特許第6082199号(P6082199)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 任天堂株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6082199-ヒンジ構造および電子装置 図000002
  • 特許6082199-ヒンジ構造および電子装置 図000003
  • 特許6082199-ヒンジ構造および電子装置 図000004
  • 特許6082199-ヒンジ構造および電子装置 図000005
  • 特許6082199-ヒンジ構造および電子装置 図000006
  • 特許6082199-ヒンジ構造および電子装置 図000007
  • 特許6082199-ヒンジ構造および電子装置 図000008
  • 特許6082199-ヒンジ構造および電子装置 図000009
  • 特許6082199-ヒンジ構造および電子装置 図000010
  • 特許6082199-ヒンジ構造および電子装置 図000011
  • 特許6082199-ヒンジ構造および電子装置 図000012
  • 特許6082199-ヒンジ構造および電子装置 図000013
  • 特許6082199-ヒンジ構造および電子装置 図000014
  • 特許6082199-ヒンジ構造および電子装置 図000015
  • 特許6082199-ヒンジ構造および電子装置 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6082199
(24)【登録日】2017年1月27日
(45)【発行日】2017年2月15日
(54)【発明の名称】ヒンジ構造および電子装置
(51)【国際特許分類】
   F16C 11/04 20060101AFI20170206BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20170206BHJP
【FI】
   F16C11/04 C
   F16C11/04 F
   H04M1/02 C
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-156547(P2012-156547)
(22)【出願日】2012年7月12日
(65)【公開番号】特開2014-20390(P2014-20390A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2015年5月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】藤田 訓平
(72)【発明者】
【氏名】村上 隆司
【審査官】 増岡 亘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−194044(JP,A)
【文献】 特表2010−510444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 11/04
H04M 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部材と、軸方向に間隔をあけて設けられた一方端面および他方端面を有し、前記一方端面から前記軸方向に突出するように設けられた突起部を有し、前記他方端面で前記第1の部材と対向するように配置されており、前記第1の部材に対して回動可能な第2の部材とを有するヒンジピンと、
前記ヒンジピンの前記第2の部材の一部および前記突起部と嵌合する凹部を有するヒンジピン受け部とを備え、
前記突起部は前記第2の部材の径方向に延びる第1表面部を有し、
前記凹部は前記第1表面部と係合可能な第2表面部を有し、
前記第1表面部は、前記ンジピンが前記軸方向を中心に右回転するときに前記第2表面部に当接する右回転当接面と、前記ヒンジピンが前記軸方向を中心に左回転するときに前記第2表面部に当接する左回転当接面とを含み、
前記右回転当接面と前記左回転当接面とは、前記一方端面の中心を挟んで径方向に配置されており、連続的に形成されていない、ヒンジ構造。
【請求項2】
前記第1および第2表面部が係合することで、前記ヒンジピン受け部に対する前記第2の部材の回動を抑制するように構成した、請求項1に記載のヒンジ構造。
【請求項3】
前記突起部は、前記右回転当接面を規定する部分と、前記左回転当接面を規定する部分とがつながるように構成されている、請求項1または2に記載のヒンジ構造。
【請求項4】
