特許第6083661号(P6083661)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6083661健康管理サーバおよび健康管理サーバ制御方法並びに健康管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6083661
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】健康管理サーバおよび健康管理サーバ制御方法並びに健康管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20120101AFI20170213BHJP
【FI】
   G06Q50/22
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-538112(P2016-538112)
(86)(22)【出願日】2015年7月31日
(86)【国際出願番号】JP2015071813
【審査請求日】2016年6月9日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514043735
【氏名又は名称】株式会社FiNC
(74)【代理人】
【識別番号】100161322
【弁理士】
【氏名又は名称】白坂 一
(72)【発明者】
【氏名】溝口 勇児
(72)【発明者】
【氏名】南野 克則
(72)【発明者】
【氏名】阪本 怜
【審査官】 山本 雅士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−351990(JP,A)
【文献】 特開2004−164096(JP,A)
【文献】 特開2010−277574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
健康管理対象者が保有する端末とネットワークを介して接続された健康管理サーバであって、
前記端末に設置された撮像部が送信する画像情報または前記端末が送信する文例情報を受信する受信部と、
前記画像情報または前記文例情報を受け付ける受付部とを備え、
前記撮像部が取得した画像情報が、前記健康管理対象者が摂取した食事である場合において、
前記健康管理サーバは、さらに、
前記食事の種類を認識する画像認識部と、
前記食事の特徴を抽出し、該特徴に基づいて、前記食事の栄養素を分析する分析部と、
前記分析部によって分析した分析結果を、画像情報または文例情報として前記端末に送信する送信部とを備え、
前記受信部は、さらに、専門家が前記端末に対して送信すべきものとして、複数のイラストまたは複数の文例の中からイラストまたは文例を選択する選択情報を受け付けるとともに、予めグルーピングされた複数の端末から送信された画像情報またはメッセージ情報を受信するものであって、
前記受付部は、前記分析結果に基づき、前記グルーピングされた複数の端末に対して送信すべき、前記複数のイラストまたは前記複数の文例の中からイラストまたは文例を選択情報として受け付け、
前記健康管理サーバは、さらに、
前記受付部が1以上のイラストを選択情報として受け付けた際に、該選択情報に基づいて、前記複数の文例から推奨すべき1以上の文例を生成する生成部を備え、
前記生成部は、前記選択されたイラストと、同一または類似もしくは相対するイラストを、所定の時間内に送信した前記グループピングされた端末を特定し、該特定した端末を保有する健康管理対象者を比較対象者として判定し、
前記複数の文例から推奨すべき1以上の文例を生成する際に、前記比較対象者に関する情報を、前記端末の表示部に表示出力することを特徴とする健康管理サーバ。
【請求項2】
前記健康管理サーバは、さらに、
複数の食事と栄養素を対応付けて記憶する記憶部を備え、
前記分析部は、
前記健康管理対象者が摂取した食事の摂取量と前記栄養素に基づき、前記健康管理対象者が摂取した食事の栄養素摂取量を算出することを特徴とする請求項1記載の健康管理サーバ。
【請求項3】
前記記憶部は、前記健康管理対象者が摂取した食事の栄養素を記憶することが可能であり、
前記分析部は、
記憶した過去の栄養素の累積および傾向を分析しグラフとして前記端末の表示部に出力することを特徴とする請求項記載の健康管理サーバ。
【請求項4】
前記記憶部は、前記健康管理対象者が選択する健康管理のカリキュラム情報を複数記憶するものであって、
前記分析部は、
前記分析結果に応じて、前記端末に対して送信すべき、他の推奨される健康管理のカリキュラム情報を選択することを特徴とする請求項3記載の健康管理サーバ。
【請求項5】
健康管理対象者が保有する端末とネットワークを介して接続された健康管理サーバ制御方法であって、
前記端末に設置された撮像部によって画像情報を取得する撮像ステップが送信する画像情報または前記端末が送信する文例情報を受信する受信ステップと、
前記画像情報または前記文例情報を受け付ける受付ステップとを備え、
前記撮像ステップが取得した画像情報が、前記健康管理対象者が摂取した食事である場合において、
前記健康管理サーバ制御方法は、さらに、
前記食事の種類を認識する画像認識ステップと、
前記食事の特徴を抽出し、該特徴に基づいて、前記食事の栄養素を分析する分析ステップと、
前記分析ステップによって分析した分析結果を、画像情報または文例情報として前記端末に送信する送信ステップとを含み、
前記受信ステップにおいて、さらに、専門家が前記端末に対して送信すべきものとして、複数のイラストまたは複数の文例の中からイラストまたは文例を選択する選択情報を受け付けるとともに、予めグルーピングされた複数の端末から送信された画像情報またはメッセージ情報を受信し、
