特許第6082346号(P6082346)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6082346改善されたコンダクタンスを有する電気的接続装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6082346
(24)【登録日】2017年1月27日
(45)【発行日】2017年2月15日
(54)【発明の名称】改善されたコンダクタンスを有する電気的接続装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/58 20060101AFI20170206BHJP
   H01R 4/34 20060101ALI20170206BHJP
【FI】
   H01R4/58 A
   H01R4/58 C
   H01R4/34
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-520183(P2013-520183)
(86)(22)【出願日】2011年7月18日
(65)【公表番号】特表2013-534709(P2013-534709A)
(43)【公表日】2013年9月5日
(86)【国際出願番号】FR2011051704
(87)【国際公開番号】WO2012007701
(87)【国際公開日】20120119
【審査請求日】2014年4月11日
【審判番号】不服2016-1603(P2016-1603/J1)
【審判請求日】2016年2月3日
(31)【優先権主張番号】1002988
(32)【優先日】2010年7月16日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】513011971
【氏名又は名称】アエムセ
【氏名又は名称原語表記】AMC
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(74)【代理人】
【識別番号】100138287
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 功
(72)【発明者】
【氏名】ピレ、ミシェル
【合議体】
【審判長】 阿部 利英
【審判官】 小関 峰夫
【審判官】 内田 博之
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭56−48079(JP,A)
【文献】 特開平3−84876(JP,A)
【文献】 特開平8−153548(JP,A)
【文献】 特開2003−68381(JP,A)
【文献】 特開2006−249460(JP,A)
【文献】 特表2006−506796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/34
H01R 4/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ接触表面をもつ2つの導体(12,14)と、接続の電気抵抗を減少させるようにオープンセルを有する金属発泡体の骨組みで構成され、前記導体の接触表面間に挟まれた伝導性要素(10)とを有する電気的接続装置であって、
前記挟まれた伝導性要素が、銅、錫、またはそれらの合金の1つから選ばれる少なくとも1つの被覆で直接に覆われた、鉄、コバルト、ニッケル、およびそれらの合金からなる群の中から選択された前記金属発泡体の骨組みで構成され、前記挟まれた伝導性要素(10)が、劣化させる外部要因に対する気密性障壁を作る周囲を有する気密性ガスケット(20)を備え、前記気密性ガスケット(20)が前記挟まれた伝導性要素(10)の端部にエラストマータイプの気密性材料を供給することにより形成されことを特徴とする電気的接続装置。
【請求項2】
前記被覆が、それ自体が錫またはその合金の1つで覆われた銅またはその合金の1つの被覆であることを特徴とする請求項1に記載の電気的接続装置。
【請求項3】
前記2つの導体(12,14)の少なくとも1つが、アルミニウム製であることを特徴とする請求項1に記載の電気的接続装置。
【請求項4】
前記挟まれた伝導性要素(10)が、ニッケル発泡体の骨組みを有することを特徴とする請求項1に記載の電気的接続装置。