第1の部材と、軸方向に間隔をあけて設けられた一方端面および他方端面を有し、前記一方端面から前記軸方向に突出するように設けられた突起部を有し、前記他方端面で前記第1の部材と対向するように配置されており、前記第1の部材に対して回動可能な第2の部材とを有するヒンジピンと、
前記ヒンジピンの前記第2の部材の一部および前記突起部と嵌合する凹部を有するヒンジピン受け部とを備え、
前記突起部は前記第2の部材の径方向に延びる第1表面部を有し、
前記凹部は前記第1表面部と係合可能な第2表面部を有し、
前記突起部は前記一方端面の中心に対して非対称形状を有する、ヒンジ構造。
【請求項5】
前記凹部は前記突起部の一部を露出するように設けられている、請求項1〜4のいずれかに記載のヒンジ構造。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のヒンジ構造と、
前記ヒンジピンが取付けられた第1の筐体と、
前記ヒンジピン受け部が取付けられた第2の筐体とを備えた、電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒンジ構造および電子装置に関し、特に、ヒンジピンとヒンジピン受け部とを備えたヒンジ構造およびそれを備えた電子装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、折りたたみ型の電子装置などにおいて、複数のハウジングを回動可能に接続するヒンジ構造が用いられている。たとえば、特開2009−36279号公報(特許文献1)には、折りたたみ型の携帯電話機の上筐体と下筐体とを回動可能に接続するヒンジ構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−36279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の公報に記載されたようなヒンジ構造では、上筐体を開閉する際にヒンジ構造に負荷がかかる。そのため、ヒンジ構造の耐久性を向上させることが求められる。この問題と同様の問題がヒンジ構造を用いてハウジングの一部を開閉可能な他のタイプの電子装置においても生じ得る。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、耐久性を向上させることができるヒンジ構造およびそれを備えた電子装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のヒンジ構造は、第1の部材と、軸方向に間隔をあけて設けられた一方端面および他方端面を有し、一方端面から軸方向に突出するように設けられた突起部を有し、他方端面で第1の部材と対向するように配置されており、第1の部材に対して回動可能な第2の部材とを有するヒンジピンと、ヒンジピンの第2の部材の一部および突起部と嵌合する凹部を有するヒンジピン受け部とを備えている。突起部は第2の部材の径方向に延びる第1表面部を有している。凹部は第1表面部と係合可能な第2表面部を有している。
【0007】
本発明のヒンジ構造では、第2の部材の一部および突起部が凹部と嵌合する。このため、第1の部材に対して第2の部材を回動させる際にヒンジピン受け部にかかる負荷を第2の部材の一部および突起部と嵌合する凹部の各部に分散させることができる。これにより、ヒンジピン受け部にかかる負荷を分散させることでヒンジ構造の耐久性を向上させることができる。
【0008】
また、一方端面から軸方向に突出し、第2の部材の径方向に延びる第1表面部と係合する第2表面部で、第1の部材に対して第2の部材を回動させる際の負荷を受けることができる。つまり、回動方向において第2表面部の面で負荷を受けることができるため、第2表面部にかかる負荷を分散させることができる。これにより、ヒンジピン受け部にかかる負荷を分散させることでヒンジ構造の耐久性を向上させることができる。
【0009】
上記のヒンジ構造は、好ましくは、第1および第2表面部が係合することで、ヒンジピン受け部に対する第2の部材の回動を抑制するように構成されている。第1の表面部と第2表面部とが係合することで、ンジピン受け部に対する第2の部材の回動を抑制するため、第2表面部で負荷を受けることができる。このため、回動方向において第2表面部の面で負荷を受けることができるため、第2表面部にかかる負荷を分散させることができる。
【0010】
