(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1のビーム形ロードセルの前記自由端と前記第2支持台とが、第1のビーム形ロードセルの延在方向において略同一の位置にあり、第2のビーム形ロードセルの前記自由端と前記第1支持台とが、第1のビーム形ロードセルの延在方向において略同一の位置にある請求項2に記載の荷重検出器。
第1のビーム形ロードセルは第1起歪体を含み、第2のビーム形ロードセルは第2起歪体を含み、前記載置部は、第1起歪体及び第2起歪体の下面に取り付けられた平板状の本体部を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の荷重検出器。
第1のビーム形ロードセルは第1起歪体を含み、第2のビーム形ロードセルは第2起歪体を含み、前記載置部は、第1起歪体及び第2起歪体の上面に取り付けられた曲板であり、前記曲板は、第1のビーム形ロードセルと第2のビーム形ロードセルとの間に、第1のビーム形ロードセルと略平行に延在するU溝を画成している請求項1〜3のいずれか一項に記載の荷重検出器。
前記第1支持台又は前記第2支持台の少なくとも一方に固定されたスロープを更に備え、前記載置部は前記スロープに独立して変位可能である請求項1〜5のいずれか一項に記載の荷重検出器。
前記荷重検出器は、キャスター付ベッドの上の被験者の荷重を検出する荷重検出器であって、前記載置部は前記キャスターが載置される載置部である請求項1〜11のいずれか一項に記載の荷重検出器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の荷重検出器は、ひずみゲージが取り付けられた片持ち梁部(ビーム形ロードセル)の基端部(自由端)に、ベッド支持脚に取り付けられたキャスターを支持する載置板部が一体に取り付けられている。この荷重検出器においては、キャスターは載置板部上の様々な位置に載置され得る。
【0005】
特許文献1に開示されるような、ビーム形ロードセルに載置板を取り付けた荷重検出器においては、計量対象物の荷重は載置板を介してビーム形ロードセルに伝達される。したがって、計量対象物が載置板上のどの位置に載置されるかに依存して、検出される計量対象物の荷重の値が変動してしまう。計量対象物の載置位置に依存して生じるこのような検出誤差を偏置誤差という。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決し、偏置誤差の影響を抑制して良好に荷重検出を行うことのできる荷重検出器、及び該荷重検出器を含む荷重検出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、
第1支持台上で片持ち支持されることによって自由端を有する第1のビーム形ロードセルと、
第1のビーム形ロードセルと対向して配置され、第2支持台上で片持ち支持されることによって自由端を有する第2のビーム形ロードセルと、
物体が載置される載置部であって、第1のビーム形ロードセルに連結される第1連結部と第2のビーム形ロードセルに連結される第2連結部とを有し、第1のビーム形ロードセルと第2のビーム形ロードセルの間に設けられた載置部とを備える荷重検出器であって、
第1のビーム形ロードセルが延在する方向において、第2のビーム形ロードセルの前記自由端は、第1のビーム形ロードセルの前記自由端とは反対側に位置しており、
前記載置部の第1連結部は、第1のビーム形ロードセルと第1のビーム形ロードセルの前記自由端側で連結され、前記載置部の第2連結部は第2のビーム形ロードセルと第2のビーム形ロードセルの前記自由端側で連結されている荷重検出器が提供される。
【0008】
本発明の荷重検出器では、載置部が対向する第1のビーム形ロードセルと第2のビーム形ロードセルとの間に設けられており、第1のビーム形ロードセルの自由端側と、第1のビーム形ロードセルの延在方向において第1のビーム形ロードセルの自由端とは反対に位置する第2のビーム形ロードセルの自由端側とによって2点支持されている。したがって本発明の荷重検出器においては、支持された2点をつなぐ直線上に検出対象物を載置することで、載置部のたわみの影響を抑制して良好な荷重検出を行うことができる。
【0009】
本発明の荷重検出器において、第1のビーム形ロードセルと第2のビーム形ロードセルとが平行に配置されていてもよい。また本発明の荷重検出器において、第1のビーム形ロードセルの前記自由端と前記第2支持台とが第1のビーム形ロードセルの延在方向において略同一の位置にあってもよく、第2のビーム形ロードセルの前記自由端と前記第1支持台とが第1のビーム形ロードセルの延在方向において略同一の位置にあってもよい。これらの形状とすることにより、荷重検出器の外形をコンパクトにすることができ、かつロードセルによる荷重検出後の演算処理を簡素化することができる。
【0010】
本発明の荷重検出器において、第1のビーム形ロードセルは第1起歪体を含んでもよく、第2のビーム形ロードセルは第2起歪体を含んでもよく、前記載置部は、第1起歪体及び第2起歪体の下面に取り付けられた平板状の本体部を含んでもよい。このようにロードセルの下方に載置部を取り付けることで、荷重検出器の高さを小さくすることができる。
【0011】
本発明の荷重検出器において、第1のビーム形ロードセルは第1起歪体を含んでもよく、第2のビーム形ロードセルは第2起歪体を含んでもよく、前記載置部は、第1起歪体及び第2起歪体の上面に取り付けられた曲板であってもよく、前記曲板は、第1のビーム形ロードセルと第2のビーム形ロードセルとの間に、第1のビーム形ロードセルと略平行に延在するU溝を画成していてもよい。このような構成とすることで、検出対象物の載置による載置部のたわみを一層抑制できると共に、検出対象物とロードセルとの接触を防止することができる。
【0012】