前記受付ステップにおいて、前記分析結果に基づき、前記グルーピングされた複数の端末に対して送信すべき、前記複数のイラストまたは前記複数の文例の中からイラストまたは文例を選択情報として受け付け、
前記健康管理サーバ制御方法は、さらに、
前記受付ステップにおいて1以上のイラストを選択情報として受け付けた際に、該選択情報に基づいて、前記複数の文例から推奨すべき1以上の文例を生成する生成ステップを含み、
前記生成ステップにおいて、前記選択されたイラストと、同一または類似もしくは相対するイラストを、所定の時間内に送信した前記グループピングされた端末を特定し、該特定した端末を保有する健康管理対象者を比較対象者として判定し、
前記複数の文例から推奨すべき1以上の文例を生成する際に、前記比較対象者に関する情報を、前記端末の表示部に表示出力することを特徴とする健康管理サーバ制御方法。
【請求項6】
健康管理対象者が保有する端末とネットワークを介して接続された健康管理プログラムであって、
コンピュータに、
前記端末に設置された撮像部によって画像情報を取得する撮像機能が送信する画像情報または前記端末が送信する文例情報を受信する受信機能と、
前記画像情報または前記文例情報を受け付ける受付機能とを実現させ
前記撮像機能が取得した画像情報が、前記健康管理対象者が摂取した食事である場合において、
前記健康管理プログラムは、さらに、
前記コンピュータに、
前記食事の種類を認識する画像認識機能と、
前記食事の特徴を抽出し、該特徴に基づいて、前記食事の栄養素を分析する分析機能と、
前記分析機能によって分析した分析結果を、画像情報または文例情報として前記端末に送信する送信機能とを実現させ
前記受信機能において、さらに、専門家が前記端末に対して送信すべきものとして、複数のイラストまたは複数の文例の中からイラストまたは文例を選択する選択情報を受け付けるとともに、予めグルーピングされた複数の端末から送信された画像情報またはメッセージ情報を受信し、
前記受付機能において、前記分析結果に基づき、前記グルーピングされた複数の端末に対して送信すべき、前記複数のイラストまたは前記複数の文例の中からイラストまたは文例を選択情報として受け付け、
前記健康管理プログラムは、さらに、
前記コンピュータに、
前記受付機能において1以上のイラストを選択情報として受け付けた際に、該選択情報に基づいて、前記複数の文例から推奨すべき1以上の文例を生成する生成機能を実現させ
前記生成機能において、前記選択されたイラストと、同一または類似もしくは相対するイラストを、所定の時間内に送信した前記グループピングされた端末を特定し、該特定した端末を保有する健康管理対象者を比較対象者として判定し、
前記複数の文例から推奨すべき1以上の文例を生成する際に、前記比較対象者に関する情報を、前記端末の表示部に表示出力することを特徴とする健康管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康管理サーバおよび健康管理サーバ制御方法並びに健康管理プログラムに関し、特に栄養素摂取量を分析可能な健康管理サーバおよび健康管理サーバ制御方法並びに健康管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ダイエットやメタボリックシンドロームの予防などの健康意識の高まりを受けて、専門家の指導を受ける健康指導サービスが普及している。また、IT化に伴い、専門家とクライアントが直接対面することなく、オンライン上で健康指導サービスを受けるケースが増加している。
【0003】
このような健康指導サービスにおいて、専門家は、オンライン端末からクライアントが摂取した食事や現在の健康状態などを確認し、当該確認結果に基づいて指導のためのメッセージを作成し、クライアントのオンライン端末にメッセージを送る必要がある。
【0004】
このようなメッセージの作成および送信技術として、例えば、特許文献1には、クライアントが、自らの体況情報等をインターネット等を経由して、通知、報告、伝達、送信をすることができ、治療医療関係者と当該体況情報を常時共有することができるシステムが開示されている。また、この技術には、体況が一定のしきい値を超えた場合には警戒メッセージを表示するように構成されている。
【0005】
また、特許文献2には、画像に含まれる食事部分を特定し、特定した食事部分に含まれる複数の画素値に基づいて、食事部分の画像を解析する解析技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−032440号公報
【特許文献2】特開2012−212249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1記載の発明では、被験者(クライアント)がコメント欄に入力した日記やコメント等の内容に対して、当該クライアントを担当する医療・健康管理者が必要に応じて当該コメントに応答するメッセージを、当該クライアントに対して送信している。これによって、クライアントと医療・健康管理者の間でコミュニケーションが図られている。
【0008】
また、特許文献1記載の発明には、予め回答パターン、サイクル、頻度が設定されており、医療・健康管理者によって決められたパターンの回答がクライアントにメッセージとして送信されているに過ぎない。このため、特許文献2記載の発明では、ユーザの判断が介在しないため健康指導サービスのユーザによる使用意識が低下するだけではなく、意に沿わない文例が表示される可能性があるため使用継続性に乏しいという問題がある。
【0009】
