(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記保持部は、前記一の受信端末からの、前記メッセージ情報及び前記識別情報の送信に応じて、当該メッセージ情報を、当該識別情報により識別される前記記憶領域にて保持し、
前記送信部は、前記識別情報により識別される前記記憶領域にて保持されている前記メッセージ情報を、前記識別情報が付加された前記電子メールに関連付けて表示することを指示する情報を、前記送信端末及び前記複数の受信端末へ送信する、請求項3の装置。
【背景技術】
【0002】
近年、電子メールは、企業等の組織にとって中心的なコミュニケーション手段となっている。この電子メールにはTO宛先及びCC宛先を容易に指定できることから、企業等の組織では、複数の宛先が指定された多くの電子メールが送信されている。つまり、送信端末から複数の受信端末へ多くの電子メールが送信されている。一方で、送信端末から複数の受信端末へ送信された電子メールに対して、メッセージが返されることがある。TO宛先に指定された受信端末からは、多くの場合、メッセージが返され、CC宛先に指定された受信端末からも、必要に応じて、メッセージが返される。
【0003】
ところが、その中には、情報量が少ないメッセージもある。ここで、情報量が少ないメッセージとは、例えば、「了解した」、「ありがとう」等の短い返信、CC宛先に指定されたメールアドレスの削除依頼、CC宛先への他のユーザのメールアドレスの追加依頼、宛先違いの連絡等である。従来、送信端末では、このような情報量が少ないメッセージも一通一通確認していた。従って、送信端末から複数の受信端末へ送信された電子メールに対する受信端末からのメッセージを送信端末で確認する際の負荷が高いという課題があった。
【0004】
このような課題に対し、電子メールの内容を掲示板に掲示することが考えられる(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0005】
特許文献1は、CC欄に掲示板宛のメールアドレスを記載したメールをメールサーバから受信して、そのメールからメールを掲示する掲示板およびこの掲示板に掲示するメール相互の関連性を特定する第1情報、起動対象のアプリケーションを特定する第2情報を取得し、取得した第1情報に基づいて特定した掲示板にメールのタイトル名で新規スレッドを立てたり、あるいは既存スレッドの配下にタイトル名を掲示するメッセージ解析・共有化機能と、取得した第2情報に基づいて予め登録されているビジネスフローを起動するビジネスアクション自動振分起動機能とを備える電子メール共有システムを開示する。
【0006】
特許文献2は、メールサーバの即時メール解析処理部は、利用者端末から特定宛先アドレスを有する電子メールを受けた際、この電子メールからヘッダ部分と本文とを取り出して解析し、この処理結果を掲示板データとしてメーリングリストデータベースに登録し、かつWebサーバは、利用者端末から掲示板データの更新要求を受けた際、メーリングリストデータベースに登録された掲示板データを取り出して電子掲示板に記録し、記録された掲示板データを利用者端末から要求された際には要求された掲示板データを電子掲示板として提供する電子コミュニケーションシステムを開示する。
【0007】
特許文献3は、利用者が掲示板装置により実現される掲示板にメッセージを書込む場合、利用者の端末からネットワークを介して掲示板装置にメッセージを掲示板アドレスを指定して送信し、掲示板装置の掲示板作成部が受信メッセージを基に掲示板の内容を作成し、掲示板出力部とアドレス出力部が、掲示板内容と掲示板アドレスとをそれぞれ出力し装置周辺の人々に提示する掲示板実現方法を開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1〜3の技術では、送信端末及び複数の受信端末が電子掲示板にわざわざアクセスする必要がある。従って、特許文献1〜3の技術は、送信端末から複数の受信端末へ送信された電子メールに対する受信端末からのメッセージを送信端末で確認する際の負荷を軽減させるものではなかった。
【0010】
また、受信端末では、上記のような情報量が少ないメッセージを伝えるために、送信端末から送信された電子メールに対してその都度メッセージを作成していた。従って、CC宛先を含む電子メールの受信総数が多いユーザほど、受信端末でメッセージを作成する際の負荷が高まっていた。
【0011】
しかしながら、特許文献1〜3の技術は、送信端末から複数の受信端末へ送信された電子メールに対して受信端末でメッセージを作成する際の負荷を軽減させるための手段を何ら提案するものではなかった。
【0012】
本発明の目的は、送信端末から複数の受信端末へ送信された電子メールに対する受信端末からのメッセージを送信端末で確認する際の負荷を軽減することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、送信端末から複数の受信端末へ送信された電子メールに対して受信端末でメッセージを作成する際の負荷を軽減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
かかる目的のもと、本発明は、複数の端末間でのメッセージの共有を支援する装置であって、電子メールを送信する送信端末から電子メールを受信する複数の受信端末への電子メールの送信に応じて、電子メールに関連付けられた記憶領域を生成する生成部と、複数の受信端末のうちの一の受信端末からの、電子メールに対するメッセージを示すメッセージ情報の送信に応じて、メッセージ情報を記憶領域にて保持する保持部と、記憶領域にて保持されているメッセージ情報を電子メールに関連付けて表示することを指示する情報を、送信端末及び複数の受信端末へ送信する送信部とを含む、装置を提供する。
