(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
つぎに、本発明を実施するための形態について説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施の形態であるCIGS太陽電池の断面図である。このCIGS太陽電池は、基板1と、裏面電極層2と、CIGS光吸収層(化合物光吸収層)3と、バッファ層5と、表面電極層6とをこの順で備えており、上記CIGS光吸収層3とバッファ層5との間に、下記の一般式(1)に示す組成の混晶からなる界面層4が設けられ
るとともに、上記バッファ層が下記の一般式(2)または一般式(3)に示す組成の混晶からなる、特殊な構成になっている。以下、各層を詳細に説明する。なお、
図1において、各層の厚み、大きさ、外観等は模式的に示したものであり、実際とは異なっている(以下の図においても同じ)。
【0024】
上記基板1は、支持基板として用いられるものであり、ガラス基板、金属基板、樹脂基板等のなかから、目的や設計上の必要に応じて適宜のものが選択して用いられる。上記ガラス基板としては、アルカリ金属元素の含有量が極めて低い低アルカリガラス(高歪点ガラス)、アルカリ金属元素を含まない無アルカリガラス、青板ガラス等が好ましく用いられる。なかでも、基板1として青板ガラスを用いると、基板1からCIGS光吸収層3へアルカリ金属元素が拡散して太陽電池特性が向上するため、好ましい。アルカリ金属元素を含まないあるいは含有の少ない基板を用いる際には、CIGS光吸収層3の形成前後あるいは形成中に、アルカリ金属元素を添加することが好ましい。
【0025】
また、上記基板1が長尺状で可撓性を有するものであると、ロールトゥロール方式またはステッピングロール方式でCIGS太陽電池を製造することができるため、好ましい。なお、上記「長尺状」とは、長さ方向の長さが幅方向の長さの10倍以上あるものをいい、30倍以上あるものがより好ましく用いられる。
【0026】
そして、上記基板1の厚みは、5〜200μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは10〜100μmの範囲である。すなわち、厚みが厚すぎると、CIGS太陽電池の屈曲性が失われ、CIGS太陽電池を曲げた際にかかる応力が大きくなり、CIGS光吸収層3等の積層構造にダメージを与えるおそれがあり、逆に薄すぎると、CIGS太陽電池を製造する際に、基板1が座屈して、CIGS太陽電池の製品不良率が上昇する傾向がみられるためである。
【0027】
上記基板1の上に形成された裏面電極層2は、例えば、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、クロム(Cr)、チタン(Ti)等により、単層または複層に形成されている。
【0028】
そして、上記裏面電極層2の厚み(複層の場合は、各層の厚みの合計)は、10〜1000μmの範囲にあることが好ましい。ただし、前記基板1が導電性を有し、裏面電極層2の機能を有する場合には、この裏面電極層2を設けなくともよい。
【0029】
また、基板1由来の不純物が熱拡散するとCIGS太陽電池の性能が悪影響を受けるため、これを防止することを目的として、基板1または裏面電極層2の上にバリア層(図示せず)を設けてもよい。このようなバリア層は、例えば、Cr、ニッケル(Ni)、NiCr、コバルト(Co)等の形成材料を用い、スパッタリング法、蒸着法、CVD法、ゾル・ゲル法、液相析出法等の方法により形成することができる。
【0030】
裏面電極層2の上に形成されたCIGS光吸収層3は、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)の4元素からなるカルコパイライト型結晶構造の化合物半導体で形成されている。そして、その厚みは、1.0〜3.0μmの範囲にあることが好ましく、1.5〜2.5μmの範囲にあることがより好ましい。厚みが薄すぎると、光吸収層として用いた際の光吸収量が少なくなり、太陽電池の性能が低下する傾向がみられ、逆に厚すぎると、CIGS光吸収層3の形成にかかる時間が増加し、生産性に劣る傾向がみられるためである。このようなCIGS光吸収層3は、真空蒸着法、セレン化/硫化法、スパッタリング法等により形成することができる。