本発明の荷重検出器は、床面に配置され、前記載置部を上下方向に変位させて前記載置部の上に載置された前記物体の荷重を検出する荷重検出器であってよく、前記載置部に固定されたスロープであって、前記載置部の変位時に、前記床面と前記スロープの下側端部とが上下方向において離間しているスロープを更に備えても良い。スロープを有することによって、キャスター等の回転体を容易に載置部の上に載置することができる。また、前記スロープは、第1のビーム形ロードセルの延在方向の両端側に設けられていても良い。
【0013】
本発明の荷重検出器は、第1支持台又は第2支持台の少なくとも一方に固定されたスロープを更に備えてもよく、前記載置部は前記スロープに独立して変位可能であってもよい。
【0014】
本発明の荷重検出器は、床面に配置され、前記載置部を上下方向に変位させて前記載置部の上に載置された前記物体の荷重を検出する荷重検出器であってもよく、前記荷重検出器が前記床面に配置された状態において、前記スロープの下側端部が前記床面に接触してもよい。
【0015】
本発明の荷重検出器において、前記載置部は、中央部に設けられた移動規制部を有してもよい。移動規制部を有することによって、検出対象物がキャスター等の回転体であっても、載置部上の所望の箇所に良好に検出対象物を保持することができる。
【0016】
本発明の荷重検出器において、前記第1支持台と前記第2支持台とが一体に形成されていてもよい。
【0017】
本発明の荷重検出器において、前記荷重検出器は、キャスター付ベッドの上の被験者の荷重を検出する荷重検出器であってもよく、前記載置部は前記キャスターが載置される載置部であってもよい。
【0018】
本発明の第2の態様によれば、
ベッドの上の被験者の荷重を検出する荷重検出システムであって、
ベッドの脚に配置された、第1の態様の複数の荷重検出器と、
前記複数の荷重検出器に接続され、前記荷重検出器の出力に基づいて前記被験者の荷重を算出する制御部とを有する荷重検出システムが提供される。
【0019】
本発明の荷重検出システムによれば、第1の態様の荷重検出器を用いて良好に被験者の荷重を検出することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、偏置誤差の影響を抑制して良好に荷重検出を行うことのできる荷重検出器、及び該荷重検出器を含む荷重検出システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1実施形態>
図1〜
図6を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
【0023】
図1、2に示す通り、第1実施形態の荷重検出器100は、第1、第2基部11、12と、第1、第2基部11、12にそれぞれ連結されたビーム形の第1、第2ロードセル21、22と、第1、第2ロードセル21、22によって第1、第2ロードセル21、22の間に支持される載置板(載置部)3とを主に有する。以下の説明においては、ビーム形の第1、第2ロードセル21、22のビームの延在する方向を長手方向とする。
【0024】
第1基部11は、床面上に配置されて第1ロードセル21を片持ち支持する部材であり、平面形状が第1ロードセル21とほぼ同形の矩形である平板部11aと、平板部11aの一端から長手方向に延在するとともに上方向に突出する支持台部11bとを有する。それゆえ、支持台部11bの頂面11btは平板部11aの頂面11atよりも上方に位置する。
【0025】
支持台部11bの頂面11btには、2つのねじ穴Thが形成されている。支持台部11bには、ねじT及びねじ穴Thを介して第1ロードセル21が固定される。
【0026】
第2基部12も第1基部11と同一の形状を有し、平板部12aと支持台部12bとを有する。第2基部12は第1基部11から所定距離だけ離間して、第1基部11と対向して(この例では平行に)配置されているが、第1基部11の支持台部11bは第2基部12bとは逆向きになるように配置されている。すなわち、第1基部11の平板部11aに支持台部11bが接続する位置と第2基部12の平板部12aに支持台部12bが接続する位置とは互いに反対側である。支持台部12bには、ねじT及び支持台部12bの頂面12btに形成されたねじ穴Thを介して、第2ロードセル22が固定される。
【0027】
第1ロードセル21は、貫通孔hを有する角柱形状の起歪体21sと、起歪体21sに取り付けられたひずみゲージ21gとを有するビーム形のロードセルである。第1ロードセル21は、起歪体21sに生じたひずみをひずみゲージ21gの抵抗値の変化として検出し、これにより第1ロードセル21に加えられた荷重を検出する。
【0028】
起歪体21sは、アルミニウムや鉄等の金属で形成された長尺の角柱である。起歪体21sの長手方向の中央部には幅方向に貫通する貫通孔hが形成されている。貫通孔hは、断面形状が円形である2つの円形孔hcと、2つの円形孔hcを長手方向に連結する、断面形状が略矩形である矩形孔hrとを有している。起歪体21sのうち、貫通孔hの上方及び下方に位置する部分には、貫通孔hの存在により上下方向の厚みが小さくなった薄肉部21thが画成されている。
【0029】
起歪体21sの一端部21ss近傍には、上下方向に貫通する2つのねじ穴Thが形成されている。起歪体21の一端部21ssは、ねじT及びねじ穴Thを介して第1基部11の支持台部11bに固定されている。これにより起歪体21sは、一端部21ssを固定端、他端部21sfを自由端として、第1基部11(支持台部11b)に片持ち支持されている。
【0030】
起歪体21sの他端部21sf近傍にも、上下方向に貫通する2つのねじ穴Thが形成されている。起歪体21sの他端部21sf近傍の下面21sdには、ねじT及びねじ穴Thを介して後述する載置板3が固定されている。すなわち起歪体21s(第1ロードセル21)は、自由端である他端部21sf近傍において、載置板3を、上下方向に移動可能に支持している。
