(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記ロータを、第一の時間、第一回転方向に回転させた後、第二の時間、第二回転方向に回転させるように、前記回転動力源を制御する、請求項1記載の薬剤取出装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態では同一または相当する部分については同一の参照符号を付し、その説明については繰返さない。また、各実施の形態を組合せることも可能である。
【0017】
図1は、この発明の実施の形態1に従った、カセットが装着された薬剤取出装置の斜視図である。
図1を参照して、薬剤カウンタとしての薬剤取出装置100は、フロントパネル114を有する。フロントパネル114には、操作パネルが設けられ、操作パネルには、表示部111と入力部112とが設けられる。表示部111は、カウントされた薬剤の個数などの情報を表示する。入力部112には、複数のキー113が設けられており、操作者は、キー113により、薬剤取出装置100を操作することが可能である。
【0018】
薬剤取出装置100の下部にはUSB端子115、基台116および電源スイッチ117が配置されている。USB端子115には、メモリを接続することが可能である。基台116は薬剤取出装置100から払出される薬剤を受入れるための容器が載置される部分である。電源スイッチ117は、薬剤取出装置100へ供給される電力のオンオフを行なうための場所である。
【0019】
カセットベース210にはカセット250が係合する。カセット250には、薬剤が収納される。カセット250内には、ロータが設けられ、このロータを回転させることで、カセットから薬剤を取出すことができる。
【0020】
図2は、
図1で示す薬剤取出装置からカセットを取り除いた状態を示す斜視図である。
図2を参照して、カセット250が取付けられていない状態では、カセットベース210に、歯車221が露出する。案内部222はカセット250を案内するための部材である。歯車221は、カセット250内のロータを回転させる動力を伝達する動力伝達部を構成する。
【0021】
図3は、
図2中の矢印III−III線に沿った薬剤取出装置の斜視図である。
図3を参照して、薬剤取出装置100上部には、カセットベース210が取付けられている。カセットベース210では、被押圧部213が設けられている。被押圧部213を押圧することで、薬剤を下方へ案内するシュート121をシュート保持部122から取外すことができる。
【0022】
カセットベース210には、薬剤検出センサ212が設けられている。薬剤検出センサ212は、薬剤検出センサ212前を通過する薬剤を検出することが可能である。係止爪211がカセットベース210に取付けられている。係止爪211はカセット250と係合してカセット250の外れを防止することができる。
【0023】
カセットを駆動する動力伝達経路には、モータ123、トルクリミッタ131および歯車221が配置されている。
【0024】
モータ123は、ロータを回転させる回転動力源であり、ロータを、第一回転方向である正転方向および第一回転方向とは反対の第二回転方向である逆転方向に回転することが可能である。モータ123は、後述の制御部800によって、ロータを正転および逆転させるように制御される。
【0025】
モータ123から伝達される回転力は、トルクリミッタ131を経由して歯車221へ送られる。
【0026】
トルクリミッタ131は、モータ123から伝達される回転力のトルクを制限するための機構である。動力遮断部であるトルクリミッタ131は、ロータとモータ123との間の動力伝達経路に介在し、ロータとモータ123との間に設定トルクを超えるトルクが生じると、モータ123からの動力を遮断する。
【0027】
フロントパネル114裏側には、基板124が設けられており、フロントパネル114の入力部112から入力された情報が基板124内のコンピュータにより処理される。
【0028】
薬剤取出装置100中央部にはホッパ119が設けられている。ホッパ119の上流側にシュート121が位置し、ホッパ119の下流側にシャッタ125が配置されている。
【0029】
シャッタ125はホッパ119から下方への薬剤の落下を許容および禁止する部材である。シャッタ125下では基台116にカセットが置かれ、シャッタ125が開かれることでホッパ119内の薬剤がカセットへ送られる。
【0030】
