【文献】
日立コンシューマエレクトロニクス株式会社,”家庭内のエネルギーを見える化し、くらしの省エネ活動を支援するHEMS「省エネ支援システム・エコポンパ ホーム」受注開始”,日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 ニュースリリース,日本,2013年 2月21日,URL,http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2013/02/0221.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
住宅に設けられるとともに太陽電池アレイおよび系統電源から供給される電力を消費する複数の電気機器に通信ネットワークを介して接続され、これら複数の電気機器を制御する表示装置を備えるホームエネルギーマネージメントシステムにおいて、
前記複数の電気機器として、ECHONET規格およびECHONET Lite規格に対応するECHONET機器と、HA端子を備えたHA機器とがあり、
前記表示装置は、前記ECHONET機器および前記HA機器の各機器をそれぞれ個別に操作するための複数のボタンと、
前記ECHONET機器および前記HA機器と前記複数のボタンとをそれぞれ連携させるための設定画面と、を表示可能とされており、
前記設定画面には、
前記ECHONET機器および前記HA機器のオブジェクト名がリスト表示された機器表示領域と、
前記機器表示領域において前記ECHONET機器および前記HA機器のリストの各項目上を移動するカーソルと、
前記カーソルが合っている前記ECHONET機器および前記HA機器の位置を示すフロア情報と部屋情報とを表示可能な欄と、があり、
前記欄には、
前記カーソルが合っている前記ECHONET機器および前記HA機器が、前記複数のボタンのいずれかと連携している場合には、前記カーソルが合っている前記ECHONET機器および前記HA機器の前記オブジェクト名と前記フロア情報と前記部屋情報とが表示され、
前記カーソルが合っている前記ECHONET機器および前記HA機器が、前記複数のボタンのいずれとも連携していない場合には、前記カーソルが合っている前記ECHONET機器および前記HA機器の前記オブジェクト名と前記フロア情報と前記部屋情報とが表示されないことを特徴とするホームエネルギーマネージメントシステム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているので、本発明の技術的範囲を以下の実施形態および図示例に限定するものではない。
【0016】
<ホームエネルギーマネージメントシステム>
図1は、ホームエネルギーマネージメントシステム(HEMS:Home Energy Management System)20の概略図である。また、
図2,
図3は、通常時または停電時におけるホームエネルギーマネージメントシステム20の制御回路を示している。ホームエネルギーマネージメントシステム20は、住宅全体の電力等のエネルギー需給を総合的に管理するものであり、住宅に設置されている。なお、本実施の形態の住宅は、家屋そのもの(建物21)と、建物21が建築される敷地も含むものとする。
ホームエネルギーマネージメントシステム20は、電気配線網、通信ネットワーク、分電盤22および表示装置23等を備える。電気配線網および通信ネットワークは住宅に張り巡らされ、必要な電力を供給・受給したり、必要な情報を送受信したりしている。
【0017】
分電盤22は、買電用電力計(順潮流用電力計)および売電用電力計(逆潮流用電力計)等の電力メーター42aを介して系統電源42に接続されている。系統電源42は、電力会社の商用配電線網(系統電力網)から供給される電源である。すなわち、分電盤22は、電力潮流制御を行うことができ、必要に応じて余剰電力を系統電源42へ逆潮流して、その余剰電力を系統電源42に供給する。
また、この分電盤22はセンサー付き分電盤とされており、住宅内の各所で使用される電力使用量を計測する計測ユニット22aや、ガス・水道の使用量を計測する流量センサー24と接続されるパルスカウンター22bを有する。
【0018】
表示装置23は、前記分電盤22と接続されており、系統電源や自家発電電力、蓄電電力等を管理・制御できる。また、表示装置23は前記分電盤22を介して接続された各種電気機器等の制御も行うことができる。
また、この表示装置23は、エネルギー状況や各種情報が表示される表示部23aと、前記表示部23aに表示された画面や前記ホームエネルギーマネージメントシステム20に組み込まれた各種電気機器の操作を行うための操作部23bと、前記ホームエネルギーマネージメントシステム20の各種動作を制御するための制御手段とを備える。
なお、この表示装置23は通信ネットワークを利用して、例えばスマートフォン等の情報端末と接続可能とされており、外出中でも、この情報端末上で各種操作や情報確認等を行うことができる。
また、この表示装置23は通信ネットワークを利用して、例えば住宅関連サービスを提供する会社のサーバー41にアクセスして、住宅関連サービスを受けることができる。例えば、地域のリアルタイムの気象情報を受信したり、表示装置23を構成するソフトウェアのアップデートを行ったりするなど様々なサービスが挙げられる。
【0019】
前記建物21は、壁、床および天井等によって複数のエリア(例えば、居間、台所、食堂、浴室、玄関、便所、寝室、和室、洋室、廊下、階段室、庭、駐車場等)に区画されている。エリアの数は幾つでもよく、間取りはどのようなものであってもよい。
【0020】
住宅に設置される各種電気機器としては様々なものが挙げられる。
例えば、全館空調システム25(室内機25a、室外機25b、リモコン25c)や、ヒートポンプ給湯器26(ヒートポンプユニット26a、貯湯タンク26b、浴室リモコン26c)、電気で駆動する車両14(例えば電気自動車、プラグインハイブリッド自動車)に搭載された車両用蓄電池14aに充電するための充電機器27(充電スタンド)、ドアや窓等の建具のロックのための電気錠操作盤28、照明器具29、各種センサー30,31、その他いわゆる白物家電と呼ばれる各種家電機器(冷蔵庫32、洗濯機、電子レンジなど)等である。
また、建物21内に設置される電気機器の多くはコンセントにプラグを差し込んで電力を受給している(標準負荷系統)。建物21外や外部に面する箇所に設置される電気機器の多くはジョイントボックスを介して電力を受給している。
また、これら各種電気機器は、前記表示装置23に対してLAN接続され、前記表示装置23によって操作可能となっている。
【0021】
前記電気錠操作盤28は、住宅の外周壁の開口部(例えば、勝手口、玄関口、通気口、採光口)に設けられて、その開口部を開閉する建具の施錠・解錠するための制御装置であり、建物21内の複数の開口部にそれぞれ設けられている。
【0022】
前記センサー30は温湿度センサーであり、この温湿度センサー30によって検出された温湿度は、前記表示装置23によって建物21内の空調を管理する際に利用される。
前記センサー31はIR発光器であり、赤外線を発光し、それを受信する受信機とセットで防犯や機器の操作等の用途で用いられる。
【0023】
また、住宅には、停電時の宅内における重要負荷系統15に電力を供給するための重要負荷分電盤13が設置されている。
この重要負荷分電盤13は、通常時においては前記分電盤22に接続されているが、停電時には太陽電池アレイ10および蓄電池システム11等によって自立運転が可能となっている。
なお、重要負荷系統15としては、停電時における食料庫として機能する冷蔵庫32や医療機器等のように、停電時(非常時)にその稼働が止まってはならない電気機器が該当する。
【0024】
<電力システム>
以上のようなホームエネルギーマネージメントシステム20は、電力システムを含んで構成されている。
電力システムは、
図4および
図6に示すように、太陽電池アレイ10と、前記太陽電池アレイ10による発電電力を充電する蓄電池システム11(12)と、前記蓄電池システム11(12)に接続される宅内の前記分電盤13(22)と、を備えるものである。
そして、前記太陽電池アレイ10と、前記蓄電池システム11(12)と、前記分電盤13(22)とが、前記太陽電池アレイ10による発電電力が前記蓄電池システム11(12)を経由する並び順となるように直列的に接続されている。
【0025】
(実施例1)
まず、電力システムの第1の実施例について説明する。
前記太陽電池アレイ10は複数の太陽電池モジュールからなる。そして、この太陽電池アレイ10は、当該太陽電池アレイ10によって発電された電力を直流電力から交流電力へと変換するパワーコンディショナー10aを介して前記分電盤22に接続されている。
また、太陽電池アレイ10は、
図1に示すように、建物21の外(例えば、建物21の屋根の上)に設けられている。
前記蓄電池システム11も前記分電盤22に接続されている。また、蓄電池システム11は、本実施の形態においては建物21内の床上にあり、かつ建物21内の居室環境と同等の環境を備える宅内スペース(図示せず)に設けられている。
【0026】
また、この蓄電池システム11は、
図2,
図3に示すように、前記重要負荷分電盤13に対しても接続されている。
すなわち、通常時には、
図2に示すように、太陽電池アレイ10によって発電された直流電力がパワーコンディショナー10aによって宅内用電圧の交流電力に変換されて、その交流電力が前記分電盤22に供給される。
また、停電時には、
図3に示すように、太陽電池アレイ10によって発電された直流電力がパワーコンディショナー10aによって宅内用電圧の交流電力に変換されて、その交流電力が前記重要負荷分電盤13に供給される。
【0027】
蓄電池システム11は、
図4に示すように、前記パワーコンディショナー10aに接続され、交流電力を直流電力に変換するコンバータ11aと、前記コンバータ11aに接続される蓄電池本体11bと、前記蓄電池本体11bと前記分電盤13との間に接続され、直流電力と交流電力との双方向の変換を行う双方向インバータ11cと、を有する。
すなわち、前記太陽電池アレイ10で発電し、前記パワーコンディショナー10aを介して供給される交流電力を前記コンバータ11aによって直流電力に変換して前記蓄電池本体11bに充電することができる。
なお、前記コンバータ11aと前記双方向インバータ11cは、前記蓄電池本体11bに付属するパワーコンディショナーとして機能するものとなる。
【0028】
前記コンバータ11aは、前記太陽電池アレイ10に付属する前記パワーコンディショナー10aと前記蓄電池本体11bとの間に設けられる。
また、前記双方向インバータ11cは、前記蓄電池本体11bと前記重要負荷分電盤13との間に設けられる。
したがって、停電時には、前記太陽電池アレイ10で発電された電力は前記重要負荷分電盤13に供給される間に前記蓄電池本体11bを経由することになる。蓄電池本体11bを経由する電力は、当該蓄電池本体11bに充電されてから前記重要負荷分電盤13へと供給されるため、太陽電池アレイ10で発電している間は、常に蓄電池本体11bへの充電が行われることになる。
【0029】
