(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、実施形態にかかる薬剤管理システム10の概要構成を示すブロック図である。
図1に示すように、薬剤管理システム10は、電子カルテサーバ11と、医師用の情報処理端末装置12と、看護師用の情報処理端末装置13と、薬剤監査装置14と、医事用の情報処理端末装置18と、薬剤部サーバ19と、薬剤登録装置20と、を備えている。
【0010】
上記構成において、電子カルテサーバ11、医師用の情報処理端末装置12、看護師用の情報処理端末装置13、薬剤監査装置14、薬剤部サーバ19及び医事用の情報処理端末装置18は、通信ネットワーク17に接続されている。
【0011】
電子カルテサーバ11は、電子カルテを管理し、記憶するための装置である。医師用の情報処理端末装置12は、電子カルテの記入などを行うための装置である。看護師用の情報処理端末装置13は、電子カルテサーバ11が管理する電子カルテの参照及び確認を行うための装置である。薬剤監査装置14は、電子カルテに含まれる指示書情報(例えば、処方箋情報)に基づいて薬剤の取揃え等の支援および監査を行うための装置である。薬剤部サーバ19は、薬剤部に配置され薬剤払出等を管理するための装置である。また、薬剤部サーバ19は、薬剤のコード情報または薬剤の外面情報(薬剤のラベルを表す特徴量、薬剤の色合いや表面の凹凸状況等の表面の状態を表す特徴量など)に対応付けて薬剤に係る薬剤情報(名称、量など)を登録している。
【0012】
医事用の情報処理端末装置18は、使用された薬剤について患者や健康保険組合などに代金を請求するために情報を登録するための装置である。
【0013】
薬剤登録装置20は、手術室に配置され、看護師によって手術中に使用された薬剤、あるいは救急の場などにおいて看護師や薬剤師等によって緊急的に使用された薬剤の登録支援を行うための装置である。本実施形態において、薬剤データ入力装置である薬剤登録装置20は、手術室に配置されるものであって、看護師によって手術中に使用された薬剤の登録支援に用いられることを想定する。また、薬剤登録装置20は、手術室に備えられているが、手術室には通信ネットワーク17が備えられていないために通信ネットワーク17に接続されていないことを想定する。
【0014】
薬剤登録装置20は、使用された薬剤について記載された使用品伝票D1を印字する。そして、医事用の情報処理端末装置18は、使用品伝票D1に印字されている、使用された薬剤についての情報を読み取ることができる。
【0015】
図2は、薬剤登録装置20の外観を示す正面図である。
図2に示すように、薬剤登録装置20は、大別すると、薬剤登録装置20の制御主体となる装置本体部24と、スキャナ22と、各種情報をプリントアウトするためのプリンタ23とを備えている。
【0016】
装置本体部24は、オペレータとなる看護師が各種操作を行うとともに、使用された薬剤のリスト等の各種情報を表示可能なタッチパネルディスプレイ21を備えている。
【0017】
スキャナ22は、カラーCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやカラーCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等のイメージセンサとLED(Light Emitting Diode)などの光源とを有している。スキャナ22は、看護師ID(IDentification)のコードシンボル、患者IDのコードシンボル、薬剤のコードシンボル、薬剤の画像などの撮像を行う。スキャナ22が所定のフレームレートで順次撮像したフレーム画像(撮像画像)は、後述するRAM(Random Access Memory)33(
図3参照)に保存される。
【0018】
なお、スキャナ22は、
図2に示すようなテーブル上に載置する形状に限るものではなく、床上に立設させるスタンド形状であってもよい。
【0019】
また、薬剤登録装置20は、薬剤の重量を測定する秤や、薬剤に付されたRFID(Radio Frequency IDentification)との間でデータの読取り/書込みを行うRFIDリーダライタ等を備えていてもよい。
【0020】
