【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、本発明に従って
、請求項
1による尿素溶液の噴霧の制御方法とによって達成される。本発明の有利な実施形態が、それぞれの従属請求項に示される。
【0012】
選択的触媒還元用として内燃機関の排ガス流れの中に尿素溶液を噴霧するための配量システムであって、尿素溶液を取り出すことができる尿素溶液タンクに接続でき、かつ、圧縮空気供給ラインに接続でき、さらに、この配量システムは、尿素溶液を圧縮空気によって排ガス流れの中に噴霧できる少なくとも1つのノズルを有する配量システムにおいて、この配量システムが、圧縮空気供給ラインの圧力および/または空気量および/または弁開時間を制御できる空気制御弁を有すること、および、圧縮空気供給ラインにおける圧力および/または空気量を測定するためのセンサを、前記空気制御弁とノズルとの間に配置することが、特に有利である。
【0013】
従って、尿素溶液を排ガスの流れの中に注入または噴霧するための本発明による配量システムにおいては、圧縮空気供給ラインの空気圧力が、監視されかつ要求に合致するように制御される。
【0014】
選択的触媒還元用として内燃機関の排ガス流れの中に圧縮空気によって尿素溶液を噴霧する場合の噴霧を制御する本発明による方法においては、微粒化用として尿素溶液に供給される圧縮空気の量が、噴霧される尿素溶液の液滴性状が触媒の作用にとって十分なものになるように、各運転点において、排ガス温度および排ガス質量流量の運転パラメータに基づいて制御され、かつ、それぞれの場合に要求される最少空気量に低減されることが特に有利である。
【0015】
このため、本発明による配量システムおよび本発明による尿素溶液噴霧の制御方法においては、圧縮空気を、対応する制御弁によって制御しながら供給する。供給される空気量は、各運転点において、液滴の性状が触媒の作用にとって辛うじて十分になる程度に抑えられる。これは、エンジンの各運転点において、空気を配量する量を、運転パラメータに応じて適合させることによって行われる。この場合、運転パラメータとして、特に排ガス温度および/または排ガス質量流量を測定して空気量の制御部に送る。すなわち、空気量が、現時点のエンジン運転点に基づいて、それぞれの場合において再調整される。
【0016】
ノズルにおける空気量の低下は、液滴性状の悪化、すなわち液滴径の増大を意味する。要求される最低限の液滴性状は、それぞれの運転点において要求される触媒の効率の程度に依存している。圧縮空気量は、それぞれの要求に対応して必要最少限度に抑えられる。これによって、自動車のエンジンの燃料消費は大幅に低下する。
【0017】
この配量システムの特に好適な実施形態においては、空気制御弁が比例制御弁である。比例制御弁を用いることによって、圧縮空気供給ラインの空気供給量、すなわち尿素溶液噴霧用として排ガス流れの中に送入される空気量の正確な制御が可能になる。
【0018】
空気制御弁とノズルとの間に配置されるセンサは、圧力センサとするのが好ましい。この圧力センサによって、圧縮空気システム内の圧力を空気制御弁の後ろで監視する。
【0019】
特に好ましい実施形態においては、配量システムが、エンジン制御システムから排ガスの質量流量の信号を受け取る。排ガスの質量流量は、吸気された空気の質量流量および燃料の質量流量からエンジンの制御装置によって計算され、排ガスの質量流量の信号として供給される。代替方式として、配量システムが、排ガス質量流量を測定するセンサを有する。代替的にまたは追加的に、配量システムが排ガス温度を測定するセンサを有することが好ましい。
【0020】
排ガスの質量流量の信号および/または排ガス温度から、それぞれのエンジンの運転点に応じて存在する排ガス温度および/または排ガス質量流量の運転パラメータを決定し、配量システムの対応する制御電子装置において評価して、測定される運転パラメータに応じて圧縮空気供給ラインの圧力および/または空気量および/または弁開時間を制御することが可能になる。
【0021】
空気量の配量を適合させるための影響因子は、特に、
−排ガス温度
−排ガス質量流量
−尿素質量流量
−触媒の効率の必要程度
−触媒サイズ
−尿素配量点と触媒との間の予備混合部分
である。
【0022】
従って、本発明による配量システムによって、空気量を、各個別の運転点において、それぞれの境界条件に基づいて最適化することが可能である。
【0023】
特に好ましい実施形態においては、圧縮空気供給ラインが絞り弁を有する。絞り弁を配置することによって、ノズルへ供給する前の空気圧力システムにおける空気圧力を対応して低下させることができる。
【0024】
特に好ましい実施形態においては、配量システムが、尿素溶液を搬送する定量ポンプを有する。特に、この定量ポンプは、それぞれの運転点において尿素溶液の供給流量をその定量ポンプの対応する作動によって適合させることが可能な方式によって、尿素溶液の要求される質量流量に制御し得る定量ポンプとすることができる。
【0025】
尿素出口と圧縮空気供給ラインとの間には、接続ラインを設けることが好ましい。この場合、この接続ラインは逆止弁を有する。
【0026】