また、通常時には、前記太陽電池アレイ10で発電された電力は前記センサー付き分電盤22に供給され、その後、この分電盤22から前記双方向インバータ11cを介して前記蓄電池本体11bへと供給できる。これによって、前記太陽電池アレイ10で発電した電力を住宅内の各種電気機器へと供給しながら、余剰分を前記蓄電池本体11bへと供給し、これを充電することができる。
また、夜間においては前記分電盤22によって安価な深夜電力を系統電力網から受給して、この深夜電力を前記蓄電池本体11bへと供給することができる。
【0030】
なお、前記重要負荷分電盤13は、
図2および
図3に示すように、通常には当該重要負荷分電盤13と前記分電盤22とを接続し、停電時には当該重要負荷分電盤13と前記蓄電池システム11とを接続するためのリレー13aを備える。
すなわち、重要負荷分電盤13は、停電時にリレー13aの切り替えが行われることによって蓄電池システム11から電力を受給できる。
【0031】
図5は蓄電池システム11の回路の一例を示す図である。
すなわち、前記蓄電池システム11の筐体の内部を示しており、当該筐体内部に、前記コンバータ11aと、前記蓄電池本体11bと、前記双方向インバータ11cとが設けられている。そして、前記双方向インバータ11cに制御回路11dが付属されている。
また、当該回路には複数のリレーや複数のトランジスタT1〜T6、コンデンサC1、コイルC2、フィルタF1,F2等が組み込まれており、リレーの切り替えを適宜行うことによって、直流電力と交流電力との双方向の変換を行えるようになる。
【0032】
また、前記太陽電池アレイ10と前記蓄電池本体11bとは、前記コンバータ11aを介して前記筺体内部で並列に接続されている。
これら太陽電池アレイ10と蓄電池本体11bとは、コンバータ11aを介して筺体内部で並列に接続される箇所は、前記フィルタF1よりも蓄電池本体11b側の当該蓄電池本体11bに近い位置に配置されている。
【0033】
前記双方向インバータ11cは、チョッパ11eと、インバータ11fとを有する。
すなわち、チョッパ11eは、フィルタF1よりも分電盤22側に位置し、トランジスタT1,T2やコンデンサC1、コイルC2等を含む領域を指している。インバータ11fは、フィルタF2よりも蓄電池本体11b側に位置し、トランジスタT3〜T6を含む領域を指している。
【0034】
チョッパ11eは、前記蓄電池本体11bの放電時においては、前記太陽電池アレイ10や前記蓄電池本体11bから当該チョッパ11eに入力した入力電力(太陽電池アレイ10にとっては出力電力)を出力電力に変換するものである。具体的には、前記太陽電池アレイ10や前記蓄電池本体11bを、出力(電路)をトランジスタT1,T2のスイッチング素子でオン(閉)・オフ(開)することによって太陽電池アレイ10や蓄電池本体11bの出力電圧(チョッパ11eにとっては入力電圧)を昇圧し、昇圧後の電圧を出力する。
一方、例えば深夜電力等を前記蓄電池本体11bに充電する際おいて、チョッパ11eは、分電盤22側から当該チョッパ11eに入力した入力電力を前記蓄電池本体11bへの出力電力に変換する。そして、出力(電路)をスイッチング素子でオン(閉)・オフ(開)することによって分電盤22の出力電圧を降圧し、降圧後の電圧を出力する。
【0035】
インバータ11fは、前記蓄電池本体11bの放電時においては、トランジスタT3〜T6のスイッチング素子をオン(閉)・オフ(開)することによって、前記コンバータ11aによって直流電力となった電力を交流電力に変換する。
一方、例えば深夜電力等を前記蓄電池本体11bに充電する際おいて、インバータ11fは、トランジスタT3〜T6のスイッチング素子をオン(閉)・オフ(開)することによって、前記分電盤22からの交流電力を直流電力に変換する。
【0036】
そして、前記制御回路11dによって電圧や電力、電流を監視し、通常時にはその結果を前記表示装置23に送信し、住宅全体の電力使用量等を考慮した上で、前記表示装置23による前記蓄電池本体11bの充放電制御が行われるようになっている。
停電時には、初期段階では前記表示装置23に通電がなされないため、前記蓄電池システム11は、前記制御回路11dの制御に基づいて停電時の充放電を開始する。
具体的には、前記制御回路11dは、前記コンバータ11aの監視・制御を行っている。この制御回路11dが稼働するための電源は前記太陽電池アレイ10で発電された電力を利用して行われる。
そして、この制御回路11dは前記コンバータ11aに対して、運転・停止の指示をしたり、停電時に前記太陽電池アレイ10から制御回路11dに対して発電電力の出力を指示したりする。また、前記太陽電池アレイ10のパワーコンディショナー10aと前記コンバータ11aとの間の通電状態が正常であるか、異常であるかを常時モニタリングしている。
したがって、通常時は、この制御回路11dによって上記のモニタリングを行ったり、宅内における電力使用量と前記蓄電池本体11bの蓄電量等に応じて前記コンバータ11aの運転・停止の指示を行ったりする。
一方、停電時には、前記コンバータ11aに対して前記太陽電池アレイ10から制御回路11dに対して発電電力の出力を指示し、停電時であっても宅内への電力の供給が途切れないようにする。
【0037】
なお、図示はしないが、本実施例1の電力システムに備えられた分電盤22が、系統電源42と前記蓄電池システム11との間に設けられ、停電時に開放されるブレーカーを有するものとしてもよい。
そして、当該ブレーカーの開放時において前記蓄電池システム11と前記重要負荷系統15とが接続されるようにしてもよい。
すなわち、本実施例1の電力システムを、太陽電池アレイ10と、前記太陽電池アレイ10による発電電力を充電する蓄電池システム11と、前記蓄電池システム11に接続される宅内の分電盤22と、停電時における宅内の重要負荷系統15と、を備え、前記太陽電池アレイ10で発電した電力を、前記蓄電池システム11を経由してから前記分電盤22または前記重要負荷系統15へと供給するものとし、前記分電盤22が、系統電源42と前記蓄電池システム11との間に設けられ、停電時に開放されるブレーカーを有し、当該ブレーカー22cの開放時において前記蓄電池システム11と前記重要負荷系統15とが接続される。
【0038】
本実施例によれば、前記太陽電池アレイ10と、前記蓄電池システム11と、前記分電盤13とが、前記太陽電池アレイ10による発電電力が前記蓄電池システム11を経由する並び順に直列的に接続されているので、前記太陽電池アレイ10で発電した電力を、前記蓄電池システム11を必ず経由してから前記分電盤13へと供給することができる。これによって、前記蓄電池システム11に発電電力を充電しながら前記分電盤13に発電電力を供給できるので、通常時であっても停電時であっても発電電力を充電でき、急な曇天等により停電してしまうことを防ぐことができるとともに、昼間充電により夜間の電力使用も可能となる。
【0039】
また、前記太陽電池アレイ10で発電し、前記パワーコンディショナー10aを介して供給される交流電力を前記コンバータ11aによって直流電力に変換して前記蓄電池本体11bに充電することができる。また、前記蓄電池本体11bは、前記双方向インバータ11cによって前記分電盤13と接続されることによって、充電した電力を前記分電盤13側に放電できるとともに、前記分電盤13側から安価な深夜電力を充電することができる。
【0040】
(実施例2)
次に、電力システムの第2の実施例について説明する。
本実施例の電力システムは、
図6〜
図11に示すように、前記太陽電池アレイ10と、前記太陽電池アレイ10による発電電力を充電する前記蓄電池システム12と、前記蓄電池システム12に接続される前記分電盤22と、停電時における宅内の重要負荷系統15と、を備え、前記太陽電池アレイ10で発電した電力を、前記蓄電池システム12を経由してから前記分電盤22または前記重要負荷系統15へと供給している。
前記分電盤22は、系統電源42と前記蓄電池システム12との間に設けられ、停電時に開放されるブレーカー22cを有する。
そして、前記ブレーカー22cの開放時において前記蓄電池システム12と前記重要負荷系統15とが接続されている。
また、本実施例においては、前記蓄電池システム12が前記分電盤22に接続されている。また、この蓄電池システム12は、前記重要負荷分電盤13に対しても接続されている。
【0041】
前記蓄電池システム12は、
図6等に示すように、蓄電池本体12bと、当該蓄電池本体12bと、前記分電盤22および前記重要負荷系統15とに接続され、直流電力と交流電力との双方向の変換を行う双方向インバータ12cと、を有する。
また、前記双方向インバータ12cは、前記太陽電池アレイ10に付属するパワーコンディショナー10aに接続されている。
すなわち、前記太陽電池アレイ10で発電し、前記パワーコンディショナー10aを介して供給される交流電力を前記双方向インバータ12cによって直流電力に変換して前記蓄電池本体12bに充電することができる。
なお、前記双方向インバータ12cは、前記蓄電池本体12bに付属するパワーコンディショナーとして機能するものとなる。
【0042】
前記双方向インバータ12cは、前記太陽電池アレイ10に付属する前記パワーコンディショナー10aと前記蓄電池本体12bとの間に設けられる。
また、この双方向インバータ12cは、前記蓄電池本体12bと、前記分電盤22または前記重要負荷分電盤13との間に設けられる。
すなわち、前記太陽電池アレイ10で発電された電力が前記分電盤22または前記重要負荷分電盤13に供給される間には、発電電力を前記蓄電池本体12bに一旦充電してから、充電休止後、前記双方向インバータ12cを介して前記分電盤22または前記重要負荷分電盤13に供給する第1ルートと、発電電力を前記蓄電池本体12bを介さずに、前記双方向インバータ12cを介して前記分電盤22または前記重要負荷分電盤13に供給する第2ルートとが形成されることになる。
したがって、通常時、停電時の双方において、前記第1ルートと前記第2ルートを選択的に利用して発電電力の供給を行うことができる。
【0043】
停電時において、前記第1ルートと前記第2ルートの選択は、前記双方向インバータ12cに付属される制御回路(図示せず)によって行われるものとする。
本実施の形態においては、この制御回路によって、前記第1ルートと前記第2ルートとを短時間で切り替えるような制御が行われる。これによって、前記蓄電池本体12bによる充放電が短時間で繰り返し行われることになり、発電電力を充電しながら前記分電盤22または前記重要負荷分電盤13に発電電力を供給できることになる。
なお、この制御回路が稼働するための電源は前記太陽電池アレイ10で発電された電力を利用して行われる。
通常時には、住宅全体の電力使用量等を考慮した上で、前記表示装置23による前記第1ルートと前記第2ルートの選択が行われる。
【0044】
図7は蓄電池システム12の回路の一例を示す図である。
すなわち、前記蓄電池システム12の筐体の内部を示しており、当該筐体内部に、前記蓄電池本体12bと、前記双方向インバータ12cとが設けられている。
また、当該回路には、複数のリレーや複数のトランジスタT1〜T6、コンデンサC1、コイルC2、フィルタF1,F2等が組み込まれており、リレーの切り替えを適宜行うことによって、直流電力と交流電力との双方向の変換を行えるようになる。
さらに、前記双方向インバータ12cは、チョッパ12eと、インバータ12fとを有する。これらチョッパ12eおよびインバータ12fは、上述のチョッパ11eおよびインバータ11fと略同様の機能を有している。