また、特許文献2記載の発明は食事情報の画像解析方法が開示されているに過ぎず、画像解析した食事情報の栄養素の分析に関する言及はない。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、指導のためのメッセージの作成および送信にあたって、クライアントの食事や健康状態から、専門家のアドバイスメッセージを作成するにあたり標準化および効率化を図ることができる。さらに、本発明は、クライアントにとって負担とならない、理解性および使用継続性のあるアドバイスを提供する支援ができるサーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る健康管理サーバは、健康管理対象者が保有する端末とネットワークを介して接続された健康管理サーバであって、端末に設置された撮像部が送信する画像情報または端末が送信する文例情報を受信する受信部と、画像情報または文例情報を受け付ける受付部とを備え、撮像部が取得した画像情報が、健康管理対象者が摂取した食事である場合において、健康管理サーバは、さらに、食事の種類を認識する画像認識部と、食事の特徴を抽出し、該特徴に基づいて、食事の栄養素を分析する分析部と、分析部によって分析した分析結果を、画像情報または文例情報として端末に送信する送信部とを備える。
【0012】
さらに、本発明に係る健康管理サーバにおいて、健康管理サーバは、さらに、複数の食事と栄養素を対応付けて記憶する記憶部を備え、分析部は、健康管理対象者が摂取した食事の摂取量と栄養素に基づき、健康管理対象者が摂取した食事の栄養素摂取量を算出するものであってもよい。
【0013】
さらに、本発明に係る健康管理サーバにおいて、記憶部は、健康管理対象者が摂取した食事の栄養素を記憶することが可能であり、分析部は、記憶した過去の栄養素の累積および傾向を分析しグラフとして前記端末の表示部に出力するものであってもよい。
【0014】
さらに、本発明に係る健康管理サーバにおいて、記憶部は、健康管理対象者が選択する健康管理のカリキュラム情報を複数記憶するものであって、分析部は、分析結果に応じて、端末に対して送信すべき、他の推奨される健康管理のカリキュラム情報を選択するものであってもよい。
【0015】
さらに、本発明に係る健康管理サーバにおいて、受信部は、さらに、専門家が端末に対して送信すべきものとして、複数のイラストまたは複数の文例の中からイラストまたは文例を選択する選択情報を受け付けるものであって、受付部は、前記分析結果に基づき、複数のイラストまたは複数の文例の中から推奨されるイラストまたは文例を選択する選択情報を受け付けるものであってもよい。
【0016】
さらに、本発明に係る健康管理サーバにおいて、受信部は、予めグルーピングされた複数の端末から送信された画像情報またはメッセージ情報を受信するものであって、記健康管理サーバは、受付部が1以上のイラストを選択情報として受け付けた際に、該選択情報に基づいて、複数の文例から推奨すべき1以上の文例を生成する生成部を備え、受付部は、グルーピングされた複数の端末に対して送信すべき、複数のイラストまたは複数の文例の中からイラストまたは文例を選択情報として受け付けるものであって、記生成部は、選択されたイラストと、同一または類似もしくは相対するイラストを、所定の時間内に送信した前記グループピングされた端末を特定し、該特定した端末を保有する健康管理対象者を比較対象者として判定し、複数の文例から推奨すべき1以上の文例を生成する際に、比較対象者に関する情報を、表示部に表示出力するものでものであってもよい。
【0017】
本発明に係る健康管理サーバ制御方法は、健康管理対象者が保有する端末とネットワークを介して接続された健康管理サーバ制御方法であって、端末に設置された撮像部によって画像情報を取得する撮像ステップが送信する画像情報または前記端末が送信する文例情報を受信する受信ステップと、画像情報または前記文例情報を受け付ける受付ステップとを備え、撮像ステップが取得した画像情報が、健康管理対象者が摂取した食事である場合において、健康管理サーバは、さらに、食事の種類を認識する画像認識ステップと、食事の特徴を抽出し、該特徴に基づいて、食事の栄養素を分析する分析ステップと、分析ステップによって分析した分析結果を、画像情報または文例情報として端末に送信する送信ステップとを含むものである。
【0018】
本発明に係る健康管理プログラムは、健康管理対象者が保有する端末とネットワークを介して接続された健康管理プログラムであって、コンピュータに、端末に設置された撮像部によって画像情報を取得する撮像機能が送信する画像情報または端末が送信する文例情報を受信する受信機能と、画像情報または前記文例情報を受け付ける受付機能とを備え、撮像機能が取得した画像情報が、健康管理対象者が摂取した食事である場合において、健康管理サーバは、さらに、食事の種類を認識する画像認識機能と、食事の特徴を抽出し、該特徴に基づいて、前記食事の栄養素を分析する分析機能と、分析機能によって分析した分析結果を、画像情報または文例情報として前記端末に送信する送信機能とを含むものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、専門家のアドバイスメッセージの作成において、健康管理対象者の食事や健康状態を分析し、推薦すべきアドバイスメッセージを専門家に送信することができる。また、専門家のアドバイスメッセージ作成および送信において、健康管理対象者が日々の健康管理において、理解に負担のないイラストを一次的に送ることで理解への導入を促すことができる。その後、食事の分析結果などに基づき、文章でのアドバイスメッセージを送ることで、理解性および使用継続性のあるオンライン上での健康指導サービスを提供することができる。そして、健康管理対象者の食事や健康状態から健康管理指導に伴うアドバイスメッセージを送ることで、健康管理対象者の健康状態を改善させることができるオンライン上での健康指導サービスを提供することができる。さらに、本発明によれば、適切なタイミングで適切なアドバイスメッセージを健康管理対象者が保有する端末に送信することができる。