【請求項5】
前記ニッケル発泡体の骨組みが、錫の被覆で覆われていることを特徴とする請求項4に記載の電気的接続装置。
【請求項6】
1000アンペアを越える強さの電流が流れることを特徴とする請求項1項に記載の電気的接続装置。
【請求項7】
前記挟まれた伝導性要素(10)の骨組みを構成する前記金属発泡体が、グリースによって含浸されていることを特徴とする請求項1に記載の電気的接続装置。
【請求項8】
前記グリースが、伝導性グリースであることを特徴とする請求項7に記載の電気的接続装置。
【請求項9】
前記挟まれた伝導性要素(10)の骨組みを構成する前記金属発泡体が、前記導体(12,14)の少なくとも1つの表面に高い固有抵抗を有する層の形成を減少させること、および、前記導体の少なくとも1つの表面を研磨することの少なくとも一方に適する成分によって含浸されていることを特徴とする請求項1に記載の電気的接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的接続部のコンダクタンスの改善に関し、特に、2つの金属導体間の電気的接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
金属の電気的接続部が使用されるあらゆる分野で、そして、特に電力についての電気工学の分野で、2つの金属が接触している電気的接続部は、その時間経過において劣化する。その結果大きな電気的損失を生じる。そこから生じる効率の低下は重大な問題である。これらの接続部の劣化は阻止できない。実際、接触している表面の劣化はこの表面にわたって電流密度の変化をもたらす。それにより、ジュール効果による電気的損失と同効果による温度上昇が結果的に生じ、それは接続部ばかりでなく導体自体の劣化も速め、かつ、これらの融解をも引き起こし得る。
【0003】
接続部のメンテナンスは接触領域に繰り返し表面仕上げを行うためにそれらを分解することを必要とする。この繰り返しの表面仕上げのために使用される道具は一般的に回転式グラインダである。回転式グラインダは接触表面全体の平坦度を低下させ、それは、表面において接触領域および接触点を限定する原因になる。接触領域が減少するので、それで接続部はこれらの領域に集中した電気的応力を受けかつそれらの劣化は一層より急速である。
【0004】
特許文献1は、電気的に接続する2つの導体の接触表面間に挟まれるようにした銀発泡体製の伝導性要素を有する接触装置を記載している。銀発泡体は特に高価であることは明らかである。
【0005】
さらに、主としてコスト上の理由で、銅製の導体は今日すべての接続部で、より安価でありながら銅の電気伝導率に極めて近い電気伝導率を有する金属であるアルミニウム製の導体によって置き替えられている。アルミニウムの主な難点はアルミナ層の形成であり、これが接続部の接続を難しくする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】仏国特許発明第2847391号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的の1つは、接続部の電気的コンダクタンスを改善し、かつ、接触表面の劣化を遅くすることができる電気的接続装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従って、本発明の第1の態様の対象はそれぞれ接触表面をもつ2つの導体と2つの導体の接触表面間に挟まれる伝導性要素とを有する電気的接続装置である。挟まれた伝導性要素は、銅、錫、またはそれらの合金の1つで少なくとも1つの被覆で直接に覆われた、鉄、コバルト、ニッケルおよびそれらの合金からなる群の中から選択された金属のオープンセルを有する発泡体の骨組みで構成され、前記挟まれた伝導性要素が、劣化させる外部要因に対する気密性障壁を作る周囲を有する気密性ガスケットを備え、前記気密性ガスケットが前記挟まれた伝導性要素の端部にエラストマータイプの気密性材料を供給することにより形成されている。
【発明の効果】
【0009】
実施形態では、それ自体が錫またはその合金の1つで覆われた銅製の被覆で覆われている。
【0010】
