(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記給電制御部は、外部に設けられた車両検知用センサからの車両検出情報を前記無線通信部を介して受信すると、前記給電部に対応する前記第1の電力の出力を開始する、
ことを特徴とする請求項1記載の給電装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施形態1では、給電装置の給電部のコイルから給電部ごとに割り振られた給電部を特定するための給電部ごとに電力の大きさが異なる第1の電力を出力する。続いて、車両の充電装置のコイルが第1の電力を受電したと判定すると、車両の無線通信部から給電部を特定する給電部特定情報を送信する。給電部特定情報は受電した電力を含む情報である。
【0014】
続いて、給電装置の無線通信部が給電部特定情報を受信し、給電装置の給電制御部に転送する。給電制御部は、受信した給電部特定情報の示す電力の大きさが予め記憶されている特定電力範囲のいずれかにあるかどうか判定する。特定電力範囲内にあると判定した場合は、特定電力範囲内に関連付けられている給電部を特定する。続いて、特定される給電部に給電を開始させるための充電開始情報を、給電装置の無線通信部を介して車両に送信する。また、給電部特定情報により特定される給電部に対し第2の電力を出力させる。
【0015】
本実施形態1によれば、車両が所定の位置に駐車された場合に該車両に電力を供給する給電装置を特定するセンサまたは無線部を備えなくても給電装置を特定することができるため、コストの低減ができる。
【0016】
さらに、給電装置側の無線通信に関連する構成を1つの無線通信部が行うことができるため、コストの低減ができる。
以下図面に基づいて、実施形態について詳細を説明する。
【0017】
図1は、実施形態1のチャージステーションの一実施例を示す図である。
図1に示すチャージステーション1には、車両5を駐車するための駐車エリア2a〜2dがある。駐車エリア2a〜2dそれぞれには後述する給電部4a〜4dと、給電部4a〜4d各々に対応付けられる給電制御部3a〜3dとを有する第1の装置12と、第1の装置12と別に無線通信部11が配置されている。第1の装置12の給電制御部3a〜3dは車両5へ非接触給電する際に送電制御を行い、給電部4a〜4dは電力を車両5に送電する。
【0018】
また、チャージステーション1にはセンサ6が備えられている。センサ6は、チャージステーション1に入場する車両5を検出し、検出したことを無線通信部11に通知する。
無線通信部11は給電制御部3a〜3dと接続され、例えば、Local Area Network(LAN)を介して無線通信部11と給電制御部3a〜3dは接続され、センサ6より通知られた車両検知信号を給電制御部3へ送る。例えば、1つの無線通信部11をチャージステーション1のいずれかに設け、第1の装置12の給電制御部3a〜3dと無線通信部11とを通信させる。
【0019】
図2は、実施形態1の給電装置と車両の関係を示す図である。
図2の給電装置8は給電制御部3、給電部4、無線通信部11を備えている。無線通信部11は車両5およびセンサ6などと無線通信を行う。給電制御部3は商用電源から給電された電力を車両5に送電する給電部4の制御を行う。さらに、給電制御部3は充電料金の算出、駐車料金の算出、各種料金の支払いなどに関する制御も行う。また、給電制御部3は通信インタフェースを備え、無線通信部11やサーバ9と通信を行う。
【0020】
給電部4は電力を車両5に送電するときに用いられ、また車両5がどの駐車エリア2a〜2dに駐車されているかを特定するためにも用いられる。
なお、
図2の給電装置8において給電制御部3と給電部4とは信号線SIGにより接続されている。
【0021】
図2の車両5は充電装置7を備えている。充電装置7は給電部4から送電された電力を受電して、充電装置7に接続されているバッテリ部506に充電する。バッテリ部506は充電式の二次電池で、例えば、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池などが考えられる。
【0022】
図3は、給電装置とサーバとの関係を示す図である。
