特許第6082970号(P6082970)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6082970
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】パット練習具
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/36 20060101AFI20170213BHJP
【FI】
   A63B69/36 533A
   A63B69/36 531D
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-128970(P2013-128970)
(22)【出願日】2013年6月4日
(65)【公開番号】特開2014-233618(P2014-233618A)
(43)【公開日】2014年12月15日
【審査請求日】2015年2月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】513154603
【氏名又は名称】清水 美加子
(72)【発明者】
【氏名】清水 洋二
(72)【発明者】
【氏名】清水 美加子
【審査官】 宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3000230(JP,U)
【文献】 国際公開第2011/089226(WO,A1)
【文献】 実開平04−044977(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフボールの直径にほぼ等しい、又は直径よりも小さい内径を持つ筒と当該筒の自重を利用して長手方向に鉛直になるように自由に動く支持機構を持つパット練習具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレー用のパターを使用して、どこでもパット技術を向上させる練習を効果的に実施することのできるパット練習具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年ゴルフは大衆化され、ゴルフ練習場も増えて練習には事欠かない、しかしパター練習場は少なく、一般のプレーヤーは自宅の絨毯、あるいは、パット練習用の人工芝等を使い練習している。然しながら、ゴルフボールはなかなか目標とする方向に真直ぐに転がらず、曲がる、これはパッティングという動作が意識だけで充分左右できるものでは無く、単なる条件反射であるからだ。また、正しいフォームで打つための反復練習をしようにも感覚だけではうまくいかない。
【0003】
そこで正しいフォームを身につけるためのパット練習具、パター練習機に関する先行技術を調べてみると、其の殆どがパットの打球姿勢に関するもので、特に多く、レーザー発行器を設けたものが提示されているが、高価で、一般的ではない。
(例えば、特許文献1、特許文献2、参照)
【0004】
又、パターヘッドにガイドバーを取付けてそれを目視しながらスイングの練習を行うもの、正しいアドレスの姿勢、直線的なスイングターゲットとボールとパターとの直線性の維持、等の一連の動作を練習するものである。
(例えば、特許文献3参照)
【0005】
又、2つのリング状フレームを持つ照準器を通して利き目でゴルフボールを見ることを習慣づけるゴルフ練習機が提案されているが、これは、ゴルフクラブのアドレス位置とトップの位置を利き目の移動位置を通して一定に固定することを習慣づけるものであり、ショットの動作パターンを練習するものである。
(例えば、特許文献4参照)
【0006】
又、ゴルフボールの真上中空に、ボールに重ねて見る1本以上のガイドとなる線を脚部で支えて設置し、アドレスと方向の調整を行うパッティングの練習機は、練習時にホールの中央等の目標点を真上から見下ろして練習する器具であるが、両目を結ぶ線上にボールをセットするものであり、パッティング中に利き目が両目を結ぶ線上を移動することを防ぐことはできず、ヘッドアップの原因となる。
(例えば、特許文献5参照)
【0007】
上記の通り、先行技術では、パターヘッドに当たった後か、又は、パットの際、両目を結ぶ線上の真下にゴルフボールをセットすることを追いかけている。それ以外に問題があることは上記の通りであるが、この事に多くのゴルファーは気づいていない。ここにひとつの問題がある。パットを正確に行うためには、利き目が正確にゴルフボールの真上にあることとパットの最中に利き目が動かないことが重要である。しかしながら、実際の練習で利き目とボールの位置を正確にセットする手段は無く、感覚で反復練習をしている。
【0008】
ゴルフボールを正確にカップインさせるためには、プレーヤーの利き目とゴルフボールの位置を正確にあわせ、その位置を保持したままでパットを引き、ゴルフボールを打ち、打った後も利き目の位置を保持し続けることが重要であり、普段から上記の正しい位置関係を実現する姿勢を反復練習しなければならない。
【0009】
