明し、指摘しているが、説明された装置並びに方法の形式及び詳細について様々な省略、置換え、及び変更が、本開示の趣旨から逸脱することなくなされ得ることが理解されよう。加えて、上記の様々な特徴及び方法は互いに独立して使用され得るか、または様々な方法と組み合わされ得る。全ての可能性のある組合せ及び副組合せは、本開示の範囲内であるように意図される。上記の実施形態の多くは同様の成分を含み、且つそのようなものとして、これらの同様の成分は異なる実施形態において交換することができる。本発明はある特定の実施形態及び実施例の文脈において開示されているが、本発明は特に開示された実施形態だけでなく、他の代替的な実施形態及び/または使用、並びにその明らかな修正及び等価物にまで及ぶということを、当業者は理解されたい。したがって、本発明は、本明細書における好ましい実施形態の特定の開示によって制限されることを意図しないものである。