図3は、薬剤登録装置20のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3に示すように、薬剤登録装置20は、装置全体を制御するMPU(Micro Processing Unit)31と、ROM(Read Only Memory)32と、RAM33と、外部記憶装置34とを装置本体部24に備えている。ROM32は、制御プログラムを含む各種データを不揮発的に記憶する。RAM33は、ワークエリアとして機能するとともに、各種データを一時的に記憶する。外部記憶装置34は、データベース等の大容量データや制御プログラムを記憶可能なハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)によって構成されている。
【0021】
ここで、タッチパネルディスプレイ21、スキャナ22、プリンタ23及びスピーカ37は、入出力I/O39を介してバス40に接続されている。このバス40には、MPU31、ROM32、RAM33及び外部記憶装置34が接続されている。スピーカ37は、警告音を発する場合などに使用される。
【0022】
なお、タッチパネルディスプレイ21は、表示部であるディスプレイ35及びタッチパネル36を主体に構成されている。
【0023】
また、記憶部である外部記憶装置34は、薬剤マスタDB1と、使用薬剤記憶テーブルTとを備える。薬剤マスタDB1は、コード情報と、薬剤名称と、薬剤情報とを関連付けて記憶する。コード情報は、薬剤を識別するための識別子である。例えば、コード情報とは、バーコードに付されている番号である。
【0024】
薬剤情報とは、薬剤の情報である。薬剤情報とは、例えば、形状、製薬会社、成分、効能効果、用法用量、対象疾患名、剤形、禁忌薬剤などの情報ある。形状とは、アンプルやバイアルなどの容器の形状を示す。製薬会社とは、薬剤を製造した企業を示す。成分とは、薬剤の効力をもつ成分を示す。効能効果とは、薬剤を使用したことにより得られる効果を示す。用法用量とは、薬剤の使用方法を示す。対象疾患名とは、薬剤が治療の対象としている疾患名を示す。剤形とは、錠剤、散剤、カプセル、注射剤などの目的や用途により加工された薬剤の形状を示す。禁忌薬剤とは、併用すると危険をもたらす薬剤を示す。
【0025】
使用薬剤記憶テーブルTは、使用された薬剤の集計結果などを含む使用薬剤記憶情報を記憶する。ここで、
図4は、使用薬剤記憶テーブルTのデータ構成例を示す図である。使用薬剤記憶テーブルTは、大別すると、基本情報と、1以上の使用薬剤情報と、を有した使用薬剤記憶情報を記憶する。
【0026】
基本情報は、薬剤を使用した日時や場所や患者などの情報を含む。具体的には、基本情報は、出力日時と、処置日時と、発行場所と、作業者識別情報と、患者識別情報と、使用薬剤合計数と、を備える。出力日時は、使用薬剤記憶情報を出力した日時についての情報である。処置日時は、患者に薬剤を使用した日時についての情報である。発行場所は、使用薬剤記憶情報を発行した場所についての情報である。言い換えると、発行場所は、使用薬剤記憶情報を発行した薬剤登録装置20が設置されている場所についての情報である。なお、設置場所は、薬剤登録装置20を導入した際に、設定される情報である。作業者識別情報は、本情報を作成した作業者についての情報である。患者識別情報は、患者を識別する情報である。使用薬剤合計数は、患者に使用された薬剤の合計数についての情報である。
【0027】
使用薬剤情報は、薬剤識別情報と、使用本数と、定数と、を備える。薬剤識別情報は、使用された薬剤の識別情報である。使用本数は、薬剤識別情報を有している薬剤が使用された本数を示す情報である。定数は、薬剤識別情報を有している薬剤が処置場所に常備されている本数を示す情報である。
【0028】
このような構成により、薬剤登録装置20のMPU31は、ROM32や外部記憶装置34に記憶された制御プログラムに従って動作することで、使用された薬剤の登録支援を行う。
【0029】
次に、医事用の情報処理端末装置18について説明を行う。医事用の情報処理端末装置18は、一般的なパーソナルコンピュータにスキャナ58を備えたものである。
【0030】
図5は、医事用の情報処理端末装置18のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5に示すように、装置全体を制御するMPU51は、バス56を介して、ROM52と、RAM53と、外部記憶装置54と、入出力I/O55と接続されている。入出力I/O55は、ディスプレイ57と、スキャナ58と、キーボード59と、プリンタ60と、通信インタフェース61とが接続されている。ROM52は、制御プログラムを含む各種データを不揮発的に記憶する。RAM53は、ワークエリアとして機能するとともに、各種データを一時的に記憶する。外部記憶装置34は、データベース等の大容量データや制御プログラムを記憶可能なハードディスクドライブ、SSDによって構成されている。