【0045】
そして、前記図示しない制御回路によって電圧や電力、電流を監視している。通常時にはその監視結果を前記表示装置23に送信し、住宅全体の電力使用量等を考慮した上で、前記表示装置23による前記蓄電池本体12bの充放電制御が行われる。
停電時には、初期段階では前記表示装置23に通常通りの通電がなされないため、前記表示装置23を手動で自立運転に切り替えたり、前記蓄電池システム12の前記制御回路の制御に基づいて停電時の充放電を開始したりする。
【0046】
より詳細に見ると、
図7においては、前記双方向インバータ12cは、前記太陽電池アレイ10に付属する前記パワーコンディショナー10aと前記蓄電池本体12bとの間に設けられる。また、この双方向インバータ12cは、前記蓄電池本体12bと前記重要負荷系統15との間に設けられる。
そして、
図7に示すように、前記蓄電池システム12内において前記太陽電池アレイ10からの発電電力が流れる導線は、前記双方向インバータ12c側と前記重要負荷系統15側とに分岐している。
したがって、前記太陽電池アレイ10からの発電電力を、前記蓄電池本体12bに充電する前に、前記重要負荷系統15に供給することができるので、前記太陽電池アレイ10からの発電電力を、優先度の高い重要負荷に対して確実に供給することができる。
なお、前記太陽電池アレイ10からの発電電力が流れる導線上には複数のリレーが設けられている。さらに、分岐した後の導線上にも複数のリレーが設けられており、これら複数のリレーを適宜開閉することによって、発電電力の流れをコントロールすることができる。
【0047】
図8は停電時における太陽電池アレイ10による発電電力と宅内で使用される電力との関係を示すグラフである。
すなわち、本実施例、延いては本実施の形態においては、停電時に、宅内における電力使用量を監視し、太陽電池アレイ10から蓄電池本体12bに充電される充電電力との和がP[VA]となるように充電電力を自動で調整している。
これに伴い、
図7に示すように、前記重要負荷系統15につながる導線に、家庭内負荷への電流量を監視するための電流センサー16が取り付けられている。また、前記蓄電池システム12の筺体内部の導線には、家庭内負荷への電圧量を監視するための電圧センサー17が取り付けられている。
そして、前記電流センサー16と前記電圧センサー17とから得られた数値によって、充電電力を自動制御できれば、停電時に充電電力を手動で操作する必要がなくなるので、停電時の居住者への負担を軽減できる。
【0048】
図9は、停電時の電力システムの動作の概略を示す図である。
すなわち、前記重要負荷系統15と、前記分電盤22および前記蓄電池システム12との間に非常時切替ボックス18が設けられている。
このような非常時切替ボックス18は、通常時に前記分電盤22と前記蓄電池システム12とを接続し、停電時に前記蓄電池システム12と前記重要負荷系統15とを接続するための切替スイッチ18aを有する。
【0049】
より詳細に説明すると、前記非常時切替ボックス18は、前記蓄電池システム12と前記分電盤22との間に設けられ、さらに、前記蓄電池システム12と前記重要負荷系統15との間に設けられ、さらに、前記分電盤22と前記重要負荷系統15との間に設けられている。
前記切替スイッチ18aは、前記蓄電池システム12側からの導線の延長線上にあり、前記分電盤22側と、前記重要負荷系統15側とに通電を切り替えることができる。
また、本実施例の切替スイッチ18aは、ブレーカーによって構成されており、手動または自動で切り替え操作ができるようになっている。
【0050】
本実施例において、停電が発生した場合には、まず前記表示装置23を自立運転に切り替えるようにする。この動作は手動で行われる。
表示装置23が自立運転に切り替わったら、前記蓄電池システム12の双方向インバータ12cが自動で自立運転に切り替わる。
その後、前記非常時切替ボックス18の切替スイッチ18aを操作して、前記蓄電池システム12と前記重要負荷系統15とを接続する。
以上のような手順で適宜切り替え操作を行えば、停電中であっても、前記蓄電池システム12に充電をし、なおかつ、必要な時に重要負荷系統15に充電電力の供給を行うことができる。さらに、前記表示装置23が稼働していれば、充放電制御を自動で行うこともできる。
【0051】
停電時の充電制御において蓄電電力量は予めユーザーによって設定される。すなわち、
図10に示すように、前記太陽電池アレイ10からの発電電力を前記蓄電池システム12に充電できる時間帯は日中であり、その時間帯において設定値よりも多く発電できた分だけ充電を行うように設定されている。
本実施例において、前記設定値は、例えば1kWに設定されており、1kW以上の発電電力が前記蓄電池システム12に充電され、1kW以下の発電電力は前記重要負荷系統15へと供給される。
【0052】
なお、前記パワーコンディショナー10aからの交流電力の出力値も、予めユーザーによって設定される。ここで、前記パワーコンディショナー10aからの交流電力の出力値が設定値よりも小さい場合は、蓄電池システム12への充電は開始されない。
また、蓄電残量(SOC値)が5%以下の場合、前記蓄電池本体12bの劣化を防ぐため、補充充電を開始するように設定されている。そして、蓄電残量が100%に到達した場合には充電を停止する。
【0053】
停電時の放電制御においては、前記双方向インバータ12cが自立運転に切り替わった場合に放電を開始するように設定されている。
また、蓄電残量が5%以下になるまで放電を行い、5%以下となったら、上述のように充電を開始する。
【0054】
次に、停電時の電力システムの挙動について、より詳細に説明する。
図11は、停電時の制御フローおよび機器挙動を示している。
系統電源42が停電した時は、それまで通電状態となっていた宅内標準負荷系統、重要負荷系統15、各種連携機器等が停電・停止状態となる。
なお、前記蓄電池システム12の弱電出力は、停電時であっても常に通電状態(DC16V)となっている。また、前記双方向インバータ12cも、停電時であっても常に作動状態となっている。
【0055】
続いて、前記双方向インバータ12cの制御回路で停電を検知・判定したら、前記表示装置23が、前記太陽電池アレイ10からの発電電力および前記蓄電池システム12からの充電電力を受電し、表示状態を維持できるようになっている。
また、この時に、前記蓄電池システム12用の拡張ECU(拡張器35)も同様に、前記太陽電池アレイ10からの発電電力および前記蓄電池システム12からの充電電力を受電して通電状態を維持できるようになっている。
【0056】
続いて、前記双方向インバータ12cが強電自立出力を開始されたら、前記非常時切替ボックス18の切替スイッチ18aを切り替えて、前記蓄電池システム12と前記重要負荷系統15とを接続する。これによって、重要負荷系統15が通電状態となる。
その後は、コンバータに通電、続いてハブ33に通電が開始される。ハブ33に通電が開始されると、前記蓄電池システム12用の以外の拡張器34,36が作動を開始する。
そして、表示装置23と拡張器34,35との通信が復帰し、蓄電残量等の表示が再開される。
【0057】
以上のような本実施例によれば、前記ブレーカー22cが開放されず導電状態である場合には、前記太陽電池アレイ10からの発電電力を、前記蓄電池システム12に充電しながら前記分電盤22側に供給することができる。さらに、前記ブレーカー22cの開放時において前記蓄電池システム12と前記重要負荷系統15とが接続されているので、停電時には、前記太陽電池アレイ10からの発電電力を、前記蓄電池システム12に充電しながら前記重要負荷系統15に供給することができる。これによって、通常時であっても停電時であっても発電電力を前記蓄電池システム12に継続的に充電できるので、長期停電時であっても電力を継続的に供給することが可能となる。
【0058】
また、前記蓄電池システム12内において前記太陽電池アレイ10からの発電電力が流れる導線が、前記双方向インバータ12c側と前記重要負荷系統15側とに分岐しているので、前記太陽電池アレイ10からの発電電力を、前記蓄電池本体12bに充電する前に、前記重要負荷系統15に供給することができる。
これによって、前記太陽電池アレイ10からの発電電力を、優先度の高い重要負荷に対して確実に供給することができる。さらに、重要負荷への電力供給と同時に、前記蓄電池本体12bへの充電も継続的に行うことができるので、太陽電池アレイ10による発電が行われない時でも、前記蓄電池本体12bから重要負荷への電力供給を行うことができる。
【0059】
また、前記重要負荷分電盤13は、通常時に当該重要負荷分電盤13と前記分電盤22とを接続し、停電時に当該重要負荷分電盤13と前記蓄電池システム12とを接続するためのリレー13aを有するので、前記重要負荷分電盤13は、停電時に前記リレー13aの切り替えが行われることによって前記蓄電池システム12からの電力を受給することができる。
これによって、前記蓄電池システム12からの充電電力を、優先度の高い重要負荷に対して確実に供給することができる。
【0060】
(実施例3)
次に、電力システムの第3の実施例について説明する。
本実施例においては、
図12に示すように、前記蓄電池システム11または前記蓄電池システム12が、電気で駆動する車両14に搭載された車両用蓄電池14aと、絶縁トランス14bを介して接続されている。
なお、前記蓄電池システム11または前記蓄電池システム12と、前記車両用蓄電池14aとの間には、これら蓄電池システム11,12と車両用蓄電池14aとを接続する図示しない電線が設けられているものとする。
【0061】
前記車両14は、住宅の敷地内の駐車場に駐車されるものであり、駐車場には前記充電機器27が設置されている。
この充電機器27は、前記ホームエネルギーマネージメントシステム20に組み込まれており、前記表示装置23によって車両14の充電状態の確認や充電開始・停止等の制御を行うことができる。また、この充電機器27の電源は前記分電盤22とされている。
【0062】
また、前記充電機器27は、前記車両14の車種に応じて決められた充電方式に設定されており、本実施例においては、IEC規格に基づいて製造された充電機器が採用されている。
また、充電機器27は、充電ケーブル27aを備える。また、この充電ケーブル27aの先端部には、前記車両14の受電口に挿入される充電コネクタが取り付けられている。
【0063】
前記絶縁トランス14bは、入力側の線と出力側の線とが電気的に絶縁状態にあり、分離しているトランスを指し、入力側の電気は電磁誘導によって出力側へ伝達されるように構成されている。
すなわち、この絶縁トランス14bは、前記蓄電池システム11,12と車両用蓄電池14aとを接続する電線に対して設けられている。
これによって、前記車両14の車両用蓄電池14aから前記蓄電池システム11,12に対して充電した電力を、感電等を防止しつつ供給することができる。
【0064】
なお、図示はしないが、前記絶縁トランス14bを、前記車両用蓄電池14aと前記分電盤22との間の電線の経路の途中に設けて、前記車両用蓄電池14aに充電された電力を、当該車両用蓄電池14aから絶縁トランス14bおよび分電盤22を介して前記蓄電池システム11,12側に供給してもよいものとする。
【0065】