【0015】
ここで、送信部は、送信端末及び複数の受信端末のうちの特定の端末からの要求に応じて、記憶領域にて保持されているメッセージ情報を電子メールに関連付けて表示することを指示する情報を、特定の端末へ送信する、ものであってよい。
【0016】
また、送信部は、電子メールに対するメッセージの複数の選択肢を電子メールに関連付けて表示することを指示する情報を、複数の受信端末へ送信する、ものであってよい。その場合、保持部は、一の受信端末からの、複数の選択肢の選択状態により電子メールに対するメッセージを示すメッセージ情報の送信に応じて、メッセージ情報を記憶領域にて保持する、ものであってよい。
【0017】
また、この装置は、記憶領域を識別する識別情報を取得する取得部と、電子メールに識別情報を付加することにより、電子メールに記憶領域を関連付ける関連付け部とを更に含む、ものであってもよい。その場合、保持部は、一の受信端末からの、メッセージ情報及び識別情報の送信に応じて、メッセージ情報を、識別情報により識別される記憶領域にて保持し、送信部は、識別情報により識別される記憶領域にて保持されているメッセージ情報を、識別情報が付加された電子メールに関連付けて表示することを指示する情報を、送信端末及び複数の受信端末へ送信する、ものであってよい。
【0018】
更に、本発明は、複数の端末間でのメッセージの共有を支援する装置であって、電子メールを送信する送信端末から電子メールを受信する複数の受信端末への電子メールの送信に応じて、電子メールに関連付けられた記憶領域を生成する生成部と、複数の受信端末のそれぞれに対して電子メールに対するメッセージの複数の選択肢が設定された選択肢情報を電子メールに関連付けて表示することを指示する情報を、複数の受信端末へ送信する送信部と、複数の受信端末のうちの一の受信端末からの、選択肢情報において一の受信端末に対して設定された複数の選択肢の選択状態により電子メールに対するメッセージを示すメッセージ情報の送信に応じて、メッセージ情報を記憶領域にて保持する保持部とを含み、送信部は、記憶領域にて保持されているメッセージ情報を電子メールに関連付けて表示することを指示する情報を、送信端末及び複数の受信端末へ送信する、装置も提供する。
【0019】
また、本発明は、複数の端末間でのメッセージの共有を支援する方法であって、電子メールを送信する送信端末から電子メールを受信する複数の受信端末へ送信された電子メールを受信するステップと、電子メールの受信に応じて、複数の受信端末のそれぞれに対して電子メールに対するメッセージの複数の選択肢が設定された選択肢情報を、複数の受信端末に電子メールに関連付けて表示するステップと、複数の受信端末のうちの一の受信端末から、選択肢情報において一の受信端末に対して設定された複数の選択肢の選択状態により電子メールに対するメッセージを示すメッセージ情報を受信するステップと、メッセージ情報の受信に応じて、メッセージ情報を、送信端末及び複数の受信端末に電子メールに関連付けて表示するステップとを含む、方法も提供する。
【0020】
更に、本発明は、複数の端末間でのメッセージの共有を支援する装置として、コンピュータを機能させるプログラムであって、コンピュータを、電子メールを送信する送信端末から電子メールを受信する複数の受信端末への電子メールの送信に応じて、電子メールに関連付けられた記憶領域を生成する生成部と、複数の受信端末のうちの一の受信端末からの、電子メールに対するメッセージを示すメッセージ情報の送信に応じて、メッセージ情報を記憶領域にて保持する保持部と、記憶領域にて保持されているメッセージ情報を電子メールに関連付けて表示することを指示する情報を、送信端末及び複数の受信端末へ送信する送信部として機能させる、プログラムも提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、送信端末から複数の受信端末へ送信された電子メールに対する受信端末からのメッセージを送信端末で確認する際の負荷を軽減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0024】
[本実施の形態の概要]
本実施の形態は、電子メール(以下、単に「メール」という)の送信端末及び受信端末が、送信されたメールに対する短いメッセージを、そのメールに関連する複数のメッセージをまとめたスレッド(以下、「メールスレッド」という)に紐付いた付加データにより共有する仕組みを提供するものである。ここで、短いメッセージとしては、「了解した」、「ありがとう」等の返信、CC宛先に指定されたメールアドレスの削除依頼、CC宛先への他のユーザのメールアドレスの追加依頼等がある。
【0025】
[コンピュータシステムの全体構成]
図1は、このような仕組みを実現するためのコンピュータシステムの全体構成例を示した図である。図示するように、このコンピュータシステムは、メールクライアント10と、メールクライアント20a,20b,20cと、メールサーバ30と、MTB(Mail Thread Board)サーバ40と、メールハブ装置50とを含む。そして、メールクライアント10と、メールクライアント20a,20b,20cと、メールハブ装置50とは、ネットワーク81を介して接続されている。また、メールサーバ30と、MTBサーバ40と、メールハブ装置50とは、ネットワーク82を介して接続されている。尚、図では、メールクライアント20a,20b,20cを示したが、これらを区別する必要がない場合は、メールクライアント20と称する。また、図には、1台のメールクライアント10及び3台のメールクライアント20を示したが、メールクライアント10は2台以上あってもよいし、メールクライアント20は4台以上あってもよい。
【0026】