第2の態様によれば、本発明は、それぞれ接触表面をもつ2つの導体と、導体の接触表面間に挟まれる伝導性要素とを有する電気的接続装置を対象とし、挟まれた伝導性要素はオープンセルを有する金属発泡体の骨組みで構成されており、挟まれた伝導性要素の骨組みを構成している金属発泡体がグリースによって含浸されている。
【0012】
の態様によれば、本発明は、接続の電気抵抗を減少させるようにしたオープンセルを有する金属発泡体の骨組みで構成された挟まれた伝導性要素を中心として2つの導体を近づけるようにした締付手段を有する締付装置を対象とする。金属発泡体の金属は、銅、錫、インジウム、またはそれらの合金の1つから少なくとも1つの金属被覆で直接に覆われた鉄、コバルト、ニッケル、およびそれらの合金からなる群の中から選択される。
【0013】
の態様によれば、本発明は、本発明の第1から第までの態様の1つによる電気的接続装置または本発明の第の態様の対象締付装置を備える電気メータを対象とする。
【0014】
の態様によれば、本発明は接続の電気抵抗を減少させるようにしたオープンセルを有する金属発泡体の骨組みで構成される伝導性要素を備え、金属発泡体の金属は、銅、錫、またはそれらの合金の1つで少なくとも1つの被覆で直接に覆われた鉄、コバルト、ニッケル、およびそれらの合金からなる群の中から選択されている嵌込端子の補強材を対象とする。
【0015】
実際、嵌め込みは、他の接続部と同じ問題、上述した問題を呈する。
【0016】
の態様によれば、本発明は、接触表面を互いに比較して、位置決めする段階を備える、それぞれ接触表面をもつ2つの導体の電気的接続方法であって、接触表面間で、銅、錫、またはそれらの合金の1つから少なくとも1つの被覆で直接に覆われた鉄、コバルト、ニッケル、およびそれらの合金からなる群の中から選択された金属発泡体の骨組みで構成された挟まれた伝導性要素の位置決めする段階を備えることを特徴とする電気的接続方法を対象とする。
【0017】
本発明の他の諸目的、対象および特徴は図面を参照して説明を読めば一層明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明による電気的接続装置の特有の実施形態の断面図を表す。
図2図2は、図1に示された本発明による装置の挟まれ、かつ、周囲のガスケッ トを有する伝導性要素を表す。
図3図3Aおよび3Bは、本発明の第の態様のための対象を嵌め込む端子の特 有の実施形態を、嵌め込み前の状態で、それぞれ平面図と側面図に表す。
図4図4は、図3Aおよび3Bに示された嵌め込み端子を、嵌め込んで導体に固 定した後の状態を、側面図に表す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
最初に、本発明の第1の態様を、図1および2と比較して説明する。本発明による電気的接続装置は図1に示された装置であり得る。2つの導体12および14はこれらの各々の表面が発泡体と接触状態になるように金属発泡体の挟まれた伝導性要素10により分けられている。導体12および14間の電気的接続は2つの導体と挟まれた伝導性要素10を貫通する締付ボルトのような締付手段による緊密な接触によって実現される。
【0020】
図1および2に示された実施形態のような実施形態において、導体の少なくとも1つはアルミニウム製である。しかしながら、本発明はこの例に限定されないし、かつ、すべての導体、例えば銅製に適用される。
【0021】
挟まれた伝導性要素10の金属発泡体は、錫またはその合金の1つからなる被覆のような少なくとも1つの金属被覆で直接に覆われた、鉄、コバルト、ニッケル、およびそれらの合金からなる群の中から選択された金属発泡体の骨組みから構成されたオープンセルをもつ発泡体である。
【0022】
発泡体の骨組みの生産は電気分解によって行われる。この場合には、ポリウレタンフォームのようなプラスチック材の発泡板は電気的伝導性にされかつ電解液の中で陰極として使用され、それは金属層による発泡体の小孔すなわちオープンセルのすべての表面を覆うことを可能にする。
【0023】
金属発泡板の生産の第2の方法は真空蒸着の技術によって金属を蒸着させることにある。
【0024】
第3の方法は薄膜の金属層の化学蒸着によるプラスチック材の発泡体の活性化の第1段階、続いてその間に適切な厚さの同じ金属層が電気分解で被着される電気分解の第2段階からなる。
【0025】