【0031】
また、上記CIGS光吸収層3におけるCu、In、Gaの組成比は、0.7<Cu/(Ga+In)<0.95(モル比)の式を満たすことが好ましい。この式を満たすようになっていると、上記CIGS光吸収層3内にCu
(2-X)Seが過剰に取り込まれることをより阻止でき、しかも層全体としてわずかにCuが不足した状態にできるためである。また、同属元素であるGaとInとの比は、0.10<Ga/(Ga+In)<0.40(モル比)の範囲にあることが好ましい。
【0032】
上記CIGS光吸収層3の上(バッファ層5との間)には、下記の一般式(1)に示す組成
の混晶からなる界面層4が形成されている。このように、ZnOまたはZnSの比率を高めた界面層を、CIGS光吸収層3に接して形成するため、界面近傍における結晶の配向を一定方向に揃えることができ、界面近傍におけるキャリアの再結合を減少させることができるという優れた特性を有する。
【0034】
より詳しく説明すると、上記界面層4(ZnOS膜)
は混晶であるが、ZnOとZnSとはそれぞれ異なる結晶構造を有しており、そのイオン半径、格子定数が異なっている。そして、上記一般式(1)において、Xが0.9<X<1の場合には、上記界面層4はZnOの構成比率が大きく、ZnOに基づくウルツ鉱型結晶構造を取るため、ZnOとZnSとのイオン半径、格子定数の差は結晶状態に大きく影響を及ぼさない。また、上記一般式(1)において、Xが0<X<0.1の場合には、ZnSの構成比率が大きく、ZnSに基づく亜鉛閃光型結晶構造を取るため、同様にイオン半径、格子定数の差異の影響が少ない。しかしながら、上記一般式(1)において、Xが0.1<X≦0.9の場合には、界面層4に(002)面以外にも(101)や(100)等の配向が確認され、結晶配向に乱れが生じてしまうことが判明した。このように、界面層4の結晶配向がランダムになると、CIGS光吸収層3で生成された電子はスムーズに表面電極層6まで到達できず、太陽電池性能を低下させてしまうこととなる。
【0035】
つぎに、上記界面層4の上に形成されたバッファ層5は
、上記界面層4とは異なる組成であって、Zn(O
Y,S
1-Y)(ただし、Yは0.5≦Y<1)
または、(Zn
Z,Mg
1-Z)O(ただし、Zは0.5≦Z<1)
である。このため、より一層、伝達帯不連続性による変換効率の低下を抑制でき、しかも可視光領域で透明に形成することができるため、光吸収の損失をほぼなくすことができる。また、その厚みは、50〜200nmの範囲にあることが好ましい。
【0036】
そして、上記バッファ層5の上に形成された表面電極層6としては、透明導電層が用いられる。このような透明導電層としては、高透過率で低抵抗な薄膜となる材料が好ましく、GZO、ITO、IZO、酸化亜鉛アルミニウム(Al:ZnO)等があげられる。また、その厚みは、50〜300nmの範囲にあることが好ましい。そして、この透明電極層6の光透過率は、80%を超えるものであることが好ましい。
【0037】
上記構成のCIGS太陽電池によれば、上記のように、CIGS光吸収層3とバッファ層5との間に、特定の組成からなる界面層4が設けられており、CIGS光吸収層3の界面において格子欠陥が生じにくく、キャリアの再結合が効果的に抑制されている。したがって、高い変換効率を損なうことなく、優れた性能を充分に発揮させることができる。
しかも、バッファ層5が、上記界面層4とは異なる組成であって、Zn(OY,S1-Y)(ただし、Yは0.5≦Y<1)または、(ZnZ,Mg1-Z)O(ただし、Zは0.5≦Z<1)であるため、より一層、伝達帯不連続性による変換効率の低下を抑制でき、しかも可視光領域で透明に形成することができるため、光吸収の損失をほぼなくすことができる。また、CIGS光吸収層3がカルコパイライト構造を有し、薄膜で高い変換効率を実現することができるため、太陽電池そのものを薄膜に構成できる。このため、利用しない波長の光を高い確率で透過させることができ、太陽電池の使用用途、利用部位の幅を広げることができる。