【0031】
また、外部記憶装置54は、薬剤マスタDB2を備える。薬剤マスタDB2は、前述の薬剤マスタDB1と同様の内容を記憶している。通信インタフェース61は、通信ネットワーク17を介して電子カルテサーバ11や、薬剤部サーバ19や、薬剤登録装置20と通信することが可能である。そして、通信ネットワーク17は、インターネット等を介して健康保険組合の情報処理端末と通信することができてもよい。
【0032】
次に、実施形態にかかる薬剤登録装置20と、医事用の情報処理端末装置18とが有する特徴的な機能について説明する。
図6は、薬剤登録装置20と、医事用の情報処理端末装置18との機能構成を示すブロック図である。薬剤登録装置20のMPU31は、ROM32や外部記憶装置34に記憶された制御プログラムに従って動作することで、
図6に示すように、読取手段311と、識別手段312と、登録手段313と、表示制御手段314と、生成手段315と、印字制御手段316と、として機能する。医事用の情報処理端末装置18のMPU51は、ROM52や外部記憶装置54に記憶された制御プログラムに従って動作することで、
図6に示すように、読取手段511と、記憶手段512と、変換手段513と、印字制御手段514と、として機能する。
【0033】
まず、薬剤登録装置20が有している機能構成について説明を行う。
【0034】
読取手段311は、スキャナ22がスキャンした撮像画像から、薬剤の識別子を読み取る。具体的には、読取手段311は、使用される薬剤に付されたコードシンボルのコード情報または使用される薬剤の全部または一部の外面情報を読み取る。バーコードや二次元コードなどのコードシンボルからコード情報を検出する処理については、従来からある技術なのでここでの説明は省略する。
【0035】
識別手段312は、読取手段311による読み取り結果として得られた情報(コード情報または外面情報)に基づいて薬剤を識別して薬剤情報を抽出する。また、薬剤の外面情報に基づいて薬剤を識別する方法は、予めコード情報に対応付けて薬剤の外面情報をテーブルとして記憶しておき、外面情報に基づく薬剤の薬剤情報をテーブルから抽出するようにすればよい。
【0036】
登録手段313は、識別手段312で識別された薬剤を外部記憶装置34の使用薬剤記憶テーブルTに登録する。その際に、登録手段313は、識別手段312で識別された薬剤の使用に関する情報を使用薬剤記憶テーブルTに登録する。具体的には、登録手段313は、薬剤の使用に関する情報として使用本数などの情報を使用薬剤情報として使用薬剤記憶テーブルTに登録する。
【0037】
表示制御手段314は、使用薬剤記憶テーブルTに記憶された薬剤を表示部であるタッチパネルディスプレイ21に表示させる制御を行う。
【0038】
生成手段315は、登録手段313が使用薬剤記憶テーブルTに記憶した基本情報と、使用薬剤情報とをコード化したコードシンボルを生成する。コードシンボルとは、例えば、バーコードやQRコード(登録商標)などである。その際、生成手段315は、使用薬剤情報ごとにコードシンボルを生成する。
【0039】
また、生成手段315は、使用薬剤記憶テーブルTに記憶された情報をコード化する際に、基本情報と、使用薬剤情報とに分けてコードシンボルを生成する。これにより、基本情報と、使用薬剤情報とを一つのコードシンボルに印字する場合と比べて、情報量が少ないことからコードシンボルを小さくすることができる。よって、用紙を有効活用することが可能となる。
【0040】
また、生成手段315は、複数の使用薬剤情報から一つのコードシンボルを生成してもよい。これにより、オペレータは、コードシンボルを読み取らせる数が少なくなることから、作業負担が軽減される。
【0041】
印字制御手段316は、生成手段315によって生成されたコードシンボルを、印字部であるプリンタ23に所定の用紙に印字出力させる。また、印字制御手段316は、使用薬剤情報を表す文字列と、当該使用薬剤情報のコードシンボルとを対付けて印字出力する。これにより、オペレータ(看護師)は、コードシンボルが示している内容を把握することが可能となる。
【0042】
なお、生成手段315が複数の使用薬剤情報から一つのコードシンボルを生成した場合には、印字制御手段316は使用薬剤情報を表す文字列を印字しなくてもよい。
【0043】