金属層の蒸着後、適切な方法、例えば炉の中で焼くことでポリウレタンを取り除く。ポリウレタンは金属だけで構成された骨組みだけを残して燃焼してなくなる。
【0026】
このようにして生産された発泡体の構造は蜂の巣状でかつ物理的特性は主として多孔性と高い変形性であり、それは結果として400g/m程度の低い密度のように接続の電気抵抗を減少させる、多孔性は全体の体積に対する空間率を示すことが注目される。好ましくは、この率は50%、そしてさらにより好ましくは、70%より大きい。変形性は加圧する前の発泡体の厚さに対して加圧した発泡体の最小の厚さの比率を示す。この比率は好ましくは、50%、そしてさらにより好ましくは、10%より小さい。
【0027】
図示された実施形態において、発泡体10はこのように蜂の巣状の構造のために大部分は空間から構成されている。そのため、発泡体10の表面は、その数が1平方ミリメートル当たり30個の先端に達する、ミクロンのオーダーの多数の接触先端を有する、発泡体10の厚さは約2mmである。これらの先端によって、挟まれた要素10は多数の接点、大きな伝導率そしてそれ故低い抵抗を有する。高い硬度を備えている金属である鉄、コバルト、ニッケル、またはそれらの合金の選択は、これらの導体を締め付ける効果で導体の表面に入り込める堅い先端の実現を可能にする。
【0028】
本発明の特徴は、蜂の巣状の表面全体がこの他の金属で覆われるように、金属発泡体の骨組みが電気分解または他の方法(インジェクション、電解液の中に液浸)によって他の金属の被覆で直接に覆われることである。骨組みを構成する金属と異なり、骨組みを構成する金属の各先端の接触表面を増大させ、導体の表面の細溝に入り込み、そして発泡体の骨組みと導体、例えばアルミニウムまたは銅の金属間の適合性を改善するために、被覆金属は、マイクロウエルディングを発生させるために、好ましくは可延性である。したがって、骨組みの外側の金属被覆は、好ましくは錫またはその合金の1つである。
【0029】
第1の被覆は第1の金属と異なった金属の他の被覆でまた覆われ得ることが注目される。以下同様にして、例えば、第1の被覆が銅製であれば、第2の被覆は錫製であり得る。
【0030】
本発明の好ましい実施形態によれば、挟まれた伝導性要素10は錫の被覆で覆われたニッケル発泡体製の骨組みから構成される。
【0031】
図2に示されたように、挟まれた伝導性要素10は周囲のガスケット20を備えている。この周囲のガスケット20は異なった方法で実現され得る。それは発泡体の中で含浸されるまたは周囲にエラストマータイプの材料の蒸着によって生産され得る。発泡板10の端部をそれ自身の上に少なくとも1度折り曲げてまたは発泡板10の端部を巻いてガスケット20を作ることは可能である。締め付けの効果で発泡板の厚さは均一化される。それは挟まれた伝導性要素10の周囲に考慮されて作られたガスケットの効果とともに、密度が発泡体の折り曲げ領域で少なくとも2倍にされることになる。
【0032】
周囲のガスケット20は接触周囲に気密性障壁を作って、劣化させる外部要因の侵入を減少させることができる。実際、そして特に、電解槽の場合には、ソーダ、洗浄液、または水で運ばれる他のあらゆる汚染物質のような劣化する要因は一般に液体である。
【0033】
本発明による装置は新しい電気的接続のために使用され得る。この場合には、それは接触表面にわたって電流の流れの均一性を改善する。実際、電気的接続において、接触はそれが締付手段すなわち締付ボルト16の近くに位置するだけますます重要になる。したがって、電気抵抗、そしてそれ故、接触している導体12および14から構成された電気的接続の電気的損失は、締付手段16の近くで最小でありかつそれから離れてより増大する。この電流の不均一な配分はより高い電流の集中領域そしてそれゆえ一層作用が及ぶ領域そしてそれ故より劣化した領域に有利に働く。発泡体で構成された挟まれた伝導性要素10の提供は導体12および14間の接触点を増大させてそれゆえ接触表面全体に電流の均一な配分を可能にする。この均一な配分によって電流の集中領域それゆえ一層作用が及びかつより急速な劣化に都合のいい領域が存在しない。
【0034】