なお、本実施の形態においては、前記太陽電池アレイ10と、前記蓄電池システム11(12)と、前記重要負荷分電盤13とが、前記太陽電池アレイ10による発電電力が前記蓄電池システム11(12)を経由する並び順となるように直列的に接続されているものとしたが、前記重要負荷分電盤13に代えて前記分電盤22を採用してもよいものとする。すなわち、停電時のような非常時だけではなく、通常時であっても、本実施の形態の電力システムを採用できる。
【0066】
なお、前記蓄電池本体11b,12bとしては、例えば鉛蓄電池やリチウムイオン二次電池等を採用することができるが、本実施の形態においては、特にリチウムイオン二次電池が好適に採用されているものとする。
【0067】
本実施例によれば、前記蓄電池システム11(12)は、電気で駆動する車両14に搭載された車両用蓄電池14aと、絶縁トランス14bを介して接続されているので、瞬間的な高電圧の発生を防止したり、感電を防止したりしながら安定した車両発電を充放電することができる。
そして、前記太陽電池アレイ10による発電電力だけでなく、前記車両用蓄電池14aに充電された蓄電電力を前記分電盤13に供給できるので、安定した電力供給が可能となる。
【0068】
<蓄電池の設置構造>
次に、以上のようなホームエネルギーマネージメントシステム20における前記蓄電池システム11(12)の設置構造について説明する。
【0069】
本実施の形態の蓄電池システム11の設置構造は、
図13〜
図15に示すように、住宅等の建物21内に蓄電池システム11が設置されてなる。
また、前記蓄電池システム11は、上下複数段に積載可能に構成された前記蓄電池本体11bを備える。
また、前記建物21内には、床43a上であって、かつ建物21内の居室21aと同等の環境に設定された前記蓄電池設置用の宅内設置部43が設けられている。
また、前記宅内設置部43は、前記蓄電池本体11bを上下方向に複数段積載可能な高さで、かつ前記蓄電池システム11を複数列並設可能な面積に設定されており、前記宅内設置部43の外壁43cには、前記蓄電池システム11から発生するガスを検知するガスセンサー44aに接続された換気装置44が設けられている。
【0070】
前記建物21は、上述のように、壁、床および天井等によって複数のエリア(例えば、居間、台所、食堂、浴室、玄関、便所、寝室、和室、洋室、廊下、階段室、庭、駐車場等)に区画されている。
本実施の形態においては、
図13に示すように、建物21の2階に居室21aと、蔵型収納室21bとが配置されている。
また、前記床43aは建物21の2階の床を指しており、前記外壁43cは建物21の外壁のうち、前記蔵型収納室21b部分の外壁を指している。
【0071】
前記居室21aは、車庫や納屋など屋外と同環境な場所ではなく、洗面所や脱衣所など湿度の高い場所ではなく、屋根裏や何度、押入れなどの密閉空間で夏場の温度上昇の可能性のある場所ではなく、台所など油蒸気が存在する場所ではなく、あくまで居住者が普段いる場所であり、例えば建物21内の居間や寝室、子供部屋などを指している。
【0072】
また、前記蔵型収納室21bは、前記建物21内に大型収納区画を形成するためのものであり、前記建物21内の床43aと、当該床43aの一部の上方に設けられた中間床43bとの間が、当該蔵型収納室21bとされている。
また、蔵型収納室21bは、前記居室21aと隣接配置され、前記宅内設置部43を含んで構成されている。
【0073】
さらに、本実施の形態の蔵型収納室21bの天井高は0.8m〜1.4mの範囲で適宜変更可能である。この0.8m〜1.4mの天井高とは、人が前記蔵型収納室21bに入って、何とか作業ができる最低限の高さを確保するための高さ範囲であり、かつ、このように天井高を必要最小限に抑えることで、建物21の高さが高くなることによって隣接する建物に及ぼす日照減少等の影響を極力少なくすることができる高さ範囲である。
また、蔵型収納室21bの出入口は、前記居室21a側の壁に設けられており、物品の収納や、前記蓄電池システム11の設置の際は、この出入口が使用される。
【0074】
前記換気装置44は、いわゆる換気扇であり、前記外壁43cに形成された専用の開口部に設置されている。この換気装置44は稼働することで、前記蔵型収納室21b内から外部へと排気できるように構成されている。
また、前記ガスセンサー44aは、前記表示装置23を介して前記換気装置44に接続されている。ガスセンサー44aは、前記蓄電池システム11からの発生ガスを検知したら即座に前記表示装置23へと信号を送る。そして、前記表示装置23は前記換気装置44へと稼働を指示する信号を即座に送り、換気装置44を稼働させる設定となっている。
なお、発生ガスの種類と割合は、CO2=90%、CO=9%、CH3=1%となっている。このような発生ガスは、前記換気装置44によって換気できればよい。
【0075】
前記宅内設置部43は、前記蔵型収納室21b内スペースの一画を指しており、上述のように前記蓄電池本体11bを上下方向に複数段積載可能な高さで、かつ前記蓄電池システム11を複数列並設可能な面積に設定されている。
前記蓄電池本体11bを上下方向に複数段積載可能な高さとは、前記蔵型収納室21bの高さ0.8m〜1.4mの範囲である。さらに、前記蓄電池システム11を複数列並設可能な面積とは、前記蓄電池システム11を並べて設置した際の幅方向の長さおよび奥行き方向の長さから求められる数値である。
なお、筺体の大きさ等も考慮に入れることが望ましい。
【0076】
また、この宅内設置部43には、前記蓄電池システム11を支持する支持台46が設置されている。この支持台46は前記宅内設置部43の面積内に納まるように設定されている。さらに、この支持台46の高さも、前記蓄電池システム11の高さと前記蔵型収納室21bの高さを考慮したものとなっている。
また、前記蓄電池システム11を複数列並設する際には、前記支持台46も、前記宅内設置部43に複数並設される。
なお、前記支持台46は、
図15に示すように脚46aが取り付けられており、前記蓄電池システム11と床43aとの間に隙間を形成できるようにしてもよい。
また、前記支持台46が固定される部位(すなわち、前記床43a)の下面側には、この支持台46や前記蓄電池システム11自体を強固に設置固定するための下地材等を設けるようにしてもよい。
【0077】
前記蓄電池システム11は、
図14および
図15に示すように、上下複数段に積載された前記蓄電池本体11bと、前記蓄電池本体11bと宅内の分電盤22(13)との間に接続され、直流電力と交流電力との双方向の変換を行う双方向インバータ11cと、を有する。
本実施の形態の双方向インバータ11cは、前記蓄電池システム11とは別体のものとして、前記蔵型収納室21b内の壁に取付固定されている。
ただし、この双方向インバータ11cは、前記蓄電池本体11bと上下に積載可能に構成されている。したがって、
図15に示すように、前記蓄電池本体11bとともに複数段に積載してもよいものとする。
【0078】
前記蓄電池本体11bは、直方体状に形成されており、複数段に積載しやすくなっている。前記双方向インバータ11cも、前記蓄電池本体11bと上下に積載することを考慮し、直方体状に形成されている。
なお、本実施の形態においては、前記蓄電池本体11bは、1kWh電池とされており、最大高として4段積みできる。したがって、4段の蓄電池本体11b…で、4kWhの電力量を充電可能となっている。
また、このような4段積みの蓄電池本体11b…からなる蓄電池システム11のサイズは、本実施の形態においては、前記支持台46を含めた高さが750mm、幅340mm、奥行き440mmに設定されている。
【0079】
4段積みの蓄電池本体11b…からなる蓄電池システム11を複数列(2列)並設した際のサイズは、幅が倍の680mmに設定されている。さらに、その充電電力量も、倍の8kWhに設定されている。
すなわち、前記蓄電池システム11は、1kWh電池を、まずは上下方向に積載することによって構成されており、宅内設置部43の高さに応じて複数列に並べて設置される。
【0080】
また、以上のような蓄電池システム11は、
図15に示すように、前記支持台46上に前記蓄電池本体11b…が複数段積載され、その上に前記双方向インバータ11cが積載され、さらにその上に天板47が積載されるようにしてもよい。
また、このように上下方向に積載された各部材を覆うようにして前記筺体が設けられるようになっている。
【0081】
前記双方向インバータ11cは、
図16に示すように、前記複数列の蓄電池11,11の間で共用化されている。これを実現するために、前記双方向インバータ11cには、前記複数列の蓄電池11,11の間で、当該双方向インバータ11cとの接続を切り替えるリレー45が設けられている。
このリレー45の切り替え動作は、前記双方向インバータ11c内の制御回路11dによる自動制御で行われてもよいし、前記表示装置23による自動制御で行われてもよいし、手動で行われてもよいものとする。
【0082】
なお、以上のような蓄電池システム11を建物21内に設置する際に考慮すべき事項としては、例えば以下のものが挙げられる。
すなわち、前記筺体を金属筺体とし、D種接地工事を行う。
また、地震等による前記蓄電池システム11の転倒を防ぐために、建物21自体に地震対策を施す。設置階を1階とする場合は、前記支持台46や前記蓄電池システム11自体を固定するための基礎を立ち上げ、この基礎に対して前記支持台46や前記蓄電池システム11自体を固定する。
また、蓄電池システム11の絶縁対策として、ポリカーボネートで前記蓄電池本体11bを覆う。
【0083】
<蓄電池の制御システム>
次に、以上のような電力システム、延いてはホームエネルギーマネージメントシステム20における前記蓄電池システム11(12)の制御システムについて説明する。
なお、以下の説明においては、上述の電力システムの実施例1に即する。
【0084】
本実施の形態の蓄電池システム11の制御システムは、前記太陽電池アレイ10と、前記系統電力42に接続された前記分電盤22と、前記太陽電池アレイ10による発電電力または前記分電盤22側から供給される系統電力42を充電する蓄電池システム11と、を備える前記電力システムに適用されるものである。
そして、この蓄電池システム11の制御システムは、第一充電モードM1と、第二充電モードM2と、を有する。
【0085】
前記第一充電モードM1は、
図17,
図18に示すように、予め設定された充電時間帯に系統電力42を前記蓄電池システム11に充電し、予め設定された放電時間帯に充電電力を前記分電盤22に接続される家庭内負荷側に放電し、これらの充放電時間帯の間に前記蓄電池システム11の充放電を休止する設定となっている。
【0086】
前記第二充電モードM2は、
図19〜
図21に示すように、昼間の時間帯の余剰な前記太陽電池アレイ10の発電電力を前記蓄電池システム11に充電し、その余剰な発電電力を貯めて前記蓄電池システム11が満充電になってから、前記蓄電池システム11から充電電力を前記分電盤22に接続される家庭内負荷側に放電する設定となっている。
【0087】
まず、
図17,
図18等を参照して、前記第一充電モードM1について、より詳細に説明する。
前記電力システムにおいて第一充電モードM1が選択されると、予め設定された充電時間帯に、前記系統電力42の前記蓄電池システム11への充電が行われる。なお、モード選択は、