【0031】
ひずみゲージ21gは、起歪体21sの薄肉部21thに2つ取り付けられている。より詳細には、ひずみゲージ21gは、起歪体21sの長手方向の略中央部において、起歪体21sの上面21st及び下面21sdにそれぞれ1つずつ取り付けられている。またひずみゲージ21gは不図示のリード線を介して、外部の制御部と接続されている。
【0032】
第2ロードセル22は、第1ロードセル21と同一の構造を有し、中央部に幅方向に貫通する貫通孔hが形成された角柱形状の起歪体22sと、起歪体22sの薄肉部22thに取り付けられた2つのひずみゲージ22gとを有する。第2ロードセル22は、第1ロードセル21から所定距離だけ離間して、第1ロードセル21と対向して(この例では平行に)配置されている。
【0033】
起歪体22sの一端部22ss近傍には、上下方向に貫通する2つのねじ穴Thが形成されている。起歪体22の一端部22ssは、ねじT及びねじ穴Thを介して第2基部12の支持台部12bに固定されている。これにより起歪体22sは、一端部22ssを固定端、他端部22sfを自由端として、第1基部12(支持台部12b)に片持ち支持されている。
【0034】
起歪体22sの他端部22sf近傍にも、上下方向に貫通する2つのねじ穴Thが形成されている。起歪体22sの他端部22sf近傍の下面22sdには、ねじT及びねじ穴Thを介して後述する載置板3が固定されている。すなわち起歪体22s(第2ロードセル22)は、自由端である他端部22sf近傍において、載置板3を、上下方向に移動可能に支持している。起歪体21sとの配置関係でみると、起歪体22sの一端部(固定端)22ss、他端部(自由端)22sfは、長手方向において、第1ロードセル21の起歪体21sの他端部(自由端)21sf、一端部(固定端)22ssとそれぞれ同じ位置にある。すなわち、起歪体21sと起歪体22sとは、互いに対向しつつ同方向に延在しているが、それらの固定端に対する自由端の向きは互いに逆である。また、起歪体21sを支持する支持台部11bと起歪体22sの他端部(自由端)22sfとは長手方向において略同じ位置にあり、起歪体22sを支持する支持台部12bと起歪体21sの他端部(自由端)21sfとは長手方向において略同じ位置にある。
【0035】
載置板3は、検出対象が載置される板状部材であり、アルミニウムや鉄等の金属により形成されている。載置板3は、平面視矩形状の平板である本体部31と、本体部31の一端部近傍から第1基部11側に突出した第1連結部32と、本体部31の他端部近傍から第2基部12側に突出した第2連結部33とを主に有する。
【0036】
本体部31の一端部には、キャスターCT(
図3)等を転動させて本体部31上に登らせることが可能なスロープ34が設けられている。同様に本体部31の他端部にも、スロープ34と同様のスロープ35が設けられている。
図3に示す通り、載置板3上に計測対象物を載置した計測時(載置板3の上下方向への変動時)においてスロープ34、35の下側端部は床面から離間しており、接地していない。本体部31の長手方向及び幅方向の中央部には、凹部(移動規制部)36(
図2)が形成されている。スロープ34又はスロープ35を介して載置板3の本体部31に載置されたキャスターCT等は、凹部36内に配置されて長手方向、幅方向の移動が規制される。
【0037】
第1連結部32には2つのねじ穴Thが形成されている。第1連結部32は、ねじT及びねじ穴Thを介して第1ロードセル21の起歪体21sの他端部21sf(自由端)近傍の下面21sdに固定されている。同様に第2連結部33にも2つのねじ穴Thが形成されている。第2連結部33は、ねじT及びねじ穴Thを介して第2ロードセル22の起歪体22sの他端部22sf(自由端)近傍の下面22sdに固定されている。すなわち載置板3は、本体部31の一つの角部の近傍において第1ロードセル21の自由端に固定され且つ本体部31の対角部の近傍において第2ロードセル22の自由端に固定されて、第1ロードセル21及び第2ロードセル22によって、上下方向に微小移動が可能な状態で、2点支持されている。
【0038】
次に、荷重検出器100の使用方法について、検出対象がベッド上の被験者であり、載置板3にはベッドの脚部BL(
図3)の下端部に取り付けられた移動用のキャスターCTが載置される場合を例に挙げて説明する。
【0039】
荷重検出器100を用いた荷重検出を行う場合は、まずキャスターCTを載置板3の本体部31上に載置する。具体的には、スロープ34又はスロープ35を介してキャスターCTを本体部31上に登らせ、次いでキャスターCを凹部36内に配置する。これにより、キャスターCTは本体部31上に長手方向及び幅方向の移動が規制された状態で良好に載置される。なお、ベッドの有するその他のキャスターCTは、それぞれ別個の荷重検出器100の上にそれぞれ載置される。
【0040】
ベッド上の被験者の荷重は、ベッドの脚BL、キャスターCT、載置板3を介して、載置板3を支持する第1ロードセル21の起歪体21s及び第2ロードセル22の起歪体22sに伝達される。荷重が伝達された起歪体21s及び起歪体22sにはそれぞれひずみが生じ、ひずみゲージ21g、22gはこのひずみを抵抗値の変化として検出する。検出された抵抗値の変化は、リード線(不図示)を介して外部又は第1基部11又は第2基部12に設けられた制御部(不図示)に出力される。制御部において演算処理を施すことで、被験者の荷重を得ることができる。
【0041】
ここで、本実施形態の荷重検出器100において、第1ロードセル21と第2ロードセル22とを用いて載置板3を2点支持する理由を説明する。
【0042】
本実施形態の荷重検出器100においては、