図3に示す給電制御部3a〜3d各々はネットワーク10を介してサーバ9と通信をする。サーバ9は、例えば、給電制御部3a〜3dと通信をして充電料金の算出、駐車料金の算出、各種料金の支払いなどに関する処理を実行し、処理結果を給電制御部3a〜3dに送信する。なお、無線通信部11とサーバ9に通信をさせ、無線通信部11経由で給電制御部3a〜3dとサーバ9が通信をしてもよい。
【0023】
図4は、給電装置の一実施例を示す図である。
図4の給電装置8は給電制御部3(制御装置401)、駆動部402と第1のコイル403を備えている。駆動部402と第1のコイル403は給電部4を構成する。給電部4は車両に搭載された充電装置に非接触で給電をする。
【0024】
給電制御部3は、チャージステーション1に入場した車両5を検出するセンサ6から車両検出情報を受信すると給電部4を特定するために、給電4a〜4dごとに送電レベルが決められた第1の電力を第1のコイル403から出力するように駆動部402を制御する。また、給電制御部3は、車両5が受電した電力レベルに対応する給電部特定情報を車5の充電装置7から受信する。そして、受信した電力レベルが予め記憶部に記憶されている決められた電力レベルの範囲を示す特定電力範囲内にあると判定されたとき、充電を開始することを示す充電開始情報を充電装置7に送信をする。その後、充電装置7のバッテリ部に充電するために第2の電力(充電電力)を給電部4に給電させる制御をする。
【0025】
制御装置401は、準備中または給電中の給電部4に第1の電力を給電させない制御をする。
駆動部402は、商用電源404から供給される電力を決められた周期でかつ決められた電力レベルの交流に変換し第1のコイル403に給電する。また、変換などの制御は制御装置401により行われる。
【0026】
第1のコイル403は、車両に搭載されている充電装置7へ電力を給電するために用いられる。
図5は、充電装置の一実施例を示す図である。
図5の充電装置7は制御装置501と第2のコイル502(受電部)、充電部(整合部503、整流部504、検出部505)を備えている。受電部は給電装置から給電される電力を受電する。充電部は受電した電力をバッテリ部506に充電する。
【0027】
制御装置501は、給電装置8から送電された電力を受電し、受電した電力レベルを示す情報を有する給電部特定情報を送信する。そして、送信した電力レベルが給電装置の記憶部に記憶されている決められた電力レベルの範囲を示す特定電力範囲内である場合に、給電装置から送信される充電を開始させるための充電開始情報を受信すると、バッテリ部に充電をさせる制御をする。
【0028】
第2のコイル502は給電装置8から第1のコイル403を介して送電された交流の電力を受電し、受電した電力が整合部503に供給される。
整合部503は給電装置8と充電装置7との間のインピーダンス整合を行い、制御装置501により制御される。
【0029】
整流部504は受電した交流の電力を整流して直流にし、直流にした電力はバッテリ部506に供給される。
検出部505はバッテリ部506に充電する際にバッテリ部506に流れる電流を検出するセンサなどが考えられる。例えば、電流センサなどが考えられる。
【0030】
バッテリ部506は充電式の二次電池などが考えられる。
図6は、給電装置および充電装置のそれぞれの制御装置とサーバのハードウェアの一実施例を示す図である。給電装置8の制御装置401および充電装置7の制御装置501とサーバ9のハードウェアは、
図6に示す制御部601、記憶部602、記録媒体読取装置603、入出力インタフェース604(入出力I/F)、通信インタフェース605(通信I/F)などをそれぞれ備えている。また、上記各構成部はバス606によってそれぞれ接続されている。なお、サーバ9の機能はクラウドなどを用いて実現することもできる。
【0031】
制御部601はCentral Processing Unit(CPU)、マルチコアCPU、プログラマブルなデバイス(Field Programmable Gate Array(FPGA)、Programmable Logic Device(PLD)など)を用いることが考えられる。
【0032】
記憶部602は、例えばRead Only Memory(ROM)、Random Access Memory(RAM)などのメモリやハードディスクなどが考えられる。なお、記憶部602にはパラメータ値、変数値などのデータを記録してもよいし、実行時のワークエリアとして用いてもよい。また、給電装置8およびサーバ9において、記憶部602以外に給電装置8およびサーバ9の外部に他の記憶部を設けてもよく、例えば、データベースなどを設けることが考えられる。