上記のヒンジ構造では、好ましくは、第1表面部は、ンジピンが軸方向を中心に右回転するときに第2表面部に当接する右回転当接面と、ヒンジピンが軸方向を中心に左回転するときに第2表面部に当接する左回転当接面とを含んでいる。右回転当接面で右回転の際のンジピン受け部にかかる負荷を分散させることができ、左回転当接面で左回転の際のヒンジピン受け部にかかる負荷を分散させることができる。このため、右回転および左回転のいずれにおいても、ヒンジピン受け部にかかる負荷を分散させることができる。
【0011】
上記のヒンジ構造では、好ましくは、突起部は、右回転当接面を規定する部分と、左回転当接面を規定する部分とがつながるように構成されている。このため、右回転当接面を規定する部分と左回転当接面を規定する部分とがつながるように突起部を一体に形成することができる。これにより、突起部の強度を向上させることができる。
【0012】
上記のヒンジ構造では、好ましくは、突起部は一方端面の中心に対して非対称形状を有している。このため、回動方向によって負荷が異なる場合でも、負荷にあわせて突起部を形成することができる。
【0013】
上記のヒンジ構造では、好ましくは、凹部は突起部の一部を露出するように設けられている。このため、突起部と凹部との係合を視認することができる。したがって、突起部と凹部とを確実に嵌合させることができる。
【0014】
本発明の電子装置は、上記のヒンジ構造と、ヒンジピンが取付けられた第1の筐体と、ヒンジピン受け部が取付けられた第2の筐体とを備えている。これにより、耐久性を向上させることができるヒンジ構造を備えた電子装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、耐久性を向上させることができるヒンジ構造およびそれを備えた電子装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施の形態のゲーム装置の開いた状態を示す概略斜視図である。
図2】本発明の一実施の形態のゲーム装置の閉じた状態を示す概略斜視図である。
図3】本発明の一実施の形態のゲーム装置の全開した状態を示す概略斜視図である。
図4図1のヒンジ構造の拡大斜視図である。
図5】本発明の一実施の形態のヒンジ構造のヒンジピン受け部側から見た概略分解斜視図である。
図6】本発明の一実施の形態のヒンジ構造のヒンジピン側から見た概略分解斜視図である。
図7図5のVII−VII線に沿う断面図であって、ヒンジピンがンジピン受け部に挿入された状態を示す図である。
図8】本発明の一実施の形態のヒンジピンの概略正面図である。
図9】本発明の一実施の形態のヒンジピンの概略上面図である。
図10】本発明の一実施の形態のヒンジ構造が下側フロントパーツに取付けられた状態を示す概略斜視図である。
図11図10のP部の拡大図である。
図12図11のXII−XII線に沿う概略断面図である。
図13】本発明の一実施の形態のヒンジ構造において第1の部材が右回転した状態を示す概略斜視図である。
図14】本発明の一実施の形態のヒンジ構造において第1の部材が左回転した状態を示す概略斜視図である。
図15】本発明の一実施の形態の変形例のヒンジ構造の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態について図に基づいて説明する。
最初に本発明の一実施の形態のゲーム装置の構成について説明する。本実施の形態では本発明が適用される一例としてヒンジ構造がゲーム装置に適用される場合について説明する。
【0018】
図1図3を参照して、ゲーム装置1は携帯型のゲーム装置である。ゲーム装置1は折りたたみ可能に構成されている。ゲーム装置1は、下側ハウジング10と、上側ハウジング20と、ヒンジ構造100とを主に有している。下側ハウジング10と上側ハウジング20とはヒンジ構造100によって開閉可能(折りたたみ可能)に接続されている。
【0019】
ゲーム装置1は、下側ハウジング10と上側ハウジング20とがヒンジ構造100によって開閉することで、図1に示す開いた状態(開状態)と、図2に示す閉じた状態と(閉状態)と、図3に示す全開した状態(全開状態)とになり得るように構成されている。下側ハウジング10の主面10aと上側ハウジング20の主面20aとは互いに、開状態ではたとえば155度の角度で配置されており、閉状態ではたとえば0度の角度で配置されており、全開状態ではたとえば180度の角度で配置されている。下側ハウジング10の主面10aおよび上側ハウジング20の主面20aは、開状態および全開状態で外側に位置し、閉状態では外側に位置しない。
【0020】