本発明による装置は同様に劣化したまたは変形した電気的接続の接触のために有利に使用される。したがって、アルミニウム製導体の場合には、空気中の酸素は接続の電気抵抗を増大させる酸化アルミニウム、アルミナ層の形成を引き起こす。アルミナ層を形成しないように、従来技術において、爆圧溶接による溶接方法を使用して2つの導体を一緒に溶接することが考えられている。しかし、この技術は非常に高価でかつ実施するのが難しい。アルミナを除去した後かどうかにかかわらず、発泡体製の挟まれた要素10を使用することにより迅速かつ安価である。
【0035】
電解槽および製鋼所の炉の分野において、導体および電気的接続部は非常に強い電流および高い温度を受ける。接続部の損耗は主として電気的接続部の接触表面の変形によって具体的に表れる。その結果、接続による数キロワットに達し得る大きな電気的損失と接触しているこれらの表面にわたる電流の流れの変化を生じる。本発明による挟まれた伝導性要素10を使用すれば、変形した接触表面の繰り返しの表面仕上げはもはや必要でない。
【0036】
したがって、ミリメートルのオーダーの変形であるときでも、劣化しかつ変形した接触表面を備えている電気的接続部の著しい改善が実現される。実際、発泡体10の変形性は、接触している導体12および14の表面の劣化した周囲にぴったり合ってそれと同時に接触表面を増大させかつ締付手段16により与えられた圧力を配分することを可能にする。
【0037】
さらに、発泡体10の表面にある先端はまた導体12および14に常に形成されるアルミナのような酸化物の層を突き刺す。それは長く使われた接続部の電気的コンダクタンスを改善することを可能にし、それは事前に表面をクリーニングなしでも可能にする。
【0038】
実施態様の変形例によれば、挟まれた伝導性要素10を構成する発泡体は発泡体の小孔を完全に満たすグリースによって含浸(充填)されており、それは表面を酸化させるかまたは劣化させ得る汚染物質または要因の侵入を防ぐ。発泡体の電気的コンダクタンスを増大させるように、グリースは伝導性であり得ることが注目される。このようなグリースは、特に、「Penetrox」(登録商標)で公知である。さらに、このグリースは酸化防止物質および寿命を延ばす数ミクロンの金属粒子を混入できる。粒子は銀、金または他のあらゆる電気の良伝導性金属の粒子であり得る。変形例として、挟まれた伝導性要素10を構成する発泡体は、導体12および14の少なくとも1つの表面に高い固有抵抗を有する層、例えばアルミニウムの導体上にアルミニウムの形成を小さくする、および/または導体12および14の少なくとも1つの表面を研磨するようにした、例えば塩基性の成分で含浸または充填される。
【0039】
本発明による装置は効率が温度とともに上昇するだけますます有利である。実際、本発明による装置を錫に覆われたニッケル発泡体10とともに使用する、接続部の1平方デシメートル当たりの電位低下は、5000Aの強さの電流および80℃の温度に対して数マイクロボルトのオーダーである。この特性は、先端が接触している導体12および14での温度の効果で発泡体10の先端が接合されることによる。
【0040】
すでに述べたように、本発明による装置は2つの導体がアルミニウム製である、しかし、同様に2つの導体の1つが銅製でかつ他方がアルミニウム製であるとき、または2つの導体が銅製であるとき、電気的接続部のコンダクタンスを改善するために特に有利である。
【0041】
最後に、装置が誘導する電気的損失の減少によって、本発明による装置は1000Aを越える非常に強い電流に特に適している。
【0042】
弾性的に変形可能な発泡体の使用はまた締付手段の緩和の影響を減少させる利点を備えていることが注目される。この場合、これらの接触表面にいっそう弱い圧力の条件で、圧力を減らしかつ接触表面にぴったり合い続ける発泡体であるからである。
【0043】
実施形態では、挟まれた伝導性要素10は、オープンセルを有する金属の発泡体の、多孔性と高い変形性をもつ骨組みで構成される。金属は銅または合金の1つでできた、少なくとも1つの被覆で直接に覆われた、鉄、コバルト、ニッケル、およびそれらの合金からなる群の中から選択される。
【0044】
好ましくは、銅の被覆は、錫またはその合金の1つでそれ自体覆われている。特に、発明者は、それ自体錫で覆われた銅で覆われたニッケル発泡体が非常に好ましい電気的接続の特徴を備えていることを突き止めた。
【0045】