【0020】
したがって、専門家のアドバイスメッセージ作成および送信において、健康管理対象者が日々の健康管理において、理解に負担のないイラストを一次的に送ることで理解への導入を促し、その後、食事の分析結果などに基づき、文章でのアドバイスメッセージを送ることで、理解性および使用継続性のあるオンライン上での健康指導サービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】健康管理システムのシステム構成を示すシステム図
図2】健康管理サーバの機能構成を示すブロック図
図3】ユーザ端末の表示部に表示される食事画像の例を示す図
図4】人工知能を備えるサーバの動作の一例を示すフローチャート
図5】健康管理対象者が摂取した食事の栄養素摂取量の累積データを示す図表
図6】健康管理対象者が摂取した食事の栄養素の種類および摂取量を示す図表
図7】記憶部150に記憶されているイラストとメッセージの対応付けの情報500の例を示すデータ概念図
図8】専門家のユーザ端末に表示される表示例を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施態様について、図面を参照しながら説明する。
<実施の形態>
<概要>
【0023】
図1は、健康管理システムのシステム構成を示すシステム図である。
【0024】
図1に示すように、健康管理システムは、健康管理サーバ100、複数のユーザ端末200、300を含む。健康管理サーバ100は、ネットワーク400を介してユーザ端末200およびユーザ端末300と接続される。なお、図1において、説明を簡単にするために、ユーザ端末は2台だけ示してあるが、これ以上存在してもよいことは言うまでもない。また、ユーザ端末200およびユーザ端末300双方の具体的な機器は、図示のように、携帯端末およびパーソナルコンピュータ(PC)に限定されず、例えば、スマートフォン、タブレット端末、その他の電子機器であってもよい。
【0025】
ここで、例えば、ユーザ端末200は、健康管理対象者が保有する端末を示しているとし、また、ユーザ端末300は、専門家が保有する端末を示しているとする。そして、健康管理対象者自身が摂取した食事を撮影し、ユーザ端末200から当該撮影した食事の画像を健康管理サーバ100に送信する。
【0026】
健康管理サーバ100は、当該食事の画像を受信すると、ユーザ端末300に表示出力する。専門家は、表示出力された当該画像から、健康管理対象者に送信すべきメッセージとしての文例を決定する。当該決定は、例えば、専門家が、表示出力された当該画像から、健康管理対象者に送信すべきイラストを複数のイラストの中から選択することによって行う。そして、専門家は、当該抽出された文例から、健康管理対象者に送信すべき文例を選択し、当該選択情報を受け付けることによって、ユーザ端末200に対し、当該選択された文例を送信するように構成してもよい。また、健康管理サーバ100が当該選択情報を受けることによって、当該選択されたイラストに基づいて、予め記憶されているイラストと文例の対応付けから、専門家に推奨すべき文例を複数抽出するように構成してもよい。
【0027】
ここで、文例とは、専門家からのアドバイスメッセージ、警告、評価、健康管理対象者が行うダイエットおよび生活習慣活動行動に効果のあるお勧めのタスク、および、健康管理対象者の投稿、質問などが該当する。また、画像は、健康管理対象者自身が摂取した食事の他に、身体情報に関するデータ表、分析結果データ、健康管理サーバ100がアドバイスメッセージとともに、または別に送信するイラストなどが該当する。
【0028】
専門家がユーザ端末300で当該送信された複数の文例を含む文例情報からアドバイスメッセージを作成し、当該アドバイスメッセージを、イラストとともに、または別に、ユーザ端末200に送信することで、健康管理対象者に健康管理のための指導を行うように構成してもよい。なお、当該指導は、健康管理者毎に個別で行ってもよいし、健康管理対象者をグルーピングして、当該グループ単位で指導してもよい。ここで、グルーピングとは、複数の健康管理対象者を対象に、グループ指導を行うための組分けをいう。
【0029】
<構成>
以下、サーバ100、ユーザ端末200およびユーザ端末300の構成について説明する。図2は、サーバ100、ユーザ端末200およびユーザ端末300の機能構成を示すブロック図である。
【0030】
図2に示すように、ユーザ端末200は、表示部210と、撮像部220とを含んで構成される。
【0031】
表示部210は、液晶画面などによって構成されており、各種画像情報および文例情報を表示出力する。なお、表示部210は、表示画面上に配置されるタッチパネルを有するように構成されてもよい。表示部200には、例えば、健康管理サーバ100またはユーザ端末300から送信されるイラストとしての画像情報、文例情報(アドバイスメッセージ、警告、評価など)が表示される。また、ユーザ端末200がユーザ端末300に対して送信する食事画像としての画像情報または文例情報(専門家に対する質問、要望など)が表示される。ユーザ端末300の表示部310は、ユーザ端末200の表示部210の構成と基本的に同じであるため、説明を割愛する。
【0032】
撮像部220は食事画像を撮影し、撮影した食事画像を画像データとして取得する。当該取得した画像データはユーザ端末200に内蔵されているメモリ(不図示)に記憶される。撮像部220は、例えば、ユーザ端末200に設けられているカメラである。以下の説明において、撮像部220はカメラとして説明する。