【0033】
記録媒体読取装置603は、制御部601の制御に従って記録媒体607に対するデータのリード/ライトを制御する。そして、記録媒体607に記録媒体読取装置603の制御で書き込まれたデータを記録させたり、記録媒体607に記録されたデータを読み取らせたりする。また、着脱可能な記録媒体607は、コンピュータで読み取り可能なnon-transitory(非一時的)な記録媒体として、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)などがある。光ディスクには、Digital Versatile Disc(DVD)、DVD−RAM、Compact Disc Read Only Memory(CD−ROM)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、Magneto-Optical disk(MO)などがある。なお、記憶部602もnon-transitory(非一時的)な記録媒体に含まれる。
【0034】
入出力インタフェース604には、入出力部608が接続され、入力された情報を受信し、バス606を介して制御部601に送信する。また、制御部601からの命令に従ってディスプレイの画面上に操作情報などを表示する。入出力部608の入力装置は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(マウスなど)、タッチパネルなどが考えられる。なお、入出力部608の出力部であるディスプレイは、例えば、液晶ディスプレイなどが考えられる。充電装置7の入出力部608は、車両5においてダッシュボードに備え付けられていることが考えられる。また、出力部608はCathode Ray Tube(CRT)ディスプレイ、プリンタなどの出力装置であってもよい。
【0035】
通信インタフェース605は、LAN接続やインターネット接続を行うためのインタフェースである。また、通信インタフェース605は必要に応じ、他のコンピュータとの間のLAN接続やインターネット接続や無線接続を行うためのインタフェースとして用いてもよい。
【0036】
このようなハードウェア構成を有するコンピュータを用いることによって、給電装置8の制御装置401および充電装置7の制御装置501とサーバ9が行う各種処理機能が実現される。その場合、給電装置8の制御装置401および充電装置7の制御装置501とサーバ9が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体607に記録しておくことができる。
【0037】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの記録媒体607が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に記録しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0038】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、記録媒体607に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶部602に記憶する。そして、コンピュータは、自己の記憶部602からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、記録媒体607から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0039】
図7は、給電装置の動作の一実施例を示すフロー図である。ステップS701では、給電装置8の無線通信部11を介して給電制御部3がチャージステーション1に設置されているセンサ6から送信された車両検出情報を取得する。車両検出情報を受信した場合(Yes)にはステップS702に移行し、車両検出情報を受信できない場合(No)にはステップS701に移行する。車両検出情報はチャージステーション1に進入してきた車両5があること給電装置8に通知するための情報である。
