(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
国土領域の複数の異なる地点に固定設置された複数の衛星測位信号受信アンテナのそれぞれが位置観測用衛星から受信した衛星測位信号を受信する衛星測位信号受信手段と、
所定時間平均の算出に用いる基準時刻と前記所定時間分の前記衛星測位信号とに基づいて前記衛星測位信号受信アンテナそれぞれの前記固定設置された位置における前記基準時刻を基準とした所定時間平均の座標を前記所定時間毎に算出するアンテナ位置算出部と、
前記地点それぞれのうち隣接すると判定される4地点を結ぶ各基線の辺により構成される四角形の閉領域が特定され、前記四角形の閉領域を特定できない前記地点については前記地点それぞれのうち隣接すると判定される3地点を結ぶ各基線の辺により構成される三角形の閉領域が特定された、当該四角形の閉領域と三角形の閉領域とが領域面で連なる基線網において、連続する前後の前記所定時間それぞれについて算出された前記所定時間平均の座標が基準閾値以上変動する前記閉領域を特定する特定部と、
特定された閉領域を他の閉領域と表示状態を変更して前記国土領域に前記基線網を重ねた表示情報を含む地盤解析結果を、通信ネットワーク網を介して接続された端末に対して所定間隔毎に送信する解析結果出力部と、
を備える地盤情報システム。
前記四角形の閉領域を特定し、前記四角形の閉領域を特定できない前記地点については当該地点を結ぶ三角形の閉領域を特定して前記基線網を地図上に重ねて表示する前記表示情報を生成する表示情報生成部と、を備え、
前記特定部は前記基線網を構成する前記四角形の閉領域については当該四角形を構成する対角の2地点を結ぶ線で当該四角形を分けた2つの三角形の領域に対する歪みを前記連続する前後の前記所定時間それぞれについて算出された前記所定時間平均の座標に基づいて算出し、前記三角形の閉領域については当該三角形の領域に対する歪みを前記連続する前後の前記所定時間それぞれについて算出された前記所定時間平均の座標に基づいて算出し、それら歪みの値と基準閾値とに基づいて歪を発生する閉領域を特定し、
前記解析結果出力部は、特定した閉領域を他の閉領域と表示状態を変更して前記国土領域に前記基線網を重ねた前記表示情報を含む地盤解析結果を出力する
請求項1に記載の地盤情報システム。
前記特定部は、前記基線網において、前記基線の端点にそれぞれ位置する前記衛星測位信号受信アンテナの前記連続する前後の前記所定時間それぞれについて算出された前記所定時間平均の座標が変動することにより前記基線の長さが基準閾値以上変化した基線を、当該基線を含む閉領域において特定し、
前記解析結果出力部は、特定された基線を他の基線と表示状態を変更して前記国土領域に前記基線網を重ねた前記表示情報を含む地盤解析結果を出力する
請求項1または請求項2に記載の地盤情報システム。
前記特定部は、前記四角形の2つの対角線を示す対角の基線を特定し、当該基線の端点にそれぞれ位置する前記衛星測位信号受信アンテナの前記連続する前後の前記所定時間それぞれについて算出された前記所定時間平均の座標が変動することにより当該基線の長さが基準閾値以上変化した基線を、当該基線を含む閉領域において特定する
請求項3に記載の地盤情報システム。
前記特定部は、前記基線網を構成する前記四角形と前記三角形のそれぞれの前記閉領域のうち前記連続する前後の前記所定時間それぞれについて算出された前記所定時間平均の座標が変動することに基づく基準閾値以上の面積変動を発生する閉領域を特定し、
前記解析結果出力部は、特定した閉領域を他の閉領域と表示状態を変更して前記国土領域に前記基線網を重ねた前記表示情報を含む地盤解析結果を出力する
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の地盤情報システム。
国土領域の複数の異なる地点に固定設置された複数の衛星測位信号受信アンテナのそれぞれが位置観測用衛星から受信した衛星測位信号を受信する衛星測位信号受信手段と、所定時間平均の算出に用いる基準時刻と前記所定時間分の前記衛星測位信号とに基づいて前記衛星測位信号受信アンテナそれぞれの前記固定設置された位置における前記基準時刻を基準とした所定時間平均の座標を前記所定時間毎に算出するアンテナ位置算出部と、を備えた座標計測装置から、前記衛星測位信号受信アンテナそれぞれの前記所定時間平均の座標を受信するアンテナ位置算出結果受信部と、
前記地点それぞれのうち隣接すると判定される4地点を結ぶ各基線の辺により構成される四角形の閉領域が特定され、前記四角形の閉領域を特定できない前記地点については前記地点それぞれのうち隣接すると判定される3地点を結ぶ各基線の辺により構成される三角形の閉領域が特定された、当該四角形の閉領域と三角形の閉領域とが領域面で連なる基線網において、連続する前後の前記所定時間それぞれについて算出された前記所定時間平均の座標が基準閾値以上変動する前記閉領域を特定する特定部と、
特定された閉領域を他の閉領域と表示状態を変更して前記国土領域に前記基線網を重ねた表示情報を含む地盤解析結果を、通信ネットワーク網を介して接続された端末に対して所定間隔毎に送信する解析結果出力部と、
を備える地盤解析装置。
前記四角形の閉領域を特定し、前記四角形の閉領域を特定できない前記地点については当該地点を結ぶ三角形の閉領域を特定して前記基線網を地図上に重ねて表示する前記表示情報を生成する表示情報生成部と、を備え、
前記特定部は前記基線網を構成する前記四角形の閉領域については当該四角形を構成する対角の2地点を結ぶ線で当該四角形を分けた2つの三角形の領域に対する歪みを前記連続する前後の前記所定時間それぞれについて算出された前記所定時間平均の座標に基づいて算出し、前記三角形の閉領域については当該三角形の領域に対する歪みを前記連続する前後の前記所定時間それぞれについて算出された前記所定時間平均の座標に基づいて算出し、それら歪みの値と基準閾値とに基づいて歪を発生する閉領域を特定し、
前記解析結果出力部は、特定した閉領域を他の閉領域と表示状態を変更して前記国土領域に前記基線網を重ねた前記表示情報を含む地盤解析結果を出力する
請求項6に記載の地盤解析装置。
国土領域の複数の異なる地点に固定設置された複数の衛星測位信号受信アンテナのそれぞれが位置観測用衛星から受信した衛星測位信号を受信する衛星測位信号受信手段と、所定時間平均の算出に用いる基準時刻と前記所定時間分の前記衛星測位信号とに基づいて前記衛星測位信号受信アンテナそれぞれの前記固定設置された位置における前記基準時刻を基準とした所定時間平均の座標を前記所定時間毎に算出するアンテナ位置算出部と、を備えた座標計測装置から、前記衛星測位信号受信アンテナそれぞれの前記所定時間平均の座標を受信し、
前記地点それぞれのうち隣接すると判定される4地点を結ぶ各基線の辺により構成される四角形の閉領域が特定され、前記四角形の閉領域を特定できない前記地点については前記地点それぞれのうち隣接すると判定される3地点を結ぶ各基線の辺により構成される三角形の閉領域が特定された、当該四角形の閉領域と三角形の閉領域とが領域面で連なる基線網において、連続する前後の前記所定時間それぞれについて算出された前記所定時間平均の座標が基準閾値以上変動する前記閉領域を特定し、