次に、医事用の情報処理端末装置18が有している機能構成について説明を行う。
【0044】
読取手段511は、スキャナ58がスキャンしたコードシンボルから情報を読み取る。具体的には、読取手段511は、薬剤登録装置20のプリンタ23によって印字されたコードシンボルを読み取ることで、コードシンボルに記録されている基本情報と、使用薬剤情報とを読み取る。
【0045】
記憶手段512は、読取手段511が読み取った情報を外部記憶装置54に記憶させる。
【0046】
変換手段513は、記憶手段512が外部記憶装置54に記憶させた情報を請求に用いる形式に変換する。請求に用いる形式とは、例えば、請求書などの書面に印字するための形式や、請求する情報を電子データとして送信するための形式などである。
【0047】
印字制御手段514は、変換手段513が変換した情報を請求書や、記録用の書面としてプリンタ60に印字させる制御を行う。
【0048】
次に、上述した実施形態にかかる薬剤登録装置20のMPU31が制御プログラムに従って実行する使用薬剤登録処理について説明する。実施形態にかかる薬剤登録装置20は、使用された薬剤のコードシンボルや薬剤の画像などをスキャンし、薬剤登録処理を実行する。
【0049】
図7は、薬剤登録装置20のMPU31が制御プログラムに従って実行する使用薬剤登録処理の流れを示すフローチャートである。
図7に示すように、薬剤登録装置20のMPU31は、初期状態として、ディスプレイ35にログイン画面G1を表示する(ステップS11)。薬剤登録装置20の操作が許可されている各オペレータ(看護師)は、IDカードを有し、IDカードの認証により薬剤登録装置20の操作が可能になるものとする。
【0050】
図8は、ログイン画面G1の一例を示す説明図である。ログイン画面G1には、
図8に示すように、「IDカードを読み取らせてください。」というガイドコメントが表示される。また、ログイン画面G1は、IDカードに付されている看護師IDのコードシンボルをスキャナ22に読み込ませることを促すガイド画像を表示する。
【0051】
したがって、オペレータ(看護師)は、ログイン処理を行うために、自己のIDカードに付された看護師IDのコードシンボルをスキャナ22の前にかざして、看護師IDを読み込ませる。
【0052】
薬剤登録装置20のMPU31は、ログイン処理により看護師IDを認証すると(ステップS12;Yes)、ディスプレイ35の表示画面に患者登録画面G2を表示する(ステップS13)。なお、薬剤登録装置20のMPU31は、看護師IDが認証できない場合に(ステップS12;No)、ステップS11に戻り、ログイン画面G1を再度表示する。
【0053】
図9は、患者登録画面G2の一例を示す説明図である。患者登録画面G2には、
図9に示すように、「患者IDを読み取らせてください。」というガイドコメントが表示される。また、患者登録画面G2は、患者のリストバンドに付されている患者IDのコードシンボルをスキャナ22に読み込ませることを促すガイド画像を表示する。
【0054】
したがって、オペレータ(看護師)は、患者登録処理を行うために、患者のリストバンドに付されている患者IDのコードシンボルをスキャナ22の前にかざして、患者IDを読み込ませる。
【0055】
薬剤登録装置20のMPU31は、患者IDが登録できない場合に(ステップS14;No)、ステップS13に戻り、患者登録画面G2を再度表示する。一方、薬剤登録装置20のMPU31は、患者登録処理により患者IDを登録すると(ステップS14;Yes)、ディスプレイ35の表示画面に薬剤登録開始画面(不図示)を表示させる(ステップS15)。薬剤登録開始画面は、薬剤のコードシンボルの読み取らせ方を表示する画面である。
【0056】
したがって、オペレータ(看護師)は、薬剤登録処理を行うために、薬剤に付されているコードシンボルをスキャナ22の前にかざして、薬剤の識別情報を読み込ませる。
【0057】
薬剤登録装置20のMPU31は、薬剤の識別情報を検知するか否かを判定する(ステップS16)。薬剤の識別情報を検知しない場合に(ステップS16;No)、薬剤登録装置20のMPU31は、ステップS16に待機する。一方、薬剤の識別情報を検知した場合に(ステップS16;Yes)、薬剤登録装置20のMPU31は、読み取った薬剤の識別情報を使用薬剤記憶テーブルTに記憶する(ステップS17)。
【0058】
次いで、薬剤登録装置20のMPU31は、薬剤登録画面G3を表示する(ステップS18)。薬剤登録画面G3は、登録された薬剤の一覧を表示する画面である。ここで、