図1の例ではセンサ6が無線通信部11に車両検出情報を送信する。なお、現在充電中の給電装置8の給電制御部3は起動しているが、充電していない(待機中)給電部4の給電制御部3の制御部はスリープ状態である。ただし、通信部は起動しており通信信号を受信すると制御部はスリープ状態から起動する。
【0040】
ステップS702では、制御装置401が現在充電準備または充電中であるか否かを判定し、充電準備または充電中である場合(Yes)には給電装置8の特定する処理を行わない。充電準備または充電中でない場合(No)にはステップS703に移行する。例えば、制御装置401の記憶部(
図6の場合には記憶部602)に記憶されている給電情報の後述する特定情報を参照して充電に利用されているか否かを判定し、充電に利用されていない場合は制御装置401が給電部4を駆動させる。
【0041】
図8は、給電情報のデータ構造の一実施例を示す図である。
図8の給電情報801a〜801dは、「給電部ID」「特定電力値」「特定情報」「特定電力範囲」などに示される情報が記憶されている。「給電部ID」には給電装置あるいは駐車エリアを識別する識別情報が記憶されている。本例では、給電部4a〜4dを示す識別情報「1」〜「4」が記憶されている。「特定電力値」にはチャージステーション1に進入して来た車両5が給電する給電部4a〜4dを特定するために、車両5へ送電する電力レベルが記憶されている。車両5へ送電する電力レベルは給電部4a〜4d各々で異なる。本例では、給電情報801aには電力レベルを示す情報「s_level1」が記憶され、給電情報801bには電力レベルを示す情報「s_level2」が記憶されている。給電情報801cには電力レベルを示す情報「s_level3」が記憶され、給電情報801dには電力レベルを示す情報「s_level4」が記憶されている。「特定情報」には充電に利用されているか否かを示す情報が記憶されている。本例では、充電開始の準備または充電中の状態である場合には「1」が設定され、それ以外の場合には「0」が設定される。なお、給電部4の特定中であれば「2」が設定される。
【0042】
「特定電力範囲」には車両5から給電装置8に送信される給電部特定情報に含まれる電力レベルと比較し、給電部4を特定するための電力レベルの範囲が記憶されている。給電部4a〜4d各々で異なる。本例では、給電情報801aには特定電力範囲を示す情報「s_level_area1」が記憶され、給電情報801bには特定電力範囲を示す情報「s_level_area2」が記憶されている。給電情報801cには特定電力範囲を示す情報「s_level_area3」が記憶され、給電情報801dには特定電力範囲を示す情報「s_level_area4」が記憶されている。
【0043】
図9は、給電部の特定中と充電中の状態の一実施例を示した図である。
図9のAは給電装置8の備える給電部4a〜4dを特定するために、それぞれが異なる電力を出力していることを示している(矢印)。
図9のBは給電装置8の備える給電部4a、4dを特定するために、それぞれが異なる電力を出力していることを示している(矢印)。また、給電部4b、4cが車両5を充電するために、それぞれが充電に用いられる電力を出力していることを示している(波模様を含む矢印)。
【0044】
ステップS703ではチャージステーション1の充電に利用されていない給電装置8の制御装置401が給電部4を駆動させる。ステップS704では制御装置401の制御部(
図6の場合には制御部601)が給電情報を参照して給電部4から所定の電力(第1の電力)を出力させる。例えば、給電部4aの場合であれば給電情報801aの「特定電力値」に記憶されている「s_level1」に示す電力を所定の時間給電部4に供給する。
【0045】
車両5の充電装置7は、給電部4の第1のコイル403から出力されている電力を受電し、受電した電力を示す情報を含む給電部特定情報を給電装置8に送信する。
ステップS705では制御装置401が無線通信部11を介して給電部特定情報を受信したか否かを判定し、受信した場合(Yes)にはステップS706に移行する。受信していない場合(No)にはステップS704に移行する。
【0046】
ステップS706では、制御装置401が給電部特定情報の電力レベルと、給電情報の「特定電力範囲」に記憶されている特定電力範囲とを比較して、電力レベルが特定電力範囲内であるかを判定する。特定電力範囲内である場合(Yes)はステップS707に移行し、特定電力範囲内でない場合(No)はステップS704に移行する。そして、再度所定の時間給電部4に電力を供給する。
