特許第6082191号(P6082191)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6082191
(24)【登録日】2017年1月27日
(45)【発行日】2017年2月15日
(54)【発明の名称】モニタリングシステム
(51)【国際特許分類】
   G08B 31/00 20060101AFI20170206BHJP
【FI】
   G08B31/00 Z
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-127887(P2012-127887)
(22)【出願日】2012年6月5日
(65)【公開番号】特開2013-254239(P2013-254239A)
(43)【公開日】2013年12月19日
【審査請求日】2015年5月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000166432
【氏名又は名称】戸田建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】渡壁 守正
(72)【発明者】
【氏名】保井 美敏
(72)【発明者】
【氏名】稲井 慎介
(72)【発明者】
【氏名】成田 修英
(72)【発明者】
【氏名】山本 健史
(72)【発明者】
【氏名】石田 琢志
(72)【発明者】
【氏名】矢尾 博信
(72)【発明者】
【氏名】篠田 正紀
(72)【発明者】
【氏名】村上 敬三
(72)【発明者】
【氏名】木代 雅巳
【審査官】 吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−344213(JP,A)
【文献】 特開平04−277273(JP,A)
【文献】 特開平09−041714(JP,A)
【文献】 特開2011−163837(JP,A)
【文献】 特開平10−039796(JP,A)
【文献】 特開平05−298569(JP,A)
【文献】 特開2007−278990(JP,A)
【文献】 特開2008−090534(JP,A)
【文献】 特開2011−095237(JP,A)
【文献】 特開2003−294574(JP,A)
【文献】 特開2003−147970(JP,A)
【文献】 特開2008−281435(JP,A)
【文献】 特開2011−257237(JP,A)
【文献】 特開2009−015483(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B1/62−1/99
E04H9/00−9/16
G01B21/00−21/32
G01V1/00−1/40
3/00−7/16
8/10−8/16
8/20
9/00−99/00
G08B19/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の複数の位置の加速度を取得する加速度センサと、
前記複数の位置の加速度に基づいて、前記構造物の被災の算定を実施する演算手段と、を有し、
前記演算手段は、前記構造物の各階の加速度を演算し、かつ、各階の変位から層間変形角を演算し、該加速度または該層間変形角が設定値を超えた時に剛性に関わる評価値の演算を行い、該剛性に関わる評価値と該層間変形角とにより被災の算定を行うことを特徴とするモニタリングシステム。
【請求項2】
前記演算手段は、前記被災の算定に際して、前記構造物の剛性に関わる評価値と該構造物の層間変形角とから該構造物の損傷度を判定することを特徴とする請求項1に記載のモニタリングシステム。
【請求項3】
使用者に被災の算定の結果を通知する通知手段を更に有することを特徴とする請求項1または2に記載のモニタリングシステム。
【請求項4】
前記通知手段は、使用者に画像を表示する表示器であり、
前記表示器は、地震発生時に自動で点灯することを特徴とする請求項に記載のモニタリングシステム。
【請求項5】
前記通知手段は、使用者に画像を表示する表示器であり、
前記表示器は、地震発生時以外には温湿度、空気清浄度、消費電力、自家発電量、またはCO2発生量を表示することを特徴とする請求項に記載のモニタリングシステム。
【請求項6】
前記加速度センサにケーブルを介して給電するハブを更に有することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のモニタリングシステム。
【請求項7】
停電時に当該モニタリングシステムへの給電を実施する無停電電源装置を更に有することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のモニタリングシステム。