図10は、薬剤登録画面G3の一例を示す説明図である。薬剤登録画面G3は、大別すると、薬剤一覧表示領域R1と、印刷ボタンB1とを備える。
【0059】
薬剤一覧表示領域R1は、薬剤名表示領域R11と、数量表示領域R12と、合計点数表示領域R13とを備える。薬剤名表示領域R11は、薬剤名称を表示する領域である。数量表示領域R12は、薬剤名表示領域R11に登録された薬剤の数量を表示する領域である。合計点数表示領域R13は、登録された薬剤の合計数を表示する領域である。印刷ボタンB1は、使用薬剤記憶テーブルTに登録された薬剤の伝票を印刷する場合に押下するボタンである。
【0060】
次いで、薬剤登録装置20のMPU31は、印刷ボタンB1の押下を検知するか否かを判定する(ステップS19)。印刷ボタンB1の押下が検知されない場合に(ステップS19;No)、薬剤登録装置20のMPU31は、ステップS16に戻る。一方、印刷ボタンB1の押下を検知した場合に(ステップS19;Yes)、薬剤登録装置20のMPU31は、薬剤の使用品伝票D1を印刷する(ステップS20)。
【0061】
ここで、
図11は、薬剤の使用品伝票D1を示す正面図である。使用品伝票D1は、
図11に示すように、使用薬剤記憶テーブルTに登録された薬剤の一覧を印字した伝票である。使用品伝票D1は、大別すると、ヘッダ欄D11と、基本情報欄D12と、使用薬剤データ欄D13と、承認印欄D14とを備えている。ヘッダ欄D11は、伝票名称が印字される欄である。
【0062】
基本情報欄D12は、薬剤登録装置20に薬剤を読み取らせる際に設定された情報が印字される欄である。すなわち、基本情報欄D12は、使用薬剤記憶テーブルTに記憶された基本情報が印字される欄である。そして、基本情報欄D12は、出力日時と、処置日時と、発行場所と、作業者情報と、患者情報と、基本情報コードシンボルM1とが印字される。出力日時は、使用薬剤記憶情報を出力した日時が印字される。処置日時は、患者に薬剤を使用した日時が印字される。発行場所は、使用薬剤記憶情報を発行した薬剤登録装置20が設置されている場所が印字される。作業者情報は、薬剤登録を行った作業者氏名が印字される。すなわち、作業者情報は、使用薬剤記憶テーブルTに記憶された作業者識別情報に関連付けられている作業者氏名が印字される。患者情報は、患者の氏名、年齢および性別が印字される。すなわち、患者情報は、使用薬剤記憶テーブルTに記憶された患者識別情報に関連付けられている患者氏名、年齢および性別が印字される。基本情報コードシンボルM1は、使用薬剤記憶テーブルTに記憶された基本情報をコード化したコードシンボルを印字したものである。
【0063】
使用薬剤データ欄D13は、使用された薬剤に関する情報を印字する欄である。使用薬剤データ欄D13は、No列と、薬品名列と、単位列と、本数列と、定数列と、使用薬剤情報コードシンボルM2とが印字される。No列は、分類名と、項目Noとが印字される。分類名は、薬剤の分類の名称である。
図11は、常用薬剤と、アブレーションと、その他とが印字された状態を示している。項目Noは、薬剤種別ごとに付与される一連の番号であって、分類名が異なる場合であっても一連の番号が継続して付与される。
【0064】
薬品名列は、薬剤名と、薬剤のコード番号とが印字される列である。薬剤名には、薬剤の名称が印字される。薬剤のコード番号は、薬剤のコードシンボルに付されている番号である。
【0065】
使用薬剤情報コードシンボルM2は、使用薬剤記憶テーブルTに記憶された使用薬剤情報をコード化したコードシンボルを印字したものである。使用薬剤情報コードシンボルM2は、薬剤ごとに印字され、使用薬剤情報コードシンボルM2が示している使用薬剤情報の傍近に印字される。
図11は、使用薬剤情報コードシンボルM2が示している使用薬剤情報が文字にて印字されている左側に、対応する使用薬剤情報コードシンボルM2が印字されている。
【0066】
承認印欄D14は、承認印を捺印する欄が印字される領域である。
【0067】
なお、基本情報コードシンボルM1と、使用薬剤情報コードシンボルM2とを、別紙に印刷する形体としてもよい。例えば、コードシンボルは、医事用の情報処理端末装置18が読み取る専用の用紙にまとめて印字してもよい。
図12は、読取用の薬剤の使用品伝票D2を示す正面図である。読取用の使用品伝票D2は、ヘッダ領域D21と、基本情報領域D22と、使用薬剤情報領域D23とを備える。ヘッダ領域D21は、伝票名称が印字される欄である。読取用の薬剤の使用品伝票D2においては、
