【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のSCCの代表的な構成を
図2に示す。入力電圧源Vinは直列接続された2つのキャパシタC1,C2と接続されており、負荷RLはC2と並列に接続されている。スイッチQ1〜Q4のスイッチングによってキャパシタC1,C2が中間キャパシタC3を介して相互充放電することにより、各キャパシタの電圧が等しくなる。
【0007】
具体的には、奇数番号のスイッチQ1,Q3がオンである時には、キャパシタC1,C3が並列接続されるため、並列接続されたキャパシタ間に電圧のばらつきが発生している場合には相互充放電が行われ、電圧ばらつきが解消される方向へと向かう(
図3a)。また一方で、偶数番号のスイッチQ2,Q4がオンである時には、キャパシタC2,C3が並列接続されるため、並列接続されたキャパシタ間に電圧のばらつきが発生している場合には相互充放電が行われ、電圧ばらつきが解消される方向へと向かう(
図3b)。
【0008】
奇数番号のスイッチを全てオンとする状態と偶数番号のスイッチを全てオンとする状態との間でスイッチングを繰り返すことにより(スイッチングの1周期全体に対して、奇数番号のスイッチがオンとなっている期間の割合と、偶数番号のスイッチがオンとなっている期間の割合とは互いに等しいとする。)、キャパシタC1,C2,C3は直接的、又は間接的に(他のキャパシタを介して)相互充放電を行い、キャパシタC1,C2,C3の電圧が均等化される。よって、キャパシタC1,C2,C3の電圧をそれぞれV
C1,V
C2,V
C3とし、入力電圧源Vinにより印加される入力電圧の大きさもV
inによって表わせば、V
in=V
C1+V
C2,V
C1=V
C2=V
C3が成り立つため、負荷RLの電圧V
outは入力電圧の半分の電圧、即ち0.5V
inの固定値となる(降圧比は1/2の固定値)。なお、各スイッチに並列接続されたダイオードはMOSFETスイッチのボディダイオードを意味したものである(スイッチとしてMOSFETを用いることは必須ではなく、任意の片方向、又は双方向スイッチを用いてよい。)。
【0009】
なお、
図2に示すSCCは2つのキャパシタC1とC2が直列接続された構成をとっており、その降圧比は0.5であるが、キャパシタの直列接続数を変更することで異なる降圧比を実現することも可能である。しかし、高い降圧比を得るためには多数のキャパシタの直列接続からなるSCCを構成する必要があるため、高い降圧比が要求される用途においてはスイッチ数やキャパシタ数の増加から回路が複雑化する傾向がある。例として、降圧比が1/3となるSCCの構成例を
図4に示す。直列に接続された3つのキャパシタC1〜C3が入力電圧源Vinと接続されており、負荷RLはC3と並列に接続されている。
図2に示すSCCと同様に、奇数番号のスイッチを全てオンとする状態と偶数番号のスイッチを全てオンとする状態との間でスイッチングを繰り返すことにより、キャパシタC1〜C5は直接的、又は間接的に(他のキャパシタを介して)相互充放電を行い、キャパシタC1〜C5の電圧が均等化される。この場合、V
in=V
C1+V
C2+V
C3,V
C1=V
C2=V
C3=V
C4=V
C5が成り立つため、負荷RLの電圧V
outは入力電圧の3分の1の固定値となる(降圧比は1/3の固定値)。このように、直列に接続されるキャパシタの数を増やすことで更に高い降圧比を得ることができる。
【0010】
SCCではいずれの構成においても降圧比が任意の固定値となってしまうため、電圧レギュレーションが必要となる用途においては非特許文献1〜3に記載されているような電圧レギュレーション機能を有するPWMコンバータを併用する必要がある。例として、SCCを初段の非安定中間コンバータに、PWM同期整流降圧型コンバータを2段目として用いた構成を
図5に示す。この構成における後段のPWMコンバータは、SCCにおいて1/2に降圧された電圧を受けて動作するため、極端な時比率低下を起こすことなく動作可能である。しかし、この構成では2段階で電力変換が行われるため、それぞれの変換時に発生する損失が積み重なるため全体としての損失が増加する傾向があり、また、素子数も多くなってしまう。
【0011】
以上に鑑み、本発明は、PWM制御による電圧レギュレーションを可能としつつ、従来の多段階構成を用いずに高い降圧比を達成することが可能なコンバータを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明は、第1から第n(nは2以上の整数)のキャパシタを直列接続してなるキャパシタ列と、第1から第n−1の中間キャパシタを直列接続してなり、キャパシタ列にスイッチ群を介して接続されている、中間キャパシタ列とを備え、キャパシタ列に含まれる各々のキャパシタと中間キャパシタ列に含まれる各々の中間キャパシタとの間の接続状態を、スイッチ群のスイッチ切り替えにより繰り返し変更することで、各々のキャパシタに各々の中間キャパシタを介した相互充放電をさせることにより、キャパシタ列に接続された電源から各々のキャパシタに出力される電圧を調整するよう構成された、スイッチトキャパシタコンバータにおいて、中間キャパシタ列に含まれる各々の中間キャパシタのうちm(mは1以上、n−1以下の整数)個の中間キャパシタが、第1から第mのパルス幅変調用回路によって置換されているコンバータを提供する。第k(kは1以上m以下の整数)のパルス幅変調用回路においては、第1から第l