図4に示す通り、載置板3は第1連結部32を介して第1ロードセル21の起歪体21sの他端部21sf近傍に上下移動可能に支持されており、第2連結部33を介して第2ロードセル22の起歪体22sの他端部22sf近傍に上下移動可能に支持されている。
【0043】
ここで、第1連結部32の起歪体21sへの取り付けの中心点を取付中心C1とし、第2連結部33の起歪体22sへの取り付けの中心点を取付中心C2とすると、載置板3の本体部31は、取付中心C1と取付中心C2とを最短距離で結ぶ線分L上において最もたわみにくい。したがって、線分L上にベッドのキャスターCTを配置することで、載置板3のたわみの影響を受けることなく、ベッド上の被験者の荷重を検出することができる。
【0044】
本実施形態の荷重検出器100は、キャスターCTが線分L上又はその近傍に配置されるように凹部36を設けている。したがって、キャスターCTを線分L上又はその近傍に安定的に配置して、被験者の荷重を安定して正確に検出することができる。
【0045】
ここで、本発明の荷重検出器が従来のビーム形ロードセルを用いた荷重検出器に比べて荷重を安定に正確に検出できる理由を
図5に示す従来形のロードセルを用いた荷重検出器900を参照しながら説明する。
図5に示すように、ビーム形ロードセルLCの端部に載置板PTを取り付けた荷重検出器900においては、偏置誤差は、検出対象の載置位置pがビーム形ロードセルLCと載置板PTとの連結位置C0の近傍である場合は比較的小さいが、載置位置pが連結位置C0から離れるにしたがって大きくなる。これは、載置位置pがビーム形ロードセルLCの長手方向において連結位置C0から離間するに従って、ビーム形ロードセルLCの幅方向に延びる軸を中心とした、離間距離に応じた大きさの曲げモーメントがビーム形ロードセルLCの起歪体に作用し、この曲げモーメントによるひずみによってビーム形ロードセルLCのひずみゲージに偏置誤差が生じるためである。また載置位置pがビーム形ロードセルLCの幅方向において連結位置C0から離間するに従って、ビーム形ロードセルLCの長手方向に延びる軸まわりの、離間距離に応じた大きさのねじりモーメントがビーム形ロードセルLCの起歪体に作用し、このねじりモーメントによるひずみによってビーム形ロードセルLCのひずみゲージに偏置誤差が生じるためである。
【0046】
これに対して、本実施形態の荷重検出器100では、
図6に示す通り、載置板3の本体部31上に載置される検出対象の載置位置Pと取付中心C1との長手方向の距離をx
P1、載置位置Pと取付中心C2との長手方向の距離をx
P2とすると、x
P1とx
P2との合計は、載置板3の本体部31上の略全域において一定となる。したがって本実施形態の荷重検出器100においては、載置位置Pが前後方向に移動しても、第1ロードセル21に生じる曲げモーメントによる偏置誤差と第2ロードセル22に生じる曲げモーメントによる偏置誤差との合計は常に略一定となる。したがって、例えば制御部(不図示)において第1ロードセル21と第2ロードセル22の検出値を加算し、かつ偏置誤差として所定の一定値を減算することで、曲げモーメントに起因する偏置誤差の影響を実質的に取り除いた状態で、検出対象の荷重を安定的に検出することができる。
【0047】
また、
図6に示す通り、載置板3の本体部31上に載置される検出対象の載置位置Pと取付中心C1との幅方向の距離をy
P1、載置位置Pと取付中心C2との幅方向の距離をy
P2とすると、y
P1とy
P2との合計は、載置板3の本体部31上の略全域において一定となる。したがって本実施形態の荷重検出器100においては、載置位置Pが幅方向に移動しても、第1ロードセル21に生じるねじりモーメントによる偏置誤差と第2ロードセル22に生じるねじりモーメントによる偏置誤差との合計は常に略一定となる。したがって、例えば制御部(不図示)において第1ロードセル21と第2ロードセル22の検出結果を加算し、かつ偏置誤差として所定の一定値を減算することで、ねじりモーメントに起因する偏置誤差の影響を実質的に取り除いた状態で、計測対象の荷重を安定的に検出することができる。
【0048】
本実施形態の荷重検出器100の効果を以下にまとめる。
【0049】
本実施形態の荷重検出器100においては、載置板3は、一つの角部の近傍で第1ロードセル21に上下移動可能に支持されており、その対角部の近傍で第2ロードセル22に上下移動可能に支持されている。したがって、載置板3の一つの角部とその対角部とを結ぶ直線L上の位置またはこの近傍に検出対象を配置することで、載置板3のたわみの影響を受けることなく、良好に検出対象の荷重を検出することができる。
【0050】
本実施形態の荷重検出器100においては、載置板3の長手方向及び幅方向の中心部に凹部36が形成されている。したがって検出時に載置板3に載置される物体がベッドのキャスターCT等の転動可能な回転体であっても、該物体を、載置板3の直線L上又はその近傍に保持し、荷重検出を正確に且つ安定して行うことができる。
【0051】
本実施形態の荷重検出器100においては、曲げモーメントに起因して第1、第2ロードセル21、22に生じる偏置誤差の合計値、及びねじりモーメントに起因して第1、第2ロードセル21、22に生じる偏置誤差の合計値は、それぞれ常に略一定である。したがって、第1ロードセル21の計測値と第2ロードセル22の計測値とを加算して略一定値である偏置誤差を減算することで、実質的に偏置誤差の影響を取り除き、正確且つ安定した荷重検出を行うことができる。
【0052】
本実施形態の荷重検出器100においては、載置板3を支持する第1ロードセル21と第2ロードセル22とが、載置板3の両側に配置されている。したがってキャスターCTは、2つのロードセル21、22の間の載置板3に、いずれのロードセルにも干渉することなく進入することができる。すなわち、キャスターCTの載置板3への進入は、第1ロードセル21の自由端側あるいは第2ロードセル22の自由端側のいずれからでも可能である。また、載置板3の長手方向の両端部にスロープ34、35が設けられているため、キャスターCTの載置が容易である。したがって、荷重検出器100をベッド下に配置するときには、ベッドを移動させる方向にロードセルの長手方向が向いていればよく、荷重検出器100の配置、特に複数の荷重検出器100の配置を簡単に行うことができる。