シャッタ125近傍にはカセットガイド126および被押圧部127が設けられている。シャッタ125の動きは被検出部128およびシャッタ検出センサ129により検出されており、たとえばシャッタ125が開いてホッパ119から薬剤が落下するような状況においてはカウントを行なわないなどの動作を制御することが可能である。
【0031】
図4は、実施の形態1に従った薬剤取出装置に装着されるカセットベースの斜視図である。
図4を参照して、カセットベース210には、カセット保持部223が設けられている。カセット保持部223には永久磁石224が埋込まれており、永久磁石224によりカセット250を保持することが可能である。カセット保持部223は、
図4中の二点鎖線で示すように下側にスライド可能である。このスライド量は、長孔225によって調整される。カセット保持部223が上下方向にスライド可能とすることにより、カセットの形状および寸法に適合した位置にカセット保持部223を位置決めすることができる。
【0032】
歯車221は、トルクリミッタに接続されたシャフトと一体に回転し正転および逆転することが可能である。係止爪211を設けることで、歯車221が正転および逆転したとしても、カセットがカセットベース210から外れることを防止できる。
【0033】
図5は、モータおよびトルクリミッタを含むカセットベースと、カセットとの係合した状態を示す断面図である。
図5を参照して、係合部には、係止爪211と被係止部252とが噛み合っている。これにより、カセットベース210からカセット250が外れることを防止することが可能である。モータ123から伝達された回転動力はトルクリミッタ131に伝えられる。そしてトルクリミッタ131はロータ251と歯車を介して接続されている。ロータ251が回転することで、カセット250内に収納された薬剤が薬剤検出センサ212を経由して下方向へ排出される。
【0034】
モータ123は正転および逆転の回転力をロータ251へ伝えることが可能である。そしていずれの方向に回転したとしても、係止爪211と被係止部252とが係合することにより、カセット250がカセットベース210から離脱することを防止することが可能である。
【0035】
図6は、モータ、歯車およびトルクリミッタを含む、カセットベース内における動力伝達経路を示す斜視図である。
図6を参照して、モータ123の回転動力は歯車132に伝えられる。この歯車132はモータ123の出力シャフトと一体に回転する。そして歯車132は別の歯車133と噛み合う。この中間の歯車133はシャフトに対して回転自在に配置されている。歯車133は別の歯車134と噛み合う。歯車134は、トルクリミッタ131の外輪部材と一体に回転する。トルクリミッタ131の内輪部材は出力軸と一体に回転する。そしてトルクリミッタ131の内輪部材と外輪部材との間にはトルク発生部材(コイルスプリング)が介在している。内輪部材の外周面との間に摩擦が生じるようにコイルスプリングが設けられている。そして正逆両方向の回転において、設定トルクを超えるトルクが作用すると、内輪部材および外輪部材との間でスリップが生じ、動力の伝達が遮断される。
【0036】
前記中間の歯車133は、必ずしも設ける必要はなく、前記中間の歯車133を省略して、モータ123の出力シャフトと一体に回転する歯車132とトルクリミッタ131の外輪部材と一体に回転する歯車134とが噛み合うようにしてもよい。また3つの歯車132,133,134を全て省略して、モータ1
23の出力シャフトがトルクリミッタ131の外輪部材と一体に回転するようにしてもよい。
【0037】
図7は、フロントパネルが開いてホッパが露出した状態における薬剤取出装置の斜視図である。
図7を参照して、フロントパネル114はヒンジ141により本体に取付けられている。フロントパネル114が自重によって閉まってしまうことがないように、ヒンジ141の回動軸は鉛直方向とされる。
【0038】
フロントパネル114が開くと薬剤取出装置100内のホッパ119および磁石118が露出する。磁石118はフロントパネル114を磁力により引き付けることが可能である。
【0039】
シャッタ125がホッパ119の下側に位置し、開口125cがホッパ119の開口側へスライドすることが可能な形状とされている。
【0040】
図8は、薬剤を案内するホッパと、ホッパ保持部材とが離れた状態を示す分解斜視図である。
図8を参照して、ホッパ119には被握持部119aを有する。被握持部119aを引出すことで、ホッパ119を薬剤取出装置100から取外すことが可能である。