k(l
kは2以上の整数)のパルス幅変調用キャパシタと、第1から第l
k−1のインダクタとが、パルス幅変調用キャパシタとインダクタとが交互に配置されるよう配置されており、第1のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子が、電源の高電位端子側に接続される、第kのパルス幅変調用回路の第1の端子に対して接続されており、第2から第l
kのパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子が、第1の端子に対して、高電位側端子から第1の端子に向かう電流を遮断しない向きで配置されたダイオードを介して、それぞれ接続されており、第1から第l
k−1のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子が、電源の低電位端子側に接続される、第kのパルス幅変調用回路の第2の端子に対して、第2の端子から低電位側端子に向かう電流を遮断しない向きで配置されたダイオードを介して、それぞれ接続されており、第l
kのパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子が第2の端子に対して接続されている。
【0013】
上記記載は、
図6,
図12,
図15a,
図15b,
図22に示すタイプ(以下、第1のタイプ)の、本発明の実施例であるコンバータの回路配置を、より一般的に表現したものである。上記記載のとおり、キャパシタの直列数nやパルス幅変調用回路の数m、個々のパルス幅変調用回路の段数l
k等は任意であり、本発明のコンバータの技術的範囲は各図面に記載された構成に限られない。上述のとおり、スイッチトキャパシタの中間キャパシタのうち1以上をパルス幅変調用回路で置き換えたコンバータを用いれば、各々のキャパシタと各々の中間キャパシタとの間の接続状態を切り替えるための上記スイッチ切り替えにより、パルス幅変調用回路のモード切り替えが行われることとなるため、このスイッチ切り替えの時比率を制御することで出力電圧を調整することが可能となる。
図5に示す従来例のようにSCC部のスイッチ切り替えとPWM同期整流降圧型コンバータ部のスイッチ切り替えとを別個のスイッチ群で行う必要がないため、従来に比べ回路内の素子数を削減することができる。
【0014】
上記一般的表現に基づけば、
図6に示される本発明のコンバータを、第1,第2のキャパシタを直列接続してなるキャパシタ列と、キャパシタ列にスイッチ群を介して接続されている、中間キャパシタとを備え、キャパシタ列に含まれる第1,第2のキャパシタと中間キャパシタとの間の接続状態を、スイッチ群のスイッチ切り替えにより繰り返し変更することで、第1,第2のキャパシタに中間キャパシタを介した相互充放電をさせることにより、キャパシタ列に接続された電源から第1,第2のキャパシタに出力される電圧を調整するよう構成された、スイッチトキャパシタコンバータにおいて、中間キャパシタが、パルス幅変調用回路によって置換されており、パルス幅変調用回路において、第1,第2のパルス幅変調用キャパシタとインダクタとが、パルス幅変調用キャパシタとインダクタとが交互に配置されるよう配置されており、第1のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子が、電源の高電位端子側に接続される、パルス幅変調用回路の第1の端子に対して接続されており、第2のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子が、第1の端子に対して、高電位側端子から第1の端子に向かう電流を遮断しない向きで配置されたダイオードを介して接続されており、第1のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子が、電源の低電位端子側に接続される、パルス幅変調用回路の第2の端子に対して、第2の端子から低電位側端子に向かう電流を遮断しない向きで配置されたダイオードを介して接続されており、第2のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子が第2の端子に対して接続されていることを特徴とするコンバータ、と表現することができる。