特定された閉領域を他の閉領域と表示状態を変更して前記国土領域に前記基線網を重ねた表示情報を含む地盤解析結果を、通信ネットワーク網を介して接続された端末に対して所定間隔毎に送信する
地盤情報処理方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1のような電子基準点の位置を追跡することで地盤の変動を検出することができるが、より有用性の高い装置が求められていた。
【0005】
そこでこの発明は、上述の課題を解決する地盤情報システム、
地盤解析装置、地盤情報処理方法、プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、地盤情報システムは、国土領域の複数の異なる地点に固定設置された複数の衛星測位信号受信アンテナのそれぞれが位置観測用衛星から受信した衛星測位信号を受信する衛星測位信号受信手段と、所定時間平均の算出に用いる基準時刻と前記所定時間分の前記衛星測位信号とに基づいて前記衛星測位信号受信アンテナそれぞれの前記固定設置された位置における前記基準時刻を基準とした所定時間平均の座標を前記所定時間毎に算出するアンテナ位置算出部と、前記地点それぞれのうち隣接すると判定される4地点を結ぶ各基線の辺により構成される四角形の閉領域
が特定され、前記四角形の閉領域を特定できない前記地点については前記地点それぞれのうち隣接すると判定される3地点を結ぶ各基線の辺により構成される三角形の閉領域
が特定された、当該四角形の閉領域と三角形の閉領域とが領域面で連なる基線網において、連続する前後の前記所定時間それぞれについて算出された前記所定時間平均の座標が基準閾値以上変動する前記閉領域を特定する特定部と、特定された閉領域を他の閉領域と表示状態を変更して前記国土領域に前記基線網を重ねた表示情報を含む地盤解析結果を、通信ネットワーク網を介して接続された端末に対して所定間隔毎に送信する解析結果出力部と、を備える。
【0007】
上述の地盤情報システム
は、前記四角形の閉領域を特定し、前記四角形の閉領域を特定できない前記地点については当該地点を結ぶ三角形の閉領域を特定して前記基線網を地図上に重ねて表示する前記表示情報を生成する表示情報生成部と、を備え、前記特定部は前記基線網を構成する前記四角形の閉領域については当該四角形を構成する対角の2地点を結ぶ線で当該四角形を分けた2つの三角形の領域に対する歪みを前記連続する前後の前記所定時間それぞれについて算出された前記所定時間平均の座標に基づいて算出し、前記三角形の閉領域については当該三角形の領域に対する歪みを前記連続する前後の前記所定時間それぞれについて算出された前記所定時間平均の座標に基づいて算出し、それら歪みの値と基準閾値とに基づいて歪を発生する閉領域を特定し、前記解析結果出力部は、特定した閉領域を他の閉領域と表示状態を変更して前記国土領域に前記基線網を重ねた前記表示情報を含む地盤解析結果を出力してもよい。
【0008】
また上述の地盤情報システムにおいて、前記特定部は、
前記基線網において、前記基線の端点にそれぞれ位置する前記衛星測位信号受信アンテナの前記連続する前後の前記所定時間それぞれについて算出された前記所定時間平均の座標が変動することにより前記基線の長さが基準閾値以上変化した基線を、当該基線を含む閉領域において特定し、前記解析結果出力部は、特定された基線を他の基線と表示状態を変更して前記国土領域に前記基線網を重ねた前記表示情報を含む地盤解析結果を出力してもよい。
【0009】
また上述の地盤情報システムにおいて、
前記特定部は、前記四角形の2つの対角線を示す対角の基線を特定し、当該基線の端点にそれぞれ位置する前記衛星測位信号受信アンテナの前記連続する前後の前記所定時間それぞれについて算出された前記所定時間平均の座標が変動することにより当該基線の長さが基準閾値以上変化した基線を、当該基線を含む閉領域において特定してもよい。
【0010】
また上述の地盤情報システム
において、前記特定部は、前記基線網を構成する前記四角形と前記三角形のそれぞれの前記閉領域のうち前記連続する前後の前記所定時間それぞれについて算出された前記所定時間平均の座標が変動することに基づく基準閾値以上の面積変動を発生する閉領域を特定し、前記解析結果出力部は、特定した閉領域を他の閉領域と表示状態を変更して前記国土領域に前記基線網を重ねた前記表示情報を含む地盤解析結果を出力してもよい。
【0011】
本発明の第2の態様によれば、地盤解析装置は、国土領域の複数の異なる地点に固定設置された複数の衛星測位信号受信アンテナのそれぞれが位置観測用衛星から受信した衛星測位信号を受信する衛星測位信号受信手段と、所定時間平均の算出に用いる基準時刻と前記所定時間分の前記衛星測位信号とに基づいて前記衛星測位信号受信アンテナそれぞれの前記固定設置された位置における前記基準時刻を基準とした所定時間平均の座標を前記所定時間毎に算出するアンテナ位置算出部と、を備えた座標計測装置から、前記衛星測位信号受信アンテナそれぞれの前記所定時間平均の座標を受信するアンテナ位置算出結果受信部と、前記地点それぞれのうち隣接すると判定される4地点を結ぶ各基線の辺により構成される四角形の閉領域
が特定され、前記四角形の閉領域を特定できない前記地点については前記地点それぞれのうち隣接すると判定される3地点を結ぶ各基線の辺により構成される三角形の閉領域
が特定された、当該四角形の閉領域と三角形の閉領域とが領域面で連なる基線網において、連続する前後の前記所定時間それぞれについて算出された前記所定時間平均の座標が基準閾値以上変動する前記閉領域を特定する特定部と、特定された閉領域を他の閉領域と表示状態を変更して前記国土領域に前記基線網を重ねた表示情報を含む地盤解析結果を、通信ネットワーク網を介して接続された端末に対して所定間隔毎に送信する解析結果出力部と、を備える。
上述の地盤解析装置は、前記四角形の閉領域を特定し、前記四角形の閉領域を特定できない前記地点については当該地点を結ぶ三角形の閉領域を特定して前記基線網を地図上に重ねて表示する前記表示情報を生成する表示情報生成部と、を備え、前記特定部は前記基線網を構成する前記四角形の閉領域については当該四角形を構成する対角の2地点を結ぶ線で当該四角形を分けた2つの三角形の領域に対する歪みを前記連続する前後の前記所定時間それぞれについて算出された前記所定時間平均の座標に基づいて算出し、前記三角形の閉領域については当該三角形の領域に対する歪みを前記連続する前後の前記所定時間それぞれについて算出された前記所定時間平均の座標に基づいて算出し、それら歪みの値と基準閾値とに基づいて歪を発生する閉領域を特定し、前記解析結果出力部は、特定した閉領域を他の閉領域と表示状態を変更して前記国土領域に前記基線網を重ねた前記表示情報を含む地盤解析結果を出力してもよい。
【0012】