メールクライアント10は、メールの送信者がメールを送信する際に使用する送信側のクライアントコンピュータである。メールクライアント10には、メーラがインストールされている。そして、メールクライアント10は、送信者がメーラを用いてメールを作成しその送信を指示すると、そのメールをメールハブ装置50に送信する。ここで、メールクライアント10としては、デスクトップPC(Personal Computer)、ノートPC等を用いるとよい。本実施の形態では、電子メールを送信する送信端末の一例として、メールクライアント10を設けている。
【0027】
メールクライアント20は、メールの受信者がメールを受信する際に使用する受信側のクライアントコンピュータである。メールクライアント20にも、メーラがインストールされている。そして、メールクライアント20は、メールクライアント10が送信したメールをメーラの機能によりメールハブ装置50から受信する。ここで、メールクライアント20としては、デスクトップPC(Personal Computer)、ノートPC等を用いるとよい。本実施の形態では、電子メールを受信する受信端末の一例として、メールクライアント20を設けている。
【0028】
尚、ここでは、メールの送信側として機能するメールクライアント10と、メールの受信側として機能するメールクライアント20とを別々に設けた。しかしながら、メールの送信側としてもメールの受信側としても機能するメールクライアントを設けてもよい。
【0029】
メールサーバ30は、メールクライアント10とメールクライアント20との間でのメールの送受信を管理するサーバコンピュータである。厳密には、メールサーバ30には、他のネットワークの宛先へメールを送信するSMTPサーバと、自ネットワーク内の宛先へ送信されたメールを保管してメールクライアント20からの受信要求を待ち受けるPOPサーバとがあるが、ここでは、これらを兼ねたサーバとしてメールサーバ30を示している。ここで、メールサーバ30としては、PC、ワークステーション等を用いるとよい。
【0030】
MTBサーバ40は、メールスレッドに紐付いた付加データを管理するサーバコンピュータである。詳しい動作については後述する。ここで、MTBサーバ40としては、PC、ワークステーション等を用いるとよい。
【0031】
メールハブ装置50は、メールクライアント10とメールサーバ30との間、及び、メールクライアント20とメールサーバ30との間のメールの送受信をフックし、各メールの付加データを制御する装置である。つまり、メールクライアント10及びメールクライアント20で付加データが共有されるように支援する装置である。詳しい動作については後述する。ここで、メールハブ装置50としては、PC、ワークステーション等を用いるとよい。
【0032】
尚、ここでは、MTBサーバ40及びメールハブ装置50を別個の装置とした。しかしながら、MTBサーバ40及びメールハブ装置50を1つの装置としてもよい。この場合、その装置は、複数の端末間でのメッセージの共有を支援する装置の一例である。
【0033】
ネットワーク81は、メールクライアント10とメールハブ装置50との間、及び、メールクライアント20とメールハブ装置50との間の情報通信に用いられる通信手段である。ここで、ネットワーク81としては、インターネット等を用いるとよい。
【0034】
ネットワーク82は、メールサーバ30とメールハブ装置50との間、及び、MTBサーバ40とメールハブ装置50との間の情報通信に用いられる通信手段である。ここで、ネットワーク82としては、インターネット、LAN(Local Area Network)等を用いるとよい。
【0035】
[本実施の形態におけるMTBサーバの機能構成]
図2は、本実施の形態におけるMTBサーバ40の機能構成例を示した図である。図示するように、MTBサーバ40は、受信部41と、MTID(Mail Thread ID)発行部42と、領域作成部43と、付加データ記憶部44と、付加データ処理部45と、送信部46とを含む。
【0036】
受信部41は、メールクライアント10でメールを送信する操作が行われた際には、メールスレッドを識別するIDであるMTIDの発行及び付加データ領域の作成を要求する要求情報をメールハブ装置50から受信し、その後、MTIDに関連付けられた付加データの取得を要求する要求情報をメールハブ装置50から受信する。また、メールクライアント20でメッセージを選択する操作が行われた際には、MTIDに関連付けられた付加データの選択内容に基づく更新及び更新後の付加データの取得を要求する要求情報をメールハブ装置50から受信する。更に、メールクライアント10から付加データの同期が要求された際には、MTIDに関連付けられた付加データの取得を要求する要求情報をメールハブ装置50から受信する。
【0037】
MTID発行部42は、MTIDの発行及び付加データ領域の作成を要求する要求情報を受信部41が受信すると、MTIDを発行する。本実施の形態では、記憶領域を識別する識別情報の一例として、MTIDを用いており、識別情報を取得する取得部の一例として、MTID発行部42を設けている。
【0038】
領域作成部43は、MTID発行部42がMTIDを発行すると、付加データ記憶部44内にこのMTIDに関連付けて付加データ領域を作成する。本実施の形態では、電子メールに関連付けられた記憶領域の一例として、付加データ領域を用いており、記憶領域を生成する生成部の一例として、領域作成部43を設けている。
【0039】
