(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
可撓性フィルムからなる3つ以上の側面体を備え、前記側面体の一部によりガゼット部が形成され、任意の前記側面体と前記任意の側面体に隣接する他の前記側面体とのシール部で側端及び下端が封止された袋本体を備えるドラム缶用内袋であって、
前記シール部は、前記側面体の内面同士がシールされてなり、
前記の下端を封止するシール部の内縁は、その両端から中央に向かうに従い前記袋本体の内側に膨出する円弧状であることを特徴とするドラム缶用内袋。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(ドラム缶用内袋)
本発明のドラム缶用内袋(以下、単に内袋ということがある)は、可撓性フィルムからなる3つ以上の側面体を備え、側面体の一部によりガゼット部が形成され、任意の側面体と前記任意の側面体に隣接する他の側面体とのシール部で側端及び下端が封止された袋本体を備えるものである。
本発明の一実施形態にかかる内袋について、以下に図面を参照して説明する。
図1(a)は、本実施形態の内袋1の正面図であり、
図1(b)は、
図1(a)の部分拡大図であり、
図1(c)は、
図1(a)の部分拡大図である。
図2(a)は、
図1(a)のII−II断面図であり、
図2(b)は、
図2(a)の部分拡大図である。
図3は、
図2(a)の内袋1を膨らませた状態を示す断面図である。
【0012】
図1の内袋1は、袋本体10と、袋本体10から斜め上方に向かって突設された長尺のノズル体60とを備えるものである。
図3に示すように、袋本体10は、内容物が充填されると円筒状に膨らみ、外容器であるドラム缶内の形状に適合するものとなる。袋本体10が外容器内の形状に適合すると、袋本体10の底面及び周面がドラム缶の内周面に密着して、袋本体10に対する内圧が外容器に支えられる。このため、袋本体10における外容器と接触している部分に掛かる圧力は相殺され、内袋1の破損が生じにくい。
図2(a)に示すように、袋本体10は、透明な可撓性フィルムからなる第一の側面体11、第二の側面体12、第三の側面体13、第四の側面体14、第五の側面体15及び第六の側面体16を備える。なお、
図2(a)は、説明の便宜上、第一〜第六の側面体が離間した状態で図示されており、常態(
図1(a)の状態)では、第一の側面体11と第四の側面体14とが一対の対向する平面部とされ、第一の側面体11と第四の側面体14との間に第二の側面体12、第三の側面体13、第五の側面体15及び第六の側面体16が折り込まれて、ガゼット部が形成されている。
【0013】
第一〜第六の側面体は、上下方向が長手とされ、上下方向に頂部が突出した六角形とされている。即ち、第一〜第六の側面体には、最下端に位置する頂部から上方に向かい漸次離間する2つの下端辺と、両下端辺の上端から上方に、互いに略平行に延びる2つの側端辺と、両側端辺の上端から上方に向かい漸次近接する2つの上端辺とが形成されている。
例えば、第一の側面体11には、下端辺11a、11bと、側端辺11c、11dと、上端辺11e、11fとが形成されている。
【0014】
第一の側面体11と第二の側面体12とは、
図2(b)に示すように、側端辺11cに沿って形成された第一の側端シール部21で内面同士がシールされ、第二の側面体12と第三の側面体13とは、側端辺に沿って形成された第二の側端シール部22で内面同士がシールされている。第三の側面体13と第四の側面体14とは、側端辺に沿って形成された第三の側端シール部23で内面同士がシールされ、第四の側面体14と第五の側面体15とは、側端辺に沿って形成された第四の側端シール部24で内面同士がシールされている。第五の側面体15と第六の側面体16とは、側端辺に沿って形成された第五の側端シール部25で内面同士がシールされ、第六の側面体16と第一の側面体11とは、側端辺11dに沿って形成された第六の側端シール部26で内面同士がシールされている。
こうして、袋本体10の側端は、第一〜第六の側端シール部で封止されている。
なお、第一〜第六の側端シール部は、可撓性フィルムが熱シールされて、袋本体10の外方に突出するように形成されている。
【0015】
第一の側面体11と第二の側面体12とは、下端辺11aに沿って形成された第一の下端シール部31で内面同士がシールされ、第二の側面体12と第三の側面体13とは、下端辺に沿って形成された第二の下端シール部32で内面同士がシールされている。第三の側面体13と第四の側面体14とは、下端辺に沿って形成された第三の下端シール部33で内面同士がシールされ、第四の側面体14と第五の側面体15とは、下端辺に沿って形成された第四の下端シール部34で内面同士がシールされている。第五の側面体15と第六の側面体16とは、下端辺に沿って形成された第五の下端シール部35で内面同士がシールされ、第六の側面体16と第一の側面体11とは、下端辺11bに沿って形成された第六の下端シール部36で内面同士がシールされている。
また、第一〜第六の下端シール部同士の接続部の内縁は、曲線とされている。例えば、第一の下端シール部31と第六の下端シール部36との接続部の内縁には、曲線R1が形成されている(
図1(b)参照)。このように、下端シール部同士の接続部の内縁が曲線とされていることで、内袋1に内容物を充填する際に、領域39(
図1(b)、
図3参照)に力が集中するのを緩和して、下端シール部が剥離するのを抑制できる。R1の曲率は、例えば、後述する下端シール部同士のなす角度θ1等を勘案して決定される。
また、第一〜第六の下端シール部と第一〜第六の側端シール部との接続部の内縁は、曲線とされている。例えば、第一の下端シール部31と第一の側端シール部21との接続部の内縁には、曲線R2が形成されている(
図1(c)参照)。このように、下端シール部と側端シール部との接続部の内縁が曲線とされていることで、内袋1に内容物を充填した際に、底部30が円形になりやすく、袋本体10が円筒状に膨らみやすい。R2の曲率は、例えば、底部30の半径等を勘案して決定される。
こうして、袋本体10の下端は、第一〜第六の下端シール部で封止されている。
なお、第一〜第六の下端シール部は、可撓性フィルムが熱シールされて、袋本体10の外方に突出するように形成されている。