【0047】
ただし、ステップS704〜S706の処理が所定の時間を越えるときはステップS701に移行して再度処理を実行する。
ステップS707では、給電部特定情報を送信した車両5に、無線通信部11を介して充電開始情報を送信する。充電開始情報は車両5を識別する情報と充電を開始することを示す情報を有している。ステップS1003を参照。
【0048】
ステップS708では、制御装置401が給電部4を用いて充電を開始する準備を開始する。
図10は、充電装置の動作の一実施例を示すフロー図である。ステップS1001では制御装置501が電力を受電したか否かを判定し、受電した場合(Yes)にはステップS1002に移行し、受電できない場合(No)にはステップS1001に移行する。例えば、所定の電力以上を受信した場合にステップS1002に移行する。ただし、充電中の場合はステップS1001〜S1004の処理をせずに、現在実行されている充電に関する処理を継続する。充電中であることの検出は、充電時に給電装置8から送電される所定の電力を検出した場合に、充電中であると判定することが考えられる。
【0049】
ステップS1002では、制御装置501が受電した電力示す情報を含む給電部特定情報を給電装置8に送信する。
ステップS1003では、制御装置501が充電開始情報を通信インタフェース(
図6の通信インタフェース605)を介して受信したか否かを判定し、受信した場合(Yes)にはステップS1004に移行する。受信しない場合(No)にはステップS1001に移行する。
【0050】
ステップS1004では、制御装置501が充電装置7に充電を開始する準備をする。
図11は、給電装置と充電装置の動作状態の一実施例を示すタイムチャートを示す図である。
図11の例では、進入して来た車両5が駐車エリア2aに駐車をする場合に、既に駐車エリア2b、2cの2台の車両がそれぞれ充電中で、駐車エリア2a、2dは空いている状態である。
図11の縦軸には、給電装置8が給電部4aに送電した電力レベル(送電レベル)、給電装置8が通信時に送受信した信号(送受信信号)、給電装置8を制御する信号(制御信号)、駐車エリア2aに駐車した車両5の受電した電力レベル(充電レベル)、車両5が通信時に送受信した信号(送受信信号)が示されている。また、
図11の縦軸には、給電装置8が給電部4bに送電した電力レベル(送電レベル)、給電装置8が給電部4cに送電した電力レベル(送電レベル)が示されている。また、
図11の縦軸には、給電装置8が給電部4dに送電した電力レベル(送電レベル)、給電装置8が通信時に送受信した信号(送受信信号)、給電装置8を制御する信号(制御信号)が示されている。
図11の横軸は時間軸である。
【0051】
時間t0においてセンサ6から送信された車両検出情報を給電装置8が受信する(ステップS701)。本例では、給電部4b、4cについては示されていない。
時間t1において充電中でない給電部4a、4dを駆動する信号を出力する(ステップS703)。給電部4b、4cは充電を継続する。
【0052】
時間t2において充電中でない給電部4a、4dから駐車エリアまたは給電部を特定するための所定の電力(第1の電力)s_level1、s_level4を出力する(ステップS704)。給電部4b、4cは充電を継続する。
【0053】
時間t3において駐車エリア2aに駐車した車両5の充電装置7は給電部4aから出力された電力を受電する(ステップS1001)。
駐車エリア2aに駐車した車両5が所定の時間電力を受電すると、時間t4において受電した電力を示す情報を含む給電部特定情報を給電装置8に送信する(ステップS1002)。本例では、時間t4で車両5が受電を停止しているが時間t4で受電を停止しなくてもよい。
【0054】
なお、駐車エリア2dには車両は駐車されていないため給電部特定情報は給電部4dに送信されない。
時間t5において、車両5から送信された給電部特定情報を給電部4aが受信する(ステップS705)。
【0055】
時間t6において給電装置8が充電開始情報を車両5に送信する(ステップS707)。
時間t7において給電装置8の給電部4a、4dから駐車エリアまたは給電装置を特定するための所定の電力(第1の電力)の出力を停止する。そして、時間t8において駐車エリア2aに駐車した車両5に給電部4aを用いて充電を行う。すなわち、充電に必要な電力(第2の電力)を充電装置7に送電する。