【0053】
次に、本実施形態の荷重検出器100の製造方法を説明する。
【0054】
本実施形態の荷重検出器100の製造においては、まず第1基部11、第2基部12、第1ロードセル21、第2ロードセル22、載置板3を個別に作成する。第1、第2基部11、12は樹脂や金属等の任意の材料であってよいが、一例としてアルミニウムの圧延材を使用することができる。載置板3は、アルミニウムの圧延板に切断加工、曲げ加工等を施して第1、第2連結部32、33、スロープ34、35を設けるだけで容易に成形することができる。
【0055】
次に、それぞれ別個に作成した第1基部11、第2基部12、第1ロードセル21、第2ロードセル22、載置板3を、ねじTにより一体に固定する。このように、本実施形態の荷重検出器100は、部品点数が少なく、かつ切断加工や曲げ加工、ねじ止め等の容易な工程のみで製造することができる。
<変形例>
【0056】
次に、
図7、8を参照して第1実施形態の変形例の荷重検出器200について説明する。変形例の荷重検出器200は、第1基部11、第2基部12、第1ロードセル21、第2ロードセル22を備える点は第1実施形態の荷重検出器100と同一であるが、第1ロードセル21の起歪体21sの下面21sd及び第2ロードセル22の起歪体22sの下面22sdに固定された載置板3に代えて、起歪体21sの上面21st及び起歪体22sの上面22stに固定された載置板(載置部)4を有する点が第1実施形態の荷重検出器100と異なる。
【0057】
図7、8に示す荷重検出器200の構成のうち、第1基部11、第2基部12、第1ロードセル21、第2ロードセル22については説明を省略する。
【0058】
載置板4は、検出対象を支持する部材であり、アルミニウムの圧延板により形成されている。載置板4は、平面視矩形状の底面41bと側面視矩形状の側面41sとを有する凹部41と、側面41sの上端部から略水平に第1基部11側に延びる平面視矩形状の第1連結部42と、凹部41の側面41s上端部から略水平に第2基部12側に延びる平面視矩形状の第2連結部43とを主に有する。凹部41の第1ロードセル21の長手方向と直交する断面形状は略U字状である。すなわち載置板4は、第1ロードセル21と第2ロードセル22との間に、第1ロードセルの長手方向と略平行に延在するU溝を画成する曲板である。
【0059】
凹部41の底面41bの長手方向の両端部近傍には、長手方向中央に向かうに従って上昇するスロープ44、45が設けられている。これにより、凹部41の底面41bの長手方向中央部には、スロープ44の端面44aとスロープ45の端面45a、及び凹部41の側面41sにより囲まれた保持領域(移動規制部)CAが画成される。
【0060】
第1連結部42の長手方向の一端部近傍には2つのねじ穴Thが形成されている。第1連結部42は、平板状のスペーサ51を第1連結部42と第1ロードセル21とによって上下から挟んだ状態で、ねじT及びねじ穴Thを介して、第1ロードセル21の起歪体21sの他端部21sf(自由端)近傍に固定されている。
【0061】
同様に第2連結部43の長手方向の他端部近傍にも2つのねじ穴Thが形成されている。第2連結部43は、スペーサ51と同様のスペーサ(不図示)を第2連結部43と第2ロードセル22とによって上下から挟んだ状態で、ねじT及びねじ穴Thを介して、第2ロードセル22の起歪体22sの他端部22sf(自由端)近傍に固定されている。すなわち載置板4は、矩形状の凹部41の底面41bの一つの角部の近傍において第1ロードセル21の自由端に固定され且つ凹部41の底面41bの対角部の近傍において第2ロードセル22の自由端に固定されて、第1ロードセル21及び第2ロードセル22によって、上下方向に微小移動が可能な状態で、2点支持されている。
【0062】
変形例の荷重検出器200も、第1実施形態の荷重検出器100と同様に使用することができる。
【0063】
変形例の荷重検出器200においても、上記実施形態の荷重検出器100と同様の効果を得ることができる。
【0064】
更に変形例の荷重検出器200においては、載置板4は凹部41を有しており、更に凹部41が、第1ロードセル21と第2ロードセル22との離間距離よりも幅が小さい底部41bを有している。この形状により、載置板4は上方からの荷重に対してたわみにくいため、荷重検出器200は、載置板4のたわみの影響を荷重検出器100よりも更に小さくすることができる。
【0065】
更に変形例の荷重検出器200においては、第1ロードセル21と保持領域CAとの間、及び第2ロードセル22と保持領域CAとの間にそれぞれ載置板4の凹部41の側面41sが配置されている。したがって保持領域CAに載置されるキャスターCT等と第1、第2ロードセル21、22との衝突が防止される。
【0066】
本実施形態の荷重検出器200においては、載置板4を支持する第1ロードセル21と第2ロードセル22とが、載置板4の凹部41の底面41bの両側に配置されている。したがって計測対象がベッド上の被験者であり、載置板4にはベッドの脚部BL(
図3)の下端部に取り付けられた移動用のキャスターCTが載置される場合には、キャスターCTは、2つのロードセルの間の載置板4にいずれのロードセルにも干渉することなく進入することができる。すなわちキャスターCTの載置板4への侵入は、第1ロードセル21の自由端側あるいは第2ロードセル22の自由端側のいずれからでも可能である。また、載置板4にはスロープ44、45が設けられているので、キャスターCTをスロープ44又はスロープ45を用いて容易に底面41b上に載置することができる。載置されたキャスターCTは、スロープ44の端面44aとスロープ45の端面45aとによって長手方向の移動が抑制され、凹部41の側面41sによって幅方向の移動が抑制される。