付加データ記憶部44は、領域作成部43がMTIDに関連付けて作成した付加データ領域に、このMTIDのメールに対する付加データを記憶する。付加データは、メールの受信者ごとに、メールの送信者に伝達することが想定されるメッセージの候補を選択肢として設定したものであり、メッセージの候補の何れが選択されたかの情報も含む。ここで、メッセージの候補としては、「了解」、「ありがとう」、「CC不要」等の定型化されたメッセージを設定するとよい。このうち、「了解」、「ありがとう」は、メールに対する返信メッセージである。「CC不要」は、CC宛先から自分のメールアドレスを削除するよう依頼する依頼メッセージである。或いは、CC宛先に他人のメールアドレスを追加するよう依頼する依頼メッセージを設定してもよい。また、メッセージの候補としては、上記の定型化されたメッセージ以外に、文字数制限を設けた自由記述メッセージを設定してもよい。本実施の形態では、電子メールに対するメッセージを示すメッセージ情報の一例として、また、複数の受信端末のそれぞれに対して電子メールに対するメッセージの複数の選択肢が設定された選択肢情報の一例として、付加データを用いている。
【0040】
付加データ処理部45は、MTIDに関連付けられた付加データの取得を要求する要求情報を受信部41が受信すると、付加データ記憶部44内のこのMTIDに関連付けられた付加データ領域から付加データを読み出す。また、MTIDに関連付けられた付加データの選択内容に基づく更新を要求する要求情報を受信部41が受信すると、付加データ記憶部44内のこのMTIDに関連付けられた付加データ領域から付加データを読み出し、選択内容に基づいてこの付加データを更新する。本実施の形態では、メッセージ情報を記憶領域にて保持する保持部の一例として、付加データ処理部45を設けている。
【0041】
送信部46は、MTID発行部42がMTIDを発行すると、MTIDをメールハブ装置50に送信する。また、付加データ処理部45が付加データを読み出すと、この付加データとMTIDとをメールハブ装置50に送信する。更に、付加データ処理部45が付加データを更新すると、更新後の付加データとMTIDとをメールハブ装置50に送信する。
【0042】
[本実施の形態におけるメールハブ装置の機能構成]
図3は、本実施の形態におけるメールハブ装置50の機能構成例を示した図である。図示するように、メールハブ装置50は、クライアント側受信部51と、要求情報生成部52と、サーバ側送信部53と、サーバ側受信部54と、メール処理部55と、メール記憶部56と、クライアント側送信部57とを含む。
【0043】
クライアント側受信部51は、メールクライアント10でメールを送信する操作が行われた際には、そのメールをメールクライアント10から受信する。また、メールクライアント20でメッセージを選択する操作が行われた際には、選択内容とMTIDとをメールクライアント20から受信する。更に、メールクライアント10から付加データの同期が要求された際には、同期の要求とMTIDとをメールクライアント10から受信する。
【0044】
要求情報生成部52は、メールをクライアント側受信部51がメールクライアント10から受信すると、MTIDの発行及び付加データ領域の作成を要求する要求情報を生成し、その後、MTIDに関連付けられた付加データの取得を要求する要求情報を生成する。また、選択内容とMTIDとをクライアント側受信部51がメールクライアント20から受信すると、MTIDに関連付けられた付加データの選択内容に基づく更新を要求する要求情報を生成する。更に、同期の要求とMTIDとをクライアント側受信部51がメールクライアント10から受信すると、MTIDに関連付けられた付加データの取得を要求する要求情報を生成する。
【0045】
サーバ側送信部53は、MTIDの発行及び付加データ領域の作成を要求する要求情報、MTIDに関連付けられた付加データの取得を要求する要求情報、及び、MTIDに関連付けられた付加データの選択内容に基づく更新を要求する要求情報の何れかを要求情報生成部52が生成すると、この要求情報をMTBサーバ40に送信する。また、メール処理部55がMTIDをメールに付加することによりMTID付きメールを生成すると、このMTID付きメールをメールサーバ30に送信する。
【0046】
サーバ側受信部54は、メールクライアント10でメールを送信する操作が行われた際には、MTIDをMTBサーバ40から受信した後、MTID付きメールをメールサーバ30から受信し、その後、付加データとMTIDとをMTBサーバ40から受信する。また、メールクライアント20でメッセージを選択する操作が行われた際には、更新後の付加データとMTIDとを受信する。更に、メールクライアント10から付加データの同期が要求された際には、付加データとMTIDとを受信する。
【0047】
メール処理部55は、メールクライアント10でメールを送信する操作が行われた際には、クライアント側受信部51がメールクライアント10から受信したメールをメール記憶部56に記憶する。そして、メール記憶部56に記憶されたメールに対してサーバ側受信部54がMTBサーバ40から受信したMTIDを付加する。その後、サーバ側受信部54がメールサーバ30から受信したMTID付きメールをメール記憶部56に記憶し、MTID付きメールからMTIDを抽出する。そして、サーバ側受信部54がこのMTIDに関連付けられた付加データをMTBサーバ40から受信すると、メール記憶部56に記憶されたMTID付きメールに対してこの付加データを付加する。また、メールクライアント20でメッセージを選択する操作が行われた際には、サーバ側受信部54がMTBサーバ40から受信した更新後の付加データとMTIDとをそのままクライアント側送信部57に渡す。更に、メールクライアント10から付加データの同期が要求された際には、サーバ側受信部54がMTBサーバ40から受信した付加データとMTIDとをそのままクライアント側送信部57に渡す。本実施の形態では、電子メールに識別情報を付加することにより、電子メールに記憶領域を関連付ける関連付け部の一例として、メール処理部55を設けている。