【0033】
カメラ220で撮像される画像は、例えば、健康管理対象者が摂取した食事である。メモリに記憶された食事画像の画像データは、ネットワーク400を介して健康管理サーバ100に送信される。なお、ユーザ端末300は健康管理サーバ100を経由して健康管理対象者が摂取した食事画像を画像データとして受け取ることができる。当該受け取った画像データは、健康管理サーバ100を経由して表示部310に表示出力される。
【0034】
また、サーバ100は、受信部110と、受付部120と、画像認識部130と、分析部140と、記憶部150、送信部160とを含んで構成される。
【0035】
受信部110は、ネットワーク400を介して、ユーザ端末200およびユーザ端末300から送信された画像情報および文例情報を受信する。当該送受信における通信は、有線、無線のいずれでもよく、また、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。
【0036】
受付部120は、ユーザ端末200またはユーザ端末300に対して送信すべきものとして画像情報および文例情報を受け付ける機能を有する。
【0037】
画像認識部130は、受付部120ら出力された食事画像としての画像データから、食事画像の性質を示す色調、色彩、形状などの特徴の度合いを示す特徴量を抽出し、特定の画像のみを認識する機能を有する。
【0038】
また、画像認識部130における食事画像の認識方法は、例えば、(1)カメラ220で撮像した画像が健康管理対象者が摂取した食事である場合、食事画像の中から、食事部分と食器、箸、背景などの食事以外の部分を、色調、色彩、形状に基づき分類し、食事部分のみを抽出し、食事の種類および食材を認識する。あるいは、(2)当該画像の中から食器、箸、背景など食事部分以外の部分を除き、ごはん、味噌汁、魚などの食事部分を特定する。あるいは、(3)カメラ220で撮像された画像の特徴(色調、色彩、形状など)から、予め、記憶されている特定の食事画像と撮像された食事画像を比較し、記憶されている食事画像を認識した場合に、認識した食事画像の特定を行ってもよい。
【0039】
画像認識部130が複数の食事画像を認識した場合は、複数の食事画像を特定することができるように構成してもよい。食事画像の記憶は、画像認識部130にて行ってもよいし、後述する記憶部150にて行ってもよい。画像認識部130は、食事画像の特徴点を算出し、当該算出結果に基づいて、マッチングする画像を検索し、マッチングさせることで、食事画像を特定する。
【0040】
画像認識部130は、健康管理対象者のユーザ端末200がグルーピングされている場合には、同一または類似もしくは相対する食事画像を所定の時間内に送信した同じくグルーピングされている端末を保有する健康管理対象者を比較対象者として判定するように構成してもよい。また、ここで、比較対象者とは、同じグループに所属する他の健康管理対象者であって、類似する食生活を送っている者、あるいは、類似の身体情報を有する者を、健康管理対象者自身の身体情報と掛け合わせて比較するための健康管理対象者をいう。具体的には、ほぼ同じ時間帯に同一または類似の食事画像を送信している他の健康管理対象者、または類似の身体情報を有する者を比較対象者と判定する。当該判定により、起床時間、睡眠時間、食事や仕事などのライフスタイルがほぼ同一と認められる場合に比較対象者と認定する。
【0041】
分析部140は、画像認識部130にて抽出した色調、色彩、形状などの食事画像の特徴に基づき、該食事画像に含有される栄養素を分析する。分析部140は、画像認識部130で認識した健康管理対象者が摂取した食事の種類や内容に基づき、当該食事に含まれている栄養素および摂取量(摂取カロリーなど)を分析し、当該分析結果をイラストとともに、または別にアドバイスメッセージ情報として出力する。なお、分析結果の出力は、健康管理サーバ100が別個に生成部(不図示)を備えることによって、生成部が分析結果を出力するように構成してもよい。
【0042】
また、分析方法は、例えば、(1)画像認識部130にて特定した食事画像の特徴に基づき、摂取カロリー、栄養素の種類、量を自動で算出するようにプログラミングされていてもよい。あるいは、(2)専門家が画像認識部130によって特定された食事の種類および内容をユーザ端末300の表示部310から確認することにより、ユーザ端末300から健康管理サーバ100に当該食事の種類および内容を入力し、その入力結果に基づき、分析部140が摂取カロリー、栄養素の種類、量を算出するように構成してもよい。
【0043】
以上のような分析方法により、食事の種類に基づく摂取カロリー、各栄養素の種類、量などが決定するため、分析部140は、当該分析結果をグラフなどの画像データや数値データなどとして出力するように構成されている。なお、分析には、健康管理対象者は、食事の量のデータを食事画像とともに健康管理サーバ100に送信しておくことが好ましい。これによって、より正確に、食事の摂取カロリー、栄養素の種類、量を分析することができる。
【0044】
なお、上記のように、健康管理対象者のユーザ端末200がグルーピングされている場合には、比較対象者に共通に摂取された食事の構成を分析することもできる。これによって、類似する身体情報の比較対象者と自分が摂取した栄養素の量を比較することにより、自分の食事内容を見直したり、比較対象者をライバルと認識することにより、健康管理対象者に、運動行動のモチベーションを高まらせることができる。
【0045】