下側ハウジング10は、下側フロントパーツ11と、下側リアパーツ12と、下側LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)13と、タッチパネル14と、十字キー15aと、アナログキー15bと、各操作ボタン15c〜15gと、電源ボタン15hと、セレクトボタン15iと、HOMEボタン15jと、スタートボタン15kと、無線スイッチ16と、イヤホンジャック17と、各LED18a〜18d(Light Emitting Diode)とを主に有している。
【0021】
下側フロントパーツ11は下側ハウジング10の主面10aおよび前側面を構成している。下側リアパーツ12は下側ハウジング10の背面および後側面を構成している。下側ハウジング10の主面10aに下側LCD13、タッチパネル14、十字キー15a、アナログキー15b、各操作ボタン15c〜15f、電源ボタン15h、セレクトボタン15i、HOMEボタン15j、スタートボタン15kが配置されている。下側ハウジング10の右側面に無線スイッチ16、LED18aが配置され、正面にイヤホンジャック17、LED18b、18cが配置され、背面に操作ボタン15gが配置されている。なお後述する下側ハウジング10の下側突起部11a1にLED18dが配置されている。
【0022】
また、下側ハウジング10は、図示しないゲームカードユニット、SDカードユニット、タッチペンホルダ、電源コネクタ、クレードル接続端子、音量ボリュームスイッチ等を有している。下側ハウジング10の背面にゲームカードユニット、SDカードユニット、タッチペンホルダ、電源コネクタ、クレードル接続端子が配置され、左側面に音量ボリュームスイッチが配置されている。さらに、下側ハウジング10は、内部に図示しない無線通信モジュール、マイク、バッテリ、情報処理部等を有している。
【0023】
上側ハウジング20は、上側フロントパーツ21と、上側リアパーツ22と、上側LCD23と、内側撮像部24と、外側撮像部25と、視差量調整スイッチ26と、音抜き孔27と、LED28とを主に有している。上側フロントパーツ21は上側ハウジング20の主面20aを構成している。上側リアパーツ22は上側ハウジング20の背面および側面を構成している。
【0024】
上側ハウジング20の主面20aに上側LCD23、内側撮像部24、音抜き孔27が配置されている。上側ハウジング20の背面に2つの外側撮像部25、LED28が配置されている。上側ハウジング20の主面20aと右側面との角部に視差量調整スイッチ26が配置されている。また、上側ハウジング20は、内部に図示しないスピーカ等を有している。
【0025】
下側ハウジング10は、上側長辺部分の両端部において下側ハウジング10の主面10aに対して垂直な方向に突起する下側突起部11a1および11a2を有している。下側突起部11a1および11a2は下側フロントパーツ11において下側リアパーツ12と反対方向に突起するように設けられている。上側ハウジング20は、下側長辺部分の両端部を除く部分において、上側ハウジング20の下側面から下側面に垂直な方向に突起する上側突起部21aを有している。上側突起部21aは上側ハウジング20の主面20aに沿って延びるように設けられている。
【0026】
下側ハウジング10の下側突起部11a1および11a2と上側ハウジング20の上側突起部21aとがヒンジ構造100によって連結されることによって、下側ハウジング10と上側ハウジング20とが折りたたみ可能に接続されている。図4に示すヒンジ構造100が図1に示す下側突起部11a1および上側突起部21aの内側に収容されている。
【0027】
図1および図4を参照して、ヒンジ構造100は下側ハウジング10と上側ハウジング20とを開閉可能に連結している。ヒンジ構造100は、ヒンジピン110と、ヒンジピン受け部120とを有している。ヒンジピン110は、上側ハウジング(第1の筐体)20の上側フロントパーツ21の上側突起部21aに取付けられている。ヒンジピン受け部120は、下側ハウジング(第2の筐体)10の下側フロントパーツ11の下側突起部11a1に取付けられている。
【0028】
図5および図6を参照して、ヒンジピン110は、第1の部材111と、第2の部材112とを有している。ヒンジピン110は略円柱形状を有している。第2の部材112は軸方向Aに間隔をあけて設けられた一方端面112aおよび他方端面112bを有している。第2の部材112は、一方端面112aから軸方向Aに突出するように設けられた突起部113を有している。第2の部材112は、他方端面112bで第1の部材111と対向するように配置されている。第2の部材112は、第1の部材111に対して回動可能に構成されている。ヒンジピン110の外周面は2つの円弧部115と、2つの円弧部115をつなぐ2つの平面部116とを有している。