図22に示すように、前記表示装置23の表示部23aに表示された「おやすみ充電(夜間)」オブジェクト48を操作部23bで選択することによって行われる。
さらに、第一充電モードM1作動中は、
図23に示すような、第一充電モードM1を表す画面が表示される。
図23には、前記建物21を表す建物オブジェクト58や前記蓄電池システム11を表す蓄電池オブジェクト59が含まれている。また、操作部23bには、前記蓄電池システム11を自動運転させるための「運転」アイコン60や、前記蓄電池システム11を手動運転させるための「放電」アイコン61・「蓄電」アイコン62等が適宜表示されている。
ここで、予め設定された充電時間帯とは、一日のうちで電力使用料(電力単価)が安価な時間帯を指しており、本実施の形態においては深夜電力の時間帯となっている。
より具体的には、「23:00(午後11時)〜7:00(午前7時)」が本実施の形態における充電時間帯とされている。
【0088】
また、第一充電モードM1においては、予め設定された放電時間帯に、充電電力の前記家庭内負荷側への放電が行われる。
ここで、予め設定された放電時間帯とは、一日のうちで電力使用料(電力単価)が高価な時間帯を指しており、本実施の形態においては昼間の時間帯となっている。
より具体的には、「9:00(午前9時)〜22:00(午後10時)」が本実施の形態における放電時間帯とされている。
【0089】
また、第一充電モードM1においては、充放電時間帯の間、すなわち充電時間帯と放電時間帯との間に、前記蓄電池システム11の充放電を休止している。当該充放電を休止する時間帯を、以下、休止時間帯と称する。
本実施の形態における休止時間帯は、前記充電時間帯と前記放電時間帯との合間の時間帯を指している。
より具体的には、「7:00(午前7時)〜9:00(午前9時)」と、「22:00(午後10時)〜23:00(午後11時)」が本実施の形態における二つの休止時間帯とされている。
【0090】
以上のような時間帯に設定された充電時間帯、放電時間帯、休止時間帯によれば、安価な深夜電力を前記蓄電池システム11に充電でき、電力単価の高い昼間に充電電力を放電できる。
そして、前記充電時間帯と前記放電時間帯との間に、前記蓄電池システム11の充放電を休止するので、休みなく前記蓄電池システム11を使い続けることがなくなる。
【0091】
なお、以上の各種時間帯は、前記蓄電池本体11bとしてリチウムイオン二次電池を採用した点も加味された上で設定されている。すなわち、リチウムイオン二次電池の場合、例えば鉛蓄電池よりも放電時間が長いため、放電時間帯も長く設定される。ただし、本実施の形態の蓄電池本体11bをリチウムイオン二次電池のみ限定するものではなく、適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0092】
また、前記第一充電モードM1の前記放電時間帯では、前記家庭内負荷における消費電力が、前記双方向インバータ11cの出力最小値を下回った場合に前記蓄電池システム11の放電を停止する設定となっている。
前記双方向インバータ11cの出力最小値は、本実施の形態においては「150W」に設定されている。したがって、前記家庭内負荷の消費電力が、例えば最小限の待機電力のみであり、「150W」以下である場合には、前記双方向インバータ11cからの出力が行えない状態となる。このため、前記家庭内負荷における消費電力が、前記双方向インバータ11cの出力最小値を下回った場合には、前記蓄電池システム11の放電を停止する設定となっている。
【0093】
なお、いわゆる制御のハンチングを防止するために、前記家庭内負荷における消費電力が、前記双方向インバータ11cの出力最小値を下回り、前記蓄電池システム11の放電が停止された場合には、少なくとも10秒間は、前記蓄電池システム11の放電運転を停止する。
【0094】
本実施の形態の第一充電モードM1の制御は、前記表示装置23によって行われており、
図24に示すように、充電時間帯(蓄電時間帯)の時間と、放電時間帯の時間とを予め設定しておき、この設定時間に基づいて制御が行われる。休止時間帯は、充電時間帯の時間と、放電時間帯との間の時間が自動的に設定される。
時間設定を行う際は、
図22に示す「時間帯設定」オブジェクト50を選択して、
図24の画面を表示する。そして、上下の操作アイコン52,53を選択して、時間の設定を行うようにする。
また、上述のように、前記蓄電池本体11bとしてリチウムイオン二次電池を採用する場合と、前記鉛蓄電池を採用する場合とでは放電時間の差があるため、前記表示装置23に蓄電池の種類が登録された状態となっているものとする。
【0095】
続いて、
図19〜
図21等を参照して、前記第二充電モードM2について、より詳細に説明する。
前記電力システムにおいて第二充電モードM2が選択されると、昼間の時間帯に、余剰な前記太陽電池アレイ10の発電電力を前記蓄電池システム11に充電することが行われる。さらに、その余剰な発電電力を貯めて前記蓄電池システム11が満充電になってから、前記蓄電池システム11から充電電力を前記分電盤22に接続される家庭内負荷側に放電することが行われる。
すなわち、前記太陽電池アレイ10の余剰電力を充電して家庭内で消費する、地産地消型の充電モードとされている。
なお、モード選択は、
図22に示すように、前記表示装置23の表示部23aに表示された「おひさま充電(日中)」オブジェクト49を操作部23bで選択することによって行われる。
【0096】
ここで、前記余剰な発電電力とは、前記太陽電池アレイ10による発電電力(瞬時値)から、前記家庭内負荷における消費電力(瞬時値)を差し引いた電力を指している。
また、余剰ではない分の発電電力は、前記家庭内負荷側に供給されて消費される。
すなわち、前記太陽電池アレイ10によって発電された電力は、前記蓄電池システム11を通過して前記分電盤22側へと供給される際に、前記家庭内負荷における消費電力量と同等の発電電力は前記分電盤22側に供給され、余剰な分の発電電力が前記蓄電池システム11の蓄電池本体11bに供給されることとなる。
【0097】
例えば曇天・雨天時などにおいて余剰分の発電電力が生じない場合は、前記蓄電池本体11b側への発電電力の供給は行われずに、前記分電盤22側へと供給される。
この時、制御を行う上では前記余剰な発電電力(すなわち、充電電力)は「マイナス(−)値」とされている。
また、太陽光がない夜間においては、前記太陽電池アレイ10は発電しないため、制御を行う上では、前記家庭内負荷における消費電力量がそのまま「マイナス値」の余剰な発電電力(すなわち、充電電力)として扱われることとなる。
【0098】
また、余剰な発電電力の前記蓄電池システム11への充電は、昼間であって、かつ前記家庭内負荷よりも前記太陽電池アレイ10による発電電力が大きい場合に行われる。
ここで、前記昼間は、一年を一期目(例えば4月〜9月)と、二期目(例えば10月〜3月)とに分けて、さらに、一期目の昼間の時間帯を「8:00(午前8時)〜17:00(午後5時)」に設定し、二期目の昼間の時間帯を「9:00(午前9時)〜16:00(午後4時)」に設定した、その時間帯を指しているものとする。
【0099】
そして、余剰な発電電力によって前記蓄電池システム11が満充電になった状態で、前記家庭内負荷が、前記太陽電池アレイ10による発電電力よりも大きい場合に前記蓄電池システム11から放電を行う。
なお、放電を行う時間帯は、特に設定されておらず、夜間に放電される場合も、昼間に放電される場合もある。
【0100】
また、第二充電モードM2においては、SOC(State Of Charge)が100%、すなわち前記蓄電池システム11が満充電になるまでは、前記蓄電池システム11に充電された電力は放電されないように制御されている。
しかも、満充電となったら均等化を行い、その後放電を行うように設定されている(均等化に要する時間:2時間)。
また、太陽電池アレイ10による発電量によっては、一日に充放電サイクルを2回行う場合もある。ただし、充電後は必ず均等化を行う。
【0101】
第二充電モードM2の詳細な制御方法は、以下の通りである。
余剰な発電電力の算出式は、
「太陽電池アレイ10による発電電力(瞬時値)−家庭内負荷消費電力(瞬時値)」
である。
制御周期は、「10分」である。すなわち、10分ごとに、上記の算出式に基づく演算がなされる。
充電時制御は、
図20に示すように、上記の算出式により導き出される差分が
「差分>500W(ワット)」の時に充電が開始され、
「差分<0W」の時に充電が停止される。
すなわち、家庭内負荷における消費電力よりも発電電力量の方が多く、余剰な発電電力が500Wを超えたら充電が開始され、0Wとなったら充電が停止され、充電開始から充電停止までは、余剰な発電電力の充電が継続されるように設定されている。
【0102】
放電時制御は、昼間(一期目8:00〜17:00、二期目9:00〜16:00)において、上記の算出式により導き出される差分が
「差分<−200W(ワット)」の時に放電が開始され、
「差分>500W」の時に放電が停止される。
すなわち、昼間において、家庭内負荷における消費電力が、太陽電池アレイ10による発電電力の量よりも200W分多くなったら放電を開始し、家庭内負荷における消費電力よりも発電電力量の方が多く、余剰な発電電力が500Wを超えたら放電が停止される。
【0103】
さらに、夜間(一期目17:01〜7:59、二期目16:01〜8:59)において、上記の算出式により導き出される差分が
「差分<−200W」の時に放電が開始され、
「差分>−150W」の時に放電が停止される。
すなわち、夜間において、家庭内負荷における消費電力が、太陽電池アレイ10による発電電力の量よりも200W分多くなったら放電を開始し、家庭内負荷における消費電力が、太陽電池アレイ10による発電電力の量よりも200W分多い時点で、放電が停止される。
なお、夜間において放電が停止される数値「差分>−150W」は、前記双方向インバータ11cの出力最小値を考慮したものである。
【0104】
本実施の形態の第二充電モードM2の制御は、前記表示装置23によって行われており、
図25に示すように、前記蓄電池システム11の詳細を予め設定しておき、この設定に基づいて制御が行われる。
前記蓄電池システム11の詳細の設定を行う際は、
図22に示す「備蓄量設定」オブジェクト51を選択して、表示部23aに
図25の画面を表示する。そして、上下の操作アイコン56,57を選択して、OVR(過電圧継電器)やUVR(不足電圧継電器)等を始めとする各種項目の整定値の変更を行える。さらに、画面には、本実施の形態の電力システムに組み込まれている蓄電池システム11の電池接続状態を示すオブジェクト54や、整定値を確定されるためのオブジェクト55が含まれている。
操作部23bには、「決定」アイコンや「戻る」アイコンが適宜表示されている。
【0105】
なお、以上のような第二充電モードM2においては、前記蓄電池システム11に充電される電力は、前記太陽電池アレイ10による発電電力から、前記家庭内負荷における消費電力の量を差し引いた分の余剰な発電電力とされていることから、前記家庭内負荷における消費電力を節約すればするほど、前記蓄電池システム11への充電時間を短縮できたり、コストを低減させたりすることが可能となる。
【0106】