記憶部150は、複数の食事情報と、複数の食事の栄養素情報などを対応付けて記憶する。また、記憶部150は、ユーザ端末200から送信される健康管理対象者が摂取した食事画像が、順次記憶されるように構成されている。また、記憶部150は、過去に健康管理対象者が摂取した食事画像が、健康管理対象者の身体情報と、食事の摂取時間と、各食材の栄養素と、分析結果とを対応付けて記憶する。記憶部150は、典型的には、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなど各種の記録媒体により実現される。
【0046】
送信部160は、健康管理対象者から送信された食事画像に基づく分析結果をイラスト、アドバイスメッセージ、警告、評価としてユーザ端末200に送信し、また、当該イラスト、アドバイスメッセージ、警告、評価を、ユーザ端末300に送信する機能を有する。当該送信における通信は、受信部110と同じである。
【0047】
また、ユーザ端末300は、表示部310を含んで構成される。表示部310は、ネットワーク400を介して、健康管理サーバ100と通信し、健康管理サーバ100から受信した、健康管理対象者のユーザ端末200から送信された食事画像または投稿や質問などのメッセージ情報、および分析結果を表示出力する。また、表示部310は、健康管理サーバ100を経由して、ユーザ端末200から送信された画像情報またはメッセージ情報の過去の使用履歴情報を表示出力する。
【0048】
また、表示部310は、健康管理対象者がグルーピングされている場合、かつ、比較対象者が判定されている場合には、当該比較対象者に関する情報を表示出力する。例えば、「○○さんが現在のライバルです」といった様に表示出力する。さらに、表示部310は、当該比較対象者の表示出力と併せて、当該比較対象者に所定の時間内に送信したイラスト、アドバイスメッセージ、警告、評価が特定された場合には、当該特定されたイラスト、アドバイスメッセージ、警告、評価に関する情報を表示出力する。具体的には、対象の文例の直下などに「ライバルの○○さんに△△情報が送信されました」といった様に表示出力する。以上が、健康管理サーバ100、ユーザ端末200およびユーザ端末300の機能構成についての説明である。
【0049】
次に、図3を用いて、カメラ220が取得する食事画像について説明する。図3は、ユーザ端末200の表示部210に表示される食事画像の例を示す図である。例えば、図3に例示するように、カメラ220は、食事画像として、ごはん、味噌汁、魚、豆類などの食事部分と、食器、箸、背景などの食事部分以外の部分とが映った食事画像を取得する。その後、ユーザ端末200は、内蔵メモリに当該食事画像を記憶するとともに、取得した食事画像をユーザ端末300に送信する。ユーザ端末200の表示部210に表示された食事画像は、健康管理サーバ100を経由してユーザ端末300に送信するように構成してもよいし、直接ユーザ端末300に送信するように構成してもよい。
【0050】
<動作>
図4を用いて、本発明の一実施の形態に係る健康管理サーバ100の動作を説明する。 図4は、健康管理サーバ100の動作を示すフローチャートである。
【0051】
受信部110は、健康管理対象者のユーザ端末200から送られてきた食事画像を受信する(ステップS11)。受信部110は、当該受信した画像情報またはメッセージ情報を受付部120に伝達する。なお、受信部110は、専門家および健康管理対象者の各種メッセージ情報も受信する。
【0052】
受付部120は、健康管理対象者が送信した食事画像を受け付ける(ステップS12)。受信部110で受信した食事情報を、健康管理サーバ100の受付部120にて受け付ける。受付部120は、当該受け付けた食事画像を画像認識部130に伝達する。なお、受付部120は、受信部110から送信された専門家および健康管理対象者の各種メッセージ情報も受け付ける。
【0053】
画像認識部130は、受付部120から送信された食事画像から食事の種類を認識する(ステップS13)。具体的には、画像の性質を示す色調、色彩、形状などの特徴の度合いを示す食事画像の特徴量を抽出し(ステップS14)、特定の画像のみを認識する。より詳細には、図3に示される食事画像の中から、食事部分と食器、箸、背景などの食事以外の部分を、色調、色彩、形状に基づき分類し、食事部分のみを抽出し、食事の種類および食材を認識する。なお、食事の種類の認識方法が、これに限定されないのは上述した通りである。画像認識部130は、当該認識した食事画像を分析部140に伝達する。
【0054】
分析部140は、食事画像から認識される食事の種類に基づき、当該食事に含まれる栄養素を分析する(ステップS15)。具体的には、画像認識部130にて特定した食事画像の特徴に基づき、摂取カロリー、栄養素の種類、量を算出する。ここで、分析140は、画像認識部130によって認識された食事の種類に基づき、当該食事に対応する栄養素および摂取量を自動で算出できるように構成されている。なお、当該分析方法が、これに限定されないのは上述した通りである。
【0055】
そして分析部140は、栄養素および摂取量の算出結果に基づき、グラフを作成する(ステップS16)。例えば、本発明に係る一実施形態では、健康管理者が摂取した栄養素の摂取量を示すグラフを例示している。分析部140は、当該認識した食事画像を受付部120に伝達する。なお、当該グラフの作成は、健康管理サーバ100が別途備える生成部(不図示)が実行してもよい。
【0056】