【0016】
第一の側面体11と第二の側面体12とは、上端辺11eに沿って形成された第一の上端シール部41で内面同士がシールされ、第二の側面体12と第三の側面体13とは、上端辺に沿って形成された第二の上端シール部で内面同士がシールされている。第三の側面体13と第四の側面体14とは、上端辺に沿って形成された第三の上端シール部で内面同士がシールされ、第四の側面体14と第五の側面体15とは、上端辺に沿って形成された第四の上端シール部で内面同士がシールされている。第五の側面体15と第六の側面体16とは、上端辺に沿って形成された第五の上端シール部で内面同士がシールされ、第六の側面体16と第一の側面体11とは、上端辺11fに沿って形成された第六の上端シール部46で内面同士がシールされている。
また、上端シール部同士の接続部の内縁は曲線とされ、上端シール部と側端シール部との接続部の内縁は曲線とされている。
こうして、袋本体10の上端は、第一〜第六の上端シール部で封止されている。
なお、第一〜第六の上端シール部は、可撓性フィルムが熱シールされて、袋本体10の外方に突出するように形成されている。
【0017】
即ち、袋本体10を構成する側面体同士の境界には、外方に突出するシール部が形成され、折り曲げ縁が形成されていない。
【0018】
第一〜第六の側面体には、下端シール部と側端シール部との接続部同士を結ぶ、円弧状の罫線が形成されている。例えば、第一の側面体11には、第一の下端シール部31と第一の側端シール部21との接続部と、第六の下端シール部36と第六の側端シール部26との接続部を結び、上方に膨出する円弧状の罫線30aが形成されている。この罫線30aは、
図3における底部30の周縁30bの一部を形成する。罫線30aが形成されていると、内袋1に内容物を充填した際に、底部30が平面視円形になりやすいため、袋本体10が円筒状になりやすい。
罫線30aは、例えば、手動プレス機、油圧プレス機、電動プレス機等を用いた型押しにより形成される。中でも、サーボモータ式の電動プレス機を用いて、型押しするのが好ましい。型押しする際の温度は、特に限定されないが、室温(25℃)〜150℃が好ましく、室温〜100℃がより好ましい。
【0019】
ノズル体60は、袋本体10内外を連通するものである。ノズル本体60は、2枚の帯状の可撓性フィルムが対向され、その側端に沿って熱シールされたものであり、一端が袋本体10内部に位置するように第一の側面体11と第二の側面体12との間に挟まれて、固定シール部62で袋本体10に固定されている。固定シール部62は、第一の側面体11及び第二の側面体12から第一の上端シール部41の外側に延設された可撓性フィルムが熱シールされたものである。
【0020】
第一の下端シール部31の外側には、第一の側面体11及び第二の側面体12から可撓性フィルムが延設され、これらの可撓性フィルムの周縁が熱シールされた下部補助袋部51が形成されている。下部補助袋部51には、上下方向に延びる補助シール部51aが形成されている。
第六の下端シール部36の外側には、第一の側面体11及び第六の側面体16から可撓性フィルムが延設され、これらの可撓性フィルムの周縁が熱シールされた下部補助袋部56が形成されている。下部補助袋部56には、上下方向に延びる補助シール部56aが形成されている。
加えて、第二の下端シール部32の外側には、下部補助袋部51と同様の下部補助袋部が形成され、第三の下端シール部33の外側には、下部補助袋部51と同様の下部補助袋部が形成されている。第四の下端シール部34の外側には、下部補助袋部51と同様の下部補助袋部が形成され、第五の下端シール部35の外側には、下部補助袋部51と同様の下部補助袋部が形成されている。
【0021】
第六の上端シール部46の外側には、第一の側面体11及び第六の側面体16から可撓性フィルムが延設され、この可撓性フィルムの周縁が熱シールされて上部補助袋部70が形成されている。上部補助袋部70には、下部補助袋部51の補助シール部51aと同様の補助シール部70aが形成されている。
第二の上端シール部の外側には、上部補助袋部70と同様の上部補助袋部が形成され、第三の上端シール部の外側には、上部補助袋部70と同様の上部補助袋部が形成されている。第四の上端シール部の外側には、上部補助袋部70と同様の上部補助袋部が形成され、第五の上端シール部の外側には、上部補助袋部70と同様の上部補助袋部が形成されている。
【0022】
袋本体10を構成する可撓性フィルムは、内容物の種類等を勘案して決定でき、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性樹脂製の単層フィルムや、これらを積層した積層フィルムが挙げられ、中でも積層フィルムが好ましい。積層フィルムであれば、可撓性フィルム同士を熱シールするのが容易で、かつ熱シールする際にシール部を形成したい部分だけ熱シールし、シール部を形成したくない部分には熱シールしないようにもできる。
積層フィルムとしては、例えば、内層と外層とが設けられたものが挙げられる。
内層は、袋本体10の内面を形成するものである。内層の材質は、熱シール性に優れたものが好ましく、例えば、PE、PP等が挙げられ、中でも、PEが好ましく、直鎖状低密度PE(LLDPE)がより好ましい。
外層は、袋本体10の外面を形成するものである。外層の材質は、袋本体10に求める突き刺し強度等を勘案して決定され、例えば、PE、PP、PET等が挙げられる。加えて、外層の材質は、内層の材質の融点よりも10℃以上高い融点であることが好ましい。外層の融点が内層の融点よりも10℃以上高ければ、可撓性フィルム同士を熱シールする際に、内層同士を熱シールし、外層を溶融しないようにするのが容易である。
例えば、内層の材質がLLDPEであれば、外層の材質としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、PP、PET等が好ましく、中でも、HDPE、MDPEがより好ましい。
また、例えば、内層の材質がHDPE、MDPEであれば、外層の材質としては、PPが好ましい。
あるいは、内層の材質がランダムPPであれば、外層の材質としては、ブロックPPが好ましい。
中でも、内層の材質がLLDPEで、外層の材質がHDPE、MDPE又はこれらの混合物であることが好ましい。