本発明の第3の態様によれば、地盤情報処理方法は、国土領域の複数の異なる地点に固定設置された複数の衛星測位信号受信アンテナのそれぞれが位置観測用衛星から受信した衛星測位信号を受信する衛星測位信号受信手段と、所定時間平均の算出に用いる基準時刻と前記所定時間分の前記衛星測位信号とに基づいて前記衛星測位信号受信アンテナそれぞれの前記固定設置された位置における前記基準時刻を基準とした所定時間平均の座標を前記所定時間毎に算出するアンテナ位置算出部と、を備えた座標計測装置から、前記衛星測位信号受信アンテナそれぞれの前記所定時間平均の座標を受信し、前記地点それぞれのうち隣接すると判定される4地点を結ぶ各基線の辺により構成される四角形の閉領域
が特定され、前記四角形の閉領域を特定できない前記地点については前記地点それぞれのうち隣接すると判定される3地点を結ぶ各基線の辺により構成される三角形の閉領域
が特定された、当該四角形の閉領域と三角形の閉領域とが領域面で連なる基線網において、連続する前後の前記所定時間それぞれについて算出された前記所定時間平均の座標が基準閾値以上変動する前記閉領域を特定し、特定された閉領域を他の閉領域と表示状態を変更して前記国土領域に前記基線網を重ねた表示情報を含む地盤解析結果を、通信ネットワーク網を介して接続された端末に対して所定間隔毎に送信する。
【0013】
本発明の第4の態様によれば、プログラムは、地盤解析装置のコンピュータを、国土領域の複数の異なる地点に固定設置された複数の衛星測位信号受信アンテナのそれぞれが位置観測用衛星から受信した衛星測位信号を受信する衛星測位信号受信手段と、所定時間平均の算出に用いる基準時刻と前記所定時間分の前記衛星測位信号とに基づいて前記衛星測位信号受信アンテナそれぞれの前記固定設置された位置における前記基準時刻を基準とした所定時間平均の座標を前記所定時間毎に算出するアンテナ位置算出部と、を備えた座標計測装置から、前記衛星測位信号受信アンテナそれぞれの前記所定時間平均の座標を受信するアンテナ位置算出結果受信手段、前記地点それぞれのうち隣接すると判定される4地点を結ぶ各基線の辺により構成される四角形の閉領域
が特定され、前記四角形の閉領域を特定できない前記地点については前記地点それぞれのうち隣接すると判定される3地点を結ぶ各基線の辺により構成される三角形の閉領域
が特定された、当該四角形の閉領域と三角形の閉領域とが領域面で連なる基線網において、連続する前後の前記所定時間それぞれについて算出された前記所定時間平均の座標が基準閾値以上変動する前記閉領域を特定する特定手段、特定された閉領域を他の閉領域と表示状態を変更して前記国土領域に前記基線網を重ねた表示情報を含む地盤解析結果を、通信ネットワーク網を介して接続された端末に対して所定間隔毎に送信する解析結果出力手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、有用性の高い地盤の変動の情報を迅速に伝えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態による地盤解析装置を図面を参照して説明する。
図1は同実施形態による地盤情報システムの構成を示すブロック図である。この図において、符号1は地盤解析装置である。また2は座標計測装置である。また10は衛星測位信号受信アンテナである。また20は衛星測位信号受信装置である。
そして地盤情報システムにおいては、衛星測位信号受信アンテナ10が例えば日本全国(国土領域)の1200点余りの多数の地点に分散して固定設置されており、その衛星測位信号受信アンテナがGPS衛星から受信した衛星測位信号を衛星測位信号受信装置20が通信ネットワークを介して受信する。また、複数の座標計測装置2は通信ネットワークを介して衛星測位信号受信装置20と地盤解析装置1に接続されているものとする。座標計測装置2は、衛星測位信号受信装置20より、各衛星測位信号受信アンテナ10がGPS衛星から受信した衛星測位信号(GPSが発信する信号)を受信し、各衛星測位信号受信アンテナ10の固定設置された位置を検出する。そして、その算出された各衛星測位信号受信アンテナ10の位置に基づいて、特定の衛星測位信号受信アンテナ10の24時間平均の地心直交座標、24時間平均の楕円体高、24時間平均の水平移動量、24時間平均の地盤高変動量などの地盤変動を、座標計測装置2や地盤解析装置1が算出してよい。地盤解析装置1は、1つ又は複数座標計測装置2の各機能を含むものであってもよい。
【0017】
図2は座標計測装置および地盤解析装置の機能ブロック図である。
この図が示すように、地盤解析装置1は、通信処理部11、制御部12、アンテナ位置算出結果受信部13、地盤変動解析部14(特定部)、地盤変動結果出力部15(解析結果出力部)、データベース16、基準時刻通知部17を少なくとも備えている。通信処理部11は、通信ネットワークを介して情報を送受信する処理部である。制御部12は、地盤解析装置1の各処理部を制御する処理部である。アンテナ位置算出結果受信部13は、座標計測装置2よりアンテナ位置の算出結果の情報を受信する処理部である。地盤変動解析部14は、座標計測装置2より受信したアンテナ位置の算出結果の情報に基づいて、衛星測位信号受信アンテナ10の固定設置された位置に対応する地球重心を原点とした測地座標などにおける、当該固定設置された位置の地盤変動量を判定できる情報を算出する処理部である。地盤変動結果出力部15は、地盤変動解析部14の算出した情報に基づいて所定の間隔毎の24時間平均の地盤変動の情報を出力する処理部である。データベース16はアンテナ位置算出結果受信部13が受信したアンテナ位置の算出結果の情報や地盤変動解析部14が算出した情報等を記憶する。基準時刻通知部17は座標計測装置2が各衛星測位信号受信アンテナ10の固定設置された位置の地盤変動の24時間平均の情報を算出するための基準時刻を座標計測装置2へ通知する処理部である。
【0018】
また
図2で示すように、座標計測装置2は、通信処理部21、制御部22、衛星測位信号受信部23、アンテナ位置算出部24、アンテナ位置算出結果出力部25、データベース26を備えている。通信処理部21は衛星測位信号受信装置20や地盤解析装置1と通信を行う処理部である。制御部22は座標計測装置2の各処理部を制御する処理部である。衛星測位信号受信部23は衛星測位信号受信アンテナ10がGPS衛星から受信した衛星測位信号を、当該衛星測位信号受信アンテナ10から取りまとめて取得した衛星測位信号受信装置20を経由して受信する処理部である。アンテナ位置算出部24は衛星測位信号に基づいて、衛星測位信号受信アンテナ10それぞれの固定設置された位置を示す地心直交座標や楕円体高を算出する処理部である。アンテナ位置算出結果出力部25は、アンテナ位置算出部24の算出した情報を地盤解析装置1へ出力する処理部である。データベース26は、衛星測位信号受信アンテナ10の受信した衛星測位信号のデータや、衛星測位信号受信アンテナ10それぞれの固定設置された位置を示す地心直交座標や楕円体高等の情報を対応付けて記憶する記憶部である。
【0019】