なお、前記第一充電モードM1において前記蓄電池システム11から放電される充電電力は基本的には系統電力42から供給された電力である。また、前記第二充電モードM2において前記蓄電池システム11から放電される充電電力は基本的には前記太陽電池アレイ10による発電電力である。しかしながら、前記蓄電池システム11に電力が充電された状態で、前記第一充電モードM1と前記第二充電モードM2とを切り替えた場合は、直流電力である以外に差はない。
【0107】
なお、本実施の形態においては、説明の便宜上、前記蓄電池システム11を例に挙げて説明したが、これに限られるものではなく、前記蓄電池システム12を採用してもよいものとする。
【0108】
<ホームエネルギーマネージメントシステムの詳細(表示装置)>
次に、以上のようなホームエネルギーマネージメントシステム20の詳細について説明する。特に、前記太陽電池アレイ10および系統電源42から供給される前記複数の電気機器に対して前記通信ネットワークを介して接続される前記表示装置23について説明する。
【0109】
上述のように、住宅に設置される各種電気機器として、例えば、全館空調システム25(室内機25a、室外機25b、リモコン25c)や、ヒートポンプ給湯器26(ヒートポンプユニット26a、貯湯タンク26b、浴室リモコン26c)、電気で駆動する車両14(例えば電気自動車、プラグインハイブリッド自動車)に搭載された車両用蓄電池14aに充電するための充電機器27(充電スタンド)、ドアや窓等の建具のロックのための電気錠操作盤28、照明器具29、各種センサー30,31、その他いわゆる白物家電と呼ばれる各種家電機器(冷蔵庫32、洗濯機、電子レンジなど)等を始め、様々なものが挙げられる。
【0110】
各種電気機器のうち、前記通信ネットワークを通じて各種操作・設定が可能なものがある。例えばホームオートメーション端子いわゆるHA端子を有し、ホームオートメーションシステムに対応するエアコンでは、電話機等の操作に基づくHAコントロール信号をHA端子に入力することにより、運転/停止を遠隔制御することができる。
また、家庭内の機器を制御する通信プロトコルとしてECHONET(登録商標)、ECHONET Lite(登録商標)を導入すれば、通信ネットワークを通じて、遠隔制御、監視、連携動作等が可能となる。
【0111】
また、前記表示装置23に対してハブ33がLAN接続され、さらにハブ33に拡張器34,35,36がLAN接続されており、前記表示装置23によって操作可能な各種電気機器の増設が可能となっている。
例えば
図2,
図26〜
図28に示すように、ホームオートメーションシステムに対応するHA対応機器37,38(以下、HA機器37,38)を増設する際は、前記拡張器34,35とHA端子延長インターフェースユニット37a,38aとを接続し、このHA端子延長インターフェースユニット37a,38aに対して、HA機器37,38を接続する。
ECHONET規格やECHONETLite規格に対応する機器39(以下、ECHONET機器39)を増設する際は、
図2,
図26,
図29に示すように、ルーター40に有線または無線で接続すれば可能であり、前記ルーター40をLANモジュラージャック40aを介して前記表示装置23に接続すれば、この表示装置23によって前記ECHONET機器39の操作が可能となる。
すなわち、本実施の形態においては複数の電気機器が通信ネットワークを介して前記表示装置23によって個別に制御できるようになっている。また、表示装置23自体が通信ネットワークを通じて操作可能となっているので、スマートフォン等の端末によって複数の電気機器が操作できる。
【0112】
また、前記表示装置23は、前記ECHONET機器および前記HA機器の各機器をそれぞれ制御するための複数のボタン63〜70を表示可能とされている。
すなわち、前記表示装置23は、通信ネットワークを介して、前記ECHONET機器および前記HA機器を始めとする複数の電気機器と接続されている。さらに、前記表示装置23は、宅内にある複数の電気機器を制御する制御装置として機能するものであるため、前記ECHONET機器および前記HA機器の各機器をそれぞれ制御するための制御装置としても機能する。前記複数のボタン63〜70は、前記表示装置23の表示部23a上で、前記ECHONET機器および前記HA機器の各機器をそれぞれ個別に操作するためのものである。そして、前記表示装置23に対して前記複数のボタン63〜70が表示できるので、ユーザーである居住者は、前記表示装置23に表示される前記複数のボタン63〜70を操作して、前記ECHONET機器および前記HA機器の各機器を個別に操作できるようになっている。
【0113】
また、上述のように、前記分電盤22には計測ユニット22aが内蔵されている。分電盤22は、計測ユニット22aにより、前記ECHONET機器および前記HA機器を始めとする複数の電気機器ごとにこれらの消費電力を測定する。具体的には、計測ユニット22aが複数の電力測定器を有し、これら電力測定器が複数の電気機器の電気配線にそれぞれ接続されている。
また、計測ユニット22aが太陽電池アレイ10用の電力測定器を有し、分電盤22が太陽電池アレイ10の出力電力をこの電力測定器により測定する。また、計測ユニット22aが買電用の電力測定器を有し、分電盤22が系統電源42から順潮流された電力をこの電力測定器により測定する。また、計測ユニット22aが売電用の電力測定器を有し、分電盤22が系統電源42へ逆潮流された電力をこの電力測定器により測定する。
【0114】
分電盤22は、通信ネットワークを介して表示装置23に接続されている。分電盤22は、前記ECHONET機器および前記HA機器を始めとする複数の電気機器の消費電力の測定値を表示装置23に出力する。また、分電盤22は、太陽電池アレイ10の出力電力の測定値と、系統電源42から順潮流された電力の測定値と、系統電源42へ逆潮流された電力の測定値とを表示装置23に出力する。これら測定値の転送には通信ネットワークが利用される。
【0115】
この住宅には、上述のように、電気機器の増設が可能である。電気機器が増設された場合、これらは電気配線網に接続され、分電盤22によってこれら増設電気機器に電力が供給されるとともに、これらの消費電力が分電盤22によって測定される。また、増設電気機器が通信ネットワークに接続され、通信ネットワークを介して増設電気機器を遠隔操作することができる。
また、機器増設の一環として、
図27に示すように、前記蓄電池システム11(12)を、前記ECHONETLite規格に対応させることができる。その際は、変換アダプタ71をルーター40と蓄電池システム11(12)との間に介在させる。この変換アダプタ71によってRS−485による通信ネットワークを構築できるようになっている。
【0116】
表示装置23の構成について説明する。
図1,
図26等に示すように、表示装置23は表示部23a、操作部23b、制御手段および筐体23cを有する。制御手段が筐体23c内に設けられ、表示部23aはその表示面が筐体23cの外に見えるように筐体23cに設けられ、操作部23bが表示部23aの表示面に設けられている。本実施の形態において操作部23bはタッチパネルである。操作部23bが各種ボタンやスイッチを有する場合には、それらが筐体23cに設けられている。表示部23aは液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイその他のディスプレイである。制御手段はCPU、記憶部(RAM、ROM、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブ等)、通信ユニット、入出力インターフェース、操作部23b用の信号処理回路、表示部23a用の表示制御回路等を有するコンピューターである。制御手段は、通信ネットワークを介して複数の電気機器に接続されている。また、制御手段は、通信ネットワークを介して分電盤22(主に、計測ユニット22a)に接続されている。また、制御手段がルーターおよび通信回線を介して外部のサーバー41に接続され、そのサーバー41がインターネットに接続されている。また、制御手段は、宅内LANに接続されている。宅内LANが通信ネットワークと兼用されてもよい。
【0117】
制御手段は、制御手段にとって実行可能なソフトウェア(プログラム)を記憶部に記憶している。そのソフトウェアに基づく制御手段の機能としては、前記ECHONET機器および前記HA機器を始めとする複数の電気機器や住宅のエリア別、分岐回路別、住宅全体の電力監視機能や、電力量算出機能、遠隔操作・遠隔制御・遠隔監視機能、グラフィカルユーザーインターフェース機能等を有する。
【0118】
なお、グラフィカルユーザーインターフェース機能について説明する。制御手段は、操作部23bおよび表示部23aを用いるグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を提供する。つまり、制御手段が上述の電力監視機能や、電力量算出機能による集計結果や監視結果に応じたウィンドウ、アイコン、ボタン、タブ、図、表、グラフ、テキスト、標識、模様といったオブジェクトが配置された画面を表示部23aに表示し、居住者が表示部23aの表示画面を通じて制御手段の集計結果や監視結果を認識する。そして、居住者が操作部23bを用いて表示部23aの表示画面中のオブジェクトを選択し、選択結果に応じたコマンドが制御手段に入力され、制御手段がそのコマンドに応じた処理を行う。これによって、居住者であるユーザーが表示装置23の機能を分かりやすく、かつ効率的に使用することができる。つまり、ホームエネルギーマネージメントシステム20の利便性が向上する。
【0119】
以下、前記表示装置23による前記ECHONET機器および前記HA機器の各機器の制御・操作に係る各種表示画面等について説明する。すなわち、ここで説明する各種表示画面は、上述のグラフィカルユーザーインターフェース機能によって前記表示装置23の表示部23aに表示されるものである。
【0120】
図30は、前記ECHONET機器および前記HA機器の使用状況をチェックするためのチェック画面である。すなわち、前記表示装置23は、前記ECHONET機器および前記HA機器の使用状況をチェックするためのチェック画面を表示可能とされている。
また、このチェック画面には、前記複数のボタン63〜70を表示するボタン表示領域72が含まれており、このボタン表示領域72に、前記複数のボタン63〜70がチェック画面に配置されている。複数のボタン63〜70は、上述のように前記ECHONET機器および前記HA機器の各機器をそれぞれ個別に操作するためのものである。また、これら複数のボタン63〜70には、各機器の名称・各機器のアイコン・各機器の設置場所・稼働ランプ63a〜70a等の情報が示されている。
稼働ランプ63a〜70aは、各機器が稼働している場合に点灯し、稼働していない場合には消灯している。
なお、本実施の形態において、前記ECHONET機器および前記HA機器の各機器は、建物21の1階浴室の浴室乾燥機(ボタン63)と、建物21の1階浴室の給湯器26(ボタン64)と、建物21の1階浴室の排水栓(ボタン65)と、建物21の1階ガレージのシャッター(ボタン66)と、建物21の1階のエアコン(ボタン67)と、建物21の2階第一子供部屋のエアコン(ボタン68)と、建物21の2階第二子供部屋のエアコン(ボタン69)と、建物21の1階和室のエアコン(ボタン70)と、がユーザーによって設定され、各ボタン63〜70に割り振られている。