加えて、内層と外層との間に、中間層が設けられていてもよい。中間層の材質としては、PE、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、PP、接着性樹脂や、PET等のガスバリア性を有するものが挙げられ、中でも、PEが好ましい。中間層は、1層であってもよいし、2層以上であってもよい。
【0023】
内層と外層とからなる積層フィルムの場合、(内層の厚さ)/(外層の厚さ)で表される比は、例えば、1/1〜8/1とされる。
また、内層と中間層と外層とからなる積層フィルムの場合、(内層の厚さ)/(中間層の厚さ)/(外層の厚さ)で表される比は、例えば、(1〜4)/(1〜8)/1とされる。
【0024】
袋本体10を構成する可撓性フィルムの厚さは、内袋1の大きさや材質等を勘案して適宜決定される。例えば、200L容量のドラム缶(例えば、内径500〜800mm×高さ800〜1000mm)用の内袋、又は100L容量のドラム缶(例えば、内径400〜600mm、高さ500〜900mm)用の内袋である場合には、100〜300μmが好ましく、120〜250μmがより好ましく、140〜180μmがさらに好ましい。100μm未満では、強度が不十分になるおそれがあり、300μm超では、腰が強くなりすぎ(弾性率が大きすぎ)て、可撓性フィルムが硬くなって取り扱いが煩雑になったり、熱シールしにくくなるおそれがある。
【0025】
袋本体10の長さL1は、側面体の数やドラム缶の大きさ等に応じて決定される。本実施形態のように6つの側面体を備える内袋1が、200L容量のドラム缶用の内袋である場合には、例えば、L1=120〜180cmとされる。
袋本体10において、第六の下端シール部36と第六の側端シール部26との接点から、第六の上端シール部46と第六の側端シール部26との接点までの長さL2は、ドラム缶の大きさ等に応じて決定される。内袋1が200L容量のドラム缶用の内袋である場合には、例えば、L2=70〜120cmとされる。
袋本体10の幅W1は、側面体の数やドラム缶の大きさ等に応じて決定される。内袋1が200L容量のドラム缶用の内袋である場合には、例えば、W1=20〜60cmとされる。
【0026】
[袋本体の幅]/[袋本体を構成する可撓性フィルムの厚さ]で表される比(以下、幅/厚さ比ということがある)は、可撓性フィルムの強度を勘案して決定され、例えば、650〜6000が好ましく、1000〜4500がより好ましい。幅/厚さ比が上記下限値以上であれば、内容物を充填した際に、袋本体10が円筒状に膨らみやすく、上記上限値以下であれば、袋本体10の強度をより高められる。
【0027】
第一の下端シール部31は、帯状で、かつ袋本体10の内側に膨出する円弧状とされている。即ち、第一の下端シール部31は、内縁31aが円弧状とされたものである。
なお、下端シール辺の外縁、例えば、下端辺11a、11bは直線とされている。
第一の下端シール部31における内縁31aを円弧状とする場合、内縁31aの両端を結んだ直線(即ち、弦)の長さと、前記の弦と内縁31aとの距離の最大値(最も膨出した位置と弦との距離=最大膨出距離)とが、下記(1)式で表される膨出比で、好ましくは1/1000〜200/1000、より好ましくは10/1000〜100/1000とされる。
膨出比=最大膨出距離/弦の長さ ・・・(1)
【0028】
第一の下端シール部31の幅は、内袋1の容量や袋本体10を構成する可撓性フィルムの材質等を勘案して決定できる。内袋1が、200L容量のドラム缶用の内袋である場合、第一の下端シール部31の幅は、例えば、5〜30mmが好ましい。
第二の下端シール部32の形状は、第一の下端シール部31の形状と同様であり、第二の下端シール部32の幅は、第一の下端シール部31の幅と同様である。
第三の下端シール部33の形状は、第一の下端シール部31の形状と同様であり、第三の下端シール部33の幅は、第一の下端シール部31の幅と同様である。
第四の下端シール部34の形状は、第一の下端シール部31の形状と同様であり、第四の下端シール部34の幅は、第一の下端シール部31の幅と同様である。
第五の下端シール部35の形状は、第一の下端シール部31の形状と同様であり、第五の下端シール部35の幅は、第一の下端シール部31の幅と同様である。
第六の下端シール部36の形状は、第一の下端シール部31の形状と同様であり、第六の下端シール部36の幅は、第一の下端シール部31の幅と同様である。
【0029】
第一〜第六の下端シール部は、内縁が円弧状であれば、屈曲しにくいため、内袋1に内容物を充填した際に、底部30に皺が形成されるのを防止できる。加えて、内容物を充填する際に、領域39(
図1(b)、
図3参照)に力が集中するのを緩和して、下端シール部が剥離するのを抑制できる。
【0030】
1つの側面体に形成された2つの下端シール部のなす角度、例えば、第一の下端シール部31の延在方向を示す仮想線P1と、第六の下端シール部36の延在方向を示す仮想線P6とのなす角度θ1は、側面体の数に応じて決定される。本実施形態においては、6つの側面体を備えるため、θ1=50〜70°が好ましく、55〜65°がより好ましい。
図3に示すように、内袋1に内容物を充填して内袋1を膨らませた際に、第一〜第六の下端シール部が平面視放射状に広がって平面視円形の底部30が形成される。この際、θ1が上記範囲内であれば、底部30に皺が形成されたりしにくくなる。
加えて、θ1が60°であれば、内容物が充填され、袋本体10が円筒状になった際に、底部30が平面となりやすい。
また、θ1が60°未満、好ましくは55〜59°であれば、内容物が充填され、袋本体10が円筒状になった際に、領域39が袋本体の内側又は外側に折れて、領域39に力が集中するのを緩和できる。
あるいは、θ1が60°超、好ましくは61〜64°であれば、内容物が充填され、袋本体10が円筒状になった際に、底部30の中心部分には、領域39が折り畳まれた部分が形成されるものの、底部30の半径をより適切な長さに制御できる。特に、θ1が62°であれば、下端シール部の長さを底部30の半径と等しくできる。
下端シール部の内縁が円弧状である場合、下端シール部同士の接合部近傍では、下端シール部の内縁の接線同士のなす角度を60°未満とし、上方に向かうに従い、下端シール部の内縁の接線同士のなす角度を大きくして60°超とできる。このため、内容物が充填され、袋本体10が円筒状になった際に、底部30をより適切な形状にできる。