【0041】
ホッパ119は、ホッパ保持部材171により保持されている。ホッパ保持部材171の開口172はシュート121に連通している。ホッパ検出センサ173がホッパ保持部材171に設けられており、ホッパ119の被検出片119bがホッパ検出センサ173に検出されることで、ホッパ119が正常な位置に位置決めされたことを認識する。なお、ホッパ119が正常な位置に位置決めされたと認識されない場合には、薬剤のカウントを開始しないことが可能である。
【0042】
ホッパ119は、一部または全部を透明にしてもよい。これによって操作者は、フロントパネル114を開くだけで、ホッパ119内に薬剤があるか否かを確認することができる。この場合、ホッパ119を薬剤取出装置100から取外す必要がない。
【0043】
他の例としては、さらに、ホッパ119の上方に照明を設け、シャッタ125を透明にし、基台116の上面に鏡を設けてもよい。これによって操作者は、フロントパネル114を開くことなく、ホッパ119内に薬剤があるか否かを確認することができる。
【0044】
図9は、ホッパが取り除かれた薬剤取出装置内におけるシャッタの構成を示す斜視図である。
図10は、
図9中の矢印Xで示された方向から見たシャッタおよび薬剤取出装置の斜視図である。
図9および
図10を参照して、シャッタ125は、上板125aと下板125bとを有する。上板125aおよび下板125bには開口125cが設けられている。
【0045】
下板125bには長孔148が設けられており、長孔148を被検出片128(
図3)が貫通している。
【0046】
シャッタ125の上板125aはコイルバネ149により付勢されており、被押圧部127が操作者により手で押圧されると、コイルバネ149が延びる。押圧が止まると、コイルバネ149が縮む力により、上板125aは
図9で示す位置に戻される。
【0047】
下板125bの下側にはカセットガイド126が設けられている。上板125aには被押圧部125eが設けられている。カセットで被押圧部125eを押圧することにより開口125cが開き薬剤を落下させることができる。
【0048】
またカセットガイド126には挿入孔126aが設けられ、被押圧部127には貫通孔127aが設けられる。貫通孔127aと挿入孔126aとが一致した状態で貫通孔127aを介して挿入孔126aにピンを挿入することができる。これにより、シャッタ125の開口125cが開いた状態を維持することが可能である。
【0049】
図11は、シャッタの組み立て手順を説明するために示す上板、下板、シャッタガイドおよびカセットガイドの分解斜視図である。
図11を参照して、シャッタを構成する上板125a、下板125b、シャッタガイド192およびカセットガイド126はボルト191により締結される。シャッタガイド192は上板125aの側面側から上板125aに嵌まり合う。
【0050】
図12は、シャッタの組み立て手順における最終工程を示す斜視図である。
図13は、下板に螺合するネジと、上板に係合するコイルバネとの接続部分を示す、
図12中のXIIIで囲んだ部分の側面図である。
図14は、組み立てられたシャッタの底面図である。
図12を参照して、最終工程においては、カセットガイド126を矢印で示す方向に引っ張ることで、カセットガイド126を位置決めする。
図13を参照して、上板125aの端部にコイルバネ149を係合させるとともに、ネジ193にコイルバネ149を係合させる。これにより、コイルバネ149を位置決めすることができる。
図14を参照して、被押圧部125eが下方向に突出しており、被押圧部125eを奥方向へ押圧することにより、開口125cが開く。
【0051】
図15は、歯車および被係止部の構成を説明するために示すカセットの斜視図である。
図15を参照して、カセット250は歯車259を有する。歯車259が回転することで、カセット250内のロータも回転する。被係止部252は、
図5で示す係止爪211と係合する。
【0052】
図16は、カセットガイドとカセットとの係合状態を説明するために示す薬剤取出装置の側面図である。
図17は、
図16に対応する薬剤取出装置およびカセットの断面図である。
図16および
図17を参照して、この実施の形態では、カセットガイド126よりも、被押圧部125eの下方への突出量が小さい。そのため、
図16および