本実施形態による地盤情報システムは、国土領域の複数の異なる地点に固定設置された複数の衛星測位信号受信アンテナ10それぞれが位置観測用衛星から受信した衛星測位信号を受信する。地盤情報システムは、衛星測位信号に基づいて衛星測位信号受信アンテナ10の座標を算出する。地盤情報システムは、上記地点それぞれのうち、隣接すると判定される3以上の各地点を結ぶ各基線により構成される閉領域が領域面で連なる基線網において、基準期間に基準閾値以上変動する閉領域を特定する。地盤情報システムは、特定した閉領域を他の閉領域と表示状態を変更して国土領域に基線網を重ねた表示情報を含む地盤解析結果(表示データ)を出力する。
このような処理により地盤情報システムは、有用性の高い地盤の変動の情報を学者、気象情報配信会社、測量企業、建設企業などの世間に迅速に伝える。
【0020】
地盤情報システムは、複数の座標計測装置2と地盤解析装置1とが通信ネットワークを介して接続されており、複数の座標計測装置2のそれぞれが、通信ネットワークに接続され複数の異なる地点に固定設置された複数の衛星測位信号受信アンテナ10のそれぞれが位置観測用衛星(GPS衛星)から受信した衛星測位信号を、通信ネットワークを介して受信し、地盤解析装置1より算出対象に係わる24時間平均の算出に用いる基準時刻を受信し、受信した24時間分の衛星測位信号と基準時刻とに基づいて、衛星測位信号受信アンテナ10それぞれの固定設置された位置における24時間平均の地心直交座標を算出する。地盤解析装置1が、複数の座標計測装置2それぞれに、算出対象に係わる24時間平均の算出に用いる基準時刻を所定の間隔ずらして通知し、所定の間隔毎に、異なる座標計測装置2から24時間平均の複数の衛星測位信号受信アンテナ10それぞれの地心直交座標を受信して、各衛星測位信号受信アンテナ10それぞれの固定設置された位置における所定の間隔毎の24時間平均の地心直交座標を示す地心直交座標変動結果を出力する処理を行う。
【0021】
地盤情報システムは、座標計測装置2のそれぞれが、算出した衛星測位信号受信アンテナ10それぞれの地心直交座標と基準時刻とに基づいて、衛星測位信号受信アンテナ10それぞれの固定設置された位置における所定の間隔毎の24時間平均の楕円体高を算出してもよい。この時地盤解析装置1は、衛星測位信号受信アンテナ10それぞれの固定設置された位置における所定の間隔毎の24時間平均の楕円体高を示す楕円体高変動結果を出力する処理を行う。
【0022】
地盤情報システムは、地盤解析装置1が、算出された衛星測位信号受信アンテナ10それぞれの所定の間隔毎の24時間平均の地心直交座標に基づいて、当該地心直交座標毎に対応する所定の間隔毎の24時間平均の水平移動量を算出してもよい。この時地盤解析装置1は、衛星測位信号受信アンテナ10それぞれの固定設置された位置における所定の間隔毎の前記24時間平均の水平移動量の算出結果を表示した水平移動量変動結果を出力する処理を行う。
【0023】
地盤情報システムは、地盤解析装置1が、衛星測位信号受信アンテナ10それぞれの固定設置された位置における所定の間隔毎の24時間平均の楕円体高に基づいて、衛星測位信号受信アンテナ10それぞれの固定設置された位置における所定の間隔毎の24時間平均の地盤高変動量を算出し、衛星測位信号受信アンテナ10それぞれの固定設置された位置における所定の間隔毎の24時間平均の地盤高変動量の算出結果を表示した地盤高変動量変動結果を出力する処理を行ってもよい。
そして地盤解析装置1は、このような処理により、観察者の所望の時間において、大きな災害が発生する箇所を緊急に判定するための出力結果を出力する処理を行う。
【0024】
図3は地盤解析装置の処理フローを示す図である。
図4は測地座標と楕円体高の算出概要を示す図である。
図5は楕円体高の説明図である。
図6は算出結果テーブルの例を示す図である。
次に
図3〜
図11を用いて地盤解析装置の処理の詳細について説明する。
衛星測位信号受信装置20は、通信ネットワークを介して日本全国の衛星測位信号受信アンテナ10から、当該衛星測位信号受信アンテナ10がGPS衛星から受信した衛星測位信号(地心直交座標を特定するための信号)を通信ネットワークを介して受信する。例えば、衛星測位信号受信アンテナ10は日本全国の1200地点に固定設置されており、衛星測位信号受信装置20は、30秒間隔で衛星測位信号受信アンテナ10から衛星測位信号を受信している。その衛星測位信号受信装置20が受信した衛星測位信号を、所定の時間毎(例えば10分毎)に座標計測装置2の衛星測位信号受信部23が受信する(ステップS101)。
【0025】
座標計測装置2のアンテナ位置算出部24は、受信した衛星測位信号のうち複数地点の衛星測位信号受信アンテナ10で受信された30秒間隔の24時間分の衛星測位信号を用いて、三角網による網平均計算を行う(ステップS102)。三角網とは、衛星測位信号受信アンテナ10の設置された複数の位置におけるある3点の三角形の頂点として互いに直線で結ぶことによって構成される三角形の集合体である。網平均計算とは、この三角形の頂点の位置を角条件や辺条件といった制約条件の下で最小二乗法を行うことによって位置データを確定する計算方法である。このような網平均計算については、例えば「最小二乗法の理論とその応用」(田島稔他著、東洋書店)等に詳述されている。
【0026】
このような計算をアンテナ位置算出部24で行うことによって、特定した複数地点の三角網を用いて、それら複数地点における衛星測位信号受信アンテナ10の地心直交座標(X,Y,Z)を衛星測位信号の受信時刻毎に算出する(ステップS103)。アンテナ位置算出部24は、他の各衛星測位信号受信アンテナ10の固定設置された位置についても同様にその地心直交座標(X,Y,Z)を衛星測位信号の受信時刻毎に順次算出する。この地心直交座標の算出処理は、衛星測位信号受信アンテナ10が日本全国に配置された1200地点を39グループに分け、それぞれのグループ毎の各衛星測位信号受信アンテナ10で受信された衛星測位信号を用いてグループ内の衛星測位信号受信アンテナ10の地心直交座標(X,Y,Z)を算出する処理を、グループ毎に順次を行うようにしてよい。地心直交座標の算出において、日本周辺(国土領域周辺)の国際測地基準点(IGS点;つくばTSKB、臼田USUD、北京BJFS、上海SHAO、台湾桃園TWTF、グアムGUAM)を用いて、IGS点を含む三角網により網平均計算を行って地心直交座標(X,Y,Z)を算出するようにしてよい。また更には、当該地心直交座標の算出にあたり、日本周辺に限らず、全世界のIGS点のうちの複数を用いて、それらIGS点を含む三角網により網平均計算を行って地心直交座標(X,Y,Z)を算出するようにしてよい。アンテナ位置算出部24は各衛星測位信号受信アンテナ10の地心直交座標(X,Y,Z)を、対応する衛星測位信号受信アンテナ10のIDと、その衛星測位信号受信アンテナ10から衛星測位信号を受信した時刻と、に対応付けてデータベースへ登録する(ステップS104)。
【0027】
アンテナ位置算出部24は、各衛星測位信号受信アンテナ10の地心直交座標(X,Y,Z)を算出すると、各衛星測位信号受信アンテナ10の楕円体高を衛星測位信号の受信時刻毎に算出する(ステップS105)。
図4、