受付部120は、健康管理対象者に送信するグラフを受け付ける(ステップS17)。なお、専門家が保有するユーザ端末300にも、健康管理サーバ100を経由して、あるいは直接グラフが送信されるように構成してもよい。また、ユーザ端末300は、健康管理サーバ100を経由して、あるいは直接ユーザ端末200に対し当該グラフとともに、アドバイスメッセージや警告などの文例情報を送信できるように構成してもよい。受付部120は、受け付けたグラフ、文例情報を送信部160に伝達する。
【0057】
送信部160は、送信すべきものとしてグラフおよび文例情報をユーザ端末200に送信し、また、当該グラフおよび当該文例情報をユーザ端末300に送信する(ステップS18)。当該グラフの送信と、当該文例情報の送信は、同期してもよいし、非同期であってもよい。また、ユーザ端末200およびユーザ端末300に、当該グラフおよび当該文例情報が同期して送信されてもよいし、非同期で送信されてもよい。以上が、健康管理サーバ100の動作についての説明である。
【0058】
続いて、図5を用いて、健康管理対象者のユーザ端末200および専門家のユーザ端末300に表示される、画像情報としてのグラフの表示態様を説明する。
【0059】
図5は、健康管理対象者が摂取した食事の栄養素摂取量の累積データを示す図表である。横軸は日にちを示し、縦軸は栄養素の摂取量を示す。本発明の一実施形態では、栄養素の摂取量をカロリー(kcal)として表す。ユーザ端末200の表示部210およびユーザ端末300の表示部310には、1日に摂取した総カロリー値が累積してグラフとして表示出力される。棒グラフにより1日毎の摂取カロリーの傾向を認識できるとともに、カロリーの累積データを曲線グラフとして表示することにより、身体情報が類似するライバルとなり得る比較対象者のグラフ傾向と対比することができる。このように、ライバルの分析結果情報を送信することで、健康管理対象者は運動行動のモチベーションを高めることができる。なお、健康管理対象者の身体情報に応じて、1日の目標とする摂取カロリーを設定しておき、目標カロリーを超えた場合に警告音を発するように構成してもよい。当該警告音は、例えば、図示しない健康管理サーバ100に別置される警告音通知部によって行うように構成してもよい。あるいは、目標摂取カロリーを超える日の棒グラフの色彩を変えて警告を促すように構成してもよい。
【0060】
なお、図5においては、1日毎の摂取カロリーを累積する場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されない。1週間または2週間を一単位として摂取カロリーを算出し図5に示すようなグラフを作成するように構成してもよい。あるいは、朝食、昼食、夕食時の摂取カロリーを対比できるようにグラフ表示してもよい。あるいは、摂取カロリーの数値データを表として表示するように構成してもよい。
【0061】
次に、図6を用いて、健康管理対象者のユーザ端末200および専門家のユーザ端末300に表示される、画像情報としてのグラフの別の表示態様を説明する。
【0062】
図6は、健康管理対象者が摂取した食事の栄養素の種類および摂取量を示す図表としてレーダチャートを示す。黒丸(●印)は実際の摂取カロリーを示し、白丸(○印)は摂取カロリーの目標値を示す。健康管理対象者が摂取した食事の摂取量(総摂取カロリー量)が表示されるとともに、塩分量、炭水化物量、たんぱく質量、脂質量、カルシウム量、鉄分量、各種ビタミン量など食事に含まれている栄養素量を、含有栄養素毎にレーダチャートとして表示出力することができる。なお、当該レーダチャートは、例えば、1週間分のデータを1日おきに併記するように構成してもよい。これにより、健康管理者は自己の摂取カロリー状態を容易に認識することができ、専門家は当該レーダチャートの結果から、適切なアドバイスメッセージや警告を送ることができるという効果を奏する。これによって、専門家は健康管理対象者に対し、より適切な健康管理の指導を行うことができる。例えば、専門家は健康管理者(○○さん)に対し、「○○さん、鉄分が不足しているため、レバーを取るようにしましょう。」とか、あるいは「○○さん、ビタミンAを過剰摂取しているため、玄米や煮干しをもっと食べるように心掛けましょう。」などのメッセージを送信する。
【0063】
なお、過去の分析結果に基づくグラフは、記憶部150に蓄積されており、健康管理者または専門家はいつでも当該グラフを、それぞれのユーザ端末200、ユーザ端末300に表示出力することができる。
【0064】
次に、図7を用いて、専門家が当該分析結果に基づくグラフから、健康管理者に送信するアドバイスメッセージや警告としての文例の送信方法を例示して説明する。図7は、記憶部150に記憶されているイラストと文例の対応付けの情報500の例を示すデータ概念図である。
【0065】
文例の送信方法は、例えば、専門家が、表示出力された当該イラストから、健康管理対象者に送信すべきイラストを複数のイラストの中から選択することによって行う。健康管理サーバ100が当該選択情報を受けることによって、当該選択されたイラストに基づいて、予め記憶されているイラストとアドバイスメッセージ、警告としての文例の対応付けから、専門家に推奨すべき文例を複数抽出するように構成してもよい。そして、専門家は、当該抽出された文例から、健康管理対象者に送信すべき文例を選択し、当該選択情報を受け付けることによって、ユーザ端末300に対し、当該選択された文例を送信するように構成してもよい。
【0066】