図6のコンバータは、上記第1のタイプの一般的表現においてn=2,m=1,l
1=2とすることにより表現されるコンバータである。
【0015】
同様に、上記一般的表現に基づけば、
図12に示される本発明のコンバータを、第1,第2のキャパシタを直列接続してなるキャパシタ列と、キャパシタ列にスイッチ群を介して接続されている、中間キャパシタとを備え、キャパシタ列に含まれる第1,第2のキャパシタと中間キャパシタとの間の接続状態を、スイッチ群のスイッチ切り替えにより繰り返し変更することで、第1,第2のキャパシタに中間キャパシタを介した相互充放電をさせることにより、キャパシタ列に接続された電源から第1,第2のキャパシタに出力される電圧を調整するよう構成された、スイッチトキャパシタコンバータにおいて、中間キャパシタが、パルス幅変調用回路によって置換されており、パルス幅変調用回路において、第1から第3のパルス幅変調用キャパシタと、第1,第2のインダクタとが、パルス幅変調用キャパシタとインダクタとが交互に配置されるよう配置されており、第1のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子が、電源の高電位端子側に接続される、パルス幅変調用回路の第1の端子に対して接続されており、第2,第3のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子が、第1の端子に対して、高電位側端子から第1の端子に向かう電流を遮断しない向きで配置されたダイオードを介して、それぞれ接続されており、第1,第2のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子が、電源の低電位端子側に接続される、パルス幅変調用回路の第2の端子に対して、第2の端子から低電位側端子に向かう電流を遮断しない向きで配置されたダイオードを介して、それぞれ接続されており、第3のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子が第2の端子に対して接続されていることを特徴とするコンバータ、と表現することができる。
図12のコンバータは、上記第1のタイプの一般的表現においてn=2,m=1,l
1=3とすることにより表現されるコンバータである。
【0016】
同様に、上記一般的表現に基づけば、
図15a,
図15bに示される本発明のコンバータを、第1,第2のキャパシタを直列接続してなるキャパシタ列と、キャパシタ列にスイッチ群を介して接続されている、中間キャパシタとを備え、キャパシタ列に含まれる第1,第2のキャパシタと中間キャパシタとの間の接続状態を、スイッチ群のスイッチ切り替えにより繰り返し変更することで、第1,第2のキャパシタに中間キャパシタを介した相互充放電をさせることにより、キャパシタ列に接続された電源から第1,第2のキャパシタに出力される電圧を調整するよう構成された、スイッチトキャパシタコンバータにおいて、中間キャパシタが、パルス幅変調用回路によって置換されており、パルス幅変調用回路において、第1から第4のパルス幅変調用キャパシタと、第1から第3のインダクタとが、パルス幅変調用キャパシタとインダクタとが交互に配置されるよう配置されており、第1のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子が、電源の高電位端子側に接続される、パルス幅変調用回路の第1の端子に対して接続されており、第2から第4のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子が、第1の端子に対して、高電位側端子から第1の端子に向かう電流を遮断しない向きで配置されたダイオードを介して、それぞれ接続されており、第1から第3のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子が、電源の低電位端子側に接続される、パルス幅変調用回路の第2の端子に対して、第2の端子から低電位側端子に向かう電流を遮断しない向きで配置されたダイオードを介して、それぞれ接続されており、第4のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子が第2の端子に対して接続されていることを特徴とするコンバータ、と表現することができる。
図15a,
図15bのコンバータは、上記第1のタイプの一般的表現においてn=2,m=1,l
1=4とすることにより表現されるコンバータである。
【0017】
同様に、上記一般的表現に基づけば、