【0056】
実施形態1によれば、駐車エリア各々に車両位置を検知するためのセンサなどを設けなくても給電部(または駐車エリア)を特定することができるため、複数の車両が非接触充電を行えるような施設であっても、コストを低減できる。
【0057】
さらに、給電装置側の無線通信に関連する構成を1つの無線通信部が行うことができるため、コストの低減ができる。
実施形態2について説明をする。
【0058】
図12は、実施形態2のチャージステーションの一実施例を示す図である。
図12に示すチャージステーション1には、車両を駐車するための駐車エリア2a〜2dがあり、駐車エリア2a〜2dには後述する給電部4a〜4dが配置されている。給電装置は、車両5などと無線通信を行い、さらに給電制御部3と通信を行う無線通信部11と、車両5へ給電する際に送電に関する制御などを行う1つの給電制御部3とを有する第2の装置13と、電力を車両5側に送電するための給電部4a〜4dを有する。例えば、第2の装置13をチャージステーション1のいずれかに設け、第2の装置13の給電制御部3により給電部4a〜4d各々を制御する。
【0059】
また、チャージステーション1にはセンサ6が備えられている。センサ6は、チャージステーション1に入場する車両5を検出し、検出したことを給電装置に通知する。
図13は、実施形態2の給電装置とサーバとの関係を示す図である。
図13に示す給電装置8はネットワーク10を介してサーバ9と通信をする。サーバ9は、例えば、給電装置8の給電制御部3と通信をして駐車エリア2a〜2dに関連する充電料金の算出、駐車料金の算出、各種料金の支払いなどに関する処理を実行し、処理結果を給電装置の給電制御部3に送信する。
【0060】
図14は、実施形態2の給電装置の一実施例を示す図である。
図14の給電装置8は制御装置401、複数の駆動部402a〜402dと第1のコイル403a〜403dを備えている。制御装置401は給電制御部3に相当する。駆動部402a〜402dと第1のコイル403a〜403dは給電部4a〜4dを構成する。複数の給電部4a〜4dは、車両に搭載された充電装置に非接触で給電をする。
【0061】
制御装置401(給電制御部3)は、車両5を検出して車両検出情報を送信するセンサ6から車両検出情報を受信すると、給電部4を特定するために決められた給電部4ごとに異なる電力を給電部各々に給電させる制御をする。また、給電制御部は、給電部から受電した電力レベルを示す情報を有する給電部特定情報を充電装置から受信すると、受信した電力レベルが記憶部に記憶されている決められた電力レベルの範囲を示す特定電力範囲内にあると判定されたとき、充電を開始することを示す充電開始情報を充電装置に送信する。その後、充電装置のバッテリ部に充電するための電力レベルの電力を上記給電部に給電させる制御をする。
【0062】
また、制御装置401(給電制御部3)は、充電装置が充電準備中または充電中である場合、給電部4を特定するために決められた給電部4ごとに異なる電力を、給電準備中または給電中である給電部4に給電させない制御をする。
【0063】
駆動部402a〜402dは、商用電源404から供給される電力を決められた周期でかつ決められた電力レベルの交流に変換し第1のコイル403に給電する。また、変換などの制御は制御装置401により行われる。
【0064】
第1のコイル403a〜403dは、車両に搭載されている充電装置7へ電力を給電するために用いられる。
非接触電力充電に用いられる車両5に搭載される充電装置7は、受電部と充電部と制御装置を備える。受電部は、給電装置8から給電される電力を受電する。充電部は、受電した電力をバッテリ部に充電する。制御装置501(
図5を参照)は、受電した電力レベルを示す情報を有する給電部特定情報を送信する。そして、送信した電力レベルが給電装置の記憶部に記憶されている決められた電力レベルの範囲を示す特定電力範囲内である場合に、給電装置から送信される充電を開始させるための充電開始情報を受信すると、バッテリ部に充電をさせる制御をする。
【0065】
図15は、実施形態2の給電装置の動作の一実施例を示すフロー図である。ステップS1501では、給電装置8の給電制御部3の通信部1がチャージステーション1に設置されているセンサ6から送信された車両検出情報を受信する。車両検出情報を受信した場合(Yes)にはステップS1502に移行し、車両検出情報を受信できない場合(No)にはステップS1501に移行する。車両検出情報はチャージステーション1に進入してきた車両5があることを給電制御部3に通知するための情報である。