上記、先行文献でも、プレーヤーの利き目とゴルフボールの位置を正確にあわせる姿勢を反復練習できるパット練習具は提示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−305148号 公報
【特許文献2】登録実用新案公報第3042356号 公報
【特許文献3】特開2009−28483号 公報
【特許文献4】特開平4−309378号 公報
【特許文献5】特開2001−54606号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
プレー用のパターを利用して、プレーヤーの利き目とゴルフボールの位置を正確にあわせ、その位置を保持したままでパットを引き、ゴルフボールを打ち、打った後も利き目の位置を保持し続ける事が簡単な構造で確認でき、更に反復練習することにより、正しい姿勢を体に覚えさせることを可能とするパット練習具の提供。
【課題を解決するための手段】
【0012】
ゴルフボールの直径にほぼ等しい、又は直径よりも小さい内径を持つ筒と当該筒の自重を利用して長手方向に鉛直になるように自由に動く支持機構を持つことを特徴としたパット練習具を利用して、プレーヤーが、ゴルフボールを本パット練習具の筒の真下に置き、利き目で筒上から筒を通してこのゴルフボールを覗き込みながら打ち、打った後も利き目の位置を筒上に保持することでヘッドアップの無い正しい姿勢を反復練習することによって解決する。
【発明の効果】
【0013】
プレーヤーは、本練習具を利用して利き目とゴルフボールの位置を正確にあわせ、その位置を保持したままでパットを引き、ゴルフボールを打ち、打った後も利き目の位置を保持し続ける事が可能となり、それを反復練習することにより、正しい姿勢を体に覚えさせることができる。又、プレー用のパターを利用し、本練習具を簡単にセットしてプレー前のパター練習でも利用できるので練習の結果をそのままプレーに反映できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明のパット練習具の概略構成図
図2】本発明のパット練習具用シートの実施例
図3】本発明の携帯用パット練習具の実施例
図4】本発明の微調整機構の実施例
図5】本発明の実施例の使用状態図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の実施の形態を図1から図5に基づいて説明する。図1は、本発明のパット練習具の概略構成図である。筒1は、筒の自重を利用して長手方向に鉛直になるように自由に動く支持機構2を通して柱3に接続され、柱3は、全体が移動しない重りの役目を果たす台4に取付けられている。又、柱3は、例えば卓上スタンドの首の部分のようにフレキシブルに曲げられる構造であっても良い。
【0016】
図2は、本パット練習具をより効果的に利用するためのシートであり、マット状のシート5にゴルフボールをセットする位置を示す十字と丸6とパターを引く方向と引き幅の目安を示すパター用ライン7とゴルフボールの打ち出し方向を確認するボール用ライン8からなり、十字と丸6が本パット練習具の筒の直下になるように設置して使用する。
【0017】
パッティングの練習で一番大切なことは、プレーヤーの利き目とゴルフボールの位置を正確にあわせ、その位置を保持したままでパットを引き、ゴルフボールを打ち、打った後も利き目の位置を保持し続ける事である。本発明では、プレーヤーが、本パット練習具の鉛直にセットされた筒1の真下に位置するゴルフボールを利き目で真上から筒1を通して覗き込みながら打ち、打った後も利き目で覗き込み続けることで誰でも簡単にヘッドアップを防止して正しい姿勢でパットをすることと共に、パターを引く方向と引き幅の大きさを示すライン7とゴルフボールの打ち出し方向を確認するライン8を利用して、パターの距離感と方向性を鍛えることができ、反復練習をすることで筋肉にその感覚を覚えさせるようなパット練習具を創案した。
【実施例1】
【0018】
パット練習具は、単独でも自宅で絨毯の上や他の練習用マット等と組み合わせて使用することも可能であり、更に、図3に示したように台4の代わりにフレキシブルな三脚やティーのように芝生にさせる形状を持つ脚9に変えることで携帯が可能となり、プレー当日は、練習グリーンにセットして使用することでプレー前のパター練習でも正しい姿勢を確認し、練習の結果をそのままプレーに反映できる。
【実施例2】
【0019】
プレーヤーによっては、利き目の直下にゴルフボールをセットするよりも若干前後左右にずらしたほうが、よりスムーズなパットができる場合がある。この場合は、図4に示した微調整用重り10を筒に取付けることで任意の方向に筒をずらすことができ、プレーヤーの特徴に合わせた練習を可能とする。
【実施例3】
【0020】
図5は、本パット練習具にシート5をセットして使用している状態図である。
【符号の説明】
【0021】
1 筒
2 支持金具
3 柱
4 台
5 シート
6 十字と丸
7 パター用ライン
8 ボール用ライン
9 脚
10 微調整用重り
図1
図2
図3
図4
図5