図22に示される本発明のコンバータを、第1から第3のキャパシタを直列接続してなるキャパシタ列と、第1,第2の中間キャパシタを直列接続してなり、キャパシタ列にスイッチ群を介して接続されている、中間キャパシタ列とを備え、キャパシタ列に含まれる各々のキャパシタと中間キャパシタ列に含まれる各々の中間キャパシタとの間の接続状態を、スイッチ群のスイッチ切り替えにより繰り返し変更することで、各々のキャパシタに各々の中間キャパシタを介した相互充放電をさせることにより、キャパシタ列に接続された電源から各々のキャパシタに出力される電圧を調整するよう構成された、スイッチトキャパシタコンバータにおいて、中間キャパシタ列に含まれる各々の中間キャパシタのうち1個の中間キャパシタが、パルス幅変調用回路によって置換されており、パルス幅変調用回路において、第1,第2のパルス幅変調用キャパシタとインダクタとが、パルス幅変調用キャパシタとインダクタとが交互に配置されるよう配置されており、第1のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子が、電源の高電位端子側に接続される、パルス幅変調用回路の第1の端子に対して接続されており、第2のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子が、第1の端子に対して、高電位側端子から第1の端子に向かう電流を遮断しない向きで配置されたダイオードを介して接続されており、第1のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子が、電源の低電位端子側に接続される、パルス幅変調用回路の第2の端子に対して、第2の端子から低電位側端子に向かう電流を遮断しない向きで配置されたダイオードを介して接続されており、第2のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子が第2の端子に対して接続されていることを特徴とするコンバータ、と表現することができる。
図22のコンバータは、上記第1のタイプの一般的表現においてn=3,m=1,l
1=2とすることにより表現されるコンバータである。
【0018】
また、第1又は第2のタイプのコンバータであって、第1から第mのパルス幅変調用回路のうち、いずれか1以上の回路が2以上のインダクタを含む、コンバータにおいては、2以上のインダクタを含むパルス幅変調用回路のうち少なくとも1つの回路において、含まれるインダクタのうち1以上であって含まれるインダクタの数よりも少ない数のインダクタをダイオードで置換し、且つ、置換されたダイオードの各々を、ダイオードの両端に接続された2つのパルス幅変調用キャパシタ間で、一方のキャパシタの低電位側端子から他方のキャパシタの高電位側端子へと向かう電流を遮断しない向きで配置しても、同様の原理で動作可能である。
【0019】
上記記載は、
図16,
図19a,
図19b,
図21a,
図21b,
図24に示すように、パルス幅変調用回路内のインダクタがダイオードで置換された構成の回路配置を、より一般的に表現したものである。後述のとおり、パルス幅変調用回路内のインダクタが少なくとも1つ存在すれば、パルス幅変調による出力電圧の調整は可能である。パルス幅変調用回路内でインダクタに代わって配置されるダイオードは、置換前と同様の電流経路を遮断しないよう配置される。
【0020】
上記一般的表現に基づけば、
図16に示される本発明のコンバータを、第1,第2のキャパシタを直列接続してなるキャパシタ列と、キャパシタ列にスイッチ群を介して接続されている、中間キャパシタとを備え、キャパシタ列に含まれる第1,第2のキャパシタと中間キャパシタとの間の接続状態を、スイッチ群のスイッチ切り替えにより繰り返し変更することで、第1,第2のキャパシタに中間キャパシタを介した相互充放電をさせることにより、キャパシタ列に接続された電源から第1,第2のキャパシタに出力される電圧を調整するよう構成された、スイッチトキャパシタコンバータにおいて、中間キャパシタが、パルス幅変調用回路によって置換されており、パルス幅変調用回路において、第1から第3のパルス幅変調用キャパシタと、第1,第2のインダクタとが、パルス幅変調用キャパシタとインダクタとが交互に配置されるよう配置されており、第1のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子が、電源の高電位端子側に接続される、パルス幅変調用回路の第1の端子に対して接続されており、第2,第3のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子が、第1の端子に対して、高電位側端子から第1の端子に向かう電流を遮断しない向きで配置されたダイオードを介して、それぞれ接続されており、第1,第2のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子が、電源の低電位端子側に接続される、パルス幅変調用回路の第2の端子に対して、第2の端子から低電位側端子に向かう電流を遮断しない向きで配置されたダイオードを介して、それぞれ接続されており、第3のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子が第2の端子に対して接続されている、コンバータにおいて、さらに、パルス幅変調用回路において、第2のインダクタがダイオードで置換されており、且つ、置換されたダイオードは、ダイオードの両端に接続された、第2,第3のパルス幅変調用キャパシタ間で、第2のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子から第3のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子へと向かう電流を遮断しない向きで配置されていることを特徴とするコンバータ、と表現することができる。
図16のコンバータは、上記第1のタイプの一般的表現においてn=2,m=1,l
1=3とし、更にインダクタの1つをダイオードで置換したものとして表現されるコンバータである。
【0021】
同様に、上記一般的表現に基づけば、
図19a,
図19bに示される本発明のコンバータを、第1,第2のキャパシタを直列接続してなるキャパシタ列と、キャパシタ列にスイッチ群を介して接続されている、中間キャパシタとを備え、キャパシタ列に含まれる第1,第2のキャパシタと中間キャパシタとの間の接続状態を、スイッチ群のスイッチ切り替えにより繰り返し変更することで、第1,第2のキャパシタに中間キャパシタを介した相互充放電をさせることにより、キャパシタ列に接続された電源から第1,第2のキャパシタに出力される電圧を調整するよう構成された、スイッチトキャパシタコンバータにおいて、中間キャパシタが、パルス幅変調用回路によって置換されており、パルス幅変調用回路において、第1から第4のパルス幅変調用キャパシタと、第1から第3のインダクタとが、パルス幅変調用キャパシタとインダクタとが交互に配置されるよう配置されており、第1のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子が、電源の高電位端子側に接続される、パルス幅変調用回路の第1の端子に対して接続されており、第2から第4のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子が、第1の端子に対して、高電位側端子から第1の端子に向かう電流を遮断しない向きで配置されたダイオードを介して、それぞれ接続されており、第1から第3のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子が、電源の低電位端子側に接続される、パルス幅変調用回路の第2の端子に対して、第2の端子から低電位側端子に向かう電流を遮断しない向きで配置されたダイオードを介して、それぞれ接続されており、第4のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子が第2の端子に対して接続されている、コンバータにおいて、さらに、パルス幅変調用回路において、第2のインダクタがダイオードで置換されており、且つ、置換されたダイオードは、ダイオードの両端に接続された、第2,第3のパルス幅変調用キャパシタ間で、第2のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子から第3のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子へと向かう電流を遮断しない向きで配置されていることを特徴とするコンバータ、と表現することができる。
図19a,
図19bのコンバータは、上記第1のタイプの一般的表現においてn=2,m=1,l
1=4とし、更にインダクタの1つをダイオードで置換したものとして表現されるコンバータである。
【0022】
同様に、上記一般的表現に基づけば、
図21a,
図21bに示される本発明のコンバータを、第1,第2のキャパシタを直列接続してなるキャパシタ列と、キャパシタ列にスイッチ群を介して接続されている、中間キャパシタとを備え、キャパシタ列に含まれる第1,第2のキャパシタと中間キャパシタとの間の接続状態を、スイッチ群のスイッチ切り替えにより繰り返し変更することで、第1,第2のキャパシタに中間キャパシタを介した相互充放電をさせることにより、キャパシタ列に接続された電源から第1,第2のキャパシタに出力される電圧を調整するよう構成された、スイッチトキャパシタコンバータにおいて、中間キャパシタが、パルス幅変調用回路によって置換されており、パルス幅変調用回路において、第1から第4のパルス幅変調用キャパシタと、第1から第3のインダクタとが、パルス幅変調用キャパシタとインダクタとが交互に配置されるよう配置されており、第1のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子が、電源の高電位端子側に接続される、パルス幅変調用回路の第1