【0048】
クライアント側送信部57は、メール処理部55がMTID付きメールに付加データを付加することによりMTID及び付加データ付きメールを生成すると、このMTID及び付加データ付きメールをメールクライアント20に送信する。また、メール処理部55から更新後の付加データとMTIDとを渡されると、これらをメールクライアント20に送信する。更に、メール処理部55から付加データとMTIDとを渡されると、これらをメールクライアント10に送信する。本実施の形態では、メッセージ情報を電子メールに関連付けて表示することを指示する情報を送信する送信部の一例として、また、選択肢情報を電子メールに関連付けて表示することを指示する情報を送信する送信部の一例として、クライアント側送信部57を設けている。
【0049】
[本実施の形態におけるコンピュータシステムの動作]
図4は、本実施の形態におけるコンピュータシステムのメール送信時の動作例を示したシーケンス図である。この動作は、メールの送信者がメールクライアント10でメールの送信を指示する操作を行うことにより開始する。
【0050】
動作が開始すると、まず、メールクライアント10は、メールハブ装置50にメールを送信する(ステップ601)。
【0051】
次に、メールハブ装置50は、メールクライアント10からメールを受信する(ステップ602)。具体的には、クライアント側受信部51が、メールクライアント10により送信されたメールを受信する。これにより、メールハブ装置50は、MTIDの発行及びこのメールに対する付加データを格納する付加データ領域の作成をMTBサーバ40に要求する(ステップ603)。具体的には、メール処理部55が、このメールをメール記憶部56に記憶する。そして、要求情報生成部52が、MTIDの発行及び付加データ領域の作成を要求する要求情報を生成する。その後、サーバ側送信部53が、この要求情報をMTBサーバ40に送信する。
【0052】
次いで、MTBサーバ40は、MTIDの発行及び付加データ領域の作成の要求をメールハブ装置50から受け付ける(ステップ604)。具体的には、受信部41が、サーバ側送信部53により送信された要求情報を受信する。これにより、MTBサーバ40は、MTIDを発行し、これをメールハブ装置50に送信する(ステップ605)。具体的には、MTID発行部42が、MTIDを発行する。そして、送信部46が、このMTIDをメールハブ装置50に送信する。その際、
図4には示さなかったが、領域作成部43が、付加データ記憶部44内にこのMTIDに関連付けて付加データ領域を作成する。そして、付加データ領域には、付加データの初期値を記憶しておく。ここで、付加データの初期値とは、メールの受信者ごとに設定されたメッセージの候補から何れも選択されていない状態の付加データのことをいう。
【0053】
次に、メールハブ装置50は、MTIDをMTBサーバ40から受信する(ステップ606)。具体的には、サーバ側受信部54が、送信部46により送信されたMTIDを受信する。これにより、メールハブ装置50は、このMTIDが付加されたMTID付きメールをメールサーバ30に送信する(ステップ607)。具体的には、メール処理部55が、メール記憶部56に記憶されたメールを読み出してメール記憶部56から削除し、受信されたMTIDをこのメールに付加する。そして、サーバ側送信部53が、MTIDが付加されたMTID付きメールをメールサーバ30に送信する。その際、
図4には示さなかったが、MTIDは、メールクライアント10にも伝えられ、メールクライアント10において、ステップ601で送信されたメールに関連付けて保持されるものとする。
【0054】
次いで、メールサーバ30は、MTID付きメールをメールハブ装置50から受信する(ステップ608)。これにより、メールサーバ30は、一般的なメールサーバが行う処理をこのメールに対して行った後、MTID付きメールをメールハブ装置50に送信する(ステップ609)。
【0055】
次に、メールハブ装置50は、MTID付きメールをメールサーバ30から受信する(ステップ610)。具体的には、サーバ側受信部54が、メールサーバ30により送信されたMTID付きメールを受信する。これにより、メールハブ装置50は、このメールに対する付加データの取得をMTBサーバ40に要求する(ステップ611)。具体的には、メール処理部55が、受信されたMTID付きメールをメール記憶部56に記憶し、MTID付きメールからMTIDを抽出する。そして、要求情報生成部52が、MTIDを含み、付加データの取得を要求する要求情報を生成する。その後、サーバ側送信部53が、この要求情報をMTBサーバ40に送信する。
【0056】
次いで、MTBサーバ40は、付加データの取得要求をメールハブ装置50から受け付ける(ステップ612)。具体的には、受信部41が、サーバ側送信部53により送信された要求情報を受信する。これにより、MTBサーバ40は、この付加データを取得し、メールハブ装置50に送信する(ステップ613)。具体的には、付加データ処理部45が、受信された要求情報に含まれるMTIDに関連付けられた付加データ領域を付加データ記憶部44から検索し、その領域に記憶されている付加データを読み出す。尚、このとき、付加データ領域には付加データの初期値が記憶されたままなので、メールの受信者ごとに設定されたメッセージの候補から何れも選択されていない状態の付加データが読み出される。そして、送信部46が、この付加データをメールハブ装置50に送信する。
【0057】