図12の例ではセンサ6が給電制御部3に車両検出情報を送信する。なお、現在充電中の給電制御部3は起動しているが、充電していない(待機中)給電制御部3の制御部はスリープ状態である。ただし、通信部は起動しており通信信号を受信すると制御部はスリープ状態から起動する。
【0066】
ステップS1502では、制御装置401が現在充電準備または充電中に利用されている給電部を検出する。例えば、制御装置401の記憶部(
図6の場合には記憶部602)に記憶されている給電情報の後述する特定情報を参照して充電に利用されているか否かを検出し、制御装置401が充電に利用されていない給電部4を駆動させる。
【0067】
図16は、実施形態2の給電情報のデータ構造の一実施例を示す図である。
図16の給電情報1601は、「給電部ID」「特定電力値」「特定情報」「特定電力範囲」などに示される情報が記憶されている。「給電部ID」には給電部あるいは駐車エリアを識別する識別情報が記憶されている。本例では、給電部4a〜4dを示す識別情報「1」〜「4」が記憶されている。「特定電力値」にはチャージステーション1に進入して来た車両5が給電する給電部4a〜4dを特定するために、車両5へ送電する電力レベルが記憶されている。車両5へ送電する電力レベルは給電部4a〜4d各々で異なる。本例では、給電部4a〜4dの送電する電力レベルを示す情報「s_level1」「s_level2」「s_level3」「s_level4」が記憶されている。「特定情報」には充電に利用されているか否かを示す情報が記憶されている。本例では、充電開始の準備または充電中の状態である場合には「1」が設定され、それ以外の場合には「0」が設定される。なお、給電装置8の特定中であれば「2」が設定される。
【0068】
「特定電力範囲」には車両5から給電制御部3に送信される給電部特定情報に含まれる電力レベルと比較し、給電部4を特定するための電力レベルの範囲が記憶されている。給電部4a〜4d各々で異なる。本例では、給電情報1601には特定電力範囲を示す情報「s_level_area1」「s_level_area2」「s_level_area3」「s_level_area4」が記憶されている。
【0069】
ステップS1503では制御装置401がチャージステーション1の充電に利用されていない給電部を駆動させる。ステップS1504では制御装置401の制御部(
図6の場合には制御部601)が給電情報を参照して給電部4から所定の電力を出力させる。例えば、給電部4aの場合であれば給電情報1601の「特定電力値」に記憶されている「s_level1」の示す電力を所定の時間給電部4aに供給する。
【0070】
車両5の充電装置7は、給電部4a〜4dの第1のコイル403a〜403dのうち充電に利用されていない第1のコイルから出力されている電力を受電し、受電した電力を示す情報を含む給電部特定情報を給電制御部3に送信する。
図17のステップS1701、S1702を参照。
【0071】
ステップS1505では制御装置401がアンテナ(
図6のアンテナ609)と通信インタフェース(
図6の通信インタフェース605)を介して給電部特定情報を受信したか否かを判定し、受信した場合(Yes)にはステップS1506に移行する。受信していない場合(No)にはステップS1505に移行する。
【0072】
ステップS1506では、制御装置401が給電部特定情報の電力レベルと、給電情報の「特定電力範囲」に記憶されている特定電力範囲とを比較して、電力レベルが特定電力範囲内であるかを判定する。特定電力範囲内である場合(Yes)はステップS1507に移行し、特定電力範囲内でない場合(No)はステップS1504に移行する。そして、再度所定の時間充電に利用されていない給電部4に電力を供給する。
【0073】
ただし、ステップS1504〜S1506の処理が所定の時間を越えるときはステップS1501に移行して再度処理を実行する。
ステップS1507では、給電部特定情報を送信した車両5に、制御装置401が通信インタフェース(
図6の通信インタフェース605)とアンテナ(
図6のアンテナ609)を介して充電開始情報を送信する。充電開始情報は車両5を識別する情報と充電を開始することを示す情報を有している。ステップS1703を参照。