の端子に対して接続されており、第2から第4のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子が、第1の端子に対して、高電位側端子から第1の端子に向かう電流を遮断しない向きで配置されたダイオードを介して、それぞれ接続されており、第1から第3のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子が、電源の低電位端子側に接続される、パルス幅変調用回路の第2の端子に対して、第2の端子から低電位側端子に向かう電流を遮断しない向きで配置されたダイオードを介して、それぞれ接続されており、第4のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子が第2の端子に対して接続されている、コンバータにおいて、さらに、パルス幅変調用回路において、第2,第3のインダクタがダイオードで置換されており、且つ、第2のインダクタが置換されたダイオードは、ダイオードの両端に接続された、第2,第3のパルス幅変調用キャパシタ間で、第2のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子から第3のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子へと向かう電流を遮断しない向きで配置されており、第3のインダクタが置換されたダイオードは、ダイオードの両端に接続された、第3,第4のパルス幅変調用キャパシタ間で、第3のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子から第4のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子へと向かう電流を遮断しない向きで配置されていることを特徴とするコンバータ、と表現することができる。
図21a,
図21bのコンバータは、上記第1のタイプの一般的表現においてn=2,m=1,l
1=4とし、更にインダクタのうち2つをダイオードで置換したものとして表現されるコンバータである。
【0023】
同様に、上記一般的表現に基づけば、
図24に示される本発明のコンバータを、第1から第3のキャパシタを直列接続してなるキャパシタ列と、第1,第2の中間キャパシタを直列接続してなり、キャパシタ列にスイッチ群を介して接続されている、中間キャパシタ列とを備え、キャパシタ列に含まれる各々のキャパシタと中間キャパシタ列に含まれる各々の中間キャパシタとの間の接続状態を、スイッチ群のスイッチ切り替えにより繰り返し変更することで、各々のキャパシタに各々の中間キャパシタを介した相互充放電をさせることにより、キャパシタ列に接続された電源から各々のキャパシタに出力される電圧を調整するよう構成された、スイッチトキャパシタコンバータにおいて、中間キャパシタ列に含まれる、第1,第2の中間キャパシタが、第1,第2のパルス幅変調用回路によって置換されており、第1のパルス幅変調用回路において、第1から第3のパルス幅変調用キャパシタと、第1,第2のインダクタとが、パルス幅変調用キャパシタとインダクタとが交互に配置されるよう配置されており、第1のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子が、電源の高電位端子側に接続される、第1のパルス幅変調用回路の第1の端子に対して接続されており、第2,第3のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子が、第1の端子に対して、高電位側端子から第1の端子に向かう電流を遮断しない向きで配置されたダイオードを介して、それぞれ接続されており、第1,第2のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子が、電源の低電位端子側に接続される、第1のパルス幅変調用回路の第2の端子に対して、第2の端子から低電位側端子に向かう電流を遮断しない向きで配置されたダイオードを介して、それぞれ接続されており、第3のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子が第2の端子に対して接続されており、第2のパルス幅変調用回路において、第1,第2のパルス幅変調用キャパシタとインダクタとが、パルス幅変調用キャパシタとインダクタとが交互に配置されるよう配置されており、第1のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子が、電源の高電位端子側に接続される、第2のパルス幅変調用回路の第1の端子に対して接続されており、第2のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子が、第1の端子に対して、高電位側端子から第1の端子