次に、メールハブ装置50は、付加データをMTBサーバ40から受信する(ステップ614)。具体的には、サーバ側受信部54が、送信部46により送信された付加データを受信する。これにより、メールハブ装置50は、MTID及び付加データが付加されたMTID及び付加データ付きメールをメールクライアント20に送信する(ステップ615)。具体的には、メール処理部55が、メール記憶部56に記憶されたMTID付きメールを読み出してメール記憶部56から削除し、受信された付加データをこのMTID付きメールに付加する。そして、クライアント側送信部57が、MTID及び付加データが付加されたMTID及び付加データ付きメールをメールクライアント20に送信する。
【0058】
最後に、メールクライアント20は、MTID及び付加データ付きメールをメールハブ装置50から受信する(ステップ616)。その結果、メールクライアント20には、メールに関連付けて、メールの受信者ごとにメールの送信者に伝達することが想定されるメッセージの候補を選択肢として設定した付加データが表示される。
【0059】
図5は、本実施の形態におけるコンピュータシステムのメッセージ選択時の動作例を示したシーケンス図である。この動作は、メールの受信者が、
図4のステップ616でメールクライアント20に表示された付加データのうちの自分に対して設定されたメッセージの候補の中から何れかのメッセージを選択する操作を行うことにより開始する。
【0060】
動作が開始すると、まず、メールクライアント20は、その操作による選択内容をメールハブ装置50にMTIDと共に送信する(ステップ651)。
【0061】
次に、メールハブ装置50は、選択内容をメールクライアント20からMTIDと共に受信する(ステップ652)。具体的には、クライアント側受信部51が、メールクライアント20により送信された選択内容とMTIDとを受信する。これにより、メールハブ装置50は、選択内容に基づく付加データの更新をMTBサーバ40に要求する(ステップ653)。具体的には、要求情報生成部52が、MTID及び選択内容を含み、付加データの更新を要求する要求情報を生成する。そして、サーバ側送信部53が、この要求情報をMTBサーバ40に送信する。
【0062】
次いで、MTBサーバ40は、選択内容に基づく付加データの更新の要求をメールハブ装置50から受け付ける(ステップ654)。具体的には、受信部41が、サーバ側送信部53により送信された要求情報を受信する。これにより、MTBサーバ40は、付加データを選択内容に基づいて更新し、更新後の付加データをメールハブ装置50に送信する(ステップ655)。具体的には、付加データ処理部45が、受信された要求情報に含まれるMTIDに関連付けられた付加データ領域を付加データ記憶部44から検索し、その領域に記憶されている付加データを読み出す。そして、受信された要求情報に含まれる選択内容に基づいて付加データを更新し、更新後の付加データを付加データ領域に書き戻す。その後、送信部46は、この更新後の付加データとMTIDとをメールハブ装置50に送信する。
【0063】
次に、メールハブ装置50は、更新後の付加データをMTBサーバ40からMTIDと共に受信する(ステップ656)。具体的には、サーバ側受信部54が、送信部46により送信された更新後の付加データとMTIDとを受信する。これにより、メールハブ装置50は、更新後の付加データをメールクライアント20にMTIDと共に送信する(ステップ657)。具体的には、メール処理部55が、受信された更新後の付加データとMTIDとを受け取る。そして、クライアント側送信部57が、更新後の付加データとMTIDとをメールクライアント20に送信する。
【0064】
次いで、メールクライアント20は、更新後の付加データをメールハブ装置50からMTIDと共に受信する(ステップ658)。その結果、
図4のステップ616でメールクライアント20に表示された付加データには、自分がメッセージの候補の中からどのメッセージを選択したかが示される。
【0065】
一方、メールクライアント10は、MTIDを指定して、MTBサーバ40上の付加データとの同期をメールハブ装置50に要求する(ステップ659)。
【0066】
次に、メールハブ装置50は、メールクライアント10から同期の要求をMTIDと共に受け付ける(ステップ660)。具体的には、クライアント側受信部51が、メールクライアント10から同期の要求とMTIDとを受信する。これにより、メールハブ装置50は、付加データの取得をMTBサーバ40に要求する(ステップ661)。具体的には、要求情報生成部52が、MTIDを含み、付加データの取得を要求する要求情報を生成する。そして、サーバ側送信部53が、この要求情報をMTBサーバ40に送信する。
【0067】
次いで、MTBサーバ40は、付加データの取得の要求をメールハブ装置50から受け付ける(ステップ662)。具体的には、受信部41が、サーバ側送信部53により送信された要求情報を受信する。これにより、MTBサーバ40は、付加データを取得し、メールハブ装置50に送信する(ステップ663)。具体的には、付加データ処理部45が、受信された要求情報に含まれるMTIDに関連付けられた付加データ領域を付加データ記憶部44から検索し、その領域に記憶されている付加データを読み出す。そして、送信部46は、この付加データとMTIDとをメールハブ装置50に送信する。
【0068】
次に、メールハブ装置50は、付加データをMTBサーバ40からMTIDと共に受信する(ステップ664)。具体的には、サーバ側受信部54が、送信部46により送信された付加データとMTIDとを受信する。これにより、メールハブ装置50は、付加データをメールクライアント10にMTIDと共に送信する(ステップ665)。具体的には、メール処理部55が、受信された付加データとMTIDとを受け取る。そして、クライアント側送信部57が、付加データとMTIDとをメールクライアント10に送信する。
【0069】