【0029】
2つの円弧部115および2つの平面部116は、第1の部材111と第2の部材112との両方に形成されている。第2の部材112の平面部116は、後述する直線状内周部123bと嵌合することで、第2の部材112の回動時に回動を抑制するように構成されている。
【0030】
ヒンジピン受け部120は、ヒンジピン110の第2の部材112の一部および突起部113と嵌合する凹部121を有している。突起部113は第2の部材112の径方向Bに延びる第1表面部114を有している。径方向Bは第2の部材112の外周方向以外の方向である。凹部121は第1表面部114と係合可能な第2表面部122を有している。
【0031】
ヒンジ構造100は、第1表面部114および第2表面部122が係合することで、ヒンジピン受け部120に対する第2の部材112の回動を抑制するように構成されている。
【0032】
ヒンジピン受け部120の凹部121は、第1凹部123と、第1凹部123に連通する第2凹部124とを有している。第1凹部123は円弧状内周部123aと、直線状内周部123bとを有している。ヒンジピン受け部120は、凹部121の一部が設けられた突出部125と、突出部125と凹部121に対して反対側に配置されたストッパ部126と、外壁部127と、外壁部127で囲まれた空間128とを有している。ヒンジピン110がヒンジピン受け部120に挿入された状態において、空間128にヒンジピン110の突起部113が露出する。
【0033】
ヒンジピン110が凹部121に挿入された状態で、凹部121はヒンジピン110と嵌合している。具体的には、凹部121に第2の部材112の一部および突起部113が嵌合している。第1凹部123に第2の部材112の先端部が嵌合しており、第2凹部124に突起部113が嵌合している。第2の部材112の円弧部115が第1凹部123の円弧状内周部123aと嵌合しており、第2の部材112の平面部116が第1凹部123の直線状内周部123bと嵌合している。
【0034】
図7を参照して、突起部113の第1表面部114は、右回転当接面RS1と、左回転当接面LS1とを有している。また、凹部121の第2表面部122は、右回転当接面RS2と、左回転当接面LS2とを有している。右回転当接面RS1はヒンジピン110が軸方向Aを中心に右回転(図5中矢印R方向回転)するときに右回転当接面RS2に当接する面である。左回転当接面LS1はヒンジピン110が軸方向Aを中心に左回転(図5中矢印L方向回転)するときに左回転当接面LS2に当接する面である。
【0035】
右回転当接面RS1と左回転当接面LS1とは、一方端面112aの中心Oを挟んで径方向Bに配置されている。右回転当接面RS1と左回転当接面LS1とは連続的に形成されておらず、それぞれの第2表面部122の右回転当接面RS2および左回転当接面LS2と当接する面の長さが小さくなっている。これにより、右回転当接面RS1と左回転当接面LS1とが直線状に形成されている場合に比べて、第2表面部122と当接する面でのがたつきを小さくすることができる。
【0036】
突起部113は、右回転当接面RS1を規定する部分と、左回転当接面LS1を規定する部分とがつながるように構成されている。突起部113は、一体に形成されている。突起部113は本実施の形態では一方端面112aにおいてU字形状を有するように形成されている。
【0037】
突起部113は一方端面112aの中心Oに対して非対称形状を有している。本実施の形態では、突起部113は、右回転当接面RS1が左回転当接面LS1よりも小さくなるように形成されている。
【0038】
凹部121はヒンジピン110がヒンジピン受け部120に挿入された状態において、ヒンジピン110の突起部113の一部を露出するように設けられている。突起部113はその側面の一部が第2の部材112の外周面に沿うように形成されている。
【0039】
図8および図9を参照して、ヒンジピン110の構成についてさらに詳しく説明する。なお、図4図6では見やすくするため、ヒンジピン110は一部簡略化して示されており、次に説明するスプリング111aおよびキャッチ111bなどが簡略化されている。ヒンジピン110では、第1の部材111はスプリング111aと、キャッチ111bとを有している。第2の部材112はディスク112cを有している。スプリング111aによって付勢されたキャッチ111bとディスク112cとにボール30が挟まれた状態で、ピン31により第1の部材111と第2の部材112とが回動可能に固定されている。