【0031】
第一の上端シール部41の形状は、第一の下端シール部31の形状と同様であり、第一の上端シール部41の幅は、第一の下端シール部31の幅と同様である。
第二の上端シール部の形状は、第一の下端シール部31の形状と同様であり、第二の上端シール部の幅は、第一の下端シール部31の幅と同様である。
第三の上端シール部の形状は、第一の下端シール部31の形状と同様であり、第三の上端シール部の幅は、第一の下端シール部31の幅と同様である。
第四の上端シール部の形状は、第一の下端シール部31の形状と同様であり、第四の上端シール部の幅は、第一の下端シール部31の幅と同様である。
第五の上端シール部の形状は、第一の下端シール部31の形状と同様であり、第五の上端シール部の幅は、第一の下端シール部31の幅と同様である。
第六の上端シール部46の形状は、第一の下端シール部31の形状と同様であり、第六の上端シール部46の幅は、第一の下端シール部31の幅と同様である。
【0032】
1つの側面体に形成された2つの上端シール部のなす角度は、1つの側面体に形成された2つの下端シール部のなす角度θ1と同様である。
【0033】
ノズル体60を構成する可撓性フィルムは、例えば、PE、PP等のポリオレフィン、PET等のポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性樹脂製の単層フィルムや、これらを積層した積層フィルムが挙げられ、中でも積層フィルムが好ましい。積層フィルムであれば、可撓性フィルム同士を熱シールするのが容易で、かつ熱シールする際にシール部を形成したい部分だけ熱シールし、シール部を形成したくない部分には熱シールしないようにもできる。
ノズル体60を構成する積層フィルムとしては、例えば、内層と外層とが設けられたものが挙げられる。
外層は、ノズル体60の外面を形成するものである。外層の材質は、熱シール性に優れたものが好ましく、例えば、PE、PP等が挙げられ、中でも、LLDPEが好ましい。
内層は、ノズル体60の内面を形成するものである。内層の材質は、外層の材質の融点よりも10℃以上高い融点であることが好ましい。内層の融点が外層の融点よりも10℃以上高ければ、袋本体10にノズル体60を設ける際に、ノズル体60の外層と袋本体の内層とを熱シールし、ノズル体60の内層同士を熱シールしないようにするのが容易である。例えば、外層の材質がLLDPEであれば、内層の材質としては、HDPE、MDPE、PP、PET等が好ましく、中でも、HDPE、MDPEがより好ましい。
ノズル体60を構成する可撓性フィルムの厚さは、特に限定されず、例えば、50〜300μmとされる。50μm未満では、強度が低すぎて、破損するおそれがあり、300μm超では、可撓性が損なわれ、取り扱いが煩雑になるおそれがある。ノズル体60の取り扱いを容易にする観点から、ノズル体60を構成する可撓性フィルムの厚さは、袋本体10を構成する可撓性フィルムの厚さよりも薄いことが好ましい。
【0034】
ノズル体60の長さl1は、内袋1の用途等を勘案して決定される。内袋1が200L容量のクローズドドラム缶用である場合には、例えば、l1=10〜100cmが好ましく、30〜60cmがより好ましい。上記範囲内であれば、後述する使用方法において、ノズル体60にノズル係止体を装着したりするのがより容易である。
【0035】
ノズル体60の幅w1は、内袋1の用途等を勘案して決定される。内袋1が200L容量のクローズドドラム缶用の内袋である場合には、例えば、w1=5〜15cmとされる。
また、ノズル体60は、長さl1/幅w1で表されるアスペクト比が、好ましくは1〜20であり、より好ましくは2〜10であり、さらに好ましくは5〜10である。上記下限値未満では、後述するノズル係止体を装着しにくく、上記上限値超では、内容物を充填する際の操作が煩雑となりやすい。
【0036】
内袋1の製造方法の一例について、袋本体10を構成する可撓性フィルムとして内層:LLDPE、中間層:LLDPE、外層:HDPEで構成された積層フィルムを用い、ノズル体60を構成する可撓性フィルムとして内層:HDPE、中間層:LLDPE、外層:LLDPEで構成された積層フィルムを用いた製造方法を説明する。
まず、ノズル体60を構成する2枚の可撓性フィルムを、外層同士が当接するように重ね合わせ、幅方向の側縁に沿って熱シールし、次いで、外層が外側になるように裏返してノズル体60を得る。第二の側面体12を構成する可撓性フィルム(以下、フィルムBということがある)、第三の側面体13を構成する可撓性フィルム(以下、フィルムCということがある)、第五の側面体15を構成するフィルム(以下、フィルムEということがある)及び第六の側面体16を構成する可撓性フィルム(以下、フィルムFということがある)を幅方向に二つ折りにする。この際、外層が内側になるように各可撓性フィルムを二つ折りにする。
第四の側面体14を構成する可撓性フィルム(以下、フィルムDということがある)の内層上に、二つ折りにしたフィルムCと二つ折りにしたフィルムEとを、折り曲げ縁同士が内側で対向するように載せる。次いで、二つ折りにしたフィルムBをフィルムC上に載せ、二つ折りにしたフィルムFをフィルムE上に載せる。この際、フィルムBとフィルムFとは、折り曲げ縁同士が内側で対向するように配置される。ノズル体60をフィルムBの任意の位置に載せ、第一の側面体11を構成する可撓性フィルム(以下、フィルムAということがある)をノズル体60、フィルムB及びフィルムFの上に載せて積層物を得る。この際、フィルムAの外層を上向きとする。この積層物に対し、
図1(a)に示す固定シール部62、上部補助袋部70の周縁、補助シール部70a、第一の上端シール部41、第六の上端シール部46、第一の側端シール部21、第六の側端シール部26、第一の下端シール部31、第六の下端シール部36、下部補助袋部51の周縁、下部補助袋部56の周縁、補助シール部51a及び補助シール部56aに対応する位置を熱シールすることで、内袋1が得られる。
得られた内袋1は、正面視において、袋本体10の周縁の全てがシール部で形成され、袋本体10の周縁に、折り曲げ縁が形成されていないものである。