【請求項8】
前記加速度または該加速度の分析データが送信される外部サーバを更に有することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のモニタリングシステム。
【請求項9】
当該モニタリングシステムは、過去の地震の履歴を保持することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のモニタリングシステム。
【請求項10】
前記構造物が免震装置を備える建造物であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のモニタリングシステム。
【請求項11】
前記構造物の前記被災の算定の結果を閲覧可能にするサーバ機能を更に有することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のモニタリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モニタリングシステムに関し、特に、構造躯体の損傷、使用安全性、修復可能性などを適切に評価するためのモニタリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の地震動に対する損傷状況を判定する地震被害判定装置として、特許文献1に示すようなものが提案されている。
【0003】
この地震被害判定装置は、地震被害の判定対象とする建物に設けられ、地震が発生した際の当該建物の揺れの波形を計測する地震計と、前記地震計により計測される波形に基づいて得られる予め定められた複数種類の物理量の、前記建物に地震動に応じて損傷が発生する閾値を導出する導出手段と、前記導出手段によって導出された前記閾値を記憶する記憶手段と、地震が発生した場合に、前記地震計によって計測された前記波形に基づいて前記建物における前記複数種類の物理量と前記記憶手段により記憶されている対応する前記閾値との比較を行い、当該比較の結果に基づいて前記建物に損傷が発生したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を報知する報知手段とを備えたものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−90534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような地震被害判定装置にあっては、記憶手段がインターネットを介して接続されたサーバ装置とされているため、各データを一旦インターネットを介して外部のサーバ装置に送信して記憶させ、比較、演算等の処理をサーバ装置側で行った後、報知手段にて報知することとなるため、地震の発生から報知までの間に時間がかかることとなり、早期に情報を提供しにくいという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、建物の被災評価を行うことのできるモニタリングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様においては、構造物の複数の位置の加速度を取得する加速度センサと、前記複数の位置の加速度に基づいて、前記構造物の被災の算定を実施する演算手段と、を有し、前記演算手段は、前記構造物の各階の加速度を演算し、かつ、各階の変位から層間変形角を演算し、該加速度または該層間変形角が設定値を超えた時に剛性に関わる評価値の演算を行い、該剛性に関わる評価値と該層間変形角とにより被災の算定を行うことを特徴とするモニタリングシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施の形態にかかる建物診断モニタリングシステム概略構成図である。
図2図1の表示器における表示画面の一例を示す図である。
図3】剛性変化の算定状態を示すフロー図である。
図4】剛性変化の算定レベルの設定例を示す図である。
図5】(A)は、建物固有周期(固有モード)と加速度センサ位置の関係を示す図、(B)は、大空間での1次固有モード〜3次固有モードを対象に加速度センサを配置した例を示す図である。
図6】被災評価の算定状態を示すフロー図である。
図7】層間変形角と剛性変化と損傷の対応を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0023】
図1図7は、本発明の一実施の形態にかかる建物診断モニタリングシステムを示す図である。
【0024】