【0121】
また、チェック画面には、前記ECHONET機器および前記HA機器が設置された建物21内エリアの電力の使用状況を表示する使用状況表示領域73が含まれている。
すなわち、上述のように前記建物21は、壁、床および天井等によって複数のエリア(例えば、居間、台所、食堂、浴室、玄関、便所、寝室、和室、洋室、廊下、階段室、庭、駐車場等)に区画されている。使用状況表示領域73には、これら建物21内の複数のエリアのうち、前記ECHONET機器および前記HA機器が設置されたエリアを始めとする主要なエリアの電力の使用状況が表示される。
この使用状況表示領域73は、エリア名と、これに対応する電力使用状況の数値と、この数値に対応するグラフオブジェクトとが表示される。さらに、建物21全体の電力使用量や、水道使用量、室温、外気温が表示される。
【0122】
また、チェック画面には、前記複数の電気機器のうち外出時に使用される機器を制御する制御ボタンを表示する外出用ボタン表示領域74が含まれている。この外出用ボタン表示領域74に、ホームアイコンが表示されたホーム画面に戻るためのホームボタン75と、外出用に各種電気機器の設定をするための「おでかけセット」ボタン76および「おでかけモード」ボタン77と、電気錠アイコンが表示された電気錠操作盤28を制御する電気錠用ボタン78と、電気で駆動する車両14のアイコンが表示された当該車両14を制御する車両制御ボタン79と、が配置されている。
ボタン78とボタン79のそれぞれには稼働ランプ78a,79aが示されている。すなわち、各機器が稼働している場合に点灯し、稼働していない場合には消灯している。例えば、車両14の充電を開始したり、車両14のエンジンをスタートさせたり、電気錠操作盤28の操作を行ったりすることによって稼働ランプ78a,79aが点灯する。
【0123】
このようなチェック画面をユーザーが見ることによって、前記使用状況表示領域73に表示された前記ECHONET機器および前記HA機器が設置された建物21内エリアの電力の使用状況を確認しながら、前記ボタン表示領域72に表示された前記複数のボタン63〜70を操作して、前記ECHONET機器および前記HA機器を制御できる。
さらに、前記ECHONET機器および前記HA機器が設置された建物21内エリアの電力の使用状況を確認しながら、外出時に使用される機器を制御する制御ボタン76〜79を操作して、前記外出時に使用される機器を制御できる。
【0124】
図31は、前記表示装置23に設定された前記ECHONET機器および前記HA機器の各機器が一台である場合の表示画面である。すなわち、前記ECHONET機器および前記HA機器の割付がない場合は、設定された一台のボタン63のみが表示され、他の複数のボタン64〜70は非表示の状態となる。
また、電気錠用ボタン78、車両制御ボタン79も、前記表示装置23と接続されていない場合には表示されず、アイコン等が表示されないブランクボタンとして割り付けられることになる。
【0125】
図32は、「おでかけセット」ボタン76または「おでかけモード」ボタン77をタッチした後の状態を示す、おでかけ中のチェック画面である。
このおでかけ中のチェック画面には、建物21内エリアの、おでかけ中の電力の使用状況を表示する使用状況表示領域80が含まれている。すなわち、ユーザーである居住者が、外出する際にセットしたおでかけモード中に各エリアで使用された電力の累計が表示される。また、その注釈が表示画面中に表示される。
さらに、おでかけ中のチェック画面には、おでかけモードを解除するための、おでかけ解除ボタン81が含まれている。居住者は帰宅時に、この解除ボタン81をタッチすることで、おでかけモードを解除することができる。おでかけモードが解除されると、
図30または
図31の表示画面に戻る。
【0126】
図33は、表示装置23における共通設定を行うためのメニュー画面である。このメニュー画面には、番号順に並べられた各種設定項目が表示される設定項目表示領域82が含まれている。この設定項目表示領域82に表示される設定項目は複数であり、時刻設定や各種画面設定を始め、前記蓄電池システム11(12)に係る設定項目や、前記電力システムに係る設定項目等が表示されている。
また、設定項目表示領域82には、各設定項目上を移動するカーソル82aがある。
メニュー画面には、設定項目表示領域82に表示されたカーソル82aを、番号順方向または逆方向に一項目ずつ移動させる順送りボタン83および逆送りボタン84が含まれている。
メニュー画面には、設定項目表示領域82に表示された各設定項目を、設定項目表示領域82に表示されない各設定項目に一ページずつ切り替えていくページ順送りボタン85およびページ逆送りボタン86が含まれている。ページ順送りボタン85またはページ逆送りボタン86を操作することで、設定項目表示領域82に表示された各設定項目を番号順または番号順と反対に設定項目を送って、設定項目表示領域82の表示の切り替えを行うことができる。例えば、
図33においてページ順送りボタン85を一回タッチすると、設定項目表示領域82には、11番の設定項目から22番の設定項目が表示される。
メニュー画面には、決定ボタン87が含まれている。この決定ボタン87をタッチすることで、カーソル82aが合っている位置の設定項目を選択でき、各設定画面へと画面を切り替えることができる。
また、メニュー画面には、ホームアイコンが表示されたホーム画面に戻るためのホームボタン88が含まれている。
【0127】
図34は、前記メニュー画面の設定項目の中から選択でき、前記ECHONET機器および前記HA機器の各機器の設定を行うための設定画面である。この設定画面には、前記ECHONET機器および前記HA機器の各機器が表示される機器表示領域89と、前記複数のボタン63〜70に対応する番号が割り振られた番号ボタン91〜98が表示されるボタン表示領域90と、各種切替ボタン100〜103が表示される切替ボタン表示領域99と、切替を行う機器の決定・解除を行う各種実行ボタン105〜110等が表示される実行ボタン表示領域104とが含まれている。
そして、この設定画面では、前記ECHONET機器および前記HA機器と、前記複数のボタン63〜70とをそれぞれ連携させることができる。すなわち、前記表示装置23は、前記ECHONET機器および前記HA機器と、前記複数のボタン63〜70とをそれぞれ連携させるための当該設定画面を表示可能とされている。
【0128】
機器表示領域89には、機器名とアイコンとが表示された複数の項目が上下に並んで配置されている。また、この機器表示領域89には、機器名が表示された各項目上を移動するカーソル89aがある。また、カーソル89aが合っている機器の機器名と設置場所とアイコン等を示す欄89bが、機器表示領域89付近にある。
【0129】
ボタン表示領域90には、前記複数のボタン63〜70に対応する番号のボタン91〜98が表示されており、各番号ボタンを介して、前記複数のボタン63〜70と各機器とを連携させることができる。
1番の番号ボタン91は前記ボタン63に対応し、2番の番号ボタン92は前記ボタン64に対応し、3番の番号ボタン93は前記ボタン65に対応し、4番の番号ボタン94は前記ボタン66に対応し、5番の番号ボタン95は前記ボタン67に対応し、6番の番号ボタン96は前記ボタン68に対応し、7番の番号ボタン97は前記ボタン69に対応し、8番の番号ボタン98は前記ボタン70に対応する。
【0130】
切替ボタン表示領域99には、前記機器表示領域89に表示される情報を切り替えるための切替ボタン100〜103が表示されている。切替ボタン100は、
図35に示すようなHA/ECHONET選択項目を表示させることができる。切替ボタン101は、建物21のフロアを選択する項目を表示させることができる。切替ボタン102は、建物21の部屋を選択する項目を表示させることができる。切替ボタン103は、
図34に示す機器表示領域89の各機器の項目を表示させることができる。
各切替ボタン100〜103をタッチして表示される各項目で選択した選択結果は、前記機器表示領域89に表示される情報に反映されている。
図34においては、カーソル89aが合っている機器は、HA機器であり、建物21の2階のリビングにあり、エアコンであることが、前記欄89bにおいて示されている。
【0131】
実行ボタン表示領域104には、決定ボタン105と、解除ボタン106と、カーソルを上下させる下ボタン107・上ボタン108と、戻るボタン109と、ホームアイコンが表示されたホーム画面に戻るためのホームボタン110とが表示されている。
決定ボタン105は、カーソル89aの合っている機器を、前記複数のボタン63〜70のいずれかに対応付けるために用いる。解除ボタン106は、カーソル89aの合っている機器であって、かつ前記複数のボタン63〜70のいずれかに対応付けられた機器を、前記複数のボタン63〜70に対応しない状態に解除するものである。戻るボタン109は、各切替ボタン100〜103をタッチして表示される画面から、
図34の設定画面に戻るためのボタンである。
【0132】
以上の設定画面の操作によって、前記ECHONET機器および前記HA機器と、前記複数のボタン63〜70とをそれぞれ連携させる際は、まず、複数のボタン63〜70のうち、どのボタンの設定を行うかを決め、それに対応する番号ボタン91〜98を選択する。
図34においては番号ボタン91が選択されている(すなわち、ボタン63)。なお、選択された番号ボタンは他の番号ボタンと色分けされる。
続いて、切替ボタン100〜103のうち、切替ボタン100から順番にタッチして項目を切り替えて、前記ECHONET機器か前記HA機器かを選択し、フロアを選択し、部屋を選択し、機器を選択する。機器を選択した時点で決定ボタン105をタッチすれば、前記ボタン63と前記番号ボタン91とが接続されて連携される。
【0133】
図35は、切替ボタン100をタッチして、HA/ECHONET選択項目を表示させた状態の設定画面である。すなわち、機器表示領域89には、HA機器を選択する項目と、ECHONET機器を選択する項目とがある。
なお、
図35において機器表示領域89の項目のうち、ECHONET機器の項目を選択した上で切替ボタン103をタッチすると、
図36の画面に切り替わる。
【0134】
図36は、ECHONET機器設定画面であり、本実施の形態においてはECHONETLiteで接続されている機器のオブジェクト名とオブジェクト種別アイコンをリスト表示する。
設定する機器を下ボタン107または上ボタン108で選択して、決定ボタン105をタッチする。この時、オブジェクト名(
図36では、HVAC_12345678)が、前記表示装置23の記憶部に記憶される。
そして、前記表示装置23の記憶部に記憶されたオブジェクト名は、前記欄89bに表示される。
図37は、カーソル89aの合っている機器が前記表示装置23に記憶されていない場合の表示画面である。ここでは、オブジェクト名や、フロア情報、部屋情報が、前記欄89bに表示されていない。
【0135】
図38は、接続機器の設定画面である。この設定画面で設定される接続機器は、前記電気で駆動する車両14や、前記蓄電池システム11(12)である。
この設定画面には、前記電気で駆動する車両14用の項目111と、前記蓄電池システム11(12)用の項目112とが含まれている。