熱シールする際のシール温度は、内層同士が融着し、外層同士が融着しない温度とされる。
【0037】
(ノズル係止体)
本実施形態のノズル係止体は、ノズル体を外装容器であるドラム缶に係止するために用いられるものであり、ノズル係止体と、ノズル体を備えた内袋とで内袋ユニットが構成される。
図4のノズル係止体100は、係止部110と、支持部120とを備えるものである。
係止部110は、正面視矩形の係止枠112と、係止枠112の開口部に設けられた桟114a、114bとを備えるものである。
【0038】
係止枠112は、対向する第一の框112aと第二の框112bを備え、第一の框112aの一端と第二の框112bの一端とが第三の框112cで接続され、第一の框112aの他端と第二の框112bの他端とが第四の框112dで接続されて、第一の框112a、第二の框112b、第三の框112c及び第四の框112dで囲われた空間が開口部とされている。
第三の框112cと第四の框112dとの間には、第一の框112aと第二の框112bとにわたる桟114aが設けられており、第三の框112cと桟114aとの間には、第一の挿入口116aが形成されている。また、桟114aと第四の框112dとの間には、第一の框112aと第二の框112bとにわたる桟114bが設けられており、桟114aと桟114bとの間には、第二の挿入口116bが形成され、桟114bと第四の框112dとの間には、第三の挿入口116cが形成されている。
係止部110は、全体として梯子状とされている。
【0039】
支持部120は、円盤状の基台121と、基台121に係止部110を回転可能に軸支する回転軸122とを備えるものである。
図4(b)に示すように、基台121における回転軸122が設けられた面と反対側の面には、貼着部124と、貼着部124を覆う剥離シート126とが設けられている。
【0040】
係止部110の材質としては、特に限定されず、例えば、PE、PP等のポリオレフィン等の樹脂、アルミニウムやステンレス鋼等の金属が挙げられる。
【0041】
係止部110の大きさは、外容器となるドラム缶の口部から挿入できる大きさであればよい。
第一の挿入口116aの長さl2は、ノズル体60の幅w1に応じて決定され、例えば、幅w1よりも2〜10mm長くされる。
第一の挿入口116aの幅w2は、ノズル体60を構成する可撓性フィルムの厚さ等を勘案して決定され、例えば、10〜30mmとされる。
第二の挿入口116bの長さは、第一の挿入口116aの長さl2と同様であり、第二の挿入口116bの幅は、第一の挿入口116aの幅w2と同様である。
第三の挿入口116cの長さは、第一の挿入口116aの長さl2と同様であり、第三の挿入口116cの幅は、第一の挿入口116aの幅w2と同様である。
【0042】
基台121の材質は、係止部110の材質と同様であり、回転軸122の材質は、係止部110の材質と同様である。
基台121の外径d1は、後述するドラム缶の口部の大きさに応じて適宜決定される。
【0043】
貼着部124は、従来公知の接着剤、粘着剤を塗布することで設けられたものであり、接着剤としては、アクリル樹脂系接着剤、α−オレフィン系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、エチレン−酢酸ビニル系接着剤等が挙げられ、粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が挙げられる。
剥離シート126の種類は、貼着部124の接着剤や粘着剤の種類に応じて適宜決定される。
【0044】
(使用方法)
本実施形態の内袋1及びノズル係止体100の使用方法について、内袋1をクローズドドラム缶に用いる場合を例にして説明する。
【0045】
図5(a)に示すように、常態の内袋1について、第一の側端シール部21と第一の下端シール部31との接点と、第六の側端シール部26と第六の下端シール部36との接点を通る線Q1で谷折りにする。さらに、ノズル体60の基端における袋本体10の上端側から第六の側端シール部26に延びる線Q2で、内袋1を谷折りする(工程(a))。
図5(b)に示すように、内袋1の幅方向の中心線O1に、側端辺11dを合わせるように、線Q3で内袋1を谷折りする(工程(b))。
図5(c)に示すように、内袋1の幅方向の中心線O1に、側端辺11cを合わせるように、線Q4で内袋1を谷折りする(工程(c))。
図5(d)に示すように、ノズル体60を外側に折り返し、中心線O1で内袋1を谷折りする(工程(d))。
【0046】
図5(e)に示すように、工程(d)で得られた、幅方向に四つ折りにされた内袋1を挿入具200内に挿入して収容する(工程(e))。
この挿入具200は、略円筒状の部材であり、周壁には、開口端面202から開口端面204にわたる切開部206が形成されている。一方の開口端面202は軸線O2に直交するものとされている。他方の開口端面204は、切開部206に近づくに従って開口端面202に近づくように、開口端面202に対して傾斜している。挿入具200の長さl3は、内袋1が挿入されるドラム缶の大きさに応じて適宜決定される。ドラム缶が200L容量であれば、例えば、l3=90〜120cmとされる。
挿入具200の外径d2は、内袋1が挿入されるドラム缶の口部の内径よりも小さいものとされる。
【0047】
図5(f)に示すように、挿入具200に収容された内袋1は、ノズル体60が切開部206から突出した状態となる。
【0048】
次に、内袋1をクローズドドラム缶内に設け、クローズドドラム缶に設けられた内袋1に内容物を充填する方法について、
図6を参照して説明する。なお、
図6は、説明の便宜上、クローズドドラム缶を透過して図示したものである。
【0049】
図6(a)に示すように、外装容器であるクローズドドラム缶220は、有底円筒状の缶本体222と、缶本体222の開口部を塞ぐ蓋体224とを備え、蓋体224の周縁部近傍に平面視円形の口部226が形成されたものである。
まず、内部に内袋1が収容された挿入具200を口部226からクローズドドラム缶220内に挿入し、切開部206をクローズドドラム缶220の中心に向くようにする。この際、開口端面204は、クローズドドラム缶220の中心を臨む。挿入具200を用いてクローズドドラム缶220に挿入することで、内袋1は、口部226に摺動されたりして、傷付けられない。
