特許第6083590号(P6083590)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6083590
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】スリット付きロンパース
(51)【国際特許分類】
   A41D 11/00 20060101AFI20170213BHJP
   A41B 13/00 20060101ALI20170213BHJP
   A41D 27/00 20060101ALI20170213BHJP
【FI】
   A41D11/00 C
   A41B13/00
   A41D27/00 A
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2012-123678(P2012-123678)
(22)【出願日】2012年5月14日
(65)【公開番号】特開2013-237960(P2013-237960A)
(43)【公開日】2013年11月28日
【審査請求日】2015年2月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】514229465
【氏名又は名称】上原 一泰
(74)【代理人】
【識別番号】510300809
【氏名又は名称】鈴木 未夏子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 未夏子
【審査官】 北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3145298(JP,U)
【文献】 特表平10−512022(JP,A)
【文献】 特開平09−324303(JP,A)
【文献】 特開2004−267447(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0125930(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41B 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オムツをしている幼児用の下着・ロンパースにおいて、股当て部前身ごろの縁中央先端に3個程の複数の股当て前身ごろスナップ釦を設け、股当て後ろ身ごろの縁中央先端に同じく3個程の複数の股当て後ろ身ごろスナップ釦を設け、この股当て後ろ身ごろスナップ釦から数センチ内側中央に上った位置にスリット通し留め用スナップ釦を1個設け、首後ろ襟の襟元縁に沿って10cm程の差し込みスリットを設け、保護者が幼児を立っちさせたままオムツ替えをする時、股当て後ろ身ごろをたくし上げて、先端部を差し込みスリットに差し込み通し、首後ろ襟を巻き覆うように折り返して、スリット通し留め用スナップ釦に股当て後ろ身ごろスナップ釦を留め固定し、保護者の両手が自由を確保されつつ手早くオムツ替え作業を済ますことができることを特徴とするスリット付きロンパース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は幼児の衣類に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、幼児用下着のロンパースは股部分にスナップ釦が取り付けられており、オムツ替えしやすいように開く仕組みになっているものである。
また、常時仰臥状態の幼児の為のロンパースとしてウェスト部分に開口部を設けたもの(特許文献1参照)やロンパースの機能を備えながら上衣と下衣を別々に着用したようなファッション性を重視した先行技術(特許文献2参照)等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許公開2003−27310号公報
【特許文献2】特許公開2007−56404号公報
【発明概要】
【発明が解決しようとしている課題】
【0004】
1歳頃〜3歳頃といった立つことが出来るようになった幼児のオムツ替えは、つかまり立ちさせながら、片手でロンパースや上着をたくしあげて、もう片方の手で替えるか、両手でしか出来ないような場合は、幼児が嫌がっても仰向けに寝転がらせてオムツ替えするのが一般的である。立つことが出来る幼児は立ってオムツ替えしたい子が多いにも関わらず、上着やロンパースが汚れないように片手で押さえながら行なわなければならないので、両手が使えず非常に不便を感じる事が多い。