配量休止時には空気の供給を完全に中断するために、高温領域から尿素を除去することが必要である。これは付着物の形成を避けるためである。そうしないと、尿素が高温で分解して付着物を生成し閉塞を生じさせるであろう。圧縮空気ラインの構成によって、すなわち、尿素ラインと圧縮空気供給ラインとの間に接続ラインを設けることによって、配量休止時に圧縮空気によって尿素の蓄積をフリーブローすることができ、このような付着物を防止できる。この接続ラインには逆止弁が挿入され、その開圧力が、配量時に設定される空気弁後の空気圧力を超える値に設定される。
【0027】
配量運転時には、圧縮空気ライン内の圧力はこの逆止弁の開圧力未満であるので、逆止弁は閉じられる。圧縮空気によって尿素ラインをブローして空にするために、定量ポンプによる尿素の供給を停止して、空気弁を、短時間、但し圧力が逆止弁の開圧力を超え得るに十分な時間、開く。圧縮空気ラインにおける絞りのために、配量ライン中に圧力の落差が生じ、圧縮空気が尿素を排ガスシステムの中に排出して、このラインはブローされて空になる。短時間の空気噴出後、尿素は配量ノズルからブローされ、空気供給を完全に停止できる。
【0028】
配量システムは圧縮空気コンプレッサを有することが好ましい。配量システムの搭載環境に圧縮空気の供給ラインがないか、あるいは不十分な圧縮空気供給ラインしかない場合、このような圧縮空気コンプレッサによって、配量システムへの必要な圧縮空気の供給が可能になる。
【0029】
配量システムは制御装置を有することが好ましい。この制御装置は、1つまたは複数のセンサから得られる測定値に基づいて、空気弁および/または絞り弁および/または定量ポンプおよび/または圧縮空気コンプレッサを制御するためのものである。
【0030】
配量システムの1つ以上の構成要素を、センサの測定値、すなわち現時点の運転パラメータに基づいて制御するこのような制御装置を配置することによって、配量システムの運転の最適化、すなわち空気の最適化を、特に有利に実現できる。すなわち、このような制御装置によって、尿素の供給流量および空気の供給流量を、内燃機関および選択的触媒還元用触媒の現時点の運転パラメータに最適に適合させる−従って制御する−ことが可能になる。
【0031】
配量システムは尿素溶液タンクを有することが好ましい。配量システム自体が尿素溶液タンクを有することによって、尿素溶液タンクが装備済みでない搭載環境においても、配量システムを追加設置することが可能である。
【0032】
好ましい実施形態においては、配量システムが二流体ノズルを有する。この二流体ノズルは外部混合ノズルであることが特に好ましい。
【0033】
選択的触媒還元用として内燃機関の排ガス流れの中に尿素溶液を圧縮空気によって噴霧または注入する場合の本発明による制御方法は、尿素溶液の噴霧が中断または完了した時に、尿素溶液搬送ラインから尿素溶液を圧縮空気によって排除するように構成される点が好ましい。
【0034】
従って、この方法は、基本的に、尿素溶液供給の完了または中断を、圧縮空気の供給が完了または中断される前の時点において実行し、尿素溶液供給の中断または完了後においては、圧縮空気を、尿素溶液搬送部分の圧縮空気による清浄化のために用いるように構成される点が好ましい。この方式によって、尿素は、特に、配量システムの高温領域から除去される。この方式を採用しなければ、尿素が高温度において分解し、付着物を形成して閉塞をもたらす可能性があるであろう。
【0035】
圧縮空気によって尿素ラインをブローして空にするために、定量ポンプによる尿素の供給を停止して、空気制御弁を、短時間、但し圧力が、尿素ラインおよび圧縮空気ラインの間の接続ライン中の逆止弁の開圧力を超え得るに十分な時間、開く。この結果、配量ライン中に圧力の落差が生じ、圧縮空気が尿素を排ガスシステムの中に排出し、従って尿素搬送ラインがブローされて空になる。短時間の空気噴出後、尿素は配量ノズルからブローされ、空気供給を完全に停止できる。
【0036】
このため、尿素溶液の噴霧を、定量ポンプを停止することによって中断または完了することができる。
【0037】
配量を再開する前に、最初に、尿素がノズルに流入する前にノズルを冷却するために、圧縮空気を、通常の配量空気の供給量を超える値に調整することが有用である。
【0038】
尿素をラインからブローして排除することは、全システムを停止する場合にも有利である。尿素は−11℃未満の温度で凍結し、この際、尿素の水溶液は約10%膨張する。これは寒冷圧力(凍結圧力)をもたらし、構成要素を破壊する可能性がある。従って、システムを完全に停止する前に、尿素をブローしてノズルから排出する必要がある。
【0039】
これは、特に、尿素供給の完了後に、全システムを圧縮空気によって清浄化する、すなわち、尿素を圧縮空気によってブローしてシステムから排出することによって行うことができる。
【0040】
尿素溶液を噴霧または注入する場合の本発明による制御方法においては、少なくとも定量ポンプおよび/または少なくとも圧縮空気コンプレッサおよび/または少なくとも空気制御弁の作動を、排ガス温度および排ガス質量流量の運転パラメータに基づいて実行することが好ましい。このため、対応する制御装置によって、構成要素の作動を正確に実施し得るように、さまざまに得られる運転パラメータを評価することができる。
【0041】
図においては、内燃機関の排ガス流れの中に尿素溶液を噴霧するための本発明による配量システムの2つの実施形態を示し、説明している。