図7に示すように、対応付け情報500は、イラスト情報501と、アドバイスメッセージ、警告としての文例情報502と、過去の使用履歴503の使用頻度504と、過去の使用履歴503の最終使用日時505とが対応付けられた情報である。対応付け情報500は、選択されたイラストと対応付けられているアドバイスメッセージ、警告を特定し得る情報であればどのような情報であってもよく、これ以外の情報を含んでもよいことは言うまでもない。例えば、「緑黄食野菜足りません」というイラストが選択された場合、当該選択されたイラスト情報に対応付けられている、「野菜を多くとりましょう。」「特に緑黄食野菜が足りません。」「たんぱく質と野菜をバランスよくとりましょう。」「外食のメニューを選ぶ際にも、野菜をとるようにしましょう。」といった文例(アドバイスメッセージ、警告)502と過去の使用履歴503が抽出される。ここで、過去の使用履歴503は、使用頻度504と最終使用日時のいずれか一方でも、両方対応付けられていてもよい。また、イラスト情報は、具体的には、GIF(Graphic Interchange Format)データ、JPEG(Joint Photographic Experts Group)データなどの静止画、MPEG(Moving Picture Experts Group)データなどの動画であってもよい。また、最終使用日時は、日時を示すものであれば、どのような形で表現されてもよく、例えば、ISO 8601で規定されている、年=YYYY(4桁の数字。グレゴリオ暦)、月=MM(2桁の数字。以降同じ)、日=DD、時=hh、分=mm、秒=ssとした、基本表記YYYYMMDDThhmmssまたは、拡張表記YYYY-MM-DDThh:mm:ssを用いることが考えられる。
【0067】
次に、上述したように、専門家が、健康管理対象者に送信すべきイラストを複数のイラストの中から選択することによって専門家の負担を軽減しつつ、健康管理対象者に対し適切なアドバイスメッセージ、警告としての文例を選択する場合の一連の表示態様について説明する。
【0068】
図8は、専門家のユーザ端末300に表示される表示例を示す模式図である。例えば、左上の「野菜が足りません!」と表記されているイラストを選択すると、右上の当該イラストに対応付けられている複数の文例がリスト表示でその使用頻度と併せて、表示出力される。また、当該表示出力されたアドバイスメッセージ、警告のうち、例えば「肉ばかりでなく、野菜を増やすようにしましょう。」といった文例を選択すると、専門家のアドバイスメッセージ作成のためのテキストボックスに、当該文例に「○○さん、ご投稿ありがとうございます。」といった枕詞を付与して、「○○さん、ご投稿ありがとうございます。肉ばかりでなく、野菜を増やすようにしましょう。」と表示出力される。なお、当該枕言葉は、健康管理対象者毎、または、健康管理対象者共通で予め設定されている文言であれば、どの様な内容でもよく、また、当該付与がないように構成してもよい。
【0069】
以上が、健康管理サーバ100が提供する専門家が健康管理対象者がら送信された食事画像に基づき、健康管理の指導を行う健康管理サービスの一実施形態である。
【0070】
<その他>
(1)本発明に係るサービスとして、健康指導サービスを取りあげているが、本発明は当該事業以外の事業においても用いることができる。特に、人の心理や精神への働きかけを用いる事業(例えば、人のモチベーションを上げるため、アドバイスを行う事業)、福祉(例えば、専門家が地域のコミュニティの福祉に対して遠隔でアドバイスする場合など)、教育などの事業において用いることができる。
(2)本発明に係るサービスに適用される端末として、携帯端末、PCを利用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ウェアラブル端末を利用するように構成してもよい。健康管理対象者が身につけて持ち歩くことができるため、いつでも、どこでもサービスを利用することができるという利便性を有する。これにより、健康管理者自身のライフスタイルをリアルタイムでサーバに送信することができるため、より適切なアドバイスメッセージを受け取ることが可能になる。
(3)本発明に係るサービスとして、健康管理サーバ100が、複数のイラストの中から質問に対する回答やアドバイスメッセージなどを送る際に参考となるイラストの選択を行い、これを専門家が保有するユーザ端末300送信するように構成を例示して説明した。そして、専門家が、当該選択されたイラストに基づいて、予め記憶されているイラストと文例の対応付けから、健康管理対象者に推奨すべき文例を専門家自身が抽出するように構成する場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、人工知能部150を備える健康管理サーバ100が、適切な文例を自動で生成するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0071】
100 健康管理サーバ
110 受信部
120 受付部
130 画像認識部
140 分析部
150 記憶部
160 送信部
200 ユーザ端末(健康管理対象者)
210 表示部
220 撮像部(カメラ)
300 ユーザ端末(専門家)
310 表示部
400 ネットワーク

















【要約】
健康管理対象者の食事や健康状態から適切なアドバイスメッセージを生成して、健康管理のカリキュラム実行のモチベーションを向上させることができる健康管理サーバを提供する。
本発明は、健康管理対象者が保有する端末とネットワークを介して接続された健康管理サーバであって、撮像部が送信する画像情報または文例情報を受信する受信部と、画像情報または前記文例情報を受け付ける受付部とを備え、画像情報が、健康管理対象者が摂取した食事である場合において、健康管理サーバは、さらに、食事の種類を認識する画像認識部と、食事の栄養素を分析する分析部と、分析結果を、画像情報または文例情報として端末に送信する送信部とを備える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8