【0050】
口部226から突出したノズル体60から、内袋1内に内容物を充填すると、内袋1が挿入具200の下端から出てくる(
図6(b))。内袋1に内容物を充填しつつ、ノズル体60を把持したまま、挿入具200をクローズドドラム缶220から引き出す(
図6(c))。この際、挿入具200には切開部206が形成されているため、挿入具200をクローズドドラム缶220から引き出すと、ノズル体60が切開部206内を相対的に移動するようにして内袋1がクローズドドラム缶220内に残る。加えて、ノズル体60を把持したまま、挿入具200を引き出すため、ノズル体60は口部226から突出した状態のままである。さらに、開口端面204がクローズドドラム缶220の中心に臨んでいるため、内袋1に内容物が充填されると、内袋1の下端が、開口端面204からクローズドドラム缶220の中心に向かって出てくる。このため、袋本体10は、底部30がクローズドドラム缶220の底面に適合した形状で形成された円筒状となりやすく、袋本体10の周面がクローズドドラム缶220の内面とより密着しやすい。
【0051】
内容物としては、塗料や液体油脂等の液状物であってもよいし、顔料粉等の粉状物であってもよい。
【0052】
内袋1内に内容物を充填する方法としては、ポンプの排出ノズルをノズル体60内に挿入し、内容物を貯留したタンク等からポンプで内容物を充填する方法が挙げられる。
クローズドドラム缶220から挿入具200を抜き出す際は、内袋1に内容物を送り込みながらでもよいし、内袋1に内容物を送り込むのを一旦停止し、挿入具200をクローズドドラム缶220から抜き出し、次いで内袋1に内容物を送り込んで充填してもよい。
【0053】
図6(d)に示すように、内袋1内に内容物を充填した後、ノズル体60にノズル係止体100を装着する。
ノズル体60にノズル係止体100を装着する方法について、
図7を参照して説明する。まず、
図7(a)に示すように、ノズル係止体100から剥離シート126を剥がして、貼着部124を露出させる。貼着部124をクローズドドラム缶220のキャップ228の内面に当接させ、ノズル係止体100をキャップ228に貼着させる。キャップ228は、口部226に螺着又は螺脱できるように、外周面にネジ部229が形成されたものである。即ち、キャップ228は、口部226に着脱自在である。
こうして、係止部110は、支持部120によってキャップ228に支持される(
図7(b))。
次に、ノズル体60を第一の挿入口116aに通し、次いで、反転させて第二の挿入口116bに通し、さらに反転させて第三の挿入口116cに通す。第三の挿入口116cに通したノズル体60を桟114bに掛け回した後、第一の挿入口116aに通す。
こうして、ノズル係止体100は、ノズル体60に装着され(
図7(c))、ノズル体60は、ノズル係止体100を介してキャップ228に係止される(
図6(e))。
【0054】
図6(f)に示すように、キャップ228を口部226に螺着することで、密閉されたクローズドドラム缶220内に内袋1が設けられ、内袋1内に内容物が充填された状態となる。この際、係止部110は、回転軸122によって基台121に回転可能に軸支されている(
図7(b)参照)ため、キャップ228を口部226に螺着する操作によって、ノズル体60を過度に捻って傷つけることがない。
【0055】
内容物を取り出す際には、キャップ228を口部226から螺脱させ、ノズル係止体100をノズル体60から取り外す。この際、係止部110は、回転軸122によって基台121に回転可能に軸支されている(
図7(b)参照)ため、キャップ228を口部226から螺脱する操作によって、ノズル体60を過度に捻って傷つけることがない。加えて、ノズル体60がキャップ228に係止されているため、ノズル体60を口部226から容易に引き出せる。
次いで、ポンプの吸入ノズルをノズル体60から袋本体10内に挿入し、ポンプで内容物を排出する。ポンプで排出できる量の内容物を排出した後、ノズル体60を把持して内袋1を口部226から引き出す。引き出した内袋1内に残存している内容物をノズル体60から搾り出すことで、内容物をロスなく排出できる。
【0056】
本実施形態の内袋1は、袋本体10が、側面体同士がシールされ、側面体の一部がガゼット部を形成したものであるため、内容物を充填すると容易に膨らむ。このため、内容物を容易に充填できる。
【0057】
従来、ドラム缶用の内袋の周縁には、折り曲げ縁(円筒状チューブの耳部)が形成されており、この折り曲げ縁の強度が弱くなっていた。
本実施形態の内袋1は、隣接する側面体同士のシール部で側端及び下端が封止された袋本体10を備え、この袋本体10を構成する側面体同士のシール部は、側面体の内面同士がシールされて形成されたものである。即ち、袋本体10の周縁には、折り曲げ縁が形成されていない。このため、袋本体10の周縁(シール部)が傷付いても、袋本体10の強度が低下せず、内容物を充填する際や保管中に袋本体10に物理的な衝撃が加えられても、内袋1はピンホール等の破損を生じにくい。
加えて、側面体同士の境界部(即ち、シール部)は、強度が高いため、内袋1に内容物が収容された後、ドラム缶内面と擦れ合っても、ピンホール等の破損を生じにくい。
【0058】
本実施形態の内袋1によれば、下端シール部が内側に膨出する円弧状であるため、内容物を入れた際に、底部に皺が形成されにくい。
【0059】
本実施形態の内袋1によれば、下端シール部の外側に補助袋部が形成されているため、下端シール部が剥離した場合でも、内容物を補助袋部で受け止めて内袋1外に漏出させない。
【0060】
本実施形態の内袋1によれば、長尺のノズル体60が設けられているため、クローズドドラム缶等、小径の口部が形成されたドラム缶の内袋として用いられた場合に、内容物を充填するのがより容易である。
【0061】
本実施形態の内袋ユニットによれば、ノズル係止体100を備えるため、ノズル体60をドラム缶のキャップ228に容易に係止できる。このため、キャップ228を口部226から螺脱させる操作によって、ノズル体60を口部226から容易に引き出せる。
【0062】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