に向かう電流を遮断しない向きで配置されたダイオードを介して接続されており、第1のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子が、電源の低電位端子側に接続される、第2のパルス幅変調用回路の第2の端子に対して、第2の端子から低電位側端子に向かう電流を遮断しない向きで配置されたダイオードを介して接続されており、第2のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子が第2の端子に対して接続されているコンバータにおいて、さらに、第1のパルス幅変調用回路において、第2のインダクタがダイオードで置換されており、且つ、置換されたダイオードは、ダイオードの両端に接続された、第2,第3のパルス幅変調用キャパシタ間で、第2のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子から第3のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子へと向かう電流を遮断しない向きで配置されていることを特徴とするコンバータ、と表現することができる。
図24のコンバータは、上記第1のタイプの一般的表現においてn=3,m=2,l
1=3,l
2=2とし、更に第1のパルス幅変調用回路に含まれるインダクタのうち1つをダイオードで置換したものとして表現されるコンバータである。なお、
図24のようにパルス幅変調用回路を2以上用いる場合には、いずれか1つのパルス幅変調用回路に1以上インダクタが配置されていれば電圧レギュレーションが可能であるため、
図24のコンバータにおいて、更にインダクタL1,L2のいずれか一方をダイオードで置換しても構わない。
【0024】
また、上記第1のタイプのコンバータにおいては、第1から第mのパルス幅変調用回路に含まれるダイオードのうち、1以上のダイオードをスイッチで置換することが可能である。置換前のコンバータにおける各モードでの電流経路と同様の電流経路が実現されるよう、スイッチのオンオフを切り替えることにより、置換後のコンバータは同様に動作可能である。
【0025】
また、本発明は、
図28に示すタイプ(以下、第2のタイプ)のコンバータとして、電源と負荷とを、中間キャパシタを介して接続し、さらに、電源と中間キャパシタとが並列接続される第1のモードと、中間キャパシタと負荷とが並列接続される第2のモードと、を切り替えるスイッチ群を備え、スイッチ群の切り替えにより第1のモードと第2のモードとの間での切り替えを繰り返すことで、電源から負荷に対して中間キャパシタを介して電圧を出力するよう構成された、スイッチトキャパシタコンバータにおいて、中間キャパシタがパルス幅変調用回路によって置換されており、パルス幅変調用回路において、第1から第l(lは2以上の整数)のパルス幅変調用キャパシタと、第1から第l−1のインダクタとが、パルス幅変調用キャパシタとインダクタとが交互に配置されるよう配置されており、第1のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子が、電源の高電位端子側に接続される、パルス幅変調用回路の第1の端子に対して接続されており、第2から第lのパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子が、第1の端子に対して、高電位側端子から第1の端子に向かう電流を遮断しない向きで配置されたダイオードを介して、それぞれ接続されており、第1から第l−1のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子が、電源の低電位端子側に接続される、パルス幅変調用回路の第2の端子に対して、第2の端子から低電位側端子に向かう電流を遮断しない向きで配置されたダイオードを介して、それぞれ接続されており、第lのパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子が第2の端子に対して接続されていることを特徴とするコンバータ、を提供する。
【0026】
上記第2のタイプのコンバータにおいても、上記記載のとおり、パルス幅変調用回路の段数l等は任意であり、本発明のコンバータの技術的範囲は各図面に記載された構成に限られない。上述のとおり、スイッチトキャパシタの中間キャパシタをパルス幅変調用回路で置き換えたコンバータを用いれば、スイッチトキャパシタの接続状態を切り替えるために用いていた上記スイッチ切り替えにより、パルス幅変調用回路のモード切り替えも行われることとなるため、このスイッチ切り替えの時比率を制御することで出力電圧を調整することが可能となる。なお、本発明の全てのコンバータにおいて行われるスイッチ切り替えは、モード間にデッドタイム等の中間状態が発生するような切り替えも含むものとする。
【0027】