【0067】
次に、
図9、
図10を参照して第1実施形態の他の変形例の荷重検出器300について説明する。変形例の荷重検出器300は、第1基部11、第2基部12、第1ロードセル21、第2ロードセル22を備える点は第1実施形態の荷重検出器100と同一であるが、平板状の載置板3に代えて、壁部54を備え切欠部Nを画成する載置板(載置部)5を備える点、及び第2基部12に固定されたガイド部材6を備える点が第1実施形態の荷重検出器100と異なる。
【0068】
図9、
図10に示す荷重検出器300の構成のうち、第1基部11、第2基部12、第1ロードセル21、第2ロードセル22については、第1実施形態の第1基部11、第2基部12、第1ロードセル21、第2ロードセル22とそれぞれ同一であるため説明を省略する。
【0069】
載置板5は、載置板3と同様に検出対象が載置される部材であり、平板状の本体部51と、本体部51から第1基部11側に突出する第1連結部52と、本体部51から第2基部12側に突出する第2連結部53と、壁部54とを有する。壁部54は、本体部51の上面から直立するように形成されている。
【0070】
本体部51は、第1ロードセル21、第2ロードセル22の延在方向(長手方向)に長い矩形状の矩形部51rと、矩形部51rの長辺方向の一端部から長辺方向に突出する一対の突出部51pとを有する。一対の突出部51pは、矩形部51rの短辺方向の両端部近傍に設けられており、一対の突出部51pと矩形部51rの一方の短辺により切欠部Nが画成されている。
【0071】
第1連結部52は、一対の突出部51pの一方から、第1基部11側に突出している。第1連結部52には2つのねじ穴Thが形成されており、第1連結部52は、ねじT及びねじ穴Thを介して第1ロードセル21の起歪体21sの他端部21sf(自由端)近傍の下面21sdに固定されている。
【0072】
第2連結部53は、矩形部51rの突出部51pが設けられた一端部とは反対側の端部から、第2基部12側に突出している。第2連結部53には2つのねじ穴Thが形成されており、第2連結部53は、ねじT及びねじ穴Thを介して第2ロードセル22の起歪体22sの他端部22sf(自由端)近傍の下面22sdに固定されている。
【0073】
壁部54は平面視コ字状(略U字状)であり、本体部51の矩形部51rの長辺方向に沿って延びる一対の長壁部54l(
図10)と、本体部51の矩形部51rの短辺方向に沿って延び、一対の長壁部54lを繋ぐ短壁部54s(
図10)とを含む。一対の長壁部54lはそれぞれ、本体部51上において、突出部51pの全域と矩形部51rの大部分にわたって延在している。
【0074】
本体部51の矩形部51rの上面中央の、壁部54と切欠部Nとに囲まれた領域には、平面視が略矩形の凹部(移動規制部)55(
図10)が設けられている。凹部55の中心は、平面視において、第1連結部52の中央部と第2連結部53の中央部とを結ぶ対角線上にほぼ位置している。
【0075】
ガイド部材6は、くさび形(又は三角柱形)の部材であり、キャスターCT等の転動体を床面から載置板5上へと案内する傾斜面(スロープ)61を有する。ガイド部材6は、傾斜面61と直交する側面から延びる連結部62を介して、第2基部12の平板部12aに固定され、載置板5の下方で第1基部11と第2基部12との間に位置している。ガイド部材6の傾斜面61は、平面視において、載置板5が画成する切欠部Nの内部に位置している。傾斜面61の下側端部は、第1ロードセル21が延在する長手方向において、第1ロードセル21の他端部(自由端)21sfと第2ロードセルの他端部(自由端)22sfとの間に位置している。すなわちガイド部材6は、長手方向において、第1ロードセル21と第2ロードセル22との寸法内に収まっている。
【0076】
本変形例は、載置板5が傾斜面61を有するガイド部材6と独立に変位する点で第1実施形態と異なる。具体的には、載置板5は、傾斜面(スロープ)61に独立して変位可能である。ガイド部材6は、傾斜面61の下側端部と第1基部11、第2基部12の下面とが略同一平面上に位置するように第2基部12に固定されており、荷重検出器300を床面に設置した時には、ガイド部材6の傾斜面61の下側端部は床面に接触する。載置板5はガイド部材6と独立に変位するので、傾斜面61が床面に接触していても荷重計測には影響がない。
【0077】
また、本変形例においては、傾斜面61の高さは、第1基部11、第2基部12の下面と載置板5の上面との間の距離に略等しい。したがって、本変形例の荷重検出器300においては、ガイド部材6の傾斜面61の上側端部と載置板5の上面とは略同一平面上に位置しており、傾斜面61上を転動して傾斜面61の上側端部に至ったキャスターCTは容易に載置板5の上面に渡ることができる。
【0078】
変形例の荷重検出器300も、第1実施形態の荷重検出器100と同様に使用することができ、第1実施形態の荷重検出器100と同様の効果を得ることができる。
【0079】
更に変形例の荷重検出器300においては、ガイド部材6の傾斜面61を用いて、キャスターCT等の転動体を、床面から載置板5の上面まで容易にガイドすることができる。
【0080】
また変形例の荷重検出器300においては、載置板5が切欠部Nを画成し、平面視において切欠部Nの内部にガイド部材6が配置されている。また、傾斜面61の下側端部は、第1ロードセル21が延在する長手方向において、第1ロードセル21の他端部(自由端)21sfと第2ロードセルの他端部(自由端)22sfとの間に位置している。したがって、ガイド部材6及び傾斜面61が、長手方向において第1ロードセル21、第2ロードセル22の外側に突出しておらず、コンパクトである。