【0038】
上記CIGS太陽電池は、例えば、つぎのようにして製造することができる。まず、長尺状の基板1を準備し、その表面に、ロールトゥロール方式で、裏面電極層2、CIGS光吸収層3、界面層4、バッファ層5、表面電極層6をこの順で連続的に積層することによって得ることができる。以下、この製造方法を、各層の形成工程ごとに詳細に説明する。
【0039】
〔裏面電極層2の形成工程〕
ロールトゥロール方式により、長尺状の基板1を走行させながら、その表面に、Mo等の形成材料を用いて、例えば、スパッタリング法、蒸着法、インクジェット法等により、裏面電極層2を形成する。
【0040】
〔CIGS光吸収層3の形成工程〕
つぎに、上記裏面電極層2が形成された基板1を、同じくロールトゥロール方式で走行させながら、その裏面電極層2の上に、CIGS光吸収層3を形成する。CIGS光吸収層3の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、セレン化/硫化法、スパッタリング法等があげられる。
【0041】
〔界面層4の形成工程〕
そして、上記CIGS光吸収層3までが形成された基板1を、同じくロールトゥロール方式で走行させながら、そのCIGS光吸収層3の上に、界面層4を形成する。界面層4の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、蒸着法等があげられる。とりわけ、所望どおりの組成に制御しやすい点から、スパッタリング法が好ましく用いられる。上記スパッタリング法としては、所望どおりの組成の陰極ターゲットを用いるターゲットスパッタリング法でもよいし、Zn材料のスパッタ中に酸素および硫化水素等のカルコゲン分子または化合物を供給する反応性スパッタリング法であってもよく、他の方法であってもよい。また、スパッタリング法に用いる装置は、通常のマグネトロン型スパッタリング装置のほか、2枚の陰極ターゲットを対向して配置する対向ターゲット型スパッタリング装置を用いることができる。対向ターゲット型スパッタリング装置を用いると、対向する陰極ターゲット間にプラズマを閉じ込めることができ、基板1がプラズマに晒されないことから、荷電粒子(電子、イオン)や反跳アルゴンによるダメージが小さく、成膜面やその下地となる面に欠陥やボイドが生じにくいため、好適である。そして、上記一対のターゲットに対する印加は、高周波(RF)電源によるか、高周波(RF)電源に直流(DC)電源を重畳することが好適である。
【0042】
なかでも、対向ターゲット型スパッタリング装置において、
図2に示すように、基板1の層形成面から垂直状に延びる仮想中心軸αを想定し、この仮想中心軸αを挟んだ両側にこれら2枚の陰極ターゲット7,7'を対向させ、その両者7,7'が基板1の層形成面側(以下「基板1側」という)に向かって広がる略V字状となるよう配置したものを用いると、より少ない電力で成膜することができるため、成膜面やその下地となる面が、さらにダメージを受けにくくなり、好適である。とりわけ、上記陰極ターゲット7,7'のうち、少なくとも一方のターゲット7,(7')の、仮想中心軸αに対する角θが5〜15°の範囲に設定されていることが特に好適である。なお、
図2においては、基板1に形成された裏面電極層2およびCIGS光吸収層3の図示を省略している。
【0043】
〔バッファ層5の形成工程〕
つぎに、上記界面層4までが形成された基板1を、ロールトゥロール方式で走行させながら、その界面層4の上に、バッファ層5を形成する。バッファ層5の形成方法としては、例えば、溶液成長法、真空蒸着法、CVD法、ALD法、スパッタリング法等があげられる。とりわけ、所望どおりの組成に制御しやすい点から、スパッタリング法が好ましく用いられ、上記界面層4の形成と同様、