上記第2のタイプの一般的表現に基づけば、
図28に示される本発明のコンバータを、電源と負荷とを、中間キャパシタを介して接続し、さらに、電源と中間キャパシタとが並列接続される第1のモードと、中間キャパシタと負荷とが並列接続される第2のモードと、を切り替えるスイッチ群を備え、スイッチ群の切り替えにより第1のモードと第2のモードとの間での切り替えを繰り返すことで、電源から負荷に対して中間キャパシタを介して電圧を出力するよう構成された、スイッチトキャパシタコンバータにおいて、中間キャパシタが、パルス幅変調用回路によって置換されており、パルス幅変調用回路において、第1,第2のパルス幅変調用キャパシタと、インダクタとが、パルス幅変調用キャパシタとインダクタとが交互に配置されるよう配置されており、第1のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子が、電源の高電位端子側に接続される、パルス幅変調用回路の第1の端子に対して接続されており、第2のパルス幅変調用キャパシタの高電位側端子が、第1の端子に対して、高電位側端子から第1の端子に向かう電流を遮断しない向きで配置されたダイオードを介して、接続されており、第1のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子が、電源の低電位端子側に接続される、パルス幅変調用回路の第2の端子に対して、第2の端子から低電位側端子に向かう電流を遮断しない向きで配置されたダイオードを介して、接続されており、第2のパルス幅変調用キャパシタの低電位側端子が第2の端子に対して接続されていることを特徴とするコンバータ、と表現することができる。
図28のコンバータは、上記第2のタイプの一般的表現においてm=1,l=2とすることにより表現されるコンバータである。
【0028】
また、第2のタイプのコンバータであっても、パルス幅変調用回路が2以上のインダクタを含む、コンバータにおいては、パルス幅変調用回路において、含まれるインダクタのうち1以上であって含まれるインダクタの数よりも少ない数のインダクタをダイオードで置換し、且つ、置換されたダイオードの各々を、ダイオードの両端に接続された2つのパルス幅変調用キャパシタ間で、一方のキャパシタの低電位側端子から他方のキャパシタの高電位側端子へと向かう電流を遮断しない向きで配置しても、同様の原理で動作可能である。
【0029】
上記記載は、
図16,
図19a,
図19b,
図21a,
図21b,
図24に示すようなPWMセルを第2のタイプのコンバータに用いた場合に、パルス幅変調用回路内のインダクタがダイオードで置換されている構成の回路配置を、より一般的に表現したものである。後述のとおり、パルス幅変調用回路内のインダクタが少なくとも1つ存在すれば、パルス幅変調による出力電圧の調整は可能である。パルス幅変調用回路内でインダクタに代わって配置されるダイオードは、置換前と同様の電流経路を遮断しないよう配置される。
【0030】
また、上記第2タイプのコンバータにおいても、パルス幅変調用回路に含まれるダイオードのうち、1以上のダイオードをスイッチで置換することが可能である。置換前のコンバータにおける各モードでの電流経路と同様の電流経路が実現されるよう、スイッチのオンオフを切り替えることにより、置換後のコンバータは同様に動作可能である。
【0031】
本発明の概念を、特にパルス幅変調用回路の機能に着目すれば、電源から1以上の中間キャパシタを介して接続される出力素子に、スイッチ切り替えによる1以上の中間キャパシタの充放電によって出力電圧を印加するよう構成された、スイッチトキャパシタコンバータにおいて、1以上の中間キャパシタのうち少なくとも1つを、パルス幅変調用回路によって置換してなる、コンバータであって、パルス幅変調用回路は、ダイオード及びスイッチの少なくとも一方を用いた電流の制御により、電源の高電位端子側に接続された第1の端子から電源の低電位端子側に接続された第2の端子へと電流が流れる第1のモードにおいて、少なくとも1つのインダクタにパルス幅変調用キャパシタを介して電磁気的エネルギーを蓄え、第2の端子から第1の端子へと電流が流れる第2のモードにおいて、少なくとも1つのインダクタに蓄えられた電磁気的エネルギーをパルス幅変調用キャパシタへと放出するよう構成されており、スイッチ切り替えにより第1のモードと第2のモードとの間で切り替えを行い、第1のモードが実現される期間と第2のモードが実現される期間との比率に応じた比率で電源電圧を変換して出力素子に出力するよう構成されたことを特徴とするコンバータ、と一般的に表現できる。
【0032】
本発明は、上記のとおりSCCに含まれる中間キャパシタをパルス幅変調用回路によって置換し、SCCで行っていたスイッチ切り替えによりパルス幅変調用回路のモード切り替えも行うことにより、少ない素子数で電圧レギュレーション可能なコンバータを提供する。