先行技術の常時仰臥状態の幼児の為のロンパースは、腰部に横方向への大きな開口部を設け、背中や臀部の方に手を挿し込むというものだが、幼児を立っちさせたままでオムツ替えするには適していない。ロンパースの機能を備えながら上衣と下衣を別々に着用したようなファッション性を重視した先行技術は、仰臥させた幼児の足を抜かないで、オムツ替えできるという点では便利だが、立っちさせた姿勢であれば、両脚部が大きく開かないため、釦を外して開口してもオムツ替えが出来やすい状態にはならない。
本発明は以上の問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
オムツをしている幼児用の下着・ロンパースにおいて、股当て前身ごろの縁中央先端に3個ほどの複数の股当て前身ごろスナップ釦を設け、股当て後ろ身ごろの縁中央先端に同じく3個ほどの複数の股当て後ろ身ごろスナップ釦を設け、この股当て後ろ身ごろのスナップ釦から数センチ内側中央に上った位置にスリット通し留め用スナップ釦を一個設け、首後ろ襟の襟元縁に沿って10センチ程の差し込みスリットを設け、保護者が幼児を立っちさせたままオムツ替えする時、股当て後ろ身ごろをたくし上げて、先端部を差し込みスリットに差し込み通し、スリット通し留め用スナップ釦に股当て後ろ身ごろスナップ釦を留め固定し、保護者の両手が自由を確保されつつ手早くオムツ替え作業を済ますことができる。
以上を特徴とするスリット付きロンパースである。
【発明の効果】
【0006】
従来のロンパースは股部分が開くようになっておりスナップボタンで止めるような構造になっているだけであるが、本発明では背中側の首元にスリットを入れるか、両端だけを縫い付けた帯を設けて、背中側からロンパースの股部分を引っ張り上げ引っかけて、予め背中側についているスナップ釦の下側にとりつけられた別のスナップ釦と合せることによって、ロンパースも、又一緒にたくしあげた上衣もズリ落ちず、両手共自由に使ってオムツ替え出来るようになった。本発明は、オムツ替え用に考えたものであるが、4,5歳の幼児がトイレに行く際も、先にロンパースをたくしあげて固定してあげる事によって、まだトイレで用を足すのに不慣れな幼児でも、一人で服をよごさずに用を足すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の正面図
図2】本発明の背面図
図3】本発明の実施例において、股当て部後ろ身ごろの先端を差し込みスリットに通した状態を示した背面図
図4】本発明の実施例を示した図3において、差し込みスリットを通した股当て部後ろ身ごろの先端をスリット通し留め用スナップ釦に留め固定した状態を示した背面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
オムツをしている幼児用の下着・ロンパースにおいて、股当て前身ごろ(7)の縁中央先端に3個程の複数の股当て前身ごろスナップ釦(1)を設け、股当て後ろ身ごろ(4)の縁中央先端に同じく3個程の複数の股当て後ろ身ごろスナップ釦(2)を設け、この股当て後ろ身ごろスナップ釦(2)から数センチ内側中央に上った位置にスリット通し留め用スナップ釦(5)を1個設け、首後ろ襟(6)の襟元縁に沿って10センチ程の差し込みスリット(3)を設ける。なお、スリット通し留め用スナップ釦(5)はできれば凹の方が望ましいので、それと対応して股当て後ろ身ごろスナップ釦(2)は凸、股当て前身ごろスナップ釦(1)は凹の方が望ましいといえる。
本発明は、以上の様な構造であるが、これを実際に着用している幼児のオムツ替えをする時は、嫌がる幼児を無理に仰臥させることなく、立っちさせたまま、股当て前身ごろスナップ釦(1)と股当て後ろ身ごろスナップ釦(2)との留め合わせを外し、股当て後ろ身ごろ(4)をたくし上げ、先端部を外側から差し込みスリット(3)に差し込み通し、首後ろ襟(6)を上から巻き覆うようにそのまま折り返して、股当て後ろ身ごろスナップ釦(2)をスリット通し留め用スナップ釦(5)に留め固定して両手の自由を確保した上で、ロンパースや衣服の裾がズリ落ちたりする心配なく、手早くオムツ替え作業を済ますことが出来る。その間、幼児はそれまでの自分の遊び動作を中断させられて泣いて嫌がったりすることもなく、あっという間にお尻が爽快になり、一層上機嫌になってくれるので、オムツ替えの作業全体が楽々である。

以上を特徴とするスリット付きロンパースである。

【符号の説明】
【0009】
1 股当ての前身ごろスナップ釦、2 股当て後ろ身ごろスナップ釦 3 差し込みスリット、4 股当て後ろ身ごろ、5 スリット通し留め用スナップ釦、6 首後ろ襟 7 股当て前身ごろ
図1
図2
図3
図4