【0081】
また変形例の荷重検出器300においては、載置板5の本体部51の上面に壁部54が設けられている。したがって、凹部55に載置されるキャスターCT等の転動体と第1、第2ロードセル21、22との衝突が防止される。
【0082】
本変形例の荷重検出器300において、次の変形態様を採用することもできる。
【0083】
本変形例の荷重検出器300において、ガイド部材6は必ずしも第2基部12に固定されている必要はなく、第1基部11に固定されていてもよく、第1基部11と第2基部12の両方に固定されていてもよい。また、ガイド部材6は、長手方向において第1ロードセル21、第2ロードセル22の外側に突出するように配置されていてもよい。その他、ガイド部材6は、載置板5がガイド部材6に接触しておらず、ガイド部材6に対して独立して移動可能になるよう、任意の部材に対して、任意の方法で固定され得る。またガイド部材6は必ずしも取り外し不可能な状態で第2基部12等に固定される必要はなく、着脱可能であってもよい。
【0084】
本変形例の荷重検出器300において、ガイド部材6はくさび形でなくてもよい。ガイド部材6は例えば傾斜面(スロープ)を有する平板状であってもよい。また、傾斜面(スロープ)の傾斜角は一定でなくてもよく、キャスターCT等の転動体の進行方向に沿って変化していてもよい。
【0085】
本変形例の荷重検出器30において、載置板5の形状は任意である。載置板5は必ずしも壁部54を有さなくてもよく、載置板5の本体部51は突出部51pを有さなくてもよい。本体部51が突出部51pを有さない場合は、第1連結部52は本体部51の矩形部51rから突出し得る。または、壁部54を有する載置板5において本体部51の突出部51pを省略することもできる。この場合は、第1連結部52を壁部54の長壁部54lに設けてもよい。なお、載置板5がどのような形状であっても、凹部55を設ける場合は、平面視において第1連結部52と第2連結部53とを結ぶ線上に設けることが望ましいが、必須ではない。載置板5に代えて、載置板4のように湾曲した形状の載置部を用いることもできる。
【0086】
なお、上記の実施形態及び変形例において、第1基部11の平板部11a、第2基部12の平板部12aの長手方向の長さは任意である。また平板部11aと平板部12aの一方又は両方を省略することも可能である。
【0087】
なお、上記の実施形態及び変形例では、第1基部11と第2基部12とは互いに独立した別個の部品であったがこれには限られない。第1基部11と第2基部12とは一体であってよく、例えば平板部11aと平板部12aとは、載置板3の下方で延在する平板によって連結されていてもよい。
【0088】
なお、上記の実施形態及び変形例では、第1ロードセル21、第2ロードセル22を、ねじTによって第1基部11、第2基部12に固定していたがこれには限られない。第1ロードセル21、第2ロードセル22の第1基部11、第2基部12への固定は、ボルトやリベットを用いて行ってもよく、溶接によって行ってもよい。
【0089】
なお、上記の実施形態及び変形例では、第1ロードセル21の第1基部11への取り付けを、支持台部11bの頂面11btと起歪体21sの下面21sdとを接触させた状態で行っているがこれには限られない。第1ロードセル21の第1基部11への取り付けは、例えば、支持台部11bの前面と起歪体21sの長手方向の端面とを接触させた状態で行ってもよい。第2ロードセル22の第2基部12への取り付けも同様である。
【0090】
なお、上記の実施形態及び変形例では、第1ロードセル21と第2ロードセル22とは平行に対向していたが、第1ロードセル21と第2ロードセル22とは、5°程度より小さい角度を有して対向していてもよい。
【0091】
なお、上記の実施形態及び変形例では、第1ロードセル21の起歪体21sにはひずみゲージ21gが2つ取り付けられており、第2ロードセル22の起歪体22sにはひずみゲージ22gが2つ取り付けられていた。しかしこれには限られず、起歪体21s、22sに取り付けられるひずみゲージ21g、22gの数は3つ以上であってもよい。
【0092】
なお、上記の実施形態及び変形例では、載置板3、4、5の第1連結部32、42、52は、第1ロードセル21の起歪体21sの他端部21sf近傍に取り付けられていた。しかしこれには限られず、載置板3、4、5の第1連結部32、42、52は、第1ロードセル21の起歪体21sの長手方向中央よりも他端部21sf側(自由端側)に取り付けれられていればよい。また、載置板3、4、5の第1連結部32、42、52を、第1ロードセル21の起歪体21sの薄肉部21thよりも自由端側の任意の位置に取り付けることもできる。載置板3、4、5の第2連結部33、43、53の第2ロードセル22の起歪体22sへの取り付けも同様であり、第2ロードセル22の起歪体22sの長手方向中央よりも他端部22sf側(自由端側)に取り付けれられていればよい。
【0093】
なお、上記の実施形態及び変形例では、載置板3、載置板4、載置板5をねじTによって第1ロードセル21、第2ロードセル22に固定していたがこれには限られない。載置板3、載置板4、載置板5の第1ロードセル21、第2ロードセル22への固定は、ボルトやリベットを用いて行ってもよく、溶接によって行ってもよい。
【0094】
なお、上記の実施形態では、載置板3の第1、第2連結部32、33は本体部31の長手方向の両端部に形成されていたがこれには限られない。第1、第2連結部32、33は、本体部31(又は載置板3)の長手方向において、長手方向中央を挟んでそれぞれ反対側に設けられていればよい。
【0095】