【0040】
ディスク112cには、キャッチ111bと対向する部分にボール30を係止可能な穴が3つ形成されており、この穴にボール30が係止されることで第1の部材111の第2の部材112に対する回転角度が保持される。3つの穴は、図1〜3に示すゲーム装置1の開状態、閉状態、全開状態にあわせて形成されている。これにより、ヒンジピン110を上側ハウジング20および下側ハウジング10に組み込み、第1の部材111を第2の部材112に対して回動させた際に、ゲーム装置1の開状態、閉状態、全開状態で上側ハウジング20を下側ハウジング10に対して係止させることができる。
【0041】
図10および図11を参照して、ヒンジピン受け部120は、下側フロントパーツ11の係合凹部11bに突出部125(図5参照)側から挿入されている。下側フロントパーツ11にストッパ部126が係止されることでヒンジピン受け部120の位置が調整されている。
【0042】
図12を参照して、ヒンジピン110は上側ハウジング20の上側フロントパーツ21の上側突起部21aの係合孔21bに挿入され、嵌合している。これにより、ヒンジピン110は係合孔21bに固定されている。なお、ヒンジピン110の第1の部材111と第2の部材112とは止め具140で固定されている。
【0043】
ヒンジピン受け部120は下側ハウジング10の下側フロントパーツ11の下側突起部11a1の係合凹部11bに挿入され、嵌合している。またヒンジピン受け部120は係合部材150で下側突起部11a1に固定されている。このようにしてヒンジピン受け部120は係合凹部11bに固定されている。
【0044】
ヒンジピン110が係合孔21bに固定され、ヒンジピン受け部120が係合凹部11bに固定されているため、ヒンジピン110の第1の部材111を第2の部材112に対して回動させることにより、下側ハウジング10と上側ハウジング20とを相体的に回動させることができる。
【0045】
次に、本実施の形態のヒンジ構造100およびそれを備えたゲーム装置1の動作について説明する。再び図5を参照して、ヒンジピン受け部120に嵌合された第2の部材112に対して第1の部材111が回動する。図5中矢印R方向に第1の部材111を回転させることによってヒンジ構造100は図13に示す状態となる。この場合、ゲーム装置1は、開状態から閉状態に移行する。また、図5中矢印L方向に第1の部材111を回転させることによってヒンジ構造100は図14に示す状態となる。この場合、ゲーム装置1は、開状態から全開状態に移行する。
【0046】
第1表面部114および第2表面部122は互いに当接することで、第1の部材111に対して第2の部材112を回動させる際にヒンジピン受け部120にかかる負荷の一部を受けることができる。より具体的には、第1の部材111に対して第2の部材112を回動させる際、例えば開状態に移行する際および全開状態に移行する際には、第2の部材112の平面部116にトルクが働き、その結果当該平面部116と接するヒンジピン受け部120の直線状内周部123bに負荷がかかる。これに加えて、第1表面部114の当接面にもトルクが働き、当該当接面と接する第2表面部122でも負荷を受けることになる。これにより、回動時にヒンジピン受け部120にかかる負荷が分散される。本願の第1表面部114と第2表面部122とが当接する面においては、当該面と力のかかる方向とが垂直となるため、当該面の特定の箇所に集中させることなく負荷を受けることができる。
【0047】
なお、上記では突起部113がU字形状を有するように形成されている場合について説明したが、突起部113の形状はこれに限定されない。図15を参照して、本実施の形態の変形例のヒンジ構造では、突起部113は半円形状を有するように形成されている。
【0048】
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態のヒンジ構造100では、第2の部材112の一部および突起部113が凹部121と嵌合する。このため、第1の部材111に対して第2の部材112を回動させる際にヒンジピン受け部120にかかる負荷を第2の部材112の一部および突起部113と嵌合する凹部121の各部に分散させることができる。これにより、ヒンジピン受け部120にかかる負荷を分散させることでヒンジ構造100の耐久性を向上させることができる。
【0049】