図17で示すように、2つのカセットガイド126の間にカセット250が嵌まり合った場合にのみカセット250が被押圧部125eを押圧しシャッタを開くことができる。なお、カセットガイド126の下方への突出量よりも被押圧部125eの下方への突出量が大きい場合には、2つのカセットガイド126の間にきっちりとカセット250が嵌まり合っていない場合でも、カセット250が被押圧部125eを押圧する可能性がある。この場合、カセット250がずれた状態でシャッタを開けてしまう可能性があるが、実施の形態に従った薬剤取出装置100では上記の危険性を防止することができる。
【0053】
図18は、カバー部材が取付けられたカセットに薬剤を供給する状態を示す薬剤取出装置の側面図である。
図19は、
図18に対応する薬剤取出し装置およびカセットの断面図である。
図18および
図19を参照して、カセット250をシャッタに押し付けた状態を維持することを望まない場合には、カセット250上にカバー部材300を設ける。この場合、カセット250を基台116の上面に載置し、カセット250を水平に移動させるだけで
図18および
図19で示した位置にカセット250を位置決めすることができる。そしてカバー部材300を設けることで、薬剤が飛び跳ねることも防止できる。
【0054】
図20は、カバー部材の斜視図である。
図20を参照して、カバー部材300は開口301を有する。開口3
01がシャッタと対面し、シャッタから排出された薬剤が開口301を経由してカセット250に送られる。
【0055】
図21は、実施の形態に従った薬剤取出装置の回路図である。
図21を参照して、薬剤取出装置100は、基板124と、基板124に接続されるヒューズ311とを有する。ヒューズ311は、過電流が流れると溶断して基板124を保護する。ヒューズ311は本体に組込まれ、
図19に示されるようにアダプタ受け部312に接続されている。基板124に電源314からの電力を供給するためのACアダプタ313が故障した場合か、間違って別のACアダプタを接続された場合であってもヒューズ311が溶断することで基板124を保護することができる。
【0056】
なお、保護回路を有するACアダプタ313を用いる場合には、ヒューズ311を設ける必要がないが、上記のようにヒューズ311が組込まれていれば、ACアダプタの仕様に拘らず、すなわち保護回路のないACアダプタが誤って用いられても基板124を保護することができる。
【0057】
図22は、実施の形態に従った薬剤取出装置の構成を示すブロック図である。薬剤取出装置100は、落下する薬剤を検出する薬剤検出センサ212と、シャッタが開いているかどうかを検出するシャッタ検出センサ129と、ホッパが正しく装着されているかどうかを示すホッパ検出センサ173と、情報を入力するための入力部112と、ロータを駆動して薬剤を排出するためのモータ123と、どのような運転が行なわれているかを表示する表示部111と、所定のデータを出力するインターフェイスとしてのUSB端子115と、薬剤検出センサ212、シャッタ検出センサ129、ホッパ検出センサ173および入力部112から情報が入力され、これらに基づいてモータ123、表示部111およびUSB端子115を制御する制御部800とを有する。
【0058】
シャッタ検出センサ129およびホッパ検出センサ173はシャッタの開閉およびホッパの装着、非装着を検出する。シャッタが開いているとき、またはホッパが非装着のときは、スタートキーを押しても動作を開始しないように制御部800が制御する。設定によっては、シャッタの開閉に拘らず薬剤のカウントを開始してもよい。
【0059】
入力部112は、数値キー、スタートキー、ストップキー、クリアキーおよびモードキーが設けられ、数値キーを押すと数値が入力され、スタートキーを押すと動作が開始し、ストップキーを押すと動作が一時停止し、クリアキーを押すと動作の取消およびエラー解除がなされ、モードキーを押すとモードの切換がなされる。そしてモードの切換として、全数取出モードと指定数取出モードがあり、全数取出モードでは、カセット内のすべての薬剤を計数し、指定数取出モードでは、カセットから薬剤を指定数だけ払出す動作が行なわれる。
【0060】
表示部(液晶表示部)111では、薬剤数、カセット番号、メッセージおよびロータの回転速度が表示される。全数取出モードのときは薬剤数は0からカウントアップする。指定数取出モードのときは薬剤数は指定数からカウントダウンする。回転速度の表示はH(高速)、M(中速)およびL(低速)のいずれかを表示する。
【0061】
USB端子115では、データ出力日時とカセット番号と薬剤数とを関連付けたデータを出力することが可能である。