なお、上記の実施形態及び変形例では、載置板3、載置板5の第1連結部32、52は水平方向に延在する平板部として形成されていたが、第1連結部32、52を長手方向に直交して垂直方向に延在する平板部を含む形状とすることも可能である。この場合は、載置板3、載置板5の第1ロードセル21への取り付けは、垂直方向に延在する平板部の一面と第1ロードセル21の起歪体21sの長手方向の端面とを接触させた状態で行う。載置板3、載置板5の第2連結部33、53についても同様である。
【0096】
なお、上記の実施形態では、載置板3の本体部31の長手方向の長さが第1ロードセル21、第2ロードセル22の長手方向の長さと同一であったが、これには限られない。載置板3の本体部31は、第1ロードセル21、第2ロードセル22よりも短くてもよく、長くてもよい。
【0097】
なお、上記の変形例では、載置板4の第1、第2連結部42、43の第1、第2ロードセル21、22への取り付けを、凹部41の底面41bの長手方向の両端部近傍で行っていたがこれには限られない。第1、第2連結部42、43の第1、第2ロードセル21、22への取り付けは、凹部41の底面41b(又は載置板4)の長手方向において、長手方向中央を挟んだそれぞれ反対側で行われていればよい。
【0098】
なお、上記の変形例において、載置板4の第1、第2連結部42、43の端部に、長手方向に直交して垂直方向に延在する平板部を設けても良い。この場合は、載置板4の第1、第2ロードセル21、22への取り付けは、垂直方向に延在する平板部の一面と第1、第2ロードセル21、22の起歪体21s、22sの長手方向の端面とを接触させ、且つ第1、第2連結部42、43の下面と起歪体21s、22sの上面との間に所定の間隔を設けた状態で行う。第1連結部42、43と起歪体21s、22sとの間にスペーサを配置してもよいし、配置しなくてもよい。
【0099】
なお、上記の実施形態では、載置板4の長手方向の長さが第1ロードセル21、第2ロードセル22の長手方向の長さと同一であったが、これには限られない。載置板4は、第1ロードセル21、第2ロードセル22よりも短くてもよく、長くてもよい。
【0100】
なお、上記の実施形態の荷重検出器100及び変形例の荷重検出器300において、載置板3、載置板5を第1ロードセル21の起歪体21sの上面21st、及び第2ロードセル22の起歪体22sの上面22stに固定してもよい。
【0101】
なお、上記の変形例の荷重検出器200において、載置板4を第1ロードセル21の起歪体21sの下面21sd、及び第2ロードセル22の起歪体22sの下面22sdに固定してもよい。
【0102】
なお、上記の実施形態の荷重検出器100において、載置板3のスロープ34又はスロープ35の一方又は両方を省略してもよい。一方のスロープを省略した場合には、載置板3の本体部31のスロープを有さない端部に、キャスターCT等が通過できないように略垂直の壁を形成してもよい。同様に、上記の変形例の荷重検出器200においても、載置板4のスロープ44又はスロープ45の一方又は両方を省略してもよい。一方のスロープを省略した場合には、載置板4の凹部41のスロープを有さない端部に、底面41bと側面41sとに接続された略垂直の壁を形成してもよい。
【0103】
なお、上記の実施形態の荷重検出器100において、載置板3に凹部36が形成されていなくてもよい。
【0104】
<第2実施形態>
第2実施形態の荷重検出システム500について、
図11を参照して説明する。
【0105】
荷重検出システム500は、4つの荷重検出器100と、制御器CONTを主に有する。4つの荷重検出器100と制御器CONTとは配線で接続されている。
【0106】
荷重検出システム500を使用する際には、4つの荷重検出器100の載置板3の上に、ベッドBDの4本の脚に取り付けられたキャスターCTをそれぞれ載置する(
図11)。これにより、4つの荷重検出器100の各々は、ベッドBDの脚を介して加えられるベッドBD上の被験者の荷重の一部を検出する。
【0107】
4つの荷重検出器100に接続された制御器CONTは、各荷重検出器100の第1ロードセル21からの出力と第2ロードセル22からの出力とを加算し、偏置誤差に相当する所定値を減算する荷重算出処理と、各荷重検出器100により検出された荷重を加算する荷重合算処理とを行う。また制御器CONTによってその他の任意の処理を行ってもよい。
【0108】
本実施形態の荷重検出システムは、第1実施形態の荷重検出器100を使用しているため、第1実施形態の荷重検出器100と同様の効果を得ることができる。
【0109】
なお、本実施形態の荷重検出システムにおいて、荷重検出器100の数は4つには限られず、3つ以下でもよく、5つ以上でもよい。また荷重検出器100に代えて変形例の荷重検出器200、300を用いることもできる。
【0110】
なお、本実施形態の荷重検出システムは、キャスターCTではなく、ベッドBDの脚を直接荷重検出器100の載置板3に載置して使用することもできる。またベッドの脚が上下に2分割されている場合には、荷重検出器100の第1、第2基部11、12を分割された脚のうちの下部脚の上方に配置し、載置板3上に上部脚を載置して被験者の荷重を検出することもできる。本明細書において「ベッドの脚に荷重検出器を配置する」とは、キャスターCTの下に荷重検出器を配置する場合、ベッドBDの脚の下に直接荷重検出器を配置する場合、上部脚と下部脚の間に荷重検出器を配置する場合を含むものとする。
【0111】
なお、本実施形態の荷重検出システムにおいて、荷重検出器100からの出力を、配線ではなく無線により制御器CONTに送信してもよい。また制御器CONTには、制御器CONTによって求められた荷重を表示するための表示器や、求められた荷重に基づいて所定の報知を行うための報知機が接続されていてもよい。
【0112】
本発明の特徴を維持する限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。