図5で示すように楕円体高は、地心直交座標(X,Y,Z)と地球重心とを結ぶ直線の距離から、当該直線が地球楕円体に交わる点と地球重心とを結ぶ直線の距離を減じた値により算出できる。なお、地球重心や、地心直交座標(X,Y,Z)と地球重心とを結ぶ直線が地球楕円体に交わる点と地球重心とを結ぶ直線の距離は既知の値であるとする。アンテナ位置算出部24は、各衛星測位信号受信アンテナ10の地心直交座標(X,Y,Z)における楕円体高を、対応する衛星測位信号受信アンテナ10のID、その衛星測位信号受信アンテナ10から衛星測位信号を受信した時刻と、に対応付けてデータベースへ登録する(ステップS106)。
アンテナ位置算出部24は、所定の間隔毎に受信した衛星測位信号に基づいて、各衛星測位信号受信アンテナ10の固定設置された位置における、所定の間隔毎の地心直交座標(X,Y,Z)と楕円体高の値を衛星測位信号の受信時刻毎に算出し続ける。アンテナ位置算出部24は、衛星測位信号の受信時刻毎でなくとも、24時間より短い所定の時刻間隔毎に、各衛星測位信号受信アンテナ10の地心直交座標(X,Y,Z)と楕円体高の値を算出するようにしてよい。
【0028】
各座標計測装置2は、予め地盤解析装置1の基準時刻通知部17より、地心直交座標の24時間平均と、楕円体高の24時間平均を算出するための基準時刻の通知を受けている。例えば
図1で示す各座標計測装置2が2A,2B,2C,…,2Hの8つの座標計測装置であるとすると、座標計測装置2Aに対しては基準時刻は9時、座標計測装置2Bに対しては基準時刻は12時、座標計測装置2Cに対しては基準時刻は15時、座標計測装置2Dに対しては基準時刻は18時、・・・、座標計測装置2Hに対しては基準時刻は6時、と3時間ずつずらした基準時刻を、地盤解析装置1は座標計測装置2A〜2Hのそれぞれへ通知する。各座標計測装置2のアンテナ位置算出部24は、通知を受けた基準時刻に時刻計測処理部のタイマが達したことを検出し、上述の処理により算出した地心直交座標および楕円体高のうち、前日の基準時刻から当日の基準時刻の前に算出された所定の時間毎(10分毎)の情報をデータベース26から読み取り、それら読み取った地心直交座標および楕円体高の24時間平均を算出し、データベース26に算出対象の衛星測位信号受信アンテナ10のアンテナIDと地心直交座標および楕円体高の24時間平均を対応付けて登録する。各座標計測装置2のアンテナ位置算出結果出力部25は、地盤解析装置1からの要求に基づいて、所定の間隔毎の各衛星測位信号受信アンテナ10における地心直交座標と楕円体高の24時間平均を送信する。
【0029】
地盤解析装置1は、ある地域における地盤変動を解析するために、管理者の入力などにより受け付けた情報等に基づいて、解析対象となる地域に位置する衛星測位信号受信アンテナ10のアンテナIDを格納したアンテナ位置要求情報を各座標計測装置2へ送信する。各座標計測装置2はアンテナ位置要求情報の受信に基づいて、アンテナIDに対応付けられてデータベース26に登録されている地心直交座標と楕円体高の24時間平均を地盤解析装置1へ送信する。地盤解析装置1は、アンテナ位置要求情報に時間範囲指定の情報を格納することにより、当該時間範囲指定した時間帯に算出された24時間平均の地心直交座標と楕円体高を座標計測装置2から受信するようにしてもよい。そして、これにより、地盤解析装置1は、例えば時間範囲指定の情報が9時00分から次の日の8時59分までの24時間平均の地心直交座標と楕円体高のデータを座標計測装置2Aから受信し、12時00分から次の日の11時59分までの24時間平均の地心直交座標と楕円体高のデータを座標計測装置2Bから受信し、15時00分から次の日の14時59分までの24時間平均の地心直交座標と楕円体高のデータを座標計測装置2Cから受信し、同様に基準時刻を基準とした24時間平均の地心直交座標と楕円体高のデータを座標計測装置2D〜2Hから受信する。
【0030】
地盤解析装置1の地盤変動解析部14は、各座標計測装置2からそれぞれ別々に受信した所定の間隔(基準時刻のずれである3時間)毎の24時間平均の地心直交座標(X,Y,Z)の受信に基づいて、その所定の間隔毎(3時間毎)の地心直交座標(X,Y,Z)のずれによる各衛星測位信号受信アンテナ10の水平移動量の24時間平均を算出する(ステップS107)。地盤変動解析部14はその所定の間隔毎の水平移動量の24時間平均と、その水平移動量の算出対象である衛星測位信号受信アンテナ10のIDと、その水平移動量の24時間平均の算出に用いた地心直交座標の24時間平均と、その地心直交座標を受信した時刻と、を対応付けてデータベース16へ登録する(ステップS108)。24時間平均の水平移動量は、衛星測位信号受信アンテナ10の地心直交座標の24時間平均を(X1,Y1,Z1)、その時刻より所定の間隔の時間後の同じ衛星測位信号受信アンテナ10の地心直交座標の24時間平均を(X2,Y2,Z2)とすると、(X2−X1,Y2−Y1)である。
【0031】
地盤変動解析部14は、各座標計測装置2から受信した所定の間隔毎の24時間平均の楕円体高の受信に基づいて、その所定の間隔毎(本実施形態においては3時間毎)の楕円体高のずれによる各衛星測位信号受信アンテナ10の地盤高変動量の24時間平均を算出する(ステップS109)。地盤変動解析部14は、その所定の間隔毎の地盤高変動量の24時間平均と、その地盤高変動量の算出対象である衛星測位信号受信アンテナ10のIDと、その地盤高変動量の24時間平均の算出に用いた楕円体高の24時間平均と、その楕円体高を受信した時刻と、を対応付けてデータベース16へ登録する(ステップS110)。24時間平均の地盤高変動量は、ある時刻における衛星測位信号受信アンテナ10の楕円体高の24時間平均を(D1)、その時刻より所定の間隔の時間後の同じ衛星測位信号受信アンテナ10の楕円体高の24時間平均を(D2)とすると、(D2−D1)である。なお上記では地盤変動解析部14が、所定の間隔(基準時刻のずれである3時間)毎の24時間平均の地心直交座標(X,Y,Z)を受信することについて記載したが、所定の間隔を24時間として、24時間毎に受信するようにしてもよい。この場合は地盤変動解析部14は、24時間の間隔毎の、地心直交座標の24時間平均と、地盤高変動量の24時間平均と、その地盤高変動量の算出対象である衛星測位信号受信アンテナ10のIDと、その地盤高変動量の24時間平均の算出に用いた楕円体高の24時間平均と、その楕円体高を受信した時刻と、を対応付けてデータベース16へ登録することとなる。
【0032】
図6で示す算出結果テーブルは、衛星測位信号受信アンテナ10それぞれについて、所定の間隔である3時間毎に上述の処理により算出された地心直交座標、楕円体高、水平移動量、地盤高変動量を記憶するデータテーブルである。
図6においては、アンテナID「00001」となる衛星測位信号受信アンテナ10の固定設置された位置の2008年1月1日12時00分(200801011200)において、地心直交座標の24時間平均は(X1,Y1,Z1)、楕円体高の24時間平均は(D1)、水平移動量の24時間平均は(値無し)、地盤高変動量の24時間平均は(値無し)であり、またその衛星測位信号受信アンテナ10の固定設置された位置の2008年1月1日15時00分(200801011500)において、地心直交座標の24時間平均は(X2,Y2,Z2)、楕円体高の24時間平均は(D2)、水平移動量の24時間平均は(X2−X1,Y2−Y1)、地盤高変動量の24時間平均は(D2−D1)であり、またその衛星測位信号受信アンテナ10の固定設置された位置の2008年1月1日18時00分(200801011800)において、地心直交座標の24時間平均は(X3,Y3,Z3)、楕円体高の24時間平均は(D3)、水平移動量の24時間平均は(X3−X2,Y3−Y2)、地盤高変動量の24時間平均は(D3−D2)であることを示している。