また、一方端面から軸方向に突出し、第2の部材の径方向に延びる第1表面部と係合する第2表面部122で、第1の部材111に対して第2の部材112を回動させる際の負荷を受けることができる。つまり、回動方向において第2表面部122の面で負荷を受けることができるため、第2表面部122にかかる負荷を分散させることができる。これにより、ヒンジピン受け部120にかかる負荷を分散させることでヒンジ構造100の耐久性を向上させることができる。
【0050】
本実施の形態のヒンジ構造100では、第1表面部114と第2表面部122とが係合することで、ンジピン受け部120に対する第2の部材112の回動を抑制するため、第2表面部122で負荷を受けることができる。このため、回動方向において第2表面部122の面で負荷を受けることができるため、第2表面部122にかかる負荷を分散させることができる。
【0051】
本実施の形態のヒンジ構造100では、右回転当接面RSで右回転の際のンジピン受け部120にかかる負荷を分散させることができ、左回転当接面LSで左回転の際のヒンジピン受け部120にかかる負荷を分散させることができる。このため、右回転および左回転のいずれにおいても、ヒンジピン受け部120にかかる負荷を分散させることができる。
【0052】
本実施の形態のヒンジ構造100では、右回転当接面RSを規定する部分と左回転当接面LSを規定する部分とがつながるように突起部113を一体に形成することができる。これにより、突起部113の強度を向上させることができる。
【0053】
本実施の形態のヒンジ構造100では、突起部113は一方端面112aの中心に対して非対称形状を有しているため、回動方向によって負荷が異なる場合でも、負荷にあわせて突起部を形成することができる。
【0054】
本実施の形態のヒンジ構造100では、凹部121は突起部113の一部を露出するように設けられているため、突起部113と凹部121との係合を視認することができる。したがって、突起部113と凹部121とを確実に嵌合させることができる。
【0055】
本実施の形態のゲーム装置1は、上記のヒンジ構造100と、ヒンジピン110が取付けられた上側ハウジング20と、ヒンジピン受け部が取付けられた下側ハウジング10とを備えている。これにより、耐久性を向上させることができるヒンジ構造100を備えたゲーム装置1を提供することができる。
【0056】
本発明のヒンジ構造は複数のハウジングをヒンジ構造で連結する様々な電子装置に適用可能である。電子装置としては、たとえば、上記のゲーム装置の他、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータなどが挙げられる。
【0057】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、ヒンジピンとヒンジピン受け部とを備えたヒンジ構造およびそれを備えた電子装置に関するものである。
【符号の説明】
【0059】
1 ゲーム装置、10 下側ハウジング、10a 主面、10b 下側部品ユニット、11 下側フロントパーツ、11a1,11a2 下側突起部、11b 係合凹部、12 下側リアパーツ、13 下側LCD、14 タッチパネル、15a 十字キー、15b アナログキー、15c〜15g 操作ボタン、15h 電源ボタン、15i セレクトボタン、15j HOMEボタン、15k スタートボタン、16 無線スイッチ、17 イヤホンジャック、20 上側ハウジング、20a 主面、20b 上側部品ユニット、21 上側フロントパーツ、21a 上側突起部、21b 係合孔、22 上側リアパーツ、23 上側LCD、24 内側撮像部、25 外側撮像部、26 視差量調整スイッチ、27 音抜き孔、100 ヒンジ構造、110 ヒンジピン、111 第1の部材、111a スプリング、111b キャッチ、112 第2の部材、112a 一方端面、112b 他方端面、112c ディスク、113 突起部、114 第1表面部、115 円弧部、116 平面部、120 ヒンジ受け部、121 凹部、122 第2表面部、123 第1凹部、123a 円弧状内周部、123b 直線状内周部、124 第2凹部、125 突出部、126 ストッパ部、127 外壁部、128 空間、130 ボール、140 止め具、150 係合部材、A 軸方向、B 径方向、LS1,LS2 左回転当接面、RS1,RS2 右回転当接面、O 中心。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15