【0062】
制御部800は、ロータの回転速度の設定を変更可能である。ロータの回転速度は、上述のように表示部111に表示される。ロータの回転速度は、ロータの正転速度である。ロータの回転速度は、ロータの正転速度に限らず、ロータの逆転速度を含んでもよい。いずれにしても、制御部800は、ロータの逆転速度を、ロータの正転速度よりも遅くする。
【0063】
図23は、実施例1に従った薬剤取出装置の薬剤取出動作を示すフローチャートである。まず
図23のステップS11において、モータ駆動制御を開始する。そしてステップS12においてタイマセットがなされる。ステップS13において、薬剤が落下したかどうかが判断される。薬剤が落下すれば(ステップS13において「YES」)、ステップS12に戻る。ステップS13において薬剤が落下しなければ(ステップS13において「NO」)、ステップS14においてT1時間経過したかどうかを判断する。ここで、T1時間はたとえば20秒とされる。T1時間経過していない場合(ステップS14において「NO」)ステップS13に戻る。ステップS14においてT1時間経過すれば(ステップS14において「YES」)ステップS15においてモータ駆動制御を終了する。
【0064】
図24は、カセットのロータを正転および逆転をさせるフローを示すフローチャートである。
図24のフローは、モータ駆動制御を詳細に示すものである。
図23におけるステップS11においてモータ駆動制御が開始されると、ステップS21において正転が開始される。そしてステップS22においてタイマのセットがなされる。ステップS23においてT2時間経過したかどうかが判断される。ステップS23においてT2時間経過していなければ(ステップS23において「NO」)、再度ステップS23へ戻る。ステップS23においてT2時間経過していれば(ステップS23において「YES」)、ステップS2
4において正転が停止される。そしてステップS2
5において逆転が開始される。ステップS26においてタイマがセットされる。ステップS23におけるT2時間は、たとえば10秒とする。
【0065】
ステップS27においてT3時間が経過したかどうかが判断される。T3時間はたとえば5秒とする。ステップS27においてT3時間経過していない場合には(ステップS27において「NO」)再度ステップS27へ戻る。ステップS27においてT3時間経過していれば(ステップS27において「YES」)ステップS28において逆転が停止する。
【0066】
図25は、実施例2に従った薬剤取出装置の薬剤取出動作を示すフローチャートである。
図25を参照して、実施例2では、まずステップS31において正転動作が開始される。そしてステップS32においてタイマのセットがなされる。ステップS33において、カセットから薬剤が落下したのであれば(ステップS33において「YES」)、ステップS34において逆転回数を0にリセットする。ステップS33において、薬剤が落下していない場合(ステップS33においてNO)、T11時間経過したかどうかがステップS35で判断される。なおT11時間に関して、ロータの回転数が速い場合または中間の場合(HまたはMの場合)T11時間は3秒であり、ロータの回転速度が遅い場合(L)T11時間は5秒とされる。T11時間経過していない場合(ステップS35において「NO」)再度ステップS33へ戻る。ステップS35において、T11時間経過した場合(ステップS35において「YES」)ステップS36において正転が停止される。ステップS3
7において逆転回数が超過したかどうかが判断される。ステップS3
7において逆転回数が超過していると判断されれば(ステップS37において「YES」)、処理が終了する。ステップS37において逆転回数が超過していない場合には(ステップS37において「NO」)、ステップS38において逆転が開始する。そして、ステップS39においてタイマがセットされる。ステップS40において薬剤が落下したかどうかが判断される。ステップS40において薬剤が落下している場合には(ステップS40において「YES」)、ステップS41において逆転が停止される。そしてステップS42において逆転回数を0にリセットする。そしてステップS31へ戻る。ステップS40において、薬剤が落下しない場合(ステップS40において「NO」)、ステップS43においてT12時間が経過したかどうかが判断される。ステップS43におけるT12時間はたとえば3秒とする。ステップS43においてT12時間経過していない場合(ステップS43において「NO」)、ステップS40へ戻る。ステップS43においてT12時間経過している場合(ステップS43において「YES」)、ステップS44において逆転が停止される。そしてステップS45において逆転回数をインクリメントする。すなわち、逆転回数を1回増加させる。そしてステップS31へ戻る。