【0033】
地盤変動解析部14は、1つの衛星測位信号受信アンテナ10について最も新しく算出された地心直交座標の24時間平均をデータベース16から取得する。この地心直交座標の24時間平均を第1の地心直交座標と呼ぶ。地盤変動解析部14は、同じ衛星測位信号受信アンテナ10について最も新しく算出された地心直交座標の24時間平均の1日前(24時間前)に算出された地心直交座標の24時間平均をデータベース16から取得する。この地心直交座標の24時間平均を第2の地心直交座標と呼ぶ。地盤変動解析部14は第1の地心直交座標と、第2の地心直交座標との距離を算出する。地盤変動解析部14は、第1の地心直交座標と、第2の地心直交座標との差が基準閾値以上であるかを判定する。基準閾値としては例えば3cmを想定する。
【0034】
第1の地心直交座標と、第2の地心直交座標との差が基準閾値以上である場合には、第1の地心直交座標と、第2の地心直交座標との差が24時間で3cm以上変動したことを示している。地盤変動解析部14は、第1の地心直交座標と、第2の地心直交座標との差が基準閾値以上である場合には、その第1の地心直交座標の位置の衛星測位信号受信アンテナ10と、第2の地心直交座標の位置の衛星測位信号受信アンテナ10とを端点として結ばれる基線を特定する。この基線の特定は、基準期間に基準閾値以上変動する閉領域を特定することの一態様である。地盤変動解析部14はさらに、特定した基線が基準閾値以上長く変動(伸長)したのか、または短く変動(収縮)したのかを判定する。地盤変動解析部14は、特定した基線の識別情報と、その基線が基準閾値以上長く変動したのか、または短く変動したのかを示す変動識別情報とを、データベース16に記録する。
【0035】
データベース16は、衛星測位信号受信アンテナ10の位置を示す複数の地点それぞれのうち隣接すると判定される3点以上の各地点の頂点を環状に結ぶことによって構成される閉領域の識別情報と、その閉領域を構成する基線の識別情報と、基線の変動識別情報とを対応付けて保持した解析結果テーブルを記憶している。閉領域を構成する各地点や基線は予め定められていてよいし、任意に決定されてもよい。3点の各地点を環状に結ぶ閉領域である場合にはその閉領域は三角形を示し、4点の各地点を環状に結ぶ閉領域である場合にはその閉領域は四角形を示す。本実施形態の地盤解析装置1は、各地点を環状に結ぶ四角形の閉領域を、国土領域に設置される衛星測位信号受信アンテナ10の各地点を用いて特定し、その閉領域の識別情報を主に解析結果テーブルに記憶する。地盤解析装置1は衛星測位信号受信アンテナ10の各地点を環状に結ぶ四角形の閉領域が構成できない場合には三角形の閉領域を特定し、その閉領域の識別情報を解析結果テーブルに記憶する。地盤変動解析部14は全ての閉領域を構成する各基線について、基準期間(24時間)に基準閾値(3cm)以上長さが変動したかを判定する(ステップS111)。地盤変動解析部14は、その処理結果により特定した基線の識別情報と変動識別情報とを解析結果テーブルに記録していく。
【0036】
地盤変動結果出力部15は、データベース16に記録されている解析結果テーブルから基線の変動識別情報が保持されている基線の識別情報と、その基線に対応付けられている変動識別情報とを読み取る。地盤変動結果出力部15は、国土領域配置された衛星測位信号受信アンテナ10の地点間を結ぶ四角形または三角形の閉領域が領土面全域に連なる基線網を、国土領域の地図上に重ねて表示するための表示データを生成する(ステップS112)。地盤変動結果出力部15は、表示データの生成の際に、基線の識別情報と基線の変動識別情報とに基づいて基線の表示態様を変更する。例えば地盤変動結果出力部15は、基線の変動識別情報が、基準閾値以上長く変動したことを示す場合には、その基線の色を赤に変更する。また地盤変動結果出力部15は、基線の変動識別情報が、基準閾値以上短く変動したことを示す場合には、その基線の色を青に変更する。地盤変動結果出力部15は、生成した表示データをインターネットなどの通信網を介して接続された端末へ送信する(ステップS113)。送信先の端末は、学者、気象情報配信会社、測量企業、建設企業、自治体が保有する端末であってよい。送信先の端末は、個人が携帯する携帯端末であってもよい。送信先の端末はSNS(Social Networking Service)の情報を配信する、インターネットに接続されたコンピュータサーバであってもよい。
【0037】
地盤変動解析部14は、基準期間に基準閾値以上変動する閉領域を特定することの一態様として、閉領域の面積の変化率を用いて特定してもよい。
この場合、地盤変動解析部14は、1つの閉領域を構成する衛星測位信号受信アンテナ10の各地点について最も新しく算出された地心直交座標の24時間平均をデータベース16から取得する。地盤変動解析部14はそれら各地点の地心直交座標の24時間平均から閉領域の面積を算出する。この面積を第1の面積と呼ぶ。
地盤変動解析部14は、同一の1つの閉領域を構成する衛星測位信号受信アンテナ10の各地点について最も新しく算出された地心直交座標の24時間平均の1日前(24時間前)に算出された地心直交座標の24時間平均をデータベース16から取得する。地盤変動解析部14はそれら各地点の地心直交座標の24時間平均から1日前の閉領域の面積を算出する。この面積を第2の面積と呼ぶ。
地盤変動解析部14は、第1の面積から第2の面積への変化率を算出する。地盤変動解析部14は、第1の面積から第2の面積への変化率が基準閾値以上であるかを判定する。基準閾値としては例えば3パーミル(‰)を想定する。
【0038】
第1の面積から第2の面積への変化率が基準閾値以上である場合には、第1の面積から第2の面積への変化率が24時間で3‰以上変化したことを示している。地盤変動解析部14は、第1の面積から第2の面積への変化率が基準閾値以上である場合には、その第1および第2の面積を算出した閉領域を特定する。この閉領域の特定は、基準期間に基準閾値以上変動する閉領域を特定することの一態様である。地盤変動解析部14はさらに、特定した閉領域が基準閾値以上大きく変動(拡大)したのか、または小さく変動(縮小)したのかを判定する。地盤変動解析部14は、特定した閉領域の識別情報と、その閉領域が基準閾値以上拡大したのか、または縮小したのかを示す変動識別情報とを、データベース16に記録する。
【0039】
データベース16の保持する解析結果テーブルは、閉領域の識別情報と、その閉領域についての変動識別情報とを記憶する。地盤変動解析部14は全ての閉領域について、基準期間(24時間)に基準閾値(3‰)以上大きさが変動したかを判定する。地盤変動解析部14は、その処理結果により特定した閉領域の識別情報と変動識別情報とを解析結果テーブルに記録していく。