上述の実施形態では、可撓性フィルムとして透明なものが用いられているが、本発明はこれに限定されず、可撓性フィルムが着色された半透明のものであってもよいし、不透明なものであってもよい。あるいは、中間層として、金属箔や金属蒸着フィルムが用いられたものであってもよい。
【0063】
上述の実施形態では、ノズル体が袋本体から斜め上方に向かって突設されているが、本発明はこれに限定されず、ノズル体の突設方向は、ドラム缶の種類や、ドラム缶に形成された口部の位置等に応じて適宜決定される。例えば、
図8の内袋300のように、ノズル体360が袋本体310の真上に向かって突設されたものであってもよい。なお、袋本体310は、
図2に示す袋本体10と同様に第一〜第六の側面体で形成されたものである。また、ノズル体360は、第一の側面体から延設された可撓性フィルムと、第四の側面体から延設された可撓性フィルムとが対向し、その間に他の側面体から延設された可撓性フィルムが折り込まれたものである。
【0064】
上述の実施形態では、ノズル体が可撓性フィルムからなるものであるが、本発明はこれに限定されず、ノズル体が可撓性を有していなくてもよい。
例えば、ノズル体が硬質樹脂や金属からなるスパウト部材であってもよい。ノズル体をスパウト部材とする場合、内容物を充填した後、スパウト部材の開口部を蓋材等により封止するのが好ましい。
また、例えば、ノズル体の先端に、雄雌一対又は複数対のチャックを設けてもよい。
【0065】
上述の実施形態では、長尺のノズル体が設けられているが、本発明はこれに限定されず、ノズル体が短くてもよいし、ノズル体が設けられておらず、単に袋本体に開口部が形成されていてもよい。ただし、クローズドドラム缶用の内袋としては、長尺のノズル体が設けられていることが好ましい。
【0066】
上述の実施形態では、上端シール部により袋本体の上端が封止されているが、本発明はこれに限定されず、袋本体の上端が封止されていなくてもよい。ただし、クローズドドラム缶の内袋として用いる場合には、袋本体の上端が封止されていることが好ましい。
上述の実施形態では、上端シール部が内側に膨出する円弧状であるが、本発明はこれに限定されず、上端シール部の内縁が直線であってもよい。
上述の実施形態では、上端シール部の外縁が直線とされているが、本発明はこれに限定されず、上端シール部の外縁が、上端シール部の内縁に沿った円弧状であってもよい。即ち、上端シール部は、基端から終端に掛けて同じ幅であってもよい。
上述の実施形態では、上端シール部と側端シール部との接続部の内縁が曲線であるが、本発明はこれに限定されず、上端シール部と側端シール部との接続部の内縁が曲線でなくてもよい。
上述の実施形態では、上端シール部同士の接続部の内縁が曲線であるが、本発明はこれに限定されず、上端シール部同士の接続部の内縁が曲線でなくてもよい。
【0067】
上述の実施形態では、袋本体に上部補助袋部と下部補助袋部とが形成されているが、本発明はこれに限定されず、上部補助袋部及び下部補助袋部の双方又はいずれか一方が形成されていなくてもよい。
【0068】
上述の実施形態では、全ての下端シール部に対応して下部補助袋部が形成されているが、本発明はこれに限定されず、下端シール部の一部にのみ対応して下部補助袋部が形成されていてもよい。
上述の実施形態では、ノズル体が設けられた上端シール部を除く全ての上端シール部に対応して上部補助袋部が形成されているが、本発明はこれに限定されず、上端シール部の一部にのみ対応して上部補助袋部が形成されていてもよい。
【0069】
上述の実施形態では、袋本体が6つの側面体を備えているが、側面体の数は、内袋の用途に応じて適宜決定されればよく、3〜5つであってもよいし、7つ以上であってもよい。ただし、内袋の生産性や、使用上の簡便性等の観点からは、側面体の数は4〜8が好ましい。
【0070】
上述の実施形態では、下端シール部が内側に膨出する円弧状であるが、本発明はこれに限定されず、下端シール部の内縁が直線であってもよい。ただし、底部に皺が形成されるのを良好に防止する観点から、下端シール部は、内側に膨出する円弧状が好ましい。
上述の実施形態では、下端シール部の外縁が直線とされているが、本発明はこれに限定されず、下端シール部の外縁が、下端シール部の内縁に沿った円弧状であってもよい。即ち、下端シール部は、基端から終端に掛けて同じ幅であってもよい。
上述の実施形態では、下端シール部と側端シール部との接続部の内縁が曲線であるが、本発明はこれに限定されず、下端シール部と側端シール部との接続部の内縁が曲線とされていなくてもよい。ただし、内袋に内容物を充填した際に、袋本体をより容易に円筒状にする観点から、下端シール部と側端シール部との接続部の内縁は曲線とされていることが好ましい。
上述の実施形態では、下端シール部同士の接続部の内縁が曲線であるが、本発明はこれに限定されず、下端シール部同士の接続部の内縁が曲線でなくてもよい。ただし、下端シール部同士の接続部への力をより緩和する観点から、下端シール部同士の接続部の内縁は曲線とされていることが好ましい。
【0071】
上述の実施形態では、ノズル係止体の支持部が基台と回転軸とを備えているが、本発明はこれに限定されず、基台が省略されて、回転軸がキャップに直接接続されていてもよい。また、例えば、クローズドドラム缶のキャップが、嵌め込み式である場合には、回転軸が省略されて、係止部が基台に固定されていてもよい。
上述の実施形態では、係止部が梯子状とされているが、本発明はこれに限定されず、係止部がS字状のフック等であってもよい。
【0072】
上述の実施形態では、挿入具が略円筒状とされているが、本発明はこれに限定されず、挿入具は、多角筒状であってもよい。
また、上述の実施形態では、挿入具が屈曲していないが、例えば、
図9に示すように、屈曲した挿入具400であってもよい。
図9の挿入具400は、円筒状の第一の管部402と、第一の屈曲部403で任意の方向に屈曲して延びる第二の管部404と、第二の屈曲部405で屈曲し第一の管部402と同方向に延びる第三の管部406とを備える、略管状の部材である。挿入具400には、第一の屈曲部403で屈曲した方向の面に、一方の開口端面から他方の開口端面にわたる切開部408が形成されている。
【0073】
挿入具400を用いた、内袋1の使用方法について、
図5及び