最後に、メールクライアント10は、付加データをメールハブ装置50からMTIDと共に受信する(ステップ666)。その結果、メールクライアント10には、
図4のステップ601で送信したメールに関連付けて、メールの受信者がメッセージの候補の中からどのメッセージを選択したかを示す付加データが表示される。
【0070】
尚、この動作例において、メールクライアント10は、ステップ659でMTBサーバ40上の付加データとの同期を要求することにより、ステップ666で最新状態の付加データを受信するようにしたが、これには限らない。例えば、ステップ657でメールハブ装置50が更新後の付加データをメールクライアント20に送信する際にメールクライアント10にも送信することにより、メールクライアント10が最新状態の付加データを受信するようにしてもよい。
【0071】
また、この動作例では、メールクライアント10,20のみに最新状態の付加データを送信することとしたが、この限りではない。例えば、この動作例におけるメールクライアント20をメールクライアント20aとし、その他に受信側のメールクライアント20としてメールクライアント20b,20cを設けたとすると、メールクライアント20b,20cにも最新状態の付加データを送信してよい。具体的には、メールクライアント20b,20cがMTBサーバ40上の付加データとの同期を要求することにより、メールクライアント20b,20cに最新状態の付加データを送信してよい。また、ステップ657でメールハブ装置50が更新後の付加データをメールクライアント20b,20cにも送信することにより、メールクライアント20b,20cに最新状態の付加データを送信してよい。
【0072】
[本実施の形態におけるUIの例]
図6は、
図4のステップ601でメールクライアント10がメールを送信する際のUIの例を示した図である。図示するように、このUIは、ヘッダ表示領域71と、本文表示領域72とを含む。そして、ヘッダ表示領域71では、このメールの送信者がメールアドレス「id0@xxx」を有するユーザであり、このメールのTO宛先の受信者がメールアドレス「id1@xxx」を有するユーザであり、このメールのCC宛先の受信者がメールアドレス「id2@xxx」を有するユーザ及びメールアドレス「id3@xxx」を有するユーザであることが示されている。尚、以下では、メールアドレス「id0@xxx」を有するユーザ、メールアドレス「id1@xxx」を有するユーザ、メールアドレス「id2@xxx」を有するユーザ、メールアドレス「id3@xxx」を有するユーザを、それぞれ、ユーザ0、ユーザ1、ユーザ2、ユーザ3と呼ぶこととする。また、ユーザ0は、メールクライアント10を使用し、ユーザ1、ユーザ2、ユーザ3は、それぞれ、メールクライアント20a、メールクライアント20b、メールクライアント20cを使用するものとする。
【0073】
図7は、
図4のステップ616でメールクライアント20aがメールを受信した際のUIの例を示した図である。図示するように、このUIは、メッセージ選択領域73を更に含む。そして、メッセージ選択領域73では、全ての受信者のメールアドレスに対して、メールの送信者に伝達することが想定されるメッセージの候補及びそのメッセージの候補が選択されたかどうかを表すチェックボックスが示されている。但し、この図は、ユーザ1が使用するメールクライアント20aのUIを示しているので、メールアドレス「id1@xxx」に対するチェックボックスのみがチェックできるようになっており、他のメールアドレスに対するチェックボックスはグレーアウトされチェックできないようになっている。また、これは破線で示したようにUIとして表示されるものではないが、図には、メールクライアント20aが受信したメールに付加されたMTIDを格納するMTID部70も示している。
【0074】
図8は、
図5のステップ651でメールクライアント20aが選択内容を送信する際のUIの例を示した図である。具体的には、ユーザ1が受信したメールに対して「ありがとう」という返信メッセージを送信する際のUIの例を示している。図示するように、メッセージ選択領域73では、メールアドレス「id1@xxx」に対して、「ありがとう」に対応するチェックボックスがチェックされている。
【0075】
図9は、
図5のステップ658でメールクライアント20aが更新後の付加データを受信した際のUIの例を示した図である。図示するように、メッセージ選択領域73では、メールアドレス「id1@xxx」に対しては、「ありがとう」に対応するチェックボックスがチェックされた
図8の状態のままとなっている。一方、メールアドレス「id2@xxx」に対しては、「了解」に対応するチェックボックスがチェックされている。また、フリーコメントは「再見積もり時はすぐに教えて」と書き換えられ、これに対するチェックボックスもチェックされている。これは、MTBサーバ40において、メールクライアント20aでの選択内容に基づく更新後の付加データが取得される前に、メールクライアント20bでの選択内容に基づく付加データの更新が行われたことを意味する。但し、メールアドレス「id2@xxx」及びメールアドレス「id3@xxx」に対するチェックボックスはグレーアウトされてチェックできないようになっている。
【0076】
図10は、