車両用項目111には、車両14と表示装置23とを接続する設定とするボタン113と、接続しない設定とするボタン114とが含まれる。車両14と表示装置23とを接続する場合はボタン113をタッチし、車両14と表示装置23とを接続しない場合はボタン114をタッチする。
蓄電池用項目112には、蓄電池システム11(12)と表示装置23とを接続する設定とするボタン115と、接続しない設定とするボタン116と、接続した場合の蓄電池の種類を選択するボタン117,118とが含まれる。蓄電池システム11(12)と表示装置23とを接続する場合はボタン115をタッチし、蓄電池システム11(12)と表示装置23とを接続しない場合はボタン116をタッチする。また、「接続する」ボタン115をタッチした後、蓄電池の種類を選択するボタン117,118のいずれかをタッチする。リチウム蓄電池の場合はボタン117をタッチし、鉛蓄電池の場合はボタン118をタッチする。
図38では、車両14は表示装置23とは接続されておらず、蓄電池システム11(12)は表示装置23と接続され、かつリチウム蓄電池が選択されている。
また、この設定画面には、前の設定画面に戻るためのボタン119と、次の設定画面に進むためのボタン120とが含まれている。
【0136】
図39は、
図38のボタン120をタッチした後の画面であり、接続機器の設定画面である。この設定画面で設定される接続機器は、前記電気錠操作盤28や、前記全館空調システム25である。
この設定画面には、前記電気錠操作盤28用の項目121と、前記全館空調システム25用の項目122とが含まれている。
電気錠用項目121には、電気錠操作盤28と表示装置23とを接続する設定とするボタン123と、接続しない設定とするボタン124とが含まれる。電気錠操作盤28と表示装置23とを接続する場合はボタン123をタッチし、電気錠操作盤28と表示装置23とを接続しない場合はボタン124をタッチする。
全館空調用項目122には、全館空調システム25と表示装置23とを接続する設定とするボタン125と、接続しない設定とするボタン126と、接続した場合の空調の種類を選択するボタン127,128とが含まれる。全館空調システム25と表示装置23とを接続する場合はボタン125をタッチし、全館空調システム25と表示装置23とを接続しない場合はボタン126をタッチする。また、「接続する」ボタン125をタッチした後、空調の種類を選択するボタン127,128のいずれかをタッチする。エアコンタイプの場合はボタン127をタッチし、換気タイプの場合はボタン128をタッチする。
図39では、電気錠操作盤28は表示装置23と接続され、全館空調システム25は表示装置23と接続されていない。
また、この設定画面には、前の設定画面に戻るためのボタン129と、次の設定画面に進むためのボタン130とが含まれている。
【0137】
図40は、前記ECHONET機器および前記HA機器、電気錠操作盤28、給湯器26、全館空調システム25のリモート機器設定画面である。すなわち、各機器の遠隔制御の各種設定を行うための画面である。
このリモート機器設定画面には、各種切替ボタン132〜135が表示される切替ボタン表示領域131と、リモート設定の各項目が表示されるリモート設定項目表示領域136と、が含まれている。
【0138】
切替ボタン表示領域131には、リモート設定項目表示領域136に表示される情報を切り替えるための切替ボタン132〜135が表示されている。
切替ボタン132は、前記ECHONET機器および前記HA機器のリモート設定項目を、リモート設定項目表示領域136に表示させることができる。切替ボタン133は、電気錠操作盤28のリモート設定項目を、リモート設定項目表示領域136に表示させることができる。切替ボタン134は、給湯器26のリモート設定項目を、リモート設定項目表示領域136に表示させることができる。切替ボタン135は、全館空調システム25のリモート設定項目を、リモート設定項目表示領域136に表示させることができる。
【0139】
図40は、より詳細には、切替ボタン132をタッチして、前記ECHONET機器および前記HA機器のリモート設定項目を、リモート設定項目表示領域136に表示させた状態の設定画面である。また、この設定画面には、前記番号ボタン91〜98が表示されるボタン表示領域90が含まれている。すなわち、切替ボタン132をタッチすると前記ボタン表示領域90が表示され、例えば、番号ボタン91をタッチすると、リモート設定項目表示領域136の上方に、番号ボタン91に対応付けられた機器(例えば1階リビングのエアコン)の情報が表示される。
リモート設定項目表示領域136には、当該番号ボタン91(92〜98)に対応付けられた機器の設定項目が表示されている。具体的には、「ON通知」、「OFF通知」、「ON制御」、「OFF制御」、「WEB確認」の項目が表示されている。各項目では、当該各項目の設定を行うか否かをボタンのタッチで選択することができる(「する」ボタンまたは「しない」ボタン)。選択されたボタンは、選択されなかったボタンと色分けされる。
また、各項目の選択を終えた後は、決定ボタン137をタッチして設定を完了させる。
【0140】
図41は、切替ボタン133をタッチして、前記電気錠操作盤28のリモート設定項目を、リモート設定項目表示領域136に表示させた状態の設定画面である。
リモート設定項目表示領域136には、電気錠操作盤28の設定項目が表示されている。具体的には、「電気錠施錠通知」、「電気錠解錠通知」、「窓施錠モニター通知」、「電気錠施錠制御」、「WEB確認」の項目が表示されている。各項目では、当該各項目の設定を行うか否かをボタンのタッチで選択することができる(「する」ボタンまたは「しない」ボタン)。選択されたボタンは、選択されなかったボタンと色分けされる。
また、各項目の選択を終えた後は、決定ボタン137をタッチして設定を完了させる。
【0141】
図42は、切替ボタン134をタッチして、前記給湯器26のリモート設定項目を、リモート設定項目表示領域136に表示させた状態の設定画面である。
リモート設定項目表示領域136には、給湯器26の設定項目が表示されている。具体的には、「WEB確認」、「休止ON」、「休止OFF」、「お湯張り予約」の項目が表示されている。各項目では、当該各項目の設定を行うか否かをボタンのタッチで選択することができる(「する」ボタンまたは「しない」ボタン)。選択されたボタンは、選択されなかったボタンと色分けされる。
また、各項目の選択を終えた後は、決定ボタン137をタッチして設定を完了させる。
【0142】
図43は、ピークカット、すなわち電力需要のピーク時に消費電力を削減する際に、消費電力を削減する機器の優先順位を設定するためのピークカット設定画面である。
このピークカット設定画面には、各優先順位に対応する機器を選択する複数の機器選択ボタン139〜145が表示される機器選択ボタン表示領域138と、機器選択ボタン139〜145にそれぞれ対応する電流設定ボタン147〜153が表示される電流設定ボタン表示領域146と、選択された機器選択ボタン139〜145の機器名を切り替える際に使用される上ボタン154・下ボタン155と、決定ボタン156とが含まれている。
【0143】
機器選択ボタン表示領域138に表示された複数の機器選択ボタン139〜145は、1〜7までの優先順位に対応して並んで配置されている。機器を選択する際は、例えば機器選択ボタン139をタッチし、上ボタン154または下ボタン155をタッチすることで行われ、これによって所望の機器名に切り替えることができる。ただし、
図43に示すように、優先順位規則が定められており、蓄電池システム11(12)が優先順位の最も高い機器とされ、電気で駆動する車両14が次に高い優先順位の機器とされ、全館空調システム25・ECHONET機器およびHA機器が、3番目以降の優先順位の機器とされている。
なお、
図43では、蓄電池システム11(12)が1番目の優先順位の機器とされ、電気で駆動する車両14が2番目の優先順位の機器とされ、全館空調システム25が3番目の優先順位の機器とされ、ECHONET機器またはHA機器の機器が4番目の優先順位の機器とされている。
【0144】
電流設定ボタン表示領域146に表示された複数の電流設定ボタン147〜153は、機器選択ボタン139〜145にそれぞれ対応するように配置されている。電流を設定する際は、例えば電流設定ボタン147をタッチし、上ボタン154または下ボタン155をタッチすることで行われ、これによって所望の電流量に切り替えることができる。
また、各項目の選択を終えた後は、決定ボタン156をタッチして設定を完了させる。
【0145】
以上のように、本実施の形態によれば、前記表示装置23は、前記ECHONET機器および前記HA機器の各機器をそれぞれ制御するための制御装置として機能し、前記複数のボタン63〜70は、前記ECHONET機器および前記HA機器の各機器をそれぞれ個別に操作することができる。そして、前記表示装置23に対して前記複数のボタン63〜70が表示できるので、ユーザーは、前記表示装置23に表示される前記複数のボタン63〜70を操作して、前記ECHONET機器および前記HA機器の各機器を個別に操作することができる。
これによって、例えば宅内に前記ECHONET機器および前記HA機器が混在していても、前記ECHONET機器および前記HA機器の各機器を、前記表示装置23によって個別に制御することが可能となる。
【0146】
また、前記表示装置23は、前記ECHONET機器および前記HA機器と、前記複数のボタン63〜70とをそれぞれ連携させるための設定画面を表示可能とされているので、前記表示装置23に前記設定画面を表示して、前記ECHONET機器および前記HA機器と、前記複数のボタン63〜70とをそれぞれ連携させることができる。
これによって、ユーザーは、前記設定画面上で前記複数のボタン63〜70の設定を行うことができるので使い勝手がよい。
さらに、前記ECHONET機器および前記HA機器と、前記複数のボタン63〜70とをそれぞれ連携させるための設定画面だけでなく、その他の設定画面を表示して、前記ECHONET機器および前記HA機器を含む複数の電気機器の各種設定を行うことができるので、利便性に優れる。
【0147】
また、前記チェック画面には、前記ボタン表示領域72と、前記使用状況表示領域73と、前記外出用ボタン表示領域74と、が含まれているので、前記使用状況表示領域73に表示された前記ECHONET機器および前記HA機器が設置された建物21内エリアの電力の使用状況を確認しながら、前記ボタン表示領域72に表示された前記複数のボタン63〜70を操作して、前記ECHONET機器および前記HA機器を制御できる。さらに、前記ECHONET機器および前記HA機器が設置された建物21内エリアの電力の使用状況を確認しながら、外出時に使用される機器を制御する制御ボタン76〜79を操作して、前記外出時に使用される機器を制御できる。
これによって、ユーザーは、外出する際に前記チェック画面上で、前記ECHONET機器および前記HA機器の使用状況に応じた前記ECHONET機器および前記HA機器の制御が可能となるので、前記外出時に使用される機器を操作するために外に出たり、各機器が配置された部屋まで機器を操作しに行ったりする手間を省略することができ、使い勝手がよい。