図12に示すように、読取用であることが印字される。基本情報領域D22は、基本情報コードシンボルM1が印字される欄である。使用薬剤情報領域D23は、複数の使用薬剤情報コードシンボルM2が印字される欄である。
【0068】
また、使用薬剤情報コードシンボルM2は、複数の使用薬剤情報をまとめて一つのコードシンボルにして印字されてもよい。この場合には、コードシンボルの印字面積を広くして、コードシンボルの1個あたりの情報量を増やしてもよい。または、iQRコード(登録商標)などの情報量の多いコードシンボルを採用してもよい。
【0069】
次に、上述した実施形態にかかる医事用の情報処理端末装置18のMPU51が制御プログラムに従って実行する請求データ生成処理について説明する。実施形態にかかる医事用の情報処理端末装置18は、薬剤の使用品伝票D1に印字されたコードシンボルをスキャンし使用された薬剤を登録することで、請求データ生成処理を実行する。
【0070】
図13は、医事用の情報処理端末装置18のMPU51が制御プログラムに従って実行する請求データ生成処理の流れを示すフローチャートである。
図13に示すように、医事用の情報処理端末装置18のMPU51は、薬剤の使用品伝票D1に印字された基本情報コードシンボルM1を読み取る(ステップS31)。
【0071】
次いで、医事用の情報処理端末装置18のMPU51は、薬剤の使用品伝票D1に印字された使用薬剤情報コードシンボルM2を読み取る(ステップS32)。次いで、医事用の情報処理端末装置18のMPU51は、全ての使用薬剤情報コードシンボルM2を読み取ったか否かを判定する(ステップS33)。具体的には、医事用の情報処理端末装置18のMPU51は、基本情報コードシンボルM1を読み取ることで得られた基本情報の使用薬剤合計数と、既に読み取った使用薬剤情報の数とを比較し、一致している場合に、全ての使用薬剤情報コードシンボルM2を読み取ったと判定する。
【0072】
全ての使用薬剤情報コードシンボルM2を読み取っていない場合に(ステップS33;;No)、医事用の情報処理端末装置18のMPU51は、ステップS32に戻る。一方、全ての使用薬剤情報コードシンボルM2を読み取った場合に(ステップS33;Yes)、医事用の情報処理端末装置18のMPU51は、読み取った薬剤記録情報を請求等に用いる形式に変換する(ステップS34)。
【0073】
次いで、医事用の情報処理端末装置18のMPU51は、請求等に用いる形式に変換された薬剤記録情報を用いて請求書の発行や送付などの会計処理を行う(ステップS35)。
【0074】
以上のように、本実施形態によれば、薬剤登録装置20は、使用された薬剤を識別する薬剤識別情報を読み取る読取手段311を備え、基本情報と、使用薬剤情報とを使用薬剤記憶テーブルTに記憶させる。生成手段315は、使用薬剤記憶テーブルTに記憶された使用薬剤情報をコード化したコードシンボルを生成する。そして、印字制御手段316は、生成されたコードシンボルを所定の用紙に印字出力する。医事用の情報処理端末装置18は、コードシンボルを読み取ることができるため、手入力で使用薬剤情報などを入力する必要が無い。よって、作業負担を減らすことが可能となる。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0076】
なお、上記実施形態では、基本情報と、使用薬剤情報とは、基本情報コードシンボルM1と、使用薬剤情報コードシンボルM2とに印字されると説明している。しかし、基本情報と、使用薬剤情報とは、同一のコードシンボルに印字してもよい。
【0077】
なお、上記実施形態では、医事用の情報処理端末装置18を用いてコードシンボルを読み取ると説明している。しかし、コードシンボルは、医事用の情報処理端末装置18以外の装置で読み取ってもよい。例えば、手術室以外の部屋には、通信ネットワークが備えられていると考えられる。よって、薬剤登録装置20で読み取り、他の装置へ送信するなどでもよい。
【0078】
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らず、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0079】
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよく、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。