図5のステップ666でメールクライアント10が付加データを受信した際のUIの例を示した図である。具体的には、ユーザ1が受信したメールに対して「ありがとう」という返信メッセージを送信し、ユーザ2が受信したメールに対して「了解」「再見積もり時はすぐに教えて」という返信メッセージを送信し、ユーザ3が受信したメールに対して「CC不要」という依頼メッセージを送信した際のUIの例を示している。図示するように、メッセージ選択領域73では、メールアドレス「id1@xxx」に対して、「ありがとう」に対応するチェックボックスがチェックされている。また、メールアドレス「id2@xxx」に対して、「了解」に対応するチェックボックスがチェックされ、フリーコメントは「再見積もり時はすぐに教えて」と書き換えられ、これに対するチェックボックスもチェックされている。更に、メールアドレス「id3@xxx」に対して、「CC不要」に対応するチェックボックスがチェックされている。但し、この図は、ユーザ0が使用するメールクライアント10のUIを示しているので、何れのメールアドレスに対するチェックボックスもグレーアウトされチェックできないようになっている。
【0077】
[本実施の形態の変形例]
本実施の形態では、MTBサーバ40及びメールハブ装置50を、メールクライアント10,20及びメールサーバ30から独立した装置としたが、独立した装置としなくてもよい。例えば、メールハブ装置50の機能は、メールクライアント10,20に実装してもよいし、メールサーバ30に実装してもよい。また、MTBサーバ40及びメールハブ装置50の機能は、メールサーバ30に実装してもよい。特に、この場合は、
図1のコンピュータシステムに含まれる装置が、メールクライアント10、メールクライアント20a,20b,20c、及び、メールサーバ30のみとなる。
【0078】
[本実施の形態の効果]
本実施の形態では、メールの送信に応じてそのメールのメールスレッドに対応する付加データ領域を作成し、送信端末及び受信端末がメールスレッドに対する最新状態の付加データを共有するようにした。これにより、メールの送信者及び受信者は、TO宛先及びCC宛先に指定されたメールの受信者からのメッセージを一覧で確認できるようになった。また、メールの送信者はこのメッセージ一覧を確認することにより次のアクションを決定することができ、メールの受信者も同じメッセージを確認することによりそのメッセージを考慮した返信を行うことができるようになった。
【0079】
加えて、本実施の形態では、メールの送信者に対するメッセージを、受信したメールに付随する付加データ上でチェックボックスにチェックする操作等により送信するようにした。これにより、メールの受信者は、メールの送信者に対するメッセージを簡単に送信できるようになった。
【0080】
[本実施の形態を適用可能なコンピュータのハードウェア構成]
図11は、本実施の形態を適用可能なコンピュータ90のハードウェア構成例を示した図である。図示するように、コンピュータ90は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)90aと、M/B(マザーボード)チップセット90bを介してCPU90aに接続されたメインメモリ90cと、同じくM/Bチップセット90bを介してCPU90aに接続された表示機構90dとを備える。また、M/Bチップセット90bには、ブリッジ回路90eを介して、ネットワークインターフェイス90fと、磁気ディスク装置(HDD)90gと、音声機構90hと、キーボード/マウス90iと、光学ドライブ90jとが接続されている。
【0081】
尚、
図11において、各構成要素は、バスを介して接続される。例えば、CPU90aとM/Bチップセット90bの間や、M/Bチップセット90bとメインメモリ90cの間は、CPUバスを介して接続される。また、M/Bチップセット90bと表示機構90dとの間は、AGP(Accelerated Graphics Port)を介して接続されてもよいが、表示機構90dがPCI Express対応のビデオカードを含む場合、M/Bチップセット90bとこのビデオカードの間は、PCI Express(PCIe)バスを介して接続される。また、ブリッジ回路90eと接続する場合、ネットワークインターフェイス90fについては、例えば、PCI Expressを用いることができる。また、磁気ディスク装置90gについては、例えば、シリアルATA(AT Attachment)、パラレル転送のATA、PCI(Peripheral Components Interconnect)を用いることができる。更に、キーボード/マウス90i、及び、光学ドライブ90jについては、USB(Universal Serial Bus)を用いることができる。
【0082】
ここで、本発明は、全てハードウェアで実現してもよいし、全てソフトウェアで実現してもよい。また、ハードウェア及びソフトウェアの両方により実現することも可能である。また、本発明は、コンピュータ、データ処理システム、コンピュータプログラムとして実現することができる。このコンピュータプログラムは、コンピュータにより読取り可能な媒体に記憶され、提供され得る。ここで、媒体としては、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線又は半導体システム(装置又は機器)、或いは、伝搬媒体が考えられる。また、コンピュータにより読取り可能な媒体としては、半導体、ソリッドステート記憶装置、磁気テープ、取り外し可能なコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、リジッド磁気ディスク、及び光ディスクが例示される。現時点における光ディスクの例には、コンパクトディスク−リードオンリーメモリ(CD−ROM)、コンパクトディスク−リード/ライト(CD−R/W)及びDVDが含まれる。
【0083】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態には限定されない。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々に変更したり代替態様を採用したりすることが可能なことは、当業者に明らかである。