【0040】
地盤変動結果出力部15は、データベース16に記録されている解析結果テーブルから閉領域についての変動識別情報が保持されている閉領域と、その変動識別情報とを読み取る。地盤変動結果出力部15は、国土領域配置された地点間を結ぶ四角形または三角形の閉領域が領土面全域に連なる基線網を国土領域の地図上に重ねて表示するための表示データを生成する。地盤変動結果出力部15は、表示データの生成の際に、閉領域の識別情報と、閉領域の変動識別情報とに基づいて閉領域の表示態様を変更する。例えば地盤変動結果出力部15は、閉領域の変動識別情報が、基準閾値以上変化したことを示す場合には、その閉領域に色を付けて変更する。地盤変動結果出力部15は、閉領域の変動識別情報に基づいて変化が拡大か収縮かを判定し、拡大か縮小かに応じて異なる色を付けて変更するようにしてもよい。地盤変動結果出力部15は、生成した表示データをインターネットなどの通信網を介して接続された端末へ送信する。
【0041】
図7は閉領域のひずみに算出する算出式に用いるパラメータを説明する図である。
地盤変動解析部14は、基準期間に基準閾値以上変動する閉領域を特定することの一態様として、閉領域のひずみ(歪)を用いて特定してもよい。
この場合、地盤変動解析部14は、1つの閉領域を構成する衛星測位信号受信アンテナ10の各地点について最も新しく算出された地心直交座標の24時間平均をデータベース16から取得する。地盤変動解析部14はそれら各地点の地心直交座標から閉領域を構成する三角形領域を特定する。例えば閉領域が四角形領域であれば、対角の2つの地点を結ぶことにより2つの三角形領域を特定することができる。
【0042】
地盤変動解析部14は特定した三角形領域の各地点について最も新しく算出された地心直交座標の24時間平均の1日前(24時間前)に算出された地心直交座標の24時間平均をデータベース16から取得する。そして地盤変動解析部14は特定した三角形領域の頂点である各地点について算出された地心直交座標の24時間平均と、その1日前の地心直交座標の24時間平均とを用いて、三角形領域のある頂点を端点とする一辺(基線)の変動量成分である、(1)x軸方向の伸縮量、(2)x軸のy方向への変位量、(3)y軸方向の伸縮量、(4)y軸のx方向への変位量を算出する。
【0043】
ここでx軸方向の伸縮量(−ε
xxδx)は、特定した三角形領域において設定した頂点を原点として南北方向をx軸、東西方向をy軸と仮定し、24時間後の三角形領域の同一頂点を原点としたときの、当該頂点を基準とする2つの辺のうちのx軸との成す角度が小さい辺のx軸方向の伸縮量を示す。δxは特定した三角形領域においてx軸との成す角度が小さい辺の元の長さである。
またy軸方向の伸縮量(−ε
yyδy)は、三角形領域における上記と同じ頂点を原点とした同様のx軸、y軸を仮定し、24時間後の三角形領域の同一頂点を原点としたときの、当該頂点を基準とする2つの辺のうちのy軸との成す角度が小さい辺のy軸方向の伸縮量を示す。δyは特定した三角形領域においてy軸との成す角度が小さい辺の元の長さである。
【0044】
またx軸のy方向への変位量(−(ε
xy+ω
z)δx)は、三角形領域の原点を一端として伸び、x軸との成す角度が小さい辺における他端の頂点がy軸方向の変位した量を示している。
またy軸のx方向への変位量(−(ω
z−ε
xy)δy)は、三角形領域の原点を一端として伸び、y軸との成す角度が小さい辺における他端の頂点がy軸方向の変位した量を示している。
【0045】
これら、(1)x軸方向の伸縮量、(2)x軸のy方向への変位量、(3)y軸方向の伸縮量、(4)y軸のx方向への変位量を用いて、特定した三角形領域において設定した頂点を端点とする一辺(基線)の変動量成分を表す式を以下の式(1)、式(2)に示す。
【0048】
また式(1)、式(2)より、24時間後の三角形領域のある設定した頂点を端点とする一辺(基線)の変動量が十分小さいと認定される場合には、その一辺(基線)の変位量成分を、式(3),式(4)で表すことができる。
【0051】
上記式において、ω
zは回転を示しており、
【0055】
で表される。
そして、当該一辺をL
1と表すと、当該辺L
1の伸び率(dL
1/L
1)を、式(8)で表すことができる。また同様に特定した三角形領域の残りの2つの辺をL
2,L
3と呼ぶとする。すると、辺L
2の伸び率(dL
2/L
2)とL
3の伸び率(dL
3/L
3)を、式(9),式(10)で表すことができる。なお各式においてθ
1,θ
2,θ
3は、変動前の三角形領域における各辺L
1,L
2,L
3がx軸と成す角度を示している(
図7参照)。
【0059】
地盤変動解析部14は式(5)、式(6)、式(7)を連立方程式で解くことにより、ひずみ成分ε
xx,ε
yyを算出する。なお、上記式のそれぞれや、ひずみの計算手法については公知の技術であり、例えば、「Turcotte, D.L. and G.Schubelt, Geodynamics - Application of Continuous Physics to Geological Problems, Second Edition CAMBRIDGE UNIVERSITY PRESS ,September 2013,p154-p167」に記載されている手法を用いてよい。
【0060】
地盤変動解析部14はひずみ成分ε
xx,ε
yyの合計値(dilatation(面積ひずみ))を算出し、当該合計値が基準閾値以上である場合には、その三角形領域を含む閉領域において24時間でひずみが発生したと判定し、その閉領域を特定する。この閉領域の特定は、基準期間に基準閾値以上のひずみが発生した閉領域を特定することの一態様である。地盤変動解析部14はさらに、特定した閉領域に基準閾値以上大きなひずみが発生したのか、または小さなひずみが発生したのかを判定してもよい。地盤変動解析部14は、特定した閉領域の識別情報と、その閉領域に基準閾値以上の大きなひずみが発生したのか、または小さなひずみが発生したのかを示す変動識別情報とを、データベース16に記録してもよい。
【0061】
データベース16の保持する解析結果テーブルは、閉領域の識別情報と、その閉領域についての変動識別情報とを記憶する。地盤変動解析部14は全ての閉領域について、基準期間に基準閾値以上のひずみが発生したかを判定する。地盤変動解析部14は、その処理結果により特定した閉領域の識別情報と変動識別情報とを解析結果テーブルに記録していく。
【0062】
地盤変動結果出力部15は、データベース16に記録されている解析結果テーブルから閉領域についての変動識別情報が保持されている閉領域と、その変動識別情報とを読み取る。地盤変動結果出力部15は、国土領域配置された地点間を結ぶ四角形または三角形の閉領域が領土面全域に連なる基線網を国土領域の地図上に重ねて表示するための表示データを生成する。地盤変動結果出力部15は、表示データの生成の際に、閉領域の識別情報と、閉領域の変動識別情報とに基づいて閉領域の表示態様を変更する。例えば地盤変動結果出力部15は、閉領域の変動識別情報が、基準閾値以上のひずみ発生を示す場合には、その閉領域に色を付けて変更する。地盤変動結果出力部15は、生成した表示データをインターネットなどの通信網を介して接続された端末へ送信する。