図1は、本発明の一実施の形態にかかる建物診断モニタリングシステム概略構成図で、この建物診断モニタリングシステム10は、加速度センサ12と、記録部14と、通知手段としての表示器16とを有している。
【0025】
加速度センサ12は、複数台設置されて、その設置位置の地震時の加速度を検出するためのもので、建物18の複数の階に設置されるようになっている。
【0026】
これら各加速度センサ12は、給電可能なハブ(PoEHUB)20に接続され、無停電電源装置22に接続されて、停電時でも動作可能にされている。
【0027】
また、この加速度センサ12は、内部にCPU及びメモリを有するデジタル方式のものとされており、ノイズが乗りにくいものとされるとともに、通信エラーがあった場合には通信を繰り返したり、自己診断を行ってメンテナンスを容易にしたり、記録部14と双方向通信が可能な状態となっている。
【0028】
記録部14は、建物18内で、ハブ20を介して加速度センサ12と接続するとともに無停電電源装置22に接続した状態となっている。
【0029】
また、記録部14は、CPUとメモリを有し、複数の加速度センサ12からの検出データを受け取って記録するとともに、その検出データを分析し、その分析結果を表示器16に送信するようになっている。
【0030】
より詳細には、記録部14は、建物18の各階の震度と、CPU内に有する診断アルゴリズムに基づいて建物18の被災評価を演算し、その演算結果を表示器16に送信するようになっている。
【0031】
表示器16は、記憶部から送信された分析結果を画像表示することにより、使用者にわかりやすいものにしている。
【0032】
また、ハブ20は、ルーター24に接続され、このルーター24からインターネット回線26を介して外部の診断サーバ28に接続され、加速度センサ12からの検出データが診断サーバ28に転送され、診断サーバ28で被災評価を診断できるようにしている。
【0033】
これによって、専門家等の意見を取り入れたより詳細な情報を提供しうるようにしてい
る。
【0034】
この場合、複数の加速度センサ12からの検出データを受け取って記録部14で分析したデータを外部のサーバシステムに転送するようにしてもよい。
【0035】
さらにまた、複数のハブ20はLANケーブルにて接続されているが、無線LANにて接続するようにして、遠距離接続を容易にするようにしてもよい。
【0036】
なお、この建物18は、免震装置19を有する建物構造となっているが、免震装置を有しない建物にも適用可能である。
【0037】
このように、加速度センサ12からの検出データを建物18内の記録部14に記録し、この記録部14で前記検出データを分析し、その分析結果を表示器16に送信することで、加速度センサ12からの検出データをインターネットを介して外部サーバに送信するのではなく、ローカルネットワーク内で分析して、地震の発生から表示までの間に時間をかけずに、早期に情報を提供することができることとなる。
【0038】
このようにすることにより、災害時にインターネット回線が切断するなどの状況が発生しても、建物内の記録部と表示器が診断機能を有するために、外部診断サーバによらずとも、必要な情報の伝達が可能である。
【0039】
図2は、図1の表示器における表示画面の一例を示す図で、この表示器16の表示画面32は、例えば、常時は消灯で、地震発生時に自動点灯し、一定時間後に消灯するようになっている。
【0040】
また、表示画面32には、上部に、例えば地盤と、1階と、R階の震度を示す震度表示部34が設けられ、その下側には、例えば、1階と、R階の診断情報を示す建物診断情報部36が設けられた状態となっている。
【0041】
震度表示部34では、最大震度をホールドし、震度により文字色を変え、一定時間後に消去するようになっている。
【0042】
なお、それぞれの消去時間は、大きい地震の際には長く表示するなど、発生した地震の大きさによって異なる時間でもよい。
【0043】
また、建物診断情報部36では、最大震度での診断をホールドし、危険度により背景色を変え、一定時間後に消去するようになっている。
【0044】
その他、表示画面32には、例えば、建物名称38、地震発生時の最大震度の時刻40、大きい地震の履歴42、地震発生時の警報表示44、現在時刻46等が表示されるようになっている。
【0045】
本装置は以下のようなフローで設定〜解析される。
【0046】
まず加速度センサ12の設置については、図6のフロー図に示すとおり、まず、設定建物で考慮する振動数を求めて、想定地震動の設定を行う(S10)。
【0047】
次に、求めた振動数範囲の対象建物固有周期(解析モード次数)を設定する(S11)。