【0074】
ステップS1508では、制御装置401が車両5へ車両5が駐車した駐車エリアの給電部4を用いて充電を開始する準備を開始する。
図17は、実施形態2の充電装置の動作の一実施例を示すフロー図である。ステップS1701では制御装置501が電力を受電したか否かを判定し、受電した場合(Yes)にはステップS1702に移行し、受電できない場合(No)にはステップS1701に移行する。例えば、所定の電力以上を受信した場合にステップS1702に移行する。ただし、充電中の場合はステップS1701〜S1704の処理をせずに、現在実行されている充電に関する処理を継続する。充電中であることの検出は、充電時に給電部4から送電される所定の電力を検出した場合に、充電中であると判定することが考えられる。
【0075】
ステップS1702では、制御装置501が受電した電力示す情報を含む給電部特定情報を給電制御部3に送信する。
ステップS1703では、制御装置501が充電開始情報をアンテナ(
図6のアンテナ609)と通信インタフェース(
図6の通信インタフェース605)を介して受信したか否かを判定し、受信した場合(Yes)にはステップS1704に移行する。受信しない場合(No)にはステップS1701に移行する。
【0076】
ステップS1704では、制御装置501が充電装置7に充電を開始する準備をさせる。
図18は、実施形態2の給電装置と充電装置の動作状態の一実施例を示すタイムチャートを示す図である。
図18の例では、進入して来た車両5が駐車エリア2aに駐車をする場合に、既に駐車エリア2b、2cの2台の車両がそれぞれ充電中で、駐車エリア2a、2dは空いている状態である。
図18の縦軸には、給電部4aに送電した電力レベル(送電レベル)、給電制御部3が通信時に送受信した信号(送受信信号)、給電部4aを制御する信号(制御信号)、駐車エリア2aに駐車した車両5の受電した電力レベル(充電レベル)、車両5が通信時に送受信した信号(送受信信号)が示されている。また、
図18の縦軸には、給電部4bに送電した電力レベル(送電レベル)、給電部4cに送電した電力レベル(送電レベル)、給電部4dに送電した電力レベル(送電レベル)が示されている。
図18の横軸は時間軸である。
【0077】
時間t0においてセンサ6から送信された車両検出情報を給電制御部3が受信する(ステップS1501)。本例では、給電部4b、4cについては示されていない。
時間t1において充電中でない給電部4a、4dを駆動する信号を出力する(ステップS1503)。給電部4b、4cは充電を継続する。
【0078】
時間t2において充電中でない給電部4a、4dから駐車エリアまたは給電装置を特定するための所定の電力s_level1、s_level4を出力する(ステップS1504)。給電部4b、4cは充電を継続する。
【0079】
時間t3において駐車エリア2aに駐車した車両5の充電装置7は給電部4aから出力された電力を受電する(ステップS1701)。
駐車エリア2aに駐車した車両5が所定の時間電力を受電すると、時間t4において受電した電力を示す情報を含む給電部特定情報を給電制御部3に送信する(ステップS1702)。本例では、時間t4で車両5が受電を停止しているが時間t4で受電を停止しなくてもよい。
【0080】
なお、駐車エリア2dには車両は駐車されていないため給電部特定情報は給電部4dに送信されない。
時間t5において、車両5から送信された給電部特定情報を給電制御部3が受信する(ステップS1505)。
【0081】
時間t6において給電制御部3が充電開始情報を車両5に送信する(ステップS1507)。
時間t7において給電部4a、4dから駐車エリアまたは給電部を特定するための所定の電力の出力を停止する。そして、時間t8において駐車エリア2aに駐車した車両5に給電部4aを用いて充電を行う。
【0082】
実施形態2によれば、駐車エリア各々に車両位置を検知するためのセンサなどを設けなくても給電部(または駐車エリア)を特定することができるため、複数の車両が非接触充電を行えるような施設であっても、コストを低減できる。
【0083】
さらに、給電装置側の無線通信に関連する構成を1つの無線通信部が行うことができるため、コストの低減ができる。
また、本発明は、上記実施形態1、2に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。