図2に示すように、陰極ターゲット7,7'が特殊な配置に設定された対向ターゲットスパッタリング装置を用いることが好適である。すなわち、この装置によれば、より少ない電力で成膜することができ、成膜面やその下地となる面が、さらにダメージを受けにくくなるためである。
【0044】
〔表面電極層6の形成工程〕
そして、上記バッファ層5までが形成された基板1を、ロールトゥロール方式で走行させながら、そのバッファ層5の上に、表面電極層6を形成する。表面電極層6の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、蒸着法、有機金属気相成長法(MOCVD法)等があげられる。とりわけ、所望どおりの組成に制御しやすい点から、スパッタリング法が好ましく用いられ、上記界面層4およびバッファ層5の形成と同様、
図2に示すように、陰極ターゲット7,7'が特殊な配置に設定された対向ターゲットスパッタリング装置を用いることが好適であり、その理由も同様である。
【0045】
このようにして、本発明のCIGS太陽電池を得ることができる。これによれば、従来のように、CIGS光吸収層3を形成した後、一旦、基材1を大気下に取り出してバッファ層5を形成し、再度、真空下で、表面電極層6を形成するという複雑な工程を経由させずに、真空下で連続して各工程を行うことができる。しかも、各工程を連続して行うにも関わらず、変換効率を高く維持することができるため、時間の短縮化と高品質の両立を実現することができる。
【0046】
なお、上記の製法において、基板1が裏面電極層2の機能を有する場合(導電性を有する場合等)には、上記〔裏面電極層2の形成工程〕は不要であり、上記基板1をそのまま裏面電極層として利用することができる。
【0047】
そして、上記の製法では、界面層4の形成と、バッファ層5の形成と、表面電極層6の形成の各工程に好適に用いられる対向ターゲットスパッタリング装置において、陰極ターゲット7、7'の組成やスパッタリングの条件によっては、上記陰極ターゲット7、7'を基板1側に向かって広がる略V字状に配置せず、
図3に示すように、両ターゲット7、7'を平行に配置するようにしてもよい。また、
図4に示すように、一方の陰極ターゲットのみ(この例では、陰極ターゲット7)を、仮想中心軸αに対し、角θだけ傾けた形で配置するようにしてもよい。
【0048】
さらに、上記の製法では、裏面電極層2、CIGS光吸収層3、界面層4、バッファ層5、表面電極層6の各層の形成を、ロールトゥロール方式で行ったが、必ずしもロールトゥロール方式を採用する必要はなく、当初から基板1を枚葉タイプで準備して並べ、その上に順次、各層を形成していく方式を用いても差し支えない。しかし、各層の形成を、ロールトゥロール方式で連続的に行うと、生産効率がよい。とりわけ、長尺状の基板を長手方向に走行させながら、上記基板の上にCIGS光吸収層3、界面層4と、バッファ層5と、表面電極層6とを、真空下においてこの順で連続的に形成すると、低コストで優れた特性を有するCIGS太陽電池を得ることができるため、好適である。
【実施例】
【0049】
つぎに、実施例について比較例
、参考例と併せて説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0050】
〔
参考例1〕
(裏面電極層の形成)
まず、脱脂したソーダライムガラス(厚み0.55mm、幅20mm、長さ20mmの平面視正方形状)からなる基板の表面に、マグネトロンスパッタリング装置(アルバック社製、SH−450)を用いて、放電ガスにはアルゴンを使用し、スパッタリング圧力が1Paとなるよう直流(DC)電源を用い、スパッタリングレート60nm/minの条件で、厚み0.8μmのMoからなる裏面電極層を形成した。
【0051】
(CIGS光吸収層の形成)
つぎに、上記で形成された裏面電極層の上に、CIGS光吸収層を形成した。すなわち、真空蒸着装置のチャンバー内に、Ga,In,Cu,Seのそれぞれを蒸着源として配置し、このチャンバー内を真空度1×10