【0048】
この場合、告示波を対象地震動の一つと考えると、例えば、3次固有モードまでを対象とすることが考えられる。
【0049】
次いで、モードに応じた加速度センサ12位置の設定を行う(S12)。
【0050】
この場合、図5(A)の建物固有周期(固有モード)と加速度センサ位置の関係を示す図にあるように、1次固有モード〜3次固有モードから加速度センサ12の設置階を決定し、各固有モード(固有周期)の腹の位置に加速度センサを設置するようにすることで設置台数と設置位置が決定される。
【0051】
このように、設定建物で考慮する振動数を求めてその振動数範囲の対象建物固有周期を設定して前記加速度センサ12の設置階を決定し、各固有周期の腹の位置に前記加速度センサを設置することで、加速度センサ12の台数を少なくしてコンパクトかつ低コストで、システムの設置も容易なものとすることができるようになっている。
【0052】
この考え方は、図5(B)に大空間での1次固有モード〜3次固有モードを対象に加速度センサを配置した例でも示すように、大空間建物でも同様である。
【0053】
引き続いて地震直後早期の剛性低下評価であるが、図3の、計測された加速度から各階の加速度を推定する(S2)。
【0054】
次いで、例えば各階の最大加速度が設定値である500galを超えているか否かを判定する(S3)。
【0055】
最大加速度が設定値である500galを超えている場合には、剛性変化の算定を行う(S4)。
【0056】
最大加速度が設定値である500galを超えていない場合には、各階の変位を推定する(S5)。
【0057】
次に、各階の変位から、層間変形角を推定する(S6)。
【0058】
次いで、例えば最大層間変形角が設定値である1/100を超えているか否かを判定する(S7)。
【0059】
最大層間変形角が設定値である1/100を超えている場合には、剛性変化の算定を行う(S8)。
【0060】
最大層間変形角が設定値である1/100を超えていない場合には、震度表示による伝達を行う(S9)ようにしている。
【0061】
このように、記録部12は、加速度センサの計測に基づいて各階の加速度を推定するとともに、この各階の加速度から各階変位を推定し、そこから層間変位角を算定して震度を表示器16に伝達することで、各階の精度の良い正確な震度情報を発信することができる。
【0062】
また、剛性低下に関する検討は、計測加速度または層間変形角が設定値を超えた時にされるのであるが、設定値は例えば図4に示すレベルに設定することも可能である。
【0063】
図4(日経アーキテクチャ 2010-10-25 pp.25「層間変形角と加速度で被害を予測する
」を参照)は、横軸に加速度、縦軸に層間変形角を設定したもので、安全性を高めようとするのであれば、図4に示すレベル1(加速度500gal、層間変形角1/100)をレベル2(加速度300gal、層間変形角1/200)に変更することも可能である。
【0064】
次に、剛性変化の判定がされるのは、図3の剛性変化の算定条件(S4、S8)を満たした場合で、剛性の観測値と解析値の比較を行い、剛性の同定を行う(S13)。
【0065】
次いで、剛性の観測値と解析値の比較により誤差が最小の結果を選択する(S14)。
【0066】
次に、各剛成の評価を行い(S15)、剛性の低下と被災の算定を行う(S16)。
【0067】
この剛性の低下と被災の算定に際しては、図7の層間変形角と剛性変化と損傷対応を示す図にあるように、横軸の剛性の低下割合と縦軸の層間変形角から損傷度を判定する。
【0068】
例えば、損傷(被災)度の判定は、層間変形角が1/100より大きい場合はすべて「避難・専門家検査」となり、また、剛性の低下割合が初期の50%よりも小さい場合もすべて「避難・専門家検査」となり、層間変形角が1/200〜1/100、剛性の低下割合が初期の70%〜50%の場合は「居住OK・点検確認・専門家調査」となり、それ以外は「問題無」となる。
【0069】
これまでの説明は一例であって、判定に用いる層間変形角、剛性低下の割合についての大きさは、建物の構造、用途及び重要度等によって変えて良いのは勿論である。
【0070】
そして、この被災の判定に基づいて、被災評価を表示器16に伝達して表示を行うようになっている(S17)。
【0071】
このように、記録部14が、計測加速度または層間変形角が設定値を超えた時に剛性変化の算定を行い、剛性の低下割合と層間変形角とにより被災の算定を行い、被災の算定結果を表示器16に伝達することにより、精度の良い正確な被災情報を発信することができるようになっている。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の形態に変形可能である。