図10を参照して説明する。
まず、
図5(a)〜(e)の内袋1と同様にして、内袋1を幅方向に四つ折りにし、挿入具400に挿入して収容する。
【0074】
図10(a)に示すように、内部に内袋1が収容された挿入具400を口部226からクローズドドラム缶220内に挿入し、切開部408をクローズドドラム缶220の中心に向くようにする。この際、挿入具400が屈曲しているため、挿入具400の下端を容易にクローズドドラム缶220の底部中央に位置させられる。
【0075】
口部226から突出したノズル体60から、内袋1内に内容物を充填すると、内袋1が挿入具400の下端から出てくる(
図10(b))。内袋1に内容物を充填しつつ、ノズル体60を把持したまま、挿入具400をクローズドドラム缶220から引き出す(
図10(c))。この際、ノズル体60は口部226から突出した状態となっている。
【0076】
内容物を袋本体10に充填する際、内袋1は、クローズドドラム缶220の底部の略中央に位置しているため、幅方向の偏りなく、容易に膨らむ。
内袋1に内容物を充填した(
図10(d))後、ノズル体60に、キャップ228と接着されたノズル係止体100を装着する(
図10(e))。
図10(f)に示すように、キャップ228を口部226に螺着する。
【0077】
上述の実施形態では、挿入具内に内袋が収容された状態で、内容物を内袋に充填しているが、本発明はこれに限定されず、例えば、内袋が収容された挿入具をクローズドドラム缶内に挿入し、内袋を挿入具から押し出し、挿入具のみをクローズドドラム缶から抜き出した後、内袋に内容物を充填してもよい。この際、内容物を内袋1内に充填する前に、内袋1内に空気を充填して、袋本体10を膨らませておくと、内容物をより容易に充填できる。
【0078】
上述の実施形態では、挿入具を用いて、内袋をクローズドドラム缶に挿入しているが、本発明はこれに限定されず、挿入具を用いないで内袋をクローズドドラム缶に挿入してもよい。
ただし、内袋をクローズドドラム缶に、より容易に挿入でき、かつ挿入時に内袋を傷つけたりしないようにする観点から、挿入具を用いて内袋をクローズドドラム缶に挿入することが好ましい。
【0079】
上述の実施形態では、側面体の内面同士が熱シールされて、側端シール部、下端シール部、上端シール部が形成されているが、本発明は、これに限定されず、例えば、側面体の内面同士が接着剤で接着されて、各シール部が形成されていてもよい。ただし、より容易に内袋を製造する観点から、熱シールにより各シール部が形成されていることが好ましい。
【0080】
上述の実施形態では、内袋の使用方法について、外装容器としてクローズドドラム缶を用いて説明したが、本発明はこれに限定されず、外装容器がオープンドラム缶であってもよい。加えて、ドラム缶の大きさは、特に限定されず、いかなる大きさのものであってもよい。
ただし、本発明の内袋は、小径の口部から挿入され、かつ多量の内容物が充填される、クローズドドラム缶の内袋として特に好適である。
【実施例】
【0081】
以下に、実施例を示して本発明を説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
【0082】
(使用材料)
<可撓性フィルムa>
外層/中間層/内層からなる厚さ140μmの3層フィルム。
外層:ポリエチレン、厚さ28μm、MFR(メルトフローレイト:JIS K7210;190℃、2.16kg)=4.0g/10min、D(密度:JIS K7112)=0.944g/cm
3、MP(融点:JIS K7121)=128℃。
中間層:ポリエチレン、厚さ84μm、MFR=2.0g/10min、D=0.904g/cm
3、MP=87℃、111℃。
内層:ポリエチレン、厚さ28μm、MFR=4.0g/10min、D=0.913g/cm
3、MP=99℃、114℃。
<可撓性フィルムb>
外層/中間層/内層からなる厚さ170μmの3層フィルム。
外層:ポリエチレン、厚さ34μm、MFR=4.0g/10min、D=0.944g/cm
3、MP=128℃。
中間層:ポリエチレン、厚さ102μm、MFR=2.0g/10min、D=0.904g/cm
3、MP=87℃、111℃。
内層:ポリエチレン、厚さ34μm、MFR=4.0g/10min、D=0.913g/cm
3、MP=99℃、114℃。
<可撓性フィルムc>
外層/中間層/内層からなる厚さ250μmの3層フィルム。
外層:ポリエチレン、厚さ50μm、MFR=4.0g/10min、D=0.944g/cm
3、MP=128℃。
中間層:ポリエチレン、厚さ150μm、MFR=2.0g/10min、D=0.904g/cm
3、MP=87℃、111℃。
内層:ポリエチレン、厚さ50μm、MFR=4.0g/10min、D=0.913g/cm
3、MP=99℃、114℃。
【0083】
(実施例1〜3)
表1中に記載の可撓性フィルムを側面体に用い、可撓性フィルムaをノズル体に用い、下部補助袋部及び上部補助袋部を形成しなかった以外は、
図1の内袋1と同様の内袋を作製した。ノズル体においては、可撓性フィルムaの内層と外層とは反転されている。この内袋は、L1=1560mm、L2=970mm、W1=330mm、l1=380mm、w1=55mm、θ1=60°、側端シール部(内縁は直線)のシール幅=10mm、下端シール部(内縁は円弧状)のシール幅=10〜15mm、上端シール(内縁は円弧状)のシール幅=10〜15mmとされたものである。得られた内袋について、輸送試験を行い、その評価結果を表中に記載した。
【0084】
(評価方法)
<輸送試験>
各例の内袋を200L容量のクローズドドラム缶(内径566mm×高さ890mm)に入れ、内袋に水200Lを充填した。水を充填した後、ノズル体を熱シールで封止し、クローズドドラム缶の口部にキャップを螺着した。この水を収容したクローズドドラム缶をトラックの荷台に積載し、500kmの距離を往復輸送した。往復輸送した後、クローズドドラム缶を開封し、内袋のピンホールの有無、破袋の有無を目視で観察した。
【0085】
【表1】
【0086】
表1に示すように、本発明を適用した実施例1〜3は、輸送試験後に破袋もピンホールも生じていなかった。
これらの結果から、本発明を適用することで、内袋の破損を良好に防止できることが確認できた。