【0063】
上述の例では、基線の長さの、閉領域の面積、閉領域のひずみ、のそれぞれの変化率が基準時間に基準閾値以上変動した場合の例について説明したが、何れか一つまたは複数の変化によって閉領域の表示態様を変化させてよい。なお地盤解析装置1は、閉領域が4地点以上を結ぶ基線により構成される閉領域である場合には、当該閉領域を三角形領域に区分けして、当該三角形領域が基準期間に基準閾値以上変動するかを判定するようにしてよい。
【0064】
図8は基線網を示す図である。
地盤解析装置1は、
図8で示すような、国土領域配置された地点間を結ぶ四角形または三角形の閉領域が領土面全域に連なる基線網を、国土領域の地図上に重ねた画像を出力することができる。地盤解析装置1は
図7で示す画像において、特定された基線の表示態様を変更した画像を示す表示データを送信する。
【0065】
図9は表示データの一例を示す第一の図である。
図9中A1,A2,A3,A4,A5,B1,B2は基準期間(24時間)に基準閾値(3cm)以上長さが変動した基線を示している。基線A1,A2,A3,A4,A5は基準期間(24時間)に基準閾値(3cm)以上長さが伸長した基線を示している。基線B1,B2は基準期間(24時間)に基準閾値(3cm)以上長さが収縮した基線を示している。また閉領域S1,S2はそれぞれ基準期間に基準閾値以上面積が変化した閉領域を示している。なお閉領域や基線の表示の態様はどのようなものであってもよい。例えば変化のあった閉領域にマークや番号を表示して変化のあった閉領域を判定者が判定できるようにしてもよい。閉領域S1,S2はひずみが閾値以上の閉領域として表示するようにしてもよい。
【0066】
図10は表示データの一例を示す第二の図である。
図10で示す表示データのように、地盤解析装置1は、閉領域が示す四角形の対角線の基線(A6,B3)が、基準期間に基準閾値以上変化した場合に、その基線を特定して表示データにおいて表示するようにしてもよい。
【0067】
以上の地盤解析装置1の処理によれば、通信ネットワークを介して日本全国に固定設置された多くの衛星測位信号受信アンテナ10からの衛星測位信号を座標計測装置2が受信し、そのデータに基づいて、特定の衛星測位信号受信アンテナ10の24時間平均の地心直交座標を、座標計測装置2や地盤解析装置1が即時に算出することができる。そしてそのように算出した地心直交座標に基づいて、基準期間に基準閾値以上変化した閉領域を、通信ネットワークを介して接続された端末等に出力できる。これにより、地盤変動の大きい国土領域の特定位置が明らかに迅速に分かるように観察者に通知することができ、大きな災害等が発生する箇所を緊急に判定することができるようになる。これにより、有用性の高い地盤の変動の情報を迅速に伝えることができる。
【0068】
地盤解析装置1は国土領域において任意に与えられた3点以上の座標に基づいて新たな閉領域を特定し、その閉領域が基準期間に基準閾値以上変化したかを判定して、その閉領域についての上述のような表示データを生成するようにしてもよい。この場合、地盤解析装置1は、任意に与えられた3点の座標の変動を、その周りの幾つかの衛星測位信号受信アンテナ10の24時間平均の地心直交座標と、それらの地点の移動速度と、四次元統合網平均計算式を用いて算出する。
【0069】
地盤変動解析部14の処理により各衛星測位信号受信アンテナ10についての所定の間隔毎の地心直交座標の24時間平均、楕円体高の24時間平均、水平移動量の24時間平均、地盤高変動量の24時間平均の算出結果が算出結果テーブルに蓄積された後、例えば、地盤変動結果出力部15は、それら地心直交座標の24時間平均、楕円体高の24時間平均、水平移動量の24時間平均、地盤高変動量の24時間平均の、所定の間隔毎(本実施形態においては3時間毎)の結果を他の端末に送信、モニタに出力、またはプリント印刷するようにしてもよい。
【0070】
図11は楕円体高の地盤変動解析結果の出力例を示す図である。
この図が示すように地盤変動結果出力部15は、上述の処理により算出した24時間平均の衛星測位信号受信アンテナ10(ID=00001)の楕円体高を、所定の間隔毎に算出し、それらをグラフに表した出力結果をモニタ等に出力するようにしてもよい。
図11で示すような24時間平均の楕円体高等の地盤変動を表示することにより、地震後などに地盤変動の周期的な変化が収まらないような場合にも正確な地盤変動量を出力することが可能となり、その所定の間隔における変動量の大きさにより、災害が発生するか否かの判定に用いることができる。
【0071】
また、同様に、地盤変動の出力の指示入力、またはプログラムによる地盤変動の出力処理の開始時刻の検出に基づいて、地盤変動結果出力部15は、特定の衛星測位信号受信アンテナ10の24時間平均の地心直交座標、水平移動量、地盤高変動量などの出力結果を出力するようにしてもよい。
【0072】
上述の処理によれば、また、通信ネットワークを介して日本全国に固定設置された多くの衛星測位信号受信アンテナ10からの衛星測位信号を座標計測装置2が受信し、そのデータに基づいて、特定の衛星測位信号受信アンテナ10の24時間平均の地心直交座標、楕円体高、水平移動量、地盤高変動量などの地盤変動を、座標計測装置2や地盤解析装置1が即時に確認することができる。これにより、観察者の所望の時間において、大きな災害が発生する箇所を緊急に判定することのできるようになる。
また、座標計測装置2それぞれが異なる基準時刻で地心直交座標と楕円体高の24時間平均を算出するので、処理負荷が分散されるとともに、1時間以上かかる24時間平均の算出処理を、24時間より短い所定の時間毎(本実施形態では3時間毎)に地盤解析装置1で受信することができ、緊急性を要する地域の地盤変動を解析することができる。
【0073】
なお、上述の処理においては、地盤解析装置1が、座標計測装置2から衛星測位信号を直接受信する場合について説明したが、何らかの衛星測位信号の蓄積サーバを経由して、当該衛星測位信号を受信するようにしてもよい。
【0074】
上述の地盤解析装置1は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0075】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【解決手段】国土領域の複数の異なる地点に固定設置された複数の衛星測位信号受信アンテナのそれぞれが位置観測用衛星から受信した衛星測位信号に基づいて算出された衛星測位信号受信アンテナの座標に基づいて、地点それぞれのうち隣接すると判定される3以上の各地点を結ぶ各基線の辺により構成される閉領域が領域面で連なる基線網において基準期間に基準閾値以上変動する閉領域を特定する。特定した閉領域を他の閉領域と表示状態を変更して国土領域に基線網を重ねた表示情報を含む地盤解析結果を出力する。