【0073】
例えば、前記実施の形態では、通知手段として画像を表示可能な表示器を示したが、この例に限らず、音声出力で通知するものでもよく、あるいは、指定メール、電話の自動発信でもよく、宛先は、管理人、居住者、PC、家庭用モニタでもよい。
【0074】
また、前記実施の形態においては、地震発生のないときには表示画面を消灯するようにしているが、地震発生時以外には他の情報、例えば、温湿度、空気清浄度、消費電力、自家発電量、CO2発生量等を表示するようにしてもよい。
【0075】
さらに、建物内のシステムにサーバ機能を持たせて各家庭から居住ビルの診断情報をPCでみられるようにしてもよい。
【0076】
また、震度表示、地震発生表示、履歴の自動消去時間を震度に応じて変更させるようにしてもよい。
【0077】
さらに、設備機器、防災管理情報、ガス感知情報、防犯、減災など様々な住環境に関する情報をモニタリングし、発信できるようにしてもよい。
本実施形態の目的は、インターネットを介することなく、ローカルネットワークで早期に建物の被災評価を行って通知することのできる建物診断モニタリングシステムを提供することにある。
本実施形態の他の目的は、加速度センサの台数を少なくしてコンパクトかつ低コストで、設置の容易な建物診断モニタリングシステムを提供することにある。
本実施形態のさらに他の目的は、精度の良い正確な情報を発信することのできる建物診断モニタリングシステムを提供することにある。
(1)前記目的を達成するため、本実施形態の建物診断モニタリングシステムは、地震時の加速度を検出するために建物の複数の階に設置された複数の加速度センサと、
前記建物内で前記複数の加速度センサからの検出データを受け取って分析し、その分析結果を送信するとともに、記録する記録部と、
前記記録部から送信された分析結果を通知する通知手段と、
を有し、
前記記録部は、各階の震度と、CPU内に有する診断アルゴリズムに基づいて建物の被災評価を演算し、その結果を通知手段に送信することを特徴とする。
本実施形態によれば、加速度センサからの検出データを建物内の記録部に記録し、この記録部で前記検出データを分析し、その分析結果を通知手段に送信することで、加速度センサからの検出データをインターネットを介して外部サーバに送信するのではなく、ローカルネットワーク内で分析して、地震の発生から報知までの間に時間かけずに、早期に情報を提供することができる。
(2)本実施形態においては、(1)において、
設定建物で考慮する振動数を求めてその振動数範囲の対象建物固有周期を設定して前記加速度センサの設置階を決定し、各固有周期の腹の位置に前記加速度センサを設置することができる。
このような構成とすることにより、加速度センサの台数を少なくしてコンパクトかつ低コストで、システムの設置も容易なものとすることができる。
(3)本実施形態においては、(1)または(2)において、
前記記録部は、前記加速度センサの計測に基づいて各階の加速度を推定するとともに、この各階の加速度から各階変位を推定し、そこから層間変形角を算定して震度と建物診断情報を通知手段に伝達することができる。
このような構成とすることにより、各階の精度の良い正確な震度と建物診断情報を発信することができる。
(4)本発明においては、(3)において、
前記記録部は、前記計測加速度または層間変形角が設定値を超えた時に剛性変化の算定を行い、
前記剛性の低下割合と前記層間変形角とにより被災の算定を行い、
前記被災の算定結果を前記通知手段に伝達することができる。
このような構成とすることにより、精度の良い正確な被災情報を発信することができる。
(5)本実施形態においては、(1)〜(4)のいずれかにおいて、
前記記録部は、複数の加速度センサからの検出データを受け取って分析するとともに、そのデータを外部のサーバシステムに転送することができる。
このような構成とすることにより、外部のサーバシステムにおいて専門家の意見を取り入れたより詳細な情報を提供することができる。
(6)本実施形態においては、(1)〜(5)のいずれかにおいて、
前記通知手段は、画像表示可能な表示器とすることができる。
このような構成とすることにより、通知手段として画像表示可能な表示器を用いることで、使用者にわかりやすいものとすることができる。
【符号の説明】
【0078】
10 建物診断モニタリングシステム
12 加速度センサ
14 記録部
16 表示器
26 インターネット回線
28 診断サーバ
図3
図4
図6
図1
図2
図5
図7