【0067】
薬剤取出装置100は、回転動力源としてのモータ123と、モータ123から伝達される回転力が所定値を越えると回転力の伝達を制限するトルクリミッタ131と、トルクリミッタ131に接続されて回転することが可能であり、回転することにより薬剤を取出可能なロータ251とを備え、ロータ251を第一回転方向および第一回転方向と反対の第二回転方向とに回転させることが可能である。
【0068】
薬剤取出装置100は、モータ123と、モータ123から伝達される回転力が所定値を越えると回転力の伝達を制限するトルクリミッタ131とを備え、トルクリミッタ131は、回転することにより薬剤を取出可能なロータ251に接続され、ロータ251を第一回転方向および第一回転方向と反対の第二回転方向とに回転させることが可能である。
【0069】
以上のように構成された薬剤取出装置100においては、トルクリミッタ131が設けられるため、薬剤(錠剤)が詰まってロータ251の回転抵抗が大きくなったときにはロータ251が回転しないため、薬剤がきつく詰まることを防止できる。さらに、詰まった場合にはロータ251を逆方向に回転させることで、薬剤の詰まりを解消することができる。
【0070】
ロータ251の第一および第二回転方向の回転速度を変更することで、適切な回転速度を選択することができる。詰まり難い薬剤の正転速度(第一回転方向の回転速度)を速くすることで、取出効率を向上させることができる。詰まり易い薬剤の正転速度を遅くすることで、詰まる回数を減らして取出効率を向上させることができる。
【0071】
第一回転方向の回転速度は、第二回転方向の回転速度よりも速くてもよい。換言すれば、逆転速度は、正転速度よりも遅い。この場合、詰まった薬剤への衝撃を小さくして薬剤の破損を防止することができる。
【0072】
上述の実施例1では、ロータ251を第一の時間第一回転方向に回転させた後、第二の時間第二回転方向に回転させる。換言すれば、制御部800は、ロータの正転および逆転を時間で切り換える。この場合、簡単な制御で、薬剤の詰まりを解消することができる。
【0073】
上述の実施例2では、ロータ251を第一回転方向に回転させて薬剤が取出されなければ第二回転方向にロータ251を回転させる。換言すれば、制御部800は、ロータを正転させてもカセットから薬剤を取出せなければ、ロータを逆転させる。薬剤が詰まらなければ逆転させないので取出効率を向上させることができる。なお、トルクリミッタ131はカセット250内に設けられていてもよい。
薬剤取出装置は、回転動力源と、回転動力源に接続されて回転動力源から伝達される回転力が所定値を越えると回転力の伝達を制限するトルクリミッタと、トルクリミッタに接続されて回転することが可能であり、回転することにより薬剤を取出可能なロータとを備え、ロータを第一回転方向および第一回転方向と反対の第二回転方向とに回転させることが可能である。
薬剤取出装置は、回転動力源と、回転動力源に接続されて回転動力源から伝達される回転力が所定値を越えると回転力の伝達を制限するトルクリミッタとを備え、トルクリミッタは、回転することにより薬剤を取出可能なロータに接続され、ロータを第一回転方向および第一回転方向と反対の第二回転方向とに回転させることが可能である。
このように構成された薬剤取出装置においては、トルクリミッタが設けられるため、薬剤が詰まってロータの回転抵抗が大きくなったときにはロータが回転しないため、薬剤の詰まりを軽減することができる。さらに、詰まった場合にはロータを逆方向に回転させることで、薬剤の詰まりを解消することができる。
好ましくは、ロータの第一または第二回転方向の回転速度を変更することが可能である。
好ましくは、第一回転方向の回転速度は、第二回転方向の回転速度よりも速い。
好ましくは、ロータを第一の時間第一回転方向に回転させた後、第二の時間第二回転方向に回転させる。
好ましくは、ロータを第一回転方向に回転させて薬剤が取出されなければ第二回転方向にロータを回転させる。
【0074】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。