-4Paとし、基板温度を250℃にした状態でIn、Ga、Seを同時に32分間蒸着した。その後、基板温度を20℃/分の昇温速度で550℃まで昇温しながらCuおよびSeを同時に33分間蒸着し、最後に基板温度を550℃に保ったままIn、GaおよびSeを同時に蒸着して上記裏面電極層の上にCIGS光吸収層を形成した。上記蒸着源の温度はそれぞれGa:950℃、In:780℃、Cu:1100℃、Se:140℃、となるよう加熱した。得られたCIGS光吸収層の組成(原子数%)は、Cu/III族=0.89、Ga/III族=0.31であり、その厚みは2.1μmであった。
【0052】
(界面層の形成)
つぎに、
図2に示す一対の陰極ターゲットが略V字状に配置された対向ターゲットスパッタ装置(仮想中心軸αに対する角θがそれぞれ10°)を用いて、上記で形成されたCIGS光吸収層の上に、界面層を形成した。なお、陰極ターゲットとして、ZnOからなる組成のものを使用し、スパッタリングの際の放電ガスにArを用い、高周波(RF)電源により、電力100W、スパッタリング圧力0.3Paの条件下で、形成時間を調整することにより、膜厚0.5nmの界面層を得た。
【0053】
(バッファ層の形成)
つぎに、上記界面層の形成と同様、
図2に示す一対の陰極ターゲットが略V字状に配置された対向ターゲットスパッタ装置(仮想中心軸αに対する角θがそれぞれ10°)を用いて、上記で形成された界面層の上に、バッファ層を形成した。なお、陰極ターゲットとして、Zn
0.85Mg
0.15Oからなる組成のものを使用し、スパッタリングの際の放電ガスにArを用い、高周波(RF)電源により、電力密度0.7kW/cm
2、スパッタリング圧力0.3Paの条件下で、電力および形成時間を調整することにより、膜厚70nmのバッファ層を得た。
【0054】
(表面電極層の形成)
つぎに、マグネトロンスパッタリング装置(アルバック社製、SH−450)を用いて、上記で形成されたバッファ層の上に、表面電極層を形成した。なお、陰極ターゲットとして、ITO(In
2O
3:90〔原子数%〕、SnO
2:10〔原子数%〕)を用い、放電ガスにはArとO
2(Ar流量の1/10)との混合ガスを使用し、スパッタリング圧力が0.3Paとなるよう高周波(RF)電源を用い、スパッタリングレート20nm/minの条件で、厚み200nmのITOからなる表面電極層を形成した。
【0055】
〔実施例
1〜13、参考例1〜14〕
製造条件を、後記の表1〜3に示すように変更した以外は、
参考例1と同様にして、CIGS太陽電池を得た。
【0056】
〔比較例1および2〕
界面層を形成せず、製造条件を後記の表4に示すように変更した以外は、
参考例1と同様にして、CIGS太陽電池を得た。
【0057】
〔比較例3〜14〕
製造条件を、後記の表4に示すように変更した以外は、
参考例1と同様にして、CIGS太陽電池を得た。
【0058】
このようにして得られた実施例
、比較例
および参考例のCIGS太陽電池の変換効率を、下記のとおり測定し、下記の表1〜4に併せて示す。
【0059】
<変換効率>
実施例
、比較例
および参考例のCIGS太陽電池をそれぞれ20個準備し、これらに擬似太陽光(Air Mass=1.5)を照射し、IV計測システム(山下電装社製)を用いて、それぞれの変換効率を測定した。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】
上記の結果から、実施例1〜
13のCIGS太陽電池は、いずれも変換効率が9.0%以上の優れた変換効率を有していることがわかった。一方、従来どおり、界面層を設けなかった比較例1および2のCIGS太陽電池は、変換効率が低くなっていた。これは、CIGS光吸収層とバッファ層との界面において、キャリアの再吸収が行われたことに起因するものと考えられる。また、界面層を設けても、その組成が前記一般式(1)を満たしていない比較例3〜14のCIGS太陽電池は、いずれも変換効率が8.5%以下であり、界面層を設けなかった比較例1および2と同様の低い変換効率を示していた。