第2の態様によれば、本発明は、それぞれ接触表面をもつ2つの導体12および14と導体の接触表面間に挟まれた伝導性要素10を有する電気的接続装置を対象とし、挟まれた伝導性要素10はオープンセルを有する金属発泡体の骨組みで構成されており、挟まれた伝導性要素10の骨組みを構成している金属発泡体がグリースによって含浸されている。
【0046】
前述したように、これらの特徴は電気的接続を改善することを可能にする。
【0047】
好ましくは、グリースは導電性グリースである。
【0048】
好ましくは、挟まれた伝導性要素は、多孔性と高い変形性を備えており、それは導体のそれぞれに発泡体の接触点で形成された接触部の質によって、そして場合によっては、導体が可能にするアルミニウムのトラバースによって接続の電気抵抗を減少させる効果がある。
【0049】
発明は、それぞれ接触表面をもつ2つの導体12および14と導体の接触表面間に挟まれた伝導性要素10を有する電気的接続装置を対象とし、挟まれた伝導性要素10はオープンセルを有する金属発泡体の骨組みで構成されており、挟まれた伝導性要素10の骨組みを構成している金属発泡体が接触表面の周囲にガスケットを形成する。
【0050】
前述したように、これらの特徴は電気的接続を改善することを可能にする。
【0051】
の態様によれば、本発明は、2つの導体12および14と挟まれた伝導性要素10を近づけるようにした、締付ボルト16のような締付手段を有する締付装置を対象とする。したがって、電気技術者は挟まれた伝導性要素を中心として導体12および14を位置決めし、次に本発明の好ましい効果を得るために締付手段を締め付けるだけである。
【0052】
本発明のこの第2または第3の態様の他の特徴は、図1および2を参照して説明したように、本発明の第1の態様の本質的、優先的または有利な特徴である。
【0053】
の態様によれば、本発明は、本発明の第1から第3までの態様の1つによる電気的接続装置または本発明の第4の態様の締付装置を有する電気メータを対象とする。本発明者は電気的接続装置と電気メータについて家庭用ライトの開始が家庭用メータから生まれることを明らかにした。したがって、電気メータに結合した電気的接続装置における本発明の実施は特に有利である。実際、熱サイクルにもかかわらず、発泡体10の弾性変形はジュール効果による加熱を避けるか、または少なくとも遅らせる電気的接触を確実に維持する。このようにして、本発明は強い電流も弱い電流も適用される。
【0054】
図3A、3Bおよび4に示した、第の態様によれば、本発明は嵌込端子の補強材およびこの補強材を付けた嵌込端子を対象とし、それは接続の電気抵抗を減少させるようにした、オープンセルを有する金属発泡体の骨組みで構成される伝導性要素10を備え、金属発泡体の金属は、銅、錫、またはそれらの合金の1つで少なくとも1つの被覆で直接に覆われた、鉄、コバルト、ニッケル、およびそれらの合金からなる群の中から選択されている。
【0055】
図3Aおよび3Bに示されたように、実施形態では、本発明の対象嵌込端子28は、嵌め込み前、伝導性ケーブル40を締め付けるために折曲領域30と締付手段44で導体42に押圧されるようにした接触領域32を有する、平らな発泡板10から構成されている。
【0056】
例えば、導体42は自動車のバッテリーの端子である。
【0057】
好ましくは、発泡板10の形状は発泡板が接合される金属板34の形状に対応する。このように発泡板10は、一度に金属板34に結合されて、嵌込端子を形成する嵌込端子の補強材を実現する。
【0058】
図4に示されたように、実施形態では、本発明の対象をケーブル40に領域30を締め付けそして締付手段の位置決め後、嵌込端子はケーブル40と導体42間の電気的接触を確実にする。この電気的接触は嵌め込む領域において公知の従来技術に対して非常に弱い抵抗を示す。図1および2を参照して説明された本発明の他の特徴と利点は本発明の第の態様の対象を嵌め込む端子の特徴と利点を構成する。
【符号の説明】
【0059】
10 発泡体、発泡板(伝導性要素)
12 導体
14 導体
16 締付ボルト(締付手段)
20 ガスケット
28 端子
30 折曲領域
32 接触領域
34 金属板
40 ケーブル
42 導体
44 締付